JP2004146865A - 無線通信装置およびアンテナ故障検出方法 - Google Patents

無線通信装置およびアンテナ故障検出方法 Download PDF

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Kenichi Yuasa
湯浅 賢一
Toshio Obara
小原 敏男
Sadatomo Ishikawa
石川 禎友
Takeya Nagano
長野 健也
Yoshihiro Kanezaki
金崎 善宏
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】周波数分割複信方式(FDD)においても、電界ボックスを用意することなく、簡単な構成でアンテナの故障を検出可能な無線通信装置およびアンテナ故障検出方法を提供すること。
【解決手段】第1のアンテナ101から送信された高周波信号を、第1のアンテナ101と空間結合された結合素子110によって受信し、受信信号を外部コネクタ105に出力する。外部コネクタ105に接続された高周波測定器によって、外部コネクタ105から出力される受信信号の信号レベルを評価することで、第1のアンテナ101の故障検出を行う。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数分割複信方式(FDD)においても、電界ボックスを用意することなく、簡単な構成でアンテナの故障を検出する無線通信装置およびアンテナ故障検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やPHS等の無線通信装置の普及が目覚ましく、生産工程や出荷後のメンテナンスにおいて、無線通信装置のアンテナの故障を検出する機会が増えている。図13は従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。図14は図13の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図である。
【0003】
この無線通信装置1109は、主にアンテナ1101、高周波信号切替部1102、共用器1103、外部コネクタ1104、送信部1105、受信部1106、シンセサイザ部1107および制御部1108から構成される。アンテナ1101は、送信部1105から出力される高周波信号を基地局に伝送し、また基地局から到来する受信信号を受信部1106に伝送するためのものである。高周波信号切替部1102は、第1のアンテナで送受信を行う際、制御部1108からの制御信号に従ってアンテナ1101と共用器1103との間を接続する一方、送信部1105の故障を検出する際、制御部1108からの制御信号に従って共用器1103と外部コネクタ1104との間を接続する。
【0004】
共用器1103は、送信部1105および受信部1106の2つの周波数帯域でアンテナ1101を共用するものであり、送信部1105から出力される送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号をほとんど損失なくアンテナ1101に伝送し、アンテナ1101からの受信周波数帯域(例えば2110MHz〜2170MHz)の高周波信号をほとんど損失なく受信部1106に伝送すると共に、送信部1105および受信部1106のアイソレーションを確保する。
【0005】
外部コネクタ1104は、送信部1105の故障を検出する場合、高周波信号切替部1102によって共用器1103と接続されることで、送信部1105から出力される高周波信号を高周波測定器に伝達するものである。一般的に、送信部1105の故障を検出する場合、高周波測定器を用いることが多く、高周波測定器と外部コネクタ1104との接続には外部コネクタケーブル1110が用いられる(図14参照)。送信部1105は、前述したように、制御部1108からの制御信号に従って送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号を送信する。受信部1106は、前述したように、制御部1108からの制御信号に従って受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の高周波信号を受信する。
【0006】
シンセサイザ部1107は、送信部1105が送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号を送信できるように、基準となる高周波信号を送信部1105に出力すると共に、受信部1106が受信周波数帯域の高周波信号(例えば2110MHz〜2170MHz)を受信できるように、基準となる高周波信号を受信部1106に出力する。制御部1108は、高周波信号切替部1102、送信部1105、受信部1106およびシンセサイザ部1107を制御し、無線通信装置1109が無線通信を行えるようにする。また、制御部1108は、アンテナ1101または送信部1105の故障を検出する際、高周波信号切替部1102を制御し、送信部1105からの高周波信号を外部コネクタ1104を介して外部に出力させる。
【0007】
次に、上記構成の無線通信装置1109におけるアンテナ1101の故障検出動作を示す。アンテナ1101の故障検出を行う手順として、まず送信部1105の故障検出を行い、送信部1105が正常に動作していることを確認した後、アンテナ1101の故障検出を行う。送信部1105の故障検出を行うために、制御部1108は、共用器1103と外部コネクタ1104との間を接続するために、高周波信号切替部1102を制御する。
【0008】
送信部1105は、送信信号として送信周波数帯域(例えば、1950MHz)の高周波信号を出力する。送信部1105から出力された高周波信号は、共用器1103および高周波信号切替部1102を介して外部コネクタ1104に出力される。外部コネクタ1104から出力される高周波信号は、外部コネクタケーブル1110を介して、例えばスペクトラムアナライザ等の高周波測定器に入力される。そして、その信号レベル(測定値レベルZ)が評価される。
【0009】
ここで、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における共用器1103の通過損失(L1103)を1dB、高周波信号切替部1102の通過損失(L1102)を1dBとすると、送信部1105からX=0dBmの高周波信号を出力した場合、外部コネクタ1104から出力される信号レベルの理論値Yは、数式(1)に示すように、Y=−2dBmとなる。
【0010】
Y[dBm]=X−L1103−L1102 …(1)
【0011】
より具体的には、送信部1105の故障検出処理(図3参照)では、送信部1105の故障検出時、送信部1105からX=0dBmの高周波信号を出力する(ステップS1)。このとき、スペクトラムアナライザによって測定される測定値レベルZが理論値Yと一致しているか否かを判別し(ステップS2)、一致した場合、送信部1105は正常に動作していると判断する(ステップS3)。一方、測定値レベルZが理論値Yに一致しない場合、送信部1105が故障していると判断する(ステップS4)。そして、送信部1105が正常に動作していることが確認された場合だけ、次のアンテナ1101の故障検出動作が行われる。
【0012】
アンテナ1101の故障を検出するために、制御部1108は、共用器1103とアンテナ1101との間を接続するように、高周波信号切替部1102を制御する。送信部1105は、送信信号として送信周波数帯域(1950MHz)の高周波信号を出力する。送信部1105から出力された高周波信号は、共用器1103および高周波信号切替部1102を介して、アンテナ1101に導かれ、アンテナ1101から送信される。
【0013】
そして、アンテナ1101から送信された信号レベル(送信レベルZ”)を測定する。送信レベルZ”を測定する方法としては、例えば電界ボックス内に無線通信装置1109を入れ、スペクトラムアナライザ等の測定器によりアンテナから送信された信号レベルを測定する方法が知られている。
【0014】
アンテナ1101のアンテナ利得(G1101)を−3dB、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における共用器1103の通過損失(L1103)を1dB、高周波信号切替部1102の通過損失(L1102)を1dBとすると、送信部1105からX=0dBmの信号を出力した場合、アンテナ1101から送信される信号レベルの理論値Yは、数式(2)に示すようにY=−5dBmとなる。
【0015】
Y[dBm]=X−L1103−L1102+G1101 …(2)
【0016】
より具体的には、アンテナ1101の故障検出処理(図4参照)では、アンテナ1101の故障検出時、送信部1105からX=0dBmの信号を出力する(ステップS11)。このとき、電界ボックスおよびスペクトラムアナライザを用いて測定される送信レベルZ”が理論値Yと一致するか否かを判別し(ステップS12)、一致した場合、アンテナ1101は正常に動作していると判断する(ステップS13)。一方、送信レベルZ”が理論値Yと一致しない場合、アンテナ1105が故障していると判断する(ステップS14)。
【0017】
このように、従来の無線通信装置におけるアンテナの故障検出では、一旦、高周波信号切替部1102によってアンテナ1101を切り離した状態とし、外部コネクタ1104から出力された高周波信号を高周波測定器で評価することで、送信部1105の故障検出を行う。その後、高周波信号切替部1102によって送信状態とし、電界ボックスおよび高周波測定器を用いて、アンテナ1101から送信された送信信号の送信レベルを評価することで、アンテナの故障検出を行う。
【0018】
以上説明した方法の他に、時間分割複信方式(TDD)の無線通信装置におけるアンテナまたは送受信機の故障を検出する方法として、例えば特開平8−274727号公報に示されるように、試験信号をループバックさせ、ビットエラーレート(BER)を測定することにより、検出する方法も知られている。さらに、周波数分割複信方式(FDD)の無線通信装置におけるアンテナまたは送信機の故障検出を行う方法として、例えば特開平11−196036号公報に示されるように、無線装置内に受信機を1系統追加し、その受信機を用いて送信機から出力された送信信号のレベル、アンテナから送信された送信信号のレベルおよびその信号品質を評価することにより、検出する方法も知られている。
【0019】
【特許文献1】
特開平8−274727号公報
【特許文献2】
特開平11−196036号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明した図13および図14に示す従来の無線通信装置では、アンテナの故障検出を行うために、別途、電界ボックスを用意する必要があった。また、電界ボックス内でアンテナによる送信レベルを評価する工程が加わるため、生産工程や出荷後のメンテナンスでの故障検出には不向きであった。
【0021】
また、従来の特開平8−274727号公報に記載の時間分割複信方式(TDD)の無線通信装置では、周波数分割複信方式(FDD)のように無線通信装置の送信周波数帯域と受信周波数帯域とが異なる無線通信システムの場合、アンテナの故障検出を行うことができなかった。さらに、従来の特開平11−196036号公報に記載の周波数分割複信方式(FDD)の無線通信装置では、無線通信装置内に受信機を1系統追加する必要があり回路規模が大きくなるため、無線通信装置には不向きであった。
【0022】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、周波数分割複信方式(FDD)においても、電界ボックスを用意することなく、簡単な構成でアンテナの故障を検出可能な無線通信装置およびアンテナ故障検出方法を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る無線通信装置は、周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置であって、送信信号を出力する送信部と、前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した信号を入力する受信部と、前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、前記第1のアンテナと空間結合し、前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信する空間結合手段と、前記空間結合手段が受信した信号を外部に出力する出力部と、を備えている。したがって、高周波測定器等の試験装置を用いれば、出力部から外部に出力された信号に基づいて第1のアンテナの故障を検出することができる。このため、周波数分割複信方式(FDD)においても、電界ボックスを用意することなく、簡単な構成でアンテナの故障を検出することができる。
【0024】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記共用器、前記第1のアンテナ、前記出力部および前記空間結合手段の接続を切り替える切替手段を備え、前記第1のアンテナの故障を検出する際、前記切替手段は、前記共用器と前記第1のアンテナとを接続すると共に、前記空間結合手段と前記出力部とを接続し、前記送信部の故障を検出する際、前記切替手段は、前記共用器と前記出力部とを接続し、前記出力部は前記送信部からの送信信号を外部に出力することが望ましい。
【0025】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記出力部は、当該無線通信装置の筐体に設けられた外部コネクタであり、当該外部コネクタにはケーブルを介して高周波測定器が接続されることが望ましい。
【0026】
また、本発明に係る無線通信装置は、周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置であって、送信周波数帯域の送信信号を出力する送信部と、前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した受信周波数帯域の信号を入力する受信部と、前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、前記送信周波数帯域および前記受信周波数帯域に整合して前記第1のアンテナと空間結合し、前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信する空間結合手段と、前記第1のアンテナの故障を検出する際、前記送信部から出力された送信信号を前記受信周波数帯域に制御する信号制御手段と、前記受信部に設けられ、前記空間結合手段が受信した信号のレベルを検出するレベル検出手段と、前記レベル検出手段によって検出された信号のレベルに基づいて、前記第1のアンテナの故障を検出する故障検出手段と、を備えている。したがって、高周波測定器等の試験装置を別途用意することなく、第1のアンテナの故障を検出できる。
【0027】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記送信部の故障を検出する際、前記信号制御手段は、前記送信部から出力された送信信号を前記受信周波数帯域に制御し、前記故障検出手段は、前記レベル検出手段によって検出された信号のレベルに基づいて、前記送信部の故障を検出することが望ましい。
【0028】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記送信部、前記第1のアンテナ、前記空間結合手段および前記受信部の接続を切り替える切替手段を備え、前記第1のアンテナの故障を検出する際、前記切替手段は、前記送信部と前記第1のアンテナとを接続すると共に、前記空間結合手段と前記受信部とを接続し、前記送信部の故障を検出する際、前記切替手段は、前記送信部と前記受信部とを接続し、前記故障検出手段は、前記受信部に入力された前記送信部からの送信信号に基づいて、前記送信部の故障を検出することが望ましい。
【0029】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記送信部と前記受信部との間に、前記送信部からの送信信号を減衰させる減衰手段を備え、前記送信部の故障を検出する際、前記レベル検出手段は、前記減衰手段によって減衰された送信信号のレベルを検出することが望ましい。
【0030】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記故障検出手段による検出結果として、前記第1のアンテナの状態を報知する報知手段を備えている。したがって、第1のアンテナの異常を報知できる。
【0031】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記空間結合手段は結合素子であることが望ましい。
【0032】
また、本発明に係る無線通信装置は、前記空間結合手段は第2のアンテナである。このため、結合素子を必要とせずにアンテナの故障を検出できる。したがって、回路規模の増大を抑えることができる。
【0033】
また、本発明に係る無線通信装置は、第1の筐体および第2の筐体を有する折り畳み自在な無線通信装置であって、前記第1の筐体に設けられた受話部付近に前記第1のアンテナが配置され、前記第2の筐体に設けられた送話部付近に前記空間結合手段が配置されている。したがって、無線通信装置を折り畳んだ際に、第1のアンテナと空間結合手段の空間結合の損失を抑えることができるため、第1のアンテナの故障検出を精度良く行える。
【0034】
また、本発明に係るアンテナ故障検出方法は、送信信号を出力する送信部と、前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した信号を入力する受信部と、前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、を備えた、周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置のアンテナ故障検出方法であって、前記第1のアンテナと空間結合する空間結合手段が前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信するステップと、前記空間結合手段が受信した信号を出力部から外部に出力するステップと、前記外部に出力された信号に基づいて、前記第1のアンテナの故障検出を行うステップと、を有する。
【0035】
さらに、本発明に係るアンテナ故障検出方法は、送信周波数帯域の送信信号を出力する送信部と、前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した受信周波数帯域の信号を入力する受信部と、前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、を備えた、周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置のアンテナ故障検出方法であって、前記送信部から出力された送信信号を前記受信周波数帯域に制御するステップと、前記受信周波数帯域に整合する空間結合手段が、前記第1のアンテナと空間結合して前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信するステップと、前記受信部に設けられたレベル検出手段が、前記空間結合手段が受信した信号のレベルを検出するステップと、前記レベル検出手段によって検出された信号のレベルに基づいて、前記第1のアンテナの故障を検出するステップと、を有する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無線通信装置およびアンテナ故障検出方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0037】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る無線通信装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。第1の実施形態の無線通信装置111は、第1のアンテナ101、特許請求の範囲の切替手段に該当する第1の高周波信号切替部102および第2の高周波信号切替部103、共用器104、出力部に該当する外部コネクタ105、送信部106、受信部107、シンセサイザ部108、制御部109、および空間結合手段に該当する結合素子110を備えて構成されている。
【0038】
図2は、第1の実施形態の無線通信装置111の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図である。同図に示すように、無線通信装置111の筐体には外部コネクタ105が取り付けられている。アンテナの故障を検出する場合、外部コネクタ105に装着された外部コネクタケーブル113を介して、無線通信装置111は高周波測定器(図示せず)に接続される。
【0039】
本実施形態の無線通信装置111は、周波数分割複信方式(FDD)の無線通信システムに対応しており、通常運用時、送信部106が上り周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号を送信し、受信部107が下り周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の高周波信号を受信することで無線通信を行う。
【0040】
第1のアンテナ101は、送信部106から出力される高周波信号を基地局等に伝送し、また基地局から到来する受信信号を受信部107に伝送する。第1のアンテナ101は、例えば基板上の内蔵モノポールアンテナから構成され、送信部106における送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)および受信部107における受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)に整合している。一方、送信周波数および受信周波数帯域以外の周波数帯域では、第1のアンテナ101の利得が低下する。
【0041】
第1の高周波信号切替部102は、第1のアンテナ101により送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って第1のアンテナ101と共用器104との間を接続する一方、送信部106から出力される高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って共用器104と第2の高周波信号切替部103との間を接続する。
【0042】
第2の高周波信号切替部103は、送信部106から出力される高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って第1の高周波信号切替部102と外部コネクタ105との間を接続する一方、結合素子110からの高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って結合素子110と外部コネクタ105との間を接続する。
【0043】
共用器104は、送信部106および受信部107における2つの周波数帯域で第1のアンテナ101を共用するものであり、送信部106からの送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号をほとんど損失なく伝送し、第1のアンテナ101からの受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の高周波信号をほとんど損失なく伝送すると共に、送信部106および受信部107間のアイソレーションを確保する。
【0044】
外部コネクタ105は、第2の高周波信号切替部103に接続されており、第1のアンテナ101または送信部106の故障を検出する際、第1の高周波信号切替部102を経由する送信部106からの高周波信号、または結合素子110からの高周波信号を外部に出力する。外部コネクタ105から出力される高周波信号を、例えばスペクトラムアナライザ等の高周波測定器に入力する場合、前述したように、外部コネクタケーブル113が用いられる。
【0045】
送信部106は、制御部109からの制御信号およびシンセサイザ部108から出力される基準となる高周波信号に従って、送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号を出力する。
【0046】
受信部107は、制御部109からの制御信号およびシンセサイザ部108から出力される基準となる高周波信号に従って、受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の高周波信号を受信する。また、受信部107はレベル検出回路を内蔵し、受信動作時、受信部107に入力される受信入力レベル(受信電界強度(RSSI))を検出する。
【0047】
シンセサイザ部108は、制御部109からの制御信号に従って、送信部106が送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の高周波信号を送信できるように、基準となる高周波信号を送信部106に出力する一方、受信部107が受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の高周波信号を受信できるように、基準となる高周波信号を受信部107に出力する。
【0048】
制御部109は、通常運用時、第1のアンテナ101を用いて無線通信が行えるように、第1および第2の高周波信号切替部102,103、送信部106、受信部107およびシンセサイザ部108を制御する。また、制御部109は、故障検出時、送信部106から出力される高周波信号を直接、外部コネクタ105に出力し、また、送信部106からの送信信号を第1のアンテナ101および結合素子110を介して外部コネクタ105に出力するように、第1および第2の高周波信号切替部102,103、送信部106およびシンセサイザ部108を制御する。
【0049】
結合素子110は、第1のアンテナ101と空間結合しており、空間結合された第1のアンテナ101から送信される高周波信号を第2の高周波信号切替部103に出力する。結合素子110には、例えばチップアンテナや基板上に形成されたパターンが用いられる。結合素子110は、送信周波数帯域(例えば1920MHz〜1980MHz)および受信周波数帯域(例えば2110MHz〜2170MHz)に整合しており、送信および受信周波数帯域の利得が高く設定されている。
【0050】
外部コネクタケーブル113は、高周波測定器を外部コネクタ105に接続するものであり、外部コネクタ105から出力された高周波信号をほとんど損失なく高周波測定器に入力する。
【0051】
次に、上記構成の無線通信装置111が行う第1のアンテナ101の故障検出動作について説明する。第1のアンテナ101の故障検出を行う手順としては、まず送信部106の故障検出を行って送信部106が正常に動作していることを確認した後、第1のアンテナ101の故障検出を行う。
【0052】
まず、送信部106の故障検出を行うための準備として、制御部109は、共用器104と第2の高周波信号切替部103との間を接続するために、第1の高周波信号切替部102を制御すると共に、第1の高周波信号切替部102と外部コネクタ105との間を接続するために、第2の高周波信号切替部103を制御する。
【0053】
送信部106は、送信信号として送信周波数帯域(例えば、1950MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された高周波信号は、共用器104、第1および第2の高周波信号切替部102,103を介して外部コネクタ105に出力される。外部コネクタ105に出力される送信部106からの送信信号は、外部コネクタケーブル113を介して、例えばスペクトラムアナライザ等の高周波測定器に入力される。高周波測定器では、その信号レベル(測定値レベルZ)が評価される。
【0054】
ここで、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における共用器104の通過損失(L104)を1dB、第1の高周波信号切替部102の通過損失(L102)を1dB、第2の高周波信号切替部103の通過損失(L103)を1dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(3)に示すように、Y=−3dBmとなる。
【0055】
Y[dBm]=X−L104−L102−L103 …(3)
【0056】
図3は、第1の実施形態の無線通信装置が有する送信部106の故障検出処理手順を示すフローチャートである。送信部106の故障検出時、送信部106からX=0dBmの信号を出力する(ステップS1)。このとき、スペクトラムアナライザによって測定される測定値レベルZが理論値Yと一致したか否かを判別する(ステップS2)。測定値レベルZが理論値Yと一致した場合、送信部106は正常に動作していると判断し(ステップS3)、本処理を終了する。一方、測定値レベルZが理論値Yに一致しない場合、送信部106が故障していると判断し(ステップS4)、本処理を終了する。ここで、送信部106が正常に動作していることを確認できた場合のみ、第1のアンテナ101の故障検出を行う。
【0057】
次に、第1のアンテナ101の故障検出を行うための準備として、制御部109は、共用器104と第1のアンテナ101との間を接続するために、第1の高周波信号切替部102を制御すると共に、結合素子110と外部コネクタ105との間を接続するために、第2の高周波信号切替部103を制御する。
【0058】
送信部106は、送信信号として送信周波数帯域(例えば、1950MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された送信信号は、共用器104および第1の高周波信号切替部102を介して、第1のアンテナ101から送信される。第1のアンテナ101から送信された送信信号は、第1のアンテナ101と空間結合された結合素子110によって受信され、第2の高周波信号切替部103を介して外部コネクタ105に出力される。外部コネクタ105に出力された送信部106からの高周波信号は、外部コネクタケーブル113を介して、例えばスペクトラムアナライザ等の高周波測定器に入力される。高周波測定器では、その信号レベル(測定値レベルZ)が評価される。
【0059】
ここで、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における結合素子110の利得(G110)を−3dB、経路112の空間結合による損失(L112)を10dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(4)に示すようにY=−19dBmとなる。
【0060】
Y[dBm]=X−L104−L102+G101−L112+G110−L103 …(4)
【0061】
図4は、第1の実施形態のアンテナ故障検出処理手順を示すフローチャートである。当該手順では、送信部106からX=0dBmの信号を出力する(ステップS11)。このとき、スペクトラムアナライザによって測定される測定値レベルZが理論値Yと一致しているか否かを判別する(ステップS12)。測定値レベルZが理論値Yと一致した場合、第1のアンテナ101は正常に動作していると判断し(ステップS13)、本処理を終了する。一方、測定値レベルZが理論値Yに一致しない場合、第1のアンテナ101が故障していると判断し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0062】
以上説明したように、第1の実施形態の無線通信装置111およびアンテナ故障検出方法では、第1のアンテナ101から送信された高周波信号を、第1のアンテナ101と空間結合された結合素子110によって受信して外部コネクタ105に出力し、外部コネクタ105から出力される高周波信号の信号レベルを高周波測定器によって評価することで、第1のアンテナ101の故障検出を行う。したがって、周波数分割複信方式(FDD)の無線通信装置111に対して、電界ボックスを別途用意することなく、簡単な構成で第1のアンテナ101の故障を検出することができる。
【0063】
なお、第1のアンテナ101として、筐体の外部に接続されるホイップアンテナやヘリカルアンテナを用いても同様の効果を得ることができる。また、無線通信装置111内の送信部106および受信部107の変復調方式として、ヘテロダイン方式またはダイレクトコンバージョン方式のどちらを用いても同様の効果を得ることができる。
【0064】
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態の無線通信装置121の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図である。同図に示すように、第2の実施形態の無線通信装置121は、第1の実施形態の無線通信装置111と略同一の電気的構成であるため、同一の構成要素には同一の符号を付す。なお、第2の実施形態の無線通信装置121は、受話部301を有する第1の筐体(ケース)と送話部302を有する第2の筐体(ケース)とが開閉自在な折畳式の無線通信装置である。
【0065】
受話部301は、通常運用時、通話中に通話相手の音声を出力する。送話部302は、通常運用時、通話中に利用者の音声を通話相手に伝達する。第1のアンテナ101は、受話部301付近に配置されており、第1の実施形態と同様の動作を行う。結合素子110は、無線通信装置121を折り畳んだときに第1のアンテナ101と近接するよう送話部302付近に配置されており、第1の実施形態と同様の動作を行う。
【0066】
経路112は、第1のアンテナ101と結合素子110との空間結合により形成されるものである。一般的に、無線通信装置121の筐体が第1のアンテナ101と結合素子110との間を隔てると、第1のアンテナ101と結合素子110との空間結合が弱まり、経路112による損失が大きくなる。
【0067】
上記構成の無線通信装置121では、折り畳んだ状態、つまり第1のアンテナ101と結合素子110の空間結合を強めた状態で、第1のアンテナ101の故障検出を行う。なお、第1のアンテナ101の故障検出は第1の実施形態と同様の方法で行うため、その説明は省略する。
【0068】
送信部106の故障検出では、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における共用器104の通過損失(L104)を1dB、第1の高周波信号切替部102の通過損失(L102)を1dB、第2の高周波信号切替部103の通過損失(L103)を1dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(3)に示すように、Y=−3dBmとなる。
【0069】
また、第1のアンテナ101の故障検出では、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における結合素子110の利得(G110)を−3dB、また、経路112の空間結合による損失(L112)を20dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(4)に示すように、Y=−29dBmとなる。
【0070】
このように、第2の実施形態では、無線通信装置121を折り畳んだとき第1のアンテナ101との距離が近くなる位置に結合素子110が配置されているため、この折り畳んだ状態で第1のアンテナ101の故障検出を行う際、第1のアンテナ101と結合素子110の空間結合の損失を抑えることができる。したがって、アンテナの故障検出を精度良く行える折畳式の無線通信装置を実現することができる。
【0071】
なお、第2の実施形態では、受話部301付近に第1のアンテナ101を配置し、かつ送話部302付近に結合素子110を配置したが、逆に受話部301付近に結合素子110を配置し、かつ送話部302付近に第1のアンテナ101を配置しても同様の効果を得ることができる。
【0072】
[第3の実施形態]
第3の実施形態の無線通信装置は、周波数分割複信方式(FDD)の無線通信システムに対応し、複数のアンテナ(第1、第2のアンテナ)を備え、通常運用時は通信状態の良いアンテナを選択しながら無線通信を行う。
【0073】
図6は、本発明に係る無線通信装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。同図において、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号が付されている。第3の実施形態の無線通信装置131は、第1の実施形態と比較して、結合素子110の代わりに特許請求の範囲の空間結合手段に該当する第2のアンテナ401を有する他、第3の高周波信号切替部402、第4の高周波信号切替部403、第5の高周波信号切替部404および第6の高周波信号切替部405を備えて構成されている。
【0074】
第2のアンテナ401は、第1のアンテナ101と同様、送信部106から出力される高周波信号を基地局等に伝送し、また基地局から到来する受信信号を受信部107に伝送するためのものである。第2のアンテナ401は、例えば基板上に形成された内蔵モノポールアンテナから構成され、送信部106の送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)および受信部107の受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)に整合している。なお、送信周波数および受信周波数帯域以外の周波数帯域では、アンテナの利得が低下する。
【0075】
第3の高周波信号切替部402は、第1のアンテナ101により送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って第1のアンテナ101と共用器104との間を接続する一方、第2のアンテナ401で送受信を行う際、または送信部106から出力される高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って共用器104と第4の高周波信号切替部403との間を接続する。
【0076】
第4の高周波信号切替部403は、第2のアンテナ401により送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って第3の高周波信号切替部402と第5の高周波信号切替部404との間を接続する一方、送信部106から出力される高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って第3の高周波信号切替部402と第6の高周波信号切替部405との間を接続する。
【0077】
第5の高周波信号切替部404は、第2のアンテナ401により送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って第2のアンテナ401と第4の高周波信号切替部403との間を接続する一方、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合により得られる高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って第2のアンテナ401と第6の高周波信号切替部405との間を接続する。
【0078】
第6の高周波信号切替部405は、送信部106から出力される高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って第4の高周波信号切替部403と外部コネクタ105との間を接続する一方、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401の空間結合により得られる高周波信号を外部コネクタ105に出力する際、制御部109からの制御信号に従って外部コネクタ105と第5の高周波信号切替部404との間を接続する。
【0079】
次に、上記構成の無線通信装置131が行う第1および第2のアンテナ101,401の故障検出動作について説明する。第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う手順としては、まず送信部106の故障検出を行って送信部106が正常に動作していることを確認した後、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う。
【0080】
まず、送信部106の故障検出を行うための準備として、制御部109は、第3の高周波信号切替部402を制御して共用器104と第4の高周波信号切替部403との間を接続させ、第4の高周波信号切替部403を制御して第3の高周波信号切替部402と第6の高周波信号切替部405との間を接続させ、第6の高周波信号切替部405を制御して第4の高周波信号切替部403と外部コネクタ105との間を接続させる。
【0081】
送信部106は、送信信号として送信周波数帯域(例えば1950MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された高周波信号は、共用器104、第3、第4および第6の高周波信号切替部402,403,405を介して、外部コネクタ105に出力される。外部コネクタ105に出力される送信部106からの送信信号は、第1の実施形態と同様、外部コネクタケーブル113を介して、例えばスペクトラムアナライザ等の高周波測定器に入力される。高周波測定器では、その信号レベル(測定値レベルZ)が評価される。
【0082】
ここで、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における共用器104の通過損失(L104)を1dB、第3の高周波信号切替部402の通過損失(L402)を1dB、第4の高周波信号切替部403の通過損失(L403)を1dB、第6の高周波信号切替部405の通過損失(L405)を1dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(5)に示すようにY=−4dBmとなる。
【0083】
Y[dBm]=X−L104−L402−L403−L405 …(5)
【0084】
送信部106の故障検出処理は、第1の実施形態と同様、図3のフローチャートに示した手順で行われる。すなわち、送信部106の故障検出時、送信部106からX=0dBmの信号を出力する(ステップS1)。このとき、スペクトラムアナライザによって測定される測定値レベルZが理論値Yと一致したか否かを判別する(ステップS2)。測定値レベルZが理論値Yと一致した場合、送信部106は正常に動作していると判断し(ステップS3)、本処理を終了する。一方、測定値レベルZが理論値Yに一致しない場合、送信部106が故障していると判断し(ステップS4)、本処理を終了する。ここで、送信部106が正常に動作していることを確認できた場合のみ、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出を行う。
【0085】
次に、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障を検出するための準備として、制御部109は、第3の高周波信号切替部402を制御して共用器104と第1のアンテナ101との間を接続させ、第5の高周波信号切替部404を制御して第2のアンテナ401と第6の高周波信号切替部405との間を接続させ、第6の高周波信号切替部405を制御して第5の高周波信号切替部404と外部コネクタ105との間を接続させる。
【0086】
送信部106は、送信信号として送信周波数帯域(例えば1950MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された送信信号は、共用器104および第3の高周波信号切替部402を介して、第1のアンテナ101から送信される。第1のアンテナ101から送信された送信信号は、空間結合された第2のアンテナ401によって受信され、第5および第6の高周波信号切替部404,405を介して外部コネクタ105に出力される。外部コネクタ105に出力された送信部106からの高周波信号は、第1の実施形態と同様、外部コネクタケーブル113を介して、例えばスペクトラムアナライザ等の高周波測定器に入力される。高周波測定器では、その信号レベル(測定値レベルZ)が評価される。
【0087】
ここで、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における第2のアンテナ401の利得(G401)を−3dB、経路112の空間結合による損失(L112)を10dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(6)に示すようにY=−20dBmとなる。
【0088】
Y[dBm]=X−L104−L402+G101−L112+G401−L404−L405 …(6)
【0089】
第1および第2のアンテナ101,401の故障検出処理は、第1の実施形態と同様、図4のフローチャートに示した手順で行われる。すなわち、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出では、送信部106からX=0dBmの信号を出力する(ステップS11)。このとき、スペクトラムアナライザによって測定される測定値レベルZが理論値Yと一致しているか否かを判別する(ステップS12)。測定値レベルZが理論値Yと一致した場合、第1および第2のアンテナ101、401は正常に動作していると判断し(ステップS13)、本処理を終了する。一方、測定値レベルZが理論値Yに一致しない場合、第1および第2のアンテナ101、401が故障していると判断し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0090】
以上説明したように、第3の実施形態の無線通信装置131およびアンテナ故障検出方法では、第1のアンテナ101から送信された高周波信号を、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合によって外部コネクタ105に出力し、外部コネクタ105から出力される高周波信号の信号レベルを高周波測定器によって評価することで、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う。したがって、結合素子を必要とせずに第1および第2のアンテナ101,401の故障を検出することができる。
【0091】
なお、第1および第2のアンテナ101,401として、筐体の外部に接続されるホイップアンテナやヘリカルアンテナを用いても同様の効果を得ることができる。また、無線通信装置131内の送信部106および受信部107の変復調方式として、ヘテロダイン方式またはダイレクトコンバージョン方式のどちらを用いても同様の効果を得ることができる。
【0092】
[第4の実施形態]
図7は、第4の実施形態の無線通信装置141の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図である。同図に示すように、第4の実施形態の無線通信装置141は、第3の実施形態の無線通信装置131と略同一の電気的構成であるため、同一の構成要素には同一の符号を付す。なお、第4の実施形態の無線通信装置141は、受話部301を有する第1の筐体(ケース)と送話部302を有する第2の筐体(ケース)とが開閉自在な折畳式の無線通信装置である。
【0093】
第1のアンテナ101は受話部301付近に配置されている。第2のアンテナ401は、無線通信装置141を折り畳んだときに第1のアンテナ101と近接するように送話部302付近に配置されており、第3の実施形態と同様の動作を行う。経路112は、前述したように、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合により形成されるものである。一般的に、無線通信装置141の筐体が第1のアンテナ101と第2のアンテナ401の間を隔てると、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合が弱まり、経路112による損失が大きくなる。
【0094】
上記構成の無線通信装置141では、折り畳んだ状態、つまり第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合を強めた状態で、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出を行う。なお、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出は、第3の実施形態と同様の方法で行うので、その説明は省略する。
【0095】
送信部106の故障検出では、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における共用器104の通過損失(L104)を1dB、第3の高周波信号切替部402の通過損失(L402)を1dB、第4の高周波信号切替部403の通過損失(L403)を1dB、第6の高周波信号切替部405の通過損失(L405)を1dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(5)に示すように、Y=−4dBmとなる。
【0096】
また、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出では、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、送信周波数帯域(1920MHz〜1980MHz)における第2のアンテナ401の利得(G401)を−3dB、経路112の空間結合による損失(L112)を20dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、外部コネクタ105に出力される信号レベルの理論値Yは、数式(6)に示すように、Y=−30dBmとなる。
【0097】
以上説明したように、第4の実施形態では、無線通信装置141を折り畳んだとき第1のアンテナ101との距離が近くなる位置に第2のアンテナ401が配置されているため、この折り畳んだ状態で第1のアンテナ101の故障検出を行う際、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合の損失を抑えることができる。したがって、アンテナの故障検出を精度良く行える折畳式の無線通信装置を実現することができる。
【0098】
なお、第4の実施形態では、受話部301付近に第1のアンテナ101を配置し、かつ送話部302付近に第2のアンテナ401を配置したが、逆に受話部301付近に第2のアンテナ401を配置し、かつ送話部302付近に第1のアンテナ101を配置しても同様の効果を得ることができる。
【0099】
[第5の実施形態]
図8は、本発明に係る無線通信装置の第5の実施形態の構成を示すブロック図である。同図において、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号が付されている。第5の実施形態の無線通信装置151は、第1の実施形態と比較して、外部コネクタ105を有しておらず、また、特許請求の範囲の切替手段に該当する第7の高周波信号切替部601、第8の高周波信号切替部602および第9の高周波信号切替部603と、減衰手段に該当する高周波信号減衰部604とを備えて構成されている。さらに、受信部107にはレベル検出手段に該当するレベル検出回路107aが内蔵されており、このレベル検出回路107aを用いてアンテナの故障検出が行われる。
【0100】
本実施形態のシンセサイザ部108は、通常運用時、制御部109からの制御信号に従って、送信部106が送信周波数帯域(例えば、1920MHz〜1980MHz)の信号を出力できるように、基準となる高周波信号を送信部106に出力する一方、受信部107が受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の信号を入力できるように、基準となる高周波信号を受信部107に出力する。
【0101】
また、シンセサイザ部108は、送信部106の故障検出を行うために送信部106から出力される高周波信号を受信部107に入力する際、または第1のアンテナ101の故障検出を行うために送信部106から出力される高周波信号を受信部107に入力する際、制御部109からの制御信号に従って、送信部106が受信周波数帯域(例えば、2110MHz〜2170MHz)の高周波信号を出力できるように、基準となる高周波信号を送信部106に出力する。なお、シンセサイザ部108および制御部109は特許請求の範囲の信号制御手段に該当する。
【0102】
第7の高周波信号切替部601は、第1のアンテナで送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って共用器104と送信部106との間を接続する一方、送信部106の故障検出を行うために送信部106から出力される高周波信号を受信部107に入力する際、制御部109からの制御信号に従って送信部106と高周波信号減衰部604との間を接続する。
【0103】
第8の高周波信号切替部602は、第1のアンテナ101で送受信を行う際、または第1のアンテナ101の故障検出を行うために結合素子110からの高周波信号を受信部107に入力する際、制御部109からの制御信号に従って、受信部107と第9の高周波信号切替部603との間を接続する。また、送信部106の故障検出を行うために送信部106から出力される高周波信号を受信部107に入力する際、制御部109からの制御信号に従って、受信部107と高周波信号減衰部604との間を接続する。
【0104】
第9の高周波信号切替部603は、第1のアンテナ101で送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って、共用器104と第8の高周波信号切替部602との間を接続する。また、第1のアンテナ101の故障検出を行うために結合素子110からの高周波信号を受信部107に入力する際、制御部109からの制御信号に従って、結合素子110と第8の高周波信号切替部602との間を接続する。
【0105】
高周波信号減衰部604は、送信部106から出力される高周波信号を減衰し(例えば、L604=20dB)、受信部107に伝送する。受信部107は、前述したように、受信信号のレベルを評価するレベル検出回路107aを有している。
【0106】
次に、上記構成の無線通信装置151が行う第1のアンテナ101の故障検出動作について説明する。第1のアンテナ101の故障検出を行う手順としては、まず送信部106の故障検出を行って送信部106が正常に動作していることを確認した後、第1のアンテナ101の故障検出を行う。
【0107】
まず、送信部106の故障検出を行うための準備として、制御部109は、シンセサイザ部108を制御し、送信部106が受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力できるようにする。さらに、制御部109は、第7の高周波信号切替部601を制御して送信部106と高周波信号減衰部604との間を接続させると共に、第8の高周波信号切替部602を制御して高周波信号減衰部604と受信部107との間を接続させる。
【0108】
送信部106は、送信信号として受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された高周波信号は、第7、第8の高周波信号切替部601,602および高周波信号減衰部604を介して、受信部107に入力される。受信部107に入力された高周波信号は、受信部107内のレベル検出回路107aによってその信号レベル(受信入力レベルZ’)が評価される。
【0109】
ここで、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第7の高周波信号切替部601の通過損失(L601)を1dB、高周波信号減衰部604の通過損失(L604)を20dB、第8の高周波信号切替部602の通過損失(L602)を1dBとすると、送信部106からX=−20dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(7)に示すように、Y=−42dBmとなる。
【0110】
Y[dBm]=X−L601−L604−L602 …(7)
【0111】
送信部106の故障検出処理は、第1の実施形態と同様、図3のフローチャートに示した手順で、制御部109によって行われる。すなわち、送信部106の故障検出時、送信部106からX=−20dBmの信号を出力する(ステップS1)。このとき、受信部107が有するレベル検出回路107aによって評価される受信入力レベルZ’が理論値Yと一致したか否かを判別する(ステップS2)。受信入力レベルZ’が理論値Yと一致した場合、送信部106は正常に動作していると判断し(ステップS3)、本処理を終了する。一方、受信入力レベルZ’が理論値Yに一致しない場合、送信部106が故障していると判断し(ステップS4)、本処理を終了する。ここで、送信部106が正常動作していることを確認できた場合のみ、第1のアンテナ101の故障検出を行う。
【0112】
次に、第1のアンテナ101の故障を検出するための準備として、制御部109は、シンセサイザ部108を制御し、送信部106が受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力できるようにする。さらに、制御部109は、第7の高周波信号切替部601を制御して送信部106と共用器104との間を接続させ、第8の高周波信号切替部602を制御して第9の高周波信号切替部603と受信部107との間を接続させ、第9の高周波信号切替部603を制御して結合素子110と第8の高周波信号切替部602との間を接続させる。
【0113】
送信部106は、送信信号として受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された高周波信号は、第7の高周波信号切替部601および共用器104を介して、第1のアンテナ101から送信される。第1のアンテナ101から送信された送信信号は、空間結合された結合素子110によって受信され、第8および第9の高周波信号切替部602,603を介して受信部107に入力される。送信部106からの高周波信号が受信部107に入力されると、受信部107内のレベル検出回路107aによってその信号レベル(受信入力レベルZ’)が評価される。
【0114】
ここで、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における結合素子110の利得(G110)を−3dB、共用器104における送信部106および第1のアンテナ101間の受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)の損失(I104)を40dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第9の高周波信号切替部603の損失(L603)を1dB、および経路112の空間結合による損失(L112)を10dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(8)に示すように、Y=−59dBmとなる。
【0115】
Y[dBm]=X−L601−I104+G101−L112+G110−L603−L602 …(8)
【0116】
第1のアンテナ101の故障検出処理は、第1の実施形態と同様、図4のフローチャートに示した手順で、制御部109によって行われる。すなわち、第1のアンテナ101の故障検出では、送信部106からX=0dBmの信号を出力する(ステップS11)。このとき、受信部107内のレベル検出回路107aによって評価される受信入力レベルZ’が理論値Yと一致しているか否かを判別する(ステップS12)。受信入力レベルZ’が理論値Yと一致した場合、第1のアンテナ101は正常に動作していると判断し(ステップS13)、本処理を終了する。一方、受信入力レベルZ’が理論値Yに一致しない場合、第1のアンテナ101が故障していると判断し(ステップS14)、本処理を終了する。なお、上記処理を行う制御部109は、特許請求の範囲の故障検出手段に該当する。
【0117】
以上説明したように、第5の実施形態の無線通信装置151およびアンテナ故障検出方法では、送信部106から出力された受信周波数帯域の高周波信号を第1のアンテナ101から送信し、第1のアンテナ101から送信された高周波信号を空間結合された第1のアンテナ101および結合素子110によって受信部107に入力し、その信号レベルを評価することで、第1のアンテナ101の故障検出を行う。したがって、周波数分割複信方式(FDD)の無線通信装置151に対して、高周波測定器を別途用意することなく、簡単な構成で第1のアンテナ101の故障検出することができる。
【0118】
なお、第1のアンテナ101として、筐体の外部に接続されるホイップアンテナやヘリカルアンテナを用いても同様の効果を得ることができる。また、無線通信装置151内の送信部106および受信部107の変復調方式として、ヘテロダイン方式またはダイレクトコンバージョン方式のどちらを用いても同様の効果を得ることができる。
【0119】
[第6の実施形態]
図9は、第6の実施形態の無線通信装置161の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図である。同図に示すように、第6の実施形態の無線通信装置161は、第5の実施形態の無線通信装置151と略同一の電気的構成であるため、同一の構成要素には同一の符号を付す。なお、第6の実施形態の無線通信装置161は、受話部301を有する第1の筐体(ケース)と送話部302を有する第2の筐体(ケース)とが開閉自在な折畳式の無線通信装置である。
【0120】
第1のアンテナ101は受話部301付近に配置されている。結合素子110は、無線通信装置161を折り畳んだときに第1のアンテナ101と近接するように送話部302付近に配置されている。経路112は、前述したように、第1のアンテナ101と結合素子110との空間結合により形成されるものである。一般的に、無線通信装置161の筐体が第1のアンテナ101と結合素子110の間を隔てると、第1のアンテナ101と結合素子110との空間結合が弱まり、経路112による損失が大きくなる。
【0121】
上記構成の無線通信装置161では、折り畳んだ状態、つまり第1のアンテナ101と結合素子110との空間結合を強めた状態で、第1のアンテナ101および結合素子110の故障検出を行う。なお、第1のアンテナ101および結合素子110の故障検出は、第5の実施形態と同様の方法で行うので、その説明は省略する。
【0122】
送信部106の故障検出では、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第7の高周波信号切替部601の通過損失(L601)を1dB、また高周波信号減衰部604の通過損失(L604)を20dB、第8の高周波信号切替部602の通過損失(L602)を1dBとすると、送信部106からX=−20dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(7)に示すように、Y=−42dBmとなる。
【0123】
また、第1のアンテナ101の故障検出では、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における結合素子110の利得(G110)を−3dB、共用器104における送信部106および第1のアンテナ101間の受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)の損失(I104)を−40dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第9の高周波信号切替部603の損失(L603)を1dB、および経路112の空間結合による損失(L112)を20dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(8)に示すように、Y=−69dBmとなる。
【0124】
以上説明したように、第6の実施形態では、無線通信装置161を折り畳んだとき第1のアンテナ101との距離が近くなる位置に結合素子110が配置されているため、この折り畳んだ状態で第1のアンテナ101の故障検出を行う際、第1のアンテナ101と結合素子110との空間結合の損失を抑えることができる。したがって、アンテナの故障検出を精度良く行える折畳式の無線通信装置を実現することができる。
【0125】
なお、第6の実施形態では、受話部301付近に第1のアンテナ101を配置し、かつ送話部302付近に結合素子110を配置したが、逆に受話部301付近に結合素子110を配置し、かつ送話部302付近に第1のアンテナ101を配置しても同様の効果を得ることができる。
【0126】
[第7の実施形態]
図10は、本発明に係る無線通信装置の第7の実施形態の構成を示すブロック図である。同図において、第2、第5の実施形態と同一の構成要素には同一の符号が付されている。第7の実施形態の無線通信装置171は、第5の実施形態と比較して、結合素子110の代わりに第2のアンテナ401を有する他、第10の高周波信号切替部801および第11の高周波信号切替部802を備えて構成されている。
【0127】
第10の高周波信号切替部801は、第1のアンテナ101により送受信を行う際、または第1および第2のアンテナの故障を検出する際、制御部109からの制御信号に従って、第1のアンテナ101と共用器104との間を接続する一方、第2のアンテナ401により送受信を行う際、共用器104と第11の高周波信号切替部802との間を接続する。
【0128】
第11の高周波信号切替部802は、第2のアンテナ401により送受信を行う際、制御部109からの制御信号に従って、第2のアンテナ401と第10の高周波信号切替部801との間を接続する一方、第1および第2のアンテナの故障を検出する際、第2のアンテナ401と第9の高周波信号切替部603との間を接続する。
【0129】
次に、上記構成の無線通信装置171が行う第1および第2のアンテナ101,401の故障検出動作について説明する。第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う手順としては、まず送信部106の故障検出を行って送信部106が正常に動作していることを確認した後、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う。
【0130】
まず、送信部106の故障検出を行うための準備として、制御部109は、シンセサイザ部108を制御し、送信部106が受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力できるようにする。さらに、制御部109は、第7の高周波信号切替部601を制御して送信部106と高周波信号減衰部604との間を接続させると共に、第8の高周波信号切替部602を制御して高周波信号減衰部604と受信部107との間を接続させる。
【0131】
送信部106は、送信信号として受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された高周波信号は、第7、第8の高周波信号切替部601,602および高周波信号減衰部604を介して受信部107に入力される。受信部107に入力された高周波信号は、受信部107内のレベル検出回路107aによってその信号レベル(受信入力レベルZ’)が評価される。
【0132】
ここで、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第7の高周波信号切替部601の通過損失(L601)を1dB、高周波信号減衰部604の通過損失(L604)を20dB、第8の高周波信号切替部602の通過損失(L602)を1dBとすると、送信部106からX=−20dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(7)に示すように、Y=−42dBmとなる。
【0133】
送信部106の故障検出処理は、第1の実施形態と同様、図3のフローチャートに示した手順で、制御部109によって行われる。すなわち、送信部106の故障検出時、送信部106からX=−20dBmの信号を出力する(ステップS1)。このとき、受信部107が有するレベル検出回路107aによって評価される受信入力レベルZ’が理論値Yと一致したか否かを判別する(ステップS2)。受信入力レベルZ’が理論値Yと一致した場合、送信部106は正常に動作していると判断し(ステップS3)、本処理を終了する。一方、受信入力レベルZ’が理論値Yに一致しない場合、送信部106が故障していると判断し(ステップS4)、本処理を終了する。ここで、送信部106が正常に動作していることを確認できた場合のみ、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う。
【0134】
次に、第1および第2のアンテナ101,401の故障を検出するための準備として、制御部109は、シンセサイザ部108を制御し、送信部106が受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力できるようにする。また、制御部109は、第7の高周波信号切替部601を制御して送信部106と共用器104との間を接続させ、第8の高周波信号切替部602を制御して第9の高周波信号切替部603と受信部107との間を接続させ、第9の高周波信号切替部603を制御して第11の高周波信号切替部802と第8の高周波信号切替部602との間を接続させ、第10の高周波信号切替部801を制御して共用器104と第1のアンテナ101との間を接続させ、第11の高周波信号切替部802を制御して第2のアンテナ401と第9の高周波信号切替部603との間を接続させる。
【0135】
送信部106は、送信信号として受信周波数帯域(例えば2110MHz)の高周波信号を出力する。送信部106から出力された高周波信号は、第7の高周波信号切替部601、共用器104および第10の高周波信号切替部801を介して、第1のアンテナ101から送信される。第1のアンテナ101から送信された送信信号は、空間結合された第2のアンテナ401によって受信され、第8、第9、第11の高周波信号切替部602,603,802を介して受信部107に入力される。送信部106からの高周波信号が受信部107に入力されると、受信部107内のレベル検出回路107aによってその信号レベル(受信入力レベルZ’)が評価される。
【0136】
ここで、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第2のアンテナ401の利得(G401)を−3dB、共用器104における送信部106および第1のアンテナ101間の受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)の損失(I104)を−40dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第9の高周波信号切替部603の損失(L603)を1dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第10の高周波信号切替部801の損失(L801)を1dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第11の高周波信号切替部802の損失(L802)を1dB、および経路112の空間結合による損失(L112)を10dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(9)に示すように、Y=−61dBmとなる。
【0137】
Y[dBm]=X−L601−I104−L801+G101−L112+G401−L802−L603−L602 …(9)
【0138】
第1および第2のアンテナ101,401の故障検出処理は、第1の実施形態と同様、図4のフローチャートに示した手順で、制御部109によって行われる。すなわち、第1のアンテナ101の故障検出では、送信部106からX=0dBmの信号を出力する(ステップS11)。このとき、受信部107内のレベル検出回路107aによって評価される受信入力レベルZ’が理論値Yと一致しているか否かを判別する(ステップS12)。受信入力レベルZ’が理論値Yと一致した場合、第1および第2のアンテナ101,401は正常に動作していると判断し(ステップS13)、本処理を終了する。一方、受信入力レベルZ’が理論値Yに一致しない場合、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401が故障していると判断し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0139】
以上説明したように、第7の実施形態の無線通信装置171およびアンテナ故障検出方法では、送信部106から出力された受信周波数帯域の高周波信号を第1のアンテナ101から送信し、第1のアンテナ101と空間結合された第2のアンテナ401によって高周波信号を受信して受信部107に入力し、その信号レベルを評価することで、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う。したがって、周波数分割複信方式(FDD)の無線通信装置171に対して、高周波測定器を別途用意することなく、簡単な構成で第1および第2のアンテナ101,401の故障を検出することができる。
【0140】
なお、第2のアンテナ401として、筐体の外部に接続されるホイップアンテナやヘリカルアンテナを用いても同様の効果を得ることができる。また、無線通信装置171内の送信部106および受信部107の変復調方式として、ヘテロダイン方式またはダイレクトコンバージョン方式のどちらを用いても同様の効果を得ることができる。
【0141】
[第8の実施形態]
図11は、第8の実施形態の無線通信装置181の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図である。同図に示すように、第8の実施形態の無線通信装置181は、第7の実施形態の無線通信装置171と略同一の電気的構成であるため、同一の構成要素には同一の符号を付す。なお、第8の実施形態の無線通信装置181は、受話部301を有する第1の筐体(ケース)と送話部302を有する第2の筐体(ケース)とが開閉自在な折畳式の無線通信装置である。
【0142】
第1のアンテナ101は受話部301付近に配置されている。第2のアンテナ401は、無線通信装置181を折り畳んだときに第1のアンテナ101と近接するように送話部302付近に配置されている。経路112は、前述したように、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合により形成されるものである。一般的に、無線通信装置181の筐体が第1のアンテナ101と第2のアンテナ401の間を隔てると、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合が弱まり、経路112による損失が大きくなる。
【0143】
上記構成の無線通信装置181では、折り畳んだ状態、つまり第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合を強めた状態で、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出を行う。なお、第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出は、第7の実施形態と同様の方法で行うので、その説明は省略する。
【0144】
送信部106の故障検出では、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第7の高周波信号切替部601の通過損失(L601)を1dB、また高周波信号減衰部604の通過損失(L604)を20dB、第8の高周波信号切替部602の通過損失(L602)を1dBとすると、送信部106からX=−20dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(9)に示すように、Y=−42dBmとなる。
【0145】
また、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出では、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第1のアンテナ101のアンテナ利得(G101)を−3dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第2のアンテナ401の利得(G401)を−3dB、共用器104における送信部106および第1のアンテナ101間の受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)の損失(I104)を−40dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第9の高周波信号切替部603の損失(L603)を1dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第10の高周波信号切替部801の損失(L801)を1dB、受信周波数帯域(2110MHz〜2170MHz)における第11の高周波信号切替部802の損失(L802)を1dB、経路112の空間結合による損失(L112)を20dBとすると、送信部106からX=0dBmの信号を出力した場合、受信部107に入力される信号レベルの理論値Yは、数式(9)に示すように、Y=−71dBmとなる。
【0146】
以上説明したように、第8の実施形態では、無線通信装置181を折り畳んだとき第1のアンテナ101との距離が近くなる位置に第2のアンテナ401が配置されているため、この折り畳んだ状態で第1のアンテナ101および第2のアンテナ401の故障検出を行う際、第1のアンテナ101と第2のアンテナ401との空間結合の損失を抑えることができる。したがって、アンテナの故障検出を精度良く行える折畳式の無線通信装置を実現することができる。
【0147】
なお、第8の実施形態では、受話部301付近に第1のアンテナ101を配置し、かつ送話部302付近に第2のアンテナ401を配置したが、逆に受話部301付近に第2のアンテナ401を配置し、かつ送話部302付近に第1のアンテナ101を配置しても同様の効果を得ることができる。
【0148】
[第9の実施形態]
図12は、本発明に係る無線通信装置の第9の実施形態の構成を示すブロック図である。第9の実施形態の無線通信装置191は、第7の実施形態と略同様の構成の他、特許請求の範囲の報知手段に該当する表示部1001を備えて構成されている。但し、第7の実施形態と異なり、第8の高周波信号切替部602は、受信部107と、共用器104または第9の高周波信号切替部603との間の接続を切り替えるものであり、また、第9の高周波信号切替部603は、第8の高周波信号切替部602と、高周波減衰部604または第11の高周波信号切替部802と間の接続を切り替えるものであるが、送信部106の故障検出および第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行う際は第7の実施形態と同様の動作を行う。
【0149】
表示部1001は、制御部109からの制御信号に従って、送信部106、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出結果を表示するものである。
【0150】
上記構成の無線通信装置111では、第7の実施形態と同様に、送信部106、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行うため、その詳細な説明は省略する。第9の実施形態では、送信部106、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行った結果、送信部106、第1および第2のアンテナ101,401に異常が検出されなかった場合に、ステップS3およびステップS13でそれぞれ異常がなく正常に動作していることを表示部1001に表示する。
【0151】
一方、送信部106に異常が検出された場合には、ステップS4で送信部106に異常が検出されたことを表示部1001に表示する。同様に、第1および第2のアンテナ101,401に異常が検出された場合は、ステップS14で第1および第2のアンテナ101,401に異常が検出されたことを表示部1001に表示する。
【0152】
以上説明したように、第9の実施形態の無線通信装置191およびアンテナ故障検出方法では、第1および第2のアンテナ101,401の故障検出を行った結果を表示部1001に表示することができる。なお、異常や正常を報知する手段として、表示に限らず、音や振動で報知するようにしても良い。また、第8の実施形態と同様、折畳式の無線通信装置に適用しても良い。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る無線通信装置およびアンテナ故障検出方法によれば、高周波測定器等の試験装置を用いれば、出力部から外部に出力された信号に基づいて第1のアンテナの故障を検出することができる。このため、周波数分割複信方式(FDD)においても、電界ボックスを用意することなく、簡単な構成でアンテナの故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線通信装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図
【図3】第1の実施形態の無線通信装置が有する送信部の故障検出処理手順を示すフローチャート
【図4】第1の実施形態のアンテナ故障検出処理手順を示すフローチャート
【図5】第2の実施形態の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図
【図6】本発明に係る無線通信装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図
【図7】第4の実施形態の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図
【図8】本発明に係る無線通信装置の第5の実施形態の構成を示すブロック図
【図9】第6の実施形態の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図
【図10】本発明に係る無線通信装置の第7の実施形態の構成を示すブロック図
【図11】第8の実施形態の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図
【図12】本発明に係る無線通信装置の第9の実施形態の構成を示すブロック図
【図13】従来の無線通信装置の構成を示すブロック図
【図14】従来の無線通信装置の筐体およびその主要な電子部品の配置を示す説明図
【符号の説明】
101 第1のアンテナ
102,103,402,403,404,405,601,602,603,801,802 高周波信号切替部
105 外部コネクタ
106 送信部
107 受信部
107a レベル検出回路
109 制御部
110 結合素子
111 無線通信装置
401 第2のアンテナ
1001 表示部

Claims (13)

  1. 周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置であって、
    送信信号を出力する送信部と、
    前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、
    前記第1のアンテナで受信した信号を入力する受信部と、
    前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、
    前記第1のアンテナと空間結合し、前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信する空間結合手段と、
    前記空間結合手段が受信した信号を外部に出力する出力部と、を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記共用器、前記第1のアンテナ、前記出力部および前記空間結合手段の接続を切り替える切替手段を備え、
    前記第1のアンテナの故障を検出する際、前記切替手段は、前記共用器と前記第1のアンテナとを接続すると共に、前記空間結合手段と前記出力部とを接続し、
    前記送信部の故障を検出する際、前記切替手段は、前記共用器と前記出力部とを接続し、前記出力部は前記送信部からの送信信号を外部に出力することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記出力部は、当該無線通信装置の筐体に設けられた外部コネクタであり、当該外部コネクタにはケーブルを介して高周波測定器が接続されることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
  4. 周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置であって、
    送信周波数帯域の送信信号を出力する送信部と、
    前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、
    前記第1のアンテナで受信した受信周波数帯域の信号を入力する受信部と、
    前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、
    前記送信周波数帯域および前記受信周波数帯域に整合して前記第1のアンテナと空間結合し、前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信する空間結合手段と、
    前記第1のアンテナの故障を検出する際、前記送信部から出力された送信信号を前記受信周波数帯域に制御する信号制御手段と、
    前記受信部に設けられ、前記空間結合手段が受信した信号のレベルを検出するレベル検出手段と、
    前記レベル検出手段によって検出された信号のレベルに基づいて、前記第1のアンテナの故障を検出する故障検出手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  5. 前記送信部の故障を検出する際、
    前記信号制御手段は、前記送信部から出力された送信信号を前記受信周波数帯域に制御し、
    前記故障検出手段は、前記レベル検出手段によって検出された信号のレベルに基づいて、前記送信部の故障を検出することを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
  6. 前記送信部、前記第1のアンテナ、前記空間結合手段および前記受信部の接続を切り替える切替手段を備え、
    前記第1のアンテナの故障を検出する際、前記切替手段は、前記送信部と前記第1のアンテナとを接続すると共に、前記空間結合手段と前記受信部とを接続し、
    前記送信部の故障を検出する際、前記切替手段は、前記送信部と前記受信部とを接続し、前記故障検出手段は、前記受信部に入力された前記送信部からの送信信号に基づいて、前記送信部の故障を検出することを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
  7. 前記送信部と前記受信部との間に、前記送信部からの送信信号を減衰させる減衰手段を備え、
    前記送信部の故障を検出する際、前記レベル検出手段は、前記減衰手段によって減衰された送信信号のレベルを検出することを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
  8. 前記故障検出手段による検出結果として、前記第1のアンテナの状態を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の無線通信装置。
  9. 前記空間結合手段は、結合素子であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の無線通信装置。
  10. 前記空間結合手段は、第2のアンテナであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の無線通信装置。
  11. 第1の筐体および第2の筐体を有する折り畳み自在な無線通信装置であって、
    前記第1の筐体に設けられた受話部付近に前記第1のアンテナが配置され、前記第2の筐体に設けられた送話部付近に前記空間結合手段が配置されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の無線通信装置。
  12. 送信信号を出力する送信部と、前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した信号を入力する受信部と、前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、を備えた、周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置のアンテナ故障検出方法であって、
    前記第1のアンテナと空間結合する空間結合手段が前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信するステップと、
    前記空間結合手段が受信した信号を出力部から外部に出力するステップと、
    前記外部に出力された信号に基づいて、前記第1のアンテナの故障検出を行うステップと、
    を有することを特徴とするアンテナ故障検出方法。
  13. 送信周波数帯域の送信信号を出力する送信部と、前記送信部から出力された送信信号を送信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した受信周波数帯域の信号を入力する受信部と、前記第1のアンテナを前記送信部および前記受信部で共用する共用器と、を備えた、周波数分割複信方式で無線通信を行う無線通信装置のアンテナ故障検出方法であって、
    前記送信部から出力された送信信号を前記受信周波数帯域に制御するステップと、
    前記受信周波数帯域に整合する空間結合手段が、前記第1のアンテナと空間結合して前記第1のアンテナから送信された送信信号を受信するステップと、
    前記受信部に設けられたレベル検出手段が、前記空間結合手段が受信した信号のレベルを検出するステップと、
    前記レベル検出手段によって検出された信号のレベルに基づいて、前記第1のアンテナの故障を検出するステップと、
    を有することを特徴とするアンテナ故障検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016208261A (ja) * 2015-04-22 2016-12-08 シャープ株式会社 検査システム

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