JP2004146412A - ガイドリング及び平坦化装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】ガイドリングは、潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂からなる一体構造物をトップリング回転数70〜80回転/分で半導体基板を研磨する場合に160時間以上の研磨を可能にする成形体にされて、平坦化装置はそのガイドリングを研磨ヘッドに備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板を化学的・機械的に研磨する平坦化装置に用いて長時間の使用を可能にする熱可塑性エンジニアリング樹脂の一体構造の成形物からなるガイドリングに関する。
別の本発明は、本発明によるガイドリングを装備する平坦化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の工業的製造プロセスは、酸化膜埋め込み溝の余剰酸化膜除去(素子分離)、配線用銅埋め込み溝表面の余剰銅皮膜除去(デュアルマシン法による金属配線)及びパタ−ン段差平坦化等を化学機械研磨(ChemicalMechanical Polishing:以下においてCMPと略称することがある)により行う工程を有している。CMPを行う装置は、平坦化装置及びCMP装置等と称されている。本明細書では、「平坦化装置」の用語を使用する。
【0003】
図4は、平坦化装置を示す説明図であって、平坦化装置40は、半導体基板41を吸着・保持する研磨ヘッド42と、表面に研磨パッド43を張り付ける研磨定盤44とを備えて、半導体基板41を研磨パッド43に押圧して、懸濁スラリ−である研磨液を研磨パッド43上に流しながら(図3を参照)、両者を回転しながら半導体基板41の表面を化学エッチング及び機械的研磨(すなわち、化学機械研磨)によりミクロンメ−タからミリメ−タのオ−ダの広い範囲で研磨・平坦化する。
研磨ヘッド42は、半導体基板41を吸着・固定するトップリング45とその外周端部に取り付けるガイドリング46を備えて、CMPに際しては、トップリング45に配設の吸引孔(図示せず)から減圧吸引して半導体基板41をトップリング45の内側に吸引・固着させて、ガイドリング46に装備の緩衝材(パッキン等が代表的)により半導体基板41のがたつきを防止する。トップリング45は、連結されたロッド47によって昇降・押圧・回転等が行われて、CMPに際しては、研磨パッド43に押圧されて回転して、研磨パッド43も研磨定盤44に連結されたロッド48によって回転する。
【0004】
トップリング45の回転速度は、約30〜120回転/分程度で、半導体基板41に負荷される押圧は、CMPの内容によって変えられいて、例えば、9.8×105 Pa及び4.5×104 Paその他が提案されている(特開2000−90428公報等を参照)。
半導体基板41が接触するガイドリング46の箇所は、トップリング45の回転に際して約1,000〜3,000kg/cm2 の集中荷重が負荷されることが知れている(特開2001−338901公報を参照)。
【0005】
そのために、ポリアセタ−ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ−テルケトン、ナイロン等のエンジニアリングプラスは、圧縮強度が高々1,000kg/cm2 であるのでCMPに際して塑性変形が生じるとされている(特開2001−338901公報を参照)。
エンジニアリング樹脂を用いるガイドリング46では、ステンレス(SUS)製リングにより骨格を形成して、その外側を被覆したエンジニアリング樹脂皮膜の耐薬品性(耐アルカリ性、耐アルカリ性等)によりステンレス製リングが研磨液により腐食するのを防止している。また、ガイドリング46に圧縮強度を付与するために外面をも金属にすることが提案されていて(特開2001−338901公報を参照)、ガイドリング46をファインセラミックスにより形成して機械的強度と耐腐食性を付与することも工業的に行われている。
【0006】
図3は、表面をポリカ−ボネ−ト樹脂皮膜で覆ったステンレス製リングからなる従来のガイドリングを示す斜視図である。図3に示すガイドリング30は、実装置で使用される代表的なガイドリングであって、ステンレス製リング31が占める体積比率が大きく、ポリカ−ボネ−ト樹脂層32が皮膜の役割をして、下端外周面の内径Rが18〜23cm程度であって、リング断面が約1.2〜1.6cm2 程度である。また、ガイドリング30の上側外周面33には、トップリング45に固定するためのネジ穴34、…34が規則的に配設されている。
図3のガイドリング30は、機械的強度がステンレス製リング31により増強されているにもかかわらず、約100時間の研磨で寿命がきて新しいものと交換されていた。
そして、図3のガイドリング30の寿命が約100時間の研磨であるところから、エンジニアリング樹脂成形物によるガイドリングの寿命は、それよりも低いと一般的に考えられていた。
【0007】
図2は、従来の平坦化装置の平面図であって、その平坦化装置20では、研磨ヘッド21、21が、研磨パッド22上の2箇所に配置されて、研磨液を流すノズル23、23も2箇所に配置されている。
研磨液は、研磨粒子が化学エッチング液に混和されて懸濁スラリ−状の液であって、研磨粒子には、シリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2 O3 )、セリア(CeO2 )及び亜鉛及びマンガンの他の酸化物等の研磨に適する硬度を有する粒子が用いられる。研磨粒子の大きさは、シリカ(SiO2 )粒子等では、使用目的に応じた粒径、例えば、約20〜38nm程度のものも使用される。
研磨液の液成分である化学エッチング液は、CMPの目的に応じてアルカリ水溶液及び酸水溶液が使用される。アルカリ水溶液は、例えば、水酸化カリウム及びアンモニア等のアルカリ成分の水溶液が使用される。
酸水溶液は、半導体基板41の余剰金属をエロ−ジョンにより除去する場合等に使用されていて、例えば、過酸化水素水及び過酸化アンモニウム水等が酸化抑制剤と共に使用される(特開2002−16024公報を参照)。研磨パッド43は、発泡ポリウレタン、不織布、積層布及び素材混成の布から形成されるのが一般的である。
【0008】
CMPに際しては、ガイドリング47の下側周端面は、アルカリ水溶液若しくは酸水溶液からなる化学エッチング液に接触し、研磨粒子及び研磨パッド43と接触しながら回転し摩耗する。そして、ポリカ−ボネ−ト樹脂被覆のステンレスリング20(図3を参照)は、短寿命・高交換頻度であることが経験則的に知られている。
従来のガイドリングに関する提案は、酸水溶液の酸化作用促進の触媒作用をする金属(鉄、銀、銅、チタン、ルテニウム)を含む表面のガイドリングにして、デュアルマシン法金属配線の半導体基板のCMPに使用する等の少数の提案が行われている(特開2002−16024公報を参照)。
【0009】
なお、研磨ヘッドについては、吸着ヘッド、ウエハ吸着ヘッド、ホ−ルダ、ホルダ−及び半導体基板保持装置等が同義語として使用されている。本明細書では「研磨ヘッド」の用語を使用する。ガイドリングは、リテ−ナリングとも称されるが、本明細書では「ガイドリング」の用語を使用する。研磨パッドは、研磨布とも称されるが本明細書では「研磨パッド」の用語を使用する。研磨定盤は、定盤若しくはタ−ンテ−ブルとも称されるが本明細書では「研磨定盤」の用語を使用する。研磨液については、研磨剤、スラリ−及び研磨スラリが同義語として使用されている。本明細書では「研磨液」の用語を使用する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ガイドリングについては、下記(イ)〜(ニ)に代表される種々の基本的な問題点が存在する。
(イ)半導体集積回路の工業的製造プロセスは、高精度化・高効率化・ランニングコスト低減化等を同時的に急速に解決することが必要であって、CMPによる平坦化装置についても同様である。
しかし、平坦化装置は、実用後の期間が短いこともあって、平坦化装置及びその制御についての提案が殆どで、高価な使い捨て備品であるガイドリングの高寿命化・交換頻度減少化・製造コスト低下・ランニングコスト低下についての提案が行われていなかった。
(ロ)ガイドリングの高寿命化・交換頻度減少化・製造コスト低下・ランニングコスト低下をエンジニアリング樹脂によることを示唆する提案が行われていなかった。
(ハ)従来のポリカ−ボネ−ト樹脂層を被覆するステンレス製リングのガイドリングは、寿命が100時間付近でランニングコストが高騰するとの問題点が生じていた。
(ニ)ファインセラミックス製ガイドリングは、耐アルカリ性及び耐酸性であって機械的強度が大きいが、強硬度であるために、研磨パッド表面が目詰まりさせて砥石としての能力が低下するという問題点が生じる。
【0011】
そこで、本発明者によりガイドリング及び平坦化装置についてそれらの問題点を解決する検討が行われて、本発明が創案された。
本発明は、下記事項を目的とするガイドリング及び平坦化装置を提供する。
(1)本発明は、熱可塑性エンジニアリング樹脂からなる一体構造であって、ガイドリングをして高寿命化・交換頻度減少化・製造コスト低下・ランニングコスト低下を可能にするガイドリングを提供すること、をも目的とする。
(2)本発明は、従来のポリカ−ボネ−ト樹脂層を被覆するステンレス製リングのガイドリングよりもランニングコスト低下を可能にするガイドリングを提供すること、をも目的とする。
(3)本発明は、CMPの条件が相違しても高寿命化・交換頻度減少化・製造コスト低下・ランニングコスト低下を可能にするガイドリングを提供すること、をも目的とする。
(4)本発明は、研磨パッド表面の目詰まりへの影響を回避し得るガイドリングを提供すること、をも目的とする。
別の本発明は、本発明によるガイドリングを高効率に利用し得る平坦化装置を提供すること、をも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるガイドリングは、半導体基板を化学的・機械的に研磨する平坦化装置の研磨ヘッドのトップリングに取り付けるガイドリングが、潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂からなる一体構造の成形体であって、トップリングを70〜80回転/分で回転し研磨液を流して半導体基板を研磨する場合に160時間以上の研磨を可能にする成形体にされていること、を特徴とする。
別の本発明による平坦化装置は、潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂からなる一体構造の成形体であって、トップリングを70〜80回転/分で回転して研磨液を流して半導体基板を研磨する場合に160時間以上の研磨を可能にする物性を有する成形体にされているガイドリングが、研磨ヘッドのトップリングの下に取り付けられていること、を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明によるガイドリング及び平坦化装置の実施の形態を具体的に説明する。
なお、図1に示すガイドリングは、本発明の実施の形態の好適な具体例ではあるが、本発明に包含される多様な好適な具体例の一部の例示である。
〔ガイドリング〕:
本発明は、ガイドリングをして潤滑性樹脂を含む熱可塑性エンジニアリング樹脂から形成の一体構造の成形体にして、ガイドリングが、トップリングを70〜80回転/分で回転させて研磨液を流して半導体基板を研磨する場合に、160時間以上の研磨を可能にする特性を生じ得るものにして、それによって、低回転数及び高回転数のCMPにおいても、ガイドリングの高寿命化・交換頻度減少化・製造コスト低下・ランニングコスト低下を可能にしている。
なお、以下において、「トップリングを70〜80回転/分で回転させて研磨液を流して半導体基板を研磨する場合の160時間以上の研磨」を本発明のCMPの条件ということがある。本発明のCMPの条件は、実装置の平坦化装置によるCMPの観測とそれを解明するための実験から見いだされている。
本発明のCMPの条件における「160時間以上の研磨」は、ガイドリングの交換に至るまでの合計研磨時間の意味であって、本明細書での研磨時間はいずれも同様の意味で使用している。従って、一回の研磨時間が短い場合には、その複数回の合計研磨時間である。
【0014】
そして、CMPでは、第一に、ガイドリング・半導体基板が研磨パッドに押圧されて回転運動しながらアルカリ性・酸性の水溶液・研磨粒子・研磨パッドに接触するので、半導体基板がガイドリングの接触部に与える動的条件での負荷の力・エネルギ−が、時間経過・回転運動・磨液によっても変化し著しく複雑であることが本発明者により見いだされた。
第二に、CMPでは、半導体基板がガイドリングの接触部に与える力・エネルギ−を機械的物性値(例えば、圧縮強度、引張り強度、曲げ強度、衝撃強度等)のみにより評価すると、半導体基板がガイドリングの接触部に実際に負荷する力・エネルギ−とは全く相違することが本発明者により見いだされた。
さらに、本発明者による実装置の平坦化装置による実験によれば、エンジニアリング樹脂のみの一体構造物からなるガイドリングは、CMPにおいて半導体基板との接触部等の強度に起因して短研磨時間(短寿命)になって、潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂の一体構造物からなるガイドリングでは、半導体基板との接触部等の強度が長研磨時間(例えば、300時間若しくはそれ以上の時間)の研磨に耐え得ることが本発明者により見いだされた(後記の実施例・比較例を参照)。
しかも、熱可塑性エンジニアリング樹脂の分子構造が非結晶性であると、潤滑性樹脂含有によって容易に長研磨時間(例えば、300時間若しくはそれ以上の時間)の研磨を可能になることが本発明者により見いだされた。
【0015】
図1は、本発明によるガイドリングの一具体例を示す斜視図であって、ガイドリング1は、熱可塑性エンジニアリング樹脂のポリエ−テルイミドと潤滑性樹脂とから射出成形により一体構造に形成されて、従来のガイドリング30と同一の形状・寸法の一体構造の成形体にして、外側上端面には、従来のガイドリング30と同様のねじ穴2、…2が同様の配置で設けられている。
ガイドリング1は、ポリエ−テルイミド及び潤滑性樹脂の種類・量的比率を本発明のCMPの条件を充足する一体構造の成形体にされている。本発明のCMPの条件は、例えば、160時間〜約250時間であれば、ガイドリングに関して本発明による効果の享受が可能である。
熱可塑性エンジニアリング樹脂による一体構造のガイドリングが本発明のCMPの条件を充足する場合には、トップリングが70回転/分未満の回転数で行うCMPにおいて、約280時間以上、多くの場合に約300時間及びそれ以上の研磨時間が可能になる。トップリングが80回転/分を越える回転数で行うCMPにおいて、約270時間以上の研磨が可能になる。
本発明のCMPの条件は、一般的な研磨液、例えば、シリカ微粉末含有のPh8〜9のアルカリ製水溶液を流して行う条件であってもよい。本発明のCMPの条件での平坦化する対象は、余剰酸化膜除去若しくはパタ−ン段差平坦化であることが可能で、半導体基板への押圧は、大きくても(例えば、9.8×105 Pa等)でも、それ以下(例えば、4.5×104 Pa)であってもよい。
本発明のガイドリングによれば、研磨時間の大幅な延長によって、ガイドリングの高寿命化・交換頻度減少化・製造コスト低下・ランニングコスト低下が可能になって、しかも、その効果が平坦化装置の効果として付加される。
【0016】
なお、熱可塑性エンジニアリング樹脂については、多種の定義が提案されてはいるが、本明細書では、エンジニアリング樹脂を連続使用温度がおおよそ100℃以上である樹脂の意味で使用していて、ス−パ−エンジニアリング樹脂を連続使用温度がおおよそ150℃以上である樹脂の意味で使用している。
本発明のガイドリングは、一体構造に成形可能であれば、成形法において任意であり得るが、射出成形似よるのが代表的である。
熱可塑性エンジニアリング樹脂は、例えば、ポリエ−テルイミド、ポリスルホン、ポリアリレ−ト、ポリエ−テルサルホン、ポリフェニレンオキサイド及びポリブチレンテレフタレ−ト等であって、一種であってもよく、複数種を組み合わせてもよい。
しかも、熱可塑性エンジニアリング樹脂が、非結晶性(特に、非結晶性かつ低摩耗性)であると、本発明による効果の享受が容易になること、及び熱可塑性エンジニアリング樹脂がポリエ−テルイミドである場合に本発明による効果が最大に享受される。
【0017】
潤滑性樹脂は、フッ素樹脂が代表的ではあるが、それ以外の潤滑性樹脂の使用も可能である。フッ素樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトラフルオロエチレン−エチレン共重合体及びパ−フロロ環状重合体等であって、一種であってもよく、複数種を組み合わせてもよい。
フッ素樹脂は、その種類等によって、機械的物性(硬度、伸び、圧縮強度、引張り強度、衝撃強度、曲げ弾性率、引張り弾性率等)、熱変形性、摩耗性、耐アルカリ性及び耐酸性等が相違して、熱可塑性エンジニアリング樹脂との相溶性も個々の樹脂の種類等によって相違する。そのために、フッ素樹脂は、個々の熱可塑性エンジニアリング樹脂との関連において、本発明のCMPの条件を充足する機械的物性及び相溶性のものを熱可塑性エンジニアリング樹脂に混入するのが適している。潤滑性樹脂は、例えば、熱可塑性エンジニアリング樹脂と潤滑性樹脂との合計重量の2〜40重量%で含まれる。
【0018】
潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂は、例えば、引っ張り強度70.0MPA以上、引っ張り曲げ40%以下(特に、20%以下)、動的摩擦係数0.38以下(特に、0.30以下)であると、本発明のCMPの条件を満たす一体構造の成形体にするのが容易である。
特に、熱可塑性ス−パ−エンジニアリング樹脂に属するポリエ−テルイミドとポリテトラフルオロエチレンとの組み合わせであると、本発明による効果が最大に享受するのが容易であることが本発明で実験的に見いだされている。
なお、本発明のガイドリングは、上述の潤滑性樹脂以外の潤滑性樹脂若しくは潤滑性剤並びに各種のプラスチック添加剤を本発明の効果を疎外しない範囲で混入することが可能である。
【0019】
〔平坦化装置〕:
本発明よる平坦化装置は、トップリングに本発明のガイドリングを固着して回転での半導体基板のがたつきを防止している。平坦化装置は、本発明のガイドリングを装備するだけで、CMPの連続運転時間を大幅に延長可能になって、平坦化装置自体のランニングコストを大幅に低下させる。
なお、本発明においては、本発明の目的に沿うものであって、本発明の効果を特に害さない限りにおいては、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束するものではない。
【0020】
【実施例】
〈実施例1〉
図1のガイドリングをポリテトラフルオロエチレンとポリエ−テルイミドから本発明のCMPの条件を充足する図1のガイドリングを形成して、それを装着した実装置の平坦化装置により半導体基板を研磨する実験を行った。合計研磨時間は、300時間を大幅に越えた。
【0021】
〈実施例2〉
ポリスルホン及びポリアリレ−トについても、実施例1と同様にして実験を行った。合計研磨時間は、実施例1よりも短い時間であったが、300時間に近い時間であった。
【0022】
〈比較例1〉
ポリエ−テルイミドのみから図1のガイドリングを形成して、それを装着した実装置の平坦化装置により半導体基板を研磨する実験を行った。合計研磨時間は、短時間であった。
【0023】
〈比較例2〉
ポリスルホン及びポリアリレ−トについても、比較例1と同様にして実験を行った。合計研磨時間は、比較例1と同様に短時間であった。
【0024】
【発明の効果】
本発明によるガイドリングによれば、下記(a)〜(e)に代表される様々な効果が得られる。
(a)従来のガイドリングよりも合計研磨時間が著しく長く、それが故に、高寿命・交換頻度少・低製造コスト・低ランニングコストのガイドリングが提供される
(b)従来のガイドリングよりも重量が相当に軽く、平坦化装置全体への負担を軽減して、操作を容易にする。
(c)ガイドリングの寸法が相違しても同様の効果が得られる。
(d)研磨パッド表面の目詰まりが回避される。
(e)ガイドリングの高寿命化・交換頻度減少・製造コスト低下の実現が同時的に可能になる。
また、別の本発明による平坦化装置によれば、下記(i)及び(ii)に代表される様々な効果が得られる。
(i)平坦化装置の設計を変更することなく、本発明のガイドリング由来の効果を得ることができる。
(ii)平坦化装置自体のランニングコストが大幅に低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイドリングの具体例を示す斜視図である。
【図2】従来のガイドリングを示す斜視図である。
【図3】平坦化装置の平面図である。
【図4】平坦化装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドリング
2 ねじ穴
Claims (3)
- 半導体基板を化学的・機械的に研磨する平坦化装置の研磨ヘッドのトップリングに取り付けるガイドリングが、潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂からなる一体構造の成形体であって、トップリングを70〜80回転/分で回転し研磨液を流して半導体基板を研磨する場合に160時間以上の研磨を可能にする成形体にされていること、を特徴とするガイドリング。
- 潤滑性樹脂含有の熱可塑性エンジニアリング樹脂からなる一体構造の成形体であって、トップリングを70〜80回転/分で回転して研磨液を流して半導体基板を研磨する場合に160時間以上の研磨を可能にする物性を有する成形体にされているガイドリングが、研磨ヘッドのトップリングの下に取り付けられていること、を特徴とする平坦化装置。
- 下記(a)〜(c)の一つまたは複数の特徴を有すること、を特徴とする請求項1に記載のガイドリング。
(a)前記熱可塑性エンジニアリング樹脂が、非結晶性の樹脂である。
(b)前記熱可塑性エンジニアリング樹脂が、ポリエ−テルイミド、ポリサルホン、ポリアリレ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリフェニレンオキシド及びポリブチレンテレフタレ−トの一種若しくは複数種からなる。
(c)前記潤滑性樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトラフルオロエチレン−エチレン共重合体及びパ−フロロ環状重合体の一種若しくは複数種からなる。
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