JP2004146125A - 反射鏡付きハロゲン電球 - Google Patents

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Shinya Kawagoe
川越 進也
Hiroshi Ikeda
池田 拓
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Abstract

【課題】コストの増大や寿命および耐振動性の劣化を招くことなく、照明効率を向上させることができ、省エネルギー化が可能な反射鏡付きハロゲン電球を提供する。
【解決手段】内部に封入ガスが封入されたほぼ円筒形の発光部2と、2本のリード線により前記発光部2内部のほぼ中心軸に沿って保持された2重巻型コイル5とを備えたハロゲン電球110に、反射面が凹面状の反射鏡120が付設された反射鏡付きハロゲン電球100であって、前記コイル5の1次のコイルの外径FD(mm)、と2n次コイルのピッチP(mm)の比が、1.6≦P/FD≦2.5となるようにコイル形状を設定すると共に、反射鏡120の中心軸Aに沿った方向におけるコイル5の配置位置が、前記反射鏡120の焦点Fの位置を含み、かつ、当該コイル5の前記中心軸方向における中央の位置Mが前記焦点Fの位置よりも前記反射鏡の口金130側に位置するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射鏡付きハロゲン電球に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的にハロゲン電球は、通常の白熱電球に比してランプ効率が高く、また、反射鏡と組み合わせることにより配光制御が容易であることから、店舗等の一般照明用に広く使用されている。
このような反射鏡付きハロゲン電球を評価する場合に、所定距離離れた照射面における中心部分の照度(反射鏡の中心軸(光軸)の延長線と照射面の交叉する点における照度。以下単に「中心照度」という。)の大きさが一つの基準となっており、単位W当りの中心照度をより向上させることが従来から課題となっていた(以下、本明細書では、反射鏡付きハロゲン電球の1W当りの中心照度の大きさ(lx/W)を「照明効率」と定義する。)。
【0003】
このような照明効率を向上させることができれば、所定の中心照度を得るための消費電力を少なくすることができ省エネルギー化に資することができる。
そして、照明効率を向上させるため、従来から次のような2つのアプローチが考えられている。
一つは、ハロゲン電球自体のランプ効率を向上させる方法であり、2つ目は、反射鏡による反射効率を向上させる方法である。
【0004】
前者のハロゲン電球自体のランプ効率を向上させる方法として、例えば、特許文献1には、ハロゲン電球の発光部のバルブ形状を通常の円筒形から回転楕円体形にすると共に、その外周面に、赤外線を反射すると共に可視光を透過させる特殊な多層干渉膜(赤外線反射膜)を形成する構成が開示されている(以下、この構成を「回転楕円体型」という。)。
【0005】
電球のコイルから発する光には赤外線が70%以上含まれており、上記赤外線反射膜により当該赤外線が発光部内方に反射されることになるが、発光部の形状が回転楕円体をしているので、赤外線の反射方向が内部のコイル方向に集中し、これによりコイルがさらに加熱されてランプ効率が向上する。
ところが、このような構成によれば、発光部が外側に膨らむ回転楕円体形状にしなければならないため、その外径が大きくなるという問題がある。
【0006】
図17は、上記回転楕円体型のハロゲン電球を使用した反射鏡付きハロゲン電球200の構成を示す図であり、説明の便宜上、反射鏡や口金はその断面で示している。同図に示すように反射鏡付ハロゲン電球200は、回転楕円体型のハロゲン電球210に口金230と反射鏡220を取着して構成される。
反射鏡220の最大口径D0などの寸法は、JEL(日本電球工業会)115の規格で定まっているため(例えば、Φ50商用電圧反射形の定格出力110V/40W、65Wタイプのもので、D0=53mm以下)、その反射面221の形状も所望のビーム角に応じて特定されるが、上述のように回転楕円体型のハロゲン電球210は、発光部211の径が大きいため、反射鏡220の口金230側の開口部223の径D1も大きくせざるを得ない。したがって、その分だけ反射鏡220の反射面221の有効面積が、従来の円筒状のハロゲン電球を使用する場合に比べて約4%減少し、ハロゲン電球210自体のランプ効率は増すものの、照明効率の方は、期待したほど向上しないのが実情である。
【0007】
その一方で、赤外線反射膜を発光部の外周面に形成するためコストが高くなるという問題もある。また、反射鏡の設計変更に伴う金型の変更などの製造コストの増加も避けられない。
反射鏡をΦ70商用電圧反射形の規格に合わせると有効反射面積も大きくとれるので、反射効率も改善できるが、その分サイズが大きくなって使用用途が限られてしまうと共にやはり設計変更に伴う製造コストの増加も避けられない。
【0008】
そこで、円筒状のバルブ形状を維持しつつ反射鏡による反射効率を向上させる方法によるアプローチが望まれるが、従来では、コイルのバルブ中心軸方向の長さ(以下、「コイル長」という。)をできるだけ短くして点光源に近付け、当該コイルを反射鏡の中心軸とほぼ同軸上であって、かつ、当該コイルの長手方向の中心位置が反射鏡の焦点位置に一致するようにして反射鏡付きハロゲン電球を組み立てていた。
【0009】
ところが、所定の定格出力を得るためにはコイル素線は一定の長さだけ必要なので、実際にコイル長を短くするために、3重巻型コイルなどを採用し、低次コイル(3重巻型のコイルの場合には、1次コイルおよび2次コイル)のコイルピッチを小さくすると共に、最高次コイルのターン数を少なくしなければならない。
【0010】
これによりコイル長を6.0mm程度に短くできると共に1ターン当りの発光量を大きくでき、これを反射鏡の中心軸(光軸)とほぼ同軸上であって、かつ、そのコイル長さ方向の中央の位置が、反射鏡の焦点の位置にくるようにすれば、確かに反射効率が向上すると思われる。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−151014号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のコイル長が非常に短縮化されたハロゲン電球には耐振動性に問題があり、寿命も短いことが判明した。
すなわち、上述のように短いコイル長でターン数を少なくするためには低次コイルのピッチを非常に小さくしなければならず、コイル線が密になって点灯時の温度上昇が著しく、これによりコイル素線(タングステン)が蒸発しやすくなると共に、少しでも振動が加えられると隣接したターン間で短絡が生じ大電流が流れて溶断するおそれがあり、これらが原因で正規の寿命よりも短寿命になり、耐衝撃性も劣化するのである。
【0013】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであって、コストの増大や寿命および耐振動性の劣化を招くことなく、照明効率を向上させることができ、省エネルギー化が可能な反射鏡付きハロゲン電球を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る反射鏡付きハロゲン電球は、内部に封入ガスが封入されたほぼ円筒形の発光部と、前記発光部内部であって当該発光部の中心軸とほぼ同軸上に配置されたn重巻型(n=2,3,4,・・・)コイルとを備えたハロゲン電球に、凹面状の反射面を有する反射鏡が組み合わされてなる反射鏡付きハロゲン電球であって、前記n重巻型コイルのn次コイルの外径をFD(mm)、n次コイルのコイルピッチをP(mm)とした場合に、1.6≦P/FDn−1≦2.5の関係を満たすと共に、前記反射鏡の中心軸に沿った方向におけるn重巻型コイルの位置が、前記反射鏡の焦点の位置を含み、かつ、当該n重巻型コイルの前記中心軸方向における中央の位置が前記焦点の位置よりも前記反射鏡の前面開口部とは反対側に位置するように前記ハロゲン電球と反射鏡の位置関係が設定されていることを特徴としている。
【0015】
n重巻型コイルにおいてこのようにn次コイルのピッチPと(n−1)次コイルの外径FDn−1との比P/FDn−1、が1.6≦P/FDn−1≦2.5の関係を満たすよう形成することにより、ピッチタッチが生じにくく耐衝撃性に優れると共に発光管光束の低下しないハロゲン電球を得ることができる。また、このハロゲン電球のn重巻型コイルの反射鏡の中心軸に沿った方向における位置が、前記反射鏡の焦点の位置を含み、かつ、当該n重巻型コイルの前記中心軸方向における中央の位置が前記焦点の位置よりも前記反射鏡の広がる方向と反対側に位置するようにすることにより、中心照度の向上に寄与する範囲内により多くのn重巻型コイルの部分が位置することになり、中心照度の向上が望める。
【0016】
ここで、前記コイルのコイル長は、11mm未満であることが望ましい。
また、前記n重巻型コイルのn次コイルのピッチPは、0.46mm≦P≦0.74mmの範囲内であることが望ましい。
さらに、前記n重巻型コイルの(n−1)次コイルの外径FDn−1は、0.28mm≦FDn−1≦0.45mmの範囲内であることが望ましい。
【0017】
また、前記n重巻型コイルのn次コイルの外径FDは、1.50mm≦FD≦1.76mmの範囲内であることが望ましい。
また、前記反射鏡の最大口径は、ほぼ50mmであって、前記反射鏡の中心軸とほぼ同軸上で、かつ、当該反射鏡の焦点の位置を基準にして、この焦点位置から反射鏡の前面開口部の方向にほぼ0.5mmの位置から、前記焦点位置から前記反射鏡の前面開口部と反対の方向にほぼ5.5mmの位置までの特定範囲のほぼ全域に、前記n重巻型コイルの少なくとも一部分が存するか、もしくは前記特定範囲内に前記n重巻型コイル全部が含まれるように前記n重巻型コイルのコイル長および前記ハロゲン電球の前記反射鏡に対する相対的位置が設定されていることを特徴とするようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る反射鏡付きハロゲン電球ついて図面を用いて説明する。
(反射鏡付きハロゲン電球の全体構成)
図1は、本実施の形態における反射鏡付きハロゲン電球100の構成を示す一部切欠断面図である。本実施の形態において反射鏡付きハロゲン電球100は、定格出力が110V/65Wであって、ビーム角が10°に設定されている。
【0019】
同図に示すように反射鏡付きハロゲン電球100は、円筒形の発光部2を有するハロゲン電球110の外部リード線12,13側に口金130を取り付け、この口金130の開口部133に反射鏡120のネック部124を内挿してセメントなどの接着剤(不図示)で固着してなる。
本実施の形態においては、ハロゲン電球110のコイル5を所定の条件を満たすように形成し、当該コイル5の中心軸方向における中央の位置(以下、単に「コイル中心」という。)Mが、反射鏡120の焦点Fよりも所定量だけ口金130寄りに来るようにハロゲン電球110と反射鏡120の相対位置が設定されている点に特徴がある。詳しくは後述する。
【0020】
ハロゲン電球110の外部リード線12は、銅とニッケルとの合金からなる保護用電流ヒューズ14を介して、引き出し線134の一端に接続される。この引き出し線134は、口金130の口金がいし137に設けられた貫通孔136を通って外部に引き出され、口金シェル131に接続される。また、外部リード線13は、引き出し線135を介して、金属端子132に接続される。
【0021】
反射鏡120としては、硬質ガラス製の反射鏡本体に形成された放物面もしくは楕円面などの凹曲面形状の内面121に、赤外線を透過させ可視光線を反射する多層干渉膜121aが形成しされた公知のダイクロイックミラーが使用される。
このダイクロイックミラー型の反射鏡を付したハロゲン電球は、赤外線を後方に透過させるので、照射方向前方があまり熱くなることがなくなり、店舗のディスプレーなどにおける照明に適している。
【0022】
本実施の形態によれば、ハロゲン電球110の発光部2は円筒形をしているため、従来技術における回転楕円体型のハロゲン電球210(図17参照)に比べて外径dが小さく、そのため反射鏡120の小径部側の開口部123の内径D2もD1よりも小さくすることができ、その分有効反射面の面積が大きくなるので、同じ口径の場合には、より多くの光束を前方に反射させることができる。
【0023】
また、ネック部124が後ろに長く伸びてハロゲン電球110を従来より口金130寄りに取り付けることができるようになっており、後述のランプ配置を可能とする。
反射鏡120の前面開口部125には、前面ガラス140が、その周囲を金属リング141により当該前面開口部の周縁部にかしめられて取着されている。この前面ガラス140は凸レンズの作用も有し、集光率を向上させるように作用すると共に、塵埃などが内部に混入しないように密閉するカバーの役目も果たしている。なお、図1では、図が複雑になるのを避けるため、前面ガラス140、金属リング141の断面を示す斜線を排し、それぞれ外形の輪郭を実線で示している。
(ハロゲン電球110の構成)
図2は、上記ハロゲン電球110の拡大図であり、内部の構造を説明するため、バルブ4の閉塞部1、発光部2およびステム8の部分は断面図で示している。
【0024】
同図に示すように、ハロゲン電球110は、閉塞部1、円筒形の発光部2および封止部3が順次連接された石英ガラス製のバルブ4を備える。発光部2の内部にはタングステン製の2重巻型のコイル5が、当該コイル5の中心軸(2重巻型コイルの螺旋軸。以下同じ)と発光部2の円筒形の中心軸がほぼ一致した状態で配置されている。
【0025】
コイル5は、その両端部が、石英ガラスからなるステム8に保持されたタングステン製のリード線6、7にそれぞれ接続され、それらに張架された状態で支持されている。また、コイル5の中間部は、ステム8に保持されたタングステン製のアンカー線9の端部に懸架されており、これにより、コイル5に撓みが発生するのを防止するようになっている。
【0026】
リード線6,7の他端部は、封止部3に封止されたモリブデン箔10、11を介してモリブデン製の外部リード線12,13に接続されている。
発光部2の内部には、封入ガスとして、アルゴンガス、キセノンガス、およびクリプトンガスのうち少なくとも1種を含む母体ガスと。微量のハロゲン化合体(CHBr)とが封入されている。また、母体ガスには、主成分であるアルゴンガス、キセノンガス、およびクリプトンガスの他に窒素ガスが10〜20%前後添加されている。これにより定常点灯時、コイル5の両端間でアーク放電が発生するのを防止することができる。なお、本実施の形態においては、具体的に発光部2内に主成分としてキセノンガスに窒素ガスを12%添加した母体ガスを、常温時の圧力で0.5MPa封入している。
【0027】
また、ハロゲン電球110の各部の詳細な寸法は以下の通りである。
バルブ4の全長(La)        39.5mm
発光部2の外径(内径)        11mm(9mm)
外部リード線12,13の線径      0.5mm
コイル5の素線径          0.052mm
1次コイルのマンドレル(内径)    0.25mm
1次コイルの外径(FD)      0.35mm
1次コイルのピッチ(P)      0.09mm
2次コイルのマンドレル(内径)    0.93mm
2次コイルのピッチ(P)      0.68mm
2次コイル長(Lc)          8.0mm
2次コイルの外径(FD)      1.63mm
但し、1次コイルピッチ(P)および2次コイルピッチ(P)は、リード線6、7に取り付ける前の値で示している。
(反射鏡に対するコイル位置の最適化)
次に反射鏡120に対するハロゲン電球110のコイル5の位置の最適化について説明する。
【0028】
従来の反射鏡付きハロゲン電球の設計においては、反射鏡120の中心軸(光軸)に沿って焦点に対称となるようにコイル5を配置するのが一番望ましいとされていた。中心照度を向上させるには、焦点に点光源を置くのが理想的であり、コイルに物理的な長さがある以上、当該光源に対して対称的に配置するのが最適であると理解されていたからである(このようなコイル配置を以下、「焦点対称型配置」という。)
しかし、本願発明者らは、実際の反射鏡120は、ハロゲン電球110を取り付けるため口金130側にも開口部123があり、必ずしも上記のような焦点対称型配置が理想的とはいえないのではないかとの疑問を抱き、次のような条件でコンピュータによるシミュレーションを試みた。
【0029】
図3は、反射鏡120の光軸上に1ターンのみの仮想コイル50を配置したときのシミュレーション画像を示す図である。反射鏡120の最大口径は、50mmとし、最小口径(ネック側開口部径)は16mmとしている。また、ビーム角は10°である。
また、光源の位置と中心照度の関係を明確に把握するため、仮想コイル50は、2次巻型コイルを1次巻型コイルで近似すると共に、敢えて1ターンのみとしている。ここで当該仮想コイル50の線径は0.4mmであり、そのコイル外径2mmに設定されている。
【0030】
図4は、図3における反射鏡120をその光軸上で切断したときの縦断面図であり、Fは反射鏡120の焦点を示す。そして、2.25m先の照射面を想定し、仮想コイル50の中心軸が常に反射鏡120の中心軸Aに平行な状態で移動させ、各位置で上記照射面における中心照度を演算する処理を実行した。
なお、仮想コイル50は、その中心の位置が、焦点を通るx軸(反射鏡120の中心軸)上、および、焦点を通りx軸と直交するy軸方向(ミラー径方向)に移動させた。
【0031】
図5、図6は、このシミュレーションの結果を示すグラフである。
図5は、仮想コイル50の中心をミラー中心軸上で移動させた場合の照射面中心照度(lx)の変化を示すグラフである。なお、同グラフにおいては、光軸Aと反射鏡120の開口面が交わる点B(図4参照)を原点にしており、焦点Fは、点Bからほぼ16.5mmの距離に位置する。
【0032】
同図に示すように中心照度は、焦点の反射鏡120の前面開口部125側(以下、単に「前方側」という。)約0.5mm手前から急速に立ち上がり、焦点Fの位置で最大照度に達した後徐々に低下して、焦点Fよりネック側へ(以下、単に「後方側」という。)約5.5mm程度を過ぎるとほとんど0になる。つまり、中心照度の向上に貢献しているのは、焦点の前方側0.5mmから焦点の後方側5.5mmのほぼ6mmの範囲Rのみであり、これ以外の位置にあるコイルは中心照度の向上にほとんど寄与していないことが判明した(このように中心照度の向上に貢献するためのコイル位置のミラー中心軸方向における範囲Rを、以下「中心照度寄与範囲」という。)。
【0033】
今、具体的にコイル長Lcが、8mmの場合において考えてみると、図7(a)に示すように、従来の焦点対称型の配置では、中心照度寄与範囲6mmのうち4.5mm(中心照度寄与範囲の約75%)しかコイルが重なっていない。一方コイルの方から考えれば、当該コイルが発する全光束のうち4.5/8=0.56すなわち約56%しか、中心照度に寄与していないことになる。
【0034】
しかし、図7(b)に示すようにコイルをより後方側にずらして、中心照度寄与範囲内にコイルが100%存在するようにすれば、コイルが発する全光束のうち、6/8=0.75、すなわち75%が中心照度に寄与することになり、照明効率が向上する。
以上から、コイルの位置を従来の焦点対称型配置から、口金130方向にずらして中心照度寄与範囲内にあるコイルの割合ができるだけ大きくなるようにすることにより中心照度が向上することが分かる。
【0035】
因みに、焦点対称型配置の場合における、コイル長と中心照度寄与範囲6mm内のコイルの存する範囲の割合との関係を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004146125
【0037】
当該表1から明らかなように、焦点対称型配置の場合、コイル長が短ければ、短いほど中心照度寄与範囲内にあるコイルの長さが短くなる。したがって、従来のように光源を点光源化するためコイル長を短くしても、焦点対称型配置である限り中心照度の向上に十分寄与していなかったことになる。
一方、コイル長が11mmになると焦点対称型配置であっても、中心照度寄与範囲のほぼ100%の部分にコイルが存することになる。したがって、本発明のように焦点対称型配置よりもコイルを後方側にずらすことにより、照明効率の向上を達成することができるのは、コイル長がほぼ11mm未満のときであるといえる。
【0038】
他方、図6は、仮想コイル50を焦点においてミラー径方向(図4のy軸方向)に移動させた場合の仮想コイル50の中心の焦点からの距離(横軸)と照射面の中心照度との関係を示すグラフである。
同図に示すように仮想コイル50が中心軸Aとほぼ同軸上にあるときが中心照度が最も大きく、離れていくほど中心照度も低下していく。このシミュレーションの結果から、発光位置が中心軸Aに近い方が望ましいことが理解され、通常の多重巻型コイルにおいては、その最高次コイルの各ターンのコイルの位置が中心軸にできるだけ近いこと、すなわち最高次コイルの外径ができるだけ小さいことが、中心照度の向上に際して望まれることが示唆される。
【0039】
(コイル形状の最適化)
上記考察の結果から、コイル長を短くすると共に最高次のコイル外径を小さくし、中心照度寄与範囲内に当該コイルが100%含まれるようにすれば、照明効率の向上が望めることが分かる。
しかし、従来技術でも述べたように単にコイル長を短くすることは耐衝撃性を劣化させると共にランプの短寿命化を招く結果にもなるので、次にコイル形状の最適化について実験を行った。
【0040】
表2は、上掲のJELにおけるランプ特性値の規格であり、次に述べる実験において試験ランプを評価するに際し、上記規格値(特に発光管光束と寿命時間)を下回らないことが一つの基準となる。
【0041】
【表2】
Figure 2004146125
【0042】
まず、定格出力が110V/40Wおよび110V/65Wのハロゲン電球について、様々な形状の2重巻型コイルを用いて試験ランプを作成した。
ここで、n重巻型のコイルについて(n=2,3,4,・・・)、m次コイル(m=1,2,3,・・・,n)の外径をFD(mm)、そのコイルピッチをP(mm)と定義すると、2重巻型コイルの場合においては、図8に示すように2次コイルの外径をFD、そのコイルピッチをP、1次コイルの外径をFDと表すことができる。
【0043】
コイルの寿命は、特に最高次コイルの隣接するターン間の隙間の大小に依存すると考えられ、そしてその大きさは、2次コイルのコイルピッチPと1次コイルのコイル外径FDの相関関係に依存するので、まずこの関係について調べてみた。
(実験1)
定格出力が40Wのハロゲン電球について、1次コイル外径FDを、0.35mmに固定し、2次コイルピッチPを0.4mm〜1.05mmまで変化させた試験ランプを複数作成し、これらを連続点灯してその寿命を測定する実験を行った。
【0044】
次の表3はその実験結果である。
【0045】
【表3】
Figure 2004146125
【0046】
同表では、2次コイルのコイルピッチPと1次コイルのコイル外径FDの相関関係を示すため、P/FDの値を計算して、コイルピッチPの値と対応させて表記している。
そして、図9は、P/FDの値を横軸にし、そのときの寿命時間を縦軸にして、表3の実験結果をプロットし、近似曲線で繋いだ場合のグラフである。同グラフに示すようにP/FDの値が1.6未満の場合には、急激に寿命時間が低下し、表2の規定値である3000時間を大幅に下回ってしまう。
【0047】
このように1次コイル径FDが2次コイルピッチPに比べて大きくなると、2次コイルにおいて隣接するターン間の間隙が必要以上に小さくなる。
通常、点灯時間が経過していくうちに、コイル素線材料であるタングステンの粒塊滑りが生じ、ピッチ間隔が乱れて隣接するコイルのターン同士が接触する現象(ピッチタッチ)が生じる場合があるが、上述のようにP/FDの値が1.6未満の場合には、ピッチタッチの発生が顕著になると解される。
【0048】
このようにピッチタッチが生じると、ランプ電流が増加してコイル温度が上昇し、タングステンの蒸発が加速されて短寿命になるのである。
次に、ハロゲン電球の消費電力が65Wのものについて、同様な実験を行ったところ、次の表4のような結果を得た。
【0049】
【表4】
Figure 2004146125
【0050】
図11は、図9と同様、P/FDの値を横軸にし、そのときの寿命時間を縦軸にして、表4の実験結果をグラフ化した図である。この場合でもやはり、P/FDの値がほぼ1.6未満になると、急激に寿命時間が低下し、表2の規定値である3000時間を大幅に下回る結果となる。
したがって、規格値以上の寿命時間を得るためには、P/FDの値は1.6以上であることが望ましいといえる。
【0051】
一方、この実験によりP/FDと発光管光束との間にも一定の関係があることが明らかになった。
図10は、表3に示す40Wのハロゲン電球の実験結果のうち、P/FDと発光管光束の関係をグラフ化したものであり、横軸がP/FDの値を、縦軸が発光管光束(lm)の値を、それぞれ示している。
【0052】
同グラフに示すようにP/FDがほぼ2.5を超えると発光管光束が急速に低下し、550lmを下回る結果になる。表2に示したように40Wハロゲン電球の規格として発光管光束が550lm以上である必要があるため、P/FDの値は2.5以下であることが望ましい。
また、図12は、表4に示す65Wのハロゲン電球の実験結果のうち、P/FDと発光管光束の関係をグラフ化したものであるが、この場合でもP/FDがほぼ2.5を超えると発光管光束が急速に低下し、65Wハロゲン電球の規格である1100lmを下回る結果になる。
【0053】
したがって、65Wの電球の場合でも、一定値以上の発光管光束を維持するため、P/FDの値は2.5以下であることが望ましいといえる。
このようにP/FDの値が一定値を超えると発光管光束が劣化するのは、次のような理由によるものと考えられる。
すなわち、P/FDが大きくなるとコイル径FDに比してコイルピッチPが大きくなって隣接するターン間の隙間も大きくなる。そのため、1ターンから放射される熱が隣のターンを熱するのにロスが大きくなるため、結果的にコイル温度を低下させることになり、発光間光束を低下させることになるからである。
【0054】
発光間光束が低下すると、いくらコイル位置を調整しても中心照度を向上させることはできないので、この観点からP/FDは、2.5以下が望ましいといえる。
(耐衝撃性の観点からの考察)
次に、40Wと65Wの各ハロゲン電球において、2次コイルのピッチPを0.7mmとし、1次コイル外径FDを、0.2〜0.6mmまで変化させて、衝撃負荷実験を行った。
【0055】
この実験は、本実施の形態においては点灯落下衝撃試験法により実行した。この試験方法は、ハロゲン電球を一定方向に維持した状態で、定格電圧で点灯し、床面への衝突時に40Gの衝撃(人がランプ器具に頭をぶつけたときと同程度の衝撃)が加わるような高さからハロゲン電球を落下させ、何回目の落下によりハロゲン電球が不点灯にいたるかを確認する試験方法である。
【0056】
次の表5は、40Wのハロゲン電球における衝撃負荷実験の結果を示す。
【0057】
【表5】
Figure 2004146125
【0058】
同表において、衝撃負荷回数は、ハロゲン電球が何回の落下まで点灯していたかを示すもので、この回数が多いほど耐衝撃性が高いと評価できる。
図13は、この表をグラフ化したものであり、横軸がP/FDの値を示し、縦軸が衝撃負荷回数を示す。同図に示すようにP/FDの値が、1.6未満になると急激に耐衝撃性が劣化している。
【0059】
同様に表6は、65Wのハロゲン電球における衝撃負荷実験の結果を示すものであり、図14がこれをグラフ化したものである。
【0060】
【表6】
Figure 2004146125
【0061】
図14から明らかなように、65Wの電球の場合でもP/FDの値が、1.6未満になると急激に耐衝撃性が劣化しているのが分かる。
このように2次コイルのコイルピッチPを0.7mmで一定の状態で、P/FDの値が小さくなると、FDの値が大きくなるため、コイルの各ターンの曲率半径が大きくなって剛性が小さくなり、衝撃を受けるとその際に生じる振動によりコイルの中心軸方向における各ターンの振幅も大きくなり、接触しやすくなる。一旦接触すると短絡が生じ、ランプ電流が増加して発熱によりコイルが蒸発しやすくなって、コイルが溶断してしまうと考えられる。
【0062】
なお、同様な結果は、コイルピッチPの方を小さくする場合でも得られるものであり、PとFDとの相対比P/FDによって、耐衝撃性の値が左右される。
以上の実験から、耐衝撃性に優れ、しかも長寿命であると共に、発光管光束が劣化しないためのコイル形状は、2次コイルピッチPと1次コイル外径FDとの比P/FDが、1.6以上2.5以下であると言える。
(比較実験)
次の3種類の2重巻型コイルを使用して試験ランプを作成し、反射鏡120の中心軸方向に各試験ランプを移動しながら中心光度を測定する比較実験を行った。なお、光源から照射面までの距離をrとすると、光度I(cd)と照度E(lx)との関係は、E=I/(r)となり、中心照度は中心光度に正比例するので、ここでは便宜上中心光度を測定している。
【0063】
【表7】
Figure 2004146125
【0064】
発明品および従来品Bは65W仕様、従来品Aは75W仕様のものを使用した。但し、コイル形状のみに依存する中心光度の差異を明確にするため、各試験ランプの全光束量が等しくなるように印加電圧を調整している。
図15は、この実験の結果を示すグラフであり、横軸が、中心照度寄与範囲内にコイルの存する割合を%で示す。また、縦軸は中心光度の大きさを示す。
【0065】
既述の通り、中心照度寄与範囲内にコイルの存する割合が大きくなるほど、全体的に中心光度も高くなっている。ただ、従来品Bについて中心光度の変動が大きいのは、そのコイルのピッチが大きいため、焦点位置にコイルのどの部分が位置するかで大きく中心光度に影響するからであると考えられる。
また、従来品Bは、コイル長を6.5mmと短くしながらも、中心光度が本発明品に及ばず、中心照度寄与範囲の全部にコイルが存する場合でも、中心光度が約10%も本発明品の方が上回っている。これは、従来品Bの2次コイル径FDが大きいので、発光位置が反射鏡の中心軸からより離れており、このために中心光度が低下しているからであると考えられる(図6のシミュレーション結果参照)。
【0066】
また、従来品Aが、一番中心光度が低いのは、コイル長が8.5mmと長く、中心照度寄与範囲に100%存していたとしても、当該コイルが発する全光束に対して6/8.5=70.6%の光束しか中心照度の向上に寄与していないからであると考えられる。
この実験から、中心光度(照度)をできるだけ向上させるためには2次コイルのターン数をできるだけ多くしてそのコイルピッチを小さくすることが望ましいことが分かる。
【0067】
また、図16は、反射鏡付きハロゲン電球100において、反射鏡120の中軸に沿って、各試験ランプを移動させたときの、中心光度の変化を示すグラフである。
同図において、横軸は、反射鏡120の中心軸上の位置を示し、縦軸は照射面における中心光度の大きさを示す。
【0068】
同グラフから容易に分かるように、コイルピッチPおよびコイル外径FDの一番大きな従来品Bにおける中心光度が一番変動している。このようにコイルピッチ、コイル径の大きなものは、当該コイルのどの位置が焦点付近に来るかによって、大きく中心光度が変化するものと考えられる。
このように微小な位置変化による中心光度の変動が大きいと、反射鏡付きハロゲン電球100の組み立て時に少しでもハロゲン電球110の位置が設計位置よりもずれるとその中心光度にばらつきが生じ、望ましくない。
【0069】
この結果からも、2次コイルのターン数を多くして2次コイルのピッチを小さくすると共に、2次コイル径FDを小さくすることが望ましいといえる。
(まとめ)
以上の実験結果をまとめると以下のようになる。
(1)コイルの位置について
コイルは、焦点対照型配置するのではなく、焦点を含み、やや反射鏡の小径部寄り(口金寄り)に存する中心照度寄与範囲にできるだけ多くのコイル部分が存するように配置するのが望ましい。
【0070】
この中心照度寄与範囲は、ビーム角10°、最大口径50mmの反射鏡において反射鏡の中心軸に沿った略6mmの範囲であって、焦点を挟んでその約0.5mmが前面開口部側(前面ガラス側)、約5.5mmが小径部側(口金側)に存する。
コイル長が11mm未満の場合には、中心軸方向におけるコイルの位置が焦点位置を含み、かつ、コイル中心の位置が、少なくとも焦点位置よりも小径部側にあれば、従来の焦点対称型配置に比べて中心照度の向上が望める。
【0071】
なお、多少反射鏡の最大口径やビーム角が異なっても上述とほぼ同様な結果が得られた。
(2)コイルの形状について
2重巻型のコイルについて、1次コイル外径FDと2次コイルピッチPとの比P/FDは、1.6以上2.5未満(以下、この条件を「最適コイル条件」という。)とすることにより、寿命時間、耐衝撃性、および発光管光束の全ての点において良好な結果が得られる。
【0072】
また、上記最適コイル条件を満たす範囲内で、2次コイルピッチPを小さくして2次コイルのターン数を増やすことにより、発光管光束を大きくすることができ、同じ中心照度を得る場合に省エネルギー化とすることができると共に、コイルの中心軸方向における発光分布が均一化し、反射鏡と組み合わせたときにハロゲン電球110の取り付け位置に多少誤差があっても中心照度のばらつきがほとんど生じない。その結果、製品の照明効率の均一化のためにそれほど高度な組立精度が必要ではなくなり、生産性の向上およびコストダウンを図ることができる。
【0073】
さらに2次コイルの外径FDを小さくするようにすれば、中心照度の向上に一層貢献する。
なお、コイル素線の線径は、JELの規格により決まっており、これにより製造可能な1次コイルの外径FDの範囲もほぼ特定され、0.28mm≦FD≦0.45mmとなる。この範囲は、具体的にはリード線の加工性等を考慮して決定される。
【0074】
すなわち、コイル5は、その1次コイルの端部をリード線6,7の先端部に外挿して取り付けるようになっているので(図2参照)、当該1次コイルの内径は、リード線6,7の線径に依存する。そして、コイル5の素線径は上述のように規格で定まっているので、1次コイルの内径が定まれば、その外径FDも自ずから定まる。逆にいえば、1次コイル外径FDが決まれば、リード線に使用するタングステン棒の線径も定まることになる。
【0075】
一方、リード線6,7は通常タングステン棒が使用されるが、このタングステン棒は加工性が悪く、経験的に1次コイル外径FDが0.28mm未満であると、リード線として使用するタングステン棒が細くなり過ぎて加工時に折れやすくなり、反対に1次コイル外径FD1 が0.45mmを超えるとリード線(タングステン棒)も太くなって、これを曲げ加工するため過度の力を加える必要があり生産性が悪くなる。したがって、加工性及び生産性の観点から、1次コイル外径FDの範囲は、0.28mm≦FD≦0.45mmとするのが望ましい。
【0076】
このように1次コイル外径FDの範囲が定まると、1次コイルピッチPの範囲も上記最適コイル条件を満たす範囲内で求めることができ、0.46mm≦P≦0.74mmとなる。
また、図6や図15でも説明したように中心照度の向上および発光量の分布の均一化のため、2次コイルの外径FDもできるだけ小さいほうが望ましい。しかし、2次コイル外径FDが小さくなれば、各ターンの曲率が小さくなり、当該2次コイルの内径側における1次コイルのピッチがより小さくなってピッチタッチが生じやすくなるので、上記1次コイル外径FDの範囲において当該1次コイルのピッチタッチを避けるためには、形成され得る2次コイルの外径FDは、最小でも1.50mm程度あることが望ましい。また、耐振性を考慮すれば、2次コイルの外径FDは最大であっても1.76mm以下である方が望ましい。
【0077】
一方、コイルから発する光束をできるだけ多く中心照度の向上に寄与させるという観点からは、コイル長をできるだけ短く設計して、コイルの全長が中心照度寄与範囲内に含まれるようにするか、それが無理な場合でも当該コイルのうちできるだけ多くの割合が上記中心照度寄与範囲に存するようにすることが望ましい。
【0078】
定格出力に応じてコイル素線の長さはほぼ決まっており、また、1次コイルピッチPとコイル素線FDの間にも上記最適コイル条件の適用があると仮定し、さらにFDを、そのとり得る最大値とした場合に、コイル長の最短長さを110V/40Wのハロゲン電球について試算するとほぼ6.0mmとなる。
但し、コイル素線の線径FDを0.038mm、コイル素線の全長を411mmとし、P/FD、P/FD共に最小の1.6として計算した。
【0079】
同様に110V/65Wのハロゲン電球について最短コイル長を試算するとほぼ6.8mmとなる。
但し、コイル素線の線径FDを0.052mm、コイル素線の全長を451mmとし、P/FD、P/FD共に最小の1.6として計算した。
また、上記実施の形態においては、2重巻型のコイルについて説明したが、最適コイル条件については3重巻以上の多重巻型コイルについてもほぼ同様なことが言える。
【0080】
すなわち、一般的に、n重巻型のコイル(n=2,3,4、・・・)についていえば、1.6≦P/FDn−1≦2.5の関係が成立すればよい。
ただし、この場合には、より低次((n−1)次、(n−2)次、・・・、2次)のコイルについても上記最適コイル条件を満たすことが望ましいであろう。低次コイルは螺旋状に曲げられているため、内側よりも外側のコイルピッチの方が大きい。上記最適コイル条件が、主にピッチタッチの防止にあることを考えれば、最適コイル条件におけるコイルピッチは、内側のコイルピッチとする方が望ましいと考えられる。
【0081】
また、P、FD、FDn−1の各範囲についても、それぞれ上述したP、FD、FDの範囲と同様な範囲内にあることが望ましい。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、耐衝撃性に優れると共に長寿命であって、従来の回転楕円体型のハロゲン電球を使用したものに比べてコストダウンが図れ、かつ中心照度の高い反射鏡付きハロゲン電球を得ることができ、省エネルギー化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る反射鏡付きハロゲン電球の一部切欠き断面図である。
【図2】図1の反射鏡付きハロゲン電球に使用されるハロゲン電球の拡大断面図である。
【図3】コイルの最適位置を求めるシミュレーションの前提条件を説明するための反射鏡と仮想コイルの斜視図である。
【図4】コイルの最適位置を求めるシミュレーションにおいて、仮想コイルの移動範囲を説明するための図である。
【図5】仮想コイルをミラー中心軸上で移動させたときの照射面中心照度の変化を示すグラフである。
【図6】仮想コイルを反射鏡の焦点の位置でミラー径方向(ミラー中心軸に直交する方向)に移動させたときの照射面中心照度の変化を示すグラフである。
【図7】本発明における反射鏡の焦点とコイルの位置関係を、従来の焦点対称型配置の場合と比較して示す図である。
【図8】2重巻型コイルの各部の寸法の記号を説明するための図である。
【図9】40W型のハロゲン電球について、2次巻型コイルにおける2次コイルピッチPと1次コイル外径PDの比P/FDとランプ寿命との関係を示すグラフである。
【図10】40W型のハロゲン電球について、2次巻型コイルにおける2次コイルピッチPと1次コイル外径PDの比P/FDと発光管光束との関係を示すグラフである。
【図11】65W型のハロゲン電球について、2次巻型コイルにおける2次コイルピッチPと1次コイル外径PDの比P/FDとランプ寿命との関係を示すグラフである。
【図12】65W型のハロゲン電球について、2次巻型コイルにおける2次コイルピッチPと1次コイル外径PDの比P/FDと発光管光束との関係を示すグラフである。
【図13】40W型のハロゲン電球について、2次巻型コイルにおける2次コイルピッチPと1次コイル外径PDの比P/FDとランプが非点灯になるまでの衝撃負荷回数の関係を示すグラフである。
【図14】65W型のハロゲン電球について、2次巻型コイルにおける2次コイルピッチPと1次コイル外径PDの比P/FDとランプが非点灯になるまでの衝撃負荷回数の関係を示すグラフである。
【図15】本発明品と2つの従来品について、中心照度寄与範囲にコイルの存する割合と中心光度との関係とを比較して示す図である。
【図16】本発明品と2つの従来品について、コイルの位置を反射鏡中心軸に沿って移動させたときの中心光度の変化を比較して示す図である。
【図17】従来の回転楕円体型のハロゲン電球を使用した反射鏡付きハロゲン電球の構成を示す図である。
【符号の説明】
1        閉塞部
2,211     発光部
3        封止部
4        バルブ
5        コイル
6、7      リード線
8        ステム
9        アンカー線
10、11     モリブデン箔
12,13     外部リード線
100,200   反射鏡付きハロゲン電球
110,210    ハロゲン電球
120,220    反射鏡
124       ネック部
125       前面開口部
130,230    口金
140       前面ガラス

Claims (6)

  1. 内部に封入ガスが封入されたほぼ円筒形の発光部と、前記発光部内部であって当該発光部の中心軸とほぼ同軸上に配置されたn重巻型(n=2,3,4,・・・)コイルとを備えたハロゲン電球に、凹面状の反射面を有する反射鏡が組み合わされてなる反射鏡付きハロゲン電球であって、
    前記n重巻型コイルのn次コイルの外径をFD(mm)、n次コイルのコイルピッチをP(mm)とした場合に、1.6≦P/FDn−1≦2.5の関係を満たすと共に、
    前記反射鏡の中心軸に沿った方向におけるn重巻型コイルの位置が、前記反射鏡の焦点の位置を含み、かつ、当該n重巻型コイルの前記中心軸方向における中央の位置が前記焦点の位置よりも前記反射鏡の前面開口部とは反対側に位置するように前記ハロゲン電球と反射鏡の位置関係が設定されていることを特徴とする反射鏡付きハロゲン電球。
  2. 前記コイルのコイル長は、11mm未満であることを特徴とする請求項1記載の反射鏡付きハロゲン電球。
  3. 前記n重巻型コイルのn次コイルのピッチPは、
    0.46mm≦P≦0.74mmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の反射鏡付きハロゲン電球。
  4. 前記n重巻型コイルの(n−1)次コイルの外径FDn−1は、0.28mm≦FDn−1≦0.45mmの範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射鏡付きハロゲン電球。
  5. 前記n重巻型コイルのn次コイルの外径FDは、
    1.50mm≦FD≦1.76mmの範囲内であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の反射鏡付きハロゲン電球。
  6. 前記反射鏡の最大口径は、ほぼ50mmであって、前記反射鏡の中心軸とほぼ同軸上で、かつ、当該反射鏡の焦点の位置を基準にして、この焦点位置から反射鏡の前面開口部の方向にほぼ0.5mmの位置から、前記焦点位置から前記反射鏡の前面開口部と反対の方向にほぼ5.5mmの位置までの特定範囲のほぼ全域に、前記n重巻型コイルの少なくとも一部分が存するか、もしくは前記特定範囲内に前記n重巻型コイル全部が含まれるように前記n重巻型コイルのコイル長および前記ハロゲン電球の前記反射鏡に対する相対的位置が設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の反射鏡付きハロゲン電球。
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