JP2004145286A - 画像表示装置及び画像表示方法、並びに画像表示プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯電話やPDAなどの携帯端末装置において、回路の複雑化や消費電力の増大などを伴わずに、違和感の無い高解像度画像データを作成可能な、解像度変換手法を提供する。
【解決手段】外部から送信された複数の階調数を有する画像データは、階調数に対応した階調制御パルスに応じて表示部内の各画素の表示状態を制御することにより階調表示される。低解像度の画像を解像度変換して疑似高解像度画像として表示する際には、解像度変換手段で元画像データの画素数をn倍するとともに階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する。n倍した画素の組み合わせでn階調表示し、さらに中間調制御部においては中間表示に使用される階調制御パルス数を1/nに変更することで、低解像度の画像データを疑似高解像度画像データに解像度変換しても違和感なく表示することができる。
【選択図】図1
【解決手段】外部から送信された複数の階調数を有する画像データは、階調数に対応した階調制御パルスに応じて表示部内の各画素の表示状態を制御することにより階調表示される。低解像度の画像を解像度変換して疑似高解像度画像として表示する際には、解像度変換手段で元画像データの画素数をn倍するとともに階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する。n倍した画素の組み合わせでn階調表示し、さらに中間調制御部においては中間表示に使用される階調制御パルス数を1/nに変更することで、低解像度の画像データを疑似高解像度画像データに解像度変換しても違和感なく表示することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの解像度変換手法に関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置に搭載する表示装置の大画面サイズ化、高解像度化が進んでおり、従来より画素数の多い高解像度の画像データをより大きな画面上に表示することが可能となっている。
【0003】
しかし、そのような大画面表示又は高解像度表示(以下、単純に「高解像度表示」と呼ぶ。)に対応する高解像度画像データはそのデータ量も多い。このため、高解像度画像データを常に送受信していたのでは、通信費が必要以上に高価になってしまうという欠点がある。また、携帯端末装置に各種のコンテンツを提供するサービス提供者側も、既存の画面サイズに対応する画像データに加えて、高解像度画像データを用意し、高解像度の表示装置を有する利用者に対しては高解像度画像データを提供する必要がある。このため、サービス提供者側もいくつもの画像データを用意し、保存しなければならず、開発費や設備コストが増大するという欠点がある。
【0004】
このような点から、既存の携帯端末装置の画面サイズに対応する画像データと、高解像度画像データとを使い分ける方法が考えられている。即ち、通常の画面サイズの画像データの使用で十分な種類のコンテンツ提供サービスの場合には既存の画面サイズに対応する画像データ(以下、便宜上「低解像度画面データ」と呼ぶ。)を送受信し、高解像度画像を表示することが要求されるコンテンツ提供サービスの場合には高解像度画像データを送受信する。
【0005】
高解像度に対応した携帯端末装置は、高解像度画像データを受信した場合にはそれをそのまま表示する。一方、低解像度画像データを受信した場合には、携帯端末装置内部で解像度変換処理を施し、違和感の無い高解像度画像データを作成して表示するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような解像度変換処理は、一般的には単純な画素サイズの拡大により行われている。例えば、ある画素数の画像データを縦及び横方向に2倍に拡大する場合、1つの画素データを縦及び横方向に単純に2倍に拡大する。つまり、1つの画素を、同一の画素が縦及び横方向に並んだ2×2画素の集合に変換する。これにより、縦及び横方向に画素数が2倍となり、低解像度画像データから高解像度画像データを作成することができる。
【0007】
しかし、上記のような解像度変換方法では、1つの画素が単純に拡大されるため、画像サイズを大きくすることはできても画像自体は粗く観察される。特に、画像中の斜め線成分を有する領域では、斜め線上にジャギーが顕著に現れてしまうという問題がある。また、画素数を増加させる処理の手法によっては、表示装置内の信号処理が複雑化したり、消費電力が増大するなどの問題も発生しうる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、表示装置内の回路の複雑化や消費電力の増大などを伴わずに、簡易な方法で違和感の無い高解像度画像データを作成することが可能な、画像データの解像度変換手法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点では、画像表示装置において、画像データを表示する表示部と、画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調制御部と、元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換手段と、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更するように前記中間調制御部を制御する階調制御手段と、を備える。
【0010】
上記の画像表示装置は、例えば携帯電話やPDAなどの携帯端末装置として構成することができ、例えば外部から送信された画像データなどを処理して表示する。複数の階調数を有する画像データは、階調数に対応した階調制御パルスに応じて表示部内の各画素の表示状態を制御することにより表示される。例えば、64階調の表示を行う場合には、64個の階調制御パルスを使用して階調レベルを規定することにより、64通りの階調レベルで表示部内の画素を発光させることができる。
【0011】
また、解像度変換手段は、元画像データの画素数をn倍し、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する。疑似高解像度画像データを表示する際には、中間調制御部において階調制御パルス数が1/nに変更される。即ち、疑似高解像度画像データでは、階調数を1/nにしているので、中間調表示に使用される階調制御パルス数は、階調数に応じて1/nにすることができる。
【0012】
このように、上記の画像表示装置によれば、まず、元画像データから画素数を増加させた疑似高解像度画像データを生成することにより、高解像度画像の表示能力を有する画像表示装置上で、それより低解像度の画像データを違和感なく表示することができる。また、階調パルス数の減少分だけ表示部における消費電力を減少させることができる。
【0013】
上記の画像表示装置の一態様では、前記解像度変換手段は、1つの画素を、特定の階調レベルの画素をそれぞれ1〜n個含む合計n個の画素パターンのいずれかに変換することができる。
【0014】
この態様によれば、解像度変換後の複数の画素中に含まれる特定階調レベルの画素の数に応じて、人間が視覚的に観察する明るさのレベルは異なってくるので、特定の階調レベルの画素を特定の画素パターンに配置することで擬似的に複数の階調レベルを表示することが可能となる。その結果、表示部側で設定すべき階調数を減少させることができる。
【0015】
その場合の好適な一実施例では、前記解像度変換手段は、1つの画素を縦方向及び横方向にそれぞれ2倍して縦横それぞれ2画素からなる合計4画素の4種類の画素パターンに変換し、前記4種類の画素パターンは、特定の階調レベルの画素を1つのみ含む第1の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を2つ含む第2の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を3つ含む第3の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を4つ含む第4の画素パターンとを含むことができる。
【0016】
上記の画像表示装置の他の一態様では、前記中間調表示制御手段は、画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスを生成するパルス生成部と、表示すべき階調レベルに対応する数の前記階調制御パルスに対応する期間だけ前記画素に駆動電圧を印加する駆動部と、を備える。この態様によれば、疑似高解像度画像データの表示時には、パルス生成部が生成する階調制御パルス数を減らすことにより消費電力が低減される。
【0017】
上記の画像表示装置の他の一態様では、表示領域あたりの画素数a及び階調数bを有する低解像度画像データ、並びに、表示領域あたりの画素数(a×n)及び階調数bを有する高解像度画像データを受信する受信部を備え、前記階調制御手段は、前記疑似高解像度画像データを表示する際には前記階調制御パルス数をb/nに設定するように前記中間調制御部を制御し、前記高解像度画像データを表示する際には前記階調制御パルス数をbに設定するように前記中間調制御部を制御することができる。
【0018】
この態様によれば、外部装置などから供給された画像データが、高解像度画像データである場合には、中間調制御部が表示可能な全階調数を使用して高画質の画像を表示することができる。一方、低解像度画像データを供給された場合には、それを解像度変換して疑似高解像度画像データを生成して、違和感のない画像表示を行う。その際、階調制御手段は、高解像度画像データの表示するときには中間調制御部の階調数をフル階調であるbに設定し、疑似高解像度画像データを表示するときには階調数をb/nに減らして消費電力を低減しつつ違和感のない画像を表示することができる。
【0019】
本発明の他の観点では、画像データを表示する表示部を備える画像表示装置において実行される画像表示方法は、元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換工程と、表示すべき画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調表示工程と、を有し、前記中間調表示工程は、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更するように前記中間調制御部を制御する。
【0020】
上記の画像表示方法によれば、画像表示装置を利用して、元画像データから画素数を増加させた疑似高解像度画像データを生成することにより、高解像度画像の表示能力を有する画像表示装置上で、それより低解像度の画像データを違和感なく表示することができる。また、階調パルス数の減少分だけ表示部における消費電力を減少させることができる。
【0021】
また本発明の他の観点では、画像データを表示する表示部を備える画像表示装置において実行される画像表示プログラムは、元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換ステップと、表示すべき画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調表示ステップと、を有し、前記中間調表示ステップは、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更する。
【0022】
上記の画像表示プログラムによれば、画像表示装置を利用して、元画像データから画素数を増加させた疑似高解像度画像データを生成することにより、高解像度画像の表示能力を有する画像表示装置上で、それより低解像度の画像データを違和感なく表示することができる。また、階調パルス数の減少分だけ表示部における消費電力を減少させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0024】
[携帯端末装置の構成]
(全体構成)
図1に、本発明の実施形態にかかる解像度変換手法を適用した携帯端末装置の概略構成を示す。図1において、携帯端末装置210は、例えば携帯電話やPDAなどの端末装置である。携帯端末装置210は、表示装置212と、送受信部214と、CPU216と、入力部218と、プログラムROM220と、RAM224とを備える。
【0025】
表示装置212は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)などの軽量、薄型の表示装置とすることができ、表示エリア内に画像データを表示する。表示装置212は、例えば横方向と縦方向の画素数が240×320ドットなどの高解像度表示が可能なものである。
【0026】
送受信部214は、外部から画像データを受信する。画像データの受信は、例えば利用者が携帯端末装置210を操作してコンテンツ提供サービスを行うサーバ装置などに接続し、所望の画像データをダウンロードする指示を入力することにより行われる。また、他の利用者の携帯端末装置から、顔画像データなどを受信する場合にも、送受信部214がその画像データを受信する。送受信部214が受信した画像データはRAM224に保存することができる。
【0027】
入力部218は、携帯電話であれば各種の操作ボタンなど、PDAであればタッチペンなどによる接触を検出するタブレットなどにより構成することができ、ユーザが各種の指示、選択を行う際に使用される。入力部218に対して入力された指示、選択などは、電気信号に変換されてCPU216へ送られる。
【0028】
プログラムROM220は、携帯端末装置210の各種機能を実行するための各種プログラムを記憶し、特に本実施形態では画像データを表示装置212に表示するための画像表示プログラム、低解像度画像データを高解像度画像データに変換し、表示装置212に表示させるための解像度変換プログラムなどを記憶している。
【0029】
RAM224は、解像度変換プログラムに従って低解像度画像データを高解像度画像データに変換する際などに作業用メモリとして使用される。また、前述のように、送受信部214が受信した外部からの画像データを必要に応じて保存することもできる。
【0030】
CPU216は、プログラムROM220内に記憶されている各種プログラムを実行することにより、携帯端末装置210の各種機能を実行する。特に、本実施形態では、プログラムROM220内に記憶されている解像度変換プログラムを読み出して実行することにより、低解像度画像データを高解像度画像データに変換する。また、同じくプログラムROM220内に記憶されている画像表示プログラムを読み出して実行することにより、画像データ(低解像度画像データ及び高解像度画像データを含む)を表示装置212上に表示させる。また、CPU216は、これら以外に各種のプログラムを実行することにより携帯端末装置210の各種機能を実現するが、それらは本発明とは直接の関連を有しないので、説明を省略する。
【0031】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、例えば横方向及び縦方向が120×160画素程度の既存の画面サイズに対応する画像データを低解像度画像データと呼び、横方向及び縦方向が240×320画素程度の画面サイズに対応する画像データを高解像度画像データと呼ぶ。また、低解像度データを本発明の解像度変換方法により変換して得られた240×320画素程度の画面サイズに対応する画像データを疑似高解像度画像データと呼ぶ。
【0032】
(表示装置の詳細構成)
次に、表示装置212の構成について詳細に説明する。本実施形態では、表示装置212は、二端子素子型アクティブマトリクス又はTFD(Thin Film Diode)と呼ばれる液晶パネルを利用する表示装置とする。この液晶パネルにおいては、相互に対向する2枚の基板のうち一方の基板に走査電極が形成され、他方の基板に信号電極が形成され、両基板間に液晶層が封入される。その液晶層と走査電極間、あるいは液晶層と信号電極間には、電流−電圧特性が非線形な素子が設けられる。この非線形二端子素子としては、セラミックバリスタ、アモルファスシリコンPNダイオードなどが使用される。
【0033】
表示装置212の構成を図2に示す。図2において、表示装置212は、液晶パネル101と、走査信号駆動回路100と、データ信号駆動回路110と、タイミング信号生成回路60と、変換回路70と、を備える。タイミング信号生成回路60は、図示の各構成要素を駆動するための各種タイミング信号を出力する。
【0034】
液晶パネル101は、行方向に延在して設けられた複数の走査電極12と、列方向に延在して設けられた複数の信号電極14とを備える。これら電極12及び14の各交差部分においては、非線形二端子素子20と液晶層18とが直列に接続され、これによって各交差部分に画素が形成されている。以上の構成要素により、液晶表示部101が構成されている。非線形二端子素子20は、例えば図3に示すような電流−電圧特性を有している。図3においては、電圧が零電圧付近では電流はほとんど流れないが、電圧の絶対値が閾値電圧Vthを超えると、電圧の増加とともに電流が急増する。
【0035】
走査信号駆動回路100は走査電極12に対して走査電位VAを印加し、データ信号駆動回路110は信号電極14に対して信号電位VBを印加する。電位VA及びVBについて、図4を参照して説明する。まず、走査電極12には、図4(a)に示すような走査電位VAが印加される。ライン選択期間T毎に、各走査電極12は順次選択され、ある共通電位VGNDに対して±Vselなる電位差、即ち電圧を持ついずれかの電位が印加される。なお、この電圧Vselを選択電圧と呼ぶ。そして、選択された後には、共通電位VGNDに対して±Vhldなる電圧を持ついずれかの電位が印加される。ここで、選択時の電位がVGND+VselのときにはVGND+Vhldの電位が印加され、選択時の電位がVGND−VselのときにはVGND−Vhldの電位が印加される。なお、この電圧Vhldを保持電圧と呼ぶ。また、全ての走査電極が一巡して選択され終わる期間をフィールド期間といい、次のフィールド期間では、先のフィールド期間とは逆特性の選択電圧を用いて順次、走査電極を選択していく。
【0036】
一方、信号電極14に対しては、図4(b)に示すように、共通電位VGNDに対して±Vsegなる電圧を持ついずれかの電位が印加される。ここで、ある選択期間に選択された走査電極に印加する電位がVGND+Vselの場合に、VGND−Vsigをオン電位Von、VGND+Vsigをオフ電位Voffとして用いる。また、ある選択期間に選択された走査電極に印加する電位がVGND−Vselの場合に、VGND+Vsigをオン電位Von、VGND−Vsigをオフ電位Voffとして用いる。
【0037】
即ち、信号電位VBの各ライン選択期間T内の波形は、当該信号電極14に係る列における各画素の階調に応じて設定されるが、まず、信号電位VBは、各ライン選択期間T毎にオン区間とオフ区間に分割され、オン区間においてはオン電位Vonに、オフ区間においてはオフ電位Voffに設定される。即ち、信号電位VBは、階調値に応じてパルス幅変調される。そして、画素に与えるべき階調が高くなるほど(ノーマリーブラックモードでは明るくなるほど)、オン区間の占める割合が大きく設定される。
【0038】
次に、走査電極12及び信号電極14の電極間電圧VABを図4(c)の実線で示す。図示のように、電極間電圧VABの絶対値は、当該画素の選択期間において高くなることがわかる。また、液晶層18に印加される液晶層電圧VLCは、図4(c)のハッチングで示すようになる。液層層電圧VLCが変化する際には、液晶層18が形成する容量を充放電しなければならないため、液晶層電圧VLCは電極間電圧VABに対して過渡応答的に変化する。なお、図4(c)において電圧VNLは電極間電圧VABと液層層電圧VLCとの差、即ち非線形二端子素子20の端子電圧である。
【0039】
本実施形態における信号電位VBの一例を図5(a)に示す。図5(a)において、ライン選択期間Tはオン区間とオフ区間により構成される。また、走査電位VAは図4(a)に示すようであるから、電極間電圧VAB及び液層層電圧VLCは図5(b)に示すようになる。
【0040】
変換回路70は、例えばCPU216から入力されたカラー画像信号R、G、Bをデータ信号DR、DG、DBに変換する。具体的には、変換回路70は、カラー画像信号R、G、Bが供給されると、これをラインバッファ(図示せず)に格納し、カラー画像信号R、G、Bをデータ信号DR、DG、DBに変換し、データ信号駆動回路110に供給する。ここで、カラー画像信号R、G、Bの各色の階調値は、「0」〜「14」の範囲の値であり、これらが図6の表に従って、ライン選択期間T内の階調値に変換される。
【0041】
また、変換回路70は、データ信号駆動回路110に対してクロック信号GCPを供給する。クロック信号GCPの生成方法について説明する。変換回路70においては、各ライン選択期間Tを「256」分周する基本クロック信号が生成される。次に、この基本クロック信号を8ビット(最大256)のカウンタでカウントし、そのカウント結果が所定値になるとクロック信号GCPの1パルスが出力される。この「所定値」が図6に示す階調値(0、13、26、・・・256)に対応する。なお、クロック信号GCPの1パルスが出力されるカウンタ値は液晶表示部101の階調特性に応じて直線性が保たれるように設定される。
【0042】
図6において、階調値が「0」であればオン区間の幅も「0」であり、当該ライン選択期間の全区間がオフ区間となる。そして、階調値が高くなるほどオン区間の占める割合(基本クロック信号の数)が多くなる。そして、階調値14においてはオン区間は「256」に設定され、当該ライン選択期間の全区間がオン区間となる。
【0043】
次に、データ信号駆動回路110の構成を、図7を参照して詳細に説明する。データ信号駆動回路110内のシフトレジスタ112は「m/3」ビット(mは信号電極14の数)のシフトレジスタであり、画素クロックXSCLが供給される毎に、各ビットの内容を右側に隣接するビットにシフトしてゆく。なお、図8に示すように、画素クロックXSCLは、各画素のデータ信号DR、DG、DBが供給されるタイミングに同期して立ち下がる信号である。シフトレジスタ112の左端のビットにはパルス信号DXが供給される。このパルス信号DXは、変換回路70からライン選択期間Tのデータ信号DR、DG、DBの出力が開始されるときにおいて発生するワンショットのパルス信号である。従って、シフトレジスタ112の各ビットから出力される信号S1〜Smは、画素クロックXSCLの周期に等しい時間だけ順次排他的にHレベルになる信号となる。
【0044】
レジスタ114は、シフトレジスタ112の出力信号S1〜Smの各立ち上がりに同期して、3画素ずつデータ信号DR、DG、DBをラッチする。ラッチ回路116はラッチパルスLPの立ち上がりに同期してレジスタ114に記憶されたデータ信号を一斉にラッチする。波形変換部18は、ラッチされたデータ信号を図5(a)に示すような信号電位VBに変換し、m本の信号電極14に印加する。即ち、このラッチパルスLPの出力タイミングがライン選択期間Tの開始タイミングになる。
【0045】
次に、波形変換部118の構成例を図9に示す。図9において、カウンタ124は全信号電極14に対して共通に設けられたカウンタであり、ラッチパルスLPの立ち上がり時にカウント値が「0」にリセットされ、クロック信号GCPをカウントする。比較器126は、ラッチ回路116にラッチされた各画素のデータ信号DR、DG、DBとカウンタ124のカウント値とを比較し、カウント値がデータ信号の値未満であればHレベル、カウント値がデータ信号の値以上であればLレベルの比較信号CMPを出力する。そして、スイッチ122は、対応する比較信号CMPがHレベルであればオン電位Vonを選択し、Lレベルであればオフ電位Voffを選択し、選択した電位を信号電位VBとして出力する。
【0046】
[解像度変換処理]
次に、本発明による解像度変換処理について説明する。解像度変換処理は、低解像度画像データの画素数を増加させて、疑似高解像度画像データを作成する処理である。例えば、低解像度画像データとして横方向×縦方向が120×160画素の64階調の画像データがあるとする。解像度変換処理では、この低解像度画像データを、縦横2倍の240×320画素で64階調の疑似高解像度画像データに変換する。
【0047】
この例では、低解像度画像データの1画素を、縦方向及び横方向にそれぞれ2倍に拡大して2×2画素、即ち4画素に変換する。この変換方法を図10に模式的に示す。ある1画素を2×2画素に拡大する場合、元の画素を単純に4画素に拡大すると、拡大後の4画素は全て同じ階調レベルとなる。例えば、ある第1の階調レベル(□)の1画素を単純に4画素に拡大すると全てが第1の階調レベル(□)となるし、階調レベルが別の第2の階調レベル(■)の1画素純に4画素に拡大すると全てが第2の階調レベル(■)となる。しかし、その場合には画素サイズが粗くなるため、画像データ中の斜め線部分などにおいてはジャギーが発生する場合がある。
【0048】
これに対し、本発明の解像度変換処理では、図10に示すように、1つの画素を、4画素から構成されるパターンP1〜P4のいずれかに変換する。即ち、パターンP1は4画素全てが第2の階調レベルであり、パターンP2は1画素が第1の階調レベル、残りの3画素が第2の階調レベルであり、パターンP3は2画素が第1の階調レベル、残りの2画素が第2の階調レベルであり、パターンP4は3画素が第1の階調レベル、残りの1画素が第2の階調レベルである。
【0049】
このように、解像度変換後の4画素を4つの異なるパターンP1〜P4に割り当てると、1画素のサイズは小さいので、各パターンP1〜P4は人間の視覚的にはそれぞれ異なる4つの階調レベルとして観察される。即ち、第1及び第2の階調レベルのみを使用することにより、擬似的に4階調を表現できることになり、前述のジャギーの影響も低減する。このようにして画素数を増加させて解像度を変換することにより得られる画像データを、通常の240×320画素の高解像度画像データと区別する意味で、「疑似高解像度画像データ」と呼ぶ。
【0050】
この疑似高解像度画像データを表示する際には、表示装置212が生成する階調値を減らすことができる。上記の例では、解像度変換前の低解像度画像データは64階調を有するが、図10に例示する解像度変換後の疑似高解像度画像データでは、2つの階調レベルで擬似的に4階調を表現することができる。よって、表示装置212としては64/4=16階調値を表示できれば、図10に示す4つのパターンを使用することにより擬似的に64階調を表示できることになる。即ち、表示装置212は16階調で解像度変換後の疑似高解像度画像データを表示すればよいことになる。
【0051】
これにより、前述の階調制御に使用されるクロック信号GCPの階調制御パルス数(GCP数)を減少させることができる。先に説明したように、1画素の階調値は1つの選択パルス期間T内におけるクロック信号GCPのパルス数により制御される。ある画素を所定の階調値で表示するには、図6に例示するように、その階調値に対応するパルス数のクロック信号GCP期間だけ信号電圧VBをON電圧とすればよい。従って、例えばある画素を64階調で表示する場合には、1ライン選択期間中には64個のGCPが含まれる。
【0052】
この様子を図11に示している。表示装置212により64階調をそのまま表示する場合には、図11におけるクロック信号CGP1が使用される。クロック信号GCP1は、1ライン選択期間T中に64個のGCPを含んでいる。
【0053】
これに対し、上述の疑似高解像度画像においては、解像度変換後の4種類のパターンにより4階調を表現できるので、表示装置212としては16階調の表示を行えば擬似的に16×4=64階調を表現できることになる。よって、図11に示すように、疑似高解像度画像データの場合には、表示装置212としては、1ライン選択期間T中に16個のGCPを含むクロック信号GCP2を使用すればよい。この結果、表示装置212内で生成するGCPの数を減らすことができ(この例ではGCP数を1/4にすることができる)、その分表示装置212内での消費電力を減少させることができるという利点がある。
【0054】
このように、本発明の解像度変換処理により得られる疑似高解像度画像データを使用すれば、擬似的に階調数を維持したままで画素数を増加させて低解像度画像データを高解像度化することができ、かつ、その際に表示装置における消費電力を減少させることができる。従って、高解像度画像データの表示能力を有する携帯端末装置において、低解像度画像データを受信し、表示する際には、解像度変換処理を行うことにより、違和感の無い擬似的な高解像度画像を表示することが可能となる。
【0055】
なお、上記の例では、図10に示すように、1画素を縦横2×2の4画素に拡大して解像度変換を行ったが、本発明の適用はこれには限定されない。例えば、図13に例示するように、1画素を縦×横が4×4の16画素に拡大することも可能である。この場合、16画素により構成されるパターンは16通りとなるので、2つの階調レベルで擬似的に16階調を表現できることになる。よって、例えば解像度変換前の低解像度画像データが64階調である場合、図13に例示する解像度変換を行えば、表示装置212は、64/16=4階調を表示すれば足りることになる。この場合、前述のように4階調を表現するため1ライン選択期間T中に必要なGCP数は4個となり、さらに表示装置側の消費電力を減少させることができる。
【0056】
この場合、16通りのうちのパターンの決定には4×4の閾値マトリックスを使用するが、4n倍の拡大の場合はこのマトリックスと同期しているため、適用する画素の画像全体におけるオフセット値を考慮する必要はなく、高速な処理が可能である。また、2n倍の拡大の場合も、ラインカラムのページカラムが偶数であるか、奇数であるかの管理だけでよく、高速な処理が可能である。
【0057】
また、上記の例では整数倍を採りあげているが、本発明の解像度変換処理はこれに限定されるものではなく、不定数倍(例えば、1.3倍など)でも原理的に適用可能である。但し、整数倍に設定する場合には浮動小数点演算が発生しないため、高速な演算が可能であるという利点がある。
【0058】
[表示制御処理]
次に、上記の解像度変換処理を利用した表示制御処理について説明する。本発明の携帯端末装置210は、高解像度画像データを受信してそのまま表示することができるとともに、低解像度画像データを受信し、解像度変換処理を行って上記の疑似高解像度画像データを生成して表示することもできる。
【0059】
高解像度画像データを受信してそのまま表示する際には、前述のように、表示装置212側では64階調の表示を行う必要があり、図11に示すクロック信号GCP1を使用する。一方、疑似高解像度画像データを表示する場合には、前述のようにクロック信号GCP2を使用すればよい。よって、このクロック信号の切り換えは、携帯端末装置210のCPU216が、いずれの画像データを表示するかに基づいてクロック信号GCP1とGCP2の間の切り換えを指示すればよい。
【0060】
この切り換えを含む表示制御処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、図12に示す表示制御処理は基本的に、CPU216がプログラムROM220内に記憶されている表示制御プログラムを実行することにより実現される。
【0061】
まず、携帯端末装置210が送受信部214を介して外部から画像データを受信すると(ステップS1)、CPU216はその画像データが高解像度画像データであるか、低解像度画像データであるかを判定する(ステップS2)。低解像度画像データである場合(ステップS2;No)、CPU216は前述の解像度変換処理を実行し、疑似高解像度画像データを生成する(ステップS3)。そして、CPU216は、表示装置212に制御信号を送り、クロック信号をGCP2に設定する(ステップS4)。
【0062】
一方、受信した画像データが高解像度画像データである場合(ステップS2;Yes)、CPU216は表示装置212に制御信号を送り、クロック信号をGCP1に設定する(ステップS5)。
【0063】
クロック信号の設定が終わると、CPU216は画像データ(高解像度画像データ又は疑似高解像度画像データ)を表示装置212に供給し、表示させる(ステップS6)。こうして、携帯端末装置は、受信した画像データの解像度に応じて表示を行うことができる。
【0064】
なお、高解像度画像データの表示能力を有する携帯端末装置210においても、高解像度画像データのデータ量は大きく通信コストがかかるため、最初から全ての画像データを高解像度画像データとして受信しない場合も考えられる。例えば、最初は低解像度画像データを受信してその内容を把握し、必要であれば高解像度画像データを受信する、又は、高解像度画像データと低解像度画像データの差分データのみを追加受信して最終的に高解像度画像データとして表示する、ということが考えられる。その場合には、CPU216はまずステップS3〜S6により疑似高解像度画像データを表示し、その後高解像度画像データ又は差分データを受信したときにステップS5によりクロック信号をGCP2に切り換えて高解像度画像データを表示する。
【0065】
[他の実施形態]
次に、表示装置212中の液晶パネルの駆動素子として、TFT(Thin Film Transistor)素子を使用した場合の実施形態について説明する。図14は、本実施形態かかる液晶装置のブロック図を示している。
【0066】
この液晶装置は、液晶パネル101、信号制御回路部112、階調電圧回路部114、電源回路部116、走査線駆動回路120、データ線駆動回路122及び対向電極駆動回路124から構成されている。
【0067】
信号制御回路部112には、データ信号、同期信号およびクロック信号が供給される。信号制御回路部112は、クロック信号CLKX、水平同期信号Hsync1およびデータ信号Dbをデータ線駆動回路122に供給する。また、信号制御回路部112は、クロック信号CLKYおよび垂直同期信号Vsync1を走査線駆動回路120に供給する。また、信号制御回路部112は、極性反転化信号FRおよびクロック信号CLKYを対向電極駆動回路124に供給する。
【0068】
階調電圧回路部114は、基準となる電圧をデータ線駆動回路122に供給する。電源回路部116は、液晶装置を駆動するための各装置に電源を供給する。
【0069】
ここで、垂直同期信号Vsync1は、1フィールド(1フレーム)を分割して定義される各サブフィールドを決定するための信号である。極性反転化信号FRは、1サブフィールド毎に、レベル反転した信号を対向電極駆動回路124に供給する。クロック信号CLKYは、水平走査期間Sを規定するための信号である。水平同期信号Hsync1は、クロック信号CLKXにより、データ線駆動回路122に1ライン分の各RGBデータ信号Dbがラッチされた後に出力される信号である。また、図示しないが、信号制御回路部112には、垂直同期信号Vsync1をカウントするカウンタを有し、このカウンタ結果に基づいて、極性反転化信号FRとして供給される信号が決定される。
【0070】
ここでサブフィールドの概念を以下に説明する。本実施形態において、例えば、図14に示す液晶装置は8階調表示が可能であるとする。つまり、データ信号Dbは各RGB3ビットで構成されている。この液晶装置において、液晶層に印加される電圧を、例えば、電圧V0(「L」レベル)およびV7(「H」レベル)の2値のみとする。ノーマリーホワイトの液晶パネルの場合、1フィールドの全期間にわたって液晶層に電圧V0を印加すれば透過率は100%となり、電圧V7を印加すると透過率は0%となる。さらに、1フィールドのうち、液晶層に電圧V0を印加する期間と、電圧V7を印加する期間との比率を制御することで、中間調に対応する電圧を液晶層に印加することが可能となる。そこで、液晶層に電圧V0を印加する期間と、電圧V7を印加する期間とを区切るために、1フィールドfを7つの期間に分割する。この分割した期間を、サブフィールドSf1〜Sf7と定義する。
【0071】
例えば、階調データが(001)である場合(画素の透過率14.3%とする階調表示を行う場合)、対向電極の電圧が0Vであれば、選択された画素には、サブフィールドSf1においては電圧V7が印加される。一方、他のサブフィールドSf2〜Sf7では、電圧V0が印加される。ここで、電圧実効値は、電圧瞬時値の2乗を1周期(1フィールド)にわたって平均化した平方根で求められる。つまり、サブフィールドSf1が、1フィールドfに対して(V1/V7)2となるように設定されれば、1フィールドf内で液晶層に印加される電圧実効値はV1となる。
【0072】
このように、サブフィールドSf1〜Sf7の期間を設定して、階調データに応じた電圧が液晶層に印加されることで、電圧V0およびV7の2値のみを液晶層に供給しているにもかかわらず、各透過率に対する階調表示が可能となる。
【0073】
さて、信号制御回路部112では、供給されたRGB各3ビットのデータ信号を、サブフィールドSf1〜Sf7毎に、2値信号Dsに変換する。この2値信号Dsは、データ線駆動回路122に供給され、データ信号電圧Vdとして電圧V0またはV7のいずれかが液晶層に印加される。
【0074】
図15には、液晶層に印加される階調データ(000)〜(111)の電圧波形を示す。それぞれの階調データに対応して、サブフィールドSf1〜Sf7のそれぞれの期間に、電圧V7(「H」)または電圧V0(「L」)が液晶層に印加されている。例えば、階調データ(001)の場合、サブフィールドSf1〜Sf7の順に、(HLLLLLL)が液晶層に印加されることになる。
【0075】
以上のTFT駆動回路の例では、8階調の表示を行う方法を示したが、これと同様に階調数だけサブフィールドSfを設定することにより、16階調、64階調などの中間調表示を行うことができる。
【0076】
よって、携帯端末装置210の表示装置212が上述のようにTFT素子をPWM(パルス変調)駆動する場合にも、本発明の解像度変換処理を同様に適用することができる。例えば、前述の高解像度画像データと疑似高解像度画像データを切り換え表示する場合には、表示装置212を16階調表示及び64階調表示の切り換え制御可能なように構成する。そして、高解像度画像データが供給される場合には、表示装置212はCPU216からの切り換え指示に応じて、64個のサブフィールドSfを作成して64階調の表示制御を行う。一方、CPU216から疑似高解像度画像データが供給される場合には、表示装置212はCPU216からの切り換え指示に応じて、16個のサブフィールドSfを作成して16階調の表示制御を行う。疑似高解像度画像データでは、前述のように、複数のパターンP1〜P4により擬似的に4階調を表示できるので、擬似的に64階調表示が可能となる。
【0077】
また、液晶パネルの駆動回路としてTFTを使用する場合でも、このようにPWM駆動によりパルス幅で中間調を制御するのではなく、液晶部分に印加する電圧レベル数を制御することに中間調を制御する方法もある。例えば64階調の中間調制御を64個の電圧レベルを画素部分に印加することにいより実現する。そのような場合であっても、疑似高解像度画像データを表示する場合には表示装置側で実現する階調数が減少するため、液晶に印加する電圧レベル数を削減できることになり、低消費電力化が可能である。但し、この場合には、中間調を規定する電圧レベル数を削減した状態に合わせて転送データ数を削減し、印加電圧を生成する電源部分には電圧レベル数の削減に対応した低消費電力モードを用意する必要がある。
【0078】
[変形例]
上述した実施形態では、電気光学材料として、液晶(LC)を用いた電気光学素子を例に説明した。液晶としては、例えば、TN(Twisted Nematic)型のほか、180以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic)型、BTN(Bi−stable Twisted Nematic)型、強誘電型等のメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、ゲストホスト型等を含めて、周知なものを広く用いることができる。また、本発明は、3端子スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)以外に、例えばTFD(Thin Film Diode)といった2端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス型パネルに対しても適用可能である。それとともに、本発明は、スイッチング素子を用いないパッシブマトリクス型パネルに対しても適用可能である。さらに、液晶以外の電気光学材料、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、或いは、プラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学素子に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解像度変換処理を適用した携帯端末装置の概略構成を示す。
【図2】携帯端末装置の表示装置を構成する液晶パネルの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】非線形二端子素子の特性図である。
【図4】液晶パネルにおける各部の波形図である。
【図5】信号線電位VB及び電圧VABの波形図である。
【図6】階調値とオン区間のパルス幅との関係を示す図表である。
【図7】データ信号駆動回路の回路図である。
【図8】液晶パネルの駆動時のタイミングチャートである。
【図9】波形変換部の回路例である。
【図10】解像度変換処理における画素拡大方法の一例を示す。
【図11】高解像度画像データ及び疑似高解像度画像データの表示時における階調制御方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】表示制御処理のフローチャートである。
【図13】解像度変換処理における画素拡大方法の一例を示す。
【図14】液晶パネルのTFT駆動回路の構成を示す。
【図15】TFT駆動方式による階調制御方法を説明する図である。
【符号の説明】
210 携帯端末装置、 212 表示装置、 214 処理フォントメモリ、 216 CPU、 218 入力部、 220 プログラムROM、 224 RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの解像度変換手法に関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置に搭載する表示装置の大画面サイズ化、高解像度化が進んでおり、従来より画素数の多い高解像度の画像データをより大きな画面上に表示することが可能となっている。
【0003】
しかし、そのような大画面表示又は高解像度表示(以下、単純に「高解像度表示」と呼ぶ。)に対応する高解像度画像データはそのデータ量も多い。このため、高解像度画像データを常に送受信していたのでは、通信費が必要以上に高価になってしまうという欠点がある。また、携帯端末装置に各種のコンテンツを提供するサービス提供者側も、既存の画面サイズに対応する画像データに加えて、高解像度画像データを用意し、高解像度の表示装置を有する利用者に対しては高解像度画像データを提供する必要がある。このため、サービス提供者側もいくつもの画像データを用意し、保存しなければならず、開発費や設備コストが増大するという欠点がある。
【0004】
このような点から、既存の携帯端末装置の画面サイズに対応する画像データと、高解像度画像データとを使い分ける方法が考えられている。即ち、通常の画面サイズの画像データの使用で十分な種類のコンテンツ提供サービスの場合には既存の画面サイズに対応する画像データ(以下、便宜上「低解像度画面データ」と呼ぶ。)を送受信し、高解像度画像を表示することが要求されるコンテンツ提供サービスの場合には高解像度画像データを送受信する。
【0005】
高解像度に対応した携帯端末装置は、高解像度画像データを受信した場合にはそれをそのまま表示する。一方、低解像度画像データを受信した場合には、携帯端末装置内部で解像度変換処理を施し、違和感の無い高解像度画像データを作成して表示するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような解像度変換処理は、一般的には単純な画素サイズの拡大により行われている。例えば、ある画素数の画像データを縦及び横方向に2倍に拡大する場合、1つの画素データを縦及び横方向に単純に2倍に拡大する。つまり、1つの画素を、同一の画素が縦及び横方向に並んだ2×2画素の集合に変換する。これにより、縦及び横方向に画素数が2倍となり、低解像度画像データから高解像度画像データを作成することができる。
【0007】
しかし、上記のような解像度変換方法では、1つの画素が単純に拡大されるため、画像サイズを大きくすることはできても画像自体は粗く観察される。特に、画像中の斜め線成分を有する領域では、斜め線上にジャギーが顕著に現れてしまうという問題がある。また、画素数を増加させる処理の手法によっては、表示装置内の信号処理が複雑化したり、消費電力が増大するなどの問題も発生しうる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、表示装置内の回路の複雑化や消費電力の増大などを伴わずに、簡易な方法で違和感の無い高解像度画像データを作成することが可能な、画像データの解像度変換手法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点では、画像表示装置において、画像データを表示する表示部と、画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調制御部と、元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換手段と、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更するように前記中間調制御部を制御する階調制御手段と、を備える。
【0010】
上記の画像表示装置は、例えば携帯電話やPDAなどの携帯端末装置として構成することができ、例えば外部から送信された画像データなどを処理して表示する。複数の階調数を有する画像データは、階調数に対応した階調制御パルスに応じて表示部内の各画素の表示状態を制御することにより表示される。例えば、64階調の表示を行う場合には、64個の階調制御パルスを使用して階調レベルを規定することにより、64通りの階調レベルで表示部内の画素を発光させることができる。
【0011】
また、解像度変換手段は、元画像データの画素数をn倍し、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する。疑似高解像度画像データを表示する際には、中間調制御部において階調制御パルス数が1/nに変更される。即ち、疑似高解像度画像データでは、階調数を1/nにしているので、中間調表示に使用される階調制御パルス数は、階調数に応じて1/nにすることができる。
【0012】
このように、上記の画像表示装置によれば、まず、元画像データから画素数を増加させた疑似高解像度画像データを生成することにより、高解像度画像の表示能力を有する画像表示装置上で、それより低解像度の画像データを違和感なく表示することができる。また、階調パルス数の減少分だけ表示部における消費電力を減少させることができる。
【0013】
上記の画像表示装置の一態様では、前記解像度変換手段は、1つの画素を、特定の階調レベルの画素をそれぞれ1〜n個含む合計n個の画素パターンのいずれかに変換することができる。
【0014】
この態様によれば、解像度変換後の複数の画素中に含まれる特定階調レベルの画素の数に応じて、人間が視覚的に観察する明るさのレベルは異なってくるので、特定の階調レベルの画素を特定の画素パターンに配置することで擬似的に複数の階調レベルを表示することが可能となる。その結果、表示部側で設定すべき階調数を減少させることができる。
【0015】
その場合の好適な一実施例では、前記解像度変換手段は、1つの画素を縦方向及び横方向にそれぞれ2倍して縦横それぞれ2画素からなる合計4画素の4種類の画素パターンに変換し、前記4種類の画素パターンは、特定の階調レベルの画素を1つのみ含む第1の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を2つ含む第2の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を3つ含む第3の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を4つ含む第4の画素パターンとを含むことができる。
【0016】
上記の画像表示装置の他の一態様では、前記中間調表示制御手段は、画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスを生成するパルス生成部と、表示すべき階調レベルに対応する数の前記階調制御パルスに対応する期間だけ前記画素に駆動電圧を印加する駆動部と、を備える。この態様によれば、疑似高解像度画像データの表示時には、パルス生成部が生成する階調制御パルス数を減らすことにより消費電力が低減される。
【0017】
上記の画像表示装置の他の一態様では、表示領域あたりの画素数a及び階調数bを有する低解像度画像データ、並びに、表示領域あたりの画素数(a×n)及び階調数bを有する高解像度画像データを受信する受信部を備え、前記階調制御手段は、前記疑似高解像度画像データを表示する際には前記階調制御パルス数をb/nに設定するように前記中間調制御部を制御し、前記高解像度画像データを表示する際には前記階調制御パルス数をbに設定するように前記中間調制御部を制御することができる。
【0018】
この態様によれば、外部装置などから供給された画像データが、高解像度画像データである場合には、中間調制御部が表示可能な全階調数を使用して高画質の画像を表示することができる。一方、低解像度画像データを供給された場合には、それを解像度変換して疑似高解像度画像データを生成して、違和感のない画像表示を行う。その際、階調制御手段は、高解像度画像データの表示するときには中間調制御部の階調数をフル階調であるbに設定し、疑似高解像度画像データを表示するときには階調数をb/nに減らして消費電力を低減しつつ違和感のない画像を表示することができる。
【0019】
本発明の他の観点では、画像データを表示する表示部を備える画像表示装置において実行される画像表示方法は、元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換工程と、表示すべき画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調表示工程と、を有し、前記中間調表示工程は、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更するように前記中間調制御部を制御する。
【0020】
上記の画像表示方法によれば、画像表示装置を利用して、元画像データから画素数を増加させた疑似高解像度画像データを生成することにより、高解像度画像の表示能力を有する画像表示装置上で、それより低解像度の画像データを違和感なく表示することができる。また、階調パルス数の減少分だけ表示部における消費電力を減少させることができる。
【0021】
また本発明の他の観点では、画像データを表示する表示部を備える画像表示装置において実行される画像表示プログラムは、元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換ステップと、表示すべき画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調表示ステップと、を有し、前記中間調表示ステップは、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更する。
【0022】
上記の画像表示プログラムによれば、画像表示装置を利用して、元画像データから画素数を増加させた疑似高解像度画像データを生成することにより、高解像度画像の表示能力を有する画像表示装置上で、それより低解像度の画像データを違和感なく表示することができる。また、階調パルス数の減少分だけ表示部における消費電力を減少させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0024】
[携帯端末装置の構成]
(全体構成)
図1に、本発明の実施形態にかかる解像度変換手法を適用した携帯端末装置の概略構成を示す。図1において、携帯端末装置210は、例えば携帯電話やPDAなどの端末装置である。携帯端末装置210は、表示装置212と、送受信部214と、CPU216と、入力部218と、プログラムROM220と、RAM224とを備える。
【0025】
表示装置212は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)などの軽量、薄型の表示装置とすることができ、表示エリア内に画像データを表示する。表示装置212は、例えば横方向と縦方向の画素数が240×320ドットなどの高解像度表示が可能なものである。
【0026】
送受信部214は、外部から画像データを受信する。画像データの受信は、例えば利用者が携帯端末装置210を操作してコンテンツ提供サービスを行うサーバ装置などに接続し、所望の画像データをダウンロードする指示を入力することにより行われる。また、他の利用者の携帯端末装置から、顔画像データなどを受信する場合にも、送受信部214がその画像データを受信する。送受信部214が受信した画像データはRAM224に保存することができる。
【0027】
入力部218は、携帯電話であれば各種の操作ボタンなど、PDAであればタッチペンなどによる接触を検出するタブレットなどにより構成することができ、ユーザが各種の指示、選択を行う際に使用される。入力部218に対して入力された指示、選択などは、電気信号に変換されてCPU216へ送られる。
【0028】
プログラムROM220は、携帯端末装置210の各種機能を実行するための各種プログラムを記憶し、特に本実施形態では画像データを表示装置212に表示するための画像表示プログラム、低解像度画像データを高解像度画像データに変換し、表示装置212に表示させるための解像度変換プログラムなどを記憶している。
【0029】
RAM224は、解像度変換プログラムに従って低解像度画像データを高解像度画像データに変換する際などに作業用メモリとして使用される。また、前述のように、送受信部214が受信した外部からの画像データを必要に応じて保存することもできる。
【0030】
CPU216は、プログラムROM220内に記憶されている各種プログラムを実行することにより、携帯端末装置210の各種機能を実行する。特に、本実施形態では、プログラムROM220内に記憶されている解像度変換プログラムを読み出して実行することにより、低解像度画像データを高解像度画像データに変換する。また、同じくプログラムROM220内に記憶されている画像表示プログラムを読み出して実行することにより、画像データ(低解像度画像データ及び高解像度画像データを含む)を表示装置212上に表示させる。また、CPU216は、これら以外に各種のプログラムを実行することにより携帯端末装置210の各種機能を実現するが、それらは本発明とは直接の関連を有しないので、説明を省略する。
【0031】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、例えば横方向及び縦方向が120×160画素程度の既存の画面サイズに対応する画像データを低解像度画像データと呼び、横方向及び縦方向が240×320画素程度の画面サイズに対応する画像データを高解像度画像データと呼ぶ。また、低解像度データを本発明の解像度変換方法により変換して得られた240×320画素程度の画面サイズに対応する画像データを疑似高解像度画像データと呼ぶ。
【0032】
(表示装置の詳細構成)
次に、表示装置212の構成について詳細に説明する。本実施形態では、表示装置212は、二端子素子型アクティブマトリクス又はTFD(Thin Film Diode)と呼ばれる液晶パネルを利用する表示装置とする。この液晶パネルにおいては、相互に対向する2枚の基板のうち一方の基板に走査電極が形成され、他方の基板に信号電極が形成され、両基板間に液晶層が封入される。その液晶層と走査電極間、あるいは液晶層と信号電極間には、電流−電圧特性が非線形な素子が設けられる。この非線形二端子素子としては、セラミックバリスタ、アモルファスシリコンPNダイオードなどが使用される。
【0033】
表示装置212の構成を図2に示す。図2において、表示装置212は、液晶パネル101と、走査信号駆動回路100と、データ信号駆動回路110と、タイミング信号生成回路60と、変換回路70と、を備える。タイミング信号生成回路60は、図示の各構成要素を駆動するための各種タイミング信号を出力する。
【0034】
液晶パネル101は、行方向に延在して設けられた複数の走査電極12と、列方向に延在して設けられた複数の信号電極14とを備える。これら電極12及び14の各交差部分においては、非線形二端子素子20と液晶層18とが直列に接続され、これによって各交差部分に画素が形成されている。以上の構成要素により、液晶表示部101が構成されている。非線形二端子素子20は、例えば図3に示すような電流−電圧特性を有している。図3においては、電圧が零電圧付近では電流はほとんど流れないが、電圧の絶対値が閾値電圧Vthを超えると、電圧の増加とともに電流が急増する。
【0035】
走査信号駆動回路100は走査電極12に対して走査電位VAを印加し、データ信号駆動回路110は信号電極14に対して信号電位VBを印加する。電位VA及びVBについて、図4を参照して説明する。まず、走査電極12には、図4(a)に示すような走査電位VAが印加される。ライン選択期間T毎に、各走査電極12は順次選択され、ある共通電位VGNDに対して±Vselなる電位差、即ち電圧を持ついずれかの電位が印加される。なお、この電圧Vselを選択電圧と呼ぶ。そして、選択された後には、共通電位VGNDに対して±Vhldなる電圧を持ついずれかの電位が印加される。ここで、選択時の電位がVGND+VselのときにはVGND+Vhldの電位が印加され、選択時の電位がVGND−VselのときにはVGND−Vhldの電位が印加される。なお、この電圧Vhldを保持電圧と呼ぶ。また、全ての走査電極が一巡して選択され終わる期間をフィールド期間といい、次のフィールド期間では、先のフィールド期間とは逆特性の選択電圧を用いて順次、走査電極を選択していく。
【0036】
一方、信号電極14に対しては、図4(b)に示すように、共通電位VGNDに対して±Vsegなる電圧を持ついずれかの電位が印加される。ここで、ある選択期間に選択された走査電極に印加する電位がVGND+Vselの場合に、VGND−Vsigをオン電位Von、VGND+Vsigをオフ電位Voffとして用いる。また、ある選択期間に選択された走査電極に印加する電位がVGND−Vselの場合に、VGND+Vsigをオン電位Von、VGND−Vsigをオフ電位Voffとして用いる。
【0037】
即ち、信号電位VBの各ライン選択期間T内の波形は、当該信号電極14に係る列における各画素の階調に応じて設定されるが、まず、信号電位VBは、各ライン選択期間T毎にオン区間とオフ区間に分割され、オン区間においてはオン電位Vonに、オフ区間においてはオフ電位Voffに設定される。即ち、信号電位VBは、階調値に応じてパルス幅変調される。そして、画素に与えるべき階調が高くなるほど(ノーマリーブラックモードでは明るくなるほど)、オン区間の占める割合が大きく設定される。
【0038】
次に、走査電極12及び信号電極14の電極間電圧VABを図4(c)の実線で示す。図示のように、電極間電圧VABの絶対値は、当該画素の選択期間において高くなることがわかる。また、液晶層18に印加される液晶層電圧VLCは、図4(c)のハッチングで示すようになる。液層層電圧VLCが変化する際には、液晶層18が形成する容量を充放電しなければならないため、液晶層電圧VLCは電極間電圧VABに対して過渡応答的に変化する。なお、図4(c)において電圧VNLは電極間電圧VABと液層層電圧VLCとの差、即ち非線形二端子素子20の端子電圧である。
【0039】
本実施形態における信号電位VBの一例を図5(a)に示す。図5(a)において、ライン選択期間Tはオン区間とオフ区間により構成される。また、走査電位VAは図4(a)に示すようであるから、電極間電圧VAB及び液層層電圧VLCは図5(b)に示すようになる。
【0040】
変換回路70は、例えばCPU216から入力されたカラー画像信号R、G、Bをデータ信号DR、DG、DBに変換する。具体的には、変換回路70は、カラー画像信号R、G、Bが供給されると、これをラインバッファ(図示せず)に格納し、カラー画像信号R、G、Bをデータ信号DR、DG、DBに変換し、データ信号駆動回路110に供給する。ここで、カラー画像信号R、G、Bの各色の階調値は、「0」〜「14」の範囲の値であり、これらが図6の表に従って、ライン選択期間T内の階調値に変換される。
【0041】
また、変換回路70は、データ信号駆動回路110に対してクロック信号GCPを供給する。クロック信号GCPの生成方法について説明する。変換回路70においては、各ライン選択期間Tを「256」分周する基本クロック信号が生成される。次に、この基本クロック信号を8ビット(最大256)のカウンタでカウントし、そのカウント結果が所定値になるとクロック信号GCPの1パルスが出力される。この「所定値」が図6に示す階調値(0、13、26、・・・256)に対応する。なお、クロック信号GCPの1パルスが出力されるカウンタ値は液晶表示部101の階調特性に応じて直線性が保たれるように設定される。
【0042】
図6において、階調値が「0」であればオン区間の幅も「0」であり、当該ライン選択期間の全区間がオフ区間となる。そして、階調値が高くなるほどオン区間の占める割合(基本クロック信号の数)が多くなる。そして、階調値14においてはオン区間は「256」に設定され、当該ライン選択期間の全区間がオン区間となる。
【0043】
次に、データ信号駆動回路110の構成を、図7を参照して詳細に説明する。データ信号駆動回路110内のシフトレジスタ112は「m/3」ビット(mは信号電極14の数)のシフトレジスタであり、画素クロックXSCLが供給される毎に、各ビットの内容を右側に隣接するビットにシフトしてゆく。なお、図8に示すように、画素クロックXSCLは、各画素のデータ信号DR、DG、DBが供給されるタイミングに同期して立ち下がる信号である。シフトレジスタ112の左端のビットにはパルス信号DXが供給される。このパルス信号DXは、変換回路70からライン選択期間Tのデータ信号DR、DG、DBの出力が開始されるときにおいて発生するワンショットのパルス信号である。従って、シフトレジスタ112の各ビットから出力される信号S1〜Smは、画素クロックXSCLの周期に等しい時間だけ順次排他的にHレベルになる信号となる。
【0044】
レジスタ114は、シフトレジスタ112の出力信号S1〜Smの各立ち上がりに同期して、3画素ずつデータ信号DR、DG、DBをラッチする。ラッチ回路116はラッチパルスLPの立ち上がりに同期してレジスタ114に記憶されたデータ信号を一斉にラッチする。波形変換部18は、ラッチされたデータ信号を図5(a)に示すような信号電位VBに変換し、m本の信号電極14に印加する。即ち、このラッチパルスLPの出力タイミングがライン選択期間Tの開始タイミングになる。
【0045】
次に、波形変換部118の構成例を図9に示す。図9において、カウンタ124は全信号電極14に対して共通に設けられたカウンタであり、ラッチパルスLPの立ち上がり時にカウント値が「0」にリセットされ、クロック信号GCPをカウントする。比較器126は、ラッチ回路116にラッチされた各画素のデータ信号DR、DG、DBとカウンタ124のカウント値とを比較し、カウント値がデータ信号の値未満であればHレベル、カウント値がデータ信号の値以上であればLレベルの比較信号CMPを出力する。そして、スイッチ122は、対応する比較信号CMPがHレベルであればオン電位Vonを選択し、Lレベルであればオフ電位Voffを選択し、選択した電位を信号電位VBとして出力する。
【0046】
[解像度変換処理]
次に、本発明による解像度変換処理について説明する。解像度変換処理は、低解像度画像データの画素数を増加させて、疑似高解像度画像データを作成する処理である。例えば、低解像度画像データとして横方向×縦方向が120×160画素の64階調の画像データがあるとする。解像度変換処理では、この低解像度画像データを、縦横2倍の240×320画素で64階調の疑似高解像度画像データに変換する。
【0047】
この例では、低解像度画像データの1画素を、縦方向及び横方向にそれぞれ2倍に拡大して2×2画素、即ち4画素に変換する。この変換方法を図10に模式的に示す。ある1画素を2×2画素に拡大する場合、元の画素を単純に4画素に拡大すると、拡大後の4画素は全て同じ階調レベルとなる。例えば、ある第1の階調レベル(□)の1画素を単純に4画素に拡大すると全てが第1の階調レベル(□)となるし、階調レベルが別の第2の階調レベル(■)の1画素純に4画素に拡大すると全てが第2の階調レベル(■)となる。しかし、その場合には画素サイズが粗くなるため、画像データ中の斜め線部分などにおいてはジャギーが発生する場合がある。
【0048】
これに対し、本発明の解像度変換処理では、図10に示すように、1つの画素を、4画素から構成されるパターンP1〜P4のいずれかに変換する。即ち、パターンP1は4画素全てが第2の階調レベルであり、パターンP2は1画素が第1の階調レベル、残りの3画素が第2の階調レベルであり、パターンP3は2画素が第1の階調レベル、残りの2画素が第2の階調レベルであり、パターンP4は3画素が第1の階調レベル、残りの1画素が第2の階調レベルである。
【0049】
このように、解像度変換後の4画素を4つの異なるパターンP1〜P4に割り当てると、1画素のサイズは小さいので、各パターンP1〜P4は人間の視覚的にはそれぞれ異なる4つの階調レベルとして観察される。即ち、第1及び第2の階調レベルのみを使用することにより、擬似的に4階調を表現できることになり、前述のジャギーの影響も低減する。このようにして画素数を増加させて解像度を変換することにより得られる画像データを、通常の240×320画素の高解像度画像データと区別する意味で、「疑似高解像度画像データ」と呼ぶ。
【0050】
この疑似高解像度画像データを表示する際には、表示装置212が生成する階調値を減らすことができる。上記の例では、解像度変換前の低解像度画像データは64階調を有するが、図10に例示する解像度変換後の疑似高解像度画像データでは、2つの階調レベルで擬似的に4階調を表現することができる。よって、表示装置212としては64/4=16階調値を表示できれば、図10に示す4つのパターンを使用することにより擬似的に64階調を表示できることになる。即ち、表示装置212は16階調で解像度変換後の疑似高解像度画像データを表示すればよいことになる。
【0051】
これにより、前述の階調制御に使用されるクロック信号GCPの階調制御パルス数(GCP数)を減少させることができる。先に説明したように、1画素の階調値は1つの選択パルス期間T内におけるクロック信号GCPのパルス数により制御される。ある画素を所定の階調値で表示するには、図6に例示するように、その階調値に対応するパルス数のクロック信号GCP期間だけ信号電圧VBをON電圧とすればよい。従って、例えばある画素を64階調で表示する場合には、1ライン選択期間中には64個のGCPが含まれる。
【0052】
この様子を図11に示している。表示装置212により64階調をそのまま表示する場合には、図11におけるクロック信号CGP1が使用される。クロック信号GCP1は、1ライン選択期間T中に64個のGCPを含んでいる。
【0053】
これに対し、上述の疑似高解像度画像においては、解像度変換後の4種類のパターンにより4階調を表現できるので、表示装置212としては16階調の表示を行えば擬似的に16×4=64階調を表現できることになる。よって、図11に示すように、疑似高解像度画像データの場合には、表示装置212としては、1ライン選択期間T中に16個のGCPを含むクロック信号GCP2を使用すればよい。この結果、表示装置212内で生成するGCPの数を減らすことができ(この例ではGCP数を1/4にすることができる)、その分表示装置212内での消費電力を減少させることができるという利点がある。
【0054】
このように、本発明の解像度変換処理により得られる疑似高解像度画像データを使用すれば、擬似的に階調数を維持したままで画素数を増加させて低解像度画像データを高解像度化することができ、かつ、その際に表示装置における消費電力を減少させることができる。従って、高解像度画像データの表示能力を有する携帯端末装置において、低解像度画像データを受信し、表示する際には、解像度変換処理を行うことにより、違和感の無い擬似的な高解像度画像を表示することが可能となる。
【0055】
なお、上記の例では、図10に示すように、1画素を縦横2×2の4画素に拡大して解像度変換を行ったが、本発明の適用はこれには限定されない。例えば、図13に例示するように、1画素を縦×横が4×4の16画素に拡大することも可能である。この場合、16画素により構成されるパターンは16通りとなるので、2つの階調レベルで擬似的に16階調を表現できることになる。よって、例えば解像度変換前の低解像度画像データが64階調である場合、図13に例示する解像度変換を行えば、表示装置212は、64/16=4階調を表示すれば足りることになる。この場合、前述のように4階調を表現するため1ライン選択期間T中に必要なGCP数は4個となり、さらに表示装置側の消費電力を減少させることができる。
【0056】
この場合、16通りのうちのパターンの決定には4×4の閾値マトリックスを使用するが、4n倍の拡大の場合はこのマトリックスと同期しているため、適用する画素の画像全体におけるオフセット値を考慮する必要はなく、高速な処理が可能である。また、2n倍の拡大の場合も、ラインカラムのページカラムが偶数であるか、奇数であるかの管理だけでよく、高速な処理が可能である。
【0057】
また、上記の例では整数倍を採りあげているが、本発明の解像度変換処理はこれに限定されるものではなく、不定数倍(例えば、1.3倍など)でも原理的に適用可能である。但し、整数倍に設定する場合には浮動小数点演算が発生しないため、高速な演算が可能であるという利点がある。
【0058】
[表示制御処理]
次に、上記の解像度変換処理を利用した表示制御処理について説明する。本発明の携帯端末装置210は、高解像度画像データを受信してそのまま表示することができるとともに、低解像度画像データを受信し、解像度変換処理を行って上記の疑似高解像度画像データを生成して表示することもできる。
【0059】
高解像度画像データを受信してそのまま表示する際には、前述のように、表示装置212側では64階調の表示を行う必要があり、図11に示すクロック信号GCP1を使用する。一方、疑似高解像度画像データを表示する場合には、前述のようにクロック信号GCP2を使用すればよい。よって、このクロック信号の切り換えは、携帯端末装置210のCPU216が、いずれの画像データを表示するかに基づいてクロック信号GCP1とGCP2の間の切り換えを指示すればよい。
【0060】
この切り換えを含む表示制御処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、図12に示す表示制御処理は基本的に、CPU216がプログラムROM220内に記憶されている表示制御プログラムを実行することにより実現される。
【0061】
まず、携帯端末装置210が送受信部214を介して外部から画像データを受信すると(ステップS1)、CPU216はその画像データが高解像度画像データであるか、低解像度画像データであるかを判定する(ステップS2)。低解像度画像データである場合(ステップS2;No)、CPU216は前述の解像度変換処理を実行し、疑似高解像度画像データを生成する(ステップS3)。そして、CPU216は、表示装置212に制御信号を送り、クロック信号をGCP2に設定する(ステップS4)。
【0062】
一方、受信した画像データが高解像度画像データである場合(ステップS2;Yes)、CPU216は表示装置212に制御信号を送り、クロック信号をGCP1に設定する(ステップS5)。
【0063】
クロック信号の設定が終わると、CPU216は画像データ(高解像度画像データ又は疑似高解像度画像データ)を表示装置212に供給し、表示させる(ステップS6)。こうして、携帯端末装置は、受信した画像データの解像度に応じて表示を行うことができる。
【0064】
なお、高解像度画像データの表示能力を有する携帯端末装置210においても、高解像度画像データのデータ量は大きく通信コストがかかるため、最初から全ての画像データを高解像度画像データとして受信しない場合も考えられる。例えば、最初は低解像度画像データを受信してその内容を把握し、必要であれば高解像度画像データを受信する、又は、高解像度画像データと低解像度画像データの差分データのみを追加受信して最終的に高解像度画像データとして表示する、ということが考えられる。その場合には、CPU216はまずステップS3〜S6により疑似高解像度画像データを表示し、その後高解像度画像データ又は差分データを受信したときにステップS5によりクロック信号をGCP2に切り換えて高解像度画像データを表示する。
【0065】
[他の実施形態]
次に、表示装置212中の液晶パネルの駆動素子として、TFT(Thin Film Transistor)素子を使用した場合の実施形態について説明する。図14は、本実施形態かかる液晶装置のブロック図を示している。
【0066】
この液晶装置は、液晶パネル101、信号制御回路部112、階調電圧回路部114、電源回路部116、走査線駆動回路120、データ線駆動回路122及び対向電極駆動回路124から構成されている。
【0067】
信号制御回路部112には、データ信号、同期信号およびクロック信号が供給される。信号制御回路部112は、クロック信号CLKX、水平同期信号Hsync1およびデータ信号Dbをデータ線駆動回路122に供給する。また、信号制御回路部112は、クロック信号CLKYおよび垂直同期信号Vsync1を走査線駆動回路120に供給する。また、信号制御回路部112は、極性反転化信号FRおよびクロック信号CLKYを対向電極駆動回路124に供給する。
【0068】
階調電圧回路部114は、基準となる電圧をデータ線駆動回路122に供給する。電源回路部116は、液晶装置を駆動するための各装置に電源を供給する。
【0069】
ここで、垂直同期信号Vsync1は、1フィールド(1フレーム)を分割して定義される各サブフィールドを決定するための信号である。極性反転化信号FRは、1サブフィールド毎に、レベル反転した信号を対向電極駆動回路124に供給する。クロック信号CLKYは、水平走査期間Sを規定するための信号である。水平同期信号Hsync1は、クロック信号CLKXにより、データ線駆動回路122に1ライン分の各RGBデータ信号Dbがラッチされた後に出力される信号である。また、図示しないが、信号制御回路部112には、垂直同期信号Vsync1をカウントするカウンタを有し、このカウンタ結果に基づいて、極性反転化信号FRとして供給される信号が決定される。
【0070】
ここでサブフィールドの概念を以下に説明する。本実施形態において、例えば、図14に示す液晶装置は8階調表示が可能であるとする。つまり、データ信号Dbは各RGB3ビットで構成されている。この液晶装置において、液晶層に印加される電圧を、例えば、電圧V0(「L」レベル)およびV7(「H」レベル)の2値のみとする。ノーマリーホワイトの液晶パネルの場合、1フィールドの全期間にわたって液晶層に電圧V0を印加すれば透過率は100%となり、電圧V7を印加すると透過率は0%となる。さらに、1フィールドのうち、液晶層に電圧V0を印加する期間と、電圧V7を印加する期間との比率を制御することで、中間調に対応する電圧を液晶層に印加することが可能となる。そこで、液晶層に電圧V0を印加する期間と、電圧V7を印加する期間とを区切るために、1フィールドfを7つの期間に分割する。この分割した期間を、サブフィールドSf1〜Sf7と定義する。
【0071】
例えば、階調データが(001)である場合(画素の透過率14.3%とする階調表示を行う場合)、対向電極の電圧が0Vであれば、選択された画素には、サブフィールドSf1においては電圧V7が印加される。一方、他のサブフィールドSf2〜Sf7では、電圧V0が印加される。ここで、電圧実効値は、電圧瞬時値の2乗を1周期(1フィールド)にわたって平均化した平方根で求められる。つまり、サブフィールドSf1が、1フィールドfに対して(V1/V7)2となるように設定されれば、1フィールドf内で液晶層に印加される電圧実効値はV1となる。
【0072】
このように、サブフィールドSf1〜Sf7の期間を設定して、階調データに応じた電圧が液晶層に印加されることで、電圧V0およびV7の2値のみを液晶層に供給しているにもかかわらず、各透過率に対する階調表示が可能となる。
【0073】
さて、信号制御回路部112では、供給されたRGB各3ビットのデータ信号を、サブフィールドSf1〜Sf7毎に、2値信号Dsに変換する。この2値信号Dsは、データ線駆動回路122に供給され、データ信号電圧Vdとして電圧V0またはV7のいずれかが液晶層に印加される。
【0074】
図15には、液晶層に印加される階調データ(000)〜(111)の電圧波形を示す。それぞれの階調データに対応して、サブフィールドSf1〜Sf7のそれぞれの期間に、電圧V7(「H」)または電圧V0(「L」)が液晶層に印加されている。例えば、階調データ(001)の場合、サブフィールドSf1〜Sf7の順に、(HLLLLLL)が液晶層に印加されることになる。
【0075】
以上のTFT駆動回路の例では、8階調の表示を行う方法を示したが、これと同様に階調数だけサブフィールドSfを設定することにより、16階調、64階調などの中間調表示を行うことができる。
【0076】
よって、携帯端末装置210の表示装置212が上述のようにTFT素子をPWM(パルス変調)駆動する場合にも、本発明の解像度変換処理を同様に適用することができる。例えば、前述の高解像度画像データと疑似高解像度画像データを切り換え表示する場合には、表示装置212を16階調表示及び64階調表示の切り換え制御可能なように構成する。そして、高解像度画像データが供給される場合には、表示装置212はCPU216からの切り換え指示に応じて、64個のサブフィールドSfを作成して64階調の表示制御を行う。一方、CPU216から疑似高解像度画像データが供給される場合には、表示装置212はCPU216からの切り換え指示に応じて、16個のサブフィールドSfを作成して16階調の表示制御を行う。疑似高解像度画像データでは、前述のように、複数のパターンP1〜P4により擬似的に4階調を表示できるので、擬似的に64階調表示が可能となる。
【0077】
また、液晶パネルの駆動回路としてTFTを使用する場合でも、このようにPWM駆動によりパルス幅で中間調を制御するのではなく、液晶部分に印加する電圧レベル数を制御することに中間調を制御する方法もある。例えば64階調の中間調制御を64個の電圧レベルを画素部分に印加することにいより実現する。そのような場合であっても、疑似高解像度画像データを表示する場合には表示装置側で実現する階調数が減少するため、液晶に印加する電圧レベル数を削減できることになり、低消費電力化が可能である。但し、この場合には、中間調を規定する電圧レベル数を削減した状態に合わせて転送データ数を削減し、印加電圧を生成する電源部分には電圧レベル数の削減に対応した低消費電力モードを用意する必要がある。
【0078】
[変形例]
上述した実施形態では、電気光学材料として、液晶(LC)を用いた電気光学素子を例に説明した。液晶としては、例えば、TN(Twisted Nematic)型のほか、180以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic)型、BTN(Bi−stable Twisted Nematic)型、強誘電型等のメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、ゲストホスト型等を含めて、周知なものを広く用いることができる。また、本発明は、3端子スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)以外に、例えばTFD(Thin Film Diode)といった2端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス型パネルに対しても適用可能である。それとともに、本発明は、スイッチング素子を用いないパッシブマトリクス型パネルに対しても適用可能である。さらに、液晶以外の電気光学材料、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、或いは、プラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学素子に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解像度変換処理を適用した携帯端末装置の概略構成を示す。
【図2】携帯端末装置の表示装置を構成する液晶パネルの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】非線形二端子素子の特性図である。
【図4】液晶パネルにおける各部の波形図である。
【図5】信号線電位VB及び電圧VABの波形図である。
【図6】階調値とオン区間のパルス幅との関係を示す図表である。
【図7】データ信号駆動回路の回路図である。
【図8】液晶パネルの駆動時のタイミングチャートである。
【図9】波形変換部の回路例である。
【図10】解像度変換処理における画素拡大方法の一例を示す。
【図11】高解像度画像データ及び疑似高解像度画像データの表示時における階調制御方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】表示制御処理のフローチャートである。
【図13】解像度変換処理における画素拡大方法の一例を示す。
【図14】液晶パネルのTFT駆動回路の構成を示す。
【図15】TFT駆動方式による階調制御方法を説明する図である。
【符号の説明】
210 携帯端末装置、 212 表示装置、 214 処理フォントメモリ、 216 CPU、 218 入力部、 220 プログラムROM、 224 RAM
Claims (7)
- 画像データを表示する表示部と、
画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調制御部と、
元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換手段と、
前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更するように前記中間調制御部を制御する階調制御手段と、を備えることを特徴とする画像表示装置。 - 前記解像度変換手段は、1つの画素を、特定の階調レベルの画素をそれぞれ1〜n個含む合計n個の画素パターンのいずれかに変換することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記解像度変換手段は、1つの画素を縦方向及び横方向にそれぞれ2倍して縦横それぞれ2画素からなる合計4画素の4種類の画素パターンに変換し、前記4種類の画素パターンは、特定の階調レベルの画素を1つのみ含む第1の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を2つ含む第2の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を3つ含む第3の画素パターンと、前記特定の階調レベルの画素を4つ含む第4の画素パターンとを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記中間調制御部は、画像データの数に対応した数の階調制御パルスを生成するパルス生成部と、表示すべき階調レベルに対応する数の前記階調制御パルスに対応する期間だけ前記画素に駆動電圧を印加する駆動部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
- 表示領域あたりの画素数a及び階調数bを有する低解像度画像データ、並びに、表示領域あたりの画素数(a×n)及び階調数bを有する高解像度画像データを受信する受信部を備え、
前記階調制御手段は、前記疑似高解像度画像データを表示する際には前記階調制御パルス数をb/nに設定するように前記中間調制御部を制御し、前記高解像度画像データを表示する際には前記階調制御パルス数をbに設定するように前記中間調制御部を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像表示装置。 - 画像データを表示する表示部を備える画像表示装置において実行される画像表示方法であって、
元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換工程と、
表示すべき画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調表示工程と、を有し、
前記中間調表示工程は、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更することを特徴とする画像表示方法。 - 画像データを表示する表示部を備える画像表示装置において実行される画像表示プログラムであって、
元画像データの画素数をn倍するとともに、階調数を1/nにした疑似高解像度画像データを生成する解像度変換ステップと、
表示すべき画像データの階調数に対応した数の階調制御パルスにより、前記表示部内の各画素の表示状態を制御して中間調表示を行う中間調表示ステップと、を有し、
前記中間調表示ステップは、前記疑似高解像度画像データを表示する際には、前記階調制御パルス数を1/nに変更することを特徴とする画像表示プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010147524A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像処理装置、位置符号画像合成装置、画像形成装置、画像処理方法、位置符号画像合成方法およびプログラム |
JP2011059695A (ja) * | 2004-09-27 | 2011-03-24 | Qualcomm Mems Technologies Inc | Memsディスプレイ素子へデータを書き込む方法及びシステム |
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2003
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