JP2004145272A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータリの位置決め時間をできるだけ短縮して色切替時間を効果的に短くしつつ、ロータリの回転を円滑にする。
【解決手段】画像形成装置1は、ロータリ13を位置決めしかつこの位置決め位置にロックするロック手段27を備えている。このロック手段27は、ロータリ13側の凸部28,29,30,31,32,33,34,35と、画像形成装置本体移動可能に設けられ、これらの凸部の1つに選択的に係合してロータリ13をロックするロック位置と凸部に係合しない退避位置とロック位置側の待機位置とが設定されたロックレバー38と、ロックレバー38を退避位置の方へ移動するソレノイド40と、ロックレバー38をロック位置の方へ付勢するスプリング41とからなる。ロックレバー38は、ロータリ13の回転で凸部に係合する前にこの凸部が当接可能な傾斜部42を有している。
【選択図】 図5
【解決手段】画像形成装置1は、ロータリ13を位置決めしかつこの位置決め位置にロックするロック手段27を備えている。このロック手段27は、ロータリ13側の凸部28,29,30,31,32,33,34,35と、画像形成装置本体移動可能に設けられ、これらの凸部の1つに選択的に係合してロータリ13をロックするロック位置と凸部に係合しない退避位置とロック位置側の待機位置とが設定されたロックレバー38と、ロックレバー38を退避位置の方へ移動するソレノイド40と、ロックレバー38をロック位置の方へ付勢するスプリング41とからなる。ロックレバー38は、ロータリ13の回転で凸部に係合する前にこの凸部が当接可能な傾斜部42を有している。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリに装着された複数の現像ユニットにより、フルカラー等の2色以上の多色現像を行うロータリ現像方式の現像装置を備えた、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置の技術分野に属し、特に、潜像担持体に対して複数の現像ユニットの現像剤担持体を選択的に現像位置に設定するようにロータリを所定位置に位置決めしてロックするロック手段を備えている画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、ロータリに装着された複数の現像ユニットにより、フルカラー等の2色以上の多色現像を行う現像装置を備えた画像形成装置が種々開発されている。この画像形成装置は、画像形成動作時にロータリを回転させて各現像ユニットの現像ローラを順次現像位置に設定して感光体の潜像を各色毎に順次現像して画像を形成するようになっている。
【0003】
ロータリを所定位置に順次位置決めしてロックする方法として、ロータリを回転するための駆動モータのホールド力を利用するのが最も単純であるが、ホールド時の駆動モータの消費電力やホールド性等を考慮すると、駆動モータのホールド力に頼らず、何らかの機械的手段でロータリの位置決めをすることが望ましい。そこで、従来は、画像形成装置本体に設けられたレバーをロータリの一部に係合させることで、ロータリを機械的に位置決めすることが提案されている。
【0004】
このレバーは、ロータリを位置決めしない退避位置とロータリに係合してロータリを位置決めする位置決め位置との間で移動可能に設けられている。その場合、例えば4色のフルカラーの画像形成において、潜像担持体上の4色の静電潜像を順次現像するにあたり4色の色替え動作を行う必要があるが、この色替え動作に要する時間をできるだけ短縮することが望ましいため、レバーは退避位置と位置決め位置との間でできるだけ迅速に動作することが求められる。
【0005】
このようなことから、従来、レバーを駆動するためにソレノイドとスプリングとを用い、画像形成時のロータリの回転時間やソレノイドの通電時間を考慮して、レバーを退避位置に設定するときにソレノイドを通電して励磁し、発生するソレノイド力でレバーを退避位置の方へ回動し、また、レバーを位置決め位置に設定するときにソレノイドの通電を切ってソレノイドを非励磁にしてスプリングのばね力でレバーを位置決め位置の方へ回動することが一般に行われている。
また、レバーの回動手段としては、このようなソレノイドを用いた方法にとどまらず、他の移動手段の移動力により、ステッピングクラッチやカムなどを利用してレバーの回動を行う方法なども考えられる。
【0006】
また、ロータリの他の機械的なロック手段として、ロータリに設けたカムと、画像形成装置本体に設けられ、かつこのカムに常時当接してカムの回転に応じて動作するストップ手段とで、ロータリの位置決めを行うロータリ現像方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されているロータリの位置決め手段は、ストップ手段がロータリを現像位置に位置決めするときのカムの傾斜面の傾斜を比較的急激にし、ロータリが回転して現像位置から離れるときのカムの傾斜面の傾斜を比較的緩くしたカムのプロファイルを有している。
【特許文献1】
【特公平7−117784号公報】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ソレノイドによりレバーを動作する位置決め手段では、ソレノイドに通電させてからソレノイドのプランジャが実際に動作するまでの時間は使用するソレノイドの特性として決まっているため、画像形成装置での使用形態に合わせてどの特性を持つソレノイドを使用するかを選択することができる。
【0008】
しかしながら、逆に通電を解除してから実際にプランジャが解放されるまでの時間は一定していないため、画像形成装置でロータリが所定位置に停止してからレバーをロータリを位置決めする位置決め位置まで動作させるのに十分な時間を設ける必要がある。また、前述のように例えばステッピングクラッチやカムなどを利用してレバーの回動を行う方法等、ソレノイド以外の方法を利用したレバーの移動手段においても、その動作時間を見積もることは比較的容易ではあるが、結局ロータリが停止してからレバーを位置決め位置まで動作させるため、ロータリ停止後にその動作時間を設ける必要がある。このため、このレバーの位置決め位置までの動作時間が色切替時間に直接影響して色切替時間が比較的長くなり、その結果、多色現像の速度を向上させることが難しいという問題がある。
【0009】
また、前述の特許文献1に開示されている位置決め手段においては、ストップ手段が常時カムに当接するために、ロータリの色切替速度が高速になるほど、ストップ手段の当接力を強力にする必要がある。これは、ストップ手段のカムへの当接力が弱い状態でロータリの回転が高速になると、現像位置において、カムのプロファイルの急激な変化に対して、ストップ手段の動作が追いつかず、ストップ手段が跳ねてしまい、カムに当接できなくなるおそれがあるためである。
【0010】
しかしながら、ストップ手段のカムへの当接力を強力にすると、ストップ手段とカムとの摩擦力が増大するため、この摩擦力がロータリの円滑な回転を阻害するおそれがあり、ロータリの回転の高速化に限度があるという問題がある。
また、画像形成装置の電源投入時等にロータリの位置検出のために初期化動作が行われるが、このときはロータリの回転が現像位置に停止せずにこの現像位置を通過して行われるため、現像位置の通過時には、ストップ手段のカムへの当接力による強い回転モーメントがロータリ駆動源側に作用する。この強い回転モーメントがロータリの回転に悪影響を及ぼすという、ストップ手段がカムへ常時当接することによる問題がある。更に、カム形状によって必然的に現像駆動反力の方向が決まってしまい、画像形成装置の設計自由度が制限されるという問題もある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ロータリの位置決め時間をできるだけ短縮して色切替時間を効果的に短くすることで多色現像の速度をより一層向上しつつ、ロータリの回転を円滑にすることのできる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の現像ユニットを搭載するロータリを有するロータリ現像方式の現像装置と、前記現像ユニットを選択的に所定位置に設定するために前記ロータリを位置決めしかつこの位置決め位置にロックするロック手段とを備え、前記ロック手段が、前記ロータリ側に設けられた被ロック部と、画像形成装置本体に移動可能に設けられ、前記被ロック部に係合して前記ロータリをロックするロック位置と前記被ロック部に係合しない退避位置とが設定されているロック部材と、前記ロック部材を前記退避位置の方へ移動する移動手段と、前記ロック部材を前記ロック位置の方へ付勢する付勢手段とからなる画像形成装置において、前記ロック部材が、前記ロータリの回転で前記被ロック部に係合する前に当接可能な当接部を有していることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記移動手段はソレノイドであることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記ロック部材は前記ロック位置側に待機位置が設けられているとともに、前記被ロック部に係合する前に前記待機位置に設定されていることを特徴としている。
【0014】
更に、請求項4の発明は、前記ロック部材が前記画像形成装置本体に回動可能に設けられ、かつ凹部を有するロックレバーであり、前記被ロック部が前記ロータリに設けられ、かつ前記ロックレバーに当接可能であるとともに前記凹部が係合可能な凸部であることを特徴としている。
【0015】
更に、請求項5の発明は、前記凸部の先端が円弧状に形成されており、前記ロックレバーが前記凸部の円弧状先端が当接可能な傾斜面とされているとともに前記傾斜面の始点が前記ロータリの回転中心を中心とし、前記凸部の先端を通る円の円弧上に形成されており、前記ロータリの回転で、前記凸部が前記凹部に係合する前に前記傾斜面に当接してこの傾斜面を押圧するようになっていることを特徴としている。
更に、請求項6の発明は、前記ロータリの駆動手段が、前記ロータリを前記所定位置に設定する際に、このロータリを前記所定位置よりオーバーランさせるように駆動パターンが設定されていることを特徴としている。
【0016】
【作用】
このように構成された本発明の画像形成装置においては、ロータリの回転で、画像形成装置本体に設けられたロック部材がロータリ側に設けられた被ロック部に係合する前に、被ロック部がロック部材の当接部に当接するようになる。これにより、ロック部材がロータリの回転に応じて動作し、ロータリが位置決めする所定位置に到達すると同時にロック部材と被ロック部との係合が完了する。すなわち、ロータリが現像位置で停止すると直ちに現像駆動が開始可能となるので、色替えをして多色のトナー像を得るために要する時間が短縮され、その結果、画像形成速度が向上する。ロック部材と被ロック部との係合は移動手段でロック部材を移動することにより、解除される。
【0017】
特に、請求項2の発明においては、ロック部材を移動する移動手段にソレノイドを用いているので、前述のレバーの迅速な動作に対して最適に対応する動作特性が得られる。したがって、簡単な構成でロック部材の移動がより確実にかつ迅速に行われ、ロック部材と被ロック部との係合解除制御がより適切に行われるようになる。
【0018】
更に、請求項3の発明の画像形成装置においては、ロック部材がロータリが停止する前に予め待機位置に設定されるようになる。したがって、ロック部材がロータリを位置決めするロック位置までの移動量が少なくなり、色替えして現像するために要する時間が短縮されて、画像形成速度が更に一層向上する。
更に、請求項4の発明の画像形成装置においては、画像形成装置本体に回動可能に設けられたロックレバーの凹部がロータリ側の凸部に係合するので、ロックレバーによるロータリの位置決め保持が確実に行われる。
【0019】
更に、請求項5の発明の画像形成装置においては、ロータリ側に設けた凸部の円弧状先端がロックレバーの傾斜面に当接する。これにより、凸部の先端がロックレバーに当接したときの外乱が抑制され、ロータリはこの当接による影響を受けずに滑らかに回転するとともに、当接による騒音の発生が防止される。その場合、傾斜面の始点がロータリの回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧上に形成されているので、凸部の先端が滑らかに移行するようになる。これにより、外乱が一層効果的に抑制され、ロータリが一層円滑に回転するとともに、当接による騒音が効果的に防止される。
【0020】
しかも、凸部の先端が円弧状に形成されているので、凸部の先端がロックレバーに点接触(あるいは、線接触)するようになる。これにより、凸部の先端とロックレバーとの接触における接触摩擦が低減し、この接触摩擦によるロータリへの影響が最小限に抑制されて、ロータリの回転が一層円滑になる。
更に、請求項6の発明の画像形成装置においては、ロータリの駆動手段がロータリをオーバーランさせるように設定された駆動パターンで制御されることで、ロータリは編荷重を受けていても、所定位置より必ずオーバーランするように回転する。したがって、ロータリが位置決めする所定位置に到達すると、ロック部材と被ロック部が係合する。これにより、ロータリが編荷重を受けていても確実に所定位置に位置決めされる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図、図2はこの例の画像形成装置に用いられているロータリ式現像装置を模式的に示す図である。
【0022】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、概略的には、露光装置2、ロータリ式現像装置3、露光装置2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像がロータリ式現像装置3からのトナーによって現像されて可視像化されたトナー像が形成される感光体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、感光体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写装置6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写装置8、給紙カセット9に収容された紙7を給紙ローラ10aで二次転写装置8に給送する給紙装置10、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット11、および定着ユニット11で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ12からなっている。
【0023】
図2に示すように、ロータリ式現像装置3は、回転可能に設けられたロータリフレーム13aを有するロータリ13と、このロータリ13に搭載された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ(本発明の現像ユニットに相当)14,15,16,17とを備えている。
【0024】
図2において、各現像カートリッジ14,15,16,17はロータリ13の周方向にこれらの順に反時計回りでかつ等間隔で配設されており、それぞれ、現像ローラ14a,15a,16a,17aと、各現像ローラ14a,15a,16a,17aにそれぞれそれらと同軸にかつそれらと一体回転可能に設けられた現像ローラ駆動歯車14b,15b,16b,17bと、駆動モータの駆動力が入力される入力歯車14c,15c,16c,17cと、各入力歯車14c,15c,16c,17cに入力された駆動モータの駆動力をそれぞれ対応する各現像ローラ駆動歯車14b,15b,16b,17bに減速して伝達する歯車動力伝達機構14d,15d,16d,17dとを備えている。なお、図示しないが、各現像カートリッジ14,15,16,17は、それぞれ、従来と同様にトナー貯溜部、トナー貯溜部のトナーを現像ローラ14a,15a,16a,17aに供給するトナー供給手段、および感光体4に搬送される現像ローラ14a,15a,16a,17a上のトナーの薄層を規制するトナー規制手段等を備えていることは言うまでもない。
【0025】
また、図2および図3に示すようにロータリ13の一端側においてこのロータリ13の外周に近接して、駆動モータからの駆動力が伝達されかつこの駆動力を入力歯車14c,15c,16c,17cの1つに選択的に噛合して伝達可能な現像カートリッジ駆動出力歯車19が回転可能に設けられている。この現像カートリッジ駆動出力歯車19は歯車動力伝達機構20を介して駆動モータ21の回転軸21aに固定されたモータ出力歯車22に接続されており、駆動モータの駆動力が歯車動力伝達機構20で減速されて現像カートリッジ駆動出力歯車19に伝達されるようになっている。
【0026】
更に、現像カートリッジ駆動出力歯車19には、ワンウェイクラッチ(本発明の動力伝達制御手段に相当)が内蔵されている。そして、後述するロータリ13を駆動する際には、現像カートリッジ駆動出力歯車19と現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cのいずれかが噛み合ったとしても、ワンウェイクラッチがロータリ13の回転方向に対応する回転方向に対しては空転することにより現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cには駆動力が伝達されない。また、現像カートリッジ14,15,16,17のいずれかを選択的に駆動する(すなわち、現像動作をさせる)際には、ワンウェイクラッチが現像方向に対応する回転方向に対してはロック(接続)することにより、現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cの選択された現像駆動入力歯車に駆動力が伝達されるようになっている。
【0027】
更に、ロータリ13の一端側においてロータリ駆動歯車23がこのロータリ13と同軸にかつこれと一体的に回転可能に設けられるとともに、このロータリ駆動歯車23に噛合して設けられかつ駆動モータからの駆動力が伝達されるロータリ駆動出力歯車24が回転可能に設けられている。このロータリ駆動出力歯車24は歯車動力伝達機構25および電磁クラッチ26を介して駆動モータのモータ出力歯車22に接続されている。その場合、電磁クラッチ26の入力歯車26aがモータ出力歯車22に噛合されている。そして、電磁クラッチ26がオンして接続されることで、駆動モータの駆動力が歯車動力伝達機構25で減速されてロータリ駆動出力歯車24に伝達されるようになっている。
【0028】
ところで、図2に三点鎖線で示すように、この例の画像形成装置1においては、その本体フレーム(不図示)の予め設定された交換位置に、現像カートリッジ交換用開口部45が設けられている。この現像カートリッジ交換用開口部45の大きさは、現像カートリッジをロータリ13の軸方向(図2において図面と直交する方向)に引き抜きおよび挿入可能な大きさに設定されている。
【0029】
更に、図5に示すようにロータリ13の他端側には、ロータリ13を所定位置に停止しかつその停止位置に保持するロック手段27が設けられている。このロック手段27は、ロータリフレーム13aに、各現像カートリッジ14,15,16,17の各搭載部にそれぞれ対応して固定された一対の凸部(本発明の被ロック部に相当)28,29;30,31;32,33;34,35と、これらの凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つに選択的に係合可能な凹部36を一端部に有しかつ支点37を中心に回動可能なロックレバー(本発明のロック部材に相当)38と、このロックレバー38の凹部36と反対側の端部に連結されて凹部36が凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つに係合する方向に常時付勢するロックレバー付勢スプリング(本発明の付勢手段に相当)39と、ロックレバー38の凹部36と支点37との間にプランジャ40aが連結されて、このプランジャ40aにより作動時凹部36が凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つから離れる方向にロックレバー付勢スプリング39のスプリング力に対抗してソレノイド力をロックレバー38に作用するソレノイド(本発明の移動手段に相当)40と、ロックレバー38を図5において時計方向の回転を規制して待機位置に設定するストッパ41とから構成されている。
【0030】
また、前述の移動手段はソレノイドに限定されることはなく、例えばカム40′を用いることもできる。すなわち、図6に示すようにロックレバー38′に対してカム40′を常時当接させ、ロックレバー38′の待避時に、カム40′のカム面の山がロックレバー38′を押圧して待避位置に移動させるようにすることも考えられる。カム40′の駆動手段としては、画像形成装置内に装備されている他の装置を駆動する駆動手段、あるいはカム40′を専用に駆動するための独立した駆動手段を用いることができる。その場合、駆動手段の回転力を、駆動手段の1回転でカム40′が半回転するようにステッピングクラッチを介してカム40′に伝達するようにしてもよい。しかし、この例のようにレバーを待機位置と待避位置との2位置に迅速に移動させるような場合には、移動手段として、ソレノイドを用いるのが、動作特性上最適であることや比較的簡単な構成であることなどから望ましい。
【0031】
図7に示すように、各凸部28,29;30,31;32,33;34,35は、いずれも、ロータリ13の回転中心を中心とする円の径方向に突出して設けられており、それらの先端は円弧状に形成されている。
【0032】
また、各現像カートリッジ14,15,16,17の各搭載部にそれぞれ対応する一対の凸部28,29;30,31;32,33;34,35において、一方の凸部28;30;32;34は、それぞれ、各現像カートリッジ14,15,16,17の現像位置に設定されたときにロータリ13を停止しかつその回転位置に保持するための凸部、つまり現像カートリッジの現像位置決め用の凸部であり、また一対の凸部のうち、他方の凸部29;31;33;35は、それぞれ、各現像カートリッジ14,15,16,17の交換位置に設定されたときにロータリ13を停止しかつその回転位置に保持するための凸部、つまり現像カートリッジの交換位置決め用の凸部である。
【0033】
そして、図5に示すように、後述するように現像位置決め用の凸部28;30;32;34にロックレバー38の凹部36が係合するために、ロックレバー38が待機位置に設定されても、交換位置決め用の凸部29;31;33;35がこのロックレバー38に接触しないように、これらの凸部29;31;33;35はそれぞれ現像位置決め用の凸部28;30;32;34のロータリ13の回転方向下流側直後に、現像位置決め用の凸部28;30;32;34と周方向に所定の間隔aをおいて配置されている。
【0034】
更に、各現像カートリッジ14,15,16,17の各搭載部にそれぞれ対応する現像カートリッジの交換位置決め用の凸部29;31;33;35は、各現像カートリッジ14,15,16,17のロータリ13の回転方向下流側に隣接する各現像カートリッジ15,16,17,14の現像位置決め用の凸部30;32;34;28と周方向に所定の間隔bをおいて配置されている。そして、前述の間隔aと間隔bとは、間隔aが間隔bより小さく設定されている(間隔a<間隔b)。
【0035】
この例のロータリ現像方式の画像形成装置1では、画像形成動作時に各現像カートリッジ15,16,17,14を順に色切り替えを迅速に行うために現像位置に迅速に設定する必要があることからロータリ13を比較的高速で回転させ、また、画像形成動作を行わない非画像形成動作時、例えば現像カートリッジの交換動作時に交換しようとする現像カートリッジを交換位置に設定するときは画像形成動作時よりは迅速に設定する必要がないことからロータリ13を比較的低速で回転させているが、このように間隔a<間隔bに設定することにより、各現像カートリッジ15,16,17,14を現像位置あるいは交換位置に確実にかつ効率よく設定するようにしている。
【0036】
ロックレバー38は、凹部36がロータリ13側の凸部に係合してロータリ13をロックするロック位置と、凸部に係合しない退避位置と、ロック位置側に設けられた待機位置とが設定されている。
また、図7および図8に示すように、ロックレバー38の凹部36の両側壁36a,36bは、ともに、ロックレバー38の回転中心つまり支点37の中心を中心とする円の円弧に形成されている。また、ロックレバー38の外周面と凹部36の両側壁36a,36bとの間の角部は丸く形成されたR部とされている。そして、図8に示すように凹部36の凸部への係合時に、側壁36aと凸部の先端の円弧面とが一点(正確には一線)で接するようになっている。このとき、ロータリ式現像装置3の現像動作時の反力が凸部の先端から側壁36aに伝達され、この側壁36aで支持されるようになる。
【0037】
ロックレバー38のロータリ13に対向する側の外周には、支点37側から凹部36に向かってロータリ13に接近する方向に傾斜する傾斜部(本発明の当接部に相当)42が凹部36に連なるようにして設けられている。その場合、傾斜部42の始点部42aは、凸部の先端の回転軌跡、つまりロータリ13の回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧に形成されている。より具体的には、図9に示すようにロックレバー38のロータリ13に対向する側の外周の傾斜部42とこの傾斜部42より支点37側の直線部分43との接続点42aが、ロータリ13の回転中心を中心としかつ傾斜部42と直線部分43とに接する円44の円弧上に形成されており、傾斜部42と直線部分43はこの接続点42aにおいて滑らかに接続している。これにより、凸部の先端のロックレバー38との接触部がロックレバー38の直線部分43から傾斜部42に移行する際に、各凸部の先端が滑らかに移行するようにしている。
【0038】
なお、図9にはロックレバー38が図5に示すストッパ41に当接する待機位置にあるときを示しており、このときはロックレバー38の直線部分43は円44の接線に一致するようになる。
【0039】
ロックレバー38の支点37の位置は、図7に示すように凹部36が凸部に完全に係合してロータリ13が停止して保持された状態で、ロータリ13の回転中心を中心としかつ凹部36が係合した凸部の先端の円弧の中心を通る円の接線c上に設けられている。
【0040】
次に、この例の画像形成装置1の色切り替え時およびカートリッジ交換時における駆動モータの駆動パターンおよびロータリ13の制御パターンについて説明する。
図10は現像色切り替え動作時のモータの駆動パターンの例を示す図、図11はカートリッジ検知動作時のモータの駆動パターンの例を示す図、図12はカートリッジ検知動作時の目標角と実際の回転角との関係を示す図である。
【0041】
この例の画像形成装置1では、係合部であるロックレバー38をロックレバー付勢スプリング39で付勢した状態で、ロータリ式現像装置3を停止位置よりオーバーランさせて回転移動させ、ロックレバー38の凹部36をロータリフレーム13aの凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つに係合させて停止制御を行うようにしている。その場合、ロータリ式現像装置3の停止位置でのオーバーラン量を、現像カートリッジ2の交換動作での停止制御時の方が通常の現像色切り替え動作での停止制御時よりも大きくなるように設定している。しかも、カートリッジ交換動作では、停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態でも、ロータリ13が確実にオーバーランするようにモータの駆動パターンが設定されている。また、色切り替え動作では、4色のカートリッジを搭載し、かつ偏荷重が小さい状態で、ロータリ13がオーバーランするようにモータの駆動パターンが設定されている。
【0042】
すなわち、オーバーランさせるためには、駆動モータの目標角が所定の停止位置を超えるように駆動モータの回転移動量を増大させることが考えられるが、この回転移動量を単純に増大させたのでは、停止位置においてロックが係合した後も、駆動モータは駆動を続けるために脱調してしまうおそれがある。
【0043】
そこで、この例の画像形成装置1では、オーバーランさせるために、ロータリ駆動後の位置決め時に、ロータリ13にかかる慣性力が偏荷重による回転力を上回る急激な減速方向の加速度(つまり、減速度)をロータリ13に与えるようにしている。
その場合、まず、初期化動作およびカートリッジ交換動作においては、動作時間に制約がないので、装置の機械的強度や騒音を考慮すると、ロータリ13をなるべく低速で静かに動作させるのが望ましい。しかし、ロータリ13を低速で動作させたのでは、ロータリ13は回転速度が稼げないため、回転慣性が少ない。
【0044】
そこで、この例の画像形成装置1では、所定の停止位置まで一定速度でロータリ13を回転させ、停止位置に達した瞬間にモータの駆動速度をスローダウンさせずに一気にゼロにしている。この瞬間、ロータリ13には、理論上無限大の負の加速度がかかり、ロータリ13の偏荷重を十分に上回る慣性力が発生し、ロータリ13は輪列のバックラッシュ分、所定の停止位置よりもオーバーランしようとする。
【0045】
次に、カートリッジ交換動作におけるカートリッジ装着直後のカートリッジ検出動作では、トナーの撹拌を行いたいため、ロータリ13を高速で動作させることが望ましい。しかし、撹拌のための専用の駆動パターン(シーケンス)を設けると、ソフト制作上複雑になる。そこで、この駆動パターンに現像色切り替え動作の駆動パターンを流用すると、ソフト制作の工数は削減できるが、現像色切り替え動作は、カートリッジ13が全色装着されていることを前提としてるため、停止時に慣性を十分に与えることを考慮していない。カートリッジ交換動作はカートリッジの有無による強い偏荷重がロータリにかかる可能性を有しているので、本例では、現像色切り替え動作の駆動パターンを流用することを前提としながら、停止時にはロータリ13に十分な慣性を与えるように減速パターン最終部分を急激にする小変更を加えている。
【0046】
例えば、パルス数300、モータステップ1.8度/p、減速比6として、モータの回転角が540度でロータリ13の回転角が90度(4色の現像器で、1つの現像器あたりの回転角)となる駆動機構の例では、通常の現像色切り替え動作の場合、図10に示すように200前後の駆動周波数から最高速の1600近い駆動周波数(イ)まで時間0.15secをかけて加速し、最高速から逆に駆動周波数約300まで前述の時間とほぼ同じ時間をかけて減速する山形ないしは三角形の駆動パターンを採用している。そして、4色のカートリッジを搭載し、偏荷重が小さいことが前提であるので、最終部では、モータへの負荷を考慮して加速状態で停止させ、オーバラン量を小さくしている。
【0047】
しかし、この場合には、ロータリ13の偏荷重が大きくなると、ロータリ駆動輪列のバックラッシュの範囲内でロータリ13の停止角が誤差を持って停止するようになっている。つまり、駆動モータは、その制御上、目標角90度回転するように制御され、それに伴い、ロータリ13は(90±E′)度の範囲で回転するようになる。ここで、E′はロータリ13の実際の停止位置と90度回転させたときの所定の停止位置との誤差であり、ロータリ13を90度回転させようとしたならば生じるであろうロータリ13の回転誤差の最大量Eより小さい(E′<E)。
【0048】
一方、このような通常の現像色切り替え動作に対し、カートリッジ交換動作では、図11に示すように最高速(イ)までは前述と同じであり、最高速(イ)において所定のパルス数(10パルス)を加え、かつ総パルス数は不変とし、最終部(ロ)において、最高速(イ)で加えた所定のパルス数(10パルス)を削除した駆動パターンを採用している。この駆動パターンでは、総パルス数は変わらず、回転角も変わらないが、最高速(イ)で所定のパルス数を追加しているので、パルス間隔は短縮され、総回転時間は短くなる。その場合、モータへの負荷はかかるが、カートリッジ交換回数は現像色切り替え動作回数に比べて少ないため、強度的は問題はない。
【0049】
この駆動パターンによれば、駆動モータの停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態の場合、図12に示すように駆動開始前0.075secでロック解除して自然に回転し(ハ)、駆動開始とともに実際の回転角が目標角より1〜1.5度遅れて追随しながら回転する(ニ)。そして、目標角が90度となり駆動停止して慣性によるオーバーランを開始し(ホ)、ロック係合すると(ヘ)、ロックのがたの範囲で寄って停止し(ト)、モータがオフとなる。
【0050】
次に、このように構成されたこの例の画像形成装置1の画像形成動作時の作動について説明する。図1および図2に示す状態では、イエローの現像カートリッジ14の現像ローラ14aが感光体4に当接した状態、つまり、イエローの現像カートリッジ14が現像位置に設定された状態で示されているが、非現像時(非画像形成時)にはロータリ13は図5に示すホームポジションにあり、各現像カートリッジ14,15,16,17の現像ローラ14a,15a,16a,17aはいずれも感光体4から離間した位置に保持されている。
【0051】
また、画像形成装置1の非作動時には、画像形成装置1の可動部材は停止している。更に、ソレノイド40は非励磁で作動しなく、ロックレバー38はロックレバー付勢スプリング39のばね力で図5に示すストッパ41に当接した待機位置に設定されている。更に、ロータリ13の駆動モータは、色切り替え時では図10に示す駆動パターンで駆動制御され、また、カートリッジ交換時では図11に示す駆動パターンで駆動制御されるものとする。
【0052】
画像形成信号が画像形成動作指示手段22から画像形成装置1の制御装置(CPU)に入力されることで、画像形成のために画像形成装置1が作動開始されると、CPUは感光体4を図1および図2において時計方向に回転駆動するとともに露光装置2を駆動する。すると、露光装置2は、CPUからのイエローの画像信号に基づいて感光体4を露光して、感光体4上にイエローの静電潜像を形成する。また、同時に、CPUは電磁クラッチ26をオンして接続するとともに駆動モータを駆動し、更に中間転写媒体5を駆動する。
【0053】
すると、駆動モータの駆動力がモータ出力歯車22および歯車動力伝達機構20を介して減速されて現像カートリッジ駆動出力歯車19に伝達され、現像カートリッジ駆動出力歯車19が回転する。同時に、駆動モータの駆動力がモータ出力歯車22、電磁クラッチ26、歯車動力伝達機構25、ロータリ駆動出力歯車24を介してロータリ駆動歯車23に伝達され、ロータリ13が図1および図2において反時計方向に、また図5において時計方向に回転する。すると、凸部28も図5において時計方向に回転する。
【0054】
ここで、現像カートリッジ駆動出力歯車19にはワンウェイクラッチが内蔵されているため、ロータリ13の回転中に現像カートリッジ駆動出力歯車19と現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cのいずれかが噛み合ったとしても、ワンウェイクラッチがロータリ13の回転方向に対して空転することにより、駆動モータの駆動力は現像カートリッジ駆動出力歯車19と噛み合った現像駆動入力歯車に伝達されない。
【0055】
図9に示すように、凸部28の先端がロックレバー38の傾斜部42の始点42aに当接した後、更に凸部28が時計方向に移動すると、凸部28の先端がロックレバー38の傾斜部42を押圧する。このとき、始点42aがロータリ13の回転中心を中心とする円44の円弧上に形成されているので、凸部28とロックレバー38とは滑らかに当接し、かつ図13に示すように凸部28の先端が傾斜部42に滑らかに移行する。これにより、凸部28の先端がロックレバー38に当接したときの外乱がほとんど発生しなく、この当接によってロータリ13は影響されず、滑らかに回転し続けるとともに、当接による騒音もほとんど発生しない。しかも、凸部28の先端が円弧状に形成されていることから、凸部28の先端はロックレバー38に点接触(正確には、凸部28の厚みまたはロックレバー38厚みの分、線接触)することになり、接触摩擦が少ないので、この接触摩擦によるロータリ13への影響は最小限に抑制され、ロータリ13の回転は一層円滑になる。
【0056】
凸部28の先端が傾斜部42を押圧することで、ロックレバー38は支点37を中心に図13において反時計方向にロックレバー付勢スプリング39のばね力に抗して回転する。駆動モータの回転角が目標角90度となると、CPUが駆動モータの駆動を停止するが、ロータリ13はその慣性で更に時計方向に回転する。このとき、4色のカートリッジが搭載され、偏荷重が小さいことから、ロータリ13の回転は、停止位置を越えてオーバーランし、回転角が(90+E′)度となる回転となっている。したがって、ロータリ13が更に図13において時計方向に回転すると、凸部28の先端が凹部36に位置し、ロックレバー付勢スプリング39のばね力により、ロックレバー38は図13において時計方向に回動してその凹部36が凸部28に係合するロック位置となる。その直後、CPUが電磁クラッチ26をオフにしてロータ駆動輪列を切断する。
【0057】
ロックレバー38の凹部36が凸部28に係合しかつ駆動モータの駆動力が伝達されないことで、ロックレバー38はロータリ13を停止しかつこの停止位置に保持する。つまり、ロータリ13はロックレバー38により位置決めされる。このように、ロックレバー38はロック位置側に設定された待機位置からロック位置となるので、その回動量が少なく迅速にロータリ13をロックするとともに、凹部36が凸部28に係合することで、このロータリ13のロックが確実なものとなる。
【0058】
ロックレバー38の凹部36と凸部28との係合時には、凹部36が凸部28の先端の円弧状部分に沿って係合していくため、ロックレバー38が跳ね返されることはなく、凹部36は凸部28に滑らかに係合する。しかも、凹部36の角部がR部とされているので、凹部36は凸部28に一層滑らかに係合するようになる。
【0059】
ロックレバー38の凹部36と凸部28との係合で、ロータリ13が位置決めされた状態では、図1および図2に示すようにイエローの現像カートリッジ14が現像位置に設定される。すなわち、現像ローラ14aが感光体4に当接して現像位置となる。すると、入力歯車14cが現像カートリッジ駆動出力歯車19に噛合し、CPUが駆動モータを駆動するとともに、現像動作時の駆動モータの回転方向に対してワンウェイクラッチがロック(接続)されるので、駆動モータの駆動力が現像カートリッジ駆動出力歯車19から入力歯車14cに入力され、更に歯車動力伝達機構14dにより減速されて現像ローラ駆動歯車14bに伝達されるので、現像ローラ14aが回転する。
【0060】
これにより、現像ローラ14aは所定量のイエローのトナーを感光体4の方へ搬送し、感光体4上の静電潜像のイエローの現像が行われ、感光体4上にイエローのトナー像が形成される。この現像駆動時には、凸部28を介してロックレバー38にかかる現像駆動反力は、ロータリ13の回転中心を中心としかつ凸部28の先端円弧部の中心を通る円の接線方向に働く。
【0061】
しかし、ロックレバー38の回転中心である支点37の中心がこの接線上にあり、かつ凹部36の側壁36aが支点37の中心を中心とする円の円弧状に形成されているので、この現像駆動反力はロックレバー38に回転力(回転モーメント)を発生させない。これにより、ロックレバー38が現像駆動時に回転して凹部36が凸部28から外れることはなく、ロータリ13は現像カートリッジ14が現像位置となるようにロックレバー38に、より確実に位置決めされる。その場合、凹部36の両側壁36a,36bのいずれもが支点37の中心を中心とする円弧に形成されているので、現像駆動反力が両側壁36a,36bのどちらに働いても、ロータリ13は確実に位置決めされるとともに、イレギュラー時などに現像駆動が急に停止したときにおいてもロータリ13の位置決めは確実に行われるようになる。
【0062】
ところで、この色切り替え動作時には、駆動モータが図10に示す駆動パターンで制御されるが、この駆動パターンは4色のカートリッジが装着され、かつ偏荷重が小さい場合を前提としている。しかし、4色のカートリッジのうち、例えば1色のトナーの消費量が多くなって、そのカートリッジのトナー収納量が他のカートリッジに比べてかなり少なくなること、あるいはトナーカートリッジの例えば1つが装着されないこと等により、ロータリ13の偏荷重が比較的大きくなる場合がある。そして、このような場合、駆動輪列のバックラッシュの範囲内で、ロータリ13が停止位置(90度回転位置)に到達せず、(90−E′)度回転して停止してしまう。
【0063】
しかし、この場合には、現像側の駆動輪列が噛み合っているため、ロータリ13の駆動モータの停止後に続いて行われる現像駆動開始時に、その現像駆動反力によってロータリ13がその回転方向へ更に回転し、ロータリ13の凸部28がロックレバー38の凹部36に係合し、ロータリ13が停止位置、つまりイエローの現像位置に位置決めされる(なお、この場合のロータリ13の位置決め方法は、特開2002−311713号公報に開示されている位置決め方法と同じである)。
【0064】
感光体4上に担持されたイエローのトナー像は一次転写装置6によって中間転写媒体5上に一次転写される。イエローのトナー像の一次転写が終了すると、CPUが駆動モータを停止させ、同時に、CPUが電磁クラッチ26を再びオンして接続する。このとき、現像カートリッジ14の駆動が停止する。その直後、CPUがソレノイド40を励磁するので、ソレノイド40のソレノイド力によりプランジャ40aが吸引されることにより、ロックレバー38が支点37を中心に図14において反時計方向にロックレバー付勢スプリング39のばね力に抗して回転する。すると、図15に示すように凹部36が凸部28から脱出し、凸部28との係合が解除され、ロックレバー38は凹部36が凸部28に係合しない退避位置となる。その後、CPUが駆動モータを駆動し、前述と同様に駆動モータの駆動力でロータリ13が再び図15において時計方向に回転する。
【0065】
このロータリ13の回転開始に相前後して、露光装置2は、CPUからのマゼンタの画像信号に基づいて感光体4を露光して、感光体4上にマゼンタの静電潜像を形成する。
【0066】
ロータリ13の回転で、図16に示すように交換位置決め用の凸部29が凹部36を通過し、更なるロータリ13の回転で、この凸部29がロックレバー38の領域から外れると、ソレノイド40が非励磁となってそのプランジャ40aがソレノイド力から解放される。すると、ロックレバー付勢スプリング39のばね力により、ロックレバー38が支点37を中心に図16において時計方向に回転し、図5に示すと同様にロックレバー38はストッパ41に当接して再び待機位置となる。
【0067】
このとき、画像形成動作におけるロータリ13の回転は前述のように比較的高速で行われるが、現像位置決め用の凸部28と交換位置決め用の凸部29との周方向の間隔aが、この凸部29と次のマゼンタの現像カートリッジ15の現像位置決め用の凸部30との周方向の間隔bより小さく設定されているので、この凸部30がロックレバー38の傾斜部42の始点42aに当接する位置に来るまでの時間が十分に確保される。これにより、プランジャ40aの解放時間を長く見込むことができるので、ソレノイド40が励磁されてプランジャ40aがソレノイド力で吸引された拘束状態から解放されるまでの時間が前述のように不確定で長いとしても、凸部30がこの始点42aに当接する位置に来る前に、ロックレバー38が待機位置に確実に設定されるようになる。
【0068】
なお、ソレノイド40のプランジャ40aの解放時間をできるだけ長く見込むために、間隔aは交換位置決め用の凸部29;31;33;35にロックレバー38の凹部36が係合できる範囲で可能な限り小さく設定し、その分間隔bを大きく設定することが好ましい。
【0069】
更にロータリ13が図5において時計方向に回転すると、前述の図14に示すイエローの場合と同様にして、現像位置決め用の凸部30にロックレバー38の凹部36が係合し、ロータリ13が位置決めされて、マゼンタの現像カートリッジ15が現像位置に設定される。
【0070】
マゼンタの現像カートリッジ15が現像位置に設定されると、ロータリ13が回転停止してその回転位置に保持され、入力歯車15cが現像カートリッジ駆動出力歯車19に噛合するとともに、現像ローラ15aが感光体4に当接して現像位置となる。続いて、マゼンタの現像カートリッジ15によるマゼンタの現像が行われ、感光体4上に現像されたマゼンタのトナー像が中間転写媒体5に一次転写される。
【0071】
マゼンタのトナー像の一次転写が終了すると、前述の図15に示すイエローの場合と同様にして、CPUが駆動モータを停止させ、同時に、CPUが電磁クラッチ26を再びオンして接続する。このとき、現像カートリッジ15の駆動が停止する。その直後、ソレノイド40が励磁されてロックレバー38の凹部36が現像位置決め用の凸部30から脱出し、再びロータリ13が同方向に回転する。
【0072】
更に、前述のイエローの場合と同様にして、ソレノイド40が非励磁となって、ロックレバー38が図5に示すと同様に再び待機位置に設定される。以後、同様にしてシアンの現像カートリッジ16のための現像位置決め用の凸部32にロックレバー38の凹部36が係合することで、シアンの現像カートリッジ16によるシアンの現像が行われ、感光体4上に現像されたシアンのトナー像が中間転写媒体5に一次転写され、更に、黒の現像カートリッジ17のための現像位置決め用の凸部34にロックレバー38の凹部36が係合することで、黒の現像カートリッジ17による黒の現像が行われ、感光体4上に現像された黒のトナー像が中間転写媒体5に一次転写される。
【0073】
これにより、中間転写媒体5上に一次転写された4色のトナー像が色合わせされてフルカラーのトナー像が形成される。この中間転写媒体5上のフルカラーのトナー像は二次転写装置8で紙7に転写され、次いで、定着ユニットで紙7に転写されたトナー像が定着されることで、フルカラーの画像が紙7に形成される。
【0074】
次に、各現像カートリッジ14,15,16,17の交換動作について説明する。
例えば、ユーザーが画像形成装置1の操作盤上の現像カートリッジ交換キーを操作することで、CPUが駆動モータを駆動するとともに、電磁クラッチ26をオンして接続し、更にソレノイド40を励磁する。すると、図15および図16に示すと同様に、ロックレバー38は、ソレノイド40によりその凹部36が各凸部に係合しない位置に拘束保持されるとともに、ロータリ13がこれらの図15および図16において時計方向に回転する。この現像カートリッジの交換動作時のロータリ13の回転は画像形成動作時よりも比較的低速で行われる。
【0075】
交換しようとする現像カートリッジを、例えばイエローの現像カートリッジ14とすると、この現像カートリッジ14が交換位置の直前になる、つまり現像カートリッジ14に対応する交換位置決め用の凸部29がロックレバー38の凹部36と係合する位置の直前になると、CPUがソレノイド40を非励磁にする。すると、前述と同様にロックレバー38がロックレバー付勢スプリング39のばね力により支点37を中心に時計方向につまり待機位置の方向に回動し、ロックレバー38の傾斜部42に現像カートリッジ14の交換位置決め用の凸部29が当接する。そして、ロータリ13の更なる同方向の回転で、この交換位置決め用の凸部29が傾斜部42を押圧するので、前述と同様にしてロックレバー38が支点37を中心に反時計方向に回動する。
【0076】
このとき、前述の図11に示すカートリッジ交換動作時の駆動モータの駆動パターンは、駆動モータの停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態の場合を前提としているので、ロータリ13は停止位置を必ずオーバランするようになる。
したがって、交換位置決め用の凸部29が凹部36に対向する位置に来ると、前述と同様にしてロックレバー38がロックレバー付勢スプリング39のばね力により支点37を中心に時計方向に回動し、図17に示すように凹部36がこの凸部29に係合する。これにより、ロータリ13は回転停止してその回転位置に位置決めされる。このとき、交換位置決め用の凸部29がロックレバー38の凹部36との係合位置直前になったとき、ソレノイド40が非励磁となるが、交換動作時にはロータリ13が比較的低速で回転するので、ソレノイド40のプランジャ40aがソレノイド力で吸引された拘束状態から解放されるまでの時間が前述のように不確定で長いとしても、凹部36が凸部29に確実に係合するようになる。
【0077】
このように、ロータリ13が位置決めされた状態では、交換しようとする現像カートリッジ14が交換位置に設定される。現像カートリッジ14が交換位置に設定されたときは、この現像カートリッジ14の現像ローラ14aが感光体4から離れているとともに入力歯車14cが現像カートリッジ駆動出力歯車19から離れている。
【0078】
交換しようとする現像カートリッジ14が交換位置に設定された状態で、この現像カートリッジ14が現像カートリッジ交換用開口部45を通してロータリ13の軸方向にロータリ13から引き抜かれることで取り出されるとともに、新しい現像カートリッジが現像カートリッジ交換用開口部45を通してロータリ13の軸方向にロータリ13に挿入されることで搭載される。これらの現像カートリッジの着脱時に、着脱される現像カートリッジの現像ローラが感光体4から離れているので、着脱動作によって感光体4が現像カートリッジによって損傷することはない。
【0079】
この例の画像形成装置1によれば、ロータリ13の回転で、ロックレバー38の凹部36がロータリ13に設けられた凸部に係合する前に、凸部がロックレバー38の傾斜部42に当接するようになる。これにより、ロックレバー38がロータリ13の回転に応じて動作し、ロータリが位置決めする位置に到達すると同時にロックレバー38の凹部36とロータリ13の凸部との係合が完了する。すなわち、ロータリが現像位置で停止すると直ちに現像駆動が開始可能となるので、色替えをして4色のトナー像を得るために要する時間が短縮され、その結果、フルカラーの画像形成速度が向上する。
また、ロックレバー38を待避させる手段にソレノイド40を用いることで、ロックレバー38の動作がより確実にかつ迅速に行われる。
【0080】
また、ロータリ13の回転中に、ロックレバー38をロータリ13が停止する前に予め待機位置に設定しておき、ロータリ13の停止と同時にロックレバー38を作動してロータリ13を拘束して位置決めしているので、ロックレバー38がロータリ13を拘束する位置までの移動量を少なくすることができる。これにより、4色の色替えをしてフルカラーのトナー像を得るために要する時間を短縮でき、その結果、フルカラーの画像形成速度を向上できる。
【0081】
また、ロータリ13側に設けた凸部をロックレバー38の傾斜部42に当接させるようにしているので、凸部の先端がロックレバー38に当接したときの外乱を抑制でき、この当接による影響を受けずにロータリ13を滑らかに回転させることができるとともに、当接による騒音の発生も防止できる。
【0082】
特に、傾斜部42の始点部42aを、ロータリ13の回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧上に形成しているので、凸部の先端のロックレバー38との接触部がロックレバー38の直線部分43から傾斜部42に移行する際に、各凸部の先端を滑らかに移行させることができる。
【0083】
更に、凸部の先端を円弧状に形成して、凸部の先端をロックレバー38に点接触(あるいは、線接触)させているので、接触摩擦を低減することができ、この接触摩擦によるロータリ13への影響を最小限に抑制できる。これにより、ロータリ13の回転を一層円滑にできる。
【0084】
しかも、ロックレバー38の凹部36をロータリ13の凸部に係合させているが、凹部36が凸部の先端の円弧に沿って係合していくため、ロックレバー38を跳ねらせずに凹部36をロータリ13の凸部に確実に係合させることができ、ロータリ13を停止位置に確実に拘束することができる。
【0085】
更に、現像駆動時に、現像駆動反力が凸部を介してロックレバー38に、ロータリ13の回転中心を中心としかつ凸部の先端円弧部の中心を通る円の接線方向に働くようになるが、ロックレバー38の回転中心をこの接線上に設け、かつ凹部36の側壁36aをロックレバー38の回転中心を中心とする円の円弧状に形成しているので、この現像駆動反力によりロックレバー38に回転力(回転モーメント)を発生させないようにすることができる。これにより、ロックレバー38が現像駆動時に回転することで凹部36が凸部28から外れることを防止でき、ロータリ13をロックレバー38により確実に位置決めできる。
【0086】
その場合、凹部36の両側壁36a,36bのいずれをもロックレバー38の回転中心を中心とする円弧に形成しているので、現像駆動反力が両側壁36a,36bのどちらに働いても、ロータリ13を確実に位置決めできるとともに、イレギュラー時などに現像駆動が急に停止したときにおいてもロータリ13の位置決めを確実に行うことができる。
【0087】
更に、各現像カートリッジ14,15,16,17に対応して、それぞれ、現像位置決め用の凸部28,30,32,34と交換位置決め用の凸部29,31,33,35とを設け、かつ、これらの現像位置決め用の凸部28,30,32,34と交換位置決め用の凸部29,31,33,35との間隔aを、交換位置決め用の凸部29,31,33,35と次の現像カートリッジ15,16,17,14の現像位置決め用の凸部30,32,34,28との周方向の間隔bより小さく設定しているので、画像形成動作におけるロータリ13の回転を比較的高速で行うようにしても、凸部がロックレバー38の傾斜部42の始点42aに当接する位置に来るまでの時間を十分に確保できる。これにより、プランジャ40aの解放時間を長く見込むことができるので、プランジャ40aがソレノイド力で吸引された拘束状態から解放されるまでの時間が前述のように不確定で長いとしても、凸部がこの始点42aに当接する位置に来る前に、ロックレバー38を待機位置に確実に設定できる。
【0088】
更に、色切り替え時に、ロータリ13がバックラッシュの範囲内で停止位置(90度回転位置))を超えて(90+E′)度回転(オーバーラン)しようとした場合、あるいはロータリ13がバックラッシュの範囲内で停止位置に到達する前の(90−E′)度回転して停止した場合のどちらの場合でも、最終的な停止角は必ず90度となって高精度の位置決めができる。しかも、高精度の位置決めができることで、同時に次のロータリ回転に対して開始角がまったく同位相になることから、前述のようにロータリ駆動輪列のバックラッシュによる回転角度差があるとしても、その誤差を常にキャンセルし、ロータリ13の回転を常に安定して行うことができるようになる。
【0089】
図18は、本発明の画像形成装置の実施の形態の他の例を示す、図8と同様の部分拡大図である。なお、前述の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0090】
前述の例では、各凸部28,29,30,31,32,33,34,35の先端部が円弧状に形成されているが、この例の画像形成装置1では、図18に示すように各凸部28,29,30,31,32,33,34,35の先端部に、それぞれ、回転ローラ等のロータリ46が回転可能に設けられている。その場合、ロータリ46の回転中心は、前述の例の凸部の先端部における円弧の中心位置と同じ位置に設定されている。
【0091】
この例の画像形成装置1によれば、凸部とロックレバー38とがロータリ46を介して接触するようになるので、この接触による摩擦を非常に小さくできる。したがって、この摩擦によるロータリ13の回転に与える影響を更に一層小さくすることができるとともに、凸部に係合しているロックレバー38の凸部からの引き抜きがきわめて容易となる。また、ロータリ46の少なくとも表面を、ロータリ位置決め効果を損なわない程度の弾性体で構成することにより、ロックレバー38の凸部との係合時およびロックレバー38の凸部からの引き抜き時の緩衝効果を得ることができる。
この例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、前述の例と同じである。
【0092】
なお、前述の例では、ロータリ13に4個の現像カートリッジ14,15,16,17を設けるものとしているが、本発明の画像形成装置1では、現像カートリッジは4個に限定されず、2個以上の複数の現像カートリッジを設けることができる。
また、前述の例では、駆動モータはロータリ駆動用と現像カートリッジ駆動用とに共通に1つだけ設けているが、ロータリ駆動用と現像カートリッジ駆動用とに別々に設けることもできる。
【0093】
更に、前述の例では、図10に示す色切り替え動作時の駆動パターンが、4色のカートリッジが装着され、かつ偏荷重が小さい場合を前提としているが、カートリッジ交換動作時の駆動パターンと同様に、駆動モータの停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態の場合を前提とすることもできる。この場合には、色切り替え動作時でも、ロータリ13は必ず停止位置をオーバーランしてロータリ13の凸部がロックレバー38の凹部36に確実に係合する。これにより、ロータリ13は確実に停止位置(つまり、現像位置)に設定することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、画像形成装置本体に設けたロック部材がロータリ側に設けた被ロック部に係合する前に、被ロック部をロック部材の当接部に当接させているので、色替えをして多色のトナー像を得るために要する時間を短縮でき、その結果、画像形成速度を向上できる。
【0095】
特に、請求項2の発明の画像形成装置によれば、ロック部材と被ロック部との係合を解除する移動手段にソレノイドを用いているので、簡単な構成でロック部材の移動をより確実にかつ迅速に行うことができる。これにより、ロック部材と被ロック部との係合解除制御をより適切に行うことができるようになる。
【0096】
また、請求項3の発明の画像形成装置によれば、ロック部材を予め待機位置に設定しているので、ロック部材がロータリを位置決めする位置までの移動量を少なくできる。これにより、色替えして現像するために要する時間を短縮でき、画像形成速度を更に一層向上できる。
更に、請求項4の発明の画像形成装置によれば、画像形成装置本体に回動可能に設けたロックレバーの凹部をロータリ側の凸部に係合させているので、ロックレバーによるロータリの位置決め保持を確実に行うことができる。
【0097】
更に、請求項5の発明の画像形成装置によれば、凸部の円弧状先端をロックレバーの傾斜面に当接させるようにしているので、凸部の先端がロックレバーに当接したときの外乱を抑制できる。これにより、この当接による影響を受けずにロータリを滑らかに回転できるとともに、当接による騒音の発生を防止できる。その場合、傾斜面の始点をロータリの回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧上に形成しているので、凸部の先端を滑らかに移行させることができる。これにより、外乱を一層効果的に抑制でき、ロータリを一層円滑に回転させることができるとともに、当接による騒音を効果的に防止できる。
【0098】
しかも、凸部の先端を円弧状に形成して、凸部の先端をロックレバーに点接触(あるいは、線接触)させるようにしているので、凸部の先端とロックレバーとの接触における接触摩擦を低減できる。これにより、この接触摩擦によるロータリへの影響を最小限に抑制でき、ロータリの回転を一層円滑にできる。
更に、請求項6の発明の画像形成装置によれば、ロータリの駆動手段をロータリがオーバーランするように設定された駆動パターンで制御しているので、ロータリを位置決めする所定位置より必ずオーバーランさせることができる。したがって、ロータリが所定位置に到達すると、ロック部材と被ロック部が係合することにより、ロータリが編荷重を受けていても、このロータリを確実に所定位置に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図である。
【図2】この例の画像形成装置に用いられているロータリ式現像装置を模式的に示す図である。
【図3】図2に示すロータリ式現像装置における現像カートリッジの駆動系を模式的に示す図である。
【図4】図2に示すロータリ式現像装置におけるロータリの駆動系を模式的に示す図である。
【図5】図2に示すロータリ式現像装置におけるロック手段を模式的に示す図である。
【図6】ロック手段の変形例を模式的に示す図である。
【図7】図5に示すロック手段におけるロックレバーを説明する図である。
【図8】図7に示すロック手段の部分拡大図である。
【図9】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の一過程を示す図である。
【図10】現像色切り替え動作時の駆動モータの駆動パターンの一例を示す図である。
【図11】カートリッジ交換動作時の駆動モータの駆動パターンの一例を示す図である。
【図12】カートリッジ交換動作時の駆動モータの目標角と実際のロータリの回転角との関係を示す図である。
【図13】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の他の一過程を示す図である。
【図14】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の更に他の一過程を示す図である。
【図15】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の更に他の一過程を示す図である。
【図16】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の更に他の一過程を示す図である。
【図17】現像カートリッジ交換動作時における図5に示すロック手段によるロータリの位置決め状態を示す図である。
【図18】本発明の画像形成装置の実施の形態の他の例を示す、図8と同様の部分拡大図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…露光装置、3…ロータリ式現像装置、4…感光体、5…中間転写媒体、6…一次転写装置、7…記録媒体、8…二次転写装置、10…給紙装置、11…定着ユニット、13…ロータリ、14,15,16,17…イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ、14a,15a,16a,17a…現像ローラ、14c,15c,16c,17c…入力歯車、19…現像カートリッジ駆動出力歯車、22…モータ出力歯車、23…ロータリ駆動歯車、24…ロータリ駆動出力歯車、26…電磁クラッチ、27…ロック手段、28,30,32,34…現像位置決め用の凸部、29,31,33,35…交換位置決め用の凸部、36…凹部、36a,36b…側壁、37…支点、38…ロックレバー、39…ロックレバー付勢スプリング、40…ソレノイド、40a…プランジャ、41…ストッパ、42…傾斜部、42a…始点、43…直線部分、45…現像カートリッジ交換用開口部、46…ロータリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリに装着された複数の現像ユニットにより、フルカラー等の2色以上の多色現像を行うロータリ現像方式の現像装置を備えた、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置の技術分野に属し、特に、潜像担持体に対して複数の現像ユニットの現像剤担持体を選択的に現像位置に設定するようにロータリを所定位置に位置決めしてロックするロック手段を備えている画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、ロータリに装着された複数の現像ユニットにより、フルカラー等の2色以上の多色現像を行う現像装置を備えた画像形成装置が種々開発されている。この画像形成装置は、画像形成動作時にロータリを回転させて各現像ユニットの現像ローラを順次現像位置に設定して感光体の潜像を各色毎に順次現像して画像を形成するようになっている。
【0003】
ロータリを所定位置に順次位置決めしてロックする方法として、ロータリを回転するための駆動モータのホールド力を利用するのが最も単純であるが、ホールド時の駆動モータの消費電力やホールド性等を考慮すると、駆動モータのホールド力に頼らず、何らかの機械的手段でロータリの位置決めをすることが望ましい。そこで、従来は、画像形成装置本体に設けられたレバーをロータリの一部に係合させることで、ロータリを機械的に位置決めすることが提案されている。
【0004】
このレバーは、ロータリを位置決めしない退避位置とロータリに係合してロータリを位置決めする位置決め位置との間で移動可能に設けられている。その場合、例えば4色のフルカラーの画像形成において、潜像担持体上の4色の静電潜像を順次現像するにあたり4色の色替え動作を行う必要があるが、この色替え動作に要する時間をできるだけ短縮することが望ましいため、レバーは退避位置と位置決め位置との間でできるだけ迅速に動作することが求められる。
【0005】
このようなことから、従来、レバーを駆動するためにソレノイドとスプリングとを用い、画像形成時のロータリの回転時間やソレノイドの通電時間を考慮して、レバーを退避位置に設定するときにソレノイドを通電して励磁し、発生するソレノイド力でレバーを退避位置の方へ回動し、また、レバーを位置決め位置に設定するときにソレノイドの通電を切ってソレノイドを非励磁にしてスプリングのばね力でレバーを位置決め位置の方へ回動することが一般に行われている。
また、レバーの回動手段としては、このようなソレノイドを用いた方法にとどまらず、他の移動手段の移動力により、ステッピングクラッチやカムなどを利用してレバーの回動を行う方法なども考えられる。
【0006】
また、ロータリの他の機械的なロック手段として、ロータリに設けたカムと、画像形成装置本体に設けられ、かつこのカムに常時当接してカムの回転に応じて動作するストップ手段とで、ロータリの位置決めを行うロータリ現像方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されているロータリの位置決め手段は、ストップ手段がロータリを現像位置に位置決めするときのカムの傾斜面の傾斜を比較的急激にし、ロータリが回転して現像位置から離れるときのカムの傾斜面の傾斜を比較的緩くしたカムのプロファイルを有している。
【特許文献1】
【特公平7−117784号公報】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ソレノイドによりレバーを動作する位置決め手段では、ソレノイドに通電させてからソレノイドのプランジャが実際に動作するまでの時間は使用するソレノイドの特性として決まっているため、画像形成装置での使用形態に合わせてどの特性を持つソレノイドを使用するかを選択することができる。
【0008】
しかしながら、逆に通電を解除してから実際にプランジャが解放されるまでの時間は一定していないため、画像形成装置でロータリが所定位置に停止してからレバーをロータリを位置決めする位置決め位置まで動作させるのに十分な時間を設ける必要がある。また、前述のように例えばステッピングクラッチやカムなどを利用してレバーの回動を行う方法等、ソレノイド以外の方法を利用したレバーの移動手段においても、その動作時間を見積もることは比較的容易ではあるが、結局ロータリが停止してからレバーを位置決め位置まで動作させるため、ロータリ停止後にその動作時間を設ける必要がある。このため、このレバーの位置決め位置までの動作時間が色切替時間に直接影響して色切替時間が比較的長くなり、その結果、多色現像の速度を向上させることが難しいという問題がある。
【0009】
また、前述の特許文献1に開示されている位置決め手段においては、ストップ手段が常時カムに当接するために、ロータリの色切替速度が高速になるほど、ストップ手段の当接力を強力にする必要がある。これは、ストップ手段のカムへの当接力が弱い状態でロータリの回転が高速になると、現像位置において、カムのプロファイルの急激な変化に対して、ストップ手段の動作が追いつかず、ストップ手段が跳ねてしまい、カムに当接できなくなるおそれがあるためである。
【0010】
しかしながら、ストップ手段のカムへの当接力を強力にすると、ストップ手段とカムとの摩擦力が増大するため、この摩擦力がロータリの円滑な回転を阻害するおそれがあり、ロータリの回転の高速化に限度があるという問題がある。
また、画像形成装置の電源投入時等にロータリの位置検出のために初期化動作が行われるが、このときはロータリの回転が現像位置に停止せずにこの現像位置を通過して行われるため、現像位置の通過時には、ストップ手段のカムへの当接力による強い回転モーメントがロータリ駆動源側に作用する。この強い回転モーメントがロータリの回転に悪影響を及ぼすという、ストップ手段がカムへ常時当接することによる問題がある。更に、カム形状によって必然的に現像駆動反力の方向が決まってしまい、画像形成装置の設計自由度が制限されるという問題もある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ロータリの位置決め時間をできるだけ短縮して色切替時間を効果的に短くすることで多色現像の速度をより一層向上しつつ、ロータリの回転を円滑にすることのできる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の現像ユニットを搭載するロータリを有するロータリ現像方式の現像装置と、前記現像ユニットを選択的に所定位置に設定するために前記ロータリを位置決めしかつこの位置決め位置にロックするロック手段とを備え、前記ロック手段が、前記ロータリ側に設けられた被ロック部と、画像形成装置本体に移動可能に設けられ、前記被ロック部に係合して前記ロータリをロックするロック位置と前記被ロック部に係合しない退避位置とが設定されているロック部材と、前記ロック部材を前記退避位置の方へ移動する移動手段と、前記ロック部材を前記ロック位置の方へ付勢する付勢手段とからなる画像形成装置において、前記ロック部材が、前記ロータリの回転で前記被ロック部に係合する前に当接可能な当接部を有していることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記移動手段はソレノイドであることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記ロック部材は前記ロック位置側に待機位置が設けられているとともに、前記被ロック部に係合する前に前記待機位置に設定されていることを特徴としている。
【0014】
更に、請求項4の発明は、前記ロック部材が前記画像形成装置本体に回動可能に設けられ、かつ凹部を有するロックレバーであり、前記被ロック部が前記ロータリに設けられ、かつ前記ロックレバーに当接可能であるとともに前記凹部が係合可能な凸部であることを特徴としている。
【0015】
更に、請求項5の発明は、前記凸部の先端が円弧状に形成されており、前記ロックレバーが前記凸部の円弧状先端が当接可能な傾斜面とされているとともに前記傾斜面の始点が前記ロータリの回転中心を中心とし、前記凸部の先端を通る円の円弧上に形成されており、前記ロータリの回転で、前記凸部が前記凹部に係合する前に前記傾斜面に当接してこの傾斜面を押圧するようになっていることを特徴としている。
更に、請求項6の発明は、前記ロータリの駆動手段が、前記ロータリを前記所定位置に設定する際に、このロータリを前記所定位置よりオーバーランさせるように駆動パターンが設定されていることを特徴としている。
【0016】
【作用】
このように構成された本発明の画像形成装置においては、ロータリの回転で、画像形成装置本体に設けられたロック部材がロータリ側に設けられた被ロック部に係合する前に、被ロック部がロック部材の当接部に当接するようになる。これにより、ロック部材がロータリの回転に応じて動作し、ロータリが位置決めする所定位置に到達すると同時にロック部材と被ロック部との係合が完了する。すなわち、ロータリが現像位置で停止すると直ちに現像駆動が開始可能となるので、色替えをして多色のトナー像を得るために要する時間が短縮され、その結果、画像形成速度が向上する。ロック部材と被ロック部との係合は移動手段でロック部材を移動することにより、解除される。
【0017】
特に、請求項2の発明においては、ロック部材を移動する移動手段にソレノイドを用いているので、前述のレバーの迅速な動作に対して最適に対応する動作特性が得られる。したがって、簡単な構成でロック部材の移動がより確実にかつ迅速に行われ、ロック部材と被ロック部との係合解除制御がより適切に行われるようになる。
【0018】
更に、請求項3の発明の画像形成装置においては、ロック部材がロータリが停止する前に予め待機位置に設定されるようになる。したがって、ロック部材がロータリを位置決めするロック位置までの移動量が少なくなり、色替えして現像するために要する時間が短縮されて、画像形成速度が更に一層向上する。
更に、請求項4の発明の画像形成装置においては、画像形成装置本体に回動可能に設けられたロックレバーの凹部がロータリ側の凸部に係合するので、ロックレバーによるロータリの位置決め保持が確実に行われる。
【0019】
更に、請求項5の発明の画像形成装置においては、ロータリ側に設けた凸部の円弧状先端がロックレバーの傾斜面に当接する。これにより、凸部の先端がロックレバーに当接したときの外乱が抑制され、ロータリはこの当接による影響を受けずに滑らかに回転するとともに、当接による騒音の発生が防止される。その場合、傾斜面の始点がロータリの回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧上に形成されているので、凸部の先端が滑らかに移行するようになる。これにより、外乱が一層効果的に抑制され、ロータリが一層円滑に回転するとともに、当接による騒音が効果的に防止される。
【0020】
しかも、凸部の先端が円弧状に形成されているので、凸部の先端がロックレバーに点接触(あるいは、線接触)するようになる。これにより、凸部の先端とロックレバーとの接触における接触摩擦が低減し、この接触摩擦によるロータリへの影響が最小限に抑制されて、ロータリの回転が一層円滑になる。
更に、請求項6の発明の画像形成装置においては、ロータリの駆動手段がロータリをオーバーランさせるように設定された駆動パターンで制御されることで、ロータリは編荷重を受けていても、所定位置より必ずオーバーランするように回転する。したがって、ロータリが位置決めする所定位置に到達すると、ロック部材と被ロック部が係合する。これにより、ロータリが編荷重を受けていても確実に所定位置に位置決めされる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図、図2はこの例の画像形成装置に用いられているロータリ式現像装置を模式的に示す図である。
【0022】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、概略的には、露光装置2、ロータリ式現像装置3、露光装置2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像がロータリ式現像装置3からのトナーによって現像されて可視像化されたトナー像が形成される感光体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、感光体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写装置6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写装置8、給紙カセット9に収容された紙7を給紙ローラ10aで二次転写装置8に給送する給紙装置10、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット11、および定着ユニット11で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ12からなっている。
【0023】
図2に示すように、ロータリ式現像装置3は、回転可能に設けられたロータリフレーム13aを有するロータリ13と、このロータリ13に搭載された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ(本発明の現像ユニットに相当)14,15,16,17とを備えている。
【0024】
図2において、各現像カートリッジ14,15,16,17はロータリ13の周方向にこれらの順に反時計回りでかつ等間隔で配設されており、それぞれ、現像ローラ14a,15a,16a,17aと、各現像ローラ14a,15a,16a,17aにそれぞれそれらと同軸にかつそれらと一体回転可能に設けられた現像ローラ駆動歯車14b,15b,16b,17bと、駆動モータの駆動力が入力される入力歯車14c,15c,16c,17cと、各入力歯車14c,15c,16c,17cに入力された駆動モータの駆動力をそれぞれ対応する各現像ローラ駆動歯車14b,15b,16b,17bに減速して伝達する歯車動力伝達機構14d,15d,16d,17dとを備えている。なお、図示しないが、各現像カートリッジ14,15,16,17は、それぞれ、従来と同様にトナー貯溜部、トナー貯溜部のトナーを現像ローラ14a,15a,16a,17aに供給するトナー供給手段、および感光体4に搬送される現像ローラ14a,15a,16a,17a上のトナーの薄層を規制するトナー規制手段等を備えていることは言うまでもない。
【0025】
また、図2および図3に示すようにロータリ13の一端側においてこのロータリ13の外周に近接して、駆動モータからの駆動力が伝達されかつこの駆動力を入力歯車14c,15c,16c,17cの1つに選択的に噛合して伝達可能な現像カートリッジ駆動出力歯車19が回転可能に設けられている。この現像カートリッジ駆動出力歯車19は歯車動力伝達機構20を介して駆動モータ21の回転軸21aに固定されたモータ出力歯車22に接続されており、駆動モータの駆動力が歯車動力伝達機構20で減速されて現像カートリッジ駆動出力歯車19に伝達されるようになっている。
【0026】
更に、現像カートリッジ駆動出力歯車19には、ワンウェイクラッチ(本発明の動力伝達制御手段に相当)が内蔵されている。そして、後述するロータリ13を駆動する際には、現像カートリッジ駆動出力歯車19と現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cのいずれかが噛み合ったとしても、ワンウェイクラッチがロータリ13の回転方向に対応する回転方向に対しては空転することにより現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cには駆動力が伝達されない。また、現像カートリッジ14,15,16,17のいずれかを選択的に駆動する(すなわち、現像動作をさせる)際には、ワンウェイクラッチが現像方向に対応する回転方向に対してはロック(接続)することにより、現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cの選択された現像駆動入力歯車に駆動力が伝達されるようになっている。
【0027】
更に、ロータリ13の一端側においてロータリ駆動歯車23がこのロータリ13と同軸にかつこれと一体的に回転可能に設けられるとともに、このロータリ駆動歯車23に噛合して設けられかつ駆動モータからの駆動力が伝達されるロータリ駆動出力歯車24が回転可能に設けられている。このロータリ駆動出力歯車24は歯車動力伝達機構25および電磁クラッチ26を介して駆動モータのモータ出力歯車22に接続されている。その場合、電磁クラッチ26の入力歯車26aがモータ出力歯車22に噛合されている。そして、電磁クラッチ26がオンして接続されることで、駆動モータの駆動力が歯車動力伝達機構25で減速されてロータリ駆動出力歯車24に伝達されるようになっている。
【0028】
ところで、図2に三点鎖線で示すように、この例の画像形成装置1においては、その本体フレーム(不図示)の予め設定された交換位置に、現像カートリッジ交換用開口部45が設けられている。この現像カートリッジ交換用開口部45の大きさは、現像カートリッジをロータリ13の軸方向(図2において図面と直交する方向)に引き抜きおよび挿入可能な大きさに設定されている。
【0029】
更に、図5に示すようにロータリ13の他端側には、ロータリ13を所定位置に停止しかつその停止位置に保持するロック手段27が設けられている。このロック手段27は、ロータリフレーム13aに、各現像カートリッジ14,15,16,17の各搭載部にそれぞれ対応して固定された一対の凸部(本発明の被ロック部に相当)28,29;30,31;32,33;34,35と、これらの凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つに選択的に係合可能な凹部36を一端部に有しかつ支点37を中心に回動可能なロックレバー(本発明のロック部材に相当)38と、このロックレバー38の凹部36と反対側の端部に連結されて凹部36が凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つに係合する方向に常時付勢するロックレバー付勢スプリング(本発明の付勢手段に相当)39と、ロックレバー38の凹部36と支点37との間にプランジャ40aが連結されて、このプランジャ40aにより作動時凹部36が凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つから離れる方向にロックレバー付勢スプリング39のスプリング力に対抗してソレノイド力をロックレバー38に作用するソレノイド(本発明の移動手段に相当)40と、ロックレバー38を図5において時計方向の回転を規制して待機位置に設定するストッパ41とから構成されている。
【0030】
また、前述の移動手段はソレノイドに限定されることはなく、例えばカム40′を用いることもできる。すなわち、図6に示すようにロックレバー38′に対してカム40′を常時当接させ、ロックレバー38′の待避時に、カム40′のカム面の山がロックレバー38′を押圧して待避位置に移動させるようにすることも考えられる。カム40′の駆動手段としては、画像形成装置内に装備されている他の装置を駆動する駆動手段、あるいはカム40′を専用に駆動するための独立した駆動手段を用いることができる。その場合、駆動手段の回転力を、駆動手段の1回転でカム40′が半回転するようにステッピングクラッチを介してカム40′に伝達するようにしてもよい。しかし、この例のようにレバーを待機位置と待避位置との2位置に迅速に移動させるような場合には、移動手段として、ソレノイドを用いるのが、動作特性上最適であることや比較的簡単な構成であることなどから望ましい。
【0031】
図7に示すように、各凸部28,29;30,31;32,33;34,35は、いずれも、ロータリ13の回転中心を中心とする円の径方向に突出して設けられており、それらの先端は円弧状に形成されている。
【0032】
また、各現像カートリッジ14,15,16,17の各搭載部にそれぞれ対応する一対の凸部28,29;30,31;32,33;34,35において、一方の凸部28;30;32;34は、それぞれ、各現像カートリッジ14,15,16,17の現像位置に設定されたときにロータリ13を停止しかつその回転位置に保持するための凸部、つまり現像カートリッジの現像位置決め用の凸部であり、また一対の凸部のうち、他方の凸部29;31;33;35は、それぞれ、各現像カートリッジ14,15,16,17の交換位置に設定されたときにロータリ13を停止しかつその回転位置に保持するための凸部、つまり現像カートリッジの交換位置決め用の凸部である。
【0033】
そして、図5に示すように、後述するように現像位置決め用の凸部28;30;32;34にロックレバー38の凹部36が係合するために、ロックレバー38が待機位置に設定されても、交換位置決め用の凸部29;31;33;35がこのロックレバー38に接触しないように、これらの凸部29;31;33;35はそれぞれ現像位置決め用の凸部28;30;32;34のロータリ13の回転方向下流側直後に、現像位置決め用の凸部28;30;32;34と周方向に所定の間隔aをおいて配置されている。
【0034】
更に、各現像カートリッジ14,15,16,17の各搭載部にそれぞれ対応する現像カートリッジの交換位置決め用の凸部29;31;33;35は、各現像カートリッジ14,15,16,17のロータリ13の回転方向下流側に隣接する各現像カートリッジ15,16,17,14の現像位置決め用の凸部30;32;34;28と周方向に所定の間隔bをおいて配置されている。そして、前述の間隔aと間隔bとは、間隔aが間隔bより小さく設定されている(間隔a<間隔b)。
【0035】
この例のロータリ現像方式の画像形成装置1では、画像形成動作時に各現像カートリッジ15,16,17,14を順に色切り替えを迅速に行うために現像位置に迅速に設定する必要があることからロータリ13を比較的高速で回転させ、また、画像形成動作を行わない非画像形成動作時、例えば現像カートリッジの交換動作時に交換しようとする現像カートリッジを交換位置に設定するときは画像形成動作時よりは迅速に設定する必要がないことからロータリ13を比較的低速で回転させているが、このように間隔a<間隔bに設定することにより、各現像カートリッジ15,16,17,14を現像位置あるいは交換位置に確実にかつ効率よく設定するようにしている。
【0036】
ロックレバー38は、凹部36がロータリ13側の凸部に係合してロータリ13をロックするロック位置と、凸部に係合しない退避位置と、ロック位置側に設けられた待機位置とが設定されている。
また、図7および図8に示すように、ロックレバー38の凹部36の両側壁36a,36bは、ともに、ロックレバー38の回転中心つまり支点37の中心を中心とする円の円弧に形成されている。また、ロックレバー38の外周面と凹部36の両側壁36a,36bとの間の角部は丸く形成されたR部とされている。そして、図8に示すように凹部36の凸部への係合時に、側壁36aと凸部の先端の円弧面とが一点(正確には一線)で接するようになっている。このとき、ロータリ式現像装置3の現像動作時の反力が凸部の先端から側壁36aに伝達され、この側壁36aで支持されるようになる。
【0037】
ロックレバー38のロータリ13に対向する側の外周には、支点37側から凹部36に向かってロータリ13に接近する方向に傾斜する傾斜部(本発明の当接部に相当)42が凹部36に連なるようにして設けられている。その場合、傾斜部42の始点部42aは、凸部の先端の回転軌跡、つまりロータリ13の回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧に形成されている。より具体的には、図9に示すようにロックレバー38のロータリ13に対向する側の外周の傾斜部42とこの傾斜部42より支点37側の直線部分43との接続点42aが、ロータリ13の回転中心を中心としかつ傾斜部42と直線部分43とに接する円44の円弧上に形成されており、傾斜部42と直線部分43はこの接続点42aにおいて滑らかに接続している。これにより、凸部の先端のロックレバー38との接触部がロックレバー38の直線部分43から傾斜部42に移行する際に、各凸部の先端が滑らかに移行するようにしている。
【0038】
なお、図9にはロックレバー38が図5に示すストッパ41に当接する待機位置にあるときを示しており、このときはロックレバー38の直線部分43は円44の接線に一致するようになる。
【0039】
ロックレバー38の支点37の位置は、図7に示すように凹部36が凸部に完全に係合してロータリ13が停止して保持された状態で、ロータリ13の回転中心を中心としかつ凹部36が係合した凸部の先端の円弧の中心を通る円の接線c上に設けられている。
【0040】
次に、この例の画像形成装置1の色切り替え時およびカートリッジ交換時における駆動モータの駆動パターンおよびロータリ13の制御パターンについて説明する。
図10は現像色切り替え動作時のモータの駆動パターンの例を示す図、図11はカートリッジ検知動作時のモータの駆動パターンの例を示す図、図12はカートリッジ検知動作時の目標角と実際の回転角との関係を示す図である。
【0041】
この例の画像形成装置1では、係合部であるロックレバー38をロックレバー付勢スプリング39で付勢した状態で、ロータリ式現像装置3を停止位置よりオーバーランさせて回転移動させ、ロックレバー38の凹部36をロータリフレーム13aの凸部28,29;30,31;32,33;34,35の1つに係合させて停止制御を行うようにしている。その場合、ロータリ式現像装置3の停止位置でのオーバーラン量を、現像カートリッジ2の交換動作での停止制御時の方が通常の現像色切り替え動作での停止制御時よりも大きくなるように設定している。しかも、カートリッジ交換動作では、停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態でも、ロータリ13が確実にオーバーランするようにモータの駆動パターンが設定されている。また、色切り替え動作では、4色のカートリッジを搭載し、かつ偏荷重が小さい状態で、ロータリ13がオーバーランするようにモータの駆動パターンが設定されている。
【0042】
すなわち、オーバーランさせるためには、駆動モータの目標角が所定の停止位置を超えるように駆動モータの回転移動量を増大させることが考えられるが、この回転移動量を単純に増大させたのでは、停止位置においてロックが係合した後も、駆動モータは駆動を続けるために脱調してしまうおそれがある。
【0043】
そこで、この例の画像形成装置1では、オーバーランさせるために、ロータリ駆動後の位置決め時に、ロータリ13にかかる慣性力が偏荷重による回転力を上回る急激な減速方向の加速度(つまり、減速度)をロータリ13に与えるようにしている。
その場合、まず、初期化動作およびカートリッジ交換動作においては、動作時間に制約がないので、装置の機械的強度や騒音を考慮すると、ロータリ13をなるべく低速で静かに動作させるのが望ましい。しかし、ロータリ13を低速で動作させたのでは、ロータリ13は回転速度が稼げないため、回転慣性が少ない。
【0044】
そこで、この例の画像形成装置1では、所定の停止位置まで一定速度でロータリ13を回転させ、停止位置に達した瞬間にモータの駆動速度をスローダウンさせずに一気にゼロにしている。この瞬間、ロータリ13には、理論上無限大の負の加速度がかかり、ロータリ13の偏荷重を十分に上回る慣性力が発生し、ロータリ13は輪列のバックラッシュ分、所定の停止位置よりもオーバーランしようとする。
【0045】
次に、カートリッジ交換動作におけるカートリッジ装着直後のカートリッジ検出動作では、トナーの撹拌を行いたいため、ロータリ13を高速で動作させることが望ましい。しかし、撹拌のための専用の駆動パターン(シーケンス)を設けると、ソフト制作上複雑になる。そこで、この駆動パターンに現像色切り替え動作の駆動パターンを流用すると、ソフト制作の工数は削減できるが、現像色切り替え動作は、カートリッジ13が全色装着されていることを前提としてるため、停止時に慣性を十分に与えることを考慮していない。カートリッジ交換動作はカートリッジの有無による強い偏荷重がロータリにかかる可能性を有しているので、本例では、現像色切り替え動作の駆動パターンを流用することを前提としながら、停止時にはロータリ13に十分な慣性を与えるように減速パターン最終部分を急激にする小変更を加えている。
【0046】
例えば、パルス数300、モータステップ1.8度/p、減速比6として、モータの回転角が540度でロータリ13の回転角が90度(4色の現像器で、1つの現像器あたりの回転角)となる駆動機構の例では、通常の現像色切り替え動作の場合、図10に示すように200前後の駆動周波数から最高速の1600近い駆動周波数(イ)まで時間0.15secをかけて加速し、最高速から逆に駆動周波数約300まで前述の時間とほぼ同じ時間をかけて減速する山形ないしは三角形の駆動パターンを採用している。そして、4色のカートリッジを搭載し、偏荷重が小さいことが前提であるので、最終部では、モータへの負荷を考慮して加速状態で停止させ、オーバラン量を小さくしている。
【0047】
しかし、この場合には、ロータリ13の偏荷重が大きくなると、ロータリ駆動輪列のバックラッシュの範囲内でロータリ13の停止角が誤差を持って停止するようになっている。つまり、駆動モータは、その制御上、目標角90度回転するように制御され、それに伴い、ロータリ13は(90±E′)度の範囲で回転するようになる。ここで、E′はロータリ13の実際の停止位置と90度回転させたときの所定の停止位置との誤差であり、ロータリ13を90度回転させようとしたならば生じるであろうロータリ13の回転誤差の最大量Eより小さい(E′<E)。
【0048】
一方、このような通常の現像色切り替え動作に対し、カートリッジ交換動作では、図11に示すように最高速(イ)までは前述と同じであり、最高速(イ)において所定のパルス数(10パルス)を加え、かつ総パルス数は不変とし、最終部(ロ)において、最高速(イ)で加えた所定のパルス数(10パルス)を削除した駆動パターンを採用している。この駆動パターンでは、総パルス数は変わらず、回転角も変わらないが、最高速(イ)で所定のパルス数を追加しているので、パルス間隔は短縮され、総回転時間は短くなる。その場合、モータへの負荷はかかるが、カートリッジ交換回数は現像色切り替え動作回数に比べて少ないため、強度的は問題はない。
【0049】
この駆動パターンによれば、駆動モータの停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態の場合、図12に示すように駆動開始前0.075secでロック解除して自然に回転し(ハ)、駆動開始とともに実際の回転角が目標角より1〜1.5度遅れて追随しながら回転する(ニ)。そして、目標角が90度となり駆動停止して慣性によるオーバーランを開始し(ホ)、ロック係合すると(ヘ)、ロックのがたの範囲で寄って停止し(ト)、モータがオフとなる。
【0050】
次に、このように構成されたこの例の画像形成装置1の画像形成動作時の作動について説明する。図1および図2に示す状態では、イエローの現像カートリッジ14の現像ローラ14aが感光体4に当接した状態、つまり、イエローの現像カートリッジ14が現像位置に設定された状態で示されているが、非現像時(非画像形成時)にはロータリ13は図5に示すホームポジションにあり、各現像カートリッジ14,15,16,17の現像ローラ14a,15a,16a,17aはいずれも感光体4から離間した位置に保持されている。
【0051】
また、画像形成装置1の非作動時には、画像形成装置1の可動部材は停止している。更に、ソレノイド40は非励磁で作動しなく、ロックレバー38はロックレバー付勢スプリング39のばね力で図5に示すストッパ41に当接した待機位置に設定されている。更に、ロータリ13の駆動モータは、色切り替え時では図10に示す駆動パターンで駆動制御され、また、カートリッジ交換時では図11に示す駆動パターンで駆動制御されるものとする。
【0052】
画像形成信号が画像形成動作指示手段22から画像形成装置1の制御装置(CPU)に入力されることで、画像形成のために画像形成装置1が作動開始されると、CPUは感光体4を図1および図2において時計方向に回転駆動するとともに露光装置2を駆動する。すると、露光装置2は、CPUからのイエローの画像信号に基づいて感光体4を露光して、感光体4上にイエローの静電潜像を形成する。また、同時に、CPUは電磁クラッチ26をオンして接続するとともに駆動モータを駆動し、更に中間転写媒体5を駆動する。
【0053】
すると、駆動モータの駆動力がモータ出力歯車22および歯車動力伝達機構20を介して減速されて現像カートリッジ駆動出力歯車19に伝達され、現像カートリッジ駆動出力歯車19が回転する。同時に、駆動モータの駆動力がモータ出力歯車22、電磁クラッチ26、歯車動力伝達機構25、ロータリ駆動出力歯車24を介してロータリ駆動歯車23に伝達され、ロータリ13が図1および図2において反時計方向に、また図5において時計方向に回転する。すると、凸部28も図5において時計方向に回転する。
【0054】
ここで、現像カートリッジ駆動出力歯車19にはワンウェイクラッチが内蔵されているため、ロータリ13の回転中に現像カートリッジ駆動出力歯車19と現像駆動入力歯車14c,15c,16c,17cのいずれかが噛み合ったとしても、ワンウェイクラッチがロータリ13の回転方向に対して空転することにより、駆動モータの駆動力は現像カートリッジ駆動出力歯車19と噛み合った現像駆動入力歯車に伝達されない。
【0055】
図9に示すように、凸部28の先端がロックレバー38の傾斜部42の始点42aに当接した後、更に凸部28が時計方向に移動すると、凸部28の先端がロックレバー38の傾斜部42を押圧する。このとき、始点42aがロータリ13の回転中心を中心とする円44の円弧上に形成されているので、凸部28とロックレバー38とは滑らかに当接し、かつ図13に示すように凸部28の先端が傾斜部42に滑らかに移行する。これにより、凸部28の先端がロックレバー38に当接したときの外乱がほとんど発生しなく、この当接によってロータリ13は影響されず、滑らかに回転し続けるとともに、当接による騒音もほとんど発生しない。しかも、凸部28の先端が円弧状に形成されていることから、凸部28の先端はロックレバー38に点接触(正確には、凸部28の厚みまたはロックレバー38厚みの分、線接触)することになり、接触摩擦が少ないので、この接触摩擦によるロータリ13への影響は最小限に抑制され、ロータリ13の回転は一層円滑になる。
【0056】
凸部28の先端が傾斜部42を押圧することで、ロックレバー38は支点37を中心に図13において反時計方向にロックレバー付勢スプリング39のばね力に抗して回転する。駆動モータの回転角が目標角90度となると、CPUが駆動モータの駆動を停止するが、ロータリ13はその慣性で更に時計方向に回転する。このとき、4色のカートリッジが搭載され、偏荷重が小さいことから、ロータリ13の回転は、停止位置を越えてオーバーランし、回転角が(90+E′)度となる回転となっている。したがって、ロータリ13が更に図13において時計方向に回転すると、凸部28の先端が凹部36に位置し、ロックレバー付勢スプリング39のばね力により、ロックレバー38は図13において時計方向に回動してその凹部36が凸部28に係合するロック位置となる。その直後、CPUが電磁クラッチ26をオフにしてロータ駆動輪列を切断する。
【0057】
ロックレバー38の凹部36が凸部28に係合しかつ駆動モータの駆動力が伝達されないことで、ロックレバー38はロータリ13を停止しかつこの停止位置に保持する。つまり、ロータリ13はロックレバー38により位置決めされる。このように、ロックレバー38はロック位置側に設定された待機位置からロック位置となるので、その回動量が少なく迅速にロータリ13をロックするとともに、凹部36が凸部28に係合することで、このロータリ13のロックが確実なものとなる。
【0058】
ロックレバー38の凹部36と凸部28との係合時には、凹部36が凸部28の先端の円弧状部分に沿って係合していくため、ロックレバー38が跳ね返されることはなく、凹部36は凸部28に滑らかに係合する。しかも、凹部36の角部がR部とされているので、凹部36は凸部28に一層滑らかに係合するようになる。
【0059】
ロックレバー38の凹部36と凸部28との係合で、ロータリ13が位置決めされた状態では、図1および図2に示すようにイエローの現像カートリッジ14が現像位置に設定される。すなわち、現像ローラ14aが感光体4に当接して現像位置となる。すると、入力歯車14cが現像カートリッジ駆動出力歯車19に噛合し、CPUが駆動モータを駆動するとともに、現像動作時の駆動モータの回転方向に対してワンウェイクラッチがロック(接続)されるので、駆動モータの駆動力が現像カートリッジ駆動出力歯車19から入力歯車14cに入力され、更に歯車動力伝達機構14dにより減速されて現像ローラ駆動歯車14bに伝達されるので、現像ローラ14aが回転する。
【0060】
これにより、現像ローラ14aは所定量のイエローのトナーを感光体4の方へ搬送し、感光体4上の静電潜像のイエローの現像が行われ、感光体4上にイエローのトナー像が形成される。この現像駆動時には、凸部28を介してロックレバー38にかかる現像駆動反力は、ロータリ13の回転中心を中心としかつ凸部28の先端円弧部の中心を通る円の接線方向に働く。
【0061】
しかし、ロックレバー38の回転中心である支点37の中心がこの接線上にあり、かつ凹部36の側壁36aが支点37の中心を中心とする円の円弧状に形成されているので、この現像駆動反力はロックレバー38に回転力(回転モーメント)を発生させない。これにより、ロックレバー38が現像駆動時に回転して凹部36が凸部28から外れることはなく、ロータリ13は現像カートリッジ14が現像位置となるようにロックレバー38に、より確実に位置決めされる。その場合、凹部36の両側壁36a,36bのいずれもが支点37の中心を中心とする円弧に形成されているので、現像駆動反力が両側壁36a,36bのどちらに働いても、ロータリ13は確実に位置決めされるとともに、イレギュラー時などに現像駆動が急に停止したときにおいてもロータリ13の位置決めは確実に行われるようになる。
【0062】
ところで、この色切り替え動作時には、駆動モータが図10に示す駆動パターンで制御されるが、この駆動パターンは4色のカートリッジが装着され、かつ偏荷重が小さい場合を前提としている。しかし、4色のカートリッジのうち、例えば1色のトナーの消費量が多くなって、そのカートリッジのトナー収納量が他のカートリッジに比べてかなり少なくなること、あるいはトナーカートリッジの例えば1つが装着されないこと等により、ロータリ13の偏荷重が比較的大きくなる場合がある。そして、このような場合、駆動輪列のバックラッシュの範囲内で、ロータリ13が停止位置(90度回転位置)に到達せず、(90−E′)度回転して停止してしまう。
【0063】
しかし、この場合には、現像側の駆動輪列が噛み合っているため、ロータリ13の駆動モータの停止後に続いて行われる現像駆動開始時に、その現像駆動反力によってロータリ13がその回転方向へ更に回転し、ロータリ13の凸部28がロックレバー38の凹部36に係合し、ロータリ13が停止位置、つまりイエローの現像位置に位置決めされる(なお、この場合のロータリ13の位置決め方法は、特開2002−311713号公報に開示されている位置決め方法と同じである)。
【0064】
感光体4上に担持されたイエローのトナー像は一次転写装置6によって中間転写媒体5上に一次転写される。イエローのトナー像の一次転写が終了すると、CPUが駆動モータを停止させ、同時に、CPUが電磁クラッチ26を再びオンして接続する。このとき、現像カートリッジ14の駆動が停止する。その直後、CPUがソレノイド40を励磁するので、ソレノイド40のソレノイド力によりプランジャ40aが吸引されることにより、ロックレバー38が支点37を中心に図14において反時計方向にロックレバー付勢スプリング39のばね力に抗して回転する。すると、図15に示すように凹部36が凸部28から脱出し、凸部28との係合が解除され、ロックレバー38は凹部36が凸部28に係合しない退避位置となる。その後、CPUが駆動モータを駆動し、前述と同様に駆動モータの駆動力でロータリ13が再び図15において時計方向に回転する。
【0065】
このロータリ13の回転開始に相前後して、露光装置2は、CPUからのマゼンタの画像信号に基づいて感光体4を露光して、感光体4上にマゼンタの静電潜像を形成する。
【0066】
ロータリ13の回転で、図16に示すように交換位置決め用の凸部29が凹部36を通過し、更なるロータリ13の回転で、この凸部29がロックレバー38の領域から外れると、ソレノイド40が非励磁となってそのプランジャ40aがソレノイド力から解放される。すると、ロックレバー付勢スプリング39のばね力により、ロックレバー38が支点37を中心に図16において時計方向に回転し、図5に示すと同様にロックレバー38はストッパ41に当接して再び待機位置となる。
【0067】
このとき、画像形成動作におけるロータリ13の回転は前述のように比較的高速で行われるが、現像位置決め用の凸部28と交換位置決め用の凸部29との周方向の間隔aが、この凸部29と次のマゼンタの現像カートリッジ15の現像位置決め用の凸部30との周方向の間隔bより小さく設定されているので、この凸部30がロックレバー38の傾斜部42の始点42aに当接する位置に来るまでの時間が十分に確保される。これにより、プランジャ40aの解放時間を長く見込むことができるので、ソレノイド40が励磁されてプランジャ40aがソレノイド力で吸引された拘束状態から解放されるまでの時間が前述のように不確定で長いとしても、凸部30がこの始点42aに当接する位置に来る前に、ロックレバー38が待機位置に確実に設定されるようになる。
【0068】
なお、ソレノイド40のプランジャ40aの解放時間をできるだけ長く見込むために、間隔aは交換位置決め用の凸部29;31;33;35にロックレバー38の凹部36が係合できる範囲で可能な限り小さく設定し、その分間隔bを大きく設定することが好ましい。
【0069】
更にロータリ13が図5において時計方向に回転すると、前述の図14に示すイエローの場合と同様にして、現像位置決め用の凸部30にロックレバー38の凹部36が係合し、ロータリ13が位置決めされて、マゼンタの現像カートリッジ15が現像位置に設定される。
【0070】
マゼンタの現像カートリッジ15が現像位置に設定されると、ロータリ13が回転停止してその回転位置に保持され、入力歯車15cが現像カートリッジ駆動出力歯車19に噛合するとともに、現像ローラ15aが感光体4に当接して現像位置となる。続いて、マゼンタの現像カートリッジ15によるマゼンタの現像が行われ、感光体4上に現像されたマゼンタのトナー像が中間転写媒体5に一次転写される。
【0071】
マゼンタのトナー像の一次転写が終了すると、前述の図15に示すイエローの場合と同様にして、CPUが駆動モータを停止させ、同時に、CPUが電磁クラッチ26を再びオンして接続する。このとき、現像カートリッジ15の駆動が停止する。その直後、ソレノイド40が励磁されてロックレバー38の凹部36が現像位置決め用の凸部30から脱出し、再びロータリ13が同方向に回転する。
【0072】
更に、前述のイエローの場合と同様にして、ソレノイド40が非励磁となって、ロックレバー38が図5に示すと同様に再び待機位置に設定される。以後、同様にしてシアンの現像カートリッジ16のための現像位置決め用の凸部32にロックレバー38の凹部36が係合することで、シアンの現像カートリッジ16によるシアンの現像が行われ、感光体4上に現像されたシアンのトナー像が中間転写媒体5に一次転写され、更に、黒の現像カートリッジ17のための現像位置決め用の凸部34にロックレバー38の凹部36が係合することで、黒の現像カートリッジ17による黒の現像が行われ、感光体4上に現像された黒のトナー像が中間転写媒体5に一次転写される。
【0073】
これにより、中間転写媒体5上に一次転写された4色のトナー像が色合わせされてフルカラーのトナー像が形成される。この中間転写媒体5上のフルカラーのトナー像は二次転写装置8で紙7に転写され、次いで、定着ユニットで紙7に転写されたトナー像が定着されることで、フルカラーの画像が紙7に形成される。
【0074】
次に、各現像カートリッジ14,15,16,17の交換動作について説明する。
例えば、ユーザーが画像形成装置1の操作盤上の現像カートリッジ交換キーを操作することで、CPUが駆動モータを駆動するとともに、電磁クラッチ26をオンして接続し、更にソレノイド40を励磁する。すると、図15および図16に示すと同様に、ロックレバー38は、ソレノイド40によりその凹部36が各凸部に係合しない位置に拘束保持されるとともに、ロータリ13がこれらの図15および図16において時計方向に回転する。この現像カートリッジの交換動作時のロータリ13の回転は画像形成動作時よりも比較的低速で行われる。
【0075】
交換しようとする現像カートリッジを、例えばイエローの現像カートリッジ14とすると、この現像カートリッジ14が交換位置の直前になる、つまり現像カートリッジ14に対応する交換位置決め用の凸部29がロックレバー38の凹部36と係合する位置の直前になると、CPUがソレノイド40を非励磁にする。すると、前述と同様にロックレバー38がロックレバー付勢スプリング39のばね力により支点37を中心に時計方向につまり待機位置の方向に回動し、ロックレバー38の傾斜部42に現像カートリッジ14の交換位置決め用の凸部29が当接する。そして、ロータリ13の更なる同方向の回転で、この交換位置決め用の凸部29が傾斜部42を押圧するので、前述と同様にしてロックレバー38が支点37を中心に反時計方向に回動する。
【0076】
このとき、前述の図11に示すカートリッジ交換動作時の駆動モータの駆動パターンは、駆動モータの停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態の場合を前提としているので、ロータリ13は停止位置を必ずオーバランするようになる。
したがって、交換位置決め用の凸部29が凹部36に対向する位置に来ると、前述と同様にしてロックレバー38がロックレバー付勢スプリング39のばね力により支点37を中心に時計方向に回動し、図17に示すように凹部36がこの凸部29に係合する。これにより、ロータリ13は回転停止してその回転位置に位置決めされる。このとき、交換位置決め用の凸部29がロックレバー38の凹部36との係合位置直前になったとき、ソレノイド40が非励磁となるが、交換動作時にはロータリ13が比較的低速で回転するので、ソレノイド40のプランジャ40aがソレノイド力で吸引された拘束状態から解放されるまでの時間が前述のように不確定で長いとしても、凹部36が凸部29に確実に係合するようになる。
【0077】
このように、ロータリ13が位置決めされた状態では、交換しようとする現像カートリッジ14が交換位置に設定される。現像カートリッジ14が交換位置に設定されたときは、この現像カートリッジ14の現像ローラ14aが感光体4から離れているとともに入力歯車14cが現像カートリッジ駆動出力歯車19から離れている。
【0078】
交換しようとする現像カートリッジ14が交換位置に設定された状態で、この現像カートリッジ14が現像カートリッジ交換用開口部45を通してロータリ13の軸方向にロータリ13から引き抜かれることで取り出されるとともに、新しい現像カートリッジが現像カートリッジ交換用開口部45を通してロータリ13の軸方向にロータリ13に挿入されることで搭載される。これらの現像カートリッジの着脱時に、着脱される現像カートリッジの現像ローラが感光体4から離れているので、着脱動作によって感光体4が現像カートリッジによって損傷することはない。
【0079】
この例の画像形成装置1によれば、ロータリ13の回転で、ロックレバー38の凹部36がロータリ13に設けられた凸部に係合する前に、凸部がロックレバー38の傾斜部42に当接するようになる。これにより、ロックレバー38がロータリ13の回転に応じて動作し、ロータリが位置決めする位置に到達すると同時にロックレバー38の凹部36とロータリ13の凸部との係合が完了する。すなわち、ロータリが現像位置で停止すると直ちに現像駆動が開始可能となるので、色替えをして4色のトナー像を得るために要する時間が短縮され、その結果、フルカラーの画像形成速度が向上する。
また、ロックレバー38を待避させる手段にソレノイド40を用いることで、ロックレバー38の動作がより確実にかつ迅速に行われる。
【0080】
また、ロータリ13の回転中に、ロックレバー38をロータリ13が停止する前に予め待機位置に設定しておき、ロータリ13の停止と同時にロックレバー38を作動してロータリ13を拘束して位置決めしているので、ロックレバー38がロータリ13を拘束する位置までの移動量を少なくすることができる。これにより、4色の色替えをしてフルカラーのトナー像を得るために要する時間を短縮でき、その結果、フルカラーの画像形成速度を向上できる。
【0081】
また、ロータリ13側に設けた凸部をロックレバー38の傾斜部42に当接させるようにしているので、凸部の先端がロックレバー38に当接したときの外乱を抑制でき、この当接による影響を受けずにロータリ13を滑らかに回転させることができるとともに、当接による騒音の発生も防止できる。
【0082】
特に、傾斜部42の始点部42aを、ロータリ13の回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧上に形成しているので、凸部の先端のロックレバー38との接触部がロックレバー38の直線部分43から傾斜部42に移行する際に、各凸部の先端を滑らかに移行させることができる。
【0083】
更に、凸部の先端を円弧状に形成して、凸部の先端をロックレバー38に点接触(あるいは、線接触)させているので、接触摩擦を低減することができ、この接触摩擦によるロータリ13への影響を最小限に抑制できる。これにより、ロータリ13の回転を一層円滑にできる。
【0084】
しかも、ロックレバー38の凹部36をロータリ13の凸部に係合させているが、凹部36が凸部の先端の円弧に沿って係合していくため、ロックレバー38を跳ねらせずに凹部36をロータリ13の凸部に確実に係合させることができ、ロータリ13を停止位置に確実に拘束することができる。
【0085】
更に、現像駆動時に、現像駆動反力が凸部を介してロックレバー38に、ロータリ13の回転中心を中心としかつ凸部の先端円弧部の中心を通る円の接線方向に働くようになるが、ロックレバー38の回転中心をこの接線上に設け、かつ凹部36の側壁36aをロックレバー38の回転中心を中心とする円の円弧状に形成しているので、この現像駆動反力によりロックレバー38に回転力(回転モーメント)を発生させないようにすることができる。これにより、ロックレバー38が現像駆動時に回転することで凹部36が凸部28から外れることを防止でき、ロータリ13をロックレバー38により確実に位置決めできる。
【0086】
その場合、凹部36の両側壁36a,36bのいずれをもロックレバー38の回転中心を中心とする円弧に形成しているので、現像駆動反力が両側壁36a,36bのどちらに働いても、ロータリ13を確実に位置決めできるとともに、イレギュラー時などに現像駆動が急に停止したときにおいてもロータリ13の位置決めを確実に行うことができる。
【0087】
更に、各現像カートリッジ14,15,16,17に対応して、それぞれ、現像位置決め用の凸部28,30,32,34と交換位置決め用の凸部29,31,33,35とを設け、かつ、これらの現像位置決め用の凸部28,30,32,34と交換位置決め用の凸部29,31,33,35との間隔aを、交換位置決め用の凸部29,31,33,35と次の現像カートリッジ15,16,17,14の現像位置決め用の凸部30,32,34,28との周方向の間隔bより小さく設定しているので、画像形成動作におけるロータリ13の回転を比較的高速で行うようにしても、凸部がロックレバー38の傾斜部42の始点42aに当接する位置に来るまでの時間を十分に確保できる。これにより、プランジャ40aの解放時間を長く見込むことができるので、プランジャ40aがソレノイド力で吸引された拘束状態から解放されるまでの時間が前述のように不確定で長いとしても、凸部がこの始点42aに当接する位置に来る前に、ロックレバー38を待機位置に確実に設定できる。
【0088】
更に、色切り替え時に、ロータリ13がバックラッシュの範囲内で停止位置(90度回転位置))を超えて(90+E′)度回転(オーバーラン)しようとした場合、あるいはロータリ13がバックラッシュの範囲内で停止位置に到達する前の(90−E′)度回転して停止した場合のどちらの場合でも、最終的な停止角は必ず90度となって高精度の位置決めができる。しかも、高精度の位置決めができることで、同時に次のロータリ回転に対して開始角がまったく同位相になることから、前述のようにロータリ駆動輪列のバックラッシュによる回転角度差があるとしても、その誤差を常にキャンセルし、ロータリ13の回転を常に安定して行うことができるようになる。
【0089】
図18は、本発明の画像形成装置の実施の形態の他の例を示す、図8と同様の部分拡大図である。なお、前述の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0090】
前述の例では、各凸部28,29,30,31,32,33,34,35の先端部が円弧状に形成されているが、この例の画像形成装置1では、図18に示すように各凸部28,29,30,31,32,33,34,35の先端部に、それぞれ、回転ローラ等のロータリ46が回転可能に設けられている。その場合、ロータリ46の回転中心は、前述の例の凸部の先端部における円弧の中心位置と同じ位置に設定されている。
【0091】
この例の画像形成装置1によれば、凸部とロックレバー38とがロータリ46を介して接触するようになるので、この接触による摩擦を非常に小さくできる。したがって、この摩擦によるロータリ13の回転に与える影響を更に一層小さくすることができるとともに、凸部に係合しているロックレバー38の凸部からの引き抜きがきわめて容易となる。また、ロータリ46の少なくとも表面を、ロータリ位置決め効果を損なわない程度の弾性体で構成することにより、ロックレバー38の凸部との係合時およびロックレバー38の凸部からの引き抜き時の緩衝効果を得ることができる。
この例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、前述の例と同じである。
【0092】
なお、前述の例では、ロータリ13に4個の現像カートリッジ14,15,16,17を設けるものとしているが、本発明の画像形成装置1では、現像カートリッジは4個に限定されず、2個以上の複数の現像カートリッジを設けることができる。
また、前述の例では、駆動モータはロータリ駆動用と現像カートリッジ駆動用とに共通に1つだけ設けているが、ロータリ駆動用と現像カートリッジ駆動用とに別々に設けることもできる。
【0093】
更に、前述の例では、図10に示す色切り替え動作時の駆動パターンが、4色のカートリッジが装着され、かつ偏荷重が小さい場合を前提としているが、カートリッジ交換動作時の駆動パターンと同様に、駆動モータの停止時にオーバーランのし難い条件となる、ロータリ13の逆転方向に最大偏荷重がかかる状態の場合を前提とすることもできる。この場合には、色切り替え動作時でも、ロータリ13は必ず停止位置をオーバーランしてロータリ13の凸部がロックレバー38の凹部36に確実に係合する。これにより、ロータリ13は確実に停止位置(つまり、現像位置)に設定することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、画像形成装置本体に設けたロック部材がロータリ側に設けた被ロック部に係合する前に、被ロック部をロック部材の当接部に当接させているので、色替えをして多色のトナー像を得るために要する時間を短縮でき、その結果、画像形成速度を向上できる。
【0095】
特に、請求項2の発明の画像形成装置によれば、ロック部材と被ロック部との係合を解除する移動手段にソレノイドを用いているので、簡単な構成でロック部材の移動をより確実にかつ迅速に行うことができる。これにより、ロック部材と被ロック部との係合解除制御をより適切に行うことができるようになる。
【0096】
また、請求項3の発明の画像形成装置によれば、ロック部材を予め待機位置に設定しているので、ロック部材がロータリを位置決めする位置までの移動量を少なくできる。これにより、色替えして現像するために要する時間を短縮でき、画像形成速度を更に一層向上できる。
更に、請求項4の発明の画像形成装置によれば、画像形成装置本体に回動可能に設けたロックレバーの凹部をロータリ側の凸部に係合させているので、ロックレバーによるロータリの位置決め保持を確実に行うことができる。
【0097】
更に、請求項5の発明の画像形成装置によれば、凸部の円弧状先端をロックレバーの傾斜面に当接させるようにしているので、凸部の先端がロックレバーに当接したときの外乱を抑制できる。これにより、この当接による影響を受けずにロータリを滑らかに回転できるとともに、当接による騒音の発生を防止できる。その場合、傾斜面の始点をロータリの回転中心を中心とし、凸部の先端を通る円の円弧上に形成しているので、凸部の先端を滑らかに移行させることができる。これにより、外乱を一層効果的に抑制でき、ロータリを一層円滑に回転させることができるとともに、当接による騒音を効果的に防止できる。
【0098】
しかも、凸部の先端を円弧状に形成して、凸部の先端をロックレバーに点接触(あるいは、線接触)させるようにしているので、凸部の先端とロックレバーとの接触における接触摩擦を低減できる。これにより、この接触摩擦によるロータリへの影響を最小限に抑制でき、ロータリの回転を一層円滑にできる。
更に、請求項6の発明の画像形成装置によれば、ロータリの駆動手段をロータリがオーバーランするように設定された駆動パターンで制御しているので、ロータリを位置決めする所定位置より必ずオーバーランさせることができる。したがって、ロータリが所定位置に到達すると、ロック部材と被ロック部が係合することにより、ロータリが編荷重を受けていても、このロータリを確実に所定位置に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図である。
【図2】この例の画像形成装置に用いられているロータリ式現像装置を模式的に示す図である。
【図3】図2に示すロータリ式現像装置における現像カートリッジの駆動系を模式的に示す図である。
【図4】図2に示すロータリ式現像装置におけるロータリの駆動系を模式的に示す図である。
【図5】図2に示すロータリ式現像装置におけるロック手段を模式的に示す図である。
【図6】ロック手段の変形例を模式的に示す図である。
【図7】図5に示すロック手段におけるロックレバーを説明する図である。
【図8】図7に示すロック手段の部分拡大図である。
【図9】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の一過程を示す図である。
【図10】現像色切り替え動作時の駆動モータの駆動パターンの一例を示す図である。
【図11】カートリッジ交換動作時の駆動モータの駆動パターンの一例を示す図である。
【図12】カートリッジ交換動作時の駆動モータの目標角と実際のロータリの回転角との関係を示す図である。
【図13】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の他の一過程を示す図である。
【図14】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の更に他の一過程を示す図である。
【図15】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の更に他の一過程を示す図である。
【図16】画像形成動作時における図5に示すロック手段の動作の更に他の一過程を示す図である。
【図17】現像カートリッジ交換動作時における図5に示すロック手段によるロータリの位置決め状態を示す図である。
【図18】本発明の画像形成装置の実施の形態の他の例を示す、図8と同様の部分拡大図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…露光装置、3…ロータリ式現像装置、4…感光体、5…中間転写媒体、6…一次転写装置、7…記録媒体、8…二次転写装置、10…給紙装置、11…定着ユニット、13…ロータリ、14,15,16,17…イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ、14a,15a,16a,17a…現像ローラ、14c,15c,16c,17c…入力歯車、19…現像カートリッジ駆動出力歯車、22…モータ出力歯車、23…ロータリ駆動歯車、24…ロータリ駆動出力歯車、26…電磁クラッチ、27…ロック手段、28,30,32,34…現像位置決め用の凸部、29,31,33,35…交換位置決め用の凸部、36…凹部、36a,36b…側壁、37…支点、38…ロックレバー、39…ロックレバー付勢スプリング、40…ソレノイド、40a…プランジャ、41…ストッパ、42…傾斜部、42a…始点、43…直線部分、45…現像カートリッジ交換用開口部、46…ロータリ
Claims (6)
- 複数の現像ユニットを搭載するロータリを有するロータリ現像方式の現像装置と、前記現像ユニットを選択的に所定位置に設定するために前記ロータリを位置決めしかつこの位置決め位置にロックするロック手段とを備え、
前記ロック手段は、前記ロータリ側に設けられた被ロック部と、画像形成装置本体に移動可能に設けられ、前記被ロック部に係合して前記ロータリをロックするロック位置と前記被ロック部に係合しない退避位置とが設定されているロック部材と、前記ロック部材を前記退避位置の方へ移動する移動手段と、前記ロック部材を前記ロック位置の方へ付勢する付勢手段とからなる画像形成装置において、
前記ロック部材は、前記ロータリの回転で前記被ロック部に係合する前に当接可能な当接部を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 前記移動手段はソレノイドであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記ロック部材は前記ロック位置側に待機位置が設けられているとともに、前記被ロック部に係合する前に前記待機位置に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記ロック部材は前記画像形成装置本体に回動可能に設けられ、かつ凹部を有するロックレバーであり、前記被ロック部は前記ロータリに設けられ、かつ前記ロックレバーに当接可能であるとともに前記凹部が係合可能な凸部であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の画像形成装置。
- 前記凸部の先端が円弧状に形成されており、
前記ロックレバーは前記凸部の円弧状先端が当接可能な傾斜面とされているとともに前記傾斜面の始点が前記ロータリの回転中心を中心とし、前記凸部の先端を通る円の円弧上に形成されており、
前記ロータリの回転で、前記凸部が前記凹部に係合する前に前記傾斜面に当接してこの傾斜面を押圧するようになっていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。 - 前記ロータリの駆動手段は、前記ロータリを前記所定位置に設定する際に、このロータリを前記所定位置よりオーバーランさせるように駆動パターンが設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の画像形成装置。
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