JP2004143694A - ねじれ防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ねじれ防止装置1は、第1の固定端梁2、中間梁4、第2の固定端梁3の順に所定の離間距離を設けて平行に配置され、第1の固定端梁2と中間梁4の両端部、第2の固定端梁3と中間梁4の両端部各々を連結するように対をなす第1の連結材5、対をなす第2の連結材6が、ボルト等の締結手段7を介してピン結合されている。これらねじれ防止装置1は、免震構造物のコア構造部と一般構造部とを連結するように、離間空間に配されて取り付けられるが、平面視形状は、水平面状のあらゆる方向に伸張可能な中間梁4を中心としたシンメトリーな平行四辺形を確保するように配置されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛に構築されたコア構造部と、免震装置に支持されて立設する一般構造部とを備える免震構造物において、コア構造部と一般構造部との間に生じるねじれ変位を制御するねじれ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、防災意識の高まりとともに、免震構造を採用する構造物が増大してきた。当初は、低層で床面積も小さかったが、最近では高層あるいは超高層にも免震構造が適用されており、平面形状も単純な矩形から、次第に複雑なものが増加している。一般に、免震構造は積層ゴムや滑り支承といった免震装置を使用して構造物の長期化を図っているが、免震層の水平剛性を低下させるとねじれ剛性も低下し、風荷重に対して揺れやすくなり、特に高層構造物では居住性に関する大きな問題となっていた。
また、最近では図8に示すように、構造物15の中央部にコア構造部16を構築するとともに、該コア構造部16の頂部に免震装置18を配置し、この上に設置したハットトラス19から居室部17を吊り下げる振り子免震方式の構造物15が構築されている。このような構造では、免震装置18が構造物15の平面中心近傍に配置されているため、ねじれ剛性が小さい構造になっている。このため、長周期化により地震力は大きく低減されるが、風によるねじれが大きくなるといった課題を有していた。
このような中、免震構造を採用した構造物15に対して、コア構造部16と居室部17を連結するように配され、免震構造の水平方向の並進剛性はそのままに、鉛直方向の変位を伴うねじれを制御する制御装置20が考案されている(非特許文献1を参照)。
【0003】
【非特許文献1】
東野雅彦、外1名、「免震用ねじれ制御ダンパーの基礎的検討」、日本建築学会大会学術講演梗概集、2002年8月、p.527−528
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ねじれを制御する制御装置20の構成は煩雑で、装置自身の製作にコストがかかるとともに、構造物15に生じるねじれ変形を十分許容できる程度に制御できるまでには至っておらず、簡略な構成で、制御効率の良いねじれ変形を防止する合理的な方法が求められている。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、簡略な構成で制御効率の良く、剛に構築されたコア構造部と、免震装置に支持されて立設する一般構造部とを備える構造物の、ねじれ変形を制御するねじれ防止装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のねじれ防止装置は、地盤上に剛に構築されたコア構造部と、該コア構造部と所定の離間空間を挟んで隣り合うように構築され、免震装置に支持されて立設する一般構造部とを備える免震構造物の、前記離間空間に配され、コア構造部と一般構造部とを連結するねじれ防止装置であって、前記コア構造部を構成する床スラブの端辺近傍で、長さ方向を該端辺に沿わせて配されて固着される第1の固定端梁と、該第1の固定端梁に対して平行に配されるとともに、前記一般構造部の床スラブの端辺近傍に固着される第2の固定端梁と、該第2の固定端梁及び第1の固定端梁に挟まれる中間位置で、両者と平行に配される中間梁と、該中間梁と前記第1の固定端梁、及び中間梁と前記第2の固定端梁の各々の両端部どうしを連結するように配されて、ピン結合される対をなす第1の連結材、及び対をなす第2の連結材とにより構成され、前記第1の固定端梁、第2の固定端梁及び中間梁が、同一の形状及び同一の部材長を有する剛性に優れた棒状部材により構成されるとともに、第1の連結材どうし、及び第2の連結材どうしも、各々同一の形状及び同一の部材長を有する剛性に優れた棒状部材により構成されて、隣り合う第1の連結材及び第2の連結材が、連続する同一線分を形成することなく配置されることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載のねじれ防止装置は、前記第1の固定端梁、第2の固定端梁、中間梁、対をなす第1の連結材、及び対をなす第2の連結材が、何れも上下フランジ及びウェブを備えたH形鋼により構成され、何れも前記ウェブが、鉛直軸と同軸となるように配置されるとともに、対をなす第1の連結材と第1の固定端梁及び中間梁、対をなす第2の連結材と第2の固定端梁及び中間梁は、何れも上下フランジ各々でピン結合されることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載のねじれ防止装置は、前記中間梁の上面には、長さ方向に移動自在な突部が設けられるとともに、剛性に優れた板材よりなる補強部材が、前記中間梁と交差し、第1の固定端梁、第2の固定端梁の隣り合う端部どうしを連結するように配されて、第1の連結材及び第2の連結材とともにピン接合されており、該補強部材が、長さを伸縮自在に構成されるとともに、長さ方向にスリットを設けられて、該補強部材のスリットに、前記中間梁の突部が嵌合されて、スリットの長さ方向に自在に移動することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のねじれ防止装置を図1から図7に示す。本発明のねじれ防止装置は、水平方向には自在に変形するものの、鉛直方向には剛に形成されており、剛に構築されたコア構造部と、免震装置に支持された一般構造部とを備える構造物の、免震クリアランスとして設けられた離間空間に配置して、両者を連結することにより、一般構造部の水平方向の並進挙動は自由にするものの相対回転を制御し、コア構造部に対する一般構造部のねじれを抑制するものである。
【0010】
図1に示すように、該ねじれ防止装置1は、第1の固定端梁2、第2の固定端梁3、中間梁4、対をなす第1の連結材5、対をなす第2の連結材6により構成されている。第1の固定端梁2、第2の固定端梁3及び中間梁4は、鉄骨材や中空にコンクリートを充填した充填鋼管コンクリート等、剛性に優れた棒状の部材が用いられており、何れも同一の部材長を有している。また、前記対をなす第1の連結材5、及び対をなす第2の連結材6も同様に、剛性に優れた棒状の部材が用いられており、各々で同一の部材長を有している。
これらは、第1の固定端梁2、中間梁4、第2の固定端梁3の順に、所定の離間距離を設けて平行に配置されて、第1の固定端梁2と中間梁4の両端部どうしを連結するように対をなす第1の連結材5が配されて、ボルト等の締結手段7を介してピン結合されている。一方、第2の固定端梁3と中間梁4の両端部どうしにも、これらを連結するように対をなす第2の連結材6が配されて、ボルト等の締結手段7を介してピン結合されている。
【0011】
なお、図2に示すように、本実施の形態では、第1の固定端梁2、第2の固定端梁3、中間梁4、対をなす第1の連結材5及び対をなす第2の連結材6に、一般に建材として用いられているH形鋼を用いており、何れもウェブが鉛直軸と平行となるように配されている。また、H形鋼を用いた場合には、対をなす第1の連結材5及び対をなす第2の連結材6と、第1の固定端梁2、第2の固定端梁3及び中間梁4との連結は、各々上フランジどうし、及び下フランジどうしが、端部を重ね合わされた状態でボルト等の締結手段7が貫通されて締結されることによりピン結合される構成となっている。このとき、重なり合う上フランジどうし、及び下フランジどうしの間には、滑り材8を配しておき、ピン結合部が水平方向に回転しやすい構成としておく。
【0012】
このようなねじれ防止装置1は、平面視で中間梁4を共有する2組の平行四辺形が形成されることとなるが、先にも述べたように、前記対をなす第1の連結材5及び対をなす第2の連結材6は、何れも第1の固定端梁2、第2の固定端梁3、及び中間梁4に対してピン結合されている。したがって、ねじれ防止装置1に水平方向の外力が加わると、2組形成された平行四辺形各々の内角が変位し、図1に示すように、第1の固定端梁2、第2の固定端梁3及び中間梁4を平行としたまま、様々な大きさの2組の平行四辺形が隣接して形成されることとなる。なお、鉛直方向には剛に構成されているため、外力を与えられた場合にも相対回転することはない。
【0013】
上述する構成のねじれ防止装置1を免震構造物11に用いた場合の、ねじれ防止装置1の配置条件及びその機能を以下に詳述する。
【0014】
図3に示すように、前記免震構造物11は、地盤中に構築された図示しない基礎構造に剛に構築されたコア構造部12と、図示しない免震装置に支持されて立設する一般構築部13とにより構成されている。これらは、免震構造物11の中央部に平面視四角形上のコア構造部12が構築され、該コア構造部12を囲うように一般構築部13が構築されており、コア構造部12と一般構築部13とは、向かい合う側壁面12a、13aを平行に構築されている。また、両者の間には、地震時に免震装置に支持された一般構築部13が水平挙動を示すことを考慮し、離間空間14、いわゆる免震クリアランスが設けられている。
このような免震構造物11に備えられた離間空間14には、前記ねじれ防止装置1が配置されている。本実施の形態では、前記コア構造部12と一般構築部13の向かい合うすべての側壁面12a、13aに、前記ねじれ防止装置1が配置されているが、必ずしもすべての面に配置する必要はない。
【0015】
図4に示すように、該ねじれ防止装置1は、先に述べたように、ウェブが鉛直軸と平行となるように配されており、第1の固定端梁2が、長さ方向をコア構造部12の側壁面12a、つまり床スラブ12bの端辺に平行に配置されて、第1の固定端梁2の上フランジと床スラブ12bの下面が一体となるように固着されている。一方、第2の固定端梁3も、長さ方向を一般構造部13の側壁面13a、つまり床スラブ13bの端辺に平行に配置されて、第2の固定端梁3の上フランジと床スラブ13bの下面が一体となるように固着されている。
なお、第1の固定端梁2、及び第2の固定端梁3の上フランジの上面には、スタッド2a、3aが所定の離間間隔を持って複数配置されており、床スラブ12b及び床スラブ13bとの接合強度を高めている。
【0016】
このように、ねじれ防止装置1は、前記免震構造物11の離間空間14に配されて、コア構造部12と一般構造部13とを連結するように取り付けられているが、その平面視形状は、少なくとも通常時において、水平面状のあらゆる方向に伸張可能な、前記中間梁4を中心としてシンメトリーな平行四辺形が形成された状態を確保するように配置している。これは、地震等が生じた際に、免震装置に支持された前記一般構造部13が、水平面上のあらゆる方向に変位することを考慮し、このような水平方向の何れの挙動にも追従することを目的としたものである。
なお、隣り合う2組の平行四辺形は、例えば、同形状の平行四辺形もしくは長方形が2組隣接するような、隣り合う第1の連結材5と第2の連結材6が、連続する同一直線上に位置し、水平面上の何れかの方向に最も伸張した形状となっていなければ、必ずしもシンメトリーを形成している必要はない。
【0017】
上述するように、前記免震構造物11に設置されたねじれ防止装置1は、通常時には、図5(a)に示すように、前記中間梁4を中心としてシンメトリーな平行四辺形が形成された状態を維持しているが、地震等が発生して、一般構造部13が離間空間14の幅方向で外方へ水平移動すると、図5(b)に示すように平面視形状が略長方形となって伸張する。また、一般構造部13が離間空間14の長さ方向に移動すると、図5(c)に示すように、ねじれ防止装置1も挙動に応じて変形し、ねじれ防止装置1全体の長さを伸張するものである。
つまり、ねじれ防止装置1は、免震構造物11を構成する一般構造部13の水平挙動に対し、水平面上の如何なる方向にもその平面視形状を変形することで追従する。
【0018】
なお、本実施の形態では、ねじれ防止装置1を構成する第1の固定端梁2、第2の固定端梁3、中間梁4、対をなす第1の連結材5、対をなす第2の連結材6には、直線部材を用いているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、適用する免震構造物11が、例えば、コア構造部12の側壁面12aが曲面を有しており、該コア構造部12に隣接する一般構造部13の側壁面13aもこれと平行する曲面を有している場合には、第1の固定端梁2をコア構造部12の側壁面12a、つまり床スラブ12bの端辺に平行に配置できるような曲線に成形し、これに伴い第2の固定端梁3、中間梁4も同一形状の曲線に成形すればよい。
また、コア構造部12の床スラブ12b及び一般構造部13の床スラブ13bの耐力と剛性が十分ある場合には、第1の固定端梁2及び第2の固定端梁3を省略し、第1の連結材5及び第2の連結材6を直接床スラブ12b、13bにピン接合することもできる。
【0019】
また、前記免震構造物11の一般構造部13の水平挙動に追従して変形するねじれ防止装置1の最適形状は、図6を参照して、以下のように求められる。
まず、ねじれ防止装置1を構成する第1の連結材5、及び第2の連結部材6には、同一の部材を用いるものと仮定し、部材長をaとする。このとき、前記ねじれ防止装置1における第1の固定端梁2の一方の端部2bの可動範囲Aは、第2の固定端梁3の一方の端部3bを中心点とした、2aを半径とする半円から、中間梁4がコア構造部12の側壁面と合致した時点における、中間梁4の一方の端部4aを中心とした半径aの半円を除いた領域として表現することができる。
一方で、一般構造部13の変位量をxとすると、第1の固定端梁2の一方の端部2bの移動範囲Bは、半径をxとする円で表すことができる。
したがって、一般構造部13の変位量xを最大とするのは、中間梁4の一方の端部4aを中心とした半径aの半円と、一般構造部13の変位量をxとした際の第1の固定端梁2の一方の端部2bの移動範囲Bの円が接する場合であることがわかる。これらが接点を有する条件は、(1)式で算出することができる。
【0020】
(a+x)2 =a2+(2a−x)2 ・・・・・・・・(1)
a:第1の連結材5及び第2の連結部材6の部材長
x:一般構造部13の変位量
【0021】
(1)式を解くと、変位量xに対応するための第1の連結材5及び第2の連結部材6の部材長aは、3/2x以上であれば良いことがわかる。
ところで、一般構造部13の変位量xにおいて、一般構造部13とコア構造部12との距離Lは、(2)式で表すことができる。
【0022】
L =2a−x ・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0023】
したがって、(1)式の結果よりxに2/3aを代入すれば、一般構造部13とコア構造部12との距離Lは、4/3aとなる。これにより、第1の連結材5及び第2の連結部材6は、前記一般構造部13の側壁面13aの直交線に対して、(3)式を満足する角度、すなわち約48°の角度をもった平行四辺形を形成すれば良いことがわかる。
【0024】
cosθ =(2/3a)/a = 2/3 ・・・・・(3)
【0025】
さらに、上述するねじれ防止装置1について、中間梁4の鉛直方向の変形を拘束することを目的とした構成を有する他の事例を以下に示す。
図7に示すように、中間梁4に交差するとともに、第1の固定端梁2と第2の固定端梁3の端部どうしを連結する位置には、補強部材9が配されており、第1の連結材5及び第2の連結材6とともに、第1の固定端梁2と第2の固定端梁3の端部に、ボルト等の締結手段7を介して回転自在にピン結合されている。該補強部材9は、剛性に優れた板材によりなり、長さを自在に伸縮できる構成を有するとともに、長さ方向に伸びるスリット9aが設けられている。したがって、補強部材9は、第1の固定端梁2及び第2の固定端梁3とのピン結合により配置角度を自在に変位できるとともに、部材長も伸縮自在であるため、ねじれ防止装置1の水平方向の変形を拘束することはない。
一方で、中間梁4には、長さ方向にスライドするボタン10を取り付けられており、該ボタン10は前記補強部材9のスリット9aに嵌合されている。
【0026】
これにより、中間梁4は、ボタン10を介して補強部材9に接合されるものの、ボタン10が、中間梁4及び補強部材9の何れの長さ方向にも自在に移動するため、ねじれ防止装置1自身の水平方向の変形を拘束することなく、鉛直方向の強度を増し、面外移動を抑制できるものである。
【0027】
上述する構成によれば、剛に構築されたコア構造部12と、免震装置に支持された一般構造部13を備える免震構造物11に、内角を自在に変形できる2つの平面視平行四辺形が隣接する構成の前記ねじれ防止装置1を適用し、コア構造部12と一般構造部13とを連結したことから、地震等が生じた際にも、一般構造部13の水平方向の相対変形は自在とすることができるものの、相対回転を抑制することができ、一般構造部13のコア構造部12に対するねじれ変形を防止することが可能となる。
前記ねじれ防止装置1は、複数の鋼材をボルト等の締結手段により連結するのみの構成であるため、簡略な構成で変形ロスが少ないとともに、低コストで製作することが可能となる。
【0028】
また、ねじれ防止装置1に用いる鋼材にはH形鋼を適用し、ウェブを鉛直軸と平行とするように配置したことから、鉛直方向の部材強度が増し、水平方向には容易に変形するものの、鉛直方向の変形を抑制することが可能となる。
【0029】
さらに、上述するねじれ防止装置1に対し、新たに第1の固定端梁2と第2の固定端梁3を連結するものの、一般構造部13の水平方向の変形に追従できる補強部材9を取り付け、該補強部材9と中間梁4とを、両者の長さ方向に自在に移動できるボタン10を用いて連結することから、ねじれ防止装置1自身の水平方向の変形を拘束することなく、面外方向の強度を増すことができるため、ねじれ防止装置1の効果を一層高めることができるとともに、剛性の小さいローコストな部材を用いることもでき、コンパクト化、低コスト化を図ることが可能となる。
【0030】
また、前記ねじれ防止装置1を、免震構造物11に備えられた離間空間14で、前記コア構造部12と一般構築部13の向かい合うすべての側壁面12a、13aに配置することにより、ねじりを抑制する力を分散させて作用させることができ、1個あたりの作用力を低減させて、ねじれ防止装置1のコンパクト化、低コスト化を図ることが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載のねじれ防止装置によれば、地盤上に剛に構築されたコア構造部と、該コア構造部と所定の離間空間を挟んで隣り合うように構築され、免震装置に支持されて立設する一般構造部とを備える免震構造物の、前記離間空間に配され、コア構造部と一般構造部とを連結するねじれ防止装置であって、前記コア構造部を構成する床スラブの端辺近傍で、長さ方向を該端辺に沿わせて配されて固着される第1の固定端梁と、該第1の固定端梁に対して平行に配されるとともに、前記一般構造部の床スラブの端辺近傍に固着される第2の固定端梁と、該第2の固定端梁及び第1の固定端梁に挟まれる中間位置で、両者と平行に配される中間梁と、該中間梁と前記第1の固定端梁、及び中間梁と前記第2の固定端梁の各々の両端部どうしを連結するように配されて、ピン結合される対をなす第1の連結材、及び対をなす第2の連結材とにより構成され、前記第1の固定端梁、第2の固定端梁及び中間梁が、同一の形状及び同一の部材長を有する剛性に優れた棒状部材により構成されるとともに、第1の連結材どうし、及び第2の連結材どうしも、各々同一の形状及び同一の部材長を有する剛性に優れた棒状部材により構成されて、隣り合う第1の連結材及び第2の連結材が、連続する同一線分を形成することなく配置されることから、地震等が生じた際にも、一般構造部の水平方向の相対変形は自在とすることができるものの、相対回転を抑制することができ、一般構造部のコア構造部に対するねじれ変形を防止することが可能となる。
また、前記ねじれ防止装置が、複数の鋼材をボルト等の締結手段により連結するのみの構成であるため、簡略な構成で変形ロスが少ないとともに、低コストで製作することが可能となる。
【0032】
請求項2記載のねじれ防止装置によれば、前記第1の固定端梁、第2の固定端梁、中間梁、対をなす第1の連結材、及び対をなす第2の連結材が、何れも上下フランジ及びウェブを備えたH形鋼により構成され、何れも前記ウェブが、鉛直軸と同軸となるように配置されるとともに、対をなす第1の連結材と第1の固定端梁及び中間梁、対をなす第2の連結材と第2の固定端梁及び中間梁は、何れも上下フランジ各々でピン結合されることから、鉛直方向の部材強度が増し、水平方向には容易に変形するものの、鉛直方向の変形を抑制することが可能となる。
【0033】
請求項3記載のねじれ防止装置によれば、前記中間梁の上面には、長さ方向に移動自在な突部が設けられるとともに、剛性に優れた板材よりなる補強部材が、前記中間梁と交差し、第1の固定端梁、第2の固定端梁の隣り合う端部どうしを連結するように配されて、第1の連結材及び第2の連結材とともにピン接合されており、該補強部材が、長さを伸縮自在に構成されるとともに、長さ方向にスリットを設けられて、該補強部材のスリットに、前記中間梁の突部が嵌合されて、スリットの長さ方向に自在に移動することから、面外方向の強度を増すことができるため、ねじれ防止装置の効果を一層高めることができるとともに、剛性の小さいローコストな部材を用いることもでき、コンパクト化、低コスト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るねじれ防止装置の平面を示す図である。
【図2】本発明に係るねじれ防止装置の側面を示す図である。
【図3】本発明に係る免震高層物の平面を示す図である。
【図4】本発明に係るねじれ防止装置の免震構造物への設置を示す図である。
【図5】本発明に係るねじれ防止装置の平面視形状を示す図である。
【図6】本発明に係るねじれ防止装置の水平方向の挙動を示す図である。
【図7】本発明に係るねじれ防止装置の他の事例を示す図である。
【図8】従来のねじれ防止装置が取り付けられた免震構造物を示す図である。
【符号の説明】
1 ねじれ防止装置
2 第1の固定端梁
2a スタッド
2b 端部
3 第2の固定端梁
3a スタッド
3b 端部
4 中間梁
4a端部
5 第1の連結材
6 第2の連結材
7 締結手段
8 滑り材
9 補強部材
9a スリット
10 ボタン
11 免震構造物
12 コア構造部
12a 側壁面
12b 床スラブ
13 一般構造部
13a 側壁面
13b 床スラブ
14 離間空間
15 構造物
16 コア構造部
17 居室部
18 免震装置
19 ハットトラス
20 制御装置
Claims (3)
- 地盤上に剛に構築されたコア構造部と、該コア構造部と所定の離間空間を挟んで隣り合うように構築され、免震装置に支持されて立設する一般構造部とを備える免震構造物の、前記離間空間に配され、コア構造部と一般構造部とを連結するねじれ防止装置であって、
前記コア構造部を構成する床スラブの端辺近傍で、長さ方向を該端辺に沿わせて配されて固着される第1の固定端梁と、
該第1の固定端梁に対して平行に配されるとともに、前記一般構造部の床スラブの端辺近傍に固着される第2の固定端梁と、
該第2の固定端梁及び第1の固定端梁に挟まれる中間位置で、両者と平行に配される中間梁と、
該中間梁と前記第1の固定端梁、及び中間梁と前記第2の固定端梁の各々の両端部どうしを連結するように配されて、ピン結合される対をなす第1の連結材、及び対をなす第2の連結材とにより構成され、
前記第1の固定端梁、第2の固定端梁及び中間梁が、同一の形状及び同一の部材長を有する剛性に優れた棒状部材により構成されるとともに、第1の連結材どうし、及び第2の連結材どうしも、各々同一の形状及び同一の部材長を有する剛性に優れた棒状部材により構成されて、
隣り合う第1の連結材及び第2の連結材が、連続する同一線分を形成することなく配置されることを特徴とするねじれ防止装置。 - 請求項1に記載のねじれ防止装置において、
前記第1の固定端梁、第2の固定端梁、中間梁、対をなす第1の連結材、及び対をなす第2の連結材が、何れも上下フランジ及びウェブを備えたH形鋼により構成され、
何れも前記ウェブが、鉛直軸と同軸となるように配置されるとともに、
対をなす第1の連結材と第1の固定端梁及び中間梁、対をなす第2の連結材と第2の固定端梁及び中間梁は、何れも上下フランジ各々でピン結合されることを特徴とするねじれ防止装置。 - 請求項1または2に記載のねじれ防止装置において、
前記中間梁の上面には、長さ方向に移動自在な突部が設けられるとともに、
剛性に優れた板材よりなる補強部材が、前記中間梁と交差し、第1の固定端梁、第2の固定端梁の隣り合う端部どうしを連結するように配されて、第1の連結材及び第2の連結材とともにピン接合されており、
該補強部材が、長さを伸縮自在に構成されるとともに、長さ方向にスリットを設けられて、
該補強部材のスリットに、前記中間梁の突部が嵌合されて、スリットの長さ方向に自在に移動することを特徴とするねじれ防止装置。
Priority Applications (1)
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