JP2004141715A - 空気乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着筒容量が小さく、配管長を短縮できるコンパクトな空気乾燥装置を提供すること。
【解決手段】吸着状態の吸着筒7Aに、乾燥対象空気を吸着筒7Aの上部から下部に向けて流通させたことにより、従来の下部から上部に空気を流通させた場合に比べ、吸着剤の破過時間が1.3倍となり、その分、吸着筒7Aの容量を小形化できる。
また、吸着状態の吸着筒7Aには吸着対象の空気を上部から下部に向けて流通させ、再生対象となった吸着筒7Bには、再生用空気を下部から上部に向けて流通させるようにすれば、吸着筒周辺に設置される関連機器との配管長を短縮でき、設備全体の簡素化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸着状態の吸着筒7Aに、乾燥対象空気を吸着筒7Aの上部から下部に向けて流通させたことにより、従来の下部から上部に空気を流通させた場合に比べ、吸着剤の破過時間が1.3倍となり、その分、吸着筒7Aの容量を小形化できる。
また、吸着状態の吸着筒7Aには吸着対象の空気を上部から下部に向けて流通させ、再生対象となった吸着筒7Bには、再生用空気を下部から上部に向けて流通させるようにすれば、吸着筒周辺に設置される関連機器との配管長を短縮でき、設備全体の簡素化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は上水,下水の高度水処理及びパルプ工場の廃液処理等に用いられるオゾン発生装置の原料空気等の乾燥に使用される空気乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上水,下水,産業廃液の高度処理に使用されるオゾン発生装置では、オゾン生成原料である空気を低温で乾燥し、露点―40〜―60℃にしてオゾン発生器に送入する必要がある。そのため、オゾン発生装置に空気冷却乾燥装置が組みこまれている場合が多い。
【0003】
このような空気冷却乾燥装置としては、一対の吸着筒を設け、一方の吸着筒に原料空気を流通させて水分を吸着させるとともに、他方の、既に吸着済みの吸着筒に、加熱した乾燥空気を流通させて再生を行い、吸着筒再生に伴う設備の停止時間をなくすようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図2に上述のような従来の空気冷却乾燥装置の構成を示す。図2において、ブロワ1により圧縮され、高温となった乾燥対象空気は、冷却器2で冷やされ、さらに、冷凍式乾燥機3で加圧下露点5℃程度まで下げられる。冷凍式乾燥機3には流出管4が接続されており、この流出管4は、切替弁5Aの一方の通路5Aa及び配管6Aを介して吸着筒7Aの下部に連結すると共に、切替弁5Aの他方の通路5Abと配管6Bとを介して吸着筒7Bの下部にも連結している。
【0005】
この一対の吸着筒7Aおよび7B内には、シリカゲルまたは活性アルミナゲルなどからなる吸着剤が充填されている。
【0006】
両吸着筒7A,7Bの上部には、切替弁5Bが設置されている。吸着筒7Aから送出され、切替弁5Bの一方の通路5Baを通った空気は配管9を通って、オゾン発生器10に送入される。配管9の途中には、開閉弁12及び加熱器13を有する戻り配管11が分岐接続されている。このため、吸着筒7Aで水分が吸着され乾燥された乾燥空気は、オゾン発生器10に送入されるとともに、その一部は加熱器13により過熱され、戻り配管11を通って切替弁5Bの他方の通路から吸着筒7Bに導入される。ここで、吸着筒7Bは吸着剤再生の状態になっている。
【0007】
このように、吸着筒7Aは、オゾン発生器10にその原料となる乾燥空気を送出する吸着状態であり、吸着筒7Bは吸着済みの再生対象となっている。
【0008】
したがって、吸着筒7A導入された空気は、吸着剤によって水分を吸着され、吸着筒7Aを出た乾燥空気は切替弁5Bの一方の通路(実線)5Baを通って、配管9からオゾン発生器10へ送入される。このとき、空気の一部は配管9から開状態となっている開閉弁12を通って加熱器13へ導入され、ここで、加熱された後、切替弁5Bの他方の通路(実線)5Bbから吸着筒7Bの上部へ導入される。吸着筒7Bへ導入された高温乾燥空気は、上部から下部に流通する際、吸着剤を加熱して高温乾燥させ、再生する。吸着剤を再生させ、高湿となった空気は、切替弁5Aの他方の通路5Abから放出配管14を通って機外へ放出される。
【0009】
このように、吸着剤の交換周期を長期に保つために、一方の吸着筒7Aの吸着剤は空気を除湿して超乾燥空気を生じさせ、同時に他方の吸着筒7Bでは、その吸着剤が高温乾燥空気で再生される。
【0010】
したがって、吸着筒は乾燥する必要空気量の2倍設置する必要があるため、これらは装置設置面積の1/3を占有している。
【0011】
また、吸着筒7Aの前段にある冷凍式乾燥機3の空気出口は、装置の上面に設けられている。このため、吸着筒7Aの吸着時における空気の流れ方向が、上述のように下→上であると、配管を一度立ち上げた後に再度配管を下げなければならず配管長が長くなる。一方、吸着剤再生時の状態である吸着筒7Bの空気の流れ方向は上→下であり、この吸着筒7Bの後段にある加熱器13の加熱空気出口は下部であるため、加熱器13からの配管を立ち上げて、吸着筒7Bの上部まで配管しなければならない。
【0012】
このように、吸着筒7A,7Bとそれらの前後に位置する機器との配管取り合い位置が逆の関係になり、その結果、配管構造が複雑化するとともに、配管長が長くなり、省スペース化の妨げになっていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−286427号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気乾燥装置では処理空気量の増加に伴い、吸着筒の装置内占有率が増加し、装置全体が大型化する。さらに、吸着筒前後の機器の取り合い位置が上下することにより、配管ルートが複雑になるという課題があった。
【0015】
本発明の目的は、吸着筒容量が小さく、配管長を短縮したコンパクトな空気乾燥装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による空気乾燥装置は 吸着剤が充填された吸着筒の上部から下部に向って乾燥対象空気を流通させ、乾燥対象空気中の水分を吸着することを特徴とする。
【0017】
また、本発明による空気乾燥装置では、吸着剤が充填された第1の吸着筒と、吸着剤が充填され、吸着済みの再生対象となった第2の吸着筒と、前記第1の吸着筒の上部から下部に向って乾燥対象空気を流通させる吸着用配管系と、空気加熱器を有し、前記第1の吸着筒から送出された乾燥空気の一部を加熱し、この加熱乾燥空気を第2の吸着筒の下部から上部に向って流通させる再生用配管系とを備えた構成でもよい。
【0018】
これらの発明では、吸着状態の吸着筒に、乾燥対象空気を吸着筒の上部から下部に向けて流通させたことにより、従来の下部から上部に空気を流通させた場合に比べ、吸着剤の破過時間が1.3倍となり、その分、吸着筒の容量を小形化できる。
【0019】
また、吸着状態の吸着筒には吸着対象の空気を上部から下部に向けて流通させ、再生対象となった吸着筒には、再生用空気を下部から上部に向けて流通させるようにすれば、吸着筒周辺に設置される関連機器との配管長を短縮でき、設備全体の簡素化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による空気乾燥装置の一実施の形態を図面を参照して、詳細に説明する。
【0021】
この空気乾燥装置も、一対の吸着筒7A,7Bを有する。この吸着筒7A,7B内にはシリカゲルやアルミナゲル等の吸着剤が充填されている。また、その上下には、配管6A,8A及び6B、8Bがそれぞれ連結されている。そして、上部配管6A、6Bは一方の切替弁5Aに連結し、下部配管8A,8Bは他方の切替弁5Bに連結している。
【0022】
ここで、一方の吸着筒7Aは、乾燥対象空気の水分を吸着する吸着状態にあり、他方の吸着筒7Bは吸着済みの再生対象となっているものとする。このため、吸着筒7Aの上部配管6Aは、切替弁5Aの一方の通路5Aaを経て、空気供給源の流出管4に連通している。空気供給源は従来と同様にブロワ1、冷却器2、冷凍式乾燥機3からなる。また、吸着筒7Aの下部配管8Aは、切替弁5Bの一方の通路5Baを経て配管9に連通し、オゾン発生器10に乾燥空気を供給する。
【0023】
他方の吸着筒7Bの上部配管6Bは、切替弁5Aの他方の通路5Abを経て外部への放出配管14に連通している。また、下部配管8Bは、切替弁5Bの他方の通路5Bbを経て、前記配管9から分岐された、開閉弁12及び加熱器13を有する戻り配管11と連通している。
【0024】
上記構成において、ブロワ1により圧縮され、130℃まで加熱された乾燥対象空気は、冷却器2で35℃程度まで冷やされ、さらに、冷凍式乾燥機3で加圧下露点5℃程度まで下げられる。冷凍式乾燥機3を経た空気は流出管4から、切替弁5Aの一方の通路5Aa及び上部配管6Aを介して吸着筒7Aの上部に供給され、吸着筒7A内を上部から下部に向って流通する。このとき、空気中の水分は吸着剤に吸着され、乾燥空気となる。
【0025】
なお、水分を吸着する際には吸着熱が生じるので、その分だけ空気の温度は上昇し、約15℃程度で露点―60℃以下の超乾燥空気となる。この15℃の温度は吸着時間中持続される。
【0026】
このようにして生成された超乾燥空気は、吸着筒7Aの下部から、下部配管8Aを通り、さらに、切替弁5Bの一方の通路(実線)5Baを通って、配管9からオゾン発生器10へ送入される。
【0027】
したがって、吸着筒7Aに対する吸着用配管系は、流出管4、切替弁5Aの一方の通路5Aa、上部配管6A、下部配管8A、切替弁5Bの一方の通路5Ba、配管9によって構成される。
【0028】
また、この超乾燥空気の一部は、配管9から開状態となっている開閉弁12を通って加熱器13へ導入され、ここで、加熱された後、切替弁5Bの他方の通路(実線)5Bbから下部配管8Bを通り、吸着筒7Bの下部に導入される。吸着筒7Bへ導入された高温乾燥空気は、下部から上部に向って流通し、吸着剤を加熱して高温乾燥させ、再生する。
【0029】
このとき、再生用の加熱空気は、先ず吸着筒7B内の下部に位置する吸着剤から加熱再生する。この加熱再生によって生じた蒸気は、再生用空気とともに吸着筒7B内を上昇するので、下部に位置する再生済みの吸着剤に触れることは無く、効率的に吸着剤を加熱再生することができる。
【0030】
吸着剤を再生させ、高湿となった空気は、上部配管6Bを通り、切替弁5Aの他方の通路5Ab及び放出配管14を通って機外へ放出される。
【0031】
したがって、吸着筒7Bに対する再生用配管系は、開閉弁12及び加熱器13を有する戻り管11、切替弁5Bの他方の通路5Bb、下部配管8B、上部配管6B、切替弁5Aの他方の通路5Ab、放出配管14によって構成される。
このときの、吸着筒7A内の空気の流れ方向は、前述のように、上→下となる。一方、吸着剤再生時の状態である吸着筒7Bの空気の流れ方向も、前述のように、下→上となる。このように、吸着筒7A、7Bにおける空気の流れ方向を従来と逆(吸着時:上→下,再生時:下→上)にした場合、吸着剤の破過時間は長くなり吸着性能は向上する。出願人による実験では、定格風量312.5m3/h(normal),再生風量62.5m3/h(normal)の場合、吸着剤の破過時間(破過時間:露点がー60℃以上になるまでの時間)は、従来に比べ1.3倍長くなることが確認された。
吸着剤に対する再生時における空気の流れが、再生対象となる吸着筒7Bに対して下→上に流れるので、上部の吸着剤の乾燥度は、逆方向(従来の上→下)に比べて高くなる。すなわち、再生時に温度測定すると、吸着筒の上部が100℃以上となる時間が長くなることが判明し、このため、上部における吸着剤の乾燥度が高くなる。したがって、次の吸着時に、空気が上から下に流れることにより吸着効率が向上し、吸着剤の破過時間も上述のように長くなる。
【0032】
上記吸着筒7A,7Bにおける空気の流れ方向を従来と逆(吸着時:上→下,再生時:下→上)にした場合の、従来との吸着性能の比較結果を下表に示す。比較時の定格風量は、前述のように312.5m3/h(normal)、同じく再生風量も62.5m3/h(normal)である。
【表1】
このように、吸着筒7A,7Bにおける空気の流れを従来と逆にすることによって、吸着性能が向上し、吸着筒7A、7Bの吸着剤の量を少なくすることができる。
【0033】
なお、吸着筒7Bが吸着状態、吸着筒7Aが再生対象となった場合は切替弁5A,5Bを図示破線側に切り替えればよい。
【0034】
また、従来の空気冷却乾燥方式では、吸着筒7A,7Bと、その前後の機器との配管の取り合い位置が上下するために、配管長が長くなっていたが、上記実施の形態では、吸着筒7A,7Bと、その前後に位置する各機器との配管の取り合いを、上下で一致させたので、配管構成が簡素化され配管長も短縮化される。例えば、前段の冷凍式乾燥機3からの圧縮空気(装置上部の出口)を、吸着状態にある吸着筒7Aの上部から入れるようにする。また、後段の加熱器13の出口(装置下部)からの配管を吸着筒7Bの下部に配管する。これらによって、配管構成が簡素化され配管長も短縮化される。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、吸着剤量を軽減でき、装置全体の省スペースが図れ、安定した低露点の空気を提供することができる。また、吸着筒前後の機器との配管の取り合いをあわせたので、配管構成を簡素化し、配管長を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気乾燥装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】従来装置の構成図である。
【符号の説明】
1 ブロワ
2 冷却器
3 冷凍乾燥機
4,5Aa,6A,8A、5Ba、9 吸着用配管系
11,5Bb、8B、6B、5Ab、14 再生用配管系
7A,7B 吸着筒
13 加熱器
【発明の属する技術分野】
本発明は上水,下水の高度水処理及びパルプ工場の廃液処理等に用いられるオゾン発生装置の原料空気等の乾燥に使用される空気乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上水,下水,産業廃液の高度処理に使用されるオゾン発生装置では、オゾン生成原料である空気を低温で乾燥し、露点―40〜―60℃にしてオゾン発生器に送入する必要がある。そのため、オゾン発生装置に空気冷却乾燥装置が組みこまれている場合が多い。
【0003】
このような空気冷却乾燥装置としては、一対の吸着筒を設け、一方の吸着筒に原料空気を流通させて水分を吸着させるとともに、他方の、既に吸着済みの吸着筒に、加熱した乾燥空気を流通させて再生を行い、吸着筒再生に伴う設備の停止時間をなくすようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図2に上述のような従来の空気冷却乾燥装置の構成を示す。図2において、ブロワ1により圧縮され、高温となった乾燥対象空気は、冷却器2で冷やされ、さらに、冷凍式乾燥機3で加圧下露点5℃程度まで下げられる。冷凍式乾燥機3には流出管4が接続されており、この流出管4は、切替弁5Aの一方の通路5Aa及び配管6Aを介して吸着筒7Aの下部に連結すると共に、切替弁5Aの他方の通路5Abと配管6Bとを介して吸着筒7Bの下部にも連結している。
【0005】
この一対の吸着筒7Aおよび7B内には、シリカゲルまたは活性アルミナゲルなどからなる吸着剤が充填されている。
【0006】
両吸着筒7A,7Bの上部には、切替弁5Bが設置されている。吸着筒7Aから送出され、切替弁5Bの一方の通路5Baを通った空気は配管9を通って、オゾン発生器10に送入される。配管9の途中には、開閉弁12及び加熱器13を有する戻り配管11が分岐接続されている。このため、吸着筒7Aで水分が吸着され乾燥された乾燥空気は、オゾン発生器10に送入されるとともに、その一部は加熱器13により過熱され、戻り配管11を通って切替弁5Bの他方の通路から吸着筒7Bに導入される。ここで、吸着筒7Bは吸着剤再生の状態になっている。
【0007】
このように、吸着筒7Aは、オゾン発生器10にその原料となる乾燥空気を送出する吸着状態であり、吸着筒7Bは吸着済みの再生対象となっている。
【0008】
したがって、吸着筒7A導入された空気は、吸着剤によって水分を吸着され、吸着筒7Aを出た乾燥空気は切替弁5Bの一方の通路(実線)5Baを通って、配管9からオゾン発生器10へ送入される。このとき、空気の一部は配管9から開状態となっている開閉弁12を通って加熱器13へ導入され、ここで、加熱された後、切替弁5Bの他方の通路(実線)5Bbから吸着筒7Bの上部へ導入される。吸着筒7Bへ導入された高温乾燥空気は、上部から下部に流通する際、吸着剤を加熱して高温乾燥させ、再生する。吸着剤を再生させ、高湿となった空気は、切替弁5Aの他方の通路5Abから放出配管14を通って機外へ放出される。
【0009】
このように、吸着剤の交換周期を長期に保つために、一方の吸着筒7Aの吸着剤は空気を除湿して超乾燥空気を生じさせ、同時に他方の吸着筒7Bでは、その吸着剤が高温乾燥空気で再生される。
【0010】
したがって、吸着筒は乾燥する必要空気量の2倍設置する必要があるため、これらは装置設置面積の1/3を占有している。
【0011】
また、吸着筒7Aの前段にある冷凍式乾燥機3の空気出口は、装置の上面に設けられている。このため、吸着筒7Aの吸着時における空気の流れ方向が、上述のように下→上であると、配管を一度立ち上げた後に再度配管を下げなければならず配管長が長くなる。一方、吸着剤再生時の状態である吸着筒7Bの空気の流れ方向は上→下であり、この吸着筒7Bの後段にある加熱器13の加熱空気出口は下部であるため、加熱器13からの配管を立ち上げて、吸着筒7Bの上部まで配管しなければならない。
【0012】
このように、吸着筒7A,7Bとそれらの前後に位置する機器との配管取り合い位置が逆の関係になり、その結果、配管構造が複雑化するとともに、配管長が長くなり、省スペース化の妨げになっていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−286427号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気乾燥装置では処理空気量の増加に伴い、吸着筒の装置内占有率が増加し、装置全体が大型化する。さらに、吸着筒前後の機器の取り合い位置が上下することにより、配管ルートが複雑になるという課題があった。
【0015】
本発明の目的は、吸着筒容量が小さく、配管長を短縮したコンパクトな空気乾燥装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による空気乾燥装置は 吸着剤が充填された吸着筒の上部から下部に向って乾燥対象空気を流通させ、乾燥対象空気中の水分を吸着することを特徴とする。
【0017】
また、本発明による空気乾燥装置では、吸着剤が充填された第1の吸着筒と、吸着剤が充填され、吸着済みの再生対象となった第2の吸着筒と、前記第1の吸着筒の上部から下部に向って乾燥対象空気を流通させる吸着用配管系と、空気加熱器を有し、前記第1の吸着筒から送出された乾燥空気の一部を加熱し、この加熱乾燥空気を第2の吸着筒の下部から上部に向って流通させる再生用配管系とを備えた構成でもよい。
【0018】
これらの発明では、吸着状態の吸着筒に、乾燥対象空気を吸着筒の上部から下部に向けて流通させたことにより、従来の下部から上部に空気を流通させた場合に比べ、吸着剤の破過時間が1.3倍となり、その分、吸着筒の容量を小形化できる。
【0019】
また、吸着状態の吸着筒には吸着対象の空気を上部から下部に向けて流通させ、再生対象となった吸着筒には、再生用空気を下部から上部に向けて流通させるようにすれば、吸着筒周辺に設置される関連機器との配管長を短縮でき、設備全体の簡素化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による空気乾燥装置の一実施の形態を図面を参照して、詳細に説明する。
【0021】
この空気乾燥装置も、一対の吸着筒7A,7Bを有する。この吸着筒7A,7B内にはシリカゲルやアルミナゲル等の吸着剤が充填されている。また、その上下には、配管6A,8A及び6B、8Bがそれぞれ連結されている。そして、上部配管6A、6Bは一方の切替弁5Aに連結し、下部配管8A,8Bは他方の切替弁5Bに連結している。
【0022】
ここで、一方の吸着筒7Aは、乾燥対象空気の水分を吸着する吸着状態にあり、他方の吸着筒7Bは吸着済みの再生対象となっているものとする。このため、吸着筒7Aの上部配管6Aは、切替弁5Aの一方の通路5Aaを経て、空気供給源の流出管4に連通している。空気供給源は従来と同様にブロワ1、冷却器2、冷凍式乾燥機3からなる。また、吸着筒7Aの下部配管8Aは、切替弁5Bの一方の通路5Baを経て配管9に連通し、オゾン発生器10に乾燥空気を供給する。
【0023】
他方の吸着筒7Bの上部配管6Bは、切替弁5Aの他方の通路5Abを経て外部への放出配管14に連通している。また、下部配管8Bは、切替弁5Bの他方の通路5Bbを経て、前記配管9から分岐された、開閉弁12及び加熱器13を有する戻り配管11と連通している。
【0024】
上記構成において、ブロワ1により圧縮され、130℃まで加熱された乾燥対象空気は、冷却器2で35℃程度まで冷やされ、さらに、冷凍式乾燥機3で加圧下露点5℃程度まで下げられる。冷凍式乾燥機3を経た空気は流出管4から、切替弁5Aの一方の通路5Aa及び上部配管6Aを介して吸着筒7Aの上部に供給され、吸着筒7A内を上部から下部に向って流通する。このとき、空気中の水分は吸着剤に吸着され、乾燥空気となる。
【0025】
なお、水分を吸着する際には吸着熱が生じるので、その分だけ空気の温度は上昇し、約15℃程度で露点―60℃以下の超乾燥空気となる。この15℃の温度は吸着時間中持続される。
【0026】
このようにして生成された超乾燥空気は、吸着筒7Aの下部から、下部配管8Aを通り、さらに、切替弁5Bの一方の通路(実線)5Baを通って、配管9からオゾン発生器10へ送入される。
【0027】
したがって、吸着筒7Aに対する吸着用配管系は、流出管4、切替弁5Aの一方の通路5Aa、上部配管6A、下部配管8A、切替弁5Bの一方の通路5Ba、配管9によって構成される。
【0028】
また、この超乾燥空気の一部は、配管9から開状態となっている開閉弁12を通って加熱器13へ導入され、ここで、加熱された後、切替弁5Bの他方の通路(実線)5Bbから下部配管8Bを通り、吸着筒7Bの下部に導入される。吸着筒7Bへ導入された高温乾燥空気は、下部から上部に向って流通し、吸着剤を加熱して高温乾燥させ、再生する。
【0029】
このとき、再生用の加熱空気は、先ず吸着筒7B内の下部に位置する吸着剤から加熱再生する。この加熱再生によって生じた蒸気は、再生用空気とともに吸着筒7B内を上昇するので、下部に位置する再生済みの吸着剤に触れることは無く、効率的に吸着剤を加熱再生することができる。
【0030】
吸着剤を再生させ、高湿となった空気は、上部配管6Bを通り、切替弁5Aの他方の通路5Ab及び放出配管14を通って機外へ放出される。
【0031】
したがって、吸着筒7Bに対する再生用配管系は、開閉弁12及び加熱器13を有する戻り管11、切替弁5Bの他方の通路5Bb、下部配管8B、上部配管6B、切替弁5Aの他方の通路5Ab、放出配管14によって構成される。
このときの、吸着筒7A内の空気の流れ方向は、前述のように、上→下となる。一方、吸着剤再生時の状態である吸着筒7Bの空気の流れ方向も、前述のように、下→上となる。このように、吸着筒7A、7Bにおける空気の流れ方向を従来と逆(吸着時:上→下,再生時:下→上)にした場合、吸着剤の破過時間は長くなり吸着性能は向上する。出願人による実験では、定格風量312.5m3/h(normal),再生風量62.5m3/h(normal)の場合、吸着剤の破過時間(破過時間:露点がー60℃以上になるまでの時間)は、従来に比べ1.3倍長くなることが確認された。
吸着剤に対する再生時における空気の流れが、再生対象となる吸着筒7Bに対して下→上に流れるので、上部の吸着剤の乾燥度は、逆方向(従来の上→下)に比べて高くなる。すなわち、再生時に温度測定すると、吸着筒の上部が100℃以上となる時間が長くなることが判明し、このため、上部における吸着剤の乾燥度が高くなる。したがって、次の吸着時に、空気が上から下に流れることにより吸着効率が向上し、吸着剤の破過時間も上述のように長くなる。
【0032】
上記吸着筒7A,7Bにおける空気の流れ方向を従来と逆(吸着時:上→下,再生時:下→上)にした場合の、従来との吸着性能の比較結果を下表に示す。比較時の定格風量は、前述のように312.5m3/h(normal)、同じく再生風量も62.5m3/h(normal)である。
【表1】
このように、吸着筒7A,7Bにおける空気の流れを従来と逆にすることによって、吸着性能が向上し、吸着筒7A、7Bの吸着剤の量を少なくすることができる。
【0033】
なお、吸着筒7Bが吸着状態、吸着筒7Aが再生対象となった場合は切替弁5A,5Bを図示破線側に切り替えればよい。
【0034】
また、従来の空気冷却乾燥方式では、吸着筒7A,7Bと、その前後の機器との配管の取り合い位置が上下するために、配管長が長くなっていたが、上記実施の形態では、吸着筒7A,7Bと、その前後に位置する各機器との配管の取り合いを、上下で一致させたので、配管構成が簡素化され配管長も短縮化される。例えば、前段の冷凍式乾燥機3からの圧縮空気(装置上部の出口)を、吸着状態にある吸着筒7Aの上部から入れるようにする。また、後段の加熱器13の出口(装置下部)からの配管を吸着筒7Bの下部に配管する。これらによって、配管構成が簡素化され配管長も短縮化される。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、吸着剤量を軽減でき、装置全体の省スペースが図れ、安定した低露点の空気を提供することができる。また、吸着筒前後の機器との配管の取り合いをあわせたので、配管構成を簡素化し、配管長を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気乾燥装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】従来装置の構成図である。
【符号の説明】
1 ブロワ
2 冷却器
3 冷凍乾燥機
4,5Aa,6A,8A、5Ba、9 吸着用配管系
11,5Bb、8B、6B、5Ab、14 再生用配管系
7A,7B 吸着筒
13 加熱器
Claims (2)
- 吸着剤が充填された吸着筒の上部から下部に向って乾燥対象空気を流通させ、乾燥対象空気中の水分を吸着することを特徴とする空気乾燥装置。
- 吸着剤が充填された第1の吸着筒と、
吸着剤が充填され、吸着済みの再生対象となった第2の吸着筒と、
前記第1の吸着筒の上部から下部に向って乾燥対象空気を流通させる吸着用配管系と、
空気加熱器を有し、前記第1の吸着筒から送出された乾燥空気の一部を加熱し、この加熱乾燥空気を第2の吸着筒の下部から上部に向って流通させる再生用配管系と、
を備えたことを特徴とする空気乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307006A JP2004141715A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 空気乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307006A JP2004141715A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 空気乾燥装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004141715A true JP2004141715A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32453602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002307006A Pending JP2004141715A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 空気乾燥装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004141715A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012096165A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-05-24 | Shinwa Controls Co Ltd | 低露点空気発生装置 |
CN108786390A (zh) * | 2018-07-17 | 2018-11-13 | 中国工程物理研究院核物理与化学研究所 | 反应堆设备用压缩空气除湿装置及除湿方法 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307006A patent/JP2004141715A/ja active Pending
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JP2012096165A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-05-24 | Shinwa Controls Co Ltd | 低露点空気発生装置 |
CN108786390A (zh) * | 2018-07-17 | 2018-11-13 | 中国工程物理研究院核物理与化学研究所 | 反应堆设备用压缩空气除湿装置及除湿方法 |
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