JP2004140448A - スロットアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】水平面内360度の方向において無指向性を有し、一層の小型化を図ることができ、しかも、簡素な構造を有するスロットアンテナを提供する。
【解決手段】スロットアンテナは、底面部13と、該底面部13の周縁から上方に延びる側面部11から成るアンテナ本体部10を有し、該側面部11には、同一長さを有する複数のスロット12が形成され、底面部13の略中心を通り、底面部13に垂直な軸線(L)上に、スロット結合部22が設けられている。
【選択図】 図3
【解決手段】スロットアンテナは、底面部13と、該底面部13の周縁から上方に延びる側面部11から成るアンテナ本体部10を有し、該側面部11には、同一長さを有する複数のスロット12が形成され、底面部13の略中心を通り、底面部13に垂直な軸線(L)上に、スロット結合部22が設けられている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットアンテナに関し、より具体的には、水平面内360度の方向において無指向性を有するスロットアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信の基地局や無線LANにおいては、無指向性のアンテナが使用されている。このような無指向性のアンテナの一種である同軸スロットアンテナが、例えば、特開平3−41804あるいは特開2001−185944から公知である。特開平3−41804に開示された同軸スロットアンテナは、同軸給電線と、同軸給電線を取り囲む外部導体から構成され、外部導体にスロットが形成されている。また、特開2001−185944に開示された同軸スロットアンテナは、同軸線路と、同軸線路を取り囲む中空導体パイプから構成され、中空導体パイプにスロットが形成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平3−41804号公報
【特許文献2】特開2001−185944
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平3−41804号公報に開示されたアンテナにおいては、同軸ケーブルを用いているので一層の小型が困難である。また、特開2001−185944に開示されたアンテナにおいても、同軸ケーブルを用いているので一層の小型が困難であるし、同軸ケーブルを中空導体パイプによって取り囲んでいるので、構造の簡素化を図ることが困難である。
【0005】
従って、本発明の目的は、一層の小型化を図ることができ、しかも、簡素な構造を有するスロットアンテナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るスロットアンテナは、底面部と、該底面部の周縁から上方に延びる側面部から成るアンテナ本体部を有し、
該側面部には、同一長さを有する複数のスロットが形成され、
底面部の略中心を通り、底面部に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の態様に係るスロットアンテナにおいて、前記スロット結合部は、前記軸線上を延び、底面部とは絶縁されたピンから成り、側面部は該ピンを取り囲んでいる構成とすることができる。あるいは又、底面部に取り付けられ、若しくは、底面部と一体に設けられた導波管を更に有し、前記スロット結合部は、前記軸線上に位置する導波管の部分に設けられた結合開口部から成る構成とすることができる。尚、前記軸線上に位置する底面部の部分に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して結合開口部を設けてもよいし、前記軸線上に位置する底面部の部分に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。
【0008】
本発明の第1の態様に係るスロットアンテナにおいて、上述のとおり、スロット結合部をピンから構成する場合、例えば、プリント配線板にピンを立て、底面部をプリント配線板に固定することで、スロットアンテナをプリント配線板から構成されたアンテナ給電手段に取り付けることができる。即ち、面実装が可能である。あるいは又、平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクターにスロットアンテナを取り付けることもできる。具体的には、シェル部の平坦な頂面に底面部を固定し、中心コンタクト部をピンとして機能させればよい。一方、上述のとおり、導波管を有する場合、導波管を適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。
【0009】
上記の各種の形態を含む本発明の第1の態様に係るスロットアンテナにおいては、前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状を、同一形状の円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、側面部の形状を円筒形若しくは正多角筒形とすることができる。あるいは又、前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状を、底面部から離れるに従い小さくなる円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、側面部の形状を円錐形若しくは正多角錐形とすることができる。尚、円形若しくは正多角形の形状が、底面部から離れるに従い小さくなる割合は一定であってもよいし(即ち、前記軸線を含む仮想平面で側面部を切断したとき、1つの線分を示すことを意味する)、割合が一定でなくともよい(即ち、前記軸線を含む仮想平面で側面部を切断したとき、曲線、複数の線分、曲線と線分の組合せを示すことを意味する)。あるいは又、側面部は、球の一部を構成する形状を有する形態とすることもできる。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るスロットアンテナは、(A)平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクター、及び、
(B)シェル部の頂面に固定され、シェル部の頂面から上方に延び、中心コンタクト部を取り囲む中空環状のアンテナ本体部、
から成り、
アンテナ本体部には、同一長さを有する複数のスロットが形成されていることを特徴とする。
【0011】
尚、本発明の第2の態様に係るスロットアンテナにおいては、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部がスロット結合部として機能する。中心コンタクト部を通る軸線は、アンテナ本体部の中心部を延びている。
【0012】
本発明の第2の態様に係るスロットアンテナにおいては、中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状を、同一形状の円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、アンテナ本体部の形状を円筒形若しくは正多角筒形とすることができる。あるいは又、中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状を、シェル部の頂面から離れるに従い小さくなる円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、側面部の形状を円錐形若しくは正多角錐形とすることができる。尚、円形若しくは正多角形の形状が、シェル部の頂面から離れるに従い小さくなる割合は一定であってもよいし(即ち、中心コンタクト部を通る軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、1つの線分を示すことを意味する)、割合が一定でなくともよい(即ち、中心コンタクト部を通る軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、曲線、複数の線分、曲線と線分の組合せを示すことを意味する)。あるいは又、アンテナ本体部は、球の一部を構成する形状を有する形態とすることもできる。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係るスロットアンテナは、(A)底面と、頂面と、該底面の周縁から該頂面の周縁へと延びる側面を有し、誘電体材料から構成されたアンテナ本体部、及び、
(B)アンテナ本体部の少なくとも側面に形成された導電体層、
から成り、
アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分には、同一長さを有する複数のスロットが形成され、
アンテナ本体部の底面の略中心を通り、底面に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、アンテナ本体部の底面から前記軸線上を延びる孔部がアンテナ本体部に形成されており、前記スロット結合部は、該孔部内を上方に延び、アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分とは離間した第2の導電体層から成る構成とすることができる。あるいは又、アンテナ本体部の底面から前記軸線上を延びる孔部がアンテナ本体部に形成されており、前記スロット結合部は、該孔部内を上方に延びるピンから成る構成とすることができる。あるいは又、アンテナ本体部の底面に取り付けられた導波管を更に有し、前記スロット結合部は、前記軸線上に位置する導波管の部分に設けられた結合開口部から成る構成とすることができる。尚、底面にも導電体層を形成し、前記軸線上に位置する底面の部分の導電体層に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して結合開口部を設けてもよいし、前記軸線上に位置する底面の部分の導電体層に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。
【0015】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいて、上述のとおり、スロット結合部をピンから構成する場合、例えば、孔部内にピンを挿入しておき、このピンをプリント配線板に固定することで、あるいは又、プリント配線板にピンを立て、底面をプリント配線板に固定することで、スロットアンテナをプリント配線板から構成されたアンテナ給電手段に取り付けることができる。即ち、これらの構成を採用することで面実装が可能となる。あるいは又、平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクターにスロットアンテナを取り付けることもできる。具体的には、シェル部の平坦な頂面に底面を固定し、中心コンタクト部をピンとして機能させればよい。一方、上述のとおり、導波管を有する場合、導波管を適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。
【0016】
上記の各種の形態を含む本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状を、同一形状の円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、アンテナ本体部の形状を円柱形若しくは正多角柱形とすることができる。あるいは又、前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状を、アンテナ本体部の底面から離れるに従い小さくなる円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、アンテナ本体部の形状を円錐形若しくは正多角錐形とすることができる。尚、円形若しくは正多角形の形状が、アンテナ本体部の底面から離れるに従い小さくなる割合は一定であってもよいし(即ち、前記軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、アンテナ本体部の外形線が1つの線分を示すことを意味する)、割合が一定でなくともよい(即ち、前記軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、アンテナ本体部の外形線が、曲線、複数の線分、曲線と線分の組合せを示すことを意味する)。あるいは又、アンテナ本体部は、球の一部を構成する形状を有する形態とすることもできる。
【0017】
上記の各種の形態を含む本発明の第1の態様〜第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、前記軸線、あるいは、中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、0度<θ<90度である構成とすることができるし、あるいは又、θ=0度である構成とすることができるし、あるいは又、θ=90度である構成とすることができる。このようにθを変えることで、電波の偏波状態、位相、振幅を変えることができる。例えば、θ=0度とすれば水平波を得ることができるし、θ=90度とすれば垂直波を得ることができる。ここで、角度θは、軸線、あるいは、中心コンタクト部を通る軸線を含む仮想平面にスロットを射影した得られた射影像の延びる方向と、軸線の成す角度を意味する。
【0018】
上記の各種形態を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナにおいて、スロットは略1/2λの長さを有することが好ましい。ここで、λはスロットアンテナが射出する電波の波長、あるいはスロットアンテナに入射する電波の波長である。以下においても同様である。
【0019】
あるいは又、上記の各種形態を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナにおいて、底面部と側面部によって囲まれた空間、若しくは、アンテナ本体部によって囲まれた空間には、誘電体部材が配されている構成とすることができる。この空間に誘電体部材を配することによって、スロットの長さを短縮することができるので、スロットアンテナの一層の小型化を図ることができるし、グレーディング・ローブの発生を抑制することができる。尚、誘電体部材を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。
【0020】
上記の各種形態を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナにおいては、側面部の上端、若しくは、アンテナ本体部の上端は、上面板によって閉鎖されている構成とすることが好ましい。そして、この場合、上面板には、複数の第2のスロットが形成されている構成とすることができる。上面板によって閉鎖することで、スロットアンテナの利得の増加を図ることができるし、上面板に複数の第2のスロットを形成することで、垂直方向への指向性を得ることができる。ここで、第2のスロットは、略1/2λの長さを有することが好ましい。また、誘電体部材が配されている場合には、第2のスロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。尚、上面板には略1/2λの長さ未満の穴が形成されていてもよく、このような構成にしても上面板から電波が射出されることは無い。
【0021】
上記の各種形態を含む本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。また、アンテナ本体部の頂面にも導電体層が形成されていることが好ましく、更には、頂面に形成された導電体層の部分には複数の第2のスロットが形成されている構成とすることが一層好ましく、これによって、垂直方向への指向性を得ることができる。ここで、第2のスロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。
【0022】
誘電体材料として、Al2O3で代表されるセラミックスや、ポリテトラフルオロエチレンといったフッ素樹脂で代表される各種の高分子材料、プラスチックスを用いればよい。
【0023】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナを構成するアンテナ本体部は、例えば、銅、真鍮、アルミニウムといった金属や、各種の合金から作製すればよい。
【0024】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、導電体層をメッキ法、印刷法、各種の物理的気相成長法(PVD法)、各種の化学的気相成長法(CVD法)にて形成することができる。導電体層を構成する材料として、ニッケル、クロム、銅、金、銀、白金、あるいは、これらの金属を含む各種の合金を例示することができる。
【0025】
本発明の第1の態様〜第3の態様に係るスロットアンテナは、例えば、ITS(高度道路交通システム)やDSRC(狭域通信)等における移動体通信、例えば2.4GHz、5.2GHz、26.5GHzの電波を使用した無線LAN、その他、無指向性を要求されるマイクロ波やミリ波帯のアンテナとして、使用することができる。
【0026】
本発明の第1の態様に係るスロットアンテナは、底面部と側面部とが一体となったアンテナ本体部を有し、側面部に同一長さを有する複数のスロットが形成され、底面部の略中心を通り、底面部に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられているので、簡素な構造であり、しかも、一層の小型化を図ることができる。
【0027】
本発明の第2の態様に係るスロットアンテナは、コネクター、及び、コネクターのシェル部の頂面に固定されたアンテナ本体部から成り、アンテナ本体部に同一長さを有する複数のスロットが形成されているので、簡素な構造であり、しかも、一層の小型化を図ることができるし、アンテナ給電手段へのスロットアンテナの取り付けを容易に行うことができる。
【0028】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナは、誘電体材料から構成されたアンテナ本体部と、アンテナ本体部の少なくとも側面に形成された導電体層とから成り、アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分に同一長さを有する複数のスロットが形成され、アンテナ本体部の底面の略中心を通り、底面に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられているので、簡素な構造であり、しかも、一層の小型化を図ることができる。
【0029】
【実施例】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【0030】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1の態様に係るスロットアンテナに関する。実施例1のスロットアンテナの模式的な側面図を図1の(A)に示し、模式的な底面図を図1の(B)に示す。また、アンテナ本体部及びピンを構成するSMAコネクター(レセプタクルとも呼ばれる)の模式的な断面図を図2に示し、アンテナ本体部をSMAコネクターに取り付け、スロットアンテナを完成させたときの模式的な断面図を図3に示す。
【0031】
このスロットアンテナは、底面部13と、この底面部13の周縁から上方に延びる中空環状の側面部11から成るアンテナ本体部10を有する。アンテナ本体部10は、真鍮を周知の各種の機械加工を行うことで作製されている。そして、側面部11には、同一長さを有する複数のスロット12が形成されている。また、底面部13の略中心を通り、底面部13に垂直な軸線(L)上に、スロット結合部が設けられている。実施例1にあっては、このスロット結合部は、軸線(L)上を延び、底面部13とは絶縁されたピン22から成り、側面部11はこのピン22を取り囲んでいる。より具体的には、平坦な頂面21Aを有するシェル部21、及び、シェル部21の内部に絶縁体23を介して固定され、シェル部21の頂面21Aの中心部から突出した中心コンタクト部を有するSMAコネクター20における中心コンタクト部が、ピン22に相当する。中心コンタクト部(ピン22)は、側面部11によって囲まれた空間内であって、底面部13の略中心を通り、底面部13に垂直な軸線(L)上を延びている。スロットアンテナは、その底面部13においてSMAコネクター20を構成するシェル部21の頂面21Aに、例えば、ハンダ付けにて固定されている。底面部13の中央部には貫通孔14が設けられ、ピン22が底面部13と接触しない構造となっている。尚、SMAコネクター20には、給電線(図示せず)が取り付けられている。
【0032】
実施例1においては、軸線(L)に対して垂直な仮想平面で側面部11を任意の位置で切断したときの側面部11の断面形状は、同一形状の円形である。即ち、側面部11の形状は円筒形である。また、軸線(L)に対するスロット12の傾斜角をθとしたとき、θ=90度であり、垂直波を得ることができる。尚、スロット12は、略1/2λの長さを有する。具体的には、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)としたので、スロット12の長さは28.85mmである。また、スロット12の幅を2mmとし、スロット12の個数を2とした。更には、側面部11の直径を20mm、高さを13mmとした。実施例1にあっては、側面部11の上端は上面板15によって閉鎖されている。尚、上面板15は、必ずしも設けなくともよい。
【0033】
(実施例2)
実施例2は実施例1の変形である。実施例2にあってもスロット結合部はピンから構成されている。図4に模式的な一部断面図を示すように、実施例1と異なり、プリント配線板30にピン32を立て、アンテナ本体部10を構成する底面部13をプリント配線板30に固定することで、スロットアンテナはプリント配線板30から構成されたアンテナ給電手段に取り付けられている。具体的には、アンテナ本体部10を構成する底面部13は、ハンダリフロー法にて、プリント配線板30に設けられ、パターニングされた銅箔(回路)33上に固定されている。尚、参照番号31は、プリント配線板30を構成する絶縁材料から成る基材である。実施例2にあっては、場合によっては、底面部13を省略することができるし、上面板15は必ずしも設けなくともよい。
【0034】
(実施例3)
実施例3も実施例1の変形である。実施例3におけるアンテナ本体部の模式的な底面図を図5の(A)に示し、導波管の模式的な斜視図を図5の(B)に示す。
【0035】
実施例3におけるスロットアンテナは、アンテナ本体部10の底面部13に取り付けられた導波管40を更に有し、スロット結合部は、軸線(L)上に位置する底面部13の部分及び導波管40の部分のそれぞれに設けられた結合開口部17,41から成る。軸線(L)上に位置する底面部13の部分に設けられた結合開口部17と、導波管40の部分に設けられた結合開口部41との位置合わせをして、底面部13と導波管40とを、例えばハンダ付けすることで、アンテナ本体部10を導波管40に取り付けることができる。導波管40は、適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。
【0036】
尚、導波管40を、底面部13と一体に、底面部13から延在するように設けてもよい。また、底面部13の部分に結合開口部を設けず、軸線(L)上に位置する底面部の部分に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。実施例3にあっては、場合によっては、底面部13を省略することができる。
【0037】
(実施例4)
実施例1〜実施例3にあっては、軸線(L)に対するスロット12の傾斜角をθとしたとき、θ=90度としたが、θはこのような値に限定されない。0度<θ<90度とし、2つのスロット12A,12A’を対とし、一方のスロット12Aの一方の傾斜角をθ、他方のスロット12A’の傾斜角を−θすることによって、例えば、円偏波状態を得ることができる。このような構成におけるスロット12A,12A’が形成された側面部11Aから構成されたアンテナ本体部10Aの模式的な側面図を、図6の(A)に示す。また、θ=0度とすれば水平波を得ることができる。このような構成におけるスロット12Bが形成された側面部11Bから構成されたアンテナ本体部10Bの模式的な側面図を、図6の(B)に示す。
【0038】
(実施例5)
実施例5も実施例1の変形である。実施例5においては、模式的な断面図を図7に示すように、アンテナ本体部10Cの内部空間に収まる誘電体部材18を、Al2O3を焼結することで作製し、この誘電体部材18をアンテナ本体部10Cの内部空間に収納した。尚、実施例1と異なり、側面部11の上端は上面板15によって閉鎖されてていない。即ち、誘電体部材18が剥き出しの状態にある。
【0039】
尚、誘電体部材18を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロット112は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する。
【0040】
θ=90度とし、側面部11の形状を円筒形とし、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)、スロット112の長さを約8.7mm、スロット112の個数を3、スロット112の幅を0.75mm、側面部11の直径を12mm、高さを5mmとしたときの出力を実測した結果を、図17に示す。実測結果から、水平面内360度の方向において無指向性を有するスロットアンテナを得られることが判る。尚、図17及び図18において、「0」は天頂方向を示し、「90」及び「270」は水平方向を示し、「180」は真下の方向を示す。
【0041】
尚、実施例5に対して、実施例2〜実施例4にて説明したスロットアンテナの構造(適切な組合せを含む)を適用することができる。また、場合によっては、底面部13を省略することができるし、側面部11の上端を上面板15によって閉鎖してもよい。
【0042】
(実施例6)
実施例6も実施例1の変形である。実施例6にあっても、側面部11の上端は上面板115によって閉鎖されている。そして、実施例1と異なり、上面板115の模式的な平面図を図8に示すように、上面板115には、複数の第2のスロット116が形成されている。第2のスロット116は、略1/2λの長さを有する。
【0043】
θ=90度とし、側面部11の形状を円筒形とし、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)、スロット12の長さを28.85mm、スロット12の個数を2、スロット12の幅を2mm、側面部11の直径を20mm、高さを13mm、第2のスロット116の長さを28.85mm、第2のスロット116の幅を2mm、第2のスロット116の個数を2としたときの出力を実測した結果を、図18に示す。実測結果から、水平面内360度の方向において無指向性を有し、天頂方向に指向性を有するスロットアンテナを得られることが判る。
【0044】
尚、実施例6に対して、実施例2〜実施例5にて説明したスロットアンテナの構造(適切な組合せを含む)を適用することができる。また、場合によっては、底面部13を省略することができる。
【0045】
(実施例7)
実施例7は、本発明の第2の態様に係るスロットアンテナに関する。実施例7のスロットアンテナを分解したときの各構成要素の模式的な断面図を図9に示し、実施例7のスロットアンテナの模式的な断面図を図10に示す。
【0046】
実施例7のスロットアンテナは、
(A)平坦な頂面21Aを有するシェル部21、及び、シェル部21の内部に絶縁体23を介して固定され、シェル部21の頂面21Aの中心部から突出した中心コンタクト部22を有するコネクター(具体的には、SMAコネクター)20、及び、
(B)シェル部21の頂面21Aに固定され、シェル部21の頂面21Aから上方に延び、中心コンタクト部22を取り囲む中空環状のアンテナ本体部51、から成る。
【0047】
そして、アンテナ本体部51には、同一長さを有する複数のスロット52が形成されている。尚、アンテナ本体部50は、真鍮を周知の各種の機械加工を行うことで作製されている。中心コンタクト部を通る軸線(L)は、アンテナ本体部51の中心部を延びている。アンテナ本体部51は、その底部53においてSMAコネクター20を構成するシェル部21の頂面21Aに、例えば、ハンダ付けにて固定されている。
【0048】
実施例7においては、中心コンタクト部22を通る軸線(L)に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部51を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部51の断面形状は、同一形状の円形である。即ち、アンテナ本体部51の形状は円筒形である。また、軸線(L)に対するスロット52の傾斜角をθとしたとき、θ=90度である。尚、スロット52は、略1/2λの長さを有する。具体的には、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)としたので、スロット52の長さは28.85mmである。また、スロット52の幅を2mmとし、スロット52の個数を2とした。アンテナ本体部51の直径を20mm、高さを13mmとした。実施例7にあっては、アンテナ本体部51の上端は上面板55によって閉鎖されている。尚、上面板55は、必ずしも設けなくともよい。
【0049】
尚、実施例7のスロットアンテナに対して、実施例4にて説明したスロットの構成を適用することができる。即ち、中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度である構成、0度<θ<90度である構成を適用することができる。
【0050】
また、図11に模式的な断面図を示すように、実施例5にて説明した構成(即ち、アンテナ本体部51によって囲まれた空間に誘電体部材58を配する構成。更には、誘電体部材58を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロット52は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する構成)を適用することもできる。
【0051】
更には、実施例6にて説明した構成(アンテナ本体部51の上端は上面板55によって閉鎖されており、上面板55には、複数の第2のスロットが形成されている構成)を適用することもできる。
【0052】
また、実施例4にて説明したスロットの構成、実施例5にて説明した構成、実施例6にて説明した構成を、実施例7に対して適宜組み合わせることもできる。
【0053】
(実施例8)
実施例8は、本発明の第3の態様に係るスロットアンテナに関する。実施例8のスロットアンテナの模式的な断面図を図12の(A)に示し、このスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図を、図12の(B)あるいは図13の(A)、(B)に示す。
【0054】
実施例8のスロットアンテナは、
(A)底面63と、頂面65と、底面63の周縁から頂面65の周縁へと延びる側面61を有し、誘電体材料68から構成されたアンテナ本体部60、及び、(B)アンテナ本体部60の少なくとも側面に形成された導電体層69、
から成る。
【0055】
そして、アンテナ本体部60の側面61に形成された導電体層69の部分には、同一長さを有する複数のスロット62が形成され、アンテナ本体部60の底面63の略中心を通り、底面63に垂直な軸線(L)上に、スロット結合部が設けられている。具体的には、実施例8にあっては、アンテナ本体部60の底面63から軸線(L)上を延びる孔部64がアンテナ本体部60に形成されており、スロット結合部は、この孔部64内を上方に延び、アンテナ本体部60の側面61に形成された導電体層69の部分とは離間した第2の導電体層69Aから成る。尚、孔部64内に形成された第2の導電体層69Aと、底面63に形成された導電体層69の部分とは、環状の溝部66によって分離されている。これによって、第2の導電体層69Aは、アンテナ本体部60の側面61に形成された導電体層69の部分から絶縁されている。また、頂面65にも導電体層69が形成されている。
【0056】
アンテナ本体部60は、Al2O3を焼結することによって作製されている。また、導電体層69及び第2の導電体層69Aは、印刷法にて形成された銀ペースト層から成る。
【0057】
実施例8においては、軸線(L)に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部60を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部60の外形断面形状は、同一形状の円形である。即ち、アンテナ本体部60の形状は円柱形である。また、軸線(L)に対するスロット62の傾斜角をθとしたとき、θ=90度である。尚、誘電体材料68の比誘電率をεとしたとき、スロット62は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する。具体的には、ε=約10、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)としたので、スロット62の長さは約8.7mmである。また、スロット62の幅を0.75mmとし、スロット62の個数を3とした。アンテナ本体部60の直径を12mm、高さを5mmとした。導電体層69及び第2の導電体層69Aの平均厚さを20μmとした。
【0058】
実施例8のスロットアンテナにおいては、図12の(B)あるいは図13の(A)に模式的な一部断面図を示すように、プリント配線板30に回路を形成し、底面63に形成された導電材料層69の部分及び第2の導電材料層69Aの底面をプリント配線板30に設けられた回路(ストリップ線路33Aあるいはパターニングされた銅箔33)上に固定されている。
【0059】
あるいは又、実施例8のスロットアンテナに対して、実施例2にて説明した構成を適用することができる。即ち、図13の(B)に模式的な一部断面図を示すように、プリント配線板30にピン32を立て、底面63をプリント配線板30に固定することで、スロットアンテナをプリント配線板30から構成されたアンテナ給電手段に取り付けることができる。尚、この場合には、孔部64内に第2の導電体層69Aを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0060】
あるいは又、実施例8のスロットアンテナに対して、実施例3にて説明した構成を適用することができる。即ち、アンテナ本体部の模式的な平面を図14の(A)に示し、導波管の模式的な斜視図を図14の(B)に示すように、アンテナ本体部60の底面63に取り付けられた導波管40を更に有し、スロット結合部は、軸線(L)上に位置する導波管40の部分に設けられた結合開口部41から成る構成を適用することもできる。尚、アンテナ本体部60の底面63に形成された導電体層69の一部にも、結合開口部67が形成されている。アンテナ本体部60には、孔部64及び第2の導電材料層69Aは設けられていない。そして、軸線(L)上に位置する底面63の部分の導電体層69に設けられた結合開口部67と、導波管40の部分に設けられた結合開口部41との位置合わせをして、底面63と導波管40とを、例えばハンダ付けすることで、アンテナ本体部60を導波管40に取り付けることができる。導波管40は、適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。図14の(A)において、導電体層69を明示するために、導電体層69に斜線を付した。
【0061】
底面63の部分に結合開口部を設けず、軸線(L)上に位置する底面の部分の導電体層に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。
【0062】
また、実施例8のスロットアンテナに対して、実施例4にて説明したスロットの構成を適用することができる。即ち、軸線(L)を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度である構成、0度<θ<90度である構成を適用することができる。
【0063】
更には、実施例5と同様に、アンテナ本体部の模式的な平面を図15に示すように、アンテナ本体部60の頂面165にも導電体層169が形成され、頂面165に形成された導電体層169の部分には複数の第2のスロット166が形成されている構成とすることもできる。尚、誘電体材料68の比誘電率をεとしたとき、第2のスロット166は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する。図15において、導電体層169を明示するために、導電体層169に斜線を付した。
【0064】
また、以上に説明した各種構成を適宜組み合わせることもできる。
【0065】
(実施例9)
実施例9は、実施例8の変形である。実施例9においては、模式的な断面図を図16の(A)に示すように、アンテナ本体部60の底面63から軸線L上を延びる孔部64がアンテナ本体部60に形成されており、スロット結合部は、この孔部64内を延び(より具体的には、この孔部64内に挿入され)るピン66からなる、ピン66は、アンテナ本体部60の底面に形成された導電体層69の部分とは離間されている。
【0066】
実施例9のスロットアンテナにおいては、図16の(B)に示すように、プリント配線板30に回路を形成し、ピン66をプリント配線板30の係る回路に固定することで、スロットアンテナはプリント配線板30から構成されたアンテナ給電手段に取り付けられている。具体的には、ピン66は、ハンダリフロー法にてプリント配線板30に設けられ、パターニングされた銅箔(回路)33上に固定されている。
【0067】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて説明したアンテナ本体部やコネクター等の形状、構造、構成材料、大きさや寸法等は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、アンテナ本体部の形状を専ら円筒形あるいは円柱形として説明したが、アンテナ本体部の形状はこれに限定するものではない。即ち、アンテナ本体部の形状を、正多角筒形、正多角柱形、円錐形、角錐形、球の一部とすることもできる。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、水平面内360度の方向において無指向性を有する、利得の高いスロットアンテナを達成することができるし、所望に応じて、併せて、垂直方向において指向性を有する簡素な構造のスロットアンテナを、安価に製造することができる。しかも、スロットアンテナの一層の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1のスロットアンテナの模式的な側面図、及び、模式的な底面図である。
【図2】図2は、実施例1におけるアンテナ本体部及びピンを構成するSMAコネクターの模式的な断面図である。
【図3】図3は、実施例1におけるアンテナ本体部をSMAコネクターに取り付け、スロットアンテナを完成させたときの模式的な断面図である。
【図4】図4は、実施例2におけるスロットアンテナ及びプリント配線板の模式的な一部断面図である。
【図5】図5の(A)は、実施例3におけるアンテナ本体部の模式的な底面図であり、図5の(B)は、導波管の模式的な斜視図である。
【図6】図6の(A)及び(B)は、それぞれ、θ=90度、θ=0度としたときのアンテナ本体部の模式的な側面図である。
【図7】図7は、実施例5におけるアンテナ本体部をSMAコネクターに取り付け、スロットアンテナを完成させたときの模式的な断面図である。
【図8】図8は、実施例6のスロットアンテナを構成する上面板の模式的な平面図である。
【図9】図9は、実施例7のスロットアンテナを分解したときの各構成要素の模式的な断面図である。
【図10】図10は、実施例7のスロットアンテナの模式的な断面図である。
【図11】図11は、実施例7のスロットアンテナの変形例の模式的な断面図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8のスロットアンテナの模式的な断面図、及び、実施例8ののスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8ののスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図である。
【図14】図14の(A)は、実施例8におけるアンテナ本体部の別の変形例の模式的な底面図であり、図14の(B)は、導波管の模式的な斜視図である。
【図15】図15は、実施例8におけるアンテナ本体部の更に別の変形例の模式的な平面図である。
【図16】図16(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9のスロットアンテナの模式的な断面図、及び、実施例9のスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図である。
【図17】図17は、実施例5のスロットアンテナの出力をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図18】図18は、実施例6のスロットアンテナの出力をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C・・・アンテナ本体部、11,11A,11B・・・側面部、12,12A,12A’,12B・・・スロット、13・・・底面部、14・・・貫通孔、15,115,55・・・上面板、116・・・第2のスロット、17,41・・・結合開口部、18,58・・・誘電体部材、20・・・コネクター、21・・・シェル部、21A・・・シェル部の頂面、22・・・ピン(中心コンタクト部)、23・・・絶縁体、30・・・プリント配線板、31・・・基材、32・・・ピン、33・・・銅箔、40・・・導波管、51・・・アンテナ本体部、52・・・スロット、53・・・底部、60・・・アンテナ本体部、61・・・側面、62・・・スロット、63・・・底面、64・・・孔部、65,165・・・頂面、66・・・ピン、67・・・結合開口部、68・・・誘電体材料、69,69A・・・導電体層、166・・・第2のスロット
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットアンテナに関し、より具体的には、水平面内360度の方向において無指向性を有するスロットアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信の基地局や無線LANにおいては、無指向性のアンテナが使用されている。このような無指向性のアンテナの一種である同軸スロットアンテナが、例えば、特開平3−41804あるいは特開2001−185944から公知である。特開平3−41804に開示された同軸スロットアンテナは、同軸給電線と、同軸給電線を取り囲む外部導体から構成され、外部導体にスロットが形成されている。また、特開2001−185944に開示された同軸スロットアンテナは、同軸線路と、同軸線路を取り囲む中空導体パイプから構成され、中空導体パイプにスロットが形成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平3−41804号公報
【特許文献2】特開2001−185944
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平3−41804号公報に開示されたアンテナにおいては、同軸ケーブルを用いているので一層の小型が困難である。また、特開2001−185944に開示されたアンテナにおいても、同軸ケーブルを用いているので一層の小型が困難であるし、同軸ケーブルを中空導体パイプによって取り囲んでいるので、構造の簡素化を図ることが困難である。
【0005】
従って、本発明の目的は、一層の小型化を図ることができ、しかも、簡素な構造を有するスロットアンテナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るスロットアンテナは、底面部と、該底面部の周縁から上方に延びる側面部から成るアンテナ本体部を有し、
該側面部には、同一長さを有する複数のスロットが形成され、
底面部の略中心を通り、底面部に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の態様に係るスロットアンテナにおいて、前記スロット結合部は、前記軸線上を延び、底面部とは絶縁されたピンから成り、側面部は該ピンを取り囲んでいる構成とすることができる。あるいは又、底面部に取り付けられ、若しくは、底面部と一体に設けられた導波管を更に有し、前記スロット結合部は、前記軸線上に位置する導波管の部分に設けられた結合開口部から成る構成とすることができる。尚、前記軸線上に位置する底面部の部分に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して結合開口部を設けてもよいし、前記軸線上に位置する底面部の部分に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。
【0008】
本発明の第1の態様に係るスロットアンテナにおいて、上述のとおり、スロット結合部をピンから構成する場合、例えば、プリント配線板にピンを立て、底面部をプリント配線板に固定することで、スロットアンテナをプリント配線板から構成されたアンテナ給電手段に取り付けることができる。即ち、面実装が可能である。あるいは又、平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクターにスロットアンテナを取り付けることもできる。具体的には、シェル部の平坦な頂面に底面部を固定し、中心コンタクト部をピンとして機能させればよい。一方、上述のとおり、導波管を有する場合、導波管を適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。
【0009】
上記の各種の形態を含む本発明の第1の態様に係るスロットアンテナにおいては、前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状を、同一形状の円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、側面部の形状を円筒形若しくは正多角筒形とすることができる。あるいは又、前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状を、底面部から離れるに従い小さくなる円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、側面部の形状を円錐形若しくは正多角錐形とすることができる。尚、円形若しくは正多角形の形状が、底面部から離れるに従い小さくなる割合は一定であってもよいし(即ち、前記軸線を含む仮想平面で側面部を切断したとき、1つの線分を示すことを意味する)、割合が一定でなくともよい(即ち、前記軸線を含む仮想平面で側面部を切断したとき、曲線、複数の線分、曲線と線分の組合せを示すことを意味する)。あるいは又、側面部は、球の一部を構成する形状を有する形態とすることもできる。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るスロットアンテナは、(A)平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクター、及び、
(B)シェル部の頂面に固定され、シェル部の頂面から上方に延び、中心コンタクト部を取り囲む中空環状のアンテナ本体部、
から成り、
アンテナ本体部には、同一長さを有する複数のスロットが形成されていることを特徴とする。
【0011】
尚、本発明の第2の態様に係るスロットアンテナにおいては、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部がスロット結合部として機能する。中心コンタクト部を通る軸線は、アンテナ本体部の中心部を延びている。
【0012】
本発明の第2の態様に係るスロットアンテナにおいては、中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状を、同一形状の円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、アンテナ本体部の形状を円筒形若しくは正多角筒形とすることができる。あるいは又、中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状を、シェル部の頂面から離れるに従い小さくなる円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、側面部の形状を円錐形若しくは正多角錐形とすることができる。尚、円形若しくは正多角形の形状が、シェル部の頂面から離れるに従い小さくなる割合は一定であってもよいし(即ち、中心コンタクト部を通る軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、1つの線分を示すことを意味する)、割合が一定でなくともよい(即ち、中心コンタクト部を通る軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、曲線、複数の線分、曲線と線分の組合せを示すことを意味する)。あるいは又、アンテナ本体部は、球の一部を構成する形状を有する形態とすることもできる。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係るスロットアンテナは、(A)底面と、頂面と、該底面の周縁から該頂面の周縁へと延びる側面を有し、誘電体材料から構成されたアンテナ本体部、及び、
(B)アンテナ本体部の少なくとも側面に形成された導電体層、
から成り、
アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分には、同一長さを有する複数のスロットが形成され、
アンテナ本体部の底面の略中心を通り、底面に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、アンテナ本体部の底面から前記軸線上を延びる孔部がアンテナ本体部に形成されており、前記スロット結合部は、該孔部内を上方に延び、アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分とは離間した第2の導電体層から成る構成とすることができる。あるいは又、アンテナ本体部の底面から前記軸線上を延びる孔部がアンテナ本体部に形成されており、前記スロット結合部は、該孔部内を上方に延びるピンから成る構成とすることができる。あるいは又、アンテナ本体部の底面に取り付けられた導波管を更に有し、前記スロット結合部は、前記軸線上に位置する導波管の部分に設けられた結合開口部から成る構成とすることができる。尚、底面にも導電体層を形成し、前記軸線上に位置する底面の部分の導電体層に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して結合開口部を設けてもよいし、前記軸線上に位置する底面の部分の導電体層に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。
【0015】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいて、上述のとおり、スロット結合部をピンから構成する場合、例えば、孔部内にピンを挿入しておき、このピンをプリント配線板に固定することで、あるいは又、プリント配線板にピンを立て、底面をプリント配線板に固定することで、スロットアンテナをプリント配線板から構成されたアンテナ給電手段に取り付けることができる。即ち、これらの構成を採用することで面実装が可能となる。あるいは又、平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクターにスロットアンテナを取り付けることもできる。具体的には、シェル部の平坦な頂面に底面を固定し、中心コンタクト部をピンとして機能させればよい。一方、上述のとおり、導波管を有する場合、導波管を適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。
【0016】
上記の各種の形態を含む本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状を、同一形状の円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、アンテナ本体部の形状を円柱形若しくは正多角柱形とすることができる。あるいは又、前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状を、アンテナ本体部の底面から離れるに従い小さくなる円形若しくは正多角形(頂点が丸みを帯びた正多角形を含む)とすることができる。即ち、アンテナ本体部の形状を円錐形若しくは正多角錐形とすることができる。尚、円形若しくは正多角形の形状が、アンテナ本体部の底面から離れるに従い小さくなる割合は一定であってもよいし(即ち、前記軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、アンテナ本体部の外形線が1つの線分を示すことを意味する)、割合が一定でなくともよい(即ち、前記軸線を含む仮想平面でアンテナ本体部を切断したとき、アンテナ本体部の外形線が、曲線、複数の線分、曲線と線分の組合せを示すことを意味する)。あるいは又、アンテナ本体部は、球の一部を構成する形状を有する形態とすることもできる。
【0017】
上記の各種の形態を含む本発明の第1の態様〜第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、前記軸線、あるいは、中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、0度<θ<90度である構成とすることができるし、あるいは又、θ=0度である構成とすることができるし、あるいは又、θ=90度である構成とすることができる。このようにθを変えることで、電波の偏波状態、位相、振幅を変えることができる。例えば、θ=0度とすれば水平波を得ることができるし、θ=90度とすれば垂直波を得ることができる。ここで、角度θは、軸線、あるいは、中心コンタクト部を通る軸線を含む仮想平面にスロットを射影した得られた射影像の延びる方向と、軸線の成す角度を意味する。
【0018】
上記の各種形態を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナにおいて、スロットは略1/2λの長さを有することが好ましい。ここで、λはスロットアンテナが射出する電波の波長、あるいはスロットアンテナに入射する電波の波長である。以下においても同様である。
【0019】
あるいは又、上記の各種形態を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナにおいて、底面部と側面部によって囲まれた空間、若しくは、アンテナ本体部によって囲まれた空間には、誘電体部材が配されている構成とすることができる。この空間に誘電体部材を配することによって、スロットの長さを短縮することができるので、スロットアンテナの一層の小型化を図ることができるし、グレーディング・ローブの発生を抑制することができる。尚、誘電体部材を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。
【0020】
上記の各種形態を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナにおいては、側面部の上端、若しくは、アンテナ本体部の上端は、上面板によって閉鎖されている構成とすることが好ましい。そして、この場合、上面板には、複数の第2のスロットが形成されている構成とすることができる。上面板によって閉鎖することで、スロットアンテナの利得の増加を図ることができるし、上面板に複数の第2のスロットを形成することで、垂直方向への指向性を得ることができる。ここで、第2のスロットは、略1/2λの長さを有することが好ましい。また、誘電体部材が配されている場合には、第2のスロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。尚、上面板には略1/2λの長さ未満の穴が形成されていてもよく、このような構成にしても上面板から電波が射出されることは無い。
【0021】
上記の各種形態を含む本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。また、アンテナ本体部の頂面にも導電体層が形成されていることが好ましく、更には、頂面に形成された導電体層の部分には複数の第2のスロットが形成されている構成とすることが一層好ましく、これによって、垂直方向への指向性を得ることができる。ここで、第2のスロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することが好ましい。
【0022】
誘電体材料として、Al2O3で代表されるセラミックスや、ポリテトラフルオロエチレンといったフッ素樹脂で代表される各種の高分子材料、プラスチックスを用いればよい。
【0023】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るスロットアンテナを構成するアンテナ本体部は、例えば、銅、真鍮、アルミニウムといった金属や、各種の合金から作製すればよい。
【0024】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナにおいては、導電体層をメッキ法、印刷法、各種の物理的気相成長法(PVD法)、各種の化学的気相成長法(CVD法)にて形成することができる。導電体層を構成する材料として、ニッケル、クロム、銅、金、銀、白金、あるいは、これらの金属を含む各種の合金を例示することができる。
【0025】
本発明の第1の態様〜第3の態様に係るスロットアンテナは、例えば、ITS(高度道路交通システム)やDSRC(狭域通信)等における移動体通信、例えば2.4GHz、5.2GHz、26.5GHzの電波を使用した無線LAN、その他、無指向性を要求されるマイクロ波やミリ波帯のアンテナとして、使用することができる。
【0026】
本発明の第1の態様に係るスロットアンテナは、底面部と側面部とが一体となったアンテナ本体部を有し、側面部に同一長さを有する複数のスロットが形成され、底面部の略中心を通り、底面部に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられているので、簡素な構造であり、しかも、一層の小型化を図ることができる。
【0027】
本発明の第2の態様に係るスロットアンテナは、コネクター、及び、コネクターのシェル部の頂面に固定されたアンテナ本体部から成り、アンテナ本体部に同一長さを有する複数のスロットが形成されているので、簡素な構造であり、しかも、一層の小型化を図ることができるし、アンテナ給電手段へのスロットアンテナの取り付けを容易に行うことができる。
【0028】
本発明の第3の態様に係るスロットアンテナは、誘電体材料から構成されたアンテナ本体部と、アンテナ本体部の少なくとも側面に形成された導電体層とから成り、アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分に同一長さを有する複数のスロットが形成され、アンテナ本体部の底面の略中心を通り、底面に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられているので、簡素な構造であり、しかも、一層の小型化を図ることができる。
【0029】
【実施例】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【0030】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1の態様に係るスロットアンテナに関する。実施例1のスロットアンテナの模式的な側面図を図1の(A)に示し、模式的な底面図を図1の(B)に示す。また、アンテナ本体部及びピンを構成するSMAコネクター(レセプタクルとも呼ばれる)の模式的な断面図を図2に示し、アンテナ本体部をSMAコネクターに取り付け、スロットアンテナを完成させたときの模式的な断面図を図3に示す。
【0031】
このスロットアンテナは、底面部13と、この底面部13の周縁から上方に延びる中空環状の側面部11から成るアンテナ本体部10を有する。アンテナ本体部10は、真鍮を周知の各種の機械加工を行うことで作製されている。そして、側面部11には、同一長さを有する複数のスロット12が形成されている。また、底面部13の略中心を通り、底面部13に垂直な軸線(L)上に、スロット結合部が設けられている。実施例1にあっては、このスロット結合部は、軸線(L)上を延び、底面部13とは絶縁されたピン22から成り、側面部11はこのピン22を取り囲んでいる。より具体的には、平坦な頂面21Aを有するシェル部21、及び、シェル部21の内部に絶縁体23を介して固定され、シェル部21の頂面21Aの中心部から突出した中心コンタクト部を有するSMAコネクター20における中心コンタクト部が、ピン22に相当する。中心コンタクト部(ピン22)は、側面部11によって囲まれた空間内であって、底面部13の略中心を通り、底面部13に垂直な軸線(L)上を延びている。スロットアンテナは、その底面部13においてSMAコネクター20を構成するシェル部21の頂面21Aに、例えば、ハンダ付けにて固定されている。底面部13の中央部には貫通孔14が設けられ、ピン22が底面部13と接触しない構造となっている。尚、SMAコネクター20には、給電線(図示せず)が取り付けられている。
【0032】
実施例1においては、軸線(L)に対して垂直な仮想平面で側面部11を任意の位置で切断したときの側面部11の断面形状は、同一形状の円形である。即ち、側面部11の形状は円筒形である。また、軸線(L)に対するスロット12の傾斜角をθとしたとき、θ=90度であり、垂直波を得ることができる。尚、スロット12は、略1/2λの長さを有する。具体的には、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)としたので、スロット12の長さは28.85mmである。また、スロット12の幅を2mmとし、スロット12の個数を2とした。更には、側面部11の直径を20mm、高さを13mmとした。実施例1にあっては、側面部11の上端は上面板15によって閉鎖されている。尚、上面板15は、必ずしも設けなくともよい。
【0033】
(実施例2)
実施例2は実施例1の変形である。実施例2にあってもスロット結合部はピンから構成されている。図4に模式的な一部断面図を示すように、実施例1と異なり、プリント配線板30にピン32を立て、アンテナ本体部10を構成する底面部13をプリント配線板30に固定することで、スロットアンテナはプリント配線板30から構成されたアンテナ給電手段に取り付けられている。具体的には、アンテナ本体部10を構成する底面部13は、ハンダリフロー法にて、プリント配線板30に設けられ、パターニングされた銅箔(回路)33上に固定されている。尚、参照番号31は、プリント配線板30を構成する絶縁材料から成る基材である。実施例2にあっては、場合によっては、底面部13を省略することができるし、上面板15は必ずしも設けなくともよい。
【0034】
(実施例3)
実施例3も実施例1の変形である。実施例3におけるアンテナ本体部の模式的な底面図を図5の(A)に示し、導波管の模式的な斜視図を図5の(B)に示す。
【0035】
実施例3におけるスロットアンテナは、アンテナ本体部10の底面部13に取り付けられた導波管40を更に有し、スロット結合部は、軸線(L)上に位置する底面部13の部分及び導波管40の部分のそれぞれに設けられた結合開口部17,41から成る。軸線(L)上に位置する底面部13の部分に設けられた結合開口部17と、導波管40の部分に設けられた結合開口部41との位置合わせをして、底面部13と導波管40とを、例えばハンダ付けすることで、アンテナ本体部10を導波管40に取り付けることができる。導波管40は、適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。
【0036】
尚、導波管40を、底面部13と一体に、底面部13から延在するように設けてもよい。また、底面部13の部分に結合開口部を設けず、軸線(L)上に位置する底面部の部分に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。実施例3にあっては、場合によっては、底面部13を省略することができる。
【0037】
(実施例4)
実施例1〜実施例3にあっては、軸線(L)に対するスロット12の傾斜角をθとしたとき、θ=90度としたが、θはこのような値に限定されない。0度<θ<90度とし、2つのスロット12A,12A’を対とし、一方のスロット12Aの一方の傾斜角をθ、他方のスロット12A’の傾斜角を−θすることによって、例えば、円偏波状態を得ることができる。このような構成におけるスロット12A,12A’が形成された側面部11Aから構成されたアンテナ本体部10Aの模式的な側面図を、図6の(A)に示す。また、θ=0度とすれば水平波を得ることができる。このような構成におけるスロット12Bが形成された側面部11Bから構成されたアンテナ本体部10Bの模式的な側面図を、図6の(B)に示す。
【0038】
(実施例5)
実施例5も実施例1の変形である。実施例5においては、模式的な断面図を図7に示すように、アンテナ本体部10Cの内部空間に収まる誘電体部材18を、Al2O3を焼結することで作製し、この誘電体部材18をアンテナ本体部10Cの内部空間に収納した。尚、実施例1と異なり、側面部11の上端は上面板15によって閉鎖されてていない。即ち、誘電体部材18が剥き出しの状態にある。
【0039】
尚、誘電体部材18を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロット112は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する。
【0040】
θ=90度とし、側面部11の形状を円筒形とし、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)、スロット112の長さを約8.7mm、スロット112の個数を3、スロット112の幅を0.75mm、側面部11の直径を12mm、高さを5mmとしたときの出力を実測した結果を、図17に示す。実測結果から、水平面内360度の方向において無指向性を有するスロットアンテナを得られることが判る。尚、図17及び図18において、「0」は天頂方向を示し、「90」及び「270」は水平方向を示し、「180」は真下の方向を示す。
【0041】
尚、実施例5に対して、実施例2〜実施例4にて説明したスロットアンテナの構造(適切な組合せを含む)を適用することができる。また、場合によっては、底面部13を省略することができるし、側面部11の上端を上面板15によって閉鎖してもよい。
【0042】
(実施例6)
実施例6も実施例1の変形である。実施例6にあっても、側面部11の上端は上面板115によって閉鎖されている。そして、実施例1と異なり、上面板115の模式的な平面図を図8に示すように、上面板115には、複数の第2のスロット116が形成されている。第2のスロット116は、略1/2λの長さを有する。
【0043】
θ=90度とし、側面部11の形状を円筒形とし、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)、スロット12の長さを28.85mm、スロット12の個数を2、スロット12の幅を2mm、側面部11の直径を20mm、高さを13mm、第2のスロット116の長さを28.85mm、第2のスロット116の幅を2mm、第2のスロット116の個数を2としたときの出力を実測した結果を、図18に示す。実測結果から、水平面内360度の方向において無指向性を有し、天頂方向に指向性を有するスロットアンテナを得られることが判る。
【0044】
尚、実施例6に対して、実施例2〜実施例5にて説明したスロットアンテナの構造(適切な組合せを含む)を適用することができる。また、場合によっては、底面部13を省略することができる。
【0045】
(実施例7)
実施例7は、本発明の第2の態様に係るスロットアンテナに関する。実施例7のスロットアンテナを分解したときの各構成要素の模式的な断面図を図9に示し、実施例7のスロットアンテナの模式的な断面図を図10に示す。
【0046】
実施例7のスロットアンテナは、
(A)平坦な頂面21Aを有するシェル部21、及び、シェル部21の内部に絶縁体23を介して固定され、シェル部21の頂面21Aの中心部から突出した中心コンタクト部22を有するコネクター(具体的には、SMAコネクター)20、及び、
(B)シェル部21の頂面21Aに固定され、シェル部21の頂面21Aから上方に延び、中心コンタクト部22を取り囲む中空環状のアンテナ本体部51、から成る。
【0047】
そして、アンテナ本体部51には、同一長さを有する複数のスロット52が形成されている。尚、アンテナ本体部50は、真鍮を周知の各種の機械加工を行うことで作製されている。中心コンタクト部を通る軸線(L)は、アンテナ本体部51の中心部を延びている。アンテナ本体部51は、その底部53においてSMAコネクター20を構成するシェル部21の頂面21Aに、例えば、ハンダ付けにて固定されている。
【0048】
実施例7においては、中心コンタクト部22を通る軸線(L)に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部51を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部51の断面形状は、同一形状の円形である。即ち、アンテナ本体部51の形状は円筒形である。また、軸線(L)に対するスロット52の傾斜角をθとしたとき、θ=90度である。尚、スロット52は、略1/2λの長さを有する。具体的には、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)としたので、スロット52の長さは28.85mmである。また、スロット52の幅を2mmとし、スロット52の個数を2とした。アンテナ本体部51の直径を20mm、高さを13mmとした。実施例7にあっては、アンテナ本体部51の上端は上面板55によって閉鎖されている。尚、上面板55は、必ずしも設けなくともよい。
【0049】
尚、実施例7のスロットアンテナに対して、実施例4にて説明したスロットの構成を適用することができる。即ち、中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度である構成、0度<θ<90度である構成を適用することができる。
【0050】
また、図11に模式的な断面図を示すように、実施例5にて説明した構成(即ち、アンテナ本体部51によって囲まれた空間に誘電体部材58を配する構成。更には、誘電体部材58を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロット52は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する構成)を適用することもできる。
【0051】
更には、実施例6にて説明した構成(アンテナ本体部51の上端は上面板55によって閉鎖されており、上面板55には、複数の第2のスロットが形成されている構成)を適用することもできる。
【0052】
また、実施例4にて説明したスロットの構成、実施例5にて説明した構成、実施例6にて説明した構成を、実施例7に対して適宜組み合わせることもできる。
【0053】
(実施例8)
実施例8は、本発明の第3の態様に係るスロットアンテナに関する。実施例8のスロットアンテナの模式的な断面図を図12の(A)に示し、このスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図を、図12の(B)あるいは図13の(A)、(B)に示す。
【0054】
実施例8のスロットアンテナは、
(A)底面63と、頂面65と、底面63の周縁から頂面65の周縁へと延びる側面61を有し、誘電体材料68から構成されたアンテナ本体部60、及び、(B)アンテナ本体部60の少なくとも側面に形成された導電体層69、
から成る。
【0055】
そして、アンテナ本体部60の側面61に形成された導電体層69の部分には、同一長さを有する複数のスロット62が形成され、アンテナ本体部60の底面63の略中心を通り、底面63に垂直な軸線(L)上に、スロット結合部が設けられている。具体的には、実施例8にあっては、アンテナ本体部60の底面63から軸線(L)上を延びる孔部64がアンテナ本体部60に形成されており、スロット結合部は、この孔部64内を上方に延び、アンテナ本体部60の側面61に形成された導電体層69の部分とは離間した第2の導電体層69Aから成る。尚、孔部64内に形成された第2の導電体層69Aと、底面63に形成された導電体層69の部分とは、環状の溝部66によって分離されている。これによって、第2の導電体層69Aは、アンテナ本体部60の側面61に形成された導電体層69の部分から絶縁されている。また、頂面65にも導電体層69が形成されている。
【0056】
アンテナ本体部60は、Al2O3を焼結することによって作製されている。また、導電体層69及び第2の導電体層69Aは、印刷法にて形成された銀ペースト層から成る。
【0057】
実施例8においては、軸線(L)に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部60を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部60の外形断面形状は、同一形状の円形である。即ち、アンテナ本体部60の形状は円柱形である。また、軸線(L)に対するスロット62の傾斜角をθとしたとき、θ=90度である。尚、誘電体材料68の比誘電率をεとしたとき、スロット62は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する。具体的には、ε=約10、射出する電波の周波数を5.2GHz(λ=約57.7mm)としたので、スロット62の長さは約8.7mmである。また、スロット62の幅を0.75mmとし、スロット62の個数を3とした。アンテナ本体部60の直径を12mm、高さを5mmとした。導電体層69及び第2の導電体層69Aの平均厚さを20μmとした。
【0058】
実施例8のスロットアンテナにおいては、図12の(B)あるいは図13の(A)に模式的な一部断面図を示すように、プリント配線板30に回路を形成し、底面63に形成された導電材料層69の部分及び第2の導電材料層69Aの底面をプリント配線板30に設けられた回路(ストリップ線路33Aあるいはパターニングされた銅箔33)上に固定されている。
【0059】
あるいは又、実施例8のスロットアンテナに対して、実施例2にて説明した構成を適用することができる。即ち、図13の(B)に模式的な一部断面図を示すように、プリント配線板30にピン32を立て、底面63をプリント配線板30に固定することで、スロットアンテナをプリント配線板30から構成されたアンテナ給電手段に取り付けることができる。尚、この場合には、孔部64内に第2の導電体層69Aを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0060】
あるいは又、実施例8のスロットアンテナに対して、実施例3にて説明した構成を適用することができる。即ち、アンテナ本体部の模式的な平面を図14の(A)に示し、導波管の模式的な斜視図を図14の(B)に示すように、アンテナ本体部60の底面63に取り付けられた導波管40を更に有し、スロット結合部は、軸線(L)上に位置する導波管40の部分に設けられた結合開口部41から成る構成を適用することもできる。尚、アンテナ本体部60の底面63に形成された導電体層69の一部にも、結合開口部67が形成されている。アンテナ本体部60には、孔部64及び第2の導電材料層69Aは設けられていない。そして、軸線(L)上に位置する底面63の部分の導電体層69に設けられた結合開口部67と、導波管40の部分に設けられた結合開口部41との位置合わせをして、底面63と導波管40とを、例えばハンダ付けすることで、アンテナ本体部60を導波管40に取り付けることができる。導波管40は、適切な方法でアンテナ給電手段に取り付ければよい。図14の(A)において、導電体層69を明示するために、導電体層69に斜線を付した。
【0061】
底面63の部分に結合開口部を設けず、軸線(L)上に位置する底面の部分の導電体層に、導波管の部分に設けられた結合開口部に対向して、導波管の部分に設けられた結合開口部よりも大きな孔部を設けてもよい。
【0062】
また、実施例8のスロットアンテナに対して、実施例4にて説明したスロットの構成を適用することができる。即ち、軸線(L)を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度である構成、0度<θ<90度である構成を適用することができる。
【0063】
更には、実施例5と同様に、アンテナ本体部の模式的な平面を図15に示すように、アンテナ本体部60の頂面165にも導電体層169が形成され、頂面165に形成された導電体層169の部分には複数の第2のスロット166が形成されている構成とすることもできる。尚、誘電体材料68の比誘電率をεとしたとき、第2のスロット166は、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有する。図15において、導電体層169を明示するために、導電体層169に斜線を付した。
【0064】
また、以上に説明した各種構成を適宜組み合わせることもできる。
【0065】
(実施例9)
実施例9は、実施例8の変形である。実施例9においては、模式的な断面図を図16の(A)に示すように、アンテナ本体部60の底面63から軸線L上を延びる孔部64がアンテナ本体部60に形成されており、スロット結合部は、この孔部64内を延び(より具体的には、この孔部64内に挿入され)るピン66からなる、ピン66は、アンテナ本体部60の底面に形成された導電体層69の部分とは離間されている。
【0066】
実施例9のスロットアンテナにおいては、図16の(B)に示すように、プリント配線板30に回路を形成し、ピン66をプリント配線板30の係る回路に固定することで、スロットアンテナはプリント配線板30から構成されたアンテナ給電手段に取り付けられている。具体的には、ピン66は、ハンダリフロー法にてプリント配線板30に設けられ、パターニングされた銅箔(回路)33上に固定されている。
【0067】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて説明したアンテナ本体部やコネクター等の形状、構造、構成材料、大きさや寸法等は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、アンテナ本体部の形状を専ら円筒形あるいは円柱形として説明したが、アンテナ本体部の形状はこれに限定するものではない。即ち、アンテナ本体部の形状を、正多角筒形、正多角柱形、円錐形、角錐形、球の一部とすることもできる。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、水平面内360度の方向において無指向性を有する、利得の高いスロットアンテナを達成することができるし、所望に応じて、併せて、垂直方向において指向性を有する簡素な構造のスロットアンテナを、安価に製造することができる。しかも、スロットアンテナの一層の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1のスロットアンテナの模式的な側面図、及び、模式的な底面図である。
【図2】図2は、実施例1におけるアンテナ本体部及びピンを構成するSMAコネクターの模式的な断面図である。
【図3】図3は、実施例1におけるアンテナ本体部をSMAコネクターに取り付け、スロットアンテナを完成させたときの模式的な断面図である。
【図4】図4は、実施例2におけるスロットアンテナ及びプリント配線板の模式的な一部断面図である。
【図5】図5の(A)は、実施例3におけるアンテナ本体部の模式的な底面図であり、図5の(B)は、導波管の模式的な斜視図である。
【図6】図6の(A)及び(B)は、それぞれ、θ=90度、θ=0度としたときのアンテナ本体部の模式的な側面図である。
【図7】図7は、実施例5におけるアンテナ本体部をSMAコネクターに取り付け、スロットアンテナを完成させたときの模式的な断面図である。
【図8】図8は、実施例6のスロットアンテナを構成する上面板の模式的な平面図である。
【図9】図9は、実施例7のスロットアンテナを分解したときの各構成要素の模式的な断面図である。
【図10】図10は、実施例7のスロットアンテナの模式的な断面図である。
【図11】図11は、実施例7のスロットアンテナの変形例の模式的な断面図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8のスロットアンテナの模式的な断面図、及び、実施例8ののスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8ののスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図である。
【図14】図14の(A)は、実施例8におけるアンテナ本体部の別の変形例の模式的な底面図であり、図14の(B)は、導波管の模式的な斜視図である。
【図15】図15は、実施例8におけるアンテナ本体部の更に別の変形例の模式的な平面図である。
【図16】図16(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9のスロットアンテナの模式的な断面図、及び、実施例9のスロットアンテナをプリント配線板に取り付けた模式的な断面図である。
【図17】図17は、実施例5のスロットアンテナの出力をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図18】図18は、実施例6のスロットアンテナの出力をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C・・・アンテナ本体部、11,11A,11B・・・側面部、12,12A,12A’,12B・・・スロット、13・・・底面部、14・・・貫通孔、15,115,55・・・上面板、116・・・第2のスロット、17,41・・・結合開口部、18,58・・・誘電体部材、20・・・コネクター、21・・・シェル部、21A・・・シェル部の頂面、22・・・ピン(中心コンタクト部)、23・・・絶縁体、30・・・プリント配線板、31・・・基材、32・・・ピン、33・・・銅箔、40・・・導波管、51・・・アンテナ本体部、52・・・スロット、53・・・底部、60・・・アンテナ本体部、61・・・側面、62・・・スロット、63・・・底面、64・・・孔部、65,165・・・頂面、66・・・ピン、67・・・結合開口部、68・・・誘電体材料、69,69A・・・導電体層、166・・・第2のスロット
Claims (44)
- 底面部と、該底面部の周縁から上方に延びる側面部から成るアンテナ本体部を有し、
該側面部には、同一長さを有する複数のスロットが形成され、
底面部の略中心を通り、底面部に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられていることを特徴とするスロットアンテナ。 - 前記スロット結合部は、前記軸線上を延び、底面部とは絶縁されたピンから成り、側面部は該ピンを取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載のスロットアンテナ。
- 底面部に取り付けられ、若しくは、底面部と一体に設けられた導波管を更に有し、
前記スロット結合部は、前記軸線上に位置する導波管の部分に設けられた結合開口部から成ることを特徴とする請求項1に記載のスロットアンテナ。 - 前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状は、同一形状の円形であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状は、同一形状の正多角形であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状は、底面部から離れるに従い小さくなる円形であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対して垂直な仮想平面で側面部を任意の位置で切断したときの側面部の断面形状は、底面部から離れるに従い小さくなる正多角形であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 側面部は、球の一部を構成する形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、0度<θ<90度であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=90度であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- スロットは、略1/2λの長さを有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 底面部と側面部によって囲まれた空間には誘電体部材が配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 誘電体部材を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することを特徴とする請求項13に記載のスロットアンテナ。
- 側面部の上端は上面板によって閉鎖されていることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 上面板には、複数の第2のスロットが形成されていることを特徴とする請求項15に記載のスロットアンテナ。
- (A)平坦な頂面を有するシェル部、及び、シェル部の内部に絶縁体を介して固定され、シェル部の頂面の中心部から突出した中心コンタクト部を有するコネクター、及び、
(B)シェル部の頂面に固定され、シェル部の頂面から上方に延び、中心コンタクト部を取り囲む中空環状のアンテナ本体部、
から成り、
アンテナ本体部には、同一長さを有する複数のスロットが形成されていることを特徴とするスロットアンテナ。 - 中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状は、同一形状の円形であることを特徴とする請求項17に記載のスロットアンテナ。
- 中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状は、同一形状の正多角形であることを特徴とする請求項17に記載のスロットアンテナ。
- 中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状は、シェル部の頂面から離れるに従い小さくなる円形であることを特徴とする請求項17に記載のスロットアンテナ。
- 中心コンタクト部を通る軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の断面形状は、シェル部の頂面から離れるに従い小さくなる正多角形であることを特徴とする請求項17に記載のスロットアンテナ。
- アンテナ本体部は、球の一部を構成する形状を有することを特徴とする請求項17に記載のスロットアンテナ。
- 中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、0度<θ<90度であることを特徴とする請求項17乃至請求項22のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度であることを特徴とする請求項17乃至請求項22のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 中心コンタクト部を通る軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=90度であることを特徴とする請求項17乃至請求項22のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- スロットは、略1/2λの長さを有することを特徴とする請求項17乃至請求項25のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- アンテナ本体部によって囲まれた空間には誘電体部材が配されていることを特徴とする請求項17乃至請求項25のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 誘電体部材を構成する誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することを特徴とする請求項27に記載のスロットアンテナ。
- アンテナ本体部の上端は上面板によって閉鎖されていることを特徴とする請求項17乃至請求項28のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 上面板には、複数の第2のスロットが形成されていることを特徴とする請求項29に記載のスロットアンテナ。
- (A)底面と、頂面と、該底面の周縁から該頂面の周縁へと延びる側面を有し、誘電体材料から構成されたアンテナ本体部、及び、
(B)アンテナ本体部の少なくとも側面に形成された導電体層、
から成り、
アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分には、同一長さを有する複数のスロットが形成され、
アンテナ本体部の底面の略中心を通り、底面に垂直な軸線上に、スロット結合部が設けられていることを特徴とするスロットアンテナ。 - アンテナ本体部の底面から前記軸線上を延びる孔部がアンテナ本体部に形成されており、
前記スロット結合部は、該孔部内を上方に延び、アンテナ本体部の側面に形成された導電体層の部分とは離間した第2の導電体層から成ることを特徴とする請求項31に記載のスロットアンテナ。 - アンテナ本体部の底面から前記軸線上を延びる孔部がアンテナ本体部に形成されており、
前記スロット結合部は、該孔部内を上方に延びるピンから成ることを特徴とする請求項31に記載のスロットアンテナ。 - アンテナ本体部の底面に取り付けられた導波管を更に有し、
前記スロット結合部は、前記軸線上に位置する導波管の部分に設けられた結合開口部から成ることを特徴とする請求項31に記載のスロットアンテナ。 - 前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状は、同一形状の円形であることを特徴とする請求項31乃至請求項34のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状は、同一形状の正多角形であることを特徴とする請求項31乃至請求項34のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状は、アンテナ本体部の底面から離れるに従い小さくなる円形であることを特徴とする請求項31乃至請求項34のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対して垂直な仮想平面でアンテナ本体部を任意の位置で切断したときのアンテナ本体部の外形断面形状は、アンテナ本体部の底面から離れるに従い小さくなる正多角形であることを特徴とする請求項31乃至請求項34のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- アンテナ本体部の側面は、球の一部を構成する形状を有することを特徴とする請求項31乃至請求項34のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、0度<θ<90度であることを特徴とする請求項31乃至請求項39のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=0度であることを特徴とする請求項31乃至請求項39のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 前記軸線に対するスロットの傾斜角をθとしたとき、θ=90度であることを特徴とする請求項31乃至請求項39のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- 誘電体材料の比誘電率をεとしたとき、スロットは、略(1/2λ)×(1+ε)−1/2の長さを有することを特徴とする請求項31乃至請求項42のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
- アンテナ本体部の頂面にも導電体層が形成され、
頂面に形成された導電体層の部分には、複数の第2のスロットが形成されていることを特徴とする請求項31乃至請求項43のいずれか1項に記載のスロットアンテナ。
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