JP2004138111A - バルブ装置及び流体制御チップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のバルブ装置は、流体の入口と出口とを有するバルブチャンバ8が設けられたバルブ本体部と、チャンバに収納される弁体3と、バルブ本体部を振動させる圧電素子4とを備え、出口に傾斜部となる弁座8aが設けられ、弁体3が、チャンバ内の流体の圧力で弁座8aに位置するとともに圧電素子4による振動によって移動することにより、チャンバ内に流路を形成して、出口が開放されるように構成したものである。流体制御チップは、リザーバ部2aと、バルブ配設チップ1と、流体回路チップ本体2bの3層から構成さえる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体や気体の流体を搬送する流路の途中に設けられるバルブ装置に関し、特に、加振時に弁体が受ける力を利用するバルブ装置と、このバルブ装置を有する流体制御チップに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のナノテクノロジーや超微細加工技術の動きは、この20年にわたる半導体技術の進歩に連動して目覚ましい。今後はこうした技術が融合して様々の応用技術に発展することが期待されている。
【0003】
ところで、このような融合技術の1つとして、半導体チップと微小アクチュエータを一体化した微小電気機械システム(MEMS)技術、いわゆるマイクロマシンが注目されている。これはLSIと実際の仕事を受け持つアクチュエータを一体化して数mm角のチップに収めるものであり、とりわけ微小な流体回路とLSI回路を組み合わせることが新たな融合を生むものとして期待されている。例えば、身体に装着して血液検査を行うとともにモニタ結果を記録し、これを医療機関に送信して監視する血液検査用チップや、微量の薬液を複数反応させて反応結果を出力するチップ等、検査や反応を行うものにとくに期待が寄せられている。
【0004】
こうしたチップは、上述の血液検査用チップを例にして説明すると、流体回路として基板上に、少なくとも、血液や汗その他の体液を採取し流路に供給するためのマイクロポンプや、体液と薬液を供給する流路、複数のセンサ、流路を開閉するマイクロバルブ、さらにはこれらを駆動するためのLSI回路が集積されていなければならない。そして、流路は概ね管径数μm〜数百μmのオーダであり、マイクロポンプとマイクロバルブはこの管径の大きさに縛られるものである。
【0005】
そしてこのマイクロバルブは、一般のバルブとは隔絶した微小構造であるとともに、液漏れや、開閉動作の確実性、耐久性等の課題が解決されないと機能が果たせないものである。また、このマイクロバルブは制御が容易で正確でなければチップの流体回路の要素としては使えない。さらにこのマイクロバルブは、微小なためきわめて高い確実性が要求されるし、一般のバルブでは無視できるような慣性や振動、寸法誤差にも影響を受ける。
【0006】
そこで、こうしたマイクロバルブとして好適の速動弁が提案された(特許文献1参照)。図8は従来の速動弁の構成図である。この速動弁は、ハウジング100内にチャンバ101を備え、この内部に、弁体103によって閉止されたバルブシート104が配置されている。バルブシート104は、軸方向に膨張及び収縮が可能なアクチュエータ105によって支持されている。アクチュエータ105は、作動信号に感応して収縮する。この結果バルブシート104が、弁体103が追随できないような高速にて弁体103から離れ、弁体103は慣性で動きが遅れ、バルブシート104を通過する流れを作る。この流れは弁体103を閉止位置に押し戻す。このような動作の繰返しで流体を流し制御するものである。そしてこの速動弁は、短い切換時間で切り換えることができ、高い反復速度を達成するものである。
【0007】
【特許文献1】
特表2001−512813号公報(第4−7頁、第1図、第5図、第6図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、微小な流体回路とLSI回路が融合したチップに大きな期待が寄せられているが、こうしたチップに組み込まれるマイクロバルブは一般のバルブとは隔絶した微小構造であるとともに、液漏れや、開閉動作の確実性、耐久性等の課題が解決されないと機能が果たせない。また、制御が容易で正確でなければチップの流体回路の要素としては使えないという課題があった。微小であるが故にきわめて高い正確性が要求され、しかも一般のバルブでは無視できるような慣性や振動、寸法誤差等にも大きな影響を受けるものである。
【0009】
また、(特許文献1)で提案された速動弁は、短時間で切り換えることができ、高い反復速度が得られるものであるが、金属製ディスク等のバルブシート104の出入孔に弁体103を押圧して流路を閉鎖させるため、閉動作の確実性や高圧時、圧力変動時の耐圧性(液漏れ)等に問題があるものであった。しかも、流路の開度が圧電素子の動作幅(数μm〜数十μm程度)内に限定されるため、制御の正確性や応答性はコントロールが難しく、振動や寸法誤差等にも大きな影響を受け、且つ、ダイナミックレンジが狭く速動弁を流れる流体の最大流量は大きくできないものであった。このとき、大流量や連続流を流そうとすると、脈動の大きな流れとなってしまう。
【0010】
そこで本発明は、高圧化しても液漏れせず、製作が容易で耐久性に優れ、制御が容易で且つ正確に行え、ダイナミックレンジが広く、応答が速く、脈動の少ないバルブ装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、高圧化しても液漏れせず、製作が容易で耐久性に優れ、制御が容易で且つ正確に行え、交換が容易で経済的な流体制御チップを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、流体の入口と出口とを有するチャンバと、チャンバに収納される弁体と、チャンバを振動させる加振手段と、を備えるバルブ装置であって、出口に傾斜部が設けられ、弁体が、チャンバ内の流体の圧力で傾斜部に位置するとともに加振手段による振動によって移動することにより、チャンバ内に流路を形成して、出口が開放されるように構成したものである。
【0013】
本発明は、高圧化しても液漏れせず、製作が容易で耐久性に優れ、制御が容易で且つ正確に行え、ダイナミックレンジが広く、応答が速く、脈動を少なくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、流体の入口と出口とを有するチャンバと、チャンバに収納される弁体と、チャンバを振動させる加振手段と、を備えるバルブ装置であって、出口に傾斜部が設けられ、弁体が、チャンバ内の流体の圧力で傾斜部に位置するとともに加振手段による振動によって移動することにより、チャンバ内に流路を形成して、出口が開放されることを特徴とするバルブ装置であり、弁体が傾斜部上を振動によって移動することで開度を確実且つ迅速に調節でき、制御が容易で正確になり、ダイナミックレンジが広く、応答が速く、脈動が少なくなる。弁体が傾斜部と確実に接触して高圧化しても液漏れせず、製作が容易で耐久性に優れる。
【0015】
第2の発明は、弁体は、加振手段の振動により傾斜部上を摺動することにより出口が開放されることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、弁体が傾斜部上を振動によって移動することでより制御が容易で正確になる。ダイナミックレンジが広く、脈動が少なくなる。
【0016】
第3の発明は、弁体は、加振手段の振動により傾斜部から跳ね上げられることにより出口が開放されることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、弁体が傾斜部上を振動によって移動することでダイナミックレンジが広くなる。
【0017】
第4の発明は、加振手段は、チャンバを流体の流れ方向に直角方向に振動させることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、チャンバの振動により弁体をチャンバの入口方向へ移動させることが可能になる。制御が容易で正確になり、ダイナミックレンジが広く、脈動が少なく、応答が速くなる。
【0018】
第5の発明は、弁体が、加振手段の振動の変化によって、出口から流出する流体の流れの状態が変化すること特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、振動の変化によって流れをきわめて容易に制御することができる。
【0019】
第6の発明は、弁体の一端における形状がクサビ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、クサビ状の形状で傾斜部と接触するから、クサビ効果で確実に接触して高圧化しても液漏れしない。
【0020】
第7の発明は、弁体の一端における形状が球状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、弁体の製造と組み立てが容易である。
【0021】
第8の発明は、弁体の一端における形状が円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、弁体の製造と組み立てが容易で、制御が容易である。クサビ効果がより大きくなるため高圧化することができる。
【0022】
第9の発明は、加振手段とチャンバが着脱可能であることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、バルブ本体部の交換を行ったときにも加振手段を繰返し使用できる。
【0023】
第10の発明は、加振手段が圧電素子であることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、電気的に制御が行え、制御が容易で正確になる。
【0024】
第11の発明は、加振手段に加える制御波形を生成する駆動装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、波形を制御することできわめて容易に制御することができる。
【0025】
第12の発明は、弁体の両端の形状が、それぞれ、クサビ状、球状、円錐状のいずれかの形状を有すとともに、チャンバの入口と出口には、それぞれ弁体と接触する傾斜部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、入口側の形状と傾斜部で逆止弁機能をもたせることができる。
【0026】
第13の発明は、弁体の両端の形状が、いずれもクサビ状または円錐状に形成され、入口側における弁体の端部の頂角が、出口側の端部の頂角より小さく、且つ、チャンバの入口側に形成された傾斜部のなす角度が、チャンバの出口側に形成された傾斜部のなす角度より小さいことを特徴とする請求項12記載のバルブ装置であり、クサビ効果が大きいので小さな圧力でも確実に閉鎖でき、逆流をより効果的に止めることができる。また、順方向に送水時には、入口側の端部の頂角の小さい方が、流体抵抗が少なく、圧力損失を低下することができる。
【0027】
第14の発明は、弁体の形状が球状であり、チャンバの入口側に形成された傾斜部のなす角度が、チャンバの出口側に形成された傾斜部のなす角度より小さいことを特徴とする請求項12記載のバルブ装置であり、クサビ効果が大きいので小さな圧力でも確実に閉鎖でき、逆流をより効果的に止めることができる。
【0028】
第15の発明は、弁体をチャンバの出口方向に付勢する弁体付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置であり、閉鎖を確実化するとともに、閉鎖圧を高圧化でき、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0029】
第16の発明は、弁体付勢手段が電磁石で、弁体が強磁性体または永久磁石を備えたことを特徴とする請求項15記載のバルブ装置であり、非接触で弁体に付勢力を与えることができ、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。また、弁体が永久磁石の場合は、電磁石の磁性をコントロールすることにより、逆止弁機能を持たせたときに逆方向の液漏れを確実に防止できる。
【0030】
第17の発明は、弁体付勢手段が永久磁石で、弁体が強磁性体または永久磁石を備えたことを特徴とする請求項15記載のバルブ装置であり、非接触で弁体に付勢力を与えることができ、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0031】
第18の発明は、弁体付勢手段が強磁性体で、弁体が永久磁石を備えたことを特徴とする請求項15記載のバルブ装置であり、非接触で弁体に付勢力を与えることができ、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0032】
第19の発明は、弁体付勢手段が付勢バネまたは弾発突片であることを特徴とする請求項15記載のバルブ装置であり、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0033】
第20の発明は、請求項1〜19のいずれかに記載されたバルブ装置と、流体が流れる流路部とを有することを特徴とする流体制御チップであり、交換が容易で、経済的であるバルブ装置を、液漏れが少なく、高圧化できるので、全体として液漏れが少なく、高圧で使用できる。
【0034】
第21の発明は、流体を保持するリザーバ部を有することを特徴とする請求項20記載の流体制御チップであり、リザーバ部の交換が容易で、経済的であるバルブ装置を、液漏れが少なく、高圧化できるので、全体として液漏れが少なく、高圧で使用できる。
【0035】
第22の発明は、請求項1〜18のいずれかに記載されたバルブ装置であって、弁体をチャンバの出口方向に付勢する弁体付勢手段がバルブ装置の外部に設けられたことを特徴とする流体制御チップであり、バルブ装置の外部に弁体付勢手段を取り付けることで、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0036】
第23の発明は、流体を保持するリザーバを有する第1の層と、該第1の層から供給された流体の流れを制御する弁機構を有する第2の層と、該第2の層から供給された流体を反応させる反応部または反応を検出するための検出部を有する第3の層とが組み合わされて構成されることを特徴とする流体制御チップであり、交換が容易で繰返し組み合わせて使用でき、経済的に使用することができる。
【0037】
第24の発明は、各層が相互に着脱可能であることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、交換が容易で繰返し組み合わせて使用でき、経済的に使用することができる。
【0038】
第25の発明は、弁機構の上側面が第1の層の下側面で覆われることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、流路を開放して作成し、第1の層の下側面で覆うため、部品点数と組み立ての工程数を減らすことができる。
【0039】
第26の発明は、反応部及びまたは検出部の上側面が第2の層の下側面により覆われることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、流路を開放して作成し、第2の層の下側面で覆うため、部品点数と組み立ての工程数を減らすことができる。
【0040】
第27の発明は、流体制御チップを振動させる加振手段を有し、加振手段が流体制御チップの外部に設けられていることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、外部に加振手段を取り付けることで、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0041】
第28の発明は、流体制御チップを振動させる加振手段を有し、加振手段が流体制御チップと着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、加振手段が流体制御チップと着脱可能であるため、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0042】
第29の発明は、弁機構が弁体を有し、流体制御チップの外部に弁体付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、外部に弁体付勢手段を取り付けることで、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0043】
第30の発明は、弁機構が弁体を有し、弁体付勢手段が流体制御チップと着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップであり、加振手段が流体制御チップと着脱可能であるため、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
【0045】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1におけるバルブ装置を使用した流体回路チップの全体構成分解斜視図、図1(b)は(a)のバルブ装置の一部破断斜視図である。
【0046】
最初に実施の形態1のバルブ装置を使用した流体回路チップの全体構成について説明する。図1(a)において、1は振動を加えたときの弁体の慣性、及びV字状の内壁面(弁座)からの反力、さらに供給される流体の圧力で開閉される弁機構が設けられたバルブ配設チップ(本発明の第2の層)、1aはバルブ配設チップ1の弁機構を構成するマイクロバルブ(本発明のバルブ装置)、2aはマイクロバルブ1aに供給する流体を保持するリザーバAを備えたリザーバ部(本発明の第1の層)、2bは測定のための各種センサB(本発明の検出部)が設けられ所定の回路に構成された流体回路C(本発明の反応部)を備えた流体回路チップ本体(本発明の第3の層)である。なお、リザーバ部2aから流体を送り出すためにはポンプ作用をもつ装置が必要である。実施の形態1においては図1に示すようなシリンジポンプDを用いている。これらは、リザーバ部2aに流体を供給してこれを保持させた後、モータD2を駆動して、ラックとピニオンD3の作用でシリンジD1を押し出すものである。これによりシリンジD1の内部の空気を押し出し、この空気圧でリザーバ部2a内の流体(液体)を供給する。但し、ポンプは他の形式のポンプでもよい。バルブ配設チップ1、リザーバ部2a、流体回路チップ本体2bはいずれも所定厚さの板状体である。また、本実施の形態においては以下マイクロバルブ1aを説明するが、これは本発明の好ましいいくつかの実施の形態を示しているにすぎず、加振を利用して制御できるバルブ装置であればこれに限られないのは当然である。
【0047】
また、3はマイクロバルブ1aの弁の開閉を行うクサビ状頭部を両端に形成された弁体、3vはそのクサビ状頭部、4は流路と交差する方向からバルブ配設チップ1に振動を加えて弁体3を制御する圧電素子(本発明の加振手段)であり、バルブ配設チップ1とは着脱自在に構成されている。なお、クサビ状頭部3vは弁体3の一端側(出口側)に形成するだけでよいが、本実施の形態1の場合、これを両端に設けているのは逆止弁の機能を入口側のクサビ状頭部3vに与えるためである。実施の形態3で説明する。バルブ配設チップ1とリザーバ部2aは組み合わされて流路制御ユニットを構成し、これが流体回路チップ本体2b上で積層されて、全体として流体制御チップを構成する。バルブ配設チップ1とリザーバ部2a、流体回路チップ本体2bを交換すればシリンジポンプ等のポンプや圧電素子4は繰返し使用できる。
【0048】
ここで弁体3について説明すると、弁体3の材料は金属一般、例えば鉄合金、SUS、アルミ等や、またはガラス、セラミック等の無機材料、樹脂等のいずれでもよい。材料の選定基準は、加工性がよいことや、慣性を利用するから比重、親水性,粘性抵抗等の表面物性、耐食性が優れていることが挙げられる。この親水性,粘性抵抗、耐食性を改善するため、金属メッキ、塗装、レーザ加工、プラズマ加工を使って表面処理を施すのもよい。親水性,粘性抵抗が改善されると流体力学的に弁体3の動きがよくなる。
【0049】
次に、バルブ配設チップ1の詳細について説明する。図1(b)において、5はマイクロバルブ1aの内部流路が打ち抜き溝状に形成されたバルブ本体基板、5bは打ち抜き形状の溝の下面を覆って流路とする下部基板である。バルブ本体基板5の上面はリザーバ部2aが積層されて覆われ、溝内が流路として構成される。なお、バルブ本体基板5は、マイクロバルブ1aを構成するため基板と呼称しているが、これに限られない。他のバルブ装置の場合には、バルブ本体基板5というよりバルブ本体部ということになる。
【0050】
ここでバルブ本体基板5、下部基板5bの材料は、ガラスやセラミック等の無機材料、または樹脂、あるいは金属一般、例えば鉄合金、SUS、アルミ等等のいずれでもよい。材料の選定基準は、加工性がよいことが第一であるが、光センサによるチップ外部から観察,計測のため光透過性、耐食性が優れていることが挙げられる。また、金属メッキ、塗装、レーザ加工、プラズマ加工を使って表面処理を施すのがよい。流体力学的に抵抗が減り、生体物質の固定化も改善される。なお、この実施の形態1においては下部基板5bを設けているが、下部基板5bを省き、流体回路チップ本体2bで溝下面を覆うのが部品点数を減らし、組み立て工程も減らし、望ましい。
【0051】
6はリザーバ部2aとの流路接続ポートとなる入口ポート、7は所定幅で所定高さの入口側チャネル、8は弁体3を内部に収容したバルブチャンバ(本発明のチャンバ)である。8aはバルブチャンバ8に形成されたV字状の弁座(本発明の傾斜部)、9は所定幅で所定高さので出口側チャネル、10は流体回路チップ本体2bとの流路接続ポートとなる出口ポートである。なお、実施の形態1においてはこの入口ポート6、入口側チャネル7が本発明の入口に相当し、出口側チャネル9、出口ポート10が本発明の出口に相当するが、入口、出口の形態はこれに限られない。また、入口ポート6、入口側チャネル7、出口側チャネル9、出口ポート10はバルブチャンバ8と一体に形成されている。
【0052】
入口側チャネル7とバルブチャンバ8、出口側チャネル9は、弁体3に回転もしくは揺動が生じないように流路の中心線が直線に配置されるのが望ましい。出口チャネル9の幅は数μm〜数百μmであり、チャネル幅はこれより大きいが概ねこれと同じオーダであり、弁体長はチャネル幅の2〜10倍程度が好ましい。入口ポート6からの圧力(背圧)によって弁体3は背後から押され、クサビ状頭部3vが弁座8aとガタつかず円滑に嵌合することができる。さらに、本実施の形態1においては弁座8aはV字状で中心線に関して対称に設けられているが、単純な傾斜面であってもよい。このとき弁体3も同様な形状となる。
【0053】
次に、実施の形態1のマイクロバルブ1aを制御する駆動装置について説明する。図2は本発明の実施の形態1におけるバルブ装置の駆動装置の構成図である。図2において、4aは圧電素子4を構成するPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電層、4bは圧電層4aに電圧を印加する電極シートである。圧電層4aを挟んで対向している電極シート4bの一方は接地され、他方に制御のための所定駆動周波数の電圧が加えられる。
【0054】
11はマイクロバルブ1aの弁体3の位置を制御する駆動装置、12は電源部である。13は電源部12から供給される電流や電圧の周波数や振幅を変化させたり、波形を整形したりする波形制御部、14はこの波形制御部13で行う波形の整形に対して外部から制御することができる入力部、15は波形制御部13で整形されたアナログ制御信号の振幅を制御するアンプである。アンプ15からの駆動電流が正負に変化することで、圧電素子4が膨張と伸縮を繰返すことが可能になる。なお、駆動装置11からの出力は正弦波状のアナログ信号に整形されるが、入力部14からの制御信号は専らデジタル信号であり、D/A変換の必要があるため、できるだけデジタルで処理し、処理を簡単にするのが好ましい。
【0055】
続いて、以下、実施の形態1のマイクロバルブ1aが圧電素子4からの加振によって制御可能になる理由について説明する。図3(a)は本発明の実施の形態1におけるマイクロバルブの弁体を加振したときの状態図、図3(b)は(a)の弁体に加わる力を示す説明図である。
【0056】
図3(b)に示すように、マイクロバルブ1aの弁座8aはθのテーパ角をもち、同じくθのクサビ状頭部3vの角度をもつ弁体3と、入口側からの背圧のためある時点で接触していると仮定する。このとき弁体3には入口側チャネル7の方から背圧を含む付勢力Pvが加わっており、バルブ配設チップ1には流路方向と直交して圧電素子4による周波数fcの振動が加えられる。これにより弁体3はバルブ配設チップ1からみたとき相対加速度αv、相対速度uvで運動する。そしてαv=g(T,fc)で表現される。ここにTは時間を表す。
【0057】
ところで、弁体3に加わる慣性力FvはFv=mv・αvで表される。また弁体3が受ける流体抵抗Rdの抵抗係数をKvとすると、Rd=Kv・uv 2となる。そして摩擦力Rfは摩擦係数をKfとすると、Rf=Kf・(Pvcosθ)となる。
【0058】
従って、弁座8aに沿った方向の慣性力Fv *は、弁座8aに沿った方向の相対加速度をαv *、相対速度をuv *としたとき、(数1)が得られ、αv *=Fv */mvとなる。
【0059】
従って、弁座8aに沿った方向の弁体3の変位をdv *とすると、(数2)となる。これらから、(数3)(数4)が得られる。(数4)によれば、(数4)の第1項はg(T,fc)の積分に比例し、第2項はg(T,fc)の2乗の積分に比例していることが分かる。
【0060】
従って、弁体3の変位dv *は駆動装置11から与える周波数fcの変化、また加速度の大きさ等で制御可能となる。例えば図3(a)を参照すると、図3(a)の上段の状態図は弁体3に背圧がかかりマイクロバルブ1aを閉止していることを示しており、中段の状態図は、バルブチャンバ8が圧電素子4によってX方向へ加振され、この作用で弁体3が弁座8aから背圧Pと反対方向の力成分を受けて、背圧Pと反対方向へ押し上げられ、大きな流路E*が形成されたことを示している。この押し上げというのは、弁体3が、周波数fcや振幅の大きさ等に従い、弁座8a上を摺動(スライド)したり、弁座8aから跳ね上げられて移動することを内容として含んでいる。
【0061】
また、下段の状態図は、中段の状態図とは逆に、バルブチャンバ8が圧電素子4によってY方向へ加振され、この作用で弁体3が弁座8a*から背圧Pと反対方向の力成分を受けて、背圧Pと反対方向へ押し上げられ、大きな流路Eが形成されたことを示している。弁体3は、上記と同様、弁座8a*上を摺動(スライド)したり、弁座8a*から跳ね上げられて移動する。
【0062】
このように、実施の形態1のマイクロバルブ1aは弁体3が弁座8a,8a*の中央に着座したとき流路を閉鎖し、弁座8a,8a*の一方によって背圧Pと反対方向へ押し上げられ、流路E,E*を形成するものである。(数3)(数4)で示したように、圧電素子4の周波数fcや振幅の大きさ、弁体自身の質量、弁座8a,8a*のテーパ角θ等を制御することにより、弁体3に作用する押し上げ力(慣性力Fv *)と変位dv *は変化する。従って、これらのパラメータを調整することで流路E,E*の大きさ、言い換えればマイクロバルブ1aの開度が変更され、流量の制御が可能になるものである。また、実施の形態1のマイクロバルブ1aは、図3(a)の状態図から分かるように、上段に示した閉鎖状態以外のときには、流路E,E*のどこかが常時開放されており、流れに断続が無く、脈動の少ない安定した流量を得ることができるものである。さらに、圧電素子4の加振で弁体3の変位dv *は変化させるが、変位dv *の大きさは圧電素子4自身の振幅だけに依存しない。すなわち、振動により弁体3は背圧Pと反対方向へ競り上がっていくことで、圧電素子4の振幅以上の流路E,E*を形成でき、最大流量すなわちダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0063】
以上説明したように実施の形態1のマイクロバルブ1aは、弁体3の形状をクサビ状頭部3vとするとともに弁座8aをV字状とし、圧電素子4でバルブチャンバ8内の流れの方向と直交する方向へ加振するので、圧電素子4へ加える駆動電流の周波数と振幅でバルブの開度を制御できる。従って制御が容易で正確に行え、ダイナミックレンジが広く、従来の速動弁と異なり、弁座8aの反力を使っているため応答が速い。高圧化しても弁体3の形状と弁座8aの形状で液漏れせず、バルブ配設チップ1の加工は印刷等周知の方法を用いることができでき、製作が容易で耐久性に優れる。
【0064】
また、本実施の形態1においては、圧電素子4はバルブチャンバ8内の流体の流れ方向と直交する方向へ加振しているが、回転運動等による直交方向成分を有する加振方法であれば、圧電素子4と同様の作用効果が得られるのはいうまでもない。
【0065】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2のマイクロバルブ1aの説明を行う。実施の形態2のマイクロバルブ1aは弁体頭部形状と弁座形状が3次元的に構成されたものである。図4(a)は本発明の実施の形態2における球状弁体を備えたバルブ装置の一部破断斜視図、図4(b)は本発明の実施の形態1における円錐状クサビ状頭部3vをもつ弁体を備えたバルブ装置の一部破断斜視図である。
【0066】
図4(a)において、3aは球状の形状の弁体であり、錐孔状の弁座8aと組み合わさってマイクロバルブ1aを構成している。実施の形態1の弁体3はクサビ状頭部3vをもち、弁座8aはV字状の形状をして嵌合していたが、これはマイクロバルブ1aが2次元溝で流路を構成していたからである。しかし、本実施の形態は、側方から加振したときの弁体3の慣性、弁座8aからの反力、背面からの圧力を利用するものであり、2次元に限られない。実施の形態2は3次元軸対称の流路でこれを実現したものである。
【0067】
球体の弁体3aは噴霧と冷却を組み合わせたり研削、研磨等で比較的容易に製造することができる。球体であるため弁体3の製造と組み立てが容易である。バルブチャンバ8の面積に対して開口時の面積比率が2次元のものより大きく、ダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0068】
図4(b)のマイクロバルブ1aの場合、図4(b)において3bに示すように円錐状の形状のクサビ状頭部をもつ弁体となっている。基本的に球体の弁体3aと同様である。加えて、クサビ効果がより大きくなるため、高圧化に好適である。なお、ここでクサビ効果とは、傾斜面に対して傾斜面とは異なる方向(本実施の形態では背圧Pの方向)より力を加えることで、テコの原理により増力される効果である。
【0069】
(実施の形態3)
実施の形態3のマイクロバルブ1aは制御弁であると同時に逆止弁の機能をもつものである。図5(a)は本発明の実施の形態3における逆止弁機能付きバルブ装置の機能説明図、図5(b)は(a)の逆止弁機能付きバルブ装置の構成図、図5(c)は逆止弁機能付きバルブ装置の流体回路で使用した時の説明図である。
【0070】
図5(a)において、8bは実施の形態3の弁体3と嵌合する入口側弁座である。実施の形態3における弁体3の形状は、実施の形態1と同様に2次元板状に構成されており、バルブチャンバ8の出口側のほかにバルブチャンバ8の入口側にもクサビ状頭部が形成されている。この入口側のクサビ状頭部と入口側弁座8bの構成によって逆止弁機能を実現するものである。
【0071】
順方向止水時には入口側チャネル7から背圧が弁体3の背面に加わることで弁体3は弁座8aに押し付けられて閉止される。これは通常の制御弁の機能である。この状態で圧電素子4による加振を加えると、弁体3の位置は中央からチャンバ幅方向にシフトし、順方向送水時に必要な開口状態となる。この状態で加振を続けて、流体の供給を行う。その後ある時点に流体の供給と加振を停止すると、出口側チャネル9から高圧の圧力が逆流する。この状態が図5(a)の逆流時の説明図の状態である。このとき、弁体3の入口側クサビ状頭部が入口側弁座8bに嵌合し、逆流を止めることができる。
【0072】
続いて、この逆止弁機能付きマイクロバルブが備えるべき構成について説明する。図5(b)に示すように、弁体3の出口側クサビ状頭部の頂角をθaとし、入口側クサビ状頭部の頂角をθbとする。同様に、弁座8aの交差V字状の受入角度がθa、入口側弁座8bの受入角度がθbとする。このとき、θa≧θbが逆止弁機能付きマイクロバルブの充たすべき構成である。
【0073】
すなわち、出口側のクサビ状頭部よりも入口側のクサビ状頭部の頂角の方をより鋭角に形成すると、クサビ状効果が大きいので小さな圧力でも確実に閉鎖でき、逆流をより効果的に止めることができる。また、順方向に送水時には、入口側クサビ状頭部の頂角θbが小さい方が流体抵抗が少なく、圧力損失を低下することができる。θa=θbの場合は弁体3の製造が容易となるし、組み立て時に弁体3の挿入方向を考えないで組立でき、マイクロバルブの製造が容易になる。
【0074】
また、弁体3の形状が球体であって、バルブチャンバ8の入口側弁座8bの受入角が、出口側に形成された弁座8aの受入角より小さくすると、クサビ効果が大きいため小さな圧力でも確実に閉鎖でき、逆流をより効果的に止めることができる。
【0075】
図5(c)は、逆止弁機能付きマイクロバルブを設けられた出口側チャネル9を合流させて2種類の液体A,Bを混合し、反応させるときなどを示している。そして反応後、一方の液体Bは供給しないが、他方の液体Aはそのまま供給し続けるような場合を想定している。このとき、液体A側の逆止弁機能付きマイクロバルブは開放されて圧力流体を供給するため、液体B側の出口側チャネル9には液体Aが流れ込む。逆止弁機能付きマイクロバルブでなければ、液体B側のマイクロバルブを通過して液体Aが液体Bの供給側に流れ込むことになる。これを防止するためには別途逆止弁を設ける必要があるが、実施の形態3の逆止弁機能付きマイクロバルブはこの必要がない。
【0076】
(実施の形態4)
マイクロバルブ1aを閉止する場合、背圧は比較的小さいため、背圧だけでは閉止が十分でない。そこで実施の形態4のマイクロバルブ1aはバルブ閉鎖圧の高圧化と、閉鎖の確実化を図るために、弁体付勢手段を設けるものである。図6(a)は本発明の実施の形態4におけるバルブ装置を非接触で吸引する弁体付勢手段の説明図、図6(b)は弁体に接触して押圧する第1の弁体付勢手段を設けた場合の説明図、図6(c)は弁体に接触して押圧する第2の弁体付勢手段を設けた場合の説明図である。
【0077】
図6(a)において、16はマイクロバルブ1aと非接触状態で設けられた弁体付勢手段である。この弁体付勢手段16は非接触で弁体3を吸引するもので様々の手段がある。弁体3が強磁性体の場合には、弁体付勢手段16としては永久磁石か電磁石が採用される。また、弁体3が永久磁石の場合には、弁体付勢手段16は強磁性体か、永久磁石もしくは電磁石となる。この吸引力で弁体3を弁座8a,8a*の中央位置へ吸引することでマイクロバルブ1aは確実に閉止状態となる。そして図6(a)の破線で示すように、逆止弁機能付きマイクロバルブの場合には、反発力を利用して弁体3を入口側の弁座で確実に封止し閉鎖することができる。
【0078】
以上説明した弁体付勢手段16は非接触の状態で吸引したり反発力で押圧するものであり、マイクロバルブ1aと離れた位置に配置するものであった。しかし、マイクロバルブ1a内に弁付勢手段16を設けることもできる。図6(b)において、16aは付勢バネである。弁体3の背後から物理的に押圧することでもっとも簡単な構成で付勢力を与えることができるが、組み立ては難しい。また、図6(c)に示す16bは、バルブ配設チップ1に膨出片を形成した弾発突片である。この弾発突片16bで弁体3の入口側クサビ状頭部を押圧させる。この場合加工工程が増すが組み立てが容易になる。
【0079】
このように実施の形態4のマイクロバルブ1aは、弁体付勢手段16を設けることによって、弁体3を弁座8a,8bに確実に封止し、閉鎖することができる。確実な閉鎖が行われるため、バルブ閉鎖圧を高圧化することができるものである。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0080】
(実施の形態5)
実施の形態5のマイクロバルブ1aと流体制御チップは、弁体付勢手段の配置に工夫を凝らしたものである。図7(a)は本発明の実施の形態5におけるバルブ装置を1個取り付けた保持部材に弁体付勢手段を設けた場合の説明図、図7(b)は同バルブ装置を複数個取り付けた保持部材に弁体付勢手段を設けた場合の説明図、図7(c)はバルブ配設チップに弁体付勢手段を設けた場合の説明図、図7(d)はバルブ配設チップの下部に弁体付勢手段を設けた場合の斜視図である。
【0081】
図7(a),(b)において、2b*はバルブ配設チップ1、流体制御チップを固定する保持部材である。図7(a)は、弁体付勢手段16を、保持部材2b*上で、且つマイクロバルブ1aを1個だけ取り付けたバルブ配設チップ1の側面位置に着脱自在に設けたものである。この弁体付勢手段16は実施の形態4で説明した非接触で付勢する種々のものがある。弁体3が強磁性体も場合には、弁体付勢手段16としては永久磁石か電磁石、弁体3が永久磁石の場合には、弁体付勢手段16は強磁性体か、永久磁石もしくは電磁石となる。そして図7(a)の場合の弁体付勢手段16は、保持部材2b*に取り付けられているので、流体制御チップを交換するときも弁体付勢手段16は繰返し利用することができる。
【0082】
次いで、図7(b)は、弁体付勢手段16を、保持部材2b*上で、且つマイクロバルブ1aを複数個取り付けたバルブ配設チップ1の側面位置に着脱自在に設けられている。この場合、(数4)から分かるように圧電素子4の駆動周波数等を変化させることにより、1つのマイクロバルブ1aだけを開き、他のマイクロバルブ1aは閉鎖しておくことができる。このように駆動周波数等を選択することで開放するマイクロバルブ1aを制御するものである。図7(b)の場合は保持部材2b*上に弁体付勢手段16を設けることで、流体制御チップを交換するときも弁体付勢手段16は繰返し利用することができる。また、弁体付勢手段16は複数個必要としないためより経済的である。
【0083】
そして、バルブ配設チップ1、流体制御チップは、保持部材2b*に摺動自在に保持される構成となっており、圧電素子4はチップだけを単独で加振する動作を行う。このとき、圧電素子4による振幅は数μm〜数十μmという微小なものであるため、弁体付勢手段16はチップの動きに追従する必要はない。
【0084】
また、当然ながらバルブ配設チップ1、流体制御チップが保持部材2b*に固定され、圧電素子4にて保持部材2b*とともに加振された場合も、本実施の形態に適合する。
【0085】
図7(c)はバルブ配設チップ1に弁体付勢手段16を設けた場合である。この場合、流体制御チップ単独の状態でも弁体3へ付勢力が加わっているため、チップ単独で弁体3の閉鎖状態を維持することが可能となる。従って、使用済みの流体制御チップの廃棄時に、チップ内の流体を保持したままにできるため、安全性の高い流体制御チップを提供できる。
【0086】
なお、図7(d)の斜視図に示すようにシート状の下部基板5bの表面に着磁させることにより、簡単に弁体付勢手段16を製造することができる。この場合、磁路が弁体3と平行になるように配置する必要がある。
【0087】
このように実施の形態5のマイクロバルブ1aは、弁体付勢手段16を配置する位置を工夫することによって、流体制御チップのみの交換が可能になり、より経済的になる。また、廃棄時の流体保持による安全性の向上等の効果も得られる。なお、本マイクロバルブ技術はミリオーダ以下のバルブ機構に適用される。
【0088】
【数1】
【0089】
【数2】
【0090】
【数3】
【0091】
【数4】
【0092】
【発明の効果】
本発明のマイクロバルブによれば、弁体が傾斜部上を振動によってチャンバの入口方向に移動することで開度を確実且つ迅速に調節でき、制御が容易で正確になり、ダイナミックレンジが広く、応答が速く、脈動が少なくなる。弁体が傾斜部と確実に接触して高圧化しても液漏れせず、製作が容易で耐久性に優れる。チャンバの振動により弁体をチャンバの入口方向へ移動させることが可能になる。振動の変化によって流れをきわめて容易に制御することができる。
【0093】
弁体の一端における形状がクサビ状に形成されているため、クサビ状の形状で傾斜部と接触するから、クサビ効果で確実に接触して高圧化しても液漏れしない。これが球状に形成された場合、弁体の製造と組み立てが容易である。同様に円錐状に形成された場合、弁体の製造と組み立てが容易で、制御が容易である。クサビ効果がより大きくなるため高圧化することができる。
【0094】
加振手段とチャンバが着脱可能であるから、バルブ本体部の交換を行ったときにも加振手段を繰返し使用できる。加振手段を圧電素子にした場合、電気的に制御が行え、制御が容易で正確になる。また、加振手段に加える制御波形を生成する駆動装置を備えたことにより、波形を制御することできわめて容易に制御することができる。
【0095】
弁体の両端の形状が、それぞれ、クサビ状、球状、円錐状のいずれかの形状であり、弁体と接触する傾斜部が形成されたため、入口側の形状と傾斜部で逆止弁機能をもたせることができる。また、弁体の両端の形状がいずれもクサビ状または円錐状で、入口側における弁体の端部の頂角が、出口側の端部の頂角より小さく、且つ、チャンバの入口側に形成された傾斜部のなす角度が、チャンバの出口側に形成された傾斜部のなす角度より小さいため、クサビ効果が大きく、小さな圧力でも確実に閉鎖でき、逆流をより効果的に止めることができる。また、順方向に送水時には、入口側の端部の頂角の小さい方が、流体抵抗が少なく、圧力損失を低下することができる。
【0096】
弁体の形状が球状であり、入口側に形成された傾斜部のなす角度が出口側に形成された傾斜部のなす角度より小さいから、クサビ効果が大きいので小さな圧力でも確実に閉鎖でき、逆流をより効果的に止めることができる。
【0097】
さらに、弁体をチャンバの出口方向に付勢する弁体付勢手段を備えたので、閉鎖を確実化するとともに、閉鎖圧を高圧化でき、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。弁体付勢手段が電磁石で、弁体が強磁性体または永久磁石を場合、非接触で弁体に付勢力を与えることができ、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。また、弁体が永久磁石の場合は、電磁石の磁性をコントロールすることにより、逆止弁機能を持たせたときに逆方向の液漏れを確実に防止できる。
【0098】
弁体付勢手段が永久磁石で、弁体が強磁性体または永久磁石を備えた場合には、非接触で弁体に付勢力を与えることができ、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。さらに、弁体付勢手段が強磁性体で、弁体が永久磁石を備えた場合、非接触で弁体に付勢力を与えることができ、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0099】
そして、弁体付勢手段が付勢バネまたは弾発突片であるから、閉鎖を確実化することができ、閉鎖圧を高圧化できる。また、弁体が動作開始時に所定の位置に確実に存在するので流体の制御性(精度等)が向上する。
【0100】
次に本発明の流体制御チップによれば、バルブ装置と流路部とを有するから、交換が容易で、経済的であるバルブ装置を、液漏れが少なく、高圧化できるので、全体として液漏れが少なく、高圧で使用できる。さらに、流体を保持するリザーバ部を有する場合には、リザーバ部の交換が容易で、経済的であるバルブ装置を、液漏れが少なく、高圧化できるので、全体として液漏れが少なく、高圧で使用できる。弁体をチャンバの出口方向に付勢する弁体付勢手段がバルブ装置の外部に設けられたため、バルブ装置の外部に弁体付勢手段を取り付けることで、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0101】
また、流体を保持するリザーバを有する第1の層と、該第1の層から供給された流体の流れを制御する弁機構を有する第2の層と、該第2の層から供給された流体を反応させる反応部または反応を検出するための検出部を有するため、交換が容易で繰返し組み合わせて使用でき、経済的に使用することができる。そして、各層が相互に着脱可能の場合には、交換が容易で繰返し組み合わせて使用でき、経済的に使用することができる。
【0102】
弁機構の上側面が第1の層の下側面で覆われるため、流路を開放して作成し、第1の層の下側面で覆うため、部品点数と組み立ての工程数を減らすことができる。同様に、反応部及びまたは検出部の上側面が第2の層の下側面により覆われるため、流路を開放して作成し、第2の層の下側面で覆うため、部品点数と組み立ての工程数を減らすことができる。
【0103】
流体制御チップを振動させる加振手段を有し、加振手段が流体制御チップの外部に設けられているから、外部に加振手段を取り付けることで、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。加振手段が流体制御チップと着脱可能に取り付けられるため、加振手段が流体制御チップと着脱可能であるため、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【0104】
さらに、弁機構が弁体を有し、流体制御チップの外部に弁体付勢手段が設けられているので、外部に弁体付勢手段を取り付けることで、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。弁体付勢手段が流体制御チップと着脱可能に取り付けられているため、加振手段が流体制御チップと着脱可能であるため、交換が容易で使い易く、経済的な流体制御チップにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1におけるバルブ装置を使用した流体回路チップの全体構成分解斜視図
(b)(a)のバルブ装置の一部破断斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるバルブ装置の駆動装置の構成図
【図3】(a)本発明の実施の形態1におけるバルブ装置の弁体を加振したときの状態図
(b)(a)の弁体に加わる力を示す説明図
【図4】(a)本発明の実施の形態2における球状弁体を備えたバルブ装置の一部破断斜視図
(b)本発明の実施の形態1における円錐状クサビ状頭部をもつ弁体を備えたマイクロバルブの一部破断斜視図
【図5】(a)本発明の実施の形態3における逆止弁機能付きバルブ装置の機能説明図
(b)(a)の逆止弁機能付きバルブ装置の構成図
(c)逆止弁機能付きバルブ装置の流体回路で使用した時の説明図
【図6】(a)本発明の実施の形態4におけるバルブ装置を非接触で吸引する弁体付勢手段の説明図
(b)弁体に接触して押圧する第1の弁体付勢手段を設けた場合の説明図
(c)弁体に接触して押圧する第2の弁体付勢手段を設けた場合の説明図
【図7】(a)本発明の実施の形態5におけるバルブ装置を1個取り付けた保持部材に弁体付勢手段を設けた場合の説明図
(b)同バルブ装置を複数個取り付けた保持部材に弁体付勢手段を設けた場合の説明図
(c)バルブ配設チップに弁体付勢手段を設けた場合の説明図
(d)バルブ配設チップの下部に弁体付勢手段を設けた場合の斜視図
【図8】従来の速動弁の構成図
【符号の説明】
1 バルブ配設チップ
1a マイクロバルブ
2a リザーバ部
2b 流体回路チップ本体
2b* 保持部材
3,3a,3b 弁体
3v クサビ状頭部
4 圧電素子
4a 圧電層
4b 電極シート
5 バルブ本体基板
5b 下部基板
6 入口ポート
7 入口側チャネル
8 バルブチャンバ
8a,8a* 弁座
8b 入口側弁座
9 出口側チャネル
10 出口ポート
11 駆動装置
12 電源部
13 波形制御部
14 入力部
15 アンプ
16 弁体付勢手段
16a 付勢バネ
16b 弾発突片
100 ハウジング
101 チャンバ
103 弁体
104 バルブシート
105 アクチュエータ
A リザーバ
B センサ
C 流体回路
D シリンジポンプ
D1 シリンジ
D2 モータ
D3 ラックとピニオン
E,E* 流路
Claims (30)
- 流体の入口と出口とを有するチャンバと、前記チャンバに収納される弁体と、前記チャンバを振動させる加振手段と、を備えるバルブ装置であって、
前記出口に傾斜部が設けられ、前記弁体が、前記チャンバ内の流体の圧力で前記傾斜部に位置するとともに前記加振手段による振動によって移動することにより、前記チャンバ内に流路を形成して、前記出口が開放されることを特徴とするバルブ装置。 - 前記弁体は、前記加振手段の振動により前記傾斜部上を摺動することにより前記出口が開放されることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体は、前記加振手段の振動により前記傾斜部から跳ね上げられることにより前記出口が開放されることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記加振手段は、前記チャンバを流体の流れ方向に直角方向に振動させることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体が、前記加振手段の振動の変化によって、前記出口から流出する流体の流れの状態が変化すること特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体の一端における形状がクサビ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体の一端における形状が球状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体の一端における形状が円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記加振手段と前記チャンバが着脱可能であることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記加振手段が圧電素子であることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記加振手段に加える制御波形を生成する駆動装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体の両端の形状が、それぞれ、クサビ状、球状、円錐状のいずれかの形状を有すとともに、前記チャンバの入口と出口には、それぞれ前記弁体と接触する傾斜部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体の両端の形状が、いずれもクサビ状または円錐状に形成され、前記入口側における前記弁体の端部の頂角が、前記出口側の端部の頂角より小さく、且つ、前記チャンバの入口側に形成された傾斜部のなす角度が、前記チャンバの出口側に形成された傾斜部のなす角度より小さいことを特徴とする請求項12記載のバルブ装置。
- 前記弁体の形状が球状であり、前記チャンバの入口側に形成された傾斜部のなす角度が、前記チャンバの出口側に形成された傾斜部のなす角度より小さいことを特徴とする請求項12記載のバルブ装置。
- 前記弁体を前記チャンバの出口方向に付勢する弁体付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
- 前記弁体付勢手段が電磁石で、前記弁体が強磁性体または永久磁石を備えたことを特徴とする請求項15記載のバルブ装置。
- 前記弁体付勢手段が永久磁石で、前記弁体が強磁性体または永久磁石を備えたことを特徴とする請求項15記載のバルブ装置。
- 前記弁体付勢手段が強磁性体で、前記弁体が永久磁石を備えたことを特徴とする請求項15記載のバルブ装置。
- 前記弁体付勢手段が付勢バネまたは弾発突片であることを特徴とする請求項15記載のバルブ装置。
- 請求項1〜19のいずれかに記載されたバルブ装置と、流体が流れる流路部とを有することを特徴とする流体制御チップ。
- 流体を保持するリザーバ部を有することを特徴とする請求項20記載の流体制御チップ。
- 請求項1〜18のいずれかに記載されたバルブ装置であって、前記弁体を前記チャンバの出口方向に付勢する弁体付勢手段が前記バルブ装置の外部に設けられたことを特徴とする流体制御チップ。
- 流体を保持するリザーバを有する第1の層と、該第1の層から供給された流体の流れを制御する弁機構を有する第2の層と、該第2の層から供給された流体を反応させる反応部または反応を検出するための検出部を有する第3の層とが組み合わされて構成されたことを特徴とする流体制御チップ。
- 前記各層が相互に着脱可能であることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
- 前記弁機構の上側面が前記第1の層の下側面で覆われることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
- 前記反応部及びまたは前記検出部の上側面が前記第2の層の下側面により覆われることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
- 前記流体制御チップを振動させる加振手段を有し、前記加振手段が前記流体制御チップの外部に設けられていることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
- 前記流体制御チップを振動させる加振手段を有し、前記加振手段が前記流体制御チップと着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
- 前記弁機構が弁体を有し、前記流体制御チップの外部に弁体付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
- 前記弁機構が弁体を有し、前記弁体付勢手段が前記流体制御チップと着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項23記載の流体制御チップ。
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