【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル鏡面盤の作製方法及びニッケル鏡面盤に関し、特に光ディスクを成形する時の金型になるスタンパーの作製方法に特徴があるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクを製作するためのスタンパーはマスタリングといわれる工程で製作されていた。この工法は一般にフォトリソグラフィーといわれる技術を用い、ガラス盤上に信号に対応したフォトレジストの凹凸のパターンを形成することから始まる。ガラス盤上のポジ型フォトレジスト層に、記録すべき信号に対応して強度変調されたレーザビームを螺旋状に露光し、現像することによって、レジストの窪み(ピット)をトラック状に形成するのである。
【0003】
その後、表面に導電性膜を形成し、その上に電鋳によりニッケルの厚膜を形成する。その厚膜はおよそ0.3mmほどであり、それを元のガラス盤から剥がしてスタンパーにするのである。このニッケル盤にはフォトレジストのピットが転写された突起(バンプ)が螺旋状に形成されている。これを射出成形することにより情報を含んだピット列を有する光ディスクが出来るのである。
【0004】
このスタンパーを作る工程は10以上の工程を含み、製作のための多くの時間とコストがかかる。また、工程が多いために塵埃や人為的ミスなどによる欠陥も多く、歩留まりを低下させていた。
【0005】
近年、このような多くの工程を要せず、より少ない工程でスタンパーを作る試みがなされている。例えば、未公開自社出願の特願2001−324707号明細書に記載された技術などがある。以下、未公開自社出願の特願2001−324707号明細書に記載された技術を、図4を参照しながら説明する。
【0006】
図4(A)は、鏡面に研磨されたニッケル基盤41の上に有機ポリマーなどの架橋性物質を塗布することで形成されたアンカーコート層42を示す。アンカーコート層42としては、例えば、有機ポリマーやシリコン酸化物の無機の材料などである。
【0007】
まず、アンカーコート層42に、化学増幅型レジストのような露光で酸を発生させ、その後、ベーキング処理で先ほどの酸が触媒となって架橋反応を起こすものを用いることができる。このような場合には、図4(B)に示すように、塗布後に溶剤を蒸発させる目的のプリベークとして80℃〜90℃の比較的低温で行なわれる。
【0008】
続けて、図1(C)に示すように、ニッケル基盤41全体に紫外線を照射し、図1(D)に示すベーキング処理を経て、アンカーコート層42のポリマー鎖を架橋させる。図1(D)は、露光後のベーキングで所謂、ポストエクスポージャーベークと呼ばれるものである。この時、露光で発生した酸が触媒となってアンカーコート層42に架橋反応が起こる。
【0009】
更に、図4(E)に示すように、フォトレジスト43をアンカーコート層42の上に塗布するが、そのフォトレジスト43の溶剤にアンカーコート層42が溶けない程度の架橋状態にする。すなわち、アンカーコート層42がフォトレジスト43の溶剤に実質的に侵されない程度に架橋する。これをブランク盤と称す。図4(E)に示すレジスト43はネガ型レジストを用いる。但し、フォトレジスト43が塗布された後は、プリベークと称してレジストの溶剤を飛ばし、レジスト層を安定化させるためのベーキング処理が行われる。
【0010】
次に、図4(F)のように、記録すべき信号で変調されたレーザビーム44をフォトレジスト43に照射する。ここで使われる装置は、レーザビームレコーダと呼ばれ、図4では、記録すべき信号で変調された後のレーザビーム44と、そのレーザビーム44を0.3ミクロンほどの微細なスポットに絞る記録レンズ45、及び、ニッケル基盤41を回転軸46の周りに回転させる回転駆動部材47のみを示している。この記録レンズ45は、回転するニッケル基盤41の半径方向に沿って移動するので、フォトレジスト43には螺旋状に潜像が記録される。
【0011】
図4(G)は、露光後のベーキングで、露光によって露光部に発生した酸が触媒となり、このベーキング処理で露光分のレジストの架橋反応が連鎖反応的に進む。このときのフォトレジスト43は一般に化学増幅型レジストと呼ばれる種類のレジストである。また、レジストの種類によっては、露光後のベーキングが不要なフォトレジストもある。
【0012】
図1(H)は、その後の現像処理を示し、フォトレジスト43の架橋された部位以外が溶けて流された状態を示すものである。その結果として、露光部がレジスト突起48として残る。この状態では、レジスト突起48とアンカーコート層42とはまだ強固に結合されていない。
【0013】
図1(I)は、アンカーコート層42とレジスト突起48の架橋を更に促進する工程である。前述したように、図1(H)の工程では、アンカーコート層42は完全には架橋されていない。また、記録レーザで露光されたレジスト突起48の架橋も一部しか進行していない。図1(I)に示す工程において、両者の架橋を第2の架橋反応として、さらに進行させることにより、レジスト突起48のポリマーとアンカーコート層42との間で相互の架橋が起こり両者の結合を強める。また、夫々が架橋によりさらに強固になり、成形時の熱と応力に耐える強度を与える。
【0014】
図1(J)は、架橋後のニッケル基盤41上で、レジスト突起48と、アンカーコート層42が、一体化された構造物49になっている状態を示すものである。この一体化された構造物49を表面に形成したニッケル基盤41を、成形機の金型に合うように内外径を加工し、必要に応じ裏面を削ればダイレクトスタンパーが完成する。
【0015】
次に、図5を参照しながら、鏡面のニッケル基盤を作製する従来技術を説明する。
【0016】
図5(A)において、51は表面が鏡面に研摩されたガラス盤である。その大きさは外径が200mm、厚さが6mmのものが一般的である。
【0017】
ガラス盤51の表面は、中心線平均粗さRaで10nm以下に研摩されている。図5(B)に示すように、その研摩面の上にフォトレジスト層52を設ける。場合によっては、ガラス面とフォトレジストの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の膜を間に設ける場合もある。
【0018】
次に、図5(C)のように、フォトレジスト層52の上に導電性膜としてニッケル層53を設ける。この時の方法としては、スパタリングや無電解メッキなどがある。このニッケル層53の厚みは、50〜100nmの範囲である。更に、それを電鋳槽に入れ、ニッケルメッキを行う。続けて、ニッケル層53の上にニッケルメッキ層54を形成する(図5(D))。この厚みは約300μmである。このニッケルメッキ層54とニッケル層53をガラス盤51から剥がして、鏡面ニッケル盤55が得られる(図5(E))。
【0019】
また、図6を参照しながら、上記のニッケル盤作製方法とは異なる他のニッケル盤作製方法を説明する。
【0020】
図6(A)において、61はSUSなどの導電性を有する金属盤である。前述したガラス盤51と同様に表面は鏡面に研摩されている。次に、鏡面に研摩された表面に酸化皮膜62を設ける(図6(B))。これは一般に、パッシベーション処理または剥離処理などと呼ばれ、電鋳時に電流が通れることが出来る程度の非常に薄い酸化膜を形成する方法である。具体的にはクロム酸塩溶液に浸す方法などがある。
【0021】
この上に電鋳を施し、ニッケルメッキ層63を設ける(図6(C))。これを母材である金属盤61から剥がして鏡面盤63を得る(図6(D))。ニッケルメッキ層63は、酸化皮膜62があるので容易に剥がすことができる。
【0022】
【特許文献1】
特開2002−140841号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のニッケル鏡面盤の作製方法では、ニッケル鏡面盤を作製するための作業工程が多く、コストが高くなるという問題を有することになる。確かに、金属盤にパッソベーション処理を施す方法は、母材自体に導電性材料を用いるので導電性膜を付ける工程を低減させることができるが、クロム酸塩などの毒性のある溶剤を使用しなければならなく環境にも良好ではない。
【0024】
酸化皮膜を付ける方法はこれ以外にもあり、真空中で酸素プラズマの雰囲気に曝せば容易に酸化膜を形成できるというのもその一例である。しかしながら、この方法においても、装置構成が複雑となり、結果としてニッケル鏡面盤を作製する装置が高くなるという問題が生じる。
【0025】
本発明は、上記課題を解決するものであり、比較的工数が低く、品質や性能が高いディスクを安価に生産することが可能なニッケル鏡面盤の作製方法及びニッケル鏡面盤を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明であるニッケル鏡面盤の作製方法は、鏡面研摩された円盤状のアモルファスカーボンまたはグラッシーカーボンの表面に、電鋳によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層を所定の厚さに調整した後、前記ニッケル層を前記円盤状のアモルファスカーボンの表面から剥離することを特徴とする。
【0027】
このとき、上記円盤状のアモルファスカーボンまたはグラッシーカーボンを、熱硬化性樹脂を成形した後、不活性ガス雰囲気中で1000℃〜1500℃の温度で焼成すると好適である。
【0028】
更に、上記熱硬化性樹脂が、フェノール・フォルムアルデヒド樹脂、フラン樹脂の少なくとも一方の材料であると好適である。
【0029】
本発明の第2の発明であるニッケル鏡面盤は、鏡面側の中央部が高く、外周部が下向きに反っていることを特徴とする。
【0030】
このとき、ニッケル鏡面盤の鏡面側の中央部の高さが0.5mmから1mmの範囲であると好適である。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に本発明の実施の形態を示す。
【0032】
(第1の実施形態)
図1において、1はアモルファスカーボンまたはグラッシーカーボンとよばれる材料でできた円盤である(図1(A))。この材料は、フェノール・フォルムアルデヒド樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂を成形後、不活性ガス雰囲気中で1000℃〜1500℃に焼成することによりえられる高硬度、緻密なカーボン材料である。その特徴としては、表面が潤滑性に富んでいることが挙げられる。また、電気抵抗は4〜6×10−3Ω・cmで、表面に導電性皮膜を設けなくても電気メキが可能である。
【0033】
また、この材料は研摩性に富み、鏡面に加工しやすいという特徴もある。本実施形態においては、特に、円盤1は表面が鏡面に加工されたアモルファスカーボンの円盤である場合で説明を進める。なお、このときのアモルファスカーボンの円盤1の表面粗さは、中心線平均粗さでRa10nm以下/Rmax100nm以下になっている。
【0034】
次に、このアモルファスカーボンの円盤1を電鋳槽に入れた後、片側表面に電気メッキを施す。図1(B)はそのようにして形成されたニッケル層2を示すものである。この時の厚みは、現行のスタンパーに合わせて約300μmである。前述のように、このアモルファスカーボンは電気導電性があるので、導電膜を付けなくても電鋳が可能である。
【0035】
そして、図1(C)のように、電鋳後に形成されたニッケル層2をアモルファスカーボンの円盤1から剥がせば鏡面ニッケル盤2が作製できる。このアモルファスカーボンは表面に潤滑性があるので、表面に酸化膜などのパッシベーション処理をしなくても母材から簡単に剥離することができる。実際に使用したアモルファスカーボンは、高密度アモルファスカーボンUDAC(神戸製鋼所製)である。これはHIP処理(熱間等方圧加圧法)により2000℃以上で加圧焼成されたもので、より緻密な構造を有し、表面にボイドがなく微細なバンプを表面に形成するスタンパー基盤に適している。
【0036】
以上のように、鏡面研摩したアモルファスカーボンにニッケル電鋳を施した後、ニッケル層2をアモルファスカーボンから剥離することで、比較的容易にニッケル鏡面盤を作製することが可能となる。
【0037】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、鏡面ニッケル盤2を作製する具体的な方法を示したが、本実施形態では、鏡面ニッケル盤2の処理方法について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0038】
図2において、2は上記第1の実施形態で説明した鏡面ニッケル盤であり、3は鏡面ニッケル盤2を処理するための載置台であり、鏡面ニッケル盤2を真空吸着するために吸引孔4が多数表面に設けられている。
【0039】
真空吸着機構についての説明は省略するが、基本的には真空ポンプなどにより吸引孔4から空気を吸引し、鏡面ニッケル盤2を吸着する構成である。載置台3は、例えば、レジスト塗布用スピナーの回転台、ベーキング用のホットプレート、露光用レーザビームレコーダの回転テーブル、現像装置の回転テーブルなどである。
【0040】
各処理はニッケル盤の鏡面側で行われるので、鏡面ニッケル盤2を載置台3に載置した際、図2(A)のように、鏡面ニッケル盤2の中央部が低く、外周部が上側に反っていると空気は隙間から自由に入ることになるので、十分な真空吸着力が生じない場合がある。
【0041】
逆に、図2(B)に示すように、鏡面ニッケル盤2の鏡面側の中央部が高く、外周部が下側に反っていると、図2(C)のように吸引孔4より空気は吸引され、負圧が鏡面ニッケル盤2と載置台3の間に生じるので鏡面ニッケル盤2は吸着される。このとき、反りの範囲は、中央部の高さがおよそ0.5mmから1mmの範囲であると良好な結果が得られることが確認されている。
【0042】
また、図3は母材の表面に電鋳をする電鋳装置を示すものである。
【0043】
図3において、5は電鋳槽、6はスルファミン酸ニッケルなどからなる電鋳液、7は回転陰極で、第1の実施形態で説明したアモルファスカーボンの円盤1が母材として先端に固定保持されている。
【0044】
また、母材としては、ガラス盤にニッケルスパッタ膜が成膜された円盤、或いは酸化皮膜を付けた金属円盤であってもよい。8は陰極回転モータ、9はニッケル陽極、10は開口を有する遮蔽板、11は電鋳液を槽内に送り込む配管、12は槽からオーバーフローした電鋳液を回収し調整槽13に送る配管である。
【0045】
この調整槽13では、電鋳液のpHを調整したり、電鋳液の温度を制御したりされる。陽極と陰極の間に通電することにより、陽極のニッケル9が母材1の表面に堆積し、母材表面の鏡面に沿ったニッケルメッキ層が形成される。電鋳後は母材を電鋳槽から取り出し、形成されたニッケルメッキ層を剥離すると、鏡面ニッケル盤2ができる。
【0046】
電鋳液のpHは、一般的には3〜4の間で設定されるが、pHを4以上の大きめに設定すると、図2(B)で示したような、鏡面ニッケル盤2の鏡面側の中央部が高く、外周部が下向きに反った盤が得られる。また、電鋳で形成される鏡面ニッケル盤2が反るのは電鋳の間に生じる内部応力のためであるので、通電する電流値を制御することによっても、鏡面ニッケル盤2の鏡面側の中央部が高く、外周部が下向きの反りを得ることが可能である。
【0047】
以上のように、ニッケル鏡面盤の鏡面側の中央部を高くし、外周部を下向きに反ることで、良質なニッケル鏡面盤を作製することが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の鏡面ニッケル盤は、アモルファスカーボンの母材に電鋳をして得られるので、母材にレジスト層および導電性膜を形成する必要がなく、また、金属盤への電鋳の場合に必要になる母材表面へのパッシベーション処理も不要である。このことから、ニッケル鏡面盤を作製する工程が従来の技術に比べて、1/3から1/2程度に低減され、大幅にコストダウンを図ることが可能となる。
【0049】
また、上記のようにニッケル鏡面盤を作製する工程が低減される分、欠陥やゴミの付着が少なくなり、高品質のニッケル鏡面盤を生産することができる。更に、従来工法のように、レジストや酸化膜形成のための薬品を使う必要がなく、環境負荷も押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における鏡面ニッケル盤の作製工程図
【図2】本発明の第2の実施形態における鏡面ニッケル盤の吸着状態を示す図
【図3】本発明の第2の実施形態における電鋳工程を示す模式図
【図4】従来技術における鏡面ニッケル盤を用いたスタンパーの作製工程図
【図5】従来技術における鏡面ニッケル盤の作製工程図
【図6】従来技術における鏡面ニッケル盤の第2の作製工程図
【符号の説明】
1 アモルファスカーボンの円盤
2 ニッケルメッキ層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a nickel mirror disk and a nickel mirror disk, and particularly has a feature in a method for manufacturing a stamper used as a mold for molding an optical disk.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a stamper for manufacturing an optical disk has been manufactured in a process called mastering. This method starts by forming a pattern of unevenness of a photoresist corresponding to a signal on a glass disk using a technique generally called photolithography. The positive photoresist layer on the glass disk is spirally exposed to a laser beam whose intensity has been modulated according to the signal to be recorded, and developed to form pits (pits) in the resist in a track shape. is there.
[0003]
Thereafter, a conductive film is formed on the surface, and a thick nickel film is formed thereon by electroforming. The thick film is about 0.3 mm, and it is peeled off from the original glass disk to form a stamper. Projections (bumps) on which the pits of the photoresist are transferred are spirally formed on the nickel disk. By subjecting this to injection molding, an optical disk having a pit row containing information can be obtained.
[0004]
The process of making this stamper involves more than 10 steps and is time consuming and costly to manufacture. In addition, since the number of processes is large, there are many defects due to dust, human error, and the like, thereby reducing the yield.
[0005]
In recent years, attempts have been made to manufacture a stamper with fewer steps without requiring such many steps. For example, there is a technique described in Japanese Patent Application No. 2001-324707 of an unpublished in-house application. Hereinafter, the technology described in Japanese Patent Application No. 2001-324707, which is an unpublished in-house application, will be described with reference to FIG.
[0006]
FIG. 4A shows an anchor coat layer 42 formed by applying a crosslinkable substance such as an organic polymer on a nickel base 41 polished to a mirror surface. The anchor coat layer 42 is made of, for example, an organic polymer or an inorganic material such as silicon oxide.
[0007]
First, an acid can be generated in the anchor coat layer 42 by exposure, such as a chemically amplified resist, and then, a baking process can be used in which the acid serves as a catalyst to cause a crosslinking reaction. In such a case, as shown in FIG. 4B, prebaking for evaporating the solvent after coating is performed at a relatively low temperature of 80 ° C. to 90 ° C.
[0008]
Subsequently, as shown in FIG. 1C, the entire nickel substrate 41 is irradiated with ultraviolet rays to crosslink the polymer chains of the anchor coat layer 42 through the baking treatment shown in FIG. 1D. FIG. 1D shows baking after exposure, so-called post-exposure baking. At this time, the acid generated by the exposure acts as a catalyst to cause a crosslinking reaction in the anchor coat layer 42.
[0009]
Further, as shown in FIG. 4E, a photoresist 43 is applied on the anchor coat layer 42, and the photoresist 43 is so crosslinked that the anchor coat layer 42 does not dissolve in the solvent of the photoresist 43. That is, the anchor coat layer 42 is crosslinked to such an extent that the anchor coat layer 42 is not substantially affected by the solvent of the photoresist 43. This is called a blank board. As the resist 43 shown in FIG. 4E, a negative resist is used. However, after the photoresist 43 is applied, a baking process for stabilizing the resist layer is performed by removing the solvent of the resist called prebaking.
[0010]
Next, as shown in FIG. 4F, a laser beam 44 modulated with a signal to be recorded is irradiated on the photoresist 43. The apparatus used here is called a laser beam recorder. In FIG. 4, a laser beam 44 after being modulated by a signal to be recorded and a recording method for narrowing the laser beam 44 to a fine spot of about 0.3 μm. Only the lens 45 and the rotation driving member 47 for rotating the nickel base 41 around the rotation axis 46 are shown. Since the recording lens 45 moves in the radial direction of the rotating nickel substrate 41, a latent image is spirally recorded on the photoresist 43.
[0011]
FIG. 4 (G) shows the baking after the exposure, in which the acid generated in the exposed portion by the exposure serves as a catalyst, and the crosslinking reaction of the exposed portion proceeds in a chain reaction in the baking treatment. At this time, the photoresist 43 is a type of resist generally called a chemically amplified resist. Some photoresists do not require baking after exposure, depending on the type of resist.
[0012]
FIG. 1H shows a subsequent developing process, in which a portion other than the cross-linked portion of the photoresist 43 is melted and flown. As a result, the exposed portion remains as the resist protrusion 48. In this state, the resist projection 48 and the anchor coat layer 42 have not been firmly bonded yet.
[0013]
FIG. 1I shows a step of further promoting the crosslinking between the anchor coat layer 42 and the resist projections 48. As described above, in the step of FIG. 1H, the anchor coat layer 42 is not completely crosslinked. Further, the crosslinking of the resist projections 48 exposed by the recording laser is only partially progressed. In the step shown in FIG. 1 (I), the cross-linking of the two is further advanced as a second cross-linking reaction, whereby cross-linking between the polymer of the resist projections 48 and the anchor coat layer 42 occurs, and the bonding between the two is established. ramp up. Further, each is further strengthened by cross-linking, and gives strength to withstand heat and stress during molding.
[0014]
FIG. 1J shows a state in which the resist projections 48 and the anchor coat layer 42 are integrated into a structure 49 on the nickel base 41 after the crosslinking. The nickel base 41 having the integrated structure 49 formed on the front surface is processed into an inner and outer diameter so as to match a mold of a molding machine, and the back surface is cut as necessary, thereby completing a direct stamper.
[0015]
Next, a conventional technique for producing a mirror-finished nickel base will be described with reference to FIG.
[0016]
In FIG. 5A, reference numeral 51 denotes a glass disk whose surface is polished to a mirror surface. The size is generally 200 mm in outer diameter and 6 mm in thickness.
[0017]
The surface of the glass disk 51 is polished to a center line average roughness Ra of 10 nm or less. As shown in FIG. 5B, a photoresist layer 52 is provided on the polished surface. In some cases, a HMDS (hexamethyldisilazane) film may be provided between the glass surface and the photoresist in order to improve the adhesion between the photoresist and the glass surface.
[0018]
Next, as shown in FIG. 5C, a nickel layer 53 is provided on the photoresist layer 52 as a conductive film. As a method at this time, there are sputtering and electroless plating. The thickness of the nickel layer 53 is in the range of 50 to 100 nm. Furthermore, it is put in an electroforming tank and nickel plating is performed. Subsequently, a nickel plating layer 54 is formed on the nickel layer 53 (FIG. 5D). This thickness is about 300 μm. The nickel plating layer 54 and the nickel layer 53 are peeled from the glass disk 51 to obtain a mirror-finished nickel disk 55 (FIG. 5E).
[0019]
Further, another nickel disk manufacturing method different from the above-described nickel disk manufacturing method will be described with reference to FIG.
[0020]
In FIG. 6A, reference numeral 61 denotes a metal plate having conductivity such as SUS. The surface is polished to a mirror surface as in the case of the glass disk 51 described above. Next, an oxide film 62 is provided on the mirror-polished surface (FIG. 6B). This is generally called a passivation process or a stripping process, and is a method of forming an oxide film that is extremely thin enough to allow current to flow during electroforming. Specifically, there is a method of dipping in a chromate solution.
[0021]
Electroforming is performed thereon to provide a nickel plating layer 63 (FIG. 6C). This is peeled off from the metal plate 61 as a base material to obtain a mirror surface plate 63 (FIG. 6D). Since the nickel plating layer 63 has the oxide film 62, the nickel plating layer 63 can be easily peeled off.
[0022]
[Patent Document 1]
JP-A-2002-140841
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional method of manufacturing a nickel mirror disk has a problem that the number of working steps for manufacturing the nickel mirror disk is large and the cost is high. Certainly, the method of passivating a metal plate can reduce the number of steps for applying a conductive film because a conductive material is used for the base material itself, but it uses a toxic solvent such as chromate. Must not be good for the environment.
[0024]
There are other methods of forming an oxide film, and one example is that an oxide film can be easily formed by exposing the film to an atmosphere of oxygen plasma in a vacuum. However, also in this method, there is a problem in that the apparatus configuration is complicated, and as a result, an apparatus for manufacturing a nickel mirror plate is expensive.
[0025]
The present invention has been made to solve the above problems, and provides a method for manufacturing a nickel mirror disk and a nickel mirror disk that can be manufactured at a low cost with relatively low man-hours and high quality and performance. .
[0026]
[Means for Solving the Problems]
The method of manufacturing a nickel mirror disk according to the first invention of the present invention is a method for forming a nickel layer on a surface of a mirror-polished disk-shaped amorphous carbon or glassy carbon by electroforming, and forming the nickel layer to a predetermined thickness. Then, the nickel layer is separated from the surface of the disc-shaped amorphous carbon.
[0027]
At this time, it is preferable that the above-mentioned disc-shaped amorphous carbon or glassy carbon be molded at a temperature of 1000 ° C. to 1500 ° C. in an inert gas atmosphere after molding a thermosetting resin.
[0028]
Further, it is preferable that the thermosetting resin is at least one of a phenol / formaldehyde resin and a furan resin.
[0029]
A second aspect of the present invention is a nickel mirror disk, wherein a central portion on the mirror surface side is high and an outer peripheral portion is warped downward.
[0030]
At this time, it is preferable that the height of the central portion on the mirror surface side of the nickel mirror plate be in the range of 0.5 mm to 1 mm.
[0031]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
1 to 3 show an embodiment of the present invention.
[0032]
(1st Embodiment)
In FIG. 1, reference numeral 1 denotes a disk made of a material called amorphous carbon or glassy carbon (FIG. 1A). This material is a high hardness and dense carbon material obtained by molding a thermosetting resin such as a phenol / formaldehyde resin or a furan resin and then baking it at 1000 ° C. to 1500 ° C. in an inert gas atmosphere. The feature is that the surface is rich in lubricity. Further, the electric resistance is 4 to 6 × 10 −3 Ω · cm, and electric plating is possible without providing a conductive film on the surface.
[0033]
In addition, this material has a feature that it is rich in abrasiveness and is easily processed into a mirror surface. In the present embodiment, the description will be given particularly for the case where the disk 1 is an amorphous carbon disk whose surface is mirror-finished. The surface roughness of the disc 1 of amorphous carbon at this time is Ra10 nm or less / Rmax100 nm or less in center line average roughness.
[0034]
Next, after the amorphous carbon disk 1 is placed in an electroforming tank, one surface is electroplated. FIG. 1B shows the nickel layer 2 thus formed. The thickness at this time is about 300 μm according to the current stamper. As described above, since this amorphous carbon has electric conductivity, electroforming is possible without attaching a conductive film.
[0035]
Then, as shown in FIG. 1C, if the nickel layer 2 formed after the electroforming is peeled off from the amorphous carbon disk 1, the mirror surface nickel disk 2 can be manufactured. Since this amorphous carbon has lubricity on the surface, it can be easily separated from the base material without passivating the surface with an oxide film or the like. The amorphous carbon actually used is high-density amorphous carbon UDAC (manufactured by Kobe Steel). This is press-fired at 2000 ° C. or higher by HIP treatment (hot isostatic pressing method). It has a denser structure, has no voids on its surface, and has a stamper substrate that forms fine bumps on its surface. Are suitable.
[0036]
As described above, after nickel electroforming is performed on the mirror-polished amorphous carbon, the nickel layer 2 is peeled off from the amorphous carbon, so that a nickel mirror disk can be manufactured relatively easily.
[0037]
(Second embodiment)
In the first embodiment, a specific method for manufacturing the mirror-surface nickel disk 2 has been described. In this embodiment, a processing method for the mirror-surface nickel disk 2 will be described with reference to FIGS. 2 and 3.
[0038]
In FIG. 2, reference numeral 2 denotes a mirror-surface nickel disk described in the first embodiment, reference numeral 3 denotes a mounting table for processing the mirror-surface nickel disk 2, and suction holes 4 for vacuum-sucking the mirror-surface nickel disk 2. Are provided on the surface.
[0039]
Although a description of the vacuum suction mechanism is omitted, air is basically sucked from the suction hole 4 by a vacuum pump or the like, and the mirror surface nickel disk 2 is sucked. The mounting table 3 is, for example, a rotary table of a spinner for resist coating, a hot plate for baking, a rotary table of a laser beam recorder for exposure, a rotary table of a developing device, and the like.
[0040]
Since each process is performed on the mirror surface side of the nickel disk, when the mirror surface nickel disk 2 is mounted on the mounting table 3, as shown in FIG. If it is warped, air will freely enter through the gap, so that a sufficient vacuum suction force may not be generated.
[0041]
Conversely, as shown in FIG. 2 (B), if the central portion on the mirror surface side of the mirror surface nickel plate 2 is high and the outer peripheral portion is warped downward, air is drawn from the suction hole 4 as shown in FIG. 2 (C). Is sucked, and a negative pressure is generated between the mirror surface nickel disk 2 and the mounting table 3, so that the mirror surface nickel disk 2 is sucked. At this time, it has been confirmed that good results can be obtained when the height of the central portion is in the range of about 0.5 mm to 1 mm.
[0042]
FIG. 3 shows an electroforming apparatus for electroforming the surface of a base material.
[0043]
In FIG. 3, 5 is an electroforming tank, 6 is an electroforming solution made of nickel sulfamate or the like, 7 is a rotating cathode, and the amorphous carbon disk 1 described in the first embodiment is fixedly held at the tip as a base material. ing.
[0044]
The base material may be a disk in which a nickel sputter film is formed on a glass disk, or a metal disk in which an oxide film is provided. 8 is a cathode rotating motor, 9 is a nickel anode, 10 is a shielding plate having an opening, 11 is a pipe for feeding the electroforming solution into the tank, 12 is a pipe for collecting the electroforming solution overflowing from the tank and sending it to the adjusting tank 13. is there.
[0045]
In the adjusting tank 13, the pH of the electroforming solution is adjusted, and the temperature of the electroforming solution is controlled. By energizing between the anode and the cathode, nickel 9 of the anode is deposited on the surface of the base material 1, and a nickel plating layer is formed along the mirror surface of the base material surface. After the electroforming, the base material is taken out of the electroforming tank, and the formed nickel plating layer is peeled off.
[0046]
The pH of the electroforming solution is generally set between 3 and 4. However, if the pH is set to a value of 4 or more, as shown in FIG. Is high at the center and is curved down at the outer periphery. Further, since the mirror-surface nickel disk 2 formed by electroforming warps due to internal stress generated during electroforming, it is also possible to control the current value to be supplied to control the mirror-surface side of the mirror surface nickel disk 2. The central portion is high, and the outer peripheral portion can obtain downward warpage.
[0047]
As described above, it is possible to manufacture a high quality nickel mirror disk by raising the central portion on the mirror surface side of the nickel mirror disk and warping the outer peripheral portion downward.
[0048]
【The invention's effect】
Since the mirror-finished nickel disk of the present invention is obtained by electroforming an amorphous carbon base material, there is no need to form a resist layer and a conductive film on the base material. Necessary passivation treatment for the required base material surface is unnecessary. Therefore, the number of steps for manufacturing a nickel mirror disk is reduced from about 1/3 to about 1/2 as compared with the conventional technique, and it is possible to significantly reduce costs.
[0049]
Further, as the number of steps for manufacturing the nickel mirror plate is reduced as described above, defects and adhesion of dust are reduced, and a high quality nickel mirror plate can be produced. Further, unlike the conventional method, there is no need to use a chemical for forming a resist or an oxide film, and the environmental load can be suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing a manufacturing process of a mirror-surface nickel disk according to a first embodiment of the present invention; FIG. 2 is a view showing a state of adsorption of a mirror-surface nickel disk according to a second embodiment of the present invention; FIG. 4 is a schematic view showing an electroforming process according to the second embodiment. FIG. 4 is a manufacturing process diagram of a stamper using a mirror-finished nickel disk in the prior art. FIG. 5 is a manufacturing process diagram of a mirror-finished nickel disk in the conventional technology. Of manufacturing process of mirror-finished nickel disk in Japan
1 Disc of amorphous carbon 2 Nickel plating layer