JP2004136564A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2004136564A
JP2004136564A JP2002304019A JP2002304019A JP2004136564A JP 2004136564 A JP2004136564 A JP 2004136564A JP 2002304019 A JP2002304019 A JP 2002304019A JP 2002304019 A JP2002304019 A JP 2002304019A JP 2004136564 A JP2004136564 A JP 2004136564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester film
film
recording medium
biaxially oriented
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002304019A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Muro
室 伸次
Ieyasu Kobayashi
小林 家康
Takeshi Ishida
石田 剛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin DuPont Films Japan Ltd filed Critical Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority to JP2002304019A priority Critical patent/JP2004136564A/ja
Publication of JP2004136564A publication Critical patent/JP2004136564A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

【課題】磁気記録媒体としたときに、テープ特性、走行耐久性、電磁変換特性に優れた、特に高記録容量のヘリカルスキャン記録方式磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムにおいて、該ポリエステルフィルムの、長手方向のヤング率(YMD)が4.6〜8.8GPaであり、幅方向の屈折率(nTD)が1.780以上であり、長手方向に測定した中心線平均粗さ(RaMD)が、12.0〜1.0nmであることを特徴とする磁気記録媒体に用いる二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関する。更に詳しくはヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体としたときに、テープ特性、走行耐久性、電磁変換特性に優れた、特に高記録容量のヘリカルスキャン記録方式磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な、磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体においては、大容量化のため磁性材料の改良、線記録密度の向上が図られている。記録媒体を更に大容量にするためには、長尺化が必須であり、規格化されたカートリッジケースの中に収めるためには磁気記録媒体の厚みを薄くする必要がある。このような要求に対し、各種のポリエステルフィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、磁気記録媒体厚みを薄くするためにベースフィルムの厚みを薄くすると、磁気記録媒体全体の強度が低下し、テープ特性、走行耐久性、電磁変換特性に問題が生じる。フィルムの長手方向の強度が低下すると、磁気テープが使用中に伸びる問題や、切断する問題が生じ、テープとしての特性を損なう。また、フィルムの幅方向の強度が低下すると、磁気テープを繰り返し走行させる場合にテープの端部が損傷を受け、ワカメ状に変形する問題や、テープの横規制ガイドに当たった時にテープ端部が折れ曲がったりする問題が生じる等、走行耐久性が損なわれる。更に、テープのヘッド当たりが不良となり、電磁変換特性の劣化を招く。
【0004】
更に、ヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体に供するフィルムは横方向のヤング率を高くすることを要求されるが、その場合ポリエステルの延伸性から、縦方向の延伸倍率を縦横バランスタイプより低めに設定しなければならず、縦方向の表面粗さが粗くなり、C/Nを著しく悪化させる問題がある。また、高ヤング率化が要求される場合、高ヤング率のフィルムを造るためには高倍率の延伸処理が必要で、製膜条件も極めて難しいものとなる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−335647号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体としたときに、テープの伸びや切断が少なく、かつ、テープ端部の損傷が少なく、電磁変換特性に優れた、高記録容量のヘリカルスキャン記録方式磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な、二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、本発明によれば、(1)ポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムにおいて、該ポリエステルフィルムの、長手方向のヤング率(YMD)が4.6〜8.8GPaであり、幅方向の屈折率(nTD)が1.780以上であり、長手方向に測定した中心線平均粗さ(RaMD)が、12.0〜1.0nmであることを特徴とする磁気記録媒体に用いる二軸配向ポリエステルフィルムにより達成される。
【0008】
更に本発明の目的は(2)ポリエステルフィルムの厚みが2.0〜10.0μmである(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム、(3)ヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体に用いる(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルムにより好ましく達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
[ポリエステル]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき、これらの共重合体又はこれらと小割合の他樹脂とのブレンド組成物なども含まれる。これらの中で、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好ましい。
【0011】
共重合ポリエステルの場合、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが、加工性や機械的強度、寸法安定性の点から好ましい。共重合成分としては、ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。
【0012】
このジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,3―アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0013】
また、グリコール成分としては、例えば1,3―プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p―キシリレングリコールなどを挙げることができる。
【0014】
本発明におけるポリエステルは従来公知の方法、例えばジカルボン酸とグリコールとをエステル化反応させ、またはジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとを従来公知のエステル交換触媒、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の一種または二種以上を用いてエステル交換反応させた後、重合触媒の存在下で重合させる方法で製造することができる。重合触媒としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物等を例示することができる。
【0015】
前記のエステル交換反応を経由して重合を行う場合は、通常、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的で、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物を添加するが、リン元素としてのポリエステル中の含有量は20〜100ppmであることがポリエステルの熱安定性の点から好ましい。
【0016】
本発明におけるポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)は通常0.40dl/g以上であるが、0.40〜0.90dl/gであることが好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満では製膜時の工程切断が多発することがあり、一方0.9dl/gより高いと溶融粘度が高いため溶融押出しが困難になり、重合時間が長く不経済であり、好ましくない。
【0017】
[二軸配向ポリエステルフィルム]
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの長手(縦)方向のヤング率(以下『YMD』ということがある。)が4.6〜8.8GPaであることが必要であり、好ましくは4.9〜6.4GPaである。また、フィルムの幅(横)方向の屈折率(以下、『nTD』ということがある。)が1.780以上であることが必要であり、好ましくは1.810以上である。フィルムYMDが4.6GPa未満であると、テープに瞬間的な強い応力がかかったとき、テープが伸びて変形する不都合や、切断する不都合が生じる。一方、YMDが8.8GPaを超えるとフィルム製造工程で破れやすくなり生産性が悪化する不都合が生じる。
【0018】
また、フィルムの幅方向の屈折率(nTD)が1.780未満であると、テープのヘッド当たりが悪くなり、電磁変換特性が悪くなったり、またテープの端部が損傷を受けてワカメ状に変形し、更にはテープの横規制ガイドにあたり、テープ端部が折れ曲がったりしてテープの走行耐久性が損なわれる。
【0019】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、さらに、フィルムの長手方向に測定した表面粗さ(RaMD)が12.0〜1.0nmであることが必要であり、好ましくは11.0〜3.0である。このRaMDが1.0nm未満であると、摩擦係数が大きくなり、フィルム製膜工程や磁気テープ製造工程での搬送性が悪くなり、フィルムの蛇行、ロールでの削れ粉が発生する。一方、RaMDが12.0nmを超えると、テープ表面が粗くなり、C/N低下要因となって、電磁変換特性が悪化する。
【0020】
フィルムの表面粗さ(RaMD)は、フィルム中に内部析出粒子や、不活性添加粒子、例えば、炭酸カルシウム粒子、アルミナ粒子、球状シリカ粒子、酸化チタン粒子に代表される不活性無機粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル樹脂粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒子等に代表される有機粒子等を含有させることで、あるいはフィルムの表面処理、例えばコーティング処理によって調整することができる。
【0021】
前記不活性粒子の平均粒径は0.01〜2.0μmが好ましく、0.05〜1.0μmが更に好ましい。また、添加量は0.001〜2.0重量%が好ましく、0.005〜1.0重量%が更に好ましい。
【0022】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは2.0〜10.0μmであることが好ましく、特に4.0〜9.0μmであることが好ましい。この厚みが10.0μmを超えると、規格化されたカートリッジケースの中に収めることができず、高容量化が難しくなることがあり、一方、2.0μm未満であると、磁気テープの起動や停止時にかかる力により、フィルムの永久伸びが生じ、耐久性を満足させることができないことがある。
【0023】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルム、例えば二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムは以下の方法で製造することができる。即ち、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを溶融押出し、好ましくは融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で溶融押出し、急冷却固化して未延伸フィルムとし、次いで、この未延伸フィルムを一軸方向(縦方向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.6〜4.4倍、好ましくは3.0〜4.2倍延伸し、続いて縦方向と直角方向(横方向)に(Tg+0℃)〜(Tg+25)℃の温度で4.8〜8.0倍、好ましくは5.0〜7.7倍延伸し、更に190〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定処理することで製造することができる。
【0024】
[磁気記録媒体]
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、上記した特性から、特にヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体用として使用すると、優れた結果を得ることができる。即ち、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを支持体とし、この上に磁性層を形成することにより、高性能の磁気記録媒体が得られる。
【0025】
前記磁性層を構成する磁性剤としては、以下のものが例示される。磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムの上に鉄または鉄を主成分とする針状微細磁性粉を塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のバインダーに均一分散し、乾燥膜厚みが0.2〜2.0μmとなるように塗布し、さらに上記磁性層塗布面の反対側表面に公知の方法でバックコート層を設けることにより、特にドロップアウトの少ない、電磁変換特性に優れた、塗布型磁気記録媒体とすることが出来る。また、必要に応じて、磁性層を塗布する側のポリエステルフィルムの上に、該磁性層の下地層として、微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもできる。この塗布型磁気記録媒体は、D−VHS等のヘリカルスキャン記録方式の高容量磁気記録媒体として有用である。
【0026】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を更に説明する。尚、本発明における種々の物性及び特性は、以下のようにして測定されたものであり、かつ定義される。
【0027】
(1)ヤング率
フィルムを試料幅10mm、長さ150mmに切り出し、チャック間隔を100mmとし、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件でインストロンタイプの万能引張試験装置にて引張試験をおこなった。得られた引張応力−歪み曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算した。
【0028】
(2)フィルム厚み
フィルムを層間の空気を排除しながら10枚重ね、打点式電子マイクロメータで厚みを測定し、1枚当りのフィルム厚みを計算する。
【0029】
(3)屈折率
メトリコン社製レーザー屈折計(モデル2010プリズムカプラ−)を用いて、1枚のフィルムを内蔵圧力計40目盛の圧力で挟み、波長633nmのレーザー光にて測定を行う。得られたスペクトラムチャート上で検知器出力が急激に低下する点を読み取り、この値を屈折率とする。
【0030】
(4)中心線平均粗さ
小坂研究所(株)製の触針式表面粗さ計(サーフコーダ30C)を用いて針の半径2μm、荷重30mgの条件下で測定を行う。そしてこの粗さ計に内蔵された表面解析機能により、次式で示す計算処理をして、表面の中心線平均粗さ(Ra)を求める。なお、次式はフィルム表面粗さ曲線から、その中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ曲線をY=f(X)で表したとき、次式で与えられるRa(μm)をフィルム表面の中心線平均粗さとして定義する。
【0031】
【数1】
Figure 2004136564
【0032】
本発明では、測定長を1.25mmとし、カットオフ値を0.08mmとして、5回測定した平均値をRaとする。
【0033】
(5)磁気テープの走行耐久性
日本ビクター製HM−DR10000で再生−巻き戻しを繰り返しながら100時間走行させ、このときの磁気テープの走行耐久性を下記のように3段階で評価した。
<判定等級>
○:テープの折れや、ワカメ状の発生が無い。
△:若干テープの端の折れやワカメが発生する。
×:テープの折れやワカメの発生が著しい。
【0034】
(6)磁気テープの電磁変換特性
(i) エンベロープ
日本ビクター製HM−DR10000で再生し、出力信号(ヘッド当りエンベロープ波形)を一垂直画面分で観察して、下記のように3段階で評価する。
○:再生出力信号が高く、フラットで良好(ヘッド当たり良)。
△:再生出力信号のどちらか片側が低く、緩やかな斜め。
×:再生出力信号が低く、両側又は片側が変形して不良(ヘッド当たり不良)。
【0035】
(ii) C/N
日本ビクター製HM−DR10000を改造し、7MHzの正弦波をアンプを介してビデオヘッドに入力し、テープに記録した後再生し、その再生信号をスペクトラムアナライザーに入力する。得られたスペクトラムのキャリア信号7MHzから0.1MHz離れたところに生ずるノイズを測定し、キャリアとノイズの比(C/N)で表す。この方法で測定し、表1に示す実施例1の値を基準(±0dB)とした相対値を求め、下記判定等級で表す。
<判定等級>
○:±0dB以上
△:−3dB以上〜±0dB未満
×:−3dB未満
【0036】
(7)ガラス転移点(Tg)
サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で1分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷する。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定する。
【0037】
(8)融点(Tm)
サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷する。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させて融点(Tm:℃)を測定する。
【0038】
(9)固有粘度
ポリエステルの固有粘度(IV:dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定する。
【0039】
[実施例1]
平均粒径0.6μmの炭酸カルシウムを0.018重量%、平均粒径0.1μmの球状シリカ粒子を0.34重量%を含有したポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレットを170℃で6時間乾燥した後、押出し機に供給して305℃で溶融した。この溶融ポリマーを公知の方法で濾過し、ダイからシート状に押出し、これをキャステイングドラム上で急冷固化して未延伸フィルムを作成した。
【0040】
続いて、この未延伸フィルムを120℃で予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より900℃のIR(赤外線)ヒーターにて加熱して縦方向に3.1倍に延伸し、続いて、ステンターに供給し、1段目120℃、2段目130℃、3段目140℃の3段階の横延伸温度にて横方向に7.1倍に延伸した後、200℃で熱処理し、厚み8.0μmの二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムを得た。
【0041】
一方、下記に示す組成物をボールミルに入れ、16時間混練、分散した後、イソシアネート化合物(バイエル社製のデスモジュールL)5重量部を加え、1時間高速剪断分散して磁性塗料とした。
【0042】
[磁性塗料の組成]
針状Fe粒子(Fe:Co:Y:AI=100:10:3:11)100重量部
塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体(エスレック7A:積水化学製) 15重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂(N2305:日本ポリウレタン工業製) 5重量部
カーボンブラック(#50:旭カーボン製)            5重量部
レシチン                            2重量部
脂肪酸エステル                         1重量部
トルエン                           50重量部
メチルエチルケトン                      50重量部
シクロヘキサノン                       50重量部
この磁性塗料を上述の二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの片面に、塗布厚1.7μmとなるように塗布し、ついで2500ガウスの直流磁場中で配向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スーパーカレンダー処理(線圧200kg/cm、温度80度)を行ない、巻き取った。さらに下記組成のバックコート層塗料を厚さ1.0μmに塗布し、乾燥させ、さらに1/2インチ幅に裁断し、磁気テープを得た。
【0043】
[バックコート層塗料の組成]
カーボンブラック(キャボット社製のBP−800)      100重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製のN2305)60重量部
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネートL) 18重量部
シリコーンオイル                      0.5重量部
メチルエチルケトン                     250重量部
トルエン                           50重量部
得られたフィルム及びテープの特性を表1に示す。
【0044】
[実施例2及び比較例1〜3]
延伸条件を表1に記載した条件に変更する以外は実施例1と同様に製膜した。更に、実施例1と同様に磁気テープを作成した。これらのテープ特性を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004136564
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、ヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体としたときに、テープ特性、走行耐久性、電磁変換特性に優れた、特に高記録容量のヘリカルスキャン記録方式磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な、磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. ポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムにおいて、該ポリエステルフィルムの、長手方向のヤング率(YMD)が4.6〜8.8GPaであり、幅方向の屈折率(nTD)が1.780以上であり、長手方向に測定した中心線平均粗さ(RaMD)が、12.0〜1.0nmであることを特徴とする磁気記録媒体に用いる二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルフィルムの厚みが2.0〜10.0μmである、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. ヘリカルスキャン記録方式の磁気記録媒体に用いる請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
JP2002304019A 2002-10-18 2002-10-18 二軸配向ポリエステルフィルム Pending JP2004136564A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002304019A JP2004136564A (ja) 2002-10-18 2002-10-18 二軸配向ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002304019A JP2004136564A (ja) 2002-10-18 2002-10-18 二軸配向ポリエステルフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004136564A true JP2004136564A (ja) 2004-05-13

Family

ID=32451574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002304019A Pending JP2004136564A (ja) 2002-10-18 2002-10-18 二軸配向ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004136564A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6158640B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
EP0609060A1 (en) Biaxially oriented laminated polyester film and magnetic recording medium having the same as base film
EP1346815B1 (en) Biaxially oriented polyester film and method for production thereof
KR100463695B1 (ko) 자기기록매체용 이축배향 폴리에스테르 필름
EP1273438B1 (en) Biaxially oriented layered polyester film and magnetic recording medium
EP0311426A2 (en) Biaxially oriented polyester film
JP7303999B2 (ja) 積層ポリステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
KR19980042399A (ko) 이축 배향 적층 폴리에스테르 필름
EP1369229B1 (en) Laminated polyester film and magnetic recording medium
US20050147795A1 (en) Biaxially oriented polyster film and flexible disk
US7048994B2 (en) Laminated polyester film and magnetic recording medium
JP2014022027A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JPH06228337A (ja) 二軸配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルム
KR100244069B1 (ko) 자기 기록 매체용 이축 배향 폴리에스테르 필름
JP6049337B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP5749504B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP5981185B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP2004136564A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JPH0830958A (ja) 磁気記録媒体用二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP4118491B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2014019138A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP2971294B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP5749505B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP4287229B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2019130777A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070611

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070710