JP2004136509A - 印刷マスク体 - Google Patents

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横沢 雄二
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    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
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Abstract

【課題】印刷剤を好適な供給量で供給して被印刷体に印刷して設けることができる印刷マスク体を提供することである。
【解決手段】印刷マスク体は、厚み方向寸法が均一に形成され、予め定められるパターンに複数の貫通孔部が形成される。各貫通孔部うち一部の貫通孔部は、厚み方向中間部に頸部を有する。この印刷マスク体を被印刷体に積重し、印刷剤を貫通孔部に充填した後、印刷マスク体を被印刷体から離脱することによって貫通孔内の印刷剤を被印刷体に残留させ、貫通孔部のパターンを転写して被印刷体に印刷剤を印刷して設ける。このとき頸部を有している貫通孔部では、頸部を境にして印刷剤を分断し、頸部よりも被印刷体側にある印刷剤だけを、被印刷体に残留させることができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーン印刷などに用いる印刷マスク体に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯情報機器の小型化・軽量化に伴い、プリント基板の高密度実装化が強く望まれており、部品の小型化、接続ピッチの狭ピッチ化が進んでいる。狭ピッチ部品としては、たとえばリードピッチ0.3mm QFP(Quad Flat Package、印刷パターン0.41mm×1.6mm)、ボールピッチ0.5mm CSP(
Chip Scale Package、印刷パターンφ0.25mm)などがあり、小型部品としては、サイズ0.6mm×0.3mmのチップ部品(印刷パターン0.15mm×0.3mm)がある。
【0003】
高密度実装された電子機器には、集積回路(IC)部品およびチップ部品を搭載したプリント基板が用いられている。プリント基板に対するIC等の電子部品の装着には、リフロー法によるはんだ付けが多用されている。リフロー法は、はんだペーストを、基板に積重したメタルマスクなどの印刷マスク体を介してスクリーン印刷し、その基板上に電子部品を載置し、はんだをリフロー炉内で加熱溶融することによって、部品と基板の接続を行うはんだ付け法である。印刷マスク体は、製法の違いによりエッチングマスク、アディティブマスク、YAGレーザマスク、エキシマレーザマスクなどがある。
【0004】
エッチングマスクは、ステンレス板に感光性樹脂を塗布後、貫通孔パターンを有するフィルムを用いて露光・現像し、次いでステンレス板を表裏からエッチング液でエッチングし、貫通孔部を形成する。したがってエッチングマスクは貫通孔部中央がやや狭くなり、貫通孔部内壁面が粗くなる欠点がある。
【0005】
アディティブマスクは、めっき用電極板の表面に感光樹脂を貼り、貫通孔パターンを有するフィルムを用いて露光・現像し、貫通孔部に樹脂を残し、これにニッケルを電解めっきし、電極板をはがし、樹脂を除去して作製する。アディティブマスクは、貫通孔部内壁の平滑性はよいが、値段が高い、納期がかかるなどの欠点がある。
【0006】
YAGレーザマスクは、YAGレーザでステンレス板を加熱し、溶融部をガスで吹き飛ばしながら貫通孔部を形成する。貫通孔部内壁面はやや粗くなるけれども、研磨およびめっきなどを組み合わせて、平滑性を改善したものもある。YAGレーザマスクは、露光用フィルムおよびフォトリソグラフィ工程が不要なため、短納期、低コストという特徴がある。
【0007】
エキシマレーザマスクは、プラスチック版材に遮光マスクを介してエキシマレーザ光を照射する。これによってレーザを照射した部分のプラスチックがアブレーションによってガス化して飛散し、貫通孔パターンを形成することができる。エキシマレーザ光を用いた加工は、エキシマレーザ光の照射回数によって、加工する貫通孔部の深さを自由に変えることができる(たとえば非特許文献1参照)。
【0008】
図8は、従来の技術の印刷マスク体1を簡略化して示す断面図である。プリント基板(以下単に「基板」という)2には、様々な部品がランドにはんだ付けされて搭載される。はんだ3は、図8(a)に示すように、複数の貫通孔部5a,5bが形成される印刷マスク体1を、各貫通孔部5a,5bが基板2のランドに臨む位置に積重し、スキージ4を用いて各貫通孔部5a,5b内に充填し、図8(b)に示すように、印刷マスク体1を基板から離脱させて、基板2のランドに設けられている。基板2の各ランドに部品を搭載するために必要とするはんだ3の量は、部品によって異なる。はんだ3が不足すると、部品の接続強度が低下して不良原因になる。またはんだ3が多すぎると、隣接するランド間でブリッジが形成されて短絡してしまい、これまた不良原因となる。
【0009】
この点に鑑み、印刷マスク体1では、各貫通孔部5a,5bが、必要なはんだ3の量に合わせて形成されている。つまり印刷マスク体1は、1つのランドに必要とされるはんだ3の最大量に合わせ、ランドの面積と同一開口面積の貫通孔部5aの容積が、前記最大量と一致するように、厚みT1が決定されている。この厚みT1は、たとえば約130〜150μmである。このような印刷マスク体1は、高密度実装部などでは、1つのランドに必要なはんだ3の量が、前記最大量よりも少なく、その貫通孔部5bを、開口面積が前記最大量を必要とする貫通孔部5aよりを小さくなるように、ランドより小さく形成し、そのはんだ3の供給量を調整している。
【0010】
しかしながら、細長い貫通孔部5bを形成すると、この貫通孔部5bにおけるはんだ3の版抜け性が低下し、はんだ3全体および一部が貫通孔部5b内に残って、マスク目詰まり6および転写不良7を生じてしまうおそれがある。またはんだ3として鉛フリーはんだを用いる場合、鉛フリーはんだは、共晶はんだに比べてランドへのぬれ広がりが悪いので、開口面積が小さい貫通孔部5bでは、はんだ3が充填時にランドに広がりにくく、ランドの一部にはんだ3が乗らずに露出したままとなり、耐湿信頼性が低下する可能性がある。
【0011】
図9は、他の従来の技術の印刷マスク体1Aを簡略化して示す断面図である。印刷マスク体1Aは、図8に示す印刷マスク体1の課題を解決できるマスク体であり、同様の構成を有する部分には同一の符号を付す。この印刷マスク体1Aでは、図9(a)に示すように、必要なはんだ3の量が少ない貫通孔部5bが形成される部分を、ハーフエッチング加工して、掘り下げて凹部9を形成し、厚みT2を、必要なはんだ3の量が多い貫通孔部5aが形成される部分の厚みT1に比べて小さく形成している。このような印刷マスク体1Aもまた、図8の印刷マスク体1と同様にしてはんだ3を基板2に設けることができる。
【0012】
印刷マスク体1Aが金属材料から成る場合は、耐エッチング性を有する樹脂でハーフエッチング加工する部分以外を保護した後、エッチング液によりエッチングを行い、印刷マスク体1に凹部9を形成することができる。また印刷マスク体1Aがプラスチック材料の場合は、レーザ光を用いて、先に凹部8の掘り込みを行い、次いで穿孔を行う。凹部9の掘り込み深さはレーザ光の加工ショット数により調整することができる。
【0013】
【非特許文献1】
木下真言著「高生産性、はんだ付け不良低減に応えた最適クリームはんだ印刷技術と印刷マスク」表面実装技術、1997年10月、p2−8
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
印刷マスク体1Aでは、高密度実装部などの必要なはんだ3の量が少ない部分の厚みを小さくしてはんだ3の供給量を調整するために、前述のハーフエッチング加工をしているが、印刷マスク体1Aが金属材料から成る場合、金属材料にエッチング液を用いてハーフエッチング加工を施すとき、エッチング液の濃度、温度、pHなどの変化、エッチング時間、攪拌状態などにより、エッチング量が変化し、厚みT2がばらつく。また、貫通孔部5bに臨む部分へのエッチング液のにじみ込み等により、エッジや内壁が荒れてファイン部の印刷品質を低下させる場合がある。
【0015】
また印刷マスク体1Aでは、表面に凹凸が形成されるので、印刷マスク体1Aを基板2に積重させてはんだ3を各貫通孔部5a,5bに充填するとき、スキージ4を、凹凸がある印刷マスク体1Aの表面に当接させた状態を維持しなければならない。したがって低硬度で弾性変形するスキージ4を用いて、印刷マスク体1Aに沿うように弾性変形させ、弾性回復力を利用して、スキージ4の印刷マスク体1Aに対する当接力を高くして、密着性を高くする必要がある。しかしながらこのようなスキージ4を用いると、図9(b)および図9(c)に示すように、スキージ4が各貫通孔部5a,5b内に不所望にえぐり込んで、各貫通孔部5a,5b内のはんだ3を掻きとってしまい、はんだ3の充填量が不足してしまう。
【0016】
このえぐり込みを防ぐために、たとえば金属材料から成る高硬度の剛性の高いスキージ4を用いることが考えられるが、このスキージ4では、えぐり込みは防止できるが、凹所9の表面に確実に当接させて沿わせることができず、凹所9に臨む貫通孔部5bへのはんだ3の充填が不十分になってしまう。またこのスキージ4では、凹所9の隅部に掻き残しが生じてしまう。このように凹所9を形成する印刷マスク体1Aでは、図8の印刷マスク体1の不具合は解消されるが、はんだ3の貫通孔部5a,5bへの充填不足および掻き残しという新たな不具合を生じてしまう。
【0017】
本発明の目的は、印刷剤を好適な供給量で供給して被印刷体に印刷して設けることができる印刷マスク体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、予め定めるパターンに複数の貫通孔部が形成され、スクリーン印刷によって、前記パターンを転写して、被印刷体に印刷剤を付着させるための印刷マスク体であって、
各貫通孔部が形成される印刷領域の厚み方向寸法が均一に形成され、各貫通孔部のうち一部の貫通孔部が、厚み方向中間部に頸部を有することを特徴とする印刷マスク体である。
【0019】
本発明に従えば、印刷マスク体は、印刷領域の厚み方向寸法が均一に形成され、この印刷領域に予め定められるパターンに複数の貫通孔部が形成される。各貫通孔部うち一部の貫通孔部は、厚み方向中間部に頸部を有している。この印刷マスク体を被印刷体に積重して設け、印刷剤を印刷マスク体の貫通孔部に充填し、被印刷体に付着させる。この後、印刷マスク体を被印刷体から離脱することによって貫通孔内の印刷剤を被印刷体に残留させ、貫通孔部のパターンを転写して被印刷体に印刷剤を印刷して設けることができる。
【0020】
印刷マスク体は、厚み方向寸法が均一に形成されるので、スキージなどの充填操作部材を用いて、印刷剤を貫通孔部に充填するときに、充填操作部材を好適な当接力で容易かつ確実に印刷マスク体の表面に当接させて変位させることができ、当接力不足による印刷剤の掻残しおよび貫通孔部への充填不足の発生を防止することができるとともに、当接力過大による貫通孔部内の印刷剤のえぐり取りを防止して、貫通孔部にすり切り状態の好適な状態に印刷剤を充填することができる。このように印刷剤を容易かつ確実に過不足なく充填することができる。また頸部を有している貫通孔部では、被印刷体と印刷マスク体とを離脱するときに、頸部を境にして印刷剤を分断し、頸部よりも被印刷体側にある印刷剤だけを、被印刷体に残留させることができる。このように印刷マスク体は、厚み方向寸法を均一に保ち、かつ印刷剤が不所望に貫通孔部内に残ってしまう小径の貫通孔部を形成することなく、一部の貫通孔部に頸部を形成することによって、この一部の貫通孔部から被印刷体に残留させる印刷剤の量を少なくすることができる。したがって被印刷体に所望する量の印刷剤を設けることができる。
【0021】
また本発明は、頸部を有する貫通孔部は、頸部における開口面積が、被印刷体に臨む表面における開口面積より小さく、かつ、頸部における開口形状と被印刷体に臨む表面における開口形状とが相似であることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、頸部を有する貫通孔部は、頸部おける開口面積が被印刷体に臨む開口面積より小さく形成されるので、印刷剤の被印刷体への接触面積を大きくして、印刷剤の被印刷体への接着性を高くし、かつ印刷剤の頸部における強度を最も小さくすることができる。これによって印刷剤を頸部において確実に分断させ、被印刷体に設けられる印刷剤の量を確実に好適な量にすることができる。
【0023】
また頸部における開口形状と被印刷体に臨む表面における開口形状とが相似に形成されるので、被印刷体から印刷マスク体を離脱するときに、頸部における印刷剤に、均一な分断力を与えることができる。これによって印刷剤を、頸部で平坦状に分断することができ、被印刷体に所望する量の印刷剤を設けることができる。
【0024】
また本発明は、熱可塑性合成樹脂から成り、エキシマレーザ光を用いて貫通孔が形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、印刷マスク体は、熱可塑性合成樹脂から成る素材に、エキシマレーザ光を用いて加工して貫通孔が形成される。エキシマレーザ光を用いた加工は、アブレーションによる微細な加工を行うことができ、加工する深さも自在に変えることができる。したがってエキシマレーザ光を用いた加工は、印刷マスク体に形成される貫通孔部の内壁面を平滑に仕上げることができるとともに、印刷マスク体の貫通孔部の厚み方向中間部に形成する頸部を所望する位置に形成することができる。このように貫通孔部の内壁面が平滑に形成されるので、印刷剤の貫通孔部からの抜けを良好にし、印刷マスク体を被印刷体から離脱するときに、印刷剤が貫通孔部内に不所望に残ってしまうことを防ぐことができる。また頸部の位置が正確に形成されるので、被印刷体に所望の量の印刷剤を確実に設けることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の印刷マスク体14を簡略化して示す断面図である。図2は、スクリーン印刷機19の概略的構成を示す正面図である。配線が施された基板17に、集積回路部品などの電子部品を実装するにあたっては、たとえば基板17にはんだペースト18を設け、リフロー法によって、電子部品をはんだ付けしている。このように電子部品を実装するにあたって、被印刷体である基板17の所定の位置に、印刷剤であるはんだペースト18を、スクリーン印刷によって設けるために、印刷マスク体14が用いられる。
【0027】
印刷マスク体14は、熱可塑性合成樹脂、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)から成り、少なくとも印刷に用いられる印刷領域S14の厚み方向の寸法T14が均一なシート体に形成される。厚み方向寸法T14は、たとえば150μmである。この印刷マスク体14には、印刷領域S14に、予め定めるパターンに複数の貫通孔部15a,15b(以下、不特定の貫通孔部を示す場合には、添え字「a,b」を省略して符号「15」を付す)が形成されている。換言すれば、予め定める形状の貫通孔部15a,15bが、予め定める配置で形成されている。以下単に「厚み方向」という場合、印刷マスク体14の厚み方向を意味する。
【0028】
各貫通孔部15は、厚み方向に関して、開口形状および開口面積が一様または略一様である貫通孔部(以下「一様貫通孔部」という場合がある)15aと、少なくとも開口面積が変化する貫通孔部(以下「有頸貫通孔部」という場合がある)15bとを有する。開口形状および開口面積は、厚み方向に垂直な面で切断したときの断面形状および断面積である。一様貫通孔部15aには、印刷マスク体14の厚み方向に平行な軸線を有する略柱状、たとえば略円柱状の貫通孔が形成される。本実施の形態では、一様貫通孔部15aは、開口形状が一様とみなせる程度に、わずかに厚み方向一方へ向かって縮径している。有頸貫通孔部15bには、厚み方向に平行な軸線を有する回転体形状であり、かつ厚み方向中間部がくびれて小径となる貫通孔が形成される。
【0029】
各貫通孔部15の一部である有頸貫通孔部15bは、厚み方向中間部に頸部16を有し、この頸部16でくびれた形状を有している。つまり頸部16は、内周面が半径方向内方に凸と成る部分の先端部であって、本実施の形態では、厚み方向に関する開口面積の変化率が不連続となって屈曲している。
【0030】
さらに具体的に述べると、有頸貫通孔部15bは、厚み方向一方(以下「上方」と言う場合がある)側のはんだ保持部分50と、厚み方向他方(以下「下方」と言う場合がある)側のはんだ抜け部分51とを有する。はんだ保持部分50と錐台部分51とは同軸に形成されている。
【0031】
はんだ保持部分50には、開口形状が一様または略一様であって、略円柱状の孔部分が形成される。本実施の形態では、はんだ保持部分50は、開口形状が一様とみなせる程度に、わずかに厚み方向他方へ向かって縮径している。はんだ抜け部分51には、円錐台状の孔部分が形成される。錐台部分51は、下端部における内径d1よりも、上端部における内径d2が小さくなるように、上方に向かって縮径する。はんだ保持部分50は、下端部における内径d3が、上端部における内径よりも小さくなるように、下方に向かってわずかに縮径し、下端部の内径d3は、少なくとも錐台部分51の上端部における内径d2よりも大きい。
【0032】
このようなはんだ保持部分50とはんだ抜け部分51とが厚み方向に突き合わされるように配置されて形成されており、錐台部分51の上端部によって頸部16が構成される。略円柱状の孔部分と、円錐台状の孔部分とによって、有頸貫通孔部15bの貫通孔が構成される。頸部16における有径貫通孔部15bの開口面積は、印刷マスク体14の基板17に臨む表面となる下面における有頸貫通孔部15bの開口面積よりも小さい。また頸部16における有頸貫通孔部15bの開口形状と、印刷マスク体14の下面における有頸貫通孔部15bの開口形状とは、相似である。
【0033】
頸部16における有頸貫通孔部15bの開口直径d1と、印刷マスク体14の下面における有頸貫通孔部15bの開口直径d2との開口径比d1:d2は、約3:2である。はんだ抜け部分51の内周面の軸線からの傾斜角度である厚み方向に対するテーパ角θ1は、約30度である。印刷マスク体14の下面から頸部16まで厚み寸法h1と、頸部16から印刷マスク体14の上面まで厚み寸法h2との厚み比h1:h2は、約8:7である。前記開口径比d1:d2、厚み比h1:h2およびテーパ角θ1は、あくまで一例であり、必ずしもこの数値に限られるものではない。
【0034】
印刷マスク体14は、スクリーン印刷機19に装着されて用いられる。スクリーン印刷機19は、被印刷体保持装置20と、スキージ装置21と、マスク保持装置18とを含んで構成される。
【0035】
被印刷体保持装置20は、ワーク台昇降機22と、支柱23と、ワーク台24と、ワーク支持ブロック25とを有する。ワーク台24は、下方に設けられているワーク台昇降機22に支柱23を介して支持されており、ワーク台昇降機22による支柱23の伸縮によって、たとえば上下方向Y1,Y2へ変位駆動される。ワーク台24上には、ワーク支持ブロック25が設けられており、このワーク支持ブロック25上に、基板17が着脱自在に装着される。
【0036】
ワーク支持ブロック25の上方には、矩形状のマスクフレーム26が、図示しない支持機構によって支持されている。このマスクフレーム26によって、印刷マスク体14が、上下方向Y,Y2に垂直になるように水平に保持される。このマスクフレーム26および支持機構を含んで、マスク保持装置18が構成される。
【0037】
基板17は、昇降台24が最も下方Y2に降下している状態で、図示しないローダ装置によって、所定の搬入元からワーク支持ブロック25上に搬送され、ワーク支持ブロック25に、水平に配置されて装着される。この状態で、ワーク台24が上方Y1へ変位され、基板17が上方に配置された印刷マスク体14に当接する。つまり基板17と印刷マスク体14とが積重される。
【0038】
印刷マスク14を保持するマスクフレーム26の上方に、スキージ装置21が配置される。スキージ装置21は、一対のスキージ27a,27bと、一対のスキージホルダ28a,28bと、スキージ上下機構を構成する一対のエアシリンダ29a,29bとを有している。スキージ装置21は、さらにシリンダ台30および案内レール31を有している。案内レール31は、上方方向Y1,Y2に垂直な水平な操作方向X1,X2へ延びて配置され、シリンダ台30が、案内レール31に案内されて、図示しない駆動手段によって操作方向X1,X2へ変位駆動される。
【0039】
シリンダ台30に、一対のエアシリンダ29a,29bが、操作方向X1,X2に並んで設けられている。各エアシリンダ29a,29bのピストンロッドの先端部となる下端部に、各スキージホルダ28a,28bが設けられ、これらスキージホルダ28a,28bに保持されて、各スキージ27a,27bが、操作方向X1,X2に並んで配置設けられる。各スキージ27a,27bは、下方になるにつれて拡開するように傾斜させて設けられ、各エアシリンダ29a,29bによって、上下方向Y1,Y2へ変位駆動されるともに、シリンダ台30が変位駆動されることによって、操作方向X1,X2へ変位される。
【0040】
各スキージ27a,27bは、エアシリンダ29a,29bによる昇降変位によって下端部が印刷マスク体14に好適な当接力で当接された状態で、シリンダ台30の変位に伴って操作方向に変位されることによって、印刷マスク体14上のはんだペースト18を、印刷マスク体14上で操作方向X1,X2へ流動させることができる。このとき、はんだペース18は、印刷マスク体14に押し付けられる力を受けており、印刷マスク体14の貫通孔部15に流れ込んで充填される。
【0041】
図3は、印刷マスク14を用いた印刷過程を示す断面図である。印刷マスク体14を用いて、はんだペースト18を基板17に印刷するにあたっては、まず印刷マスク体14をマスクフレーム26によって保持してスクリーン印刷機19に装着する。そして図3(a)に示すように、印刷マスク体14の上面に、各スキージ27a,27b間に配置して、はんだペースト18を供給する。供給されるはんだペースト18は、たとえば平均粒径が約20μmのSn−3wt%Ag−0.5wt%Cuから成る。
【0042】
そして基板17をローダ装置によって、ワーク支持ブロック25上に搬送して装着する。ワーク支持ブロック25は、両面実装基板に対応できるように、支持凸部が形成されており、印刷裏面側、つまりワーク支持ブロック25に臨む側の実装部品を避けて、基板17を支持することができる。
【0043】
次に、ワーク台昇降機22を作動させ、支柱23を伸張させて、ワーク支持ブロック25を上昇させ、図3(b)に示すように、ワーク支持ブロック25上の基板17を印刷マスク体24に当接させる。つまり印刷マスク体14と基板17とを積重する。このとき、印刷マスク体14の各貫通孔部15が、基板17に形成される所定のランドに位置決めされている。
【0044】
各エアシリンダ29a,29bを作動させて、各スキージ27a,27bのいずれか一方だけを印刷マスク体14に当接させる。たとえば操作方向一方X1側に配置される一方のスキージ27aを印刷マスク体14に当接させ、操作方向X2側に配置される他方のスキージ27bを印刷マスク体14から離間させる。このときはんだペースト18を流動操作させる方向は、操作方向他方X2となる。このようにはんだペースト18を流動操作させる方向の上流側にあるスキージ27a(27b)を印刷マスク体14に当接させ、下流側にあるスキージ27b(27a)を印刷マスク体14から離間させる。
【0045】
そして次に、図3(b)に示す状態から図3(c)に示す状態に、シリンダ台30を操作方向他方X2へ変位駆動して、一方のスキージ27aを操作方向他方X2へ変位させる。本実施の形態では、一例として約10〜30mm毎秒の速度でスキージングする。このように一方のスキージ27aを操作方向他方X2へ変位させることによって、一方のスキージ27aで印刷マスク体14上のはんだペースト18を流動操作して、印刷マスク体14の各貫通孔部15に、すり切り一杯に充填する。この状態で、各貫通孔部15内のはんだペースト18は、基板17に付着した状態となる。
【0046】
そして次に、図3(d)に示すように、ワーク台昇降機22を作動させ、支柱23を縮退させて、ワーク支持ブロック25を下降させ、基板17と印刷マスク体14とを離脱する。本実施の形態では、一例として、約0.01〜0.1mm毎秒の速度で離脱する。これとともに、エアシリンダ29aを縮退させて、一方のスキージ27aを印刷マスク体14から離間させる。そして次に、ローダ装置によって、ワーク支持ブロック25上の基板17を、離脱して所定の搬出先へ搬送する。
【0047】
このような一連の動作を繰り返し行うことによって、基板17上にはんだペースト18を順次設けることができる。ここでは一方のスキージ27aを用いて操作方向他方X2へ変位させる説明をしたけれども、他方のスキージ27bを用いて操作方向一方X1へ変位させても同様に動作させることができる。
【0048】
このような一連の動作によって、各貫通孔部15のパターンを転写して、基板17の所定位置、具体的にはランドに、はんだペースト18が設けられる。このとき有頸貫通孔部15bにおいて、はんだペースト18の印刷マスク体14に対する抜け性は、頸部16を境にして、はんだ抜け部分51が良好であり、はんだ保持部分50が不良である。そして図3(d)に示すように、有頸貫通孔部15bでは、基板17にはんだペースト18を付着させた後、基板17から印刷マスク体14を離脱するときに、はんだペースト18が、頸部16を境にして分断され、はんだ抜け部分51にあるはんだペースト18だけが、有頸貫通孔部16bから抜けて基板17に残留し、はんだ保持部分50にあるはんだペースト18は、有頸貫通孔部15b内に保持されたまま残って、印刷マスク体14とともに基板17から離脱する。また図3(d)に示すように、一様貫通孔部15aでは、充填されたはんだペースト18が全て、一様貫通孔部15aから抜けて基板17上に残留する。
【0049】
このような厚み方向寸法T14は、基板17における各ランドに必要とされるはんだペースト18を設けるために最低限必要とされる厚み寸法に決定される。詳細に述べると、各ランドと同一の底面を有し、各ランドに必要とされるはんだペースト18の体積と同一体積を有する仮想柱をそれぞれ想定し、これら仮想柱のうち最も高い仮想柱の高さと同一の厚みになるように、前記厚み方向寸法T14が決定される。このようにして決定される厚み方向寸法T14と同一高さの仮想柱が想定されるランドにはんだペースト18を設けるための貫通孔部が、一様貫通孔部15aである。したがって一様貫通孔部15aの容積と、対応するランドに必要なはんだペースト18の体積とは、一致する。厳密には、加工上、貫通孔が錐台状となるので、仮想柱は、錐台状として想定しなければならないが、誤差の範囲であるので、柱状と推定してもよい。
【0050】
厚み方向寸法T14よりも小さい高さの仮想柱が想定されるランドにはんだペースト18を設けるための貫通孔部が、有頸貫通孔部15bであり、頸部16の厚み方向の位置は、そのランドに必要とされるはんだペースト18の量に基づいて、はんだ抜け部分51の容積が、そのランドに必要とされるはんだペースト18の体積と一致するように形成される。この有頸貫通孔部15bにおける頸部16の位置を決定するにあたって、はんだ抜け部分51の厚み方向他方の表面における開口が、対応するランドと同一となるように決定され、はんだペースト18のランドへの付着面積を大きくして付着力を大きくし、抜け性を良好にしている。
【0051】
図4は、印刷マスク14の製作方法の一例を示す図である。本実施の形態では、印刷マスク体14を形成するにあたって素材40を加工するために、エキシマレーザ光を照射するレーザ加工装置37を用いる。レーザ加工装置37は、レーザ発振機32と、ミラー34と、遮光板35と、イメージレンズ36とを含んで構成される。以下、素材40の厚み方向について、形成される印刷マスク体14の厚み方向に対応させて説明する。
【0052】
印刷マスク体14を形成するための熱可塑性合成樹脂から成る素材40の厚み方向いずれか一方側に、レーザ加工装置37が配置される。レーザ加工装置37は、たとえば素材40の上方に配置される。レーザ発振器32から出射されたエキシマレーザ光33は、ミラー34、斜光板35およびイメージレンズ36を経て、素材40に照射される。詳しく述べると、レーザ発振器32から出射されたエキシマレーザ光33は、光路途中にあるミラー34によって反射されて、方向決めおよび光軸ズレが補正され、加工形状を決めるための遮光板35によって、ビーム形状が整形され、イメージレンズ36によって必要なエネルギ密度に集光され、素材40に照射される。これによって素材40がアブレーション加工される。素材40は、印刷マスク体14の厚み寸法T14と同様の厚み方向寸法、たとえば150μmを有する。
【0053】
有頸貫通孔部15bを形成するには、図4(a)に示すように、イメージレンズ36として、集光率の小さいレンズを用い、低エネルギ密度に集光したエキシマレーザ光33を、素材40の厚み方向他方側か照射し、第1の貫通孔38を、厚み方向に貫通させて形成する。第1の貫通孔38は、前述のはんだ抜け部分51と同様のテーパ角度θ1で厚み方向一方側に向かって縮径し、厚み方向一方側の表面における直径がはんだ抜け部分51の下端部における直径(印刷マスク体14の厚み方向他方の表面における内径に相当)d1を有する。
【0054】
次に、図4(b)に示すように、素材40を反転させ、イメージレンズ36として、集光率の大きいレンズを用い、高エネルギ密度に集光したエキシマレーザ33を、素材40の厚み方向一方側から照射し、第1の貫通孔38と同時に、厚み方向一方側の部分に凹所を形成して、第2の貫通孔39を形成する。前記凹所は、前述のはんだ保持部分50と同様のテーパ角度で厚み方向他方側に向かって縮径し、素材40の厚み方向一方側の表面における直径がはんだ保持部分50の上端部における直径(印刷マスク体14の厚み方向一方の表面における内径に相当)を有する。またこの凹所は、基板17に設けるべきはんだペースト18の量に基づいて、深さが決定され、この深さは、はんだ保持部分50の厚み方向寸法h2と同一である。このように第2の貫通孔39を形成して、有頸貫通孔部15bが形成される。この第2の貫通孔39が有頸貫通孔部15bの貫通孔となる。
【0055】
一例を述べると、厚み方向寸法H14が150μmの印刷マスク体14において、有頸貫通孔部15bの厚み方向他方の表面における開口直径d1は、たとえば0.25mmであり、はんだ抜け部分51のテーパ角度θ1は、30度であり、したがってはんだ抜け部51の円錐台の頂角は60度である。またはんだ保持部分50の厚み方向寸法h2は、70μmであり、はんだ抜け部分51の厚み方向寸法h1が80μmであって、有頸貫通孔部15bには、基板17に当接する面から約80μmの位置に、頸部16が形成される。この頸部16におけるはんだ保持部分50内に臨む端面の半径方向寸法Δd(=(d3−d2)/2)は、約45μmである。
【0056】
一様貫通孔部15aは、図4(a)に示す配置状態、つまり素材40の厚み方向他方側にレーザ加工装置37が配置される状態で、イメージレンズ36として、集光率の大きいレンズを用い、高エネルギ密度に集光したエキシマレーザ33を、素材40の厚み方向他方側から照射し、貫通する第3の貫通孔41を形成することによって、形成される。この第3の貫通孔41が一様貫通孔部15aの貫通孔となる。
【0057】
このような印刷マスク体14を用いることによって、一様貫通孔部15aによって、印刷マスク体14の厚み方向寸法T14に等しい高さと、印刷マスク体14の厚み方向寸法T14より小さい高さとに、はんだペースト18を、基板17に付着させることができる。たとえば印刷マスク体14が前記の寸法である場合、一様貫通孔部15aによって、150μmの高さのはんだペースト18を付着させ、有頸貫通孔部15bによって、80μmの高さのはんだペースト18を付着させることができる。
【0058】
以上説明した印刷マスク体14によれば、印刷マスク体14は、印刷領域の厚み方向寸法が均一に形成され、この印刷領域S14に予め定められるパターンに複数の貫通孔部15が形成される。各貫通孔部うち一部の貫通孔部は、厚み方向中間部に頸部16を有している。この印刷マスク体14を基板17に積重して設け、はんだペースト18を印刷マスク体14の貫通孔部15に充填し、基板17に付着させる。この後、印刷マスク体14を基板17から離脱することによって貫通孔内のはんだペースト18を基板17に残留させ、貫通孔部15のパターンを転写して基板17にはんだペースト18を印刷して設けることができる。
【0059】
印刷マスク体14は、厚み方向寸法T14が均一に形成されるので、スキージなどの充填操作部材を用いて、はんだペースト18を貫通孔部15に充填するときに、充填操作部材を好適な当接力で容易かつ確実に印刷マスク体14の表面に当接させて変位させることができ、当接力不足によるはんだペースト18の掻残しおよび貫通孔部15への充填不足の発生を防止することができるとともに、当接力過大による貫通孔部内のはんだペースト18のえぐり取りを防止して、貫通孔部15に好適な状態にはんだペースト18を充填することができる。このようにはんだペースト18を容易かつ確実に過不足なく充填することができる。また頸部16を有している貫通孔部15bでは、基板17と印刷マスク体14とを離脱するときに、頸部16を境にしてはんだペースト18を分断し、頸部16よりも基板17側にあるはんだペースト18だけを、基板17に残留させることができる。このように印刷マスク体14は、厚み方向寸法を均一に保ち、かつはんだペースト18が不所望に貫通孔部内に残ってしまう小径の貫通孔部を形成することなく、一部の貫通孔部15に頸部16を形成することによって、この一部の貫通孔部15から基板17に残留させるはんだペースト18の量を少なくすることができる。したがって基板17に所望する量のはんだペースト18を設けることができる。
【0060】
また頸部16を有する貫通孔部15bは、頸部16おける開口面積が基板17に臨む開口面積より小さく形成されるので、はんだペースト18の基板17への接触面積を大きくして、はんだペースト18の基板17への接着性を高くし、かつはんだペースト18の頸部16における強度を最も小さくすることができる。これによってはんだペースト18を頸部16において確実に分断させ、基板17に設けられるはんだペースト18の量を確実に好適な量にすることができる。
【0061】
また頸部16における開口形状と被印刷体17に臨む表面における開口形状とが相似に形成されるので、基板17から印刷マスク体14を離脱するときに、頸部16におけるはんだペースト18に、均一な分断力を与えることができる。これによってはんだペースト18を、頸部16で平坦状に分断することができ、基板17に所望する量のはんだペースト18を設けることができる。
【0062】
また本実施の形態の印刷マスク体14は、熱可塑性合成樹脂から成る素材に、エキシマレーザ光を用いて加工して貫通孔が形成される。エキシマレーザ光を用いた加工は、アブレーションによる微細な加工を行うことができ、加工する深さも自在に変えることができる。したがってエキシマレーザ光を用いた加工は、印刷マスク体14に形成される貫通孔部15の内壁面を平滑に仕上げることができるとともに、印刷マスク体14の貫通孔部15の厚み方向中間部に形成する頸部16を所望する位置に形成することができる。このように貫通孔部の内壁面が平滑に形成されるので、印刷剤18の貫通孔部からの抜けを良好にし、印刷マスク体14を被印刷体17から離脱するときに、印刷剤18が貫通孔部内に不所望に残ってしまうことを防ぐことができる。また頸部16の位置が正確に形成されるので、基板17に所望の量のはんだペースト18を確実に設けることができる。
【0063】
また本実施の形態の印刷マスク体14では、頸部16が、はんだ保持部分50内に臨む端面を有しているので、はんだ保持部分50のはんだペースト18を、印刷マスク体14の基板17からの離脱時に、確実に保持することができる。
【0064】
図5は、本発明の実施の他の形態の印刷マスク体14Aを簡略化して示す断面図である。図1と対応する部分には同一の符号を付し、異なる部分についてだけ説明し、同様の構成を有する部分は説明は適宜省略する。図5の印刷マスク体14Aの有頸貫通孔部15bでは、はんだ保持部分50およびはんだ抜け部分51がともに略円筒状に形成され、断面形状が略T字状となるように形成される。これらはんだ保持部分50およびはんだ抜け部分51は、ともに厚み方向中間部に向かうにつれて、わずかに縮径する形状に形成される。これらはんだ保持部分50とはんだ抜け部分51の境界が頸部16となり、はんだ保持部分50の頸部16寄りの端部における開口直径d3は、はんだ抜け部分51の頸部16寄りの端部における開口直径d2より小さく、頸部16で段差が形成されている。言い換えるならば、このような段差を有することによって頸部16が形成される。このような構成の印刷マスク体14Aもまた、頸部16が、はんだ保持部分50内に臨む端面を有することによる効果を除いて、図1〜図4の印刷マスク体14と同様の効果を達成することができる。
【0065】
図6は、本発明の実施のさらに他の形態の印刷マスク体14Bを簡略化して示す断面図である。図1と対応する部分には同一の符号を付し、異なる部分についてだけ説明し、同様の構成を有する部分は説明は適宜省略する。図6の印刷マスク体14Bの有頸貫通孔部15bでは、図1〜図4の印刷マスク体14の有頸貫通孔部15bを厚み方向に対称に反転させた形状である。したがってはんだ保持部分50は、厚み方向他方に向かうにつれて縮径する円錐台状に形成され、はんだ抜け部分51は略円筒状に形成される。これらはんだ保持部分50およびはんだ抜け部分51の境界に頸部16が形成され、はんだ抜け部分51は、頸部16に向かうにつれて、わずかに縮径する形状に形成される。はんだ保持部分50の頸部16寄りの端部における開口直径d3は、はんだ抜け部分51の頸部16寄りの端部における開口直径d2より小さく、頸部16で段差が形成されている。言い換えるならば、このような段差を有することによって頸部16が形成される。このような構成の印刷マスク体14Bもまた、図5の印刷マスク体14Aと同様の効果を達成することができる。またこの印刷マスク体14Bでは、はんだ保持部分50が円錐台状に形成されるので、はんだ保持部分50のはんだペースト18を、印刷マスク体14の基板17からの離脱時に、確実に保持することができる。
【0066】
図7は、本発明の実施のさらに他の形態の印刷マスク体14Cを簡略化して示す断面図である。図1と対応する部分には同一の符号を付し、異なる部分についてだけ説明し、同様の構成を有する部分は説明は適宜省略する。図7の印刷マスク体14Cの有頸貫通孔部15bでは、厚み方向中間部がくびれて両側に向かうにつれて拡径する形状である。したがってはんだ保持部分50およびはんだ抜け部分51は、ともに、厚み方向中間部に向かうにつれて縮径する円錐台状に形成される。つまりはんだ保持部分50は、図6のはんだ保持部分50と同様であり、はんだ抜け部分51は、図1〜図4のはんだ抜け部分51と同様である。これらはんだ保持部分50およびはんだ抜け部分51の境界に頸部16が形成される。はんだ保持部分50の頸部16寄りの端部における開口直径d3は、はんだ抜け部分51の頸部16寄りの端部における開口直径d2と同一である。このような構成の印刷マスク体14Bもまた、図6の印刷マスク体14Bと同様の効果を達成することができる。
【0067】
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができ、たとえば、形状、寸法および材料は、適宜選択することができる。またこのような印刷マスク体は、はんだペーストを基板に印刷する目的以外の目的に用いるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷マスク体は、印刷領域の厚み方向寸法が均一に形成され、この印刷領域に予め定められるパターンに複数の貫通孔部が形成される。各貫通孔部うち一部の貫通孔部は、厚み方向中間部に頸部を有している。この印刷マスク体を被印刷体に積重して設け、印刷剤を印刷マスク体の貫通孔部に充填し、被印刷体に付着させる。この後、印刷マスク体を被印刷体から離脱することによって貫通孔内の印刷剤を被印刷体に残留させ、貫通孔部のパターンを転写して被印刷体に印刷剤を印刷して設けることができる。
【0069】
印刷マスク体は、厚み方向寸法が均一に形成されるので、スキージなどの充填操作部材を用いて、印刷剤を貫通孔部に充填するときに、充填操作部材を好適な当接力で容易かつ確実に印刷マスク体の表面に当接させて変位させることができ、当接力不足による印刷剤の掻残しおよび貫通孔部への充填不足の発生を防止することができるとともに、当接力過大による貫通孔部内の印刷剤のえぐり取りを防止して、貫通孔部に好適な状態に印刷剤を充填することができる。このように印刷剤を容易かつ確実に過不足なく充填することができる。また頸部を有している貫通孔部では、被印刷体と印刷マスク体とを離脱するときに、頸部を境にして印刷剤を分断し、頸部よりも被印刷体側にある印刷剤だけを、被印刷体に残留させることができる。このように印刷マスク体は、厚み方向寸法を均一に保ち、かつ印刷剤が不所望に貫通孔部内に残ってしまう小径の貫通孔部を形成することなく、一部の貫通孔部に頸部を形成することによって、この一部の貫通孔部から被印刷体に残留させる印刷剤の量を少なくすることができる。したがって被印刷体に所望する量の印刷剤を設けることができる。
【0070】
また本発明によれば、頸部を有する貫通孔部は、頸部おける開口面積が被印刷体に臨む開口面積より小さく形成されるので、印刷剤の被印刷体への接触面積を可及的に大きくして、印刷剤の被印刷体への接着性を高くし、かつ印刷剤の頸部における強度を最も小さくすることができる。これによって印刷剤を頸部において確実に分断させ、被印刷体に設けられる印刷剤の量を確実に好適な量にすることができる。
【0071】
また頸部における開口形状と被印刷体に臨む表面における開口形状とが相似に形成されるので、被印刷体から印刷マスク体を離脱するときに、頸部における印刷剤に、均一な分断力を与えることができる。これによって印刷剤を、頸部で平坦状に分断することができ、被印刷体に所望する量の印刷剤を設けることができる。
【0072】
また本発明によれば、印刷マスク体は、熱可塑性合成樹脂から成る素材に、エキシマレーザ光を用いて加工して貫通孔が形成される。エキシマレーザ光を用いた加工は、アブレーションによる微細な加工を行うことができ、加工する深さも自在に変えることができる。したがってエキシマレーザ光を用いた加工は、印刷マスク体に形成される貫通孔部の内壁面を平滑に仕上げることができるとともに、印刷マスク体の貫通孔部の厚み方向中間部に形成する頸部を所望する位置に形成することができる。このように貫通孔部の内壁面が平滑に形成されるので、印刷剤の貫通孔部からの抜けを良好にし、印刷マスク体を被印刷体から離脱するときに、印刷剤が貫通孔部内に不所望に残ってしまうことを防ぐことができる。また頸部の位置が正確に形成されるので、被印刷体に所望の量の印刷剤を確実に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の印刷マスク体14を簡略化して示す断面図である。
【図2】スクリーン印刷機19の概略的構成を示す正面図である。
【図3】印刷マスク14を用いた印刷過程を示す断面図である。
【図4】印刷マスク14の製作方法の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の印刷マスク体14Aを簡略化して示す断面図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の印刷マスク体14Bを簡略化して示す断面図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態の印刷マスク体14Cを簡略化して示す断面図である。
【図8】従来の技術の印刷マスク体1を簡略化して示す断面図である。
【図9】他の従来の技術の印刷マスク体1Aを簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
14,14A,14B,14C 印刷マスク体
15a 一様貫通孔部
15b 有頸貫通孔部
16 頸部
17 基板
18 はんだペースト
33 エキシマレーザ光
40 熱可塑性樹脂

Claims (3)

  1. 予め定めるパターンに複数の貫通孔部が形成され、スクリーン印刷によって、前記パターンを転写して、被印刷体に印刷剤を付着させるための印刷マスク体であって、
    各貫通孔部が形成される印刷領域の厚み方向寸法が均一に形成され、各貫通孔部のうち一部の貫通孔部が、厚み方向中間部に頸部を有することを特徴とする印刷マスク体。
  2. 頸部を有する貫通孔部は、頸部における開口面積が、被印刷体に臨む表面における開口面積より小さく、かつ、頸部における開口形状と被印刷体に臨む表面における開口形状とが相似であることを特徴とする請求項1記載の印刷マスク体。
  3. 熱可塑性合成樹脂から成り、エキシマレーザ光を用いて貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の印刷マスク体。
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