JP2004136471A - クリップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート類の最表面に対する上支持部材の姿勢を変化させることなく、1枚から多数枚のシート類を好適に挟み込むことができるクリップ装置を提供する。
【解決手段】上下に対面配置される下支持部材2の上向面21aと上支持部材3の下向面32aとの間にシート類Pを差し挟むようにしたクリップ装置1に、少なくとも上支持部材3の姿勢を略一定に維持した状態で下支持部材2及び上支持部材3を所定の可動範囲内で相対的に上下方向へ平行移動させる昇降手段Xと、下支持部材2及び上支持部材3の相対移動を規制して上向面21aと下向面32aとの間に差し挟んだシート類Pを固定するロック手段Yとを設けた。
【選択図】図2
【解決手段】上下に対面配置される下支持部材2の上向面21aと上支持部材3の下向面32aとの間にシート類Pを差し挟むようにしたクリップ装置1に、少なくとも上支持部材3の姿勢を略一定に維持した状態で下支持部材2及び上支持部材3を所定の可動範囲内で相対的に上下方向へ平行移動させる昇降手段Xと、下支持部材2及び上支持部材3の相対移動を規制して上向面21aと下向面32aとの間に差し挟んだシート類Pを固定するロック手段Yとを設けた。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1枚以上の紙片等のシート類を差し挟むことができるクリップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1枚の紙片から複数枚の紙片の束等のシート類を挟んで固定するためのクリップ装置が種々知られている。その応用例として、シート類の隅等を挟んで固定する機構を基本構成として、超音波や赤外線の発信装置を内蔵したペンから発信された当該超音波や赤外線からなる信号を受信することで、この信号をコンピュータに送信して、シート類の表面に描いた文字や図柄等を画像データとしてコンピュータに表示させるための位置信号受信機能を備えたクリップ装置や、照明器具を内蔵してシート類の表面を照明する機能を備えたクリップ装置等が提案されてきている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。上述した位置信号受信機能を備えたクリップ装置を例に挙げると、この種のクリップ装置には、シート類の最裏面側に下方から当接する下支持部材と、シート類の最表面側に上側から当接する上支持部材と、それら上下の支持部材同士を相互に近接させる方向に押し付けてそれらの間にシート類を挟み込むための挟み込み機構とを具備する構成が採用されており、特に挟み込み機構は、上支持部材を下支持部材に対して一部で軸により所定範囲内で回転可能に取り付け、バネ等の弾性体によって上支持部材の前端部を下支持部材の前端部に接近させる方向に力を付与したヒンジ式の構成とされているのが通例である。
【0003】
【非特許文献1】
株式会社富士通研究所・ペリフェラルシステム研究所・計測制御システム研究部、“[PRESS RELEASE]手書き失跡をオンライン入力する超音波型電子ペンを開発”、[online]、平成14年3月5日、株式会社富士通研究所、[平成14年10月10日検索]、インターネット<URL : http://pr.fujitsu.com/jp/news/2002/03/5.html>
【非特許文献2】
西坂真人、“[ZDNet JAPAN NEWS TECNOLOGY NEWS NOW]ウワサの“超音波ペン“を見てきました”[online]、平成14年3月8日、ソフトバンク・ジーディーネット株式会社、[平成14年10月10日検索]、インターネット<URL : http://www.zdnet.co.jp/news/0203/08/fujitsu_labo.html>
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなクリップ装置では、シート類を前端部側において好適に挟むために、ヒンジ式の挟み込み機構は下支持部材及び上支持部材の後端部側に軸を配置して、上支持部材の前端部と下支持部材の前端部との間のシート類を挟むための空間が拡縮するように上支持部材の前端部を正逆方向に回転可能とする構成となっている。すなわち、上支持部材の回転動作に伴って、位置信号受信機能を備えたクリップ装置や照明機能を備えたクリップ装置では、通常は上支持部材の前端部に設けられる超音波や赤外線の受信部、或いは照明器具が斜め下を向いたり斜め上を向くなど、上支持部材の後端部の軸を支点にして首振り動作を行ってシート類の最表面に対する姿勢を変更することになる。そのために、ペンの位置信号受信機能を備えたクリップ装置の場合は、挟み込むシート類の厚さによって、前記受信部とペンとの位置関係が微妙に変化する結果、ペンの位置認識結果が変化して、筆記された文字等を適切な画像として表示できなくなる可能性がある。一方、照明機能を備えたクリップ装置では、シート類の枚数が少ないときにはその最表面を好適に照明することができるが、シート類の枚数が多く厚みが嵩張るときには、照明器具が上を向くためシート類の最表面をうまく照らすことができなくなるおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、以上のような問題に鑑みて、シート類の最表面に対する上支持部材の姿勢を変化させることなく、1枚から多数枚のシート類を好適に挟み込むことができるクリップ装置を提供することを、主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のクリップ装置は、一枚又は複数枚のシート類の最裏面側に下方から添接する下支持部材、及び最表面側に上方から添接する上支持部材を備え、上下に対面配置される下支持部材の上向面と上支持部材の下向面との間にシート類を差し挟んで固定し得るものであって、少なくとも上支持部材の姿勢を略一定に維持した状態で下支持部材及び上支持部材を所定の可動範囲内で相対的に上下方向へ平行移動させる昇降手段と、下支持部材及び上支持部材の相対移動を規制して前記上向面と下向面との間に差し挟んだシート類を固定するロック手段とを具備してなることを特徴とする。ここで、シート類の最裏面及び最表面とは、一枚のシート類の場合はその裏面及び表面を意味し、複数枚を重合したシート類の場合は最も下に位置するシート類の裏面及び最も上に位置するシート類の表面を意味する。
【0007】
このような構成のクリップ装置であれば、昇降手段によって上支持部材を下支持部材に対してその姿勢を保ったままで上下に位置を変化させることができるので、下支持部材の上向面と上支持部材の下向面との間に差し挟んだシート類をロック手段によって固定すれば、シート類の枚数、厚さを問わず、最も表面側に配置されたシート類の表面である最表面に対する上支持手段の位置関係を常に略一定に維持することができる。そのため、例えば上支持部材に、差し挟んだシート類の最表面に筆記可能であり且つ筆記中の位置情報を示す信号を発信可能な筆記具から発信された当該信号を受信する位置信号受信手段や、差し挟んだシート類の最表面を照明可能な照明手段等の機器類取付部を設ける場合、シート類の最表面に対するそれら機器類の相対位置も、差し挟まれたシート類の枚数や厚さに依らず常に略一定に保たれる。したがって、上支持部材に前記位置信号受信手段を設ける場合には、シート類に筆記するペンの位置を常に正しい状態で認識することができ、上支持部材に照明手段を設ける場合には、シート類の最表面を常に一定の状態で照明することができることになり、従来のクリップ装置の不具合又は不具合の生じる可能性を解消することができる。
【0008】
特に、下支持部材と上支持部材との相対的な上下移動をスムーズに行い得るようにするためには、下支持部材に、上支持部材の上下移動を案内するガイド部を設けるとともに、上支持部材に、前記ガイド部によって上下方向へ移動可能に案内される被ガイド部を設け、これらガイド部と被ガイド部とを通じて下支持部材及び上支持部材を相対的にスライド移動させるようにすることが望ましい。そのための簡易な具体的構成としては、ガイド部及び被ガイド部を、相互に係合して共に上下方向に延びるレール状をなすものとした構成を挙げることができる。
【0009】
一方、ロック手段による下支持部材及び上支持部材の移動規制又はその解除を簡単な操作で容易に行うための構成としては、ロック手段に、下支持部材及び上支持部材の相対移動を規制するロック姿勢と、その相対移動を許容するロック解除姿勢との間で回動し得るように下支持部材又は上支持部材の何れか一方に支持されたロック部材を設けるとよい。そして、このような下支持部材及び上支持部材の相対移動の禁止と解除をさらに適切且つ簡便なものとするためには、ロック手段に、下支持部材又は上支持部材の何れか一方に対してロック部材を回動可能に支持させるカム軸をさらに設け、このロック部材に、カム軸を中心とする回動動作に伴って下支持部材又は上支持部材の何れか他方に対してロック姿勢において当接しロック解除姿勢において離間するカム部を形成することが好ましい。
【0010】
さらに、ロック部材の操作性を向上するには、ロック部材に、回動動作を操作し得る操作部を形成することが望ましい。
【0011】
また、ロック解除時に上支持部材が他の部材から外れて再度組み立てなければならないような不具合を防止するためには、ロック部材に、ロック解除姿勢において上支持部材に当接して該上支持部材の下支持部材に対する上動可能範囲を前記可動範囲内に制限する当接部を形成しておくのが好適である。
【0012】
なお、シート類を差し挟んだ状態では、下支持部材の一部又は大半がシート類の下敷きとなって隠れてしまうが、上支持部材はその大半又は全部がシート類の最表面よりも上方に表出しているため、下支持部材を動かさずに上支持部材を下支持部材に対して上下動作させた方が、操作性及び安定性に優れている。このことから、ロック部材は、下支持部材に支持させることにより、ロック部材自体と上支持部材の操作性と安定性が向上する。
【0013】
また、ロック手段による下支持部材及び上支持部材の相対移動を解除した際に、自動的に上支持部材が持ち上がるようにして、わざわざ上支持部材を持ち上げる操作の必要性をなくすには、下支持部材と上支持部材との間に、それら下支持部材及び上支持部材を相互に離反させる方向に力を付与する弾性部材を配置するとよい。
【0014】
差し挟んだシート類をより強固に固定して、シート類がずれるのを防止するためには、下支持部材の上向面の一部又は上支持部材の下向面の一部の少なくとも何れか一方に、他方側に向けて弾性変形可能に突出してその他方側へシート類を押し当てる弾性押圧部を形成することが望ましい。このようにすることで、上支持部材に位置認識手段や照明手段等の機器類を設ける場合に、各手段による機能を十分に発揮させることができる。具体的な弾性押圧部の構成としては、板バネ状をなすものであれば、シート類の固定を確実なものとすることができるだけでなく、弾性押圧部として別体の部品を用いる必要もない。
【0015】
また、シート類を適切な位置に配置できるようにするには、下支持部材に、その上向面に沿った所定位置にシート類の差し込みを案内する差込案内部を形成することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図11に示すこの実施形態は、図1に示す電子ペンシステムAにおいて用いられるクリップ装置1である。電子ペンシステムAは、このクリップ装置1と、電子ペンEPと、情報処理装置たるパーソナルコンピュータ等PCから構成される。まず始めに、電子ペンシステムAの概要について簡単に説明する。電子ペンEPは、適宜のシート類の一種である用紙Pに筆記可能なペン先EP1及びペン先EP1を保持する本体部EP2を備え、本体部EP2に、ペン先EP1の用紙Pの表面への接触を検知して超音波を発信する超音波発信機器(図示省略)と、ペン先EP1から出るインクの色ごとに異なる波長の赤外線を発信するように設定された赤外線発信機器(図示省略)とを内蔵している。一方、クリップ装置1は、1枚の用紙P又は複数枚の用紙Pの束を差し挟んで固定するものであり、電子ペンEPから発信された超音波を受信して用紙Pの表面上における電子ペンEPの位置を認識する超音波手段と、赤外線を受信して筆記中の電子ペンEPのインクの色を識別する赤外線受信手段と、これら受信した超音波及び赤外線に基づく所定の電気信号を有線又は無線によりパーソナルコンピュータPCに送信する信号送信手段とを備えている。図示例では、超音波及び赤外線に基づく電気信号は、クリップ装置1からUSB等の通信線Cを経てパーソナルコンピュータPCへ送信する態様を示している。そして、パーソナルコンピュータPCには、所定のプログラムが組み込まれており、クリップ装置1から受信した電気信号に基づいて、赤外線に基づく信号からその波長を解析して筆記された電子ペンEPの色を判断するとともに、赤外線受信手段で受信した赤外線の電子ペンEPからの到達時間と超音波受信手段で受信した超音波の電子ペンEPからの到達時間の差分により用紙Pの表面Pa上における電子ペンEPの位置及び軌跡を検出して、用紙Pの表面Paに筆記された文字や図柄を画像としてディスプレイPCdに表示して再現するようにしている。
【0018】
このような電子ペンシステムにおいて用いられる本実施形態のクリップ装置1は、図2〜図11に示すように、用紙Pを差し挟んで固定するための構造として、下支持部材2、上支持部材3及びロック部材4を有しており、上支持部材3に上述した超音波受信手段及び赤外線受信手段を含む信号受信手段と信号送信手段とを構成する電子機器(図示省略)を内蔵している。また、このクリップ装置1は、下支持部材2と上支持部材3とが相対的に上下方向へ移動し、その移動の任意の位置で下支持部材2と上支持部材3とがその間に用紙Pを挟み込んだ状態で相互に固定されるようになっており、そのための構成として、昇降手段X及び前記ロック部材4を主体とするロック手段Yを有している。
【0019】
下支持部材2は、図3に詳細に示すように、主としてデスク等の天板等に載置される板状部21と、この板状部21の後端部に起立姿勢で設けられた柱状をなす左右一対の起立部22とを有する合成樹脂又は金属の一体成形品である。板状部21は、平面視概略長方形状をなし、その厚さは数mm程度である。板状部21の前端側における左右両端部211は、部分円弧状に丸みを帯びた形状としており、それらの間に平面視概略台形状をなすように切欠212を形成している。また、板状部21の上向面21aには、両側端部における奥行き方向中央部よりもやや前方位置から後端の巾方向中央部に亘る部位に、平面視直角三角形の直交する二辺をなす形状に段差213を形成しており、この段差213を境にしてそれよりも前方の領域を後方領域よりも約1mm程度低い用紙Pの差込領域21sとしている。すなわち、前記段差213は、この差込領域21sに用紙Pを適正に差し込むための差込案内部として機能する。なお、段差213の奥行き方向中央部には、後述する上支持部材3の位置決めのために利用する矩形状のボス穴214を、板状部21の厚み方向に形成している。また、板状部21における差込領域21sの中央部には、差し込んだ用紙Pを下方から押し上げる弾性押圧部215を形成している。この弾性押圧部215は、矩形の板バネ状をなすものである。具体的には、差込領域21sにおける板状部21の肉厚を矩形に開口させて、その開口の内側に弾性押圧部215を配置しているが、弾性押圧部215はその前縁215aを前記開口の内側前縁に連続させ、弾性押圧部215の側縁及び後縁は前記開口と切り離した状態となっている。すなわち、この弾性押圧部215は、前縁215aを中心として、それよりも後端部側を弾性変形により上下に所定範囲内で回動する。さらに弾性押圧部215は、後方へ向けて漸次上昇する姿勢で設けてあり、開放された後端部215bは、上方へ部分円弧状に膨出させて厚肉として、用紙Pを差し込んでいない状態でその後端部215bの頂部の高さが前記段差213の後方領域の上面の高さ若干(例えば約1〜2mm程度)高くなるようにしている。また、差込領域21sにおいては、丸みを帯びた左右の前端部の内側に、段差213の高さよりも若干低い程度に上方へ部分球面状に膨出させた突起216を左右対にして設けているが、これらの突起216は、差込領域21sに差し挟んだ用紙Pを下方から支持するために設けたものである。なお、板状部21の底部には、図5〜図10に示すように、板状のマグネットシート26を取り付け得るようにしている。このマグネットシート26は、板状部21が載置されるデスクの天板等がスチール等の金属製である場合にその天板等に吸着させて、下支持部材2を固定する場合に利用するものである。
【0020】
また、起立部22は、それぞれ板状部21の後縁及び側縁が交差する隅部に沿って板状部21の底部から例えば約2cm余りの高さをもって起立させて設けた矩形柱状をなしている。なお、起立部22は、その後端部を板状部21の後縁よりも例えば数mm程度後方へ突出させている。さらに、起立部22の上端部には、後述するカム軸5を挿入させて支持するための貫通孔221を略水平方向に形成している。また、これら一対の起立部22が相互に対面する内向面における前端部側に、上支持部材3の上下方向への移動を案内するガイド部23をそれぞれ形成している。これらガイド部23は、いずれも起立部22の奥行き方向の半分程度の奥行き寸法をもって内側へ突出させた矩形のレール状をなしており、その高さ寸法を例えば約1cm程度としている。また、ガイド部23の前面は、起立部22の前面に一致させている。
【0021】
さらに、板状部21の後端部には、左右の起立部22よりもやや内側位置に、円柱状をなす一対の突条24を起立姿勢で設けている。これらの突条24には、それぞれ弾性部材であるコイルバネ25が装着される。
【0022】
上支持部材3は、下方に開口する無底中空の筐体31と、筐体31の底部を閉塞する底板32とを主体として構成したものであり、内部に超音波受信手段と赤外線受信手段からなる信号受信手段、及び信号送信手段を構成する電子基盤等の電子機器(図示省略)を収容している。なお、電子機器の一部としてメモリを装着している場合には、信号を逐次パーソナルコンピュータPCに送信するのではなく、受信した信号をメモリ蓄積しておき、後でパーソナルコンピュータPCに送信するように構成することができる。筐体31は、上壁311、前壁312、両側壁313及び後壁314を一体に有する合成樹脂又は金属の一体成形品である。上壁311は、前述した下支持部材2と略同一の幅寸法と、下支持部材2の起立部22の前面から下支持部材2の前縁を若干越える程度の奥行き寸法を有する概略矩形状をなしている。また、この上壁311の前端部における左右両側端部は、斜め前方へ部分円弧状に突出させた形状としている。さらに、上壁311には、図示しない電子機器に電気的に接続されたスイッチ311aの頭部を表出させている。前壁312、両側壁313及び後壁314は、それぞれ上縁を上壁311に連続させ、下支持部材2の段差213の後方領域における前記起立部22と略同一の高さ寸法を有している。前壁312と側壁313の境界部分は、上壁311の前端部における左右両側端部の突出形状に対応しているため、この部位に、外観視部分円筒状の膨出壁315が左右に対をなして形成されている。そして、これら膨出壁315の一部をそれぞれ矩形状に切り開けた形状の第1の窓部315aを形成して、この第1の窓部315aに超音波を通過させ得る素材からなる第1のカバー315bを装着している。すなわち、この第1のカバー315bの内側に超音波受信手段を構成する超音波受信装置を設け、電子ペンEPから発信された超音波を受信するようにしている。さらに、前壁312の巾方向中央部にも、矩形状に切り開けた形状の第2の窓部312aを形成して、この第2の窓部312aに赤外線を通過させ得る透明なプラスチック又はガラスからなる第2のカバー312bを装着している。すなわち、この第2のカバー312bの内側に赤外線受信手段を構成する赤外線受信装置を設け、電子ペンEPから発信された赤外線を受信するようにしている。また、後壁314にも、矩形状に切り開けた形状をなす第3の窓部314aを形成して、この第3の窓部314aを通じて内部の信号送信手段を構成する送信装置とパーソナルコンピュータPCとを接続する通信線Cを通過させるようにしている。なお、クリップ装置1内の電子機器への電源供給は、パーソナルコンピュータPCからこの通信線Cを通じて行われるようにしているが、通信線Cを用いずに無線通信とする場合などは、電池等の電源をクリップ装置1内に内蔵したり、別途の電源コードをクリップ装置1から引き出すようにすることができる。
【0023】
また、底板32は、その下向面32が上支持部材3の下向面を構成するものであって、前記上壁311に略対応する形状の平板状をなす合成樹脂又は金属の一体成形品であり、筐体31の底部に嵌め込んだ位置で一又は複数箇所をビス止めすることにより筐体31の内部空間を下方から隠蔽する。また、底板32の下向面32aには、図5及び図9に示すように、下支持部材2の板状部21に形成したボス穴214に対応する位置に、このボス穴214に挿入可能な矩形状をなす左右一対のボス321を下方へ突出させて底板32と一体に形成しており、後述するように上支持部材3を下支持部材2に装着した際に、このボス321がボス穴214に挿入されることにより、上支持部材3の下支持部材2に対する位置決めがなされる。
【0024】
また、後壁314における第3の窓部314aの両側部には、さらに後方へ突出させた突出体316を、この後壁314と一体に設けている。この突出体316の後方への突出長さは、突出体316の後縁と下支持部材2の板状部21の後縁とが略一致する程度であり、突出体316の高さ寸法は、前記ガイド部23の高さ寸法よりも小さく、且つガイド部23の上端と起立部22の上端との間の距離に略等しい。これら突出体316は、いずれも無底中空の箱状をなすものであり、各突出体316の外側端部における前端側に、後壁315の外面と共に上下に延びるレール状の連続溝からなる被ガイド部316aを形成している。被ガイド部316aは、ガイド部23に対応する形状をなしており、被ガイド部316aをガイド部23に沿わせて上支持部材3を下支持部材2の上に重合するように上方から落とし込むことができるようにしている。このように上支持部材3を下支持部材2に装着した後は、ガイド部23に被ガイド部316aが案内されて上支持部材3を下支持部材2に対して上下にスライド移動させることができる。すなわち、これらガイド部23と被ガイド部316aとによって、昇降手段Xを構成している。また、各突出体316の内部には、図9及び図11に示すように、それぞれ下方に開口させた円筒部316bを形成しており、この円筒部316b内に、下支持部材2に形成した突条24と、この突条24に嵌めたコイルバネ25とを挿入し得るようにしており、前記昇降手段Xに案内されて上支持部材3を下支持部材2に装着した際に、コイルバネ25が圧縮されて復元力を蓄積するようにしている。
【0025】
ロック部材4は、下支持部材2にカム軸5を介して回動可能に支持されるものであり、左右に延びる棒状の被支持部41と、この被支持部41の左右両側端部において前記第3の窓部314aを通じて後方へ延びる通信線Cと干渉しないように垂下させた一対の板状をなす操作部42とを一体に有する合成樹脂又は金属の一体成形品である。なお、このロック部材4は、カム軸5と共にロック手段Yを構成している。すなわち、ロック手段Yは、昇降手段Xによる任意の移動位置で下支持部材2と上支持部材3との相対的なスライド移動を選択的に規制し得るものである。
【0026】
被支持部41は、下支持部材2の起立部22間の距離に略対応した幅寸法を有しており、起立部22に形成された貫通孔221に対応するように、丸ピン状のカム軸5の先端部を挿入可能な孔部41aを、左右の両側面415にそれぞれ開口させて形成している。そして、被支持部41は、左右の起立部22間に配置され、各貫通孔221及び孔部41aに外方からカム軸5を挿入することで、下支持部材2に回動可能に支持される。ここで、図2、図4、図5(a)、図6(a)(c)、図7(a)(c)、図8(a)(c)に示すように、このようにして操作部42を略鉛直に垂下させたロック部材4の姿勢を、ロック姿勢4pとする。また、ロック部材4は、このロック姿勢4pから操作部42を後方へ略水平に跳ね上げた姿勢まで回動可能とされているが、図3、図5(b)、図6(b)、図7(b)、図8(b)に示すように、このように操作部42を跳ね上げた姿勢を、ロック解除姿勢4qとする。以下、ロック姿勢4pにあるロック部材4を基本にして、被支持部41及び操作部42の具体的構成を説明する。
【0027】
上支持部材3を最も降下させた位置でロック姿勢4pにおける被支持部41の上面411、前面412、底面413、背面414、及び両側面415は、いずれも平面的に形成している。上面411は、前記起立部22の上面及び筐体31の上壁311の上面と略同一高さに位置付けている。また、前面412は、筐体31の後壁314に接するか若干離間した位置で前後に対面させている。さらに底面413は、前記突出体316の上面315cに上方から対面して当接している。また、背面414は、前記起立部22の背面の位置と略一致させている。ここで、図10に示すように、前記孔部41aの中心mから上面411までの距離d1と孔部41aの中心mから前面412までの距離d2は略同一であり、この距離d1,d2よりも孔部41aの中心mから底面413までの距離d3を若干長く設定している。また、操作部42は、上支持部3の左右両端部において垂下させた平板状をなしており、その背面421及び外側面422を上支持部材3の背面414及び側面415にそれぞれ連続させ、前面423を上支持部材3の底面413と略直交させている。そして、前面423の下端部に、平面421に連続して斜め前方を向くテーパ面424を形成しており、ロック部材4がロック姿勢4pにある場合に、後下方からテーパ面424に使用者が指を差し込んでロック部材4を後方へ引き上げやすいようにしている。
【0028】
さらに、カム軸5を中心としてこのロック部材4をロック姿勢4pとロック解除姿勢4qとの間の略90°の角度範囲内で回動させるために、前面412と底面413の境界領域に側面視部分円弧状の湾曲面416aを形成したカム部416を設定している。また、上支持部材3を最も降下させた位置において、突出体316の上面315cよりも上方へ突出しているガイド部23の上端部を避けるために、前面412及び底面413の境界領域の両側端部を部分的に切り欠いた形状の切欠部417を設け、この切欠部417に孔部41aの中心mを中心とする部分円弧状の湾曲面417aを形成している。すなわち、前記カム部416の湾曲面416aの中心nは、切欠部417の湾曲面417aの中心mから略真下に数mm程度偏位した位置に設定されている。このようにすることで、切欠部417の湾曲面417aがガイド部23の上端に当接するとともに、カム部416の湾曲面416aが突出体316の上面315cに当接しつつ、ロック部材4がロック姿勢4pとロック解除姿勢4qとの間でスムーズに回動するようにしている。ここで、ロック姿勢4pにおいては、被支持部41の底面413が突出体316の上面315cに当接して上支持部材3の上動を規制している。一方、ロック解除姿勢4qにおいては、被支持部41の前面412が下方を向いており、最も降下した位置にある上支持部材3の突出体316の上面315cから浮上した位置にあるので、上支持部材3を、突出体316の上面315cが下を向く被支持部41の前面412に下方から当接する位置まで上動させることができる。すなわち、ロック解除された状態では、上支持部材3の可動範囲の最上位点が、ロック解除姿勢4qにある被支持部41の前面412によって規定されることになり、この前面412が当接部として機能することになる。
【0029】
次に、本クリップ装置の特に用紙pを差し挟む際の使用方法、及び使用時に奏される効果について説明する。なお、以下の操作は、下支持部材2に設けたマグネットシート26をスチール製等のデスクの天板に吸着させている場合には、クリップ装置1を使用者が手で持ち上げることなく、片手で簡単に行うことができる。まず、ロック部材4がロック姿勢4pにあり、図2及び図5(a)に示すように用紙Pを挟んでいない状態から、使用者が前記操作部42のテーパ面424に指を差し入れてロック部材4を、図3、図5(b)、図6(b)、図7(b)及び図8(b)に示すロック解除姿勢4qまで後方へ回動させて操作部42の背面421が上方を向くように操作する。ロック部材4がロック解除姿勢4qに位置付けられると、弾性部材たるコイルバネ25が蓄積していた弾性復帰力により伸長して上支持部材3を持ち上げるため、上支持部材3は、突出体316の上面315cが下方を向く被支持部41の前面412に当接する位置まで自動的に上方へスライド移動する。したがって、使用者による上支持部材3を手で持ち上げる操作は不要である。このスライド移動は、下支持部材2に形成したガイド部23に上支持部材3に形成した被ガイド部316aが案内されて行われるため、極めてスムーズ且つ正確である。
【0030】
このように、上支持部材3を上方へ移動させた状態では、下支持部材2の板状部21の上向面21aと上支持部材3の底板32の裏面32aとは離間しており、それらの間に形成された空隙における差込領域21sに、例えば1枚乃至数枚程度の少数枚の薄い用紙Pの角を差し込む。その際、用紙Pの角は、下支持部材2の板状部21に形成した段差213に案内されて、その段差213の起立面に当接する位置まで差し込まれるので、用紙Pを適切な位置へ好適に配置することができる。そして、操作部42を前下方へ回動させると、切欠部417の湾曲面417aがガイド部23の上端に当接するとともに、カム部416の湾曲面416aが突出体316の上面315cに当接するため、ガイド部23に被ガイド部316aが案内されつつ上支持部材3が徐々に押し下げられる。さらに操作部42をロック姿勢4pまで回動し終えると、上支持部材3は、その突出体316の上面315cが下を向いた被支持部41の下面413に当接しているために上動が禁止される。その状態で、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すように、上支持部材3の下向面である底板32の下向面32aが用紙Pの表面Paに添接する一方、下支持部材2の上向面である板状部21の上向面21a、より具体的には弾性押圧部215の上面が用紙Pの裏面Pbに添接することとなって、差込領域21s内に用紙Pをしっかりと位置ずれを生じさせずに挟み込むことができる。なお、用紙Pの裏面Pbは、下支持部材2に設けた2つの突起216によっても下方からサポートされている。このとき、上支持部材3の筐体31の前壁312及び膨出壁315は、略鉛直な姿勢にあるため、第1の窓部315a及び第2の窓部312aを通じて、用紙Pに筆記中の電子ペンEPから発信された超音波や赤外線を適切に受信することができ、その結果、パーソナルコンピュータPCに再現される画像を適正なものとすることができる。なお、クリップ装置1から用紙Pを抜き出す際には、上述した操作と逆の操作、すなわち、ロック姿勢4pにあるロック部材4をロック解除姿勢4qまで跳ね上げる操作を行えばよい。
【0031】
また、このクリップ装置1に最大差込枚数(例えば30枚程度)の用紙Pの束又はそれの厚さに相当する厚紙を差し込んで使用する場合にも、ロック部材4をロック解除姿勢4qとして、相互に離間している下支持部材2の板状部21の上向面21aと上支持部材3の底板32の裏面32aとの間に形成された空隙における差込領域21sに、用紙Pの束の角を差し込む。その際、用紙Pの束の角は、下支持部材2の板状部21に形成した段差213に案内されて、その段差213の起立面に当接する位置まで差し込まれるので、用紙Pの束を適切な位置へ好適に配置することができる。そして、操作部42を前下方へ回動させると、切欠部417の湾曲面417aがガイド部23の上端に当接するとともに、カム部416の湾曲面416aが突出体316の上面315cに当接するため、上支持部材3が徐々に押し下げられる。さらに操作部42をロック姿勢4pまで回動し終えると、上支持部材3は、その突出体316の上面315cが下を向いた被支持部41の下面413に当接しているために上動が禁止される。その状態で、図6(c)、図7(c)、図8(c)及び図10に示すように、上支持部材3の下向面32aが一番上の用紙Pの表面Paに添接する一方、下支持部材2の上向面である弾性押圧部215の上面が一番下の用紙Pの裏面Pbに添接する。また、弾性押圧部215は、上支持部材3及び用紙Pの束によって下方へ押し下げられるが、そのために弾性押圧部215が上方へ復帰する力を蓄積するため、用紙Pの束がこの弾性押圧部215と上支持部材3の下向面32aとの間に強固に挟み込まれて固定される。その結果、差込領域21s内に用紙Pの束をしっかりと位置ずれを生じさせずに挟み込むことができる。なお、このときも、一番下の用紙Pの裏面Pbは、下支持部材2に設けた2つの突起216によって下方からサポートされている。このとき、1枚の用紙P又は少数枚の用紙Pを挟んだ場合と同様に、上支持部材3の筐体31の前壁312及び膨出壁315は、略鉛直な姿勢にあるため、第1の窓部315a及び第2の窓部312aを通じて、一番上の用紙Pに筆記中の電子ペンEPから発信された超音波や赤外線を適切に受信することができ、その結果、パーソナルコンピュータPCに再現される画像を適正なものとすることができる。このように、本実施形態のクリップ装置1によれば、差し挟む用紙Pの枚数や厚さに関係なく、用紙Pの最表面Paに対する上支持部材3の位置関係及び姿勢を略一定に維持することができるため、用紙Pに手書きした文字や図柄を常に正しく画像データとしてパーソナルコンピュータPCに取り込んでディスプレイPCdに再現することが可能である。
【0032】
なお、本実施形態において説明した各部の構成は、上述したようなものに限られない。例えば、この実施形態では、弾性押圧部215を下支持部材2に設けているが、上支持部材3に同様の弾性押圧部を設けたり、下支持部材2と上支持部材3の両方に相互に対面する弾性押圧部を設けるようにしてもよい。また、弾性部材としてコイルバネ25以外のゴム等の弾性体を適用することも可能であるし、弾性部材を設けない構成とすることもできる。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0033】
また、変形例として、上述した実施形態のクリップ装置1に設けた電子ペンEPからの信号を受信する機能に換えて、図12に示すように、上支持部材3に照明装置を内蔵したクリップ装置10を挙げることができる。このクリップ装置10においては、上述した実施形態のクリップ装置1の下支持部材2、上支持部材3及びロック部材4については共通のものを適用している。そして、上支持部材3に形成した第2の窓部312aの内側に、カバー312bを通じて外部を照射可能なLEDや電球等及び電池等の電源又は電源コード等からなる照明装置(図示省略)を装備させている。このようなクリップ装置10では、上述したクリップ装置1と同様に、下支持部材2と上支持部材3との間に差し挟む用紙Pの枚数や厚さに拘わらず、用紙Pの最表面Paに対する上支持部材3の位置関係及び姿勢を略一定に維持して用紙Pを適正に照明することができる。したがって、室内を暗くした会議室等において用紙Pにメモを取る際に極めて有用であり、また、照明装置の光が上を向かないので、他の人の迷惑になることもない。なお、この変形例では、第2の窓部312aを通じて内部の照明装置から光を照射するようにしているが、第1の窓部315aの内側にも照明装置を設けたり、その他に照明装置専用の窓部を上支持部材3に形成するような変更を加えることが可能であり、電子ペンEPからの信号受信機能と照明機能の両方を兼ね備えたクリップ装置とすることも可能である。また、信号受信機能や照明機能以外の機能を設けることや、このような機能を設けないクリップ装置が本発明の範疇に含まれるのはいうまでもない。
【0034】
その他、本発明は、上述の実施形態やその変形例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上に詳述したように、用紙等のシート類を差し挟んで固定するクリップ装置において、シート類の最裏面に下側から添接する下支持部材に対して、シート類の最表面に上側から添接する上支持部材を、昇降手段によってその姿勢を維持した状態で上下に移動可能とし、さらにシート類を差し挟んだ状態でロック手段によって上下の支持部材の相対的な動作を規制する構成を有している。したがって、差し挟まれるシート類の枚数や厚さに全く関係なく、シート類の最表面に対する上支持部材の相対位置及び姿勢を常に略一定に保つことができる。その結果、例えば電子ペンシステムにおいて電子ペンから発信される位置信号を受信するための位置信号受信手段を上支持部材に設ける場合には、シート類の枚数が多く厚みも大きい場合でも、シート類の枚数が少なく厚みが小さい場合と同様に、シート類の最表面に筆記される文字や図柄を電子ペンから適正に受信して、パーソナルコンピュータ等に筆記された通りの画像を再現することができる。また、上支持部材に照明手段を設ける場合には、たとえシート類の枚数が多くても照明の光が上を向くことがないので、シート類の最表面を適正且つ正確に照明することができる。このように、本発明によれば、上支持部材の姿勢を一定に保つことができる構造により、シート類の枚数が多い場合に上支持部材が斜め上を向くことに基づいて従来のクリップ装置で生じていた不具合を好適に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した電子ペンシステムを示す概観図。
【図2】同実施形態においてロック部材をロック姿勢とした状態を示す斜視図。
【図3】同実施形態においてロック部材をロック解除姿勢とした状態を示す斜視図。
【図4】同実施形態を示す分解斜視図。
【図5】同実施形態を示す平面図。
【図6】同正面図。
【図7】同左側面図。
【図8】同背面図。
【図9】図5(a)をa−a線で破断して内部構造を省略して示す拡大断面図。
【図10】図6(c)をb−b線で破断して内部構造を省略して示す拡大断面図。
【図11】図6(a)をc−c線で破断して内部構造を省略して示す拡大断面図。
【図12】本発明の一変形例の使用態様を示す斜視図。
【符号の説明】
1、10…クリップ装置
2…下支持部材
3…上支持部材
4…ロック部材
4p…ロック姿勢
4q…ロック解除姿勢
5…カム軸
21a…上向面
23…ガイド部
25…弾性部材(コイルバネ)
32a…下向面
42…操作部
213…差込案内部(段差)
215…弾性押圧部
316a…被ガイド部
412…当接部(前面)
416…カム部
P…シート類(用紙)
X…昇降手段
Y…ロック手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、1枚以上の紙片等のシート類を差し挟むことができるクリップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1枚の紙片から複数枚の紙片の束等のシート類を挟んで固定するためのクリップ装置が種々知られている。その応用例として、シート類の隅等を挟んで固定する機構を基本構成として、超音波や赤外線の発信装置を内蔵したペンから発信された当該超音波や赤外線からなる信号を受信することで、この信号をコンピュータに送信して、シート類の表面に描いた文字や図柄等を画像データとしてコンピュータに表示させるための位置信号受信機能を備えたクリップ装置や、照明器具を内蔵してシート類の表面を照明する機能を備えたクリップ装置等が提案されてきている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。上述した位置信号受信機能を備えたクリップ装置を例に挙げると、この種のクリップ装置には、シート類の最裏面側に下方から当接する下支持部材と、シート類の最表面側に上側から当接する上支持部材と、それら上下の支持部材同士を相互に近接させる方向に押し付けてそれらの間にシート類を挟み込むための挟み込み機構とを具備する構成が採用されており、特に挟み込み機構は、上支持部材を下支持部材に対して一部で軸により所定範囲内で回転可能に取り付け、バネ等の弾性体によって上支持部材の前端部を下支持部材の前端部に接近させる方向に力を付与したヒンジ式の構成とされているのが通例である。
【0003】
【非特許文献1】
株式会社富士通研究所・ペリフェラルシステム研究所・計測制御システム研究部、“[PRESS RELEASE]手書き失跡をオンライン入力する超音波型電子ペンを開発”、[online]、平成14年3月5日、株式会社富士通研究所、[平成14年10月10日検索]、インターネット<URL : http://pr.fujitsu.com/jp/news/2002/03/5.html>
【非特許文献2】
西坂真人、“[ZDNet JAPAN NEWS TECNOLOGY NEWS NOW]ウワサの“超音波ペン“を見てきました”[online]、平成14年3月8日、ソフトバンク・ジーディーネット株式会社、[平成14年10月10日検索]、インターネット<URL : http://www.zdnet.co.jp/news/0203/08/fujitsu_labo.html>
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなクリップ装置では、シート類を前端部側において好適に挟むために、ヒンジ式の挟み込み機構は下支持部材及び上支持部材の後端部側に軸を配置して、上支持部材の前端部と下支持部材の前端部との間のシート類を挟むための空間が拡縮するように上支持部材の前端部を正逆方向に回転可能とする構成となっている。すなわち、上支持部材の回転動作に伴って、位置信号受信機能を備えたクリップ装置や照明機能を備えたクリップ装置では、通常は上支持部材の前端部に設けられる超音波や赤外線の受信部、或いは照明器具が斜め下を向いたり斜め上を向くなど、上支持部材の後端部の軸を支点にして首振り動作を行ってシート類の最表面に対する姿勢を変更することになる。そのために、ペンの位置信号受信機能を備えたクリップ装置の場合は、挟み込むシート類の厚さによって、前記受信部とペンとの位置関係が微妙に変化する結果、ペンの位置認識結果が変化して、筆記された文字等を適切な画像として表示できなくなる可能性がある。一方、照明機能を備えたクリップ装置では、シート類の枚数が少ないときにはその最表面を好適に照明することができるが、シート類の枚数が多く厚みが嵩張るときには、照明器具が上を向くためシート類の最表面をうまく照らすことができなくなるおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、以上のような問題に鑑みて、シート類の最表面に対する上支持部材の姿勢を変化させることなく、1枚から多数枚のシート類を好適に挟み込むことができるクリップ装置を提供することを、主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のクリップ装置は、一枚又は複数枚のシート類の最裏面側に下方から添接する下支持部材、及び最表面側に上方から添接する上支持部材を備え、上下に対面配置される下支持部材の上向面と上支持部材の下向面との間にシート類を差し挟んで固定し得るものであって、少なくとも上支持部材の姿勢を略一定に維持した状態で下支持部材及び上支持部材を所定の可動範囲内で相対的に上下方向へ平行移動させる昇降手段と、下支持部材及び上支持部材の相対移動を規制して前記上向面と下向面との間に差し挟んだシート類を固定するロック手段とを具備してなることを特徴とする。ここで、シート類の最裏面及び最表面とは、一枚のシート類の場合はその裏面及び表面を意味し、複数枚を重合したシート類の場合は最も下に位置するシート類の裏面及び最も上に位置するシート類の表面を意味する。
【0007】
このような構成のクリップ装置であれば、昇降手段によって上支持部材を下支持部材に対してその姿勢を保ったままで上下に位置を変化させることができるので、下支持部材の上向面と上支持部材の下向面との間に差し挟んだシート類をロック手段によって固定すれば、シート類の枚数、厚さを問わず、最も表面側に配置されたシート類の表面である最表面に対する上支持手段の位置関係を常に略一定に維持することができる。そのため、例えば上支持部材に、差し挟んだシート類の最表面に筆記可能であり且つ筆記中の位置情報を示す信号を発信可能な筆記具から発信された当該信号を受信する位置信号受信手段や、差し挟んだシート類の最表面を照明可能な照明手段等の機器類取付部を設ける場合、シート類の最表面に対するそれら機器類の相対位置も、差し挟まれたシート類の枚数や厚さに依らず常に略一定に保たれる。したがって、上支持部材に前記位置信号受信手段を設ける場合には、シート類に筆記するペンの位置を常に正しい状態で認識することができ、上支持部材に照明手段を設ける場合には、シート類の最表面を常に一定の状態で照明することができることになり、従来のクリップ装置の不具合又は不具合の生じる可能性を解消することができる。
【0008】
特に、下支持部材と上支持部材との相対的な上下移動をスムーズに行い得るようにするためには、下支持部材に、上支持部材の上下移動を案内するガイド部を設けるとともに、上支持部材に、前記ガイド部によって上下方向へ移動可能に案内される被ガイド部を設け、これらガイド部と被ガイド部とを通じて下支持部材及び上支持部材を相対的にスライド移動させるようにすることが望ましい。そのための簡易な具体的構成としては、ガイド部及び被ガイド部を、相互に係合して共に上下方向に延びるレール状をなすものとした構成を挙げることができる。
【0009】
一方、ロック手段による下支持部材及び上支持部材の移動規制又はその解除を簡単な操作で容易に行うための構成としては、ロック手段に、下支持部材及び上支持部材の相対移動を規制するロック姿勢と、その相対移動を許容するロック解除姿勢との間で回動し得るように下支持部材又は上支持部材の何れか一方に支持されたロック部材を設けるとよい。そして、このような下支持部材及び上支持部材の相対移動の禁止と解除をさらに適切且つ簡便なものとするためには、ロック手段に、下支持部材又は上支持部材の何れか一方に対してロック部材を回動可能に支持させるカム軸をさらに設け、このロック部材に、カム軸を中心とする回動動作に伴って下支持部材又は上支持部材の何れか他方に対してロック姿勢において当接しロック解除姿勢において離間するカム部を形成することが好ましい。
【0010】
さらに、ロック部材の操作性を向上するには、ロック部材に、回動動作を操作し得る操作部を形成することが望ましい。
【0011】
また、ロック解除時に上支持部材が他の部材から外れて再度組み立てなければならないような不具合を防止するためには、ロック部材に、ロック解除姿勢において上支持部材に当接して該上支持部材の下支持部材に対する上動可能範囲を前記可動範囲内に制限する当接部を形成しておくのが好適である。
【0012】
なお、シート類を差し挟んだ状態では、下支持部材の一部又は大半がシート類の下敷きとなって隠れてしまうが、上支持部材はその大半又は全部がシート類の最表面よりも上方に表出しているため、下支持部材を動かさずに上支持部材を下支持部材に対して上下動作させた方が、操作性及び安定性に優れている。このことから、ロック部材は、下支持部材に支持させることにより、ロック部材自体と上支持部材の操作性と安定性が向上する。
【0013】
また、ロック手段による下支持部材及び上支持部材の相対移動を解除した際に、自動的に上支持部材が持ち上がるようにして、わざわざ上支持部材を持ち上げる操作の必要性をなくすには、下支持部材と上支持部材との間に、それら下支持部材及び上支持部材を相互に離反させる方向に力を付与する弾性部材を配置するとよい。
【0014】
差し挟んだシート類をより強固に固定して、シート類がずれるのを防止するためには、下支持部材の上向面の一部又は上支持部材の下向面の一部の少なくとも何れか一方に、他方側に向けて弾性変形可能に突出してその他方側へシート類を押し当てる弾性押圧部を形成することが望ましい。このようにすることで、上支持部材に位置認識手段や照明手段等の機器類を設ける場合に、各手段による機能を十分に発揮させることができる。具体的な弾性押圧部の構成としては、板バネ状をなすものであれば、シート類の固定を確実なものとすることができるだけでなく、弾性押圧部として別体の部品を用いる必要もない。
【0015】
また、シート類を適切な位置に配置できるようにするには、下支持部材に、その上向面に沿った所定位置にシート類の差し込みを案内する差込案内部を形成することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図11に示すこの実施形態は、図1に示す電子ペンシステムAにおいて用いられるクリップ装置1である。電子ペンシステムAは、このクリップ装置1と、電子ペンEPと、情報処理装置たるパーソナルコンピュータ等PCから構成される。まず始めに、電子ペンシステムAの概要について簡単に説明する。電子ペンEPは、適宜のシート類の一種である用紙Pに筆記可能なペン先EP1及びペン先EP1を保持する本体部EP2を備え、本体部EP2に、ペン先EP1の用紙Pの表面への接触を検知して超音波を発信する超音波発信機器(図示省略)と、ペン先EP1から出るインクの色ごとに異なる波長の赤外線を発信するように設定された赤外線発信機器(図示省略)とを内蔵している。一方、クリップ装置1は、1枚の用紙P又は複数枚の用紙Pの束を差し挟んで固定するものであり、電子ペンEPから発信された超音波を受信して用紙Pの表面上における電子ペンEPの位置を認識する超音波手段と、赤外線を受信して筆記中の電子ペンEPのインクの色を識別する赤外線受信手段と、これら受信した超音波及び赤外線に基づく所定の電気信号を有線又は無線によりパーソナルコンピュータPCに送信する信号送信手段とを備えている。図示例では、超音波及び赤外線に基づく電気信号は、クリップ装置1からUSB等の通信線Cを経てパーソナルコンピュータPCへ送信する態様を示している。そして、パーソナルコンピュータPCには、所定のプログラムが組み込まれており、クリップ装置1から受信した電気信号に基づいて、赤外線に基づく信号からその波長を解析して筆記された電子ペンEPの色を判断するとともに、赤外線受信手段で受信した赤外線の電子ペンEPからの到達時間と超音波受信手段で受信した超音波の電子ペンEPからの到達時間の差分により用紙Pの表面Pa上における電子ペンEPの位置及び軌跡を検出して、用紙Pの表面Paに筆記された文字や図柄を画像としてディスプレイPCdに表示して再現するようにしている。
【0018】
このような電子ペンシステムにおいて用いられる本実施形態のクリップ装置1は、図2〜図11に示すように、用紙Pを差し挟んで固定するための構造として、下支持部材2、上支持部材3及びロック部材4を有しており、上支持部材3に上述した超音波受信手段及び赤外線受信手段を含む信号受信手段と信号送信手段とを構成する電子機器(図示省略)を内蔵している。また、このクリップ装置1は、下支持部材2と上支持部材3とが相対的に上下方向へ移動し、その移動の任意の位置で下支持部材2と上支持部材3とがその間に用紙Pを挟み込んだ状態で相互に固定されるようになっており、そのための構成として、昇降手段X及び前記ロック部材4を主体とするロック手段Yを有している。
【0019】
下支持部材2は、図3に詳細に示すように、主としてデスク等の天板等に載置される板状部21と、この板状部21の後端部に起立姿勢で設けられた柱状をなす左右一対の起立部22とを有する合成樹脂又は金属の一体成形品である。板状部21は、平面視概略長方形状をなし、その厚さは数mm程度である。板状部21の前端側における左右両端部211は、部分円弧状に丸みを帯びた形状としており、それらの間に平面視概略台形状をなすように切欠212を形成している。また、板状部21の上向面21aには、両側端部における奥行き方向中央部よりもやや前方位置から後端の巾方向中央部に亘る部位に、平面視直角三角形の直交する二辺をなす形状に段差213を形成しており、この段差213を境にしてそれよりも前方の領域を後方領域よりも約1mm程度低い用紙Pの差込領域21sとしている。すなわち、前記段差213は、この差込領域21sに用紙Pを適正に差し込むための差込案内部として機能する。なお、段差213の奥行き方向中央部には、後述する上支持部材3の位置決めのために利用する矩形状のボス穴214を、板状部21の厚み方向に形成している。また、板状部21における差込領域21sの中央部には、差し込んだ用紙Pを下方から押し上げる弾性押圧部215を形成している。この弾性押圧部215は、矩形の板バネ状をなすものである。具体的には、差込領域21sにおける板状部21の肉厚を矩形に開口させて、その開口の内側に弾性押圧部215を配置しているが、弾性押圧部215はその前縁215aを前記開口の内側前縁に連続させ、弾性押圧部215の側縁及び後縁は前記開口と切り離した状態となっている。すなわち、この弾性押圧部215は、前縁215aを中心として、それよりも後端部側を弾性変形により上下に所定範囲内で回動する。さらに弾性押圧部215は、後方へ向けて漸次上昇する姿勢で設けてあり、開放された後端部215bは、上方へ部分円弧状に膨出させて厚肉として、用紙Pを差し込んでいない状態でその後端部215bの頂部の高さが前記段差213の後方領域の上面の高さ若干(例えば約1〜2mm程度)高くなるようにしている。また、差込領域21sにおいては、丸みを帯びた左右の前端部の内側に、段差213の高さよりも若干低い程度に上方へ部分球面状に膨出させた突起216を左右対にして設けているが、これらの突起216は、差込領域21sに差し挟んだ用紙Pを下方から支持するために設けたものである。なお、板状部21の底部には、図5〜図10に示すように、板状のマグネットシート26を取り付け得るようにしている。このマグネットシート26は、板状部21が載置されるデスクの天板等がスチール等の金属製である場合にその天板等に吸着させて、下支持部材2を固定する場合に利用するものである。
【0020】
また、起立部22は、それぞれ板状部21の後縁及び側縁が交差する隅部に沿って板状部21の底部から例えば約2cm余りの高さをもって起立させて設けた矩形柱状をなしている。なお、起立部22は、その後端部を板状部21の後縁よりも例えば数mm程度後方へ突出させている。さらに、起立部22の上端部には、後述するカム軸5を挿入させて支持するための貫通孔221を略水平方向に形成している。また、これら一対の起立部22が相互に対面する内向面における前端部側に、上支持部材3の上下方向への移動を案内するガイド部23をそれぞれ形成している。これらガイド部23は、いずれも起立部22の奥行き方向の半分程度の奥行き寸法をもって内側へ突出させた矩形のレール状をなしており、その高さ寸法を例えば約1cm程度としている。また、ガイド部23の前面は、起立部22の前面に一致させている。
【0021】
さらに、板状部21の後端部には、左右の起立部22よりもやや内側位置に、円柱状をなす一対の突条24を起立姿勢で設けている。これらの突条24には、それぞれ弾性部材であるコイルバネ25が装着される。
【0022】
上支持部材3は、下方に開口する無底中空の筐体31と、筐体31の底部を閉塞する底板32とを主体として構成したものであり、内部に超音波受信手段と赤外線受信手段からなる信号受信手段、及び信号送信手段を構成する電子基盤等の電子機器(図示省略)を収容している。なお、電子機器の一部としてメモリを装着している場合には、信号を逐次パーソナルコンピュータPCに送信するのではなく、受信した信号をメモリ蓄積しておき、後でパーソナルコンピュータPCに送信するように構成することができる。筐体31は、上壁311、前壁312、両側壁313及び後壁314を一体に有する合成樹脂又は金属の一体成形品である。上壁311は、前述した下支持部材2と略同一の幅寸法と、下支持部材2の起立部22の前面から下支持部材2の前縁を若干越える程度の奥行き寸法を有する概略矩形状をなしている。また、この上壁311の前端部における左右両側端部は、斜め前方へ部分円弧状に突出させた形状としている。さらに、上壁311には、図示しない電子機器に電気的に接続されたスイッチ311aの頭部を表出させている。前壁312、両側壁313及び後壁314は、それぞれ上縁を上壁311に連続させ、下支持部材2の段差213の後方領域における前記起立部22と略同一の高さ寸法を有している。前壁312と側壁313の境界部分は、上壁311の前端部における左右両側端部の突出形状に対応しているため、この部位に、外観視部分円筒状の膨出壁315が左右に対をなして形成されている。そして、これら膨出壁315の一部をそれぞれ矩形状に切り開けた形状の第1の窓部315aを形成して、この第1の窓部315aに超音波を通過させ得る素材からなる第1のカバー315bを装着している。すなわち、この第1のカバー315bの内側に超音波受信手段を構成する超音波受信装置を設け、電子ペンEPから発信された超音波を受信するようにしている。さらに、前壁312の巾方向中央部にも、矩形状に切り開けた形状の第2の窓部312aを形成して、この第2の窓部312aに赤外線を通過させ得る透明なプラスチック又はガラスからなる第2のカバー312bを装着している。すなわち、この第2のカバー312bの内側に赤外線受信手段を構成する赤外線受信装置を設け、電子ペンEPから発信された赤外線を受信するようにしている。また、後壁314にも、矩形状に切り開けた形状をなす第3の窓部314aを形成して、この第3の窓部314aを通じて内部の信号送信手段を構成する送信装置とパーソナルコンピュータPCとを接続する通信線Cを通過させるようにしている。なお、クリップ装置1内の電子機器への電源供給は、パーソナルコンピュータPCからこの通信線Cを通じて行われるようにしているが、通信線Cを用いずに無線通信とする場合などは、電池等の電源をクリップ装置1内に内蔵したり、別途の電源コードをクリップ装置1から引き出すようにすることができる。
【0023】
また、底板32は、その下向面32が上支持部材3の下向面を構成するものであって、前記上壁311に略対応する形状の平板状をなす合成樹脂又は金属の一体成形品であり、筐体31の底部に嵌め込んだ位置で一又は複数箇所をビス止めすることにより筐体31の内部空間を下方から隠蔽する。また、底板32の下向面32aには、図5及び図9に示すように、下支持部材2の板状部21に形成したボス穴214に対応する位置に、このボス穴214に挿入可能な矩形状をなす左右一対のボス321を下方へ突出させて底板32と一体に形成しており、後述するように上支持部材3を下支持部材2に装着した際に、このボス321がボス穴214に挿入されることにより、上支持部材3の下支持部材2に対する位置決めがなされる。
【0024】
また、後壁314における第3の窓部314aの両側部には、さらに後方へ突出させた突出体316を、この後壁314と一体に設けている。この突出体316の後方への突出長さは、突出体316の後縁と下支持部材2の板状部21の後縁とが略一致する程度であり、突出体316の高さ寸法は、前記ガイド部23の高さ寸法よりも小さく、且つガイド部23の上端と起立部22の上端との間の距離に略等しい。これら突出体316は、いずれも無底中空の箱状をなすものであり、各突出体316の外側端部における前端側に、後壁315の外面と共に上下に延びるレール状の連続溝からなる被ガイド部316aを形成している。被ガイド部316aは、ガイド部23に対応する形状をなしており、被ガイド部316aをガイド部23に沿わせて上支持部材3を下支持部材2の上に重合するように上方から落とし込むことができるようにしている。このように上支持部材3を下支持部材2に装着した後は、ガイド部23に被ガイド部316aが案内されて上支持部材3を下支持部材2に対して上下にスライド移動させることができる。すなわち、これらガイド部23と被ガイド部316aとによって、昇降手段Xを構成している。また、各突出体316の内部には、図9及び図11に示すように、それぞれ下方に開口させた円筒部316bを形成しており、この円筒部316b内に、下支持部材2に形成した突条24と、この突条24に嵌めたコイルバネ25とを挿入し得るようにしており、前記昇降手段Xに案内されて上支持部材3を下支持部材2に装着した際に、コイルバネ25が圧縮されて復元力を蓄積するようにしている。
【0025】
ロック部材4は、下支持部材2にカム軸5を介して回動可能に支持されるものであり、左右に延びる棒状の被支持部41と、この被支持部41の左右両側端部において前記第3の窓部314aを通じて後方へ延びる通信線Cと干渉しないように垂下させた一対の板状をなす操作部42とを一体に有する合成樹脂又は金属の一体成形品である。なお、このロック部材4は、カム軸5と共にロック手段Yを構成している。すなわち、ロック手段Yは、昇降手段Xによる任意の移動位置で下支持部材2と上支持部材3との相対的なスライド移動を選択的に規制し得るものである。
【0026】
被支持部41は、下支持部材2の起立部22間の距離に略対応した幅寸法を有しており、起立部22に形成された貫通孔221に対応するように、丸ピン状のカム軸5の先端部を挿入可能な孔部41aを、左右の両側面415にそれぞれ開口させて形成している。そして、被支持部41は、左右の起立部22間に配置され、各貫通孔221及び孔部41aに外方からカム軸5を挿入することで、下支持部材2に回動可能に支持される。ここで、図2、図4、図5(a)、図6(a)(c)、図7(a)(c)、図8(a)(c)に示すように、このようにして操作部42を略鉛直に垂下させたロック部材4の姿勢を、ロック姿勢4pとする。また、ロック部材4は、このロック姿勢4pから操作部42を後方へ略水平に跳ね上げた姿勢まで回動可能とされているが、図3、図5(b)、図6(b)、図7(b)、図8(b)に示すように、このように操作部42を跳ね上げた姿勢を、ロック解除姿勢4qとする。以下、ロック姿勢4pにあるロック部材4を基本にして、被支持部41及び操作部42の具体的構成を説明する。
【0027】
上支持部材3を最も降下させた位置でロック姿勢4pにおける被支持部41の上面411、前面412、底面413、背面414、及び両側面415は、いずれも平面的に形成している。上面411は、前記起立部22の上面及び筐体31の上壁311の上面と略同一高さに位置付けている。また、前面412は、筐体31の後壁314に接するか若干離間した位置で前後に対面させている。さらに底面413は、前記突出体316の上面315cに上方から対面して当接している。また、背面414は、前記起立部22の背面の位置と略一致させている。ここで、図10に示すように、前記孔部41aの中心mから上面411までの距離d1と孔部41aの中心mから前面412までの距離d2は略同一であり、この距離d1,d2よりも孔部41aの中心mから底面413までの距離d3を若干長く設定している。また、操作部42は、上支持部3の左右両端部において垂下させた平板状をなしており、その背面421及び外側面422を上支持部材3の背面414及び側面415にそれぞれ連続させ、前面423を上支持部材3の底面413と略直交させている。そして、前面423の下端部に、平面421に連続して斜め前方を向くテーパ面424を形成しており、ロック部材4がロック姿勢4pにある場合に、後下方からテーパ面424に使用者が指を差し込んでロック部材4を後方へ引き上げやすいようにしている。
【0028】
さらに、カム軸5を中心としてこのロック部材4をロック姿勢4pとロック解除姿勢4qとの間の略90°の角度範囲内で回動させるために、前面412と底面413の境界領域に側面視部分円弧状の湾曲面416aを形成したカム部416を設定している。また、上支持部材3を最も降下させた位置において、突出体316の上面315cよりも上方へ突出しているガイド部23の上端部を避けるために、前面412及び底面413の境界領域の両側端部を部分的に切り欠いた形状の切欠部417を設け、この切欠部417に孔部41aの中心mを中心とする部分円弧状の湾曲面417aを形成している。すなわち、前記カム部416の湾曲面416aの中心nは、切欠部417の湾曲面417aの中心mから略真下に数mm程度偏位した位置に設定されている。このようにすることで、切欠部417の湾曲面417aがガイド部23の上端に当接するとともに、カム部416の湾曲面416aが突出体316の上面315cに当接しつつ、ロック部材4がロック姿勢4pとロック解除姿勢4qとの間でスムーズに回動するようにしている。ここで、ロック姿勢4pにおいては、被支持部41の底面413が突出体316の上面315cに当接して上支持部材3の上動を規制している。一方、ロック解除姿勢4qにおいては、被支持部41の前面412が下方を向いており、最も降下した位置にある上支持部材3の突出体316の上面315cから浮上した位置にあるので、上支持部材3を、突出体316の上面315cが下を向く被支持部41の前面412に下方から当接する位置まで上動させることができる。すなわち、ロック解除された状態では、上支持部材3の可動範囲の最上位点が、ロック解除姿勢4qにある被支持部41の前面412によって規定されることになり、この前面412が当接部として機能することになる。
【0029】
次に、本クリップ装置の特に用紙pを差し挟む際の使用方法、及び使用時に奏される効果について説明する。なお、以下の操作は、下支持部材2に設けたマグネットシート26をスチール製等のデスクの天板に吸着させている場合には、クリップ装置1を使用者が手で持ち上げることなく、片手で簡単に行うことができる。まず、ロック部材4がロック姿勢4pにあり、図2及び図5(a)に示すように用紙Pを挟んでいない状態から、使用者が前記操作部42のテーパ面424に指を差し入れてロック部材4を、図3、図5(b)、図6(b)、図7(b)及び図8(b)に示すロック解除姿勢4qまで後方へ回動させて操作部42の背面421が上方を向くように操作する。ロック部材4がロック解除姿勢4qに位置付けられると、弾性部材たるコイルバネ25が蓄積していた弾性復帰力により伸長して上支持部材3を持ち上げるため、上支持部材3は、突出体316の上面315cが下方を向く被支持部41の前面412に当接する位置まで自動的に上方へスライド移動する。したがって、使用者による上支持部材3を手で持ち上げる操作は不要である。このスライド移動は、下支持部材2に形成したガイド部23に上支持部材3に形成した被ガイド部316aが案内されて行われるため、極めてスムーズ且つ正確である。
【0030】
このように、上支持部材3を上方へ移動させた状態では、下支持部材2の板状部21の上向面21aと上支持部材3の底板32の裏面32aとは離間しており、それらの間に形成された空隙における差込領域21sに、例えば1枚乃至数枚程度の少数枚の薄い用紙Pの角を差し込む。その際、用紙Pの角は、下支持部材2の板状部21に形成した段差213に案内されて、その段差213の起立面に当接する位置まで差し込まれるので、用紙Pを適切な位置へ好適に配置することができる。そして、操作部42を前下方へ回動させると、切欠部417の湾曲面417aがガイド部23の上端に当接するとともに、カム部416の湾曲面416aが突出体316の上面315cに当接するため、ガイド部23に被ガイド部316aが案内されつつ上支持部材3が徐々に押し下げられる。さらに操作部42をロック姿勢4pまで回動し終えると、上支持部材3は、その突出体316の上面315cが下を向いた被支持部41の下面413に当接しているために上動が禁止される。その状態で、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すように、上支持部材3の下向面である底板32の下向面32aが用紙Pの表面Paに添接する一方、下支持部材2の上向面である板状部21の上向面21a、より具体的には弾性押圧部215の上面が用紙Pの裏面Pbに添接することとなって、差込領域21s内に用紙Pをしっかりと位置ずれを生じさせずに挟み込むことができる。なお、用紙Pの裏面Pbは、下支持部材2に設けた2つの突起216によっても下方からサポートされている。このとき、上支持部材3の筐体31の前壁312及び膨出壁315は、略鉛直な姿勢にあるため、第1の窓部315a及び第2の窓部312aを通じて、用紙Pに筆記中の電子ペンEPから発信された超音波や赤外線を適切に受信することができ、その結果、パーソナルコンピュータPCに再現される画像を適正なものとすることができる。なお、クリップ装置1から用紙Pを抜き出す際には、上述した操作と逆の操作、すなわち、ロック姿勢4pにあるロック部材4をロック解除姿勢4qまで跳ね上げる操作を行えばよい。
【0031】
また、このクリップ装置1に最大差込枚数(例えば30枚程度)の用紙Pの束又はそれの厚さに相当する厚紙を差し込んで使用する場合にも、ロック部材4をロック解除姿勢4qとして、相互に離間している下支持部材2の板状部21の上向面21aと上支持部材3の底板32の裏面32aとの間に形成された空隙における差込領域21sに、用紙Pの束の角を差し込む。その際、用紙Pの束の角は、下支持部材2の板状部21に形成した段差213に案内されて、その段差213の起立面に当接する位置まで差し込まれるので、用紙Pの束を適切な位置へ好適に配置することができる。そして、操作部42を前下方へ回動させると、切欠部417の湾曲面417aがガイド部23の上端に当接するとともに、カム部416の湾曲面416aが突出体316の上面315cに当接するため、上支持部材3が徐々に押し下げられる。さらに操作部42をロック姿勢4pまで回動し終えると、上支持部材3は、その突出体316の上面315cが下を向いた被支持部41の下面413に当接しているために上動が禁止される。その状態で、図6(c)、図7(c)、図8(c)及び図10に示すように、上支持部材3の下向面32aが一番上の用紙Pの表面Paに添接する一方、下支持部材2の上向面である弾性押圧部215の上面が一番下の用紙Pの裏面Pbに添接する。また、弾性押圧部215は、上支持部材3及び用紙Pの束によって下方へ押し下げられるが、そのために弾性押圧部215が上方へ復帰する力を蓄積するため、用紙Pの束がこの弾性押圧部215と上支持部材3の下向面32aとの間に強固に挟み込まれて固定される。その結果、差込領域21s内に用紙Pの束をしっかりと位置ずれを生じさせずに挟み込むことができる。なお、このときも、一番下の用紙Pの裏面Pbは、下支持部材2に設けた2つの突起216によって下方からサポートされている。このとき、1枚の用紙P又は少数枚の用紙Pを挟んだ場合と同様に、上支持部材3の筐体31の前壁312及び膨出壁315は、略鉛直な姿勢にあるため、第1の窓部315a及び第2の窓部312aを通じて、一番上の用紙Pに筆記中の電子ペンEPから発信された超音波や赤外線を適切に受信することができ、その結果、パーソナルコンピュータPCに再現される画像を適正なものとすることができる。このように、本実施形態のクリップ装置1によれば、差し挟む用紙Pの枚数や厚さに関係なく、用紙Pの最表面Paに対する上支持部材3の位置関係及び姿勢を略一定に維持することができるため、用紙Pに手書きした文字や図柄を常に正しく画像データとしてパーソナルコンピュータPCに取り込んでディスプレイPCdに再現することが可能である。
【0032】
なお、本実施形態において説明した各部の構成は、上述したようなものに限られない。例えば、この実施形態では、弾性押圧部215を下支持部材2に設けているが、上支持部材3に同様の弾性押圧部を設けたり、下支持部材2と上支持部材3の両方に相互に対面する弾性押圧部を設けるようにしてもよい。また、弾性部材としてコイルバネ25以外のゴム等の弾性体を適用することも可能であるし、弾性部材を設けない構成とすることもできる。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0033】
また、変形例として、上述した実施形態のクリップ装置1に設けた電子ペンEPからの信号を受信する機能に換えて、図12に示すように、上支持部材3に照明装置を内蔵したクリップ装置10を挙げることができる。このクリップ装置10においては、上述した実施形態のクリップ装置1の下支持部材2、上支持部材3及びロック部材4については共通のものを適用している。そして、上支持部材3に形成した第2の窓部312aの内側に、カバー312bを通じて外部を照射可能なLEDや電球等及び電池等の電源又は電源コード等からなる照明装置(図示省略)を装備させている。このようなクリップ装置10では、上述したクリップ装置1と同様に、下支持部材2と上支持部材3との間に差し挟む用紙Pの枚数や厚さに拘わらず、用紙Pの最表面Paに対する上支持部材3の位置関係及び姿勢を略一定に維持して用紙Pを適正に照明することができる。したがって、室内を暗くした会議室等において用紙Pにメモを取る際に極めて有用であり、また、照明装置の光が上を向かないので、他の人の迷惑になることもない。なお、この変形例では、第2の窓部312aを通じて内部の照明装置から光を照射するようにしているが、第1の窓部315aの内側にも照明装置を設けたり、その他に照明装置専用の窓部を上支持部材3に形成するような変更を加えることが可能であり、電子ペンEPからの信号受信機能と照明機能の両方を兼ね備えたクリップ装置とすることも可能である。また、信号受信機能や照明機能以外の機能を設けることや、このような機能を設けないクリップ装置が本発明の範疇に含まれるのはいうまでもない。
【0034】
その他、本発明は、上述の実施形態やその変形例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上に詳述したように、用紙等のシート類を差し挟んで固定するクリップ装置において、シート類の最裏面に下側から添接する下支持部材に対して、シート類の最表面に上側から添接する上支持部材を、昇降手段によってその姿勢を維持した状態で上下に移動可能とし、さらにシート類を差し挟んだ状態でロック手段によって上下の支持部材の相対的な動作を規制する構成を有している。したがって、差し挟まれるシート類の枚数や厚さに全く関係なく、シート類の最表面に対する上支持部材の相対位置及び姿勢を常に略一定に保つことができる。その結果、例えば電子ペンシステムにおいて電子ペンから発信される位置信号を受信するための位置信号受信手段を上支持部材に設ける場合には、シート類の枚数が多く厚みも大きい場合でも、シート類の枚数が少なく厚みが小さい場合と同様に、シート類の最表面に筆記される文字や図柄を電子ペンから適正に受信して、パーソナルコンピュータ等に筆記された通りの画像を再現することができる。また、上支持部材に照明手段を設ける場合には、たとえシート類の枚数が多くても照明の光が上を向くことがないので、シート類の最表面を適正且つ正確に照明することができる。このように、本発明によれば、上支持部材の姿勢を一定に保つことができる構造により、シート類の枚数が多い場合に上支持部材が斜め上を向くことに基づいて従来のクリップ装置で生じていた不具合を好適に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した電子ペンシステムを示す概観図。
【図2】同実施形態においてロック部材をロック姿勢とした状態を示す斜視図。
【図3】同実施形態においてロック部材をロック解除姿勢とした状態を示す斜視図。
【図4】同実施形態を示す分解斜視図。
【図5】同実施形態を示す平面図。
【図6】同正面図。
【図7】同左側面図。
【図8】同背面図。
【図9】図5(a)をa−a線で破断して内部構造を省略して示す拡大断面図。
【図10】図6(c)をb−b線で破断して内部構造を省略して示す拡大断面図。
【図11】図6(a)をc−c線で破断して内部構造を省略して示す拡大断面図。
【図12】本発明の一変形例の使用態様を示す斜視図。
【符号の説明】
1、10…クリップ装置
2…下支持部材
3…上支持部材
4…ロック部材
4p…ロック姿勢
4q…ロック解除姿勢
5…カム軸
21a…上向面
23…ガイド部
25…弾性部材(コイルバネ)
32a…下向面
42…操作部
213…差込案内部(段差)
215…弾性押圧部
316a…被ガイド部
412…当接部(前面)
416…カム部
P…シート類(用紙)
X…昇降手段
Y…ロック手段
Claims (14)
- 一枚又は複数枚の紙片等のシート類の最裏面側に下方から添接する下支持部材、及び最表面側に上方から添接する上支持部材を備え、上下に対面配置される下支持部材の上向面と上支持部材の下向面との間にシート類を差し挟んで固定し得るものであって、
少なくとも上支持部材の姿勢を略一定に維持した状態で下支持部材及び上支持部材を所定の可動範囲内で相対的に上下方向へ平行移動させる昇降手段と、下支持部材及び上支持部材の相対移動を規制して前記上向面と下向面との間に差し挟んだシート類を固定するロック手段とを具備してなることを特徴とするクリップ装置。 - 下支持部材に、上支持部材の上下移動を案内するガイド部を設けるとともに、上支持部材に、前記ガイド部によって上下方向へ移動可能に案内される被ガイド部を設けている請求項1記載のクリップ装置。
- 前記ガイド部及び被ガイド部が、相互に係合して共に上下方向に延びるレール状をなすものである請求項2記載のクリップ装置。
- ロック手段が、下支持部材及び上支持部材の相対移動を規制するロック姿勢と、その相対移動を許容するロック解除姿勢との間で回動し得るように下支持部材又は上支持部材の何れか一方に支持されたロック部材を備えている請求項1、2又は3記載のクリップ装置。
- ロック手段が、下支持部材又は上支持部材の何れか一方に対してロック部材を回動可能に支持させるカム軸を備え、該ロック部材に、該カム軸を中心とする回動動作に伴って下支持部材又は上支持部材の何れか他方に対して前記ロック姿勢において当接し前記ロック解除姿勢において離間するカム部を形成している請求項4記載のクリップ装置。
- ロック部材に、回動動作を操作し得る操作部を形成している請求項4又は5記載のクリップ装置。
- ロック部材に、ロック解除姿勢において上支持部材に当接して該上支持部材の下支持部材に対する上動可能範囲を前記可動範囲内に制限する当接部を形成している請求項4、5又は6記載のクリップ装置。
- ロック部材を、下支持部材に支持させている請求項4、5、6又は7記載のクリップ装置。
- 下支持部材と上支持部材との間に、それら下支持部材及び上支持部材を相互に離反させる方向に力を付与する弾性部材を配置している請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のクリップ装置。
- 下支持部材の上向面の一部又は上支持部材の下向面の一部の少なくとも何れか一方に、他方側に向けて弾性変形可能に突出してその他方側へシート類を押し当てる弾性押圧部を形成している請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のクリップ装置。
- 弾性押圧部が、板バネ状をなすものである請求項10記載のクリップ装置。
- 下支持部材に、その上向面に沿った所定位置にシート類の差し込みを案内する差込案内部を形成している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載のクリップ装置。
- 上支持部材に、差し挟んだシート類の最表面に筆記可能であり、且つ筆記中の位置情報を示す信号を発信可能な筆記具から発信された当該信号を受信する位置信号受信手段を具備している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のクリップ装置。
- 上支持部材に、差し挟んだシート類の最表面を照明可能な照明手段を具備している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のクリップ装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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2002
- 2002-10-15 JP JP2002301165A patent/JP2004136471A/ja active Pending
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