JP2004136304A - 圧延材の形状センサーロール - Google Patents

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Hisashi Yamaguchi
山口 尚志
Yoichi Kira
雲英 洋一
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IHI Corp
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Abstract

【課題】圧力センサを容易に設置することが可能で組立や保守点検の作業性が良く、残留応力に起因する検出精度不良のない圧延材の形状センサーロールを提供する。
【解決手段】センサーロール1は、ロール本体10に装着溝11が軸方向に延設形成されると共に、こお装着溝11に複数の圧力センサが列状に配設されて成るセンサユニット20が嵌合装着されて構成されている。
【選択図】       図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材の薄板圧延工程において圧延材の幅方向の板厚分布を検知する圧延材の形状センサーロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材の薄板圧延工程では、特許文献1に開示のごとく圧延材の移動経路に臨んで形状センサーロールが配設され、この形状センサーロールを介して検出した圧延材の幅方向の板厚分布情報を圧延機にフィードバックして形状制御を行っている。
【0003】
形状センサロールは、軸方向に所定間隔で複数の圧力センサを備えて構成されており、圧延材の移動経路を変更するように配設されて各圧力センサがそれぞれ作用する圧力を検知し、これによって圧延材の幅方向の厚さ分布を知ることができるようになっている。
【0004】
従来、このような形状センサーロールは、その一例の断面図である図4に示すように、薄肉のスリーブ61に中空円筒状のアーバ62が焼きばめによって嵌合一体化され、アーバ62の軸方向に所定間隔で複数形成された収容孔63に各々圧力センサ64がアーバ62の内周側から設置されて構成されており、圧延材65による圧力をスリーブ61の弾性変形を介して検知し得るようになっている。つまり、圧力センサ64は弾性変形可能に薄く形成されたセンサーロールの弾性表皮(スリーブ61)の内側に配設され、表皮(スリーブ61)の弾性変形を介して圧力を検知するようになっているものである。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−47530号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のごとき従来構成のセンサーロールでは、圧力センサの収容孔内への設置はセンサーロールの端部から中空内部側に腕を差し込んで作業部位を目視できない状態で行わなければならず、極めて組立や保守点検の際の作業性が悪く時間を要し面倒であるという問題があった。また、焼きばめによってスリーブに生ずる不均一な残留応力に起因して検出精度不良を生ずるという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、圧力センサを容易に設置することが可能で組立や保守点検の作業性が良く、残留応力に起因する検出精度不良のない圧延材の形状センサーロールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する本発明の圧延材の形状センサーロールは、ロール部材にその周面の圧力を検知する圧力センサが軸方向に複数配設されて成り、圧延材の移動経路に臨んで配設されて前記各圧力センサから前記圧延材による圧力情報を出力する圧延材の形状センサーロールであって、ロール本体の外周部に軸方向に延びる装着溝部が形成されると共に、該装着溝部に前記ロール本体の周面と連続する外面を有するセンサユニット部材が着脱可能に嵌合装着され、前記センサユニット部材に前記複数の圧力センサが列状に配設されて構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、上記センサユニット部材は、上記装着溝部に少なくとも外周方向側に係合する係合部を備えて構成されていることを特徴とする。
【0010】
更に、上記各圧力センサは、上記センサユニット部材に内周側から穿設されて周面側に所定厚さの変形表皮部を残存させたセンサ設置孔に設置されて構成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る圧延材の形状センサーロールの一構成例であるセンサーロール1の分解斜視図,図2は縦断面図,図3は横断面図である。
【0012】
図示センサーロール1は、所定径で所定肉厚の円筒状のロール本体10に、複数の圧力センサが列状に配設されて成るセンサユニット部材としてのセンサユニット20が嵌合装着されると共に、その両端に図2に示すように軸部30が固定されて構成されており、軸部30が図示しない軸受によって回転自在に支持されて設置されるようになっている。
【0013】
ロール本体10は、所定の外径で対象とする圧延材の幅と対応する長さの円柱状で、周方向所定位置に装着溝部としての装着溝11が軸方向に延設形成され、中心部に軸方向に連通する中心孔12が形成されると共に、この中心孔12の周囲に軸方向に貫通する肉盗み孔13が複数形成されている。
【0014】
装着溝11は、所定幅で外周面から中心孔に至るように形成され、その左右の両内壁面にはそれぞれ係合凸条11Aが対向して突設されている。
【0015】
係合凸条11Aは、断面形状が矩形で装着溝11の形成方向に延設されている。尚、その断面形状は矩形に限るものではなく、センサユニット20の外周方向側に係合する形状であれば、例えば「あり」のように三角形としても良いものである。
【0016】
センサユニット20は、ロール本体10と対応する長さで複数の圧力センサ40がその長手方向(軸方向)に所定間隔で列状に設けられている。その断面形状は装着溝11と対応し、左右両側面にそれぞれ係合凸条11Aと対応する係合部としての係合溝21を備えると共に上面がロール本体10の周面と同一曲率の円周状,下面が平面の断面形状とされ、装着溝11に所定公差で嵌合してその周面がロール本体10の周面と段差なく円滑に連続するように形成されている。
【0017】
センサユニット20には、センサ設置孔22がその下面側から穿設されており、センサ設置孔22にそれぞれ圧力センサ40が収容配設されている。
【0018】
センサ設置孔22は図3中に示すようにセンサユニット20の上面との間に変形表皮部としての薄い変形部23を残して形成されており、圧力センサ40はこのセンサ設置孔22に下面開口部から挿置され、その先端のセンシング部41をセンサ設置孔22の底面(即ち変形部23)に当接させて設けられている。これにより、圧力センサ40は、圧力による変形部の変形に応じた電力を出力するようになっている。
【0019】
上記のごときセンサユニット20は、ロール本体10の嵌合溝11にその一方の端から嵌合挿入され、係合溝21と係合凸状11Aによって周方向に移動不能に係合し、上面がロール本体10の周面と段差なく連続する周面を成してロール本体10と一体化する。
【0020】
軸部30は、ロール本体11と同径のフランジ部31から回転軸32が突設されて形成されており、ロール本体10の左右両端にボルト51によって締着されてセンサユニット20を脱落不能に一体化する。尚、センサユニット20のロール本体10への固定は、図3中に示すように、嵌合溝11と隣接する肉盗み孔13から挿通された固定ネジ52によって行っても良い。
【0021】
上記のごとく構成されたセンサーロール1は、センサユニット20に圧力センサ40を装着し、そのセンサユニット20をロール本体10の嵌合溝11に嵌挿することで組み立てることができる。このため、圧力センサ40の装着を極めて容易に行うことができると共に、圧力センサ40の故障による交換等の保守や点検作業も簡単に行えるものである。センサユニット20は所定公差で製作することによって互換性を有するため、予備のセンサユニット20を用意しておけば、圧力センサ40が故障した場合でも面倒な圧力センサ40の交換でなくセンサユニット20の交換によって作業を継続することができ、迅速な対応が可能となるものである。更に、残留応力に起因する検出精度不良も生じ得ない。
【0022】
尚、上記構成例では、ロール本体10の嵌合溝11に係合凸状11Aが形成されると共にセンサユニット20にこれと係合する係合溝21が形成されているが、係合構造はこれに限らず逆であっても良いものである。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る圧延材の形状センサーロールによれば、ロール本体の外周部に軸方向に延びる装着溝部が形成されると共に、該装着溝部にロール本体の周面と連続する外面を有するセンサユニット部材が着脱可能に嵌合装着され、センサユニット部材に複数の圧力センサが列状に配設されて構成されていることにより、残留応力に起因する検出精度不良は生じ得ず、圧力センサの装着が極めて容易で組立作業性が良く圧力センサの保守点検も簡単に行うことができる。センサユニット部材は所定公差で製作することによって互換性を有するため、予備のセンサユニット部材を用意しておけば、圧力センサが故障した場合でも面倒な圧力センサの交換でなくセンサユニットの交換によって作業を継続することができ、迅速に対応できるものである。
【0024】
また、センサユニット部材は、装着溝部に少なくとも外周方向側に係合する係合部を備えて構成されていることにより、当該形状センサーロールの回転による遠心力に対して係合するため、軸方向の移動を規制することで脱落不能に装着することができ、固定構造を簡略化できる。
【0025】
更に、各圧力センサは、センサユニット部材に内周側から穿設されて周面側に所定厚さの変形表皮部を残存させたセンサ設置孔に設置されて構成されていることにより、弾性変形する表皮部材を別体で設ける必要がなく容易で安価に製作でき、残留応力に起因する検出精度不良も生じ得ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧延材の形状センサーロールの一構成例の分解斜視図である。
【図2】形状センサーロールの縦断面図である。
【図3】形状センサーロールの横断面図である。
【図4】従来例としての形状センサーロールの横断面図である。
【符号の説明】
1 センサーロール(形状センサーロール)
10 ロール本体
11 装着溝(装着溝部)
20 センサユニット(センサユニット部材)
21 係合溝(係合部)
22 センサ設置孔
23 変形部(変形表皮部)
40 圧力センサ

Claims (3)

  1. ロール部材にその周面の圧力を検知する圧力センサが軸方向に複数配設されて成り、圧延材の移動経路に臨んで配設されて前記各圧力センサから前記圧延材による圧力情報を出力する圧延材の形状センサーロールであって、ロール本体の外周部に軸方向に延びる装着溝部が形成されると共に、該装着溝部に前記ロール本体の周面と連続する外面を有するセンサユニット部材が着脱可能に嵌合装着され、前記センサユニット部材に前記複数の圧力センサが列状に配設されて構成されていることを特徴とする圧延材の形状センサーロール。
  2. 上記センサユニット部材は、上記装着溝部に少なくとも外周方向側に係合する係合部を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧延材の形状センサーロール。
  3. 上記各圧力センサは、上記センサユニット部材に内周側から穿設されて周面側に所定厚さの変形表皮部を残存させたセンサ設置孔に設置されて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延材の形状センサーロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101518787B (zh) * 2009-02-13 2012-07-18 燕山大学 板形检测与板形仪性能综合测试平台
CN102873225A (zh) * 2012-10-16 2013-01-16 无锡光旭新材料科技有限公司 一种全自动钢带送料机构

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