JP2004136263A - 流体の浄化装置ならびに浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術の諸問題のうち、ことに、サイクロン部分の一次処理としての分離性能の低下、およびフィルター部分の早期目詰まりによる分離性能の劣化を解消した浄化装置およびその方法を得る。
【解決手段】サイクロン本体1を主体とする一段目濾過処理帯Aと、濾過器本体3を主体とする二段目濾過処理帯Bとから構成され、濾過処理帯Aにおけるサイクロン本体1内の渦流中心部に整流体2を配設し、該整流体外周とサイクロン内周との間が狭小間隔Cとなるように制限したドーナツ状の通過流域Dを形成し、処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させて高い遠心力で処理流体中の異物を一次分離するとともに、残余の異物を含む処理流体を濾過処理帯Bにおける濾過器に圧入して濾過による二次分離を行わせて解決を計った。
【選択図】 図1
【解決手段】サイクロン本体1を主体とする一段目濾過処理帯Aと、濾過器本体3を主体とする二段目濾過処理帯Bとから構成され、濾過処理帯Aにおけるサイクロン本体1内の渦流中心部に整流体2を配設し、該整流体外周とサイクロン内周との間が狭小間隔Cとなるように制限したドーナツ状の通過流域Dを形成し、処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させて高い遠心力で処理流体中の異物を一次分離するとともに、残余の異物を含む処理流体を濾過処理帯Bにおける濾過器に圧入して濾過による二次分離を行わせて解決を計った。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉塵、塵埃、スラッジ、固形屑等の異物が混入している排ガス、汚水、廃油等の流体を浄化する浄化装置、詳しくは濾過器とサイクロンとを組合わせた浄化装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、濾過器とサイクロンとを組合わせて処理流体中の異物を、先ずサイクロンで取除き、そののち、残余の異物を後続の濾過器で濾過する浄化装置が知られている。(例えば特許文献1および2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−33868号公報(第12頁、第8図)
【特許文献2】
特開平11−57370号公報(第1頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら浄化装置は、構成上の仕様が固定的であり、前述の異物が混入している排ガス、汚水、廃油等の各種処理流体の種類、処理量、設計等に対応した浄化機能を選定するのが難しい。すなわち、サイクロン部分について考察すると、その処理能力を向上させようとしても、それは簡単できない。能力向上を計るために、サイクロンの直径を大きくしようとすれば、サイクロン内の処理流体の渦流流速が低下して遠心力が落ち、その結果、一次処理としての分離性能が格段に悪くなる。また、一次処理のあとを受持つ濾過器部分について考えると、濾過器部分というのは、低下した一次処理の分離性能の影響をまともに受け、早期に目詰まりを起して分離性能が悪くなる。その結果、濾過器を頻繁に交換もしくは再生しなければならない。また、とりわけ濾過器部分を簡便なカートリッジフィルターを用いるようにした場合には、交換頻度が高くなるため、交換作業時間や浄化運転の停止による運転効率の低下、カートリッジフィルター交換によるランニングコストの増大、さらに使用済みカートリッジフィルターの処分といった廃棄物問題が発生する。
【0005】
この発明は、以上述べたような従来技術の諸問題のうち、ことに、サイクロン部分の一次処理としての分離性能の低下、および濾過器部分の早期目詰まりによる分離性能の劣化を解消し、効率良く、低コストで連続的に異物を除去し、処理流体の浄化、再利用が計られるようにすることを目的とした浄化装置およびその方法を得るために創案されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題、目的を達成するために、この発明は、サイクロン本体の中心部に整流体を配設して該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域を有するサイクロン本体と、サイクロン本体に処理流体を送給する入口管と、サイクロン本体の上蓋下部に固着され処理流体を濾過器へ導く連絡管と、濾過器本体の上部に設けた処理流体の出口管と、サイクロン本体の下部に開閉弁を介して設けられるブロー管、および、サイクロン本体上部に一体的に設置される濾過器本体とからなり、処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させてサイクロン本体内周に沿って旋回させ、処理流体中の異物を一次分離するとともに、残余の異物を後続する濾過器により連続的に二次分離するようにした流体の浄化方法ならびに浄化装置を提供することにより解決を計ろうとするものである。
【0007】
またこの発明には、前記整流板を、濾過器本体に連通する処理流体の出口管を包囲するように固定された多孔性円筒の外周で支持するようにして処理流体の渦流の流速を増速させるようにした態様、前記整流体を、濾過器に連通する処理流体の連絡管を包囲するように固定された多孔性円筒の外周に支持させてなる態様、前記整流体翼を可撓翼とし、通過流域幅を処理流体の流量に応じて自動的に増減するようにしてなる態様、および、前記整流体を交換可能な異径円筒とし、通過流域幅を適宜、選択するようにしてなるそれぞれの態様を含んでいる。、
【0008】
さらにこの発明には、前記連絡管の上端を濾斗状に拡開させ、処理流体を均一流に整えて濾過器を構成するカートリッジフィルターに送給するようにした態様も含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について以下、添付図面を参照して説明する。この発明に係る流体の浄化方法、ならびに浄化装置は、サイクロン本体1を主体とする一段目濾過処理帯Aと、濾過器本体3を主体とする二段目濾過処理帯Bとから構成される。
【0010】
サイクロン本体1には、処理流体をサイクロン内へ導入する入口管12、処理流体を一段目濾過処理帯Aから二段目濾過処理帯Bへ送給する連絡管11を設けている。また、サイクロン本体1内には、その中心部に整流体2を配設し、該整流体外周とサイクロン内周との間が狭小間隔Cとなるように制限したドーナツ状の通過流域Dを形成している。処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させてサイクロン本体内周に沿って旋回させ、処理流体中の異物を一次分離する。分離後、残余の異物を含む処理流体は二次分離のために連絡管5を通じて二段目濾過処理帯Bへ移動する。
【0011】
整流体2は、該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域をつくる。サイクロンは周知のように、処理流体をサイクロン本体内周に沿って旋回させ、その渦流内の異物を遠心力に分離させるものである。異物に作用する遠心力は渦流の旋回速度が深く係わり、サイクロン本体の直径が小さいほど大きな遠心力が得られる。実用機器において、異物の分離能力を上げるためには径の小さいサイクロンを多数個、並列に用いるマルチサイクロン方式が採用し、一つのサイクロンサイズを大きくとって異物の処理ボリュウムを大とすることは行わない。それはサイクロンの直径を大きくすると渦流の旋回速度が下がり、異物に作用する遠心力が小さくなって異物の分離能力が低下するからである。
【0012】
この発明は、サイクロンサイズを大きくとって異物の処理ボリュウムを大とする考えを実用化しようというものである。すなわち、サイクロンの直径を大きくして渦流の旋回速度をも高めるものであり、異物の分離能力が低下することはない。渦流の旋回速度は、渦流の中心部に整流体2を装着し、処理流体の渦流を緩急2種類の渦流に分けて増速させた渦流を利用するか、整流体外周とサイクロン本体内周との間隔を機械的に狭くして絞り込まれた通過流域を通過する過程において該処理流体に高い流速を付与される渦流を利用するか、をもって旋回速度が高められるようにしている。
【0013】
【実施例】
次に渦流の旋回速度を維持、増速させる整流体2の実施例を三つ説明する。図1の整流体は、整流翼21が多孔性円筒13に固着され、整流翼先端とサイクロン本体内周との間に形成される間隔Cをもつ処理流体の通過流域Dをつくる。処理流体が入口管12からサイクロン本体内に入ると、渦流中心部は整流翼21によって制限が加えられ緩く旋回し、その外周部は制限がない実質的に絞り込まれた通過流域Dをつくり,ここを通過することとなって該処理流体に高い流速が付与される。換言すれば、渦流の緩急境界部がサイクロン本体内周との間に狭小間隔をもつ通過流域Dを形成する。整流翼21の断面形状は処理流体の流入抵抗をもたらす乱流が起こらないよう流れの後方に倒される湾曲形状とするのが好ましい。
【0014】
次いで図2により二つ目の整流体2の実施例を説明する。図2の整流体は、整流円筒22を連絡管11を包囲するように装着し、整流円筒外周とサイクロン本体内周との間に間隔Cをもつ処理流体の通過流域Dをつくる。処理流体が入口管12からサイクロン本体内に入ると、間隔Cに絞り込まれた通過流域Dを通過することとなり、ここで該処理流体は高い流速に増速される。整流円筒22を着脱自在とし、その直径を異径のものに交換すれば間隔Cを多様に変更することができる。この効果は、サイクロン本体の処理ボリュウムをかえる場合に有用である。
【0015】
図3ないし図4により三つ目の整流体2の実施例を説明する。この例の整流体は、一つ目の実施例と殆ど同じである。相違するところは、整流翼21が可撓翼になっていることである。可撓翼23は、弾力性材で作られており可撓翼表面にかかる負荷に応じて矢印dまで撓み、その先端とサイクロン本体内周との間隔Cがeまで増すようにC〜C1間で大小変化する。処理流体の流入量が、例えば内燃機関の排気のように常時変動する場合、固定的な整流翼21では濾過精度が低下しても追随困難であるが、この例では、整流翼の形状、角度がeまで変るようにしてあるのでその追随が可能となる。サイクロンは処理流体の流入量が設計値を超えると目詰まり状態となって旋回不能に陥り、遠心分離効果がなくなる。それを防ぐために整流翼の形状、角度が変わるようにすると常に一定の旋回速度で遠心分離効果が維持できる。すなわち、処理流体の流入量が通常の量を超えると、整流翼の角度は渦流の中心部方向へdだけ撓み、通過流域Dを形成している間隔CがC1まで広がるのである。これに伴い目詰まり状態は解除され旋回が維持される。
【0016】
連絡管5の上端は濾斗状に拡開され、処理流体を均一流に整えてカートリッジフィルター32に送給するようにしている。下端はサイクロン内部に解放されていて遠心分離が済んだ処理流体がそこから入って二段目濾過処理帯Bへ導かれる。
【0017】
サイクロン本体の下部には第一開閉弁15を介して設けられるブロー管14が設けられる。ブロー管には遠心分離後の異物がサイクロン内周に沿って降下し、サイクロン下部に沈降する。沈降した異物を外部に排出する場合は、浄化装置の運転を停止して、第一開閉弁15を開けるとブロー管を経由して異物が外部に排出される。浄化装置の運転を続行しながら異物をサイクロン外部に排出する要求に対しては、前記ブロー管の終端に第二の開閉弁16を設け、第一開閉弁15を閉じ、その第二開閉弁を開くと本体底部に沈降した異物は外部に排出され、当該浄化装置の運転を停止させることはない。
【0018】
濾過器本体3は、サイクロン本体上部にサイクロン本体と一体的に設置される。濾過器本体内にはカートリッジフィルター32が交換自在に設けられ、さらにその上方には、処理流体の出口管31が設けられる。ここに到達する処理流体は、連絡管5の下部解放端から圧入され、濾斗状に拡開された連絡管5の上端から均一流に整えられて、さらにサイクロン本体内で殆どきれいな状態に浄化されて入ってくるので、カートリッジフィルターは低い濾過負荷のもとで均一に使用される結果、長寿命となる。この例における濾過器本体3は、前述のようにサイクロン本体と一体的に設置されるが、別置きにしても基本的性能は害されることがない。この場合、前記処理流体を均一流に整えてカートリッジフィルターに送給する
【0019】
【発明の効果】
この発明は、次のような効果を奏する。
イ.サイクロン本体の中心部に整流体を配設し、該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域を設けたので、サイクロン本体に導入した処理流体がこの通過流域を通過する過程において該処理流体に高い流速を付与することができるようにしたので、サイクロンの直径に係わることなく強力な遠心力のもとに異物を分離させることができ、また、サイクロンの直径を大きく選択して異物の処理ボリュウムを大きくすることができる。さらにまた粉塵、塵埃、スラッジ、固形屑等の異物が混入している排ガス、汚水、廃油等のいずれの処理流体にも対応させることができる。
ロ.整流翼の角度が変るようにしたので、処理流体の流入量が変動してもその変動に追随させた濾過精度を維持することができる。
ハ.浄化装置を、サイクロン本体1を主体とする一段目濾過処理帯Aと、濾過器本体3を主体とする二段目濾過処理帯Bとから構成し、前記濾過処理帯Aにより濾過負荷を低くしてから濾過処理するようにしたのでカートリッジフィルター等の濾過要素の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は流体浄化装置の概略縦断面図、(b)は(a)のX−X線に沿った概略断面図。
【図2】(a)は流体浄化装置の概略縦断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿った概略断面図。
【図3】は流体浄化装置の概略縦断面図。
【図4】は図3のZ−Z線に沿った拡大断面図。
【符号の説明】
1…サイクロン本体
11…連絡管
12…入口管
13…多孔性円筒
14…第一開閉弁
15…ブロー管
16…第二開閉弁
2…整流体
21…整流翼
22…整流円筒
23…可撓翼
3…濾過器本体
31…出口管
32…カートリッジフィルター
A…一段目濾過処理帯
B…二段目濾過処理帯
C…狭小間隔
D…通過流域
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉塵、塵埃、スラッジ、固形屑等の異物が混入している排ガス、汚水、廃油等の流体を浄化する浄化装置、詳しくは濾過器とサイクロンとを組合わせた浄化装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、濾過器とサイクロンとを組合わせて処理流体中の異物を、先ずサイクロンで取除き、そののち、残余の異物を後続の濾過器で濾過する浄化装置が知られている。(例えば特許文献1および2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−33868号公報(第12頁、第8図)
【特許文献2】
特開平11−57370号公報(第1頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら浄化装置は、構成上の仕様が固定的であり、前述の異物が混入している排ガス、汚水、廃油等の各種処理流体の種類、処理量、設計等に対応した浄化機能を選定するのが難しい。すなわち、サイクロン部分について考察すると、その処理能力を向上させようとしても、それは簡単できない。能力向上を計るために、サイクロンの直径を大きくしようとすれば、サイクロン内の処理流体の渦流流速が低下して遠心力が落ち、その結果、一次処理としての分離性能が格段に悪くなる。また、一次処理のあとを受持つ濾過器部分について考えると、濾過器部分というのは、低下した一次処理の分離性能の影響をまともに受け、早期に目詰まりを起して分離性能が悪くなる。その結果、濾過器を頻繁に交換もしくは再生しなければならない。また、とりわけ濾過器部分を簡便なカートリッジフィルターを用いるようにした場合には、交換頻度が高くなるため、交換作業時間や浄化運転の停止による運転効率の低下、カートリッジフィルター交換によるランニングコストの増大、さらに使用済みカートリッジフィルターの処分といった廃棄物問題が発生する。
【0005】
この発明は、以上述べたような従来技術の諸問題のうち、ことに、サイクロン部分の一次処理としての分離性能の低下、および濾過器部分の早期目詰まりによる分離性能の劣化を解消し、効率良く、低コストで連続的に異物を除去し、処理流体の浄化、再利用が計られるようにすることを目的とした浄化装置およびその方法を得るために創案されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題、目的を達成するために、この発明は、サイクロン本体の中心部に整流体を配設して該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域を有するサイクロン本体と、サイクロン本体に処理流体を送給する入口管と、サイクロン本体の上蓋下部に固着され処理流体を濾過器へ導く連絡管と、濾過器本体の上部に設けた処理流体の出口管と、サイクロン本体の下部に開閉弁を介して設けられるブロー管、および、サイクロン本体上部に一体的に設置される濾過器本体とからなり、処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させてサイクロン本体内周に沿って旋回させ、処理流体中の異物を一次分離するとともに、残余の異物を後続する濾過器により連続的に二次分離するようにした流体の浄化方法ならびに浄化装置を提供することにより解決を計ろうとするものである。
【0007】
またこの発明には、前記整流板を、濾過器本体に連通する処理流体の出口管を包囲するように固定された多孔性円筒の外周で支持するようにして処理流体の渦流の流速を増速させるようにした態様、前記整流体を、濾過器に連通する処理流体の連絡管を包囲するように固定された多孔性円筒の外周に支持させてなる態様、前記整流体翼を可撓翼とし、通過流域幅を処理流体の流量に応じて自動的に増減するようにしてなる態様、および、前記整流体を交換可能な異径円筒とし、通過流域幅を適宜、選択するようにしてなるそれぞれの態様を含んでいる。、
【0008】
さらにこの発明には、前記連絡管の上端を濾斗状に拡開させ、処理流体を均一流に整えて濾過器を構成するカートリッジフィルターに送給するようにした態様も含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について以下、添付図面を参照して説明する。この発明に係る流体の浄化方法、ならびに浄化装置は、サイクロン本体1を主体とする一段目濾過処理帯Aと、濾過器本体3を主体とする二段目濾過処理帯Bとから構成される。
【0010】
サイクロン本体1には、処理流体をサイクロン内へ導入する入口管12、処理流体を一段目濾過処理帯Aから二段目濾過処理帯Bへ送給する連絡管11を設けている。また、サイクロン本体1内には、その中心部に整流体2を配設し、該整流体外周とサイクロン内周との間が狭小間隔Cとなるように制限したドーナツ状の通過流域Dを形成している。処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させてサイクロン本体内周に沿って旋回させ、処理流体中の異物を一次分離する。分離後、残余の異物を含む処理流体は二次分離のために連絡管5を通じて二段目濾過処理帯Bへ移動する。
【0011】
整流体2は、該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域をつくる。サイクロンは周知のように、処理流体をサイクロン本体内周に沿って旋回させ、その渦流内の異物を遠心力に分離させるものである。異物に作用する遠心力は渦流の旋回速度が深く係わり、サイクロン本体の直径が小さいほど大きな遠心力が得られる。実用機器において、異物の分離能力を上げるためには径の小さいサイクロンを多数個、並列に用いるマルチサイクロン方式が採用し、一つのサイクロンサイズを大きくとって異物の処理ボリュウムを大とすることは行わない。それはサイクロンの直径を大きくすると渦流の旋回速度が下がり、異物に作用する遠心力が小さくなって異物の分離能力が低下するからである。
【0012】
この発明は、サイクロンサイズを大きくとって異物の処理ボリュウムを大とする考えを実用化しようというものである。すなわち、サイクロンの直径を大きくして渦流の旋回速度をも高めるものであり、異物の分離能力が低下することはない。渦流の旋回速度は、渦流の中心部に整流体2を装着し、処理流体の渦流を緩急2種類の渦流に分けて増速させた渦流を利用するか、整流体外周とサイクロン本体内周との間隔を機械的に狭くして絞り込まれた通過流域を通過する過程において該処理流体に高い流速を付与される渦流を利用するか、をもって旋回速度が高められるようにしている。
【0013】
【実施例】
次に渦流の旋回速度を維持、増速させる整流体2の実施例を三つ説明する。図1の整流体は、整流翼21が多孔性円筒13に固着され、整流翼先端とサイクロン本体内周との間に形成される間隔Cをもつ処理流体の通過流域Dをつくる。処理流体が入口管12からサイクロン本体内に入ると、渦流中心部は整流翼21によって制限が加えられ緩く旋回し、その外周部は制限がない実質的に絞り込まれた通過流域Dをつくり,ここを通過することとなって該処理流体に高い流速が付与される。換言すれば、渦流の緩急境界部がサイクロン本体内周との間に狭小間隔をもつ通過流域Dを形成する。整流翼21の断面形状は処理流体の流入抵抗をもたらす乱流が起こらないよう流れの後方に倒される湾曲形状とするのが好ましい。
【0014】
次いで図2により二つ目の整流体2の実施例を説明する。図2の整流体は、整流円筒22を連絡管11を包囲するように装着し、整流円筒外周とサイクロン本体内周との間に間隔Cをもつ処理流体の通過流域Dをつくる。処理流体が入口管12からサイクロン本体内に入ると、間隔Cに絞り込まれた通過流域Dを通過することとなり、ここで該処理流体は高い流速に増速される。整流円筒22を着脱自在とし、その直径を異径のものに交換すれば間隔Cを多様に変更することができる。この効果は、サイクロン本体の処理ボリュウムをかえる場合に有用である。
【0015】
図3ないし図4により三つ目の整流体2の実施例を説明する。この例の整流体は、一つ目の実施例と殆ど同じである。相違するところは、整流翼21が可撓翼になっていることである。可撓翼23は、弾力性材で作られており可撓翼表面にかかる負荷に応じて矢印dまで撓み、その先端とサイクロン本体内周との間隔Cがeまで増すようにC〜C1間で大小変化する。処理流体の流入量が、例えば内燃機関の排気のように常時変動する場合、固定的な整流翼21では濾過精度が低下しても追随困難であるが、この例では、整流翼の形状、角度がeまで変るようにしてあるのでその追随が可能となる。サイクロンは処理流体の流入量が設計値を超えると目詰まり状態となって旋回不能に陥り、遠心分離効果がなくなる。それを防ぐために整流翼の形状、角度が変わるようにすると常に一定の旋回速度で遠心分離効果が維持できる。すなわち、処理流体の流入量が通常の量を超えると、整流翼の角度は渦流の中心部方向へdだけ撓み、通過流域Dを形成している間隔CがC1まで広がるのである。これに伴い目詰まり状態は解除され旋回が維持される。
【0016】
連絡管5の上端は濾斗状に拡開され、処理流体を均一流に整えてカートリッジフィルター32に送給するようにしている。下端はサイクロン内部に解放されていて遠心分離が済んだ処理流体がそこから入って二段目濾過処理帯Bへ導かれる。
【0017】
サイクロン本体の下部には第一開閉弁15を介して設けられるブロー管14が設けられる。ブロー管には遠心分離後の異物がサイクロン内周に沿って降下し、サイクロン下部に沈降する。沈降した異物を外部に排出する場合は、浄化装置の運転を停止して、第一開閉弁15を開けるとブロー管を経由して異物が外部に排出される。浄化装置の運転を続行しながら異物をサイクロン外部に排出する要求に対しては、前記ブロー管の終端に第二の開閉弁16を設け、第一開閉弁15を閉じ、その第二開閉弁を開くと本体底部に沈降した異物は外部に排出され、当該浄化装置の運転を停止させることはない。
【0018】
濾過器本体3は、サイクロン本体上部にサイクロン本体と一体的に設置される。濾過器本体内にはカートリッジフィルター32が交換自在に設けられ、さらにその上方には、処理流体の出口管31が設けられる。ここに到達する処理流体は、連絡管5の下部解放端から圧入され、濾斗状に拡開された連絡管5の上端から均一流に整えられて、さらにサイクロン本体内で殆どきれいな状態に浄化されて入ってくるので、カートリッジフィルターは低い濾過負荷のもとで均一に使用される結果、長寿命となる。この例における濾過器本体3は、前述のようにサイクロン本体と一体的に設置されるが、別置きにしても基本的性能は害されることがない。この場合、前記処理流体を均一流に整えてカートリッジフィルターに送給する
【0019】
【発明の効果】
この発明は、次のような効果を奏する。
イ.サイクロン本体の中心部に整流体を配設し、該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域を設けたので、サイクロン本体に導入した処理流体がこの通過流域を通過する過程において該処理流体に高い流速を付与することができるようにしたので、サイクロンの直径に係わることなく強力な遠心力のもとに異物を分離させることができ、また、サイクロンの直径を大きく選択して異物の処理ボリュウムを大きくすることができる。さらにまた粉塵、塵埃、スラッジ、固形屑等の異物が混入している排ガス、汚水、廃油等のいずれの処理流体にも対応させることができる。
ロ.整流翼の角度が変るようにしたので、処理流体の流入量が変動してもその変動に追随させた濾過精度を維持することができる。
ハ.浄化装置を、サイクロン本体1を主体とする一段目濾過処理帯Aと、濾過器本体3を主体とする二段目濾過処理帯Bとから構成し、前記濾過処理帯Aにより濾過負荷を低くしてから濾過処理するようにしたのでカートリッジフィルター等の濾過要素の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は流体浄化装置の概略縦断面図、(b)は(a)のX−X線に沿った概略断面図。
【図2】(a)は流体浄化装置の概略縦断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿った概略断面図。
【図3】は流体浄化装置の概略縦断面図。
【図4】は図3のZ−Z線に沿った拡大断面図。
【符号の説明】
1…サイクロン本体
11…連絡管
12…入口管
13…多孔性円筒
14…第一開閉弁
15…ブロー管
16…第二開閉弁
2…整流体
21…整流翼
22…整流円筒
23…可撓翼
3…濾過器本体
31…出口管
32…カートリッジフィルター
A…一段目濾過処理帯
B…二段目濾過処理帯
C…狭小間隔
D…通過流域
Claims (6)
- サイクロン本体の中心部に整流体を配設し、該整流体外周とサイクロン本体内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域を設け、サイクロン本体に導入した処理流体がこの通過流域を通過する過程において該処理流体に高い流速を付与して強力な遠心力のもとに異物を一次分離させるとともに、一次分離後の処理流体を後続する濾過器に導いて残余の異物を連続的に二次分離するようにしたことを特長とする流体の浄化方法。
- サイクロン本体内の中心部に整流体を配設して該整流体外周とサイクロン内周との間隔が狭小となるように制限した通過流域を有するサイクロン本体と、サイクロン本体に処理流体を送給する入口管と、サイクロン本体の上蓋下部に固着され処理流体を濾過器へ導く連絡管と、濾過器本体の上部に設けた処理流体の出口管と、サイクロン本体の下部に開閉弁を介して設けられるブロー管、および、サイクロン本体上部に一体的に設置される濾過器とからなり、処理流体を該通過流域を通過する過程において処理流体の渦流速度を増速させてサイクロン本体内周に沿って旋回させ、処理流体中の異物を一次分離するとともに、残余の異物を後続する濾過器により連続的に二次分離するようにしたことを特長とする流体の浄化装置。
- 前記整流体を、濾過器に連通する処理流体の連絡管を包囲するように固定された多孔性円筒の外周に支持させてなる請求項3記載の流体の浄化装置。
- 前記整流体を可撓翼とし、通過流域幅を処理流体の流量に応じて自動的に増減するようにしてなる請求項2乃至3のいずれか1項記載の請求項2記載の流体の浄化装置。
- 前記整流体を交換可能な整流円筒とし、通過流域幅を適宜、選択するようにしてなる請求項2乃至4のいずれか1項記載の流体の浄化装置。
- 前記出口管の上端を濾斗状に拡開させ、処理流体を均一流に整えてカートリッジフィルターに送給するようにしてなる請求項2乃至5のいずれか1項記載の流体の浄化装置。
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JP2002340142A JP2004136263A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 流体の浄化装置ならびに浄化方法 |
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