JP2004135747A - 簡便連結式車椅子牽引車 - Google Patents

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Teruo Ishihara
石原 輝男
Kazuaki Yamashita
山下 和明
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ISHIKARI ZOKI KK
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Abstract

【課題】大掛かりな連結装置を必要とせずに車椅子使用者自身が手動で簡便に連結できるようにするとともに、指先や手の不自由な人が運転した場合でも安全な速度で走行できるようにした簡便連結式車椅子牽引車を提供する。
【解決手段】支持ロッド8によって自立している車椅子牽引車1に車椅子90を接近させ、開閉式連結器20にて連結し、車椅子牽引車のハンドル組立品40を車輪2の接地面を固定支点として手動で持上げ、車椅子の前側車輪91を浮かし3輪走行式の車椅子牽引車とする。指先や手の不自由な人が運転した場合でも安全な速度で走行できるようにするためにダイヤル固定式速度調節器42とレバー式速度調節器43とを制御上乗算回路を形成した制御方式とする。
【選択図】図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、手動型の標準車椅子と連結して牽引する車椅子牽引車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の手動型の標準車椅子を牽引する車椅子牽引車は、車椅子と車椅子牽引車をピンまたはフック等で単純に連結するだけで、車椅子の前側車輪は路面に接地した状態のままで5輪で走行することとなり、旋回操作が難しく特に小回りができないという欠点があった。
【0003】
旋回性能が優れている3輪走行式にするために、車椅子ごと載せ3輪で走行する搭載型は、乗用車での運搬には不向きであるとともに使用しないときの保管等に場所を占有するという欠点があり、さらに搭載型以外で3輪走行式にする場合、多種の車椅子に適合させるためには大掛かりな連結装置が必要となる問題があった。
【0004】
従来の車椅子牽引車は走行速度を調節する速度調節器は1個装備のため、指先や手の不自由な人が運転した場合、安全な速度で走行できないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、大掛かりな連結装置を必要とせずに車椅子使用者自身が手動で簡便に連結できるようにするとともに、指先や手の不自由な人が運転した場合でも安全な速度で走行できるようにした簡便連結式車椅子牽引車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
大掛かりな連結装置を必要とせずに車椅子使用者自身が手動で簡便に連結するための課題を解決するために、車椅子牽引車を車椅子に連結する際の連結角度を保持するための支持ロッドと、車椅子と連結するための開閉式連結器と、連結後車椅子付属の前側車輪を手動で持上げ保持するための上昇保持器と、角度可変式ハンドルとから構成する。
【0007】
指先や手の不自由な人が運転した場合でも安全な速度で走行できるようにするために、ダイアル固定式速度調節器と、該ダイアル固定式速度調節器と制御基板を介して制御上乗算回路を形成し、速度調節レバーおよび該速度調節レバーの動作を抑制するためのねじりバネが取付けられているレバー式速度調節器とから構成する。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0009】
図1は本発明である簡便連結式車椅子牽引車を横から見た側面図を表し、左右に取付けられた支持ロッド8によって支えられ連結される車椅子90に適合した角度で自立している。
【0010】
図2は本発明である簡便連結式車椅子牽引車1を上から見た平面図で、開閉式連結器20が連結する直前の開いた状態を表している。開閉式連結器20が旋回軸21を軸に旋回する構造となっており、これによって車体幅の異なる車椅子にも対応できるようになっている。
【0011】
図3は本発明である簡便連結式車椅子牽引車1に、車椅子90が接近し開閉式連結器20が連結金具30に掛かった状態を表している。したがって、連結レバー26と連結フック27は上がった状態であり、該車椅子牽引車1も下方に傾いたままの状態である。
【0012】
図4は連結完了し、走行可能な状態を表している。連結レバー26と連結フック27が下げられた状態で連結金具30の連結軸30aを固定し、さらに本発明である簡便連結式車椅子牽引車1がハンドル組立品40を持上げることによって前方へ傾けられ、支持ロッド8および車椅子90の前側車輪91が持上げられた状態となっている。
【0013】
図5は連結完了した上昇保持器10、開閉式連結器20および連結金具30の詳細図を表している。
【0014】
図5において連結金具30は連結後固定するための連結軸30aで構成され、車椅子90の前側フレームパイプ92に取付ボルト31によって適度な位置に左右各々2個取付けられる。
【0015】
開閉式連結器20は旋回軸21、該旋回軸21を軸に旋回する旋回板22、該旋回板22に傾転軸24を介して転回する傾転板23、該傾転板23を旋回板22と固定するための位置決めボルト25、傾転板23に軸26aを介して転回するように取付けられている連結レバー26、同様に傾転板23に軸27aを介して転回するように取付けられている連結フック27、該連結レバー26と該連結フック27とを連動させるための連結桿28、および連結レバー26を固定するための固定バネ29で構成されている。
【0016】
旋回板22は旋回軸21を軸に旋回して連結する構造となっているので、車体幅の異なる多種の車椅子に適合することができる。
【0017】
傾転板23は傾転軸24を介して転回するとともに、旋回板22に設けられた位置決め用インデックス穴22aと位置決めボルト25によって傾転板23の傾転角度を任意に選択し固定できるので、車椅子90の前側フレームパイプ92の傾きが異なる多種の車椅子に適合することができる。
【0018】
連結レバー26は軸26aを中心に、連結フック27は軸27aを中心に転回することができ、該連結レバー26と該連結フック27とは連結桿28によって平行四辺形リンク機構を形成しているので同調した動作で連結軸30aに連結し固定バネ29によって固定される。
【0019】
上昇保持器10は簡便連結式車椅子牽引車1の部材1aに取付けられた保持器支点軸15を介して転回する下死点位置溝11aと上死点位置溝11bを有する保持器フレーム11、部材1aに取付けられた保持レバー支点軸13を介して転回できるように取付けられた位置決め軸12aを有する保持レバー12、および該保持レバー12の位置決め軸12aを常に位置決め溝11aまたは11bの溝底部へ引き込むように作用する保持バネ14で構成されている。
【0020】
支持ロッド8は保持器フレーム11に任意の高さに調整できるようにネジによって取付けられロックナット8aで固定される。この調整によって車椅子牽引車1の自立角度を調整できる。
【0021】
図6は本発明である簡便連結式車椅子牽引車1のハンドル組立品40を進行方向に向かって右側横から見た側面図、図7は運転者側から見た側面図を表す。
【0022】
ハンドル組立品40は該ハンドル組立品40の傾きを任意の位置に固定するための全周角を等分割に加工した固定溝を有するインデックス座金41aを有するハンドル41、ダイヤル固定式速度調節器42、該ダイヤル固定式速度調節器42と制御基板50を介して制御上乗算回路を形成し回転軸に歯車43aを有するレバー式速度調節器43、該歯車43aに操作量を伝えるための複数の歯44aを有し速度調節レバー支点軸46を介して転回する速度調節レバー44、該速度調節レバー44に加える操作力を抑制するねじりバネ45、緊急停止リミットスイッチ47、およびインデックス座金41aと車椅子牽引車1のインデックス座金1cとを締めつけ固定するためのハンドル固定ボルト48から構成される。
【0023】
図8は制御部のコントローラ部を表す回路図である。ダイアル固定式調節器42とレバー式速度調節器43は制御基板50を介して制御上乗算回路を形成して、直流モータ5の回転数を制御する。
【0024】
図2において直流モータ5に付属している励磁開放型電磁ブレーキ5aに取付けられたブレーキ開放レバー7を表し、前後に回転することによってブレーキの入り切りが手動でできるようになっているので、バッテリー切れの場合でも連結したまま人力で移動できる。
【0025】
【作用】
図3と図5を参照しながら連結操作手順に沿って記載する。
【0026】
図3において、使用者が車椅子90に乗りゆっくりと前進させ、支持ロッド8によって自立している本発明である簡便連結式車椅子牽引車1にゆっくりと接近し、左右の開閉式連結器20を両側から引き寄せ車椅子90に前もって取付けられている連結金具30に連結する。
【0027】
次に図5において、連結レバー26を下げると同時に固定バネ29によって連結が固定される。
【0028】
次に保持レバー12を下げると位置決め軸12aが下死点位置溝11aから抜け、ハンドル組立品40を持上げることによって位置決め軸12aが上死点位置溝11bにはまり込み、さらにハンドル組立品40を持上げると車輪2の接地面を固定支点として車椅子90を引き寄せることによって保持器フレーム11および車椅子90の前側車輪91を浮かすことができる。
【0029】
以上の簡単な連結操作で本発明である簡便連結式車椅子牽引車1と車椅子90とを連結し、旋回性能が優れている3輪走行式とすることができる。
【0030】
次に図6を参照しながら走行速度調節方法について記載する。
【0031】
走行速度はダイヤル固定式速度調節器42で低速から高速までの任意の速度に固定し走行時の走行操作は速度調節レバー44の下方への操作量によって調節する。ダイヤル固定式速度調節器42と速度調節レバー44によって操作されるレバー式速度調節器43は制御上乗算回路を形成しているため、例としてダイヤル固定式調節器42を80%出力設定し、レバー式調節器43を50%出力まで操作すると最高速度の40%速度となる。したがって指先や手の不自由な人が運転した場合でも速度調節レバー44の操作によって、1個の速度調節器で調節する従来の方式と比較して安全な速度で走行できる。
【0032】
走行中使用者が予知していない事態に遭遇した場合反射的に速度調節レバー44を急に下げた場合、速度調節レバー44によって緊急停止リミットスイッチ47を作動させ走行を停止することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、大掛かりな連結装置を必要とせずに車椅子使用者自身が手動で簡便に連結できるとともに、指先や手の不自由な人が運転した場合でも安全な速度で走行できることも解決し、より使い易い簡便連結式車椅子牽引車を提供することが可能となりこれからの高齢化社会に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である簡便連結式車椅子牽引車の側面図。
【図2】図1を上から見た平面図。
【図3】本発明である簡便連結式車椅子牽引車に、車椅子が接近した図。
【図4】本発明である簡便連結式車椅子牽引車に、車椅子が連結完了した図。
【図5】図4の連結部分の詳細図。
【図6】ハンドル組立品を進行方向に向かって右側から見た側面図。
【図7】ハンドル組立品を運転者側から見た側面図。
【図8】制御部のコントローラ部を表す回路図。
【符号の説明】
1    簡便連結式車椅子牽引車
1a 簡便連結式車椅子牽引車の部材
1c インデックス座金
2   車輪
5    直流モータ
5a 電磁ブレーキ
7  ブレーキ開放レバー
8   支持ロッド
8a ロックナット
10  上昇保持器
11  保持器フレーム
11a 下死点位置溝
11b 上死点位置溝
12  保持レバー
12a 位置決め軸
13  保持レバー支点軸
14  保持バネ
15  保持器支点軸
20  開閉式連結器
21  旋回軸
22  旋回板
22a インデックス穴
23  傾転板
24  傾転軸
25  位置決めボルト
26  連結レバー
26a 軸
27  連結フック
27a 軸
28  連結桿
29  固定バネ
30  連結金具
30a 連結軸
31  取付ボルト
40  ハンドル組立品
41  ハンドル
41a インデックス座金
42  ダイヤル固定式速度調節器
43  レバー式速度調節器
43a 歯車
44  速度調節レバー
44a 歯
45  ねじりバネ
46  速度調節レバー支点軸
47  緊急停止リミットスイッチ
48  ハンドル固定ボルト
50  制御基板
90  車椅子
91  前側車輪
92  前側フレームパイプ

Claims (5)

  1. 車椅子との連結角度を保持するための支持ロッドと、車椅子と連結するための開閉式連結器と、連結後車椅子付属の前側車輪を手動で持上げ保持するための上昇保持器と、角度可変式ハンドル、および制御部を有することを特徴とする簡便連結式車椅子牽引車。
  2. 前記開閉式連結器は旋回軸と、該旋回軸に取付けられている旋回板と、該旋回板に傾転軸によって支持されている傾転板と、該傾転板に取付けられている連結レバー、連結フック、該連結レバーと該連結フックとを連動させるための連結桿、および固定バネとから構成する請求項1記載の簡便連結式車椅子牽引車。
  3. 前記上昇保持器は位置決め溝が設けられた保持器フレームと、該保持器フレームが転回するための保持器支点軸と、車椅子牽引車本体を上死点または下死点で保持するための保持レバー、および保持バネとから構成する請求項1記載の簡便連結式車椅子牽引車。
  4. 前記制御部はダイアル固定式速度調節器と、該ダイアル固定式速度調節器と制御基板を介して制御上乗算回路を形成し、速度調節レバーおよび該速度調節レバーの動作を抑制するためのねじりバネが取付けられているレバー式速度調節器とから構成する請求項1記載の簡便連結式車椅子牽引車。
  5. バッテリーの充電残量が空になった場合、励磁開放式電磁ブレーキ装置を手動でブレーキ開放するためのブレーキ開放レバーを有する請求項1記載の簡便連結式車椅子牽引車。
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