JP2004133155A - 写真撮影用カメラ等のフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】一枚のフィルターで偏光フィルターの機能とカラー強調フィルターの機能を兼ね備える写真撮影用カメラ等のフィルターを得ること。
【解決手段】写真撮影用カメラ等に装着して使用するフィルタに於いて、透明ガラス2と希土類ガラス5間に偏光フィルム4を配置し、該透明ガラス2と希土類含有ガラス5間で前記偏光フィルム4をそれぞれ接着剤3a、3bを介して貼着し、透明ガラス2、偏光フィルム4、希土類含有ガラス5を三層構造に一体化したフィルター。
【選択図】 図1
【解決手段】写真撮影用カメラ等に装着して使用するフィルタに於いて、透明ガラス2と希土類ガラス5間に偏光フィルム4を配置し、該透明ガラス2と希土類含有ガラス5間で前記偏光フィルム4をそれぞれ接着剤3a、3bを介して貼着し、透明ガラス2、偏光フィルム4、希土類含有ガラス5を三層構造に一体化したフィルター。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、マニュアル式カメラやオートフォーカス式カメラの写真撮影時にカメラのレンズ前に装着され、光を濾過したり、透過させたり、或いは光に変化をあたえる等、光を制御してフィルムに送り込むフィルターに関するものであり、特に、本発明は偏光フィルターの機能と特定の色彩だけを鮮やかに再現するカラー強調用フィルターの機能を兼ね備えたフィルターを提供するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より偏光フィルターと希土類含有ガラスを用いたカラー強調用フィルターはそれぞれ個別に存在しており、該二つのフィルターの効果を同時に欲しい場合には偏光フィルターとカラー強調用フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた。
【0003】
しかしながら、フィルターの二枚重ねは、フィルターを重ねた分、光の透過率が減少することや、広角レンズに使用した場合フィルター枠が厚くなることで、画面四方にケラレが生じることもあり、あまり一般的な使用方法ではなかった。また撮影現場では、フイルターの二枚重ねは煩雑で時間がかかり、シャッターチャンスを逃すことにもなる。
【0004】
斯くして、本発明は、選択する一枚のフィルターにて偏光フィルターとカラー強調用フィルターの機能が発揮できるフィルターを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、写真撮影用マニュアル式カメラ等に装着して使用するフィルターに於いて、透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルムを配置し、該透明ガラスと希土類含有ガラス間で前記偏光フィルムをそれぞれ接着剤を介して貼着し三層構造で一体化されたフィルターを造る。
【0006】
また、写真撮影用オートフォーカス式カメラ等に装着して使用するフィルターに於いては、透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルムと1/4位相差板を配置し、該透明ガラスと希土類含有ガラス間で前記偏光フィルムと1/4位相差板をそれぞれ接着剤を介して貼着し4層構造で一体化されたフィルターを造る。
【0007】
而して、前記フィルターは内蔵された偏光フイルムの角度を自由に変えることができる回転枠に組み込まれ、該回転枠をカメラレンズの前面に装着し、回転操作することで、マニュアル式カメラやオートフォーカス式カメラの写真撮影がなされ、例えば川や池、海面など明るく反射している水面をはじめ、ショーウインドや建物のガラス等の撮影で表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明に表現できる。
【0008】
また風景写真を撮る場合、被写体の細部に生じている表面反射を取り除き、該表面の実際の色を非常に鮮明に再現できる等、所謂、偏光フィルターの効果を得られる。
【0009】
次に、被写体の表面反射を取り除いた光は、希土類含有ガラスからなる色彩強調フィルターを透過して、該特定の色彩だけを鮮やかにフィルム上に再現できる。希土類含有ガラスからなるカラー強調フィルターは、ガラス組成材に添加される希土類元素の種類により、赤色を強調するもの、緑色を強調するもの、青色を強調するものに大別され、該カラー強調フィルターは、一般の色付フィルターでは使ったカラーフィルターのカラー効果が画面全体に現れるのに対して、特定の色彩、即ち、大別された赤色、緑色、青色だけの彩度が上がり、他の色への影響は最小限に抑えられる。
【0010】
従って、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターに於いては偏光フィルムにて被写体の表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明にさせ、且つカラー強調フィルターにて画面全体の色彩強調を自然な感じで、図ることが可能である。
【0011】
また、前記偏光フィルムは、ヨードを含んだ染料で染色され、非常に細い平行線状をした有機物のポリビニールアルコールからできており、オートフォーカス式カメラのフィルターでは、前記偏光フィルムの他に直線偏光を円偏光に変換するための特殊膜材の1/4位相差板が貼り合わせてある。
【0012】
偏光フィルム及び1/4位相差板はその素材及び厚さからして、デリケートなもので、該偏光フィルム及び1/4位相差板は、本発明に於いては、1枚の透明ガラスとカラー強調フィルターとなる希土類含有ガラスに挟み込まれた形で保護され3層構造、または4層構造に接着剤にて一体化されている。
【0013】
従って本発明にあっては、従来の如く偏光フィルターと希土類含有ガラスからなるカラー強調フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた場合に比較し、偏光フィルム等の保護用透明ガラスが省略でき、フィルターによる光の透過率が向上した。
【0014】
また、フィルターは一枚で偏光フィルターの機能と、カラー強調フィルターの機能を兼ね備えることができ、カメラレンズ前面にとりつけるためのフィルター枠及び回転枠も薄く製作できるので、広角レンズに使用した場合にあっても、画面四方にケラレが生じることもない。
【0015】
更に、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターは、一枚で偏光フィルターとカラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、撮影現場に於いて簡単且つ容易に選択して装着することが可能になった。
【0016】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明の実施の形態及び実施例を図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明を写真撮影用マニュアル式カメラ等に装着して使用するフィルターとして実施するための構成を示す断面図であり、1はフィルター本体、2は透明ガラス、3a、3bは接着剤 、4は偏光フィルム、5は希土類含有ガラスを示している。
【0017】
本実施例のマニュアル式カメラ等に装着して使用するフィルター本体1は、透明ガラス2と希土類含有ガラス5間に偏光フィルム4を配置し、該透明ガラス2と希土類含有ガラス5間で前記偏光フィルム4をそれぞれ接着剤3a、3bを介して貼着し透明ガラス2、偏光フィルター4、希土類含有ガラス5の三層構造に一体化している。尚、図に於いては、フィルター本体1のカメラ前面側をA、外部側をBとして、透明ガラス2がカメラ被写体と対向するよう構成されている。
【0018】
斯くして、前記フィルター本体1は内蔵された偏光フィルム4の角度を自由に変えることの出来る回転枠(図示せず)に組み込まれ、該回転枠をカメラ前面側Aに装着し、回転操作することにより偏光効果のある写真撮影がなされる。
【0019】
偏光フィルム4は、例えば川や池、海面など明るく反射している水面をはじめ、ショーウインドウや建物のガラス等の撮影で、表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明に表現できる。
【0020】
また、風景写真を撮る場合、被写体の細部に生じている表面反射を取り除き、該表面の色を非常に鮮明に再現できる等、所謂偏光フィルターの効果が得られる。次に被写体の表面反射を取り除いた光は、希土類含有ガラス5からなるカラー強調フィルターを透過して、該特定の色彩だけを鮮やかにフィルム上に再現できる。
【0021】
希土類含有ガラス5からなるカラー強調フィルターはガラス組成材に添加される希土類元素の種類により、赤色を強調するもの、緑色を強調するもの、青色を強調するものに大別される。
【0022】
赤色強調フィルターは、ガラス組成材に酸化ネオジム、酸化ブラセオジュウム、酸化セリュムの希土類元素を含有したガラスを用いている。
【0023】
緑色強調フィルターは、ガラス組成材に酸化ネオジム、酸化ブラセオジュウム、酸化セリュムの希土類元素と酸化チタン、酸化銅を含有したガラスを用いている。
【0024】
また、青色強調フィルターは、ガラス組成材に酸化ネオジム、酸化ブラセオジュウム、酸化セリュムの希土類元素と酸化銅、酸化コバルトを含有したガラスを用いている。
【0025】
従って、上記カラー強調フィルターは、一般の色付フィルターでは、使ったカラーフィルターのカラー効果が画面全体に現れるのに対して、特定の色彩、即ち、大別された赤色、緑色、青色だけの彩度を上げる効果のみを有し、他の色への影響は最小限におさえられるので、偏光フィルム4との組み合わせが最適な効果を上げることが可能で、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターに於いては偏光フィルムにて、被写体の表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明にさせ、且つ、カラー強調フィルターにて、画面全体の色彩強調を自然な感じにて図ることが可能となった。
【0026】
前記偏光フィルム4は、ヨードを含んだ染料で染色されている非常に細い平行線状をした有機物のポリビニールアルコールからできておりデリケートなもので、該偏光フィルム4は一枚の透明ガラス2とカラー強調フィルターとなる希土類含有ガラス5に挟み込まれた形で保護され三層構造に接着剤3a、3bにて一体化されている。
【0027】
従って、本発明に於いては従来の如く、偏光フィルター、カラー強調フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた場合に比較し、偏光フィルム4の保護用透明ガラスが省略でき、フィルターによる光の透過率が向上した。
【0028】
また、本発明のフィルター本体1は一枚で偏光フィルターの機能と、カラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、カメラレンズ前面に取付るためのフィルター枠及び回転枠も薄く製作できるので、広角レンズに使用した場合あっても、画面四方にケラレが生じることもない。
【0029】
更に本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターは一枚で偏光フィルターとカラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、撮影現場に於いて簡単、且つ、容易に選択して装着することが可能となった。
【0030】
【実施例2】
図2は、本発明の写真撮影用カメラのフィルターをオートフォーカス式カメラに装着して使用する実施例を説明する断面図であり、図1と同一符号は同一構成要素を示している。
【0031】
図2に於いて、1はフィルター本体、2は透明ガラス、3a、3b、3cは接着剤、4は偏光フィルム、5は希土類含有ガラス、6は接着剤3cと希土類含有ガラス5間に挟み込まれた1/4位相差板である。
【0032】
1/4位相差板6は特殊な膜素材からなりオートフォーカス式カメラのオートフォーカスセンサーや測光光学系の光路上には偏光フィルム4と同じ性質を持つハーフミラーが使われており、直線偏光をそのまま使用すると暗転現象を起こしてしまい、正確な測光ができないので、前記偏光フィルム4に1/4位相差板6を張り合わせて、円偏光フィルターを構成している。
【0033】
本実施例のオートフォーカス式カメラ等に装着して使用するフィルター本体1は、透明ガラス2と希土類含有ガラス5間に偏光フィルム4と1/4位相差板6を配置し、該透明ガラス4と希土類含有ガラス5間で前記偏光フィルム4と1/4位相差板6をそれぞれ接着剤3a、3b、3cを介して貼着し透明ガラス2,偏光フィルム4、1/4位相差板6、希土類含有ガラス5の四層構造に一体化している。
【0034】
斯くして、本実施例は、オートフォーカス式カメラ等に装着して使用するフィルターとして、円偏光フィルターとカラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、図1の実施例にて詳説した実施様態と同様であり、下記の効果を有する。
【0035】
【発明の効果】
本発明は従来の如く偏光フィルターとカラー強調フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた場合に比較し、偏光フィルム等の保護用透明ガラスが一枚省略でき、フィルターに於ける光の透過率が向上した。
【0036】
また、本発明のフィルターは一枚で偏光フィルターの機能と、カラー強調フィルターの機能を兼ね備えることができ、カメラレンズ前面に取付るためのフィルター枠、回転枠も薄く製作できるので、広角レンズに使用した場合にあっても、画面四方にケラレが生じることもない。
【0037】
更に、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターは、一枚で偏光フィルターとカラー強調フィルター機能を兼ね備えたおり、撮影現場に於いて、簡単、且つ容易に選択してカメラに装着することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明の一実施例を説明する略断面図である。
【図 2】本発明の他の実施例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 フィルター本体
2 透明ガラス
3a、3b、3c 接着剤
4 偏光フィルム
5 希土類含有ガラス
6 1/4位相差板
A カメラ全面側
B カメラ外部側
【発明の属する分野】
本発明は、マニュアル式カメラやオートフォーカス式カメラの写真撮影時にカメラのレンズ前に装着され、光を濾過したり、透過させたり、或いは光に変化をあたえる等、光を制御してフィルムに送り込むフィルターに関するものであり、特に、本発明は偏光フィルターの機能と特定の色彩だけを鮮やかに再現するカラー強調用フィルターの機能を兼ね備えたフィルターを提供するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より偏光フィルターと希土類含有ガラスを用いたカラー強調用フィルターはそれぞれ個別に存在しており、該二つのフィルターの効果を同時に欲しい場合には偏光フィルターとカラー強調用フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた。
【0003】
しかしながら、フィルターの二枚重ねは、フィルターを重ねた分、光の透過率が減少することや、広角レンズに使用した場合フィルター枠が厚くなることで、画面四方にケラレが生じることもあり、あまり一般的な使用方法ではなかった。また撮影現場では、フイルターの二枚重ねは煩雑で時間がかかり、シャッターチャンスを逃すことにもなる。
【0004】
斯くして、本発明は、選択する一枚のフィルターにて偏光フィルターとカラー強調用フィルターの機能が発揮できるフィルターを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、写真撮影用マニュアル式カメラ等に装着して使用するフィルターに於いて、透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルムを配置し、該透明ガラスと希土類含有ガラス間で前記偏光フィルムをそれぞれ接着剤を介して貼着し三層構造で一体化されたフィルターを造る。
【0006】
また、写真撮影用オートフォーカス式カメラ等に装着して使用するフィルターに於いては、透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルムと1/4位相差板を配置し、該透明ガラスと希土類含有ガラス間で前記偏光フィルムと1/4位相差板をそれぞれ接着剤を介して貼着し4層構造で一体化されたフィルターを造る。
【0007】
而して、前記フィルターは内蔵された偏光フイルムの角度を自由に変えることができる回転枠に組み込まれ、該回転枠をカメラレンズの前面に装着し、回転操作することで、マニュアル式カメラやオートフォーカス式カメラの写真撮影がなされ、例えば川や池、海面など明るく反射している水面をはじめ、ショーウインドや建物のガラス等の撮影で表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明に表現できる。
【0008】
また風景写真を撮る場合、被写体の細部に生じている表面反射を取り除き、該表面の実際の色を非常に鮮明に再現できる等、所謂、偏光フィルターの効果を得られる。
【0009】
次に、被写体の表面反射を取り除いた光は、希土類含有ガラスからなる色彩強調フィルターを透過して、該特定の色彩だけを鮮やかにフィルム上に再現できる。希土類含有ガラスからなるカラー強調フィルターは、ガラス組成材に添加される希土類元素の種類により、赤色を強調するもの、緑色を強調するもの、青色を強調するものに大別され、該カラー強調フィルターは、一般の色付フィルターでは使ったカラーフィルターのカラー効果が画面全体に現れるのに対して、特定の色彩、即ち、大別された赤色、緑色、青色だけの彩度が上がり、他の色への影響は最小限に抑えられる。
【0010】
従って、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターに於いては偏光フィルムにて被写体の表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明にさせ、且つカラー強調フィルターにて画面全体の色彩強調を自然な感じで、図ることが可能である。
【0011】
また、前記偏光フィルムは、ヨードを含んだ染料で染色され、非常に細い平行線状をした有機物のポリビニールアルコールからできており、オートフォーカス式カメラのフィルターでは、前記偏光フィルムの他に直線偏光を円偏光に変換するための特殊膜材の1/4位相差板が貼り合わせてある。
【0012】
偏光フィルム及び1/4位相差板はその素材及び厚さからして、デリケートなもので、該偏光フィルム及び1/4位相差板は、本発明に於いては、1枚の透明ガラスとカラー強調フィルターとなる希土類含有ガラスに挟み込まれた形で保護され3層構造、または4層構造に接着剤にて一体化されている。
【0013】
従って本発明にあっては、従来の如く偏光フィルターと希土類含有ガラスからなるカラー強調フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた場合に比較し、偏光フィルム等の保護用透明ガラスが省略でき、フィルターによる光の透過率が向上した。
【0014】
また、フィルターは一枚で偏光フィルターの機能と、カラー強調フィルターの機能を兼ね備えることができ、カメラレンズ前面にとりつけるためのフィルター枠及び回転枠も薄く製作できるので、広角レンズに使用した場合にあっても、画面四方にケラレが生じることもない。
【0015】
更に、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターは、一枚で偏光フィルターとカラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、撮影現場に於いて簡単且つ容易に選択して装着することが可能になった。
【0016】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明の実施の形態及び実施例を図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明を写真撮影用マニュアル式カメラ等に装着して使用するフィルターとして実施するための構成を示す断面図であり、1はフィルター本体、2は透明ガラス、3a、3bは接着剤 、4は偏光フィルム、5は希土類含有ガラスを示している。
【0017】
本実施例のマニュアル式カメラ等に装着して使用するフィルター本体1は、透明ガラス2と希土類含有ガラス5間に偏光フィルム4を配置し、該透明ガラス2と希土類含有ガラス5間で前記偏光フィルム4をそれぞれ接着剤3a、3bを介して貼着し透明ガラス2、偏光フィルター4、希土類含有ガラス5の三層構造に一体化している。尚、図に於いては、フィルター本体1のカメラ前面側をA、外部側をBとして、透明ガラス2がカメラ被写体と対向するよう構成されている。
【0018】
斯くして、前記フィルター本体1は内蔵された偏光フィルム4の角度を自由に変えることの出来る回転枠(図示せず)に組み込まれ、該回転枠をカメラ前面側Aに装着し、回転操作することにより偏光効果のある写真撮影がなされる。
【0019】
偏光フィルム4は、例えば川や池、海面など明るく反射している水面をはじめ、ショーウインドウや建物のガラス等の撮影で、表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明に表現できる。
【0020】
また、風景写真を撮る場合、被写体の細部に生じている表面反射を取り除き、該表面の色を非常に鮮明に再現できる等、所謂偏光フィルターの効果が得られる。次に被写体の表面反射を取り除いた光は、希土類含有ガラス5からなるカラー強調フィルターを透過して、該特定の色彩だけを鮮やかにフィルム上に再現できる。
【0021】
希土類含有ガラス5からなるカラー強調フィルターはガラス組成材に添加される希土類元素の種類により、赤色を強調するもの、緑色を強調するもの、青色を強調するものに大別される。
【0022】
赤色強調フィルターは、ガラス組成材に酸化ネオジム、酸化ブラセオジュウム、酸化セリュムの希土類元素を含有したガラスを用いている。
【0023】
緑色強調フィルターは、ガラス組成材に酸化ネオジム、酸化ブラセオジュウム、酸化セリュムの希土類元素と酸化チタン、酸化銅を含有したガラスを用いている。
【0024】
また、青色強調フィルターは、ガラス組成材に酸化ネオジム、酸化ブラセオジュウム、酸化セリュムの希土類元素と酸化銅、酸化コバルトを含有したガラスを用いている。
【0025】
従って、上記カラー強調フィルターは、一般の色付フィルターでは、使ったカラーフィルターのカラー効果が画面全体に現れるのに対して、特定の色彩、即ち、大別された赤色、緑色、青色だけの彩度を上げる効果のみを有し、他の色への影響は最小限におさえられるので、偏光フィルム4との組み合わせが最適な効果を上げることが可能で、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターに於いては偏光フィルムにて、被写体の表面反射を取り除き、被写体の形、材質感、色彩感を克明にさせ、且つ、カラー強調フィルターにて、画面全体の色彩強調を自然な感じにて図ることが可能となった。
【0026】
前記偏光フィルム4は、ヨードを含んだ染料で染色されている非常に細い平行線状をした有機物のポリビニールアルコールからできておりデリケートなもので、該偏光フィルム4は一枚の透明ガラス2とカラー強調フィルターとなる希土類含有ガラス5に挟み込まれた形で保護され三層構造に接着剤3a、3bにて一体化されている。
【0027】
従って、本発明に於いては従来の如く、偏光フィルター、カラー強調フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた場合に比較し、偏光フィルム4の保護用透明ガラスが省略でき、フィルターによる光の透過率が向上した。
【0028】
また、本発明のフィルター本体1は一枚で偏光フィルターの機能と、カラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、カメラレンズ前面に取付るためのフィルター枠及び回転枠も薄く製作できるので、広角レンズに使用した場合あっても、画面四方にケラレが生じることもない。
【0029】
更に本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターは一枚で偏光フィルターとカラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、撮影現場に於いて簡単、且つ、容易に選択して装着することが可能となった。
【0030】
【実施例2】
図2は、本発明の写真撮影用カメラのフィルターをオートフォーカス式カメラに装着して使用する実施例を説明する断面図であり、図1と同一符号は同一構成要素を示している。
【0031】
図2に於いて、1はフィルター本体、2は透明ガラス、3a、3b、3cは接着剤、4は偏光フィルム、5は希土類含有ガラス、6は接着剤3cと希土類含有ガラス5間に挟み込まれた1/4位相差板である。
【0032】
1/4位相差板6は特殊な膜素材からなりオートフォーカス式カメラのオートフォーカスセンサーや測光光学系の光路上には偏光フィルム4と同じ性質を持つハーフミラーが使われており、直線偏光をそのまま使用すると暗転現象を起こしてしまい、正確な測光ができないので、前記偏光フィルム4に1/4位相差板6を張り合わせて、円偏光フィルターを構成している。
【0033】
本実施例のオートフォーカス式カメラ等に装着して使用するフィルター本体1は、透明ガラス2と希土類含有ガラス5間に偏光フィルム4と1/4位相差板6を配置し、該透明ガラス4と希土類含有ガラス5間で前記偏光フィルム4と1/4位相差板6をそれぞれ接着剤3a、3b、3cを介して貼着し透明ガラス2,偏光フィルム4、1/4位相差板6、希土類含有ガラス5の四層構造に一体化している。
【0034】
斯くして、本実施例は、オートフォーカス式カメラ等に装着して使用するフィルターとして、円偏光フィルターとカラー強調フィルターの機能を兼ね備えており、図1の実施例にて詳説した実施様態と同様であり、下記の効果を有する。
【0035】
【発明の効果】
本発明は従来の如く偏光フィルターとカラー強調フィルターを二枚重ねて撮影に使用していた場合に比較し、偏光フィルム等の保護用透明ガラスが一枚省略でき、フィルターに於ける光の透過率が向上した。
【0036】
また、本発明のフィルターは一枚で偏光フィルターの機能と、カラー強調フィルターの機能を兼ね備えることができ、カメラレンズ前面に取付るためのフィルター枠、回転枠も薄く製作できるので、広角レンズに使用した場合にあっても、画面四方にケラレが生じることもない。
【0037】
更に、本発明の写真撮影用カメラ等のフィルターは、一枚で偏光フィルターとカラー強調フィルター機能を兼ね備えたおり、撮影現場に於いて、簡単、且つ容易に選択してカメラに装着することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明の一実施例を説明する略断面図である。
【図 2】本発明の他の実施例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 フィルター本体
2 透明ガラス
3a、3b、3c 接着剤
4 偏光フィルム
5 希土類含有ガラス
6 1/4位相差板
A カメラ全面側
B カメラ外部側
Claims (6)
- 写真撮影用カメラ等に装着して使用するフィルターに於いて、透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルムを配置し、該透明ガラスと希土類含有ガラス間で前記偏光フィルムをそれぞれ接着剤を介して貼着し三層構造に一体化したことを特徴とする写真撮影用カメラ等のフィルター。
- 写真撮影用カメラ等に装着して使用するフィルターに於いて、透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルムと1/4位相差板を配置し、該透明ガラスと希土類含有ガラス間で前記偏光フィルムと1/4位相差板をそれぞれ接着剤を介して貼着し四層構造に一体化したことを特徴とする写真撮影用カメラ等のフィルター。
- 透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フイルム或いは偏光フィルムと1/4位相差板を貼着一体化して造られる写真撮影用カメラフィルターに於いて、該希土類含有ガラスはガラス組成材に酸化ネオジム・酸化ブラセオジュウム・酸化セリュムの希土類元素を含有したガラスを用い、該一体化されたカメラフィルターは偏光フィルターと赤色強調ガラスフィルターの性能を兼ね備えていることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の写真撮影用カメラ等のフィルター。
- 透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フイルム或いは偏光フィルムと1/4位相差板を貼着一体化して造られる写真撮影用カメラフィルターに於いて、該希土類含有ガラスはガラス組成材に酸化ネオジム・酸化ブラセオジュウム・酸化セリュウムの希土類元素と酸化チタン・酸化銅を含有したガラスを用い、該一体化されたカメラフィルターは偏光フィルターと緑強調ガラスフィルターの性能を兼ね備えていることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の写真撮影用カメラ等のフィルター。
- 透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フイルム或いは偏光フィルムと1/4位相差板を一体化して造られる写真撮影用カメラフィルターに於いて、該希土類含有ガラスはガラス組成材料に酸化ネオジム・酸化ブラセオジュウム・酸化セリュウムの希土類元素と酸化銅・酸化コバルトを含有したガラスを用い、該一体化されたカメラフィルターは偏光フィルターと青色強調ガラスフィルターの性能を兼ね備えていることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の写真用カメラ等のフィルター。
- 透明ガラスと希土類含有ガラス間に偏光フィルム或いは偏光フィルムを貼着一体化して造られる写真撮影用カメラフィルターに於いて、該偏光フイルム或いは偏光フィルムと1/4位相差板を前記透明ガラスと希土類含有ガラスにより挟持一体化することにより該偏光フィルムまたは偏光フィルムと1/4位相差板を保護する構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の写真撮影用カメラ等のフィルター。
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JP2002297118A JP2004133155A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | 写真撮影用カメラ等のフィルター |
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JP (1) | JP2004133155A (ja) |
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2002
- 2002-10-10 JP JP2002297118A patent/JP2004133155A/ja active Pending
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