JP2004132368A - ターボチャージャ - Google Patents

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Abstract

 
【課題】一方では様々な作業及び構造により柔軟に適合させる可能性を提供し、それによって適用分野を拡大し、他方ではその製造コストを削減するターボチャージャを提供する。
【解決手段】ターボチャージャ1は、少なくとも1つのタービンホイール27を備え、このタービンホイールに燃焼発動機の排気ガスが供給される。供給されるガスの量は、流体制御装置によって決定され、流体制御装置に対し、流体制御装置の制御運動を生じさせる作動装置が割り当てられる。さらに、この運動用の伝達機構は調節装置を備えており、この調節装置により制御運動を調整することができる。
【選択図】図1

Description

 本発明は、ハウジングと、一般に排気ガスである流体を燃焼モータすなわち燃焼発動機からハウジング内に供給する少なくとも1本の供給流路と、流体又は気体により回転軸線の周りで駆動されるようにハウジング内に収容された少なくとも1個のタービンホイールとを備えるターボチャージャに関する。もちろん、当技術分野では一般に知られているように、本発明は、複数のタービンホイール、及び/又は複数の供給流路を有するターボチャージャをも包含する。
 さらに詳細には、本発明は、タービンホイールに供給される気体の量を制御する流体制御装置をも備える、上記の特徴を有するかかるターボチャージャに関する。この流体制御装置には、タービンホイールに供給される流体の量を変更する流体制御装置の制御運動を生じさせるための作動装置、ならびに作動装置の制御運動を流体制御装置に伝達するための伝達機構が割り当てられる。
 当技術分野で様々な構造の「流体制御装置」が知られているので、ここでは、「流体制御装置」という用語は、広義の意味で理解すべきことに留意されたい。例えば、特開平8−240156又はWO 02/27164は、「ウェイストゲート(waste gate)」と一般に呼ばれる、ターボチャージャの周辺で排気ガスを多少バイパスさせる一種の制御可能なバイパス装置を提案している。しかし、多くの場合、可変の幾何学形状のいわゆる案内格子が流体制御装置として使用される。当技術分野では、「可変の幾何学形状」という用語は、ピボット位置に従って、1対のピボット回転案内羽根の間にそれぞれ形成された一連のノズル又は通路を開閉する、ピボット回転案内羽根の環状装置と理解される(例えば、WO 01/96713参照)。したがって、本発明は、可変の幾何形状の案内格子として流体制御装置を形成することが好ましいが、これらの構造原理の1つに限定されず、原則として、これら構造原理のすべてに適用可能なはずである。もちろん、本発明は、両方の制御原理の組み合わせにも関する。
 上述の種類のターボチャージャは、多くの文献から、例えば、前述のWO 01/96713及びWO 02/27164からだけでなく、EP 0 226444、あるいは米国特許第6,398,483号、第5,692,879号、第4,780,054号、第3,972,644号、又は第2,860,827号からも知られている。一般に、使用される作動装置は、アクチュエータハウジング内に正又は負の圧力(本明細書の文脈中で「圧力」と言う場合、常に、負又は正又は両方を含む)を受ける膜を備えている。機械的作動や電磁気的作動など他の作動のタイプも考えられるが、本発明の状況では、そのような膜を使用することも好ましい。
 この従来の技術はすべて、その部品をターボチャージャのある特定の設計に、あるいは、しばしばある特定の流体制御装置にも適合させなければならない点において共通である。もちろん、それには、特定の個々の応用例毎に特別の寸法が必要となる。したがって、ある特定のターボチャージャ又は流体制御装置を、異なった応用例にモジュール式に適用することはできない。もちろん、これは、製造コストに寄与し、可能な部品数を削減する。他方、従来の技術を用いて、異なる変位力(異なる大きさや異なる動力の車両で変位力は異なる)、及び/又は異なる調整公差(異なる応用例で異なる調整公差が望ましい)を実現することはできない。
特開平8−240156 WO 02/27164 WO 01/96713 EP 0 226444 米国特許第6,398,483号 米国特許第5,692,879号 米国特許第4,780,054号 米国特許第3,972,644号 米国特許第2,860,827号
 本発明の一目的は、一方では様々な作業及び構造により柔軟に適合させる可能性を提供し、それによって適用分野を拡大し、他方ではその製造コストを削減することである。
 本発明のさらなる目的は、ターボチャージャ構造を様々な必要条件に適合させる可能性を提供することである。
 本発明によると、これらの目的は、伝達機構が、作動装置の制御運動を変更する調節装置を備えることによって達成される。
 本発明によれば、 ハウジング手段と、
 前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
 前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
 前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御する流体制御手段と、
 前記流体制御手段のための制御運動を生じさせる作動手段と、
 前記作動手段の前記制御運動を、前記流体制御手段に伝達する伝達手段とを備え、前記伝達手段が前記制御運動を変更する調節手段を有するターボチャージャが提供される。
 原則として、この調節装置は、本発明の範囲内で非常に様々な方法で設計することができるが、伝達機構の少なくとも1個の部材の有効長あるいは実効長を調節する長さ調節装置であることが好ましい。例えば、これは、レバーの有効長を調整或いは調節することによって達成できる。例えば、そのようなレバーには、長手方向にスロットをつけることができ、さらなる伝達部材における係合点をスロットの中で調整することができる。しかし、伝達機構が、調節装置がそれに連結され、かつ有効である長手方向軸線に沿って延びるプッシュロッド部材を備えるならば、好ましい。レバー、すなわちピボット回転部材などの有効長を変更するときには、調節運動の起点と終点の両方を一般に変更する。これは、必ずしも望ましくなく、あるいは、制御運動のある起点(あるいは終点)を保持すべき場合は、例えば弾性ストップを提供するための追加の処置が必要となる。
 さらに、本発明の範囲内で、その構造を例えば、様々な応用例で操作が実行される、様々な温度範囲に適合させる自動調節装置を提供することが考えられる。そのような自動調節装置として、全く異なる応用例であるレーザの空洞について提案されたような、伝達機構内の温度の関数として伸張する要素を設けることが考えられる。しかし、調節装置が、手動で調整或いは調節可能であり、必要なら所望のいかなる位置にも固定できる調節要素を備えているならば、様々な応用例に適合させることが、より簡単かつ容易になる。
 本発明の上述の目的を達成するためには、長手方向軸線に沿って延びる変位可能なプッシュロッド部材を有する伝達機構を提供し、かつ調節装置が伝達機構に動作可能に連結されるように伝達機構に調節装置を割り当てることが最良である。ターボチャージャをこのように設計するとき、作動装置が、軸線に沿って延びるアクチュエータハウジングと、アクチュエータハウジング内のアクチュエータ要素とを備え、プッシュロッド部材が、その軸線に沿ってアクチュエータハウジングから延びている場合、スペースを節約した構造が得られる。プッシュロッド部材は、アクチュエータ要素の一端から流体制御装置の変位部材にまで延びることが好ましい。
 もちろん、本発明の範囲内で、調節装置は、例えば、スリーブ内に多少深く挿入され、かつ例えば止めねじにより固定することで、又は少なくともプッシュロッドの2個の部品を互いにねじ止めすることで、スリーブ内に固定された2本の滑らかなロッドからなるプッシュロッド部材を形成するなど、様々な方法で設計することができる。しかし、プッシュロッド部材が、長手方向軸線に沿って延びる少なくとも2個の部品から、一方の部品が他方の部品を空洞内に調節可能に又は固定可能に受けるように形成される場合には、より安定した設計を達成することできる。このようにすると、調節装置(及び/あるいは固定装置)を、プッシュロッド部材の空洞内に収容することができる。さらに、相互連結を、より長い長さにわたってより容易に確保することができる。したがって、調節装置は、これら部品の一方に少なくとも1本の雄ねじを備えることができ、この雄ねじは、そのねじが調節の働きをする他方の部品の雌ねじと係合する。このようにして、例えば、当技術分野で知られる相対回転防止法の1つを提供することにより、各調節された位置もねじで固定できる。
 例えば、関連するプッシュロッド部品上で回転可能に支承されるナットとして雌ねじを形成する場合、ねじは、非常に微細なものが選ばれるので、調節が実施された後に調節がずれるリスクは実質的にはない。しかし、当技術分野で知られている止めナットなどの固定用手段を使用することもできる。
 もちろん、調節装置(及び/あるいは固定装置)をプッシュロッドの空洞の内部に収容すると、特別の問題が生じる。この問題は、プッシュロッドを、長手方向の軸線に沿って延びる少なくとも2個の部品から形成し、これらの部品を剛性的に相互連結して閉じた空洞の円周を形成することによって解決できる。2個の円周部品だけからなるプッシュロッドを形成することが好ましく、これらの円周部品は、部分的に長手方向軸線を囲んでおり、一方のプッシュロッドの円周部品の半空洞の内部に、調節装置又は固定装置が容易に導入することができ、その後で空洞を他方の相補的プッシュロッドの円周方向部品で閉じる。これらの円周部品の相互連結は、例えば、ねじ止めされた複数の横フランジを提供するなど、所望のいかなる方法によっても実施することができる。しかし、空洞内に調節装置及び/又は固定装置を導入してから、プッシュロッド円周部品を互いに溶接するならば、好ましい。あるいは、円周部品は鑞付けすることもでき、又は、一般的に、接続要素なしで単なる材料接合だけで、少なくとも2個の円周部品を剛性的に相互連結するならば、好ましい。
 他の代替方法では、流体制御装置側にある軸方向部品だけでなく、作動装置の側にある軸方向部品も、円筒形のスリップオンすなわち差し込み(slip on)部分を備えたスリーブキャップで閉じたスリーブ様の空洞を有し、したがって差し込み部分に被せたとき、スリーブキャップが、例えば、空洞の拘束部材と差し込み部分とが互いに協働することによって決まる所望の深さまで空洞中に貫入して軸方向に固定することができる。
 プッシュロッド部材が、長手方向軸線周辺に延びる少なくとも2個の円周部品から形成されるならば、後者の設計をまさに適用することができ、それらの円周部材は、上記で説明したように、剛性的に相互連結されて実質的に閉じた空洞囲む2個の円周部品を形成しかつこれを囲む。
 雌ねじが、軸方向プッシュロッド部品の1つに回転可能に保持されるナットとして形成されている場合、このナットを空洞内に保持する方法が問題となる。再調節を可能とするために、ナットが空洞の少なくともプッシュロッド円周部品の1つによって形成される部分で回転可能であるならば、有利である。しかし、そうすると、ナットを、少なくとも軸方向にどう固定するかという問題がおこる。この問題は、本発明の範囲内で、空洞内でナットを軸方向に固定するために、空洞が、長手方向軸線を横切って延びる壁を含むということで、好都合にも解決される。この壁は、空洞の内部に突き出す壁フランジであってもよいが、空洞の壁内の少なくとも1つの凹部によって形成されるならば、好ましい。この場合、空洞の壁に凹部を機械加工し、それによって、ナットが凹部内にあるとき、ナットを軸方向に固定するショルダを形成することが考えられる。しかし、凹部を開口を画定する打ち抜きとして形成し、ナットが部分的にこの開口を通り外部に突き出すならば、より好都合である。それによって、2つの利点が同時に達成される。第1に、そのような開口は作製が容易であり、第2に、ナットに外部から接近可能であり、したがって再調整が容易である。さらに、ナットは空洞内に固定されており、失われることがない。
 空洞を形成するプッシュロッドの円周部品を相互連結するために、溶接なしで相互連結する方法、又は他の堅固な連結方法についてすでに説明した。しかし、安全上の理由から、長手方向軸線周辺に延びる上述の少なくとも2個のプッシュロッドの円周部品からプッシュロッドを形成し、その円周部品を堅固に相互連結して空洞を形成するならば、好ましい。
 円周部品がシートメタルから冷間成形工程によって形成されるならば、そのような円周部品及びそのような相互連結を、特に容易に作製することができる。原則として、本発明は、プッシュロッドのある断面形状に限定されず、このロッドは、例えば、正方形及び卵型の断面を有してもよい。しかし、比較的薄い、したがって軽量のシートメタルを用いても全方向に最大の強度が達成されるので、長手方向軸線の周辺に延びる少なくとも2個の円周部品が円筒形の空洞を形成するならば、好ましい。
 本発明のさらなる詳細は、概略的に図面で示された特定の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかとなるであろう。
発明の実施の形態
 図1によると、ターボチャージャは、それ自体知られているように、(上記で引用した「背景技術」を参照)タービンハウジング部品2と、タービンハウジング部品2に連結されたコンプレッサハウジング部品3とを備えており、両方とも回転軸線Rに沿って配置されている。タービンハウジング部品2は、調和すなわち同調リング5を限られた角度だけ変位させる変位レバー4が見えるように、コンプレッサハウジング部品3に面する側部を部分的に切り取ってある。さらに、導管28、及びタービンホイール27を螺旋状に囲む供給流路9を介して、燃焼モータすなわち発動機からの排気ガスが供給されるタービンホイール27が見える。
 好ましい実施形態では、排気ガスの量は、可変の幾何学形状の案内格子を備える流体制御装置によって制御される。同調リング(unison ring)5を回転することにより、隣接するノズルリング6で支持された案内羽根7は、(同調リング5が見えるようにその下側部分が切り取ってある)各ピボット回転軸線8の周りで、それぞれピボット回転する。このようにして、隣接する羽根7の各対は、案内羽根7のピボット位置により、すなわちより半径方向(図に示すように)であるか、それとも接線方向であるかにより、大きい又は小さいノズル断面をそれらの間で形成して、供給流路7により、軸線Rの周りで回転するタービンホイールに供給される、多くの又は少しの排気ガス(又は他のタービンの場合は液体などの他の流体)を送り出し、次いで排気ガスは、軸方向パイプ又は中心パイプ10を介して排出される。
 案内羽根7、ならびに図1に示し後で議論する、さらなる流体制御装置の運動及び位置を制御するために、作動装置11が提供される。この装置はいかなる種類のものでもよいが、それ自体知られているように、軸線Aに沿って延び、プランジャタイプの磁石などのアクチュエータ要素をその中に含むアクチュエータハウジング12を備えることが好ましい。しかし、本実施形態では、アクチュエータ要素は、それ自体知られているようにアクチュエータハウジングの2個の半体間に張られた膜13である。膜13に締結されたプッシュロッド部材14の制御運動を生み出し制御するために、この膜は、吸入接続部(図1上部の孔を参照)によって提供される正又は負の流体圧力(一般には空気圧)によって偏倚される。このプッシュロッド部材14の長手方向軸線a(図3、4)がアクチュエータハウジング12の軸線Aに整列し(必ずしもそうであるわけではないが)、したがって膜13の最大湾曲が、さらに下に位置する伝達機構の他の部品に直接伝達されるならば、好ましい。これは、スペースを節約しかつ安全であり、運動の確実な伝達をもたらす。
 図1に示すように、プッシュロッド部材14は、膜13に直接連結されかつねじを有する第1の軸方向部品15と、対応する雌ねじを備え(図3で一番よく見える)、形状が、図2から4で詳細に示されている、軸方向調節のためにその部分的に中空な内部に第1の軸方向部品15を調整可能に受ける第2の軸方向部品16とから構成される。第2の軸方向プッシュロッド部品16の下端に(図1に関連して)、ピボット回転する関節結合又は継手17があり、それにより、プッシュロッド部材14が変位レバー4に作動可能に連結されて、膜13の制御運動をこのレバー4に、さらにレバー4から同期リング5に、最終的にユニゾンリング5から案内羽根7に伝達する。
 ここで、調整は、好ましい実施形態によれば、2個に分かれたプッシュロッド部材14を用いて実施されるが、本発明は、2個にも、あるいは例示された相互連結にも限定されるものでないことに当然留意されたい。例えば、変位レバー4中に径方向のスロットを設けることにより調整すなわち調節を提供し、かつこのスロット内で継手17を調節することが考えられる。さらに、それに加えて、あるいはその代わりに、運動を案内羽根7に伝達する後続の過程で調節を行うこともできる。しかしながら、プッシュロッド部材14に沿う場所は、制限がより少ないだけではなく、接近のしやすさが改善されており(例えば、必要な場合の再調節のため)、かつその軸(図3及び4内の軸a)に沿って変位力を伝達する伝達部材に関する調整ずれ或いは調節ずれのリスクが小さいことがわかっている。
 上記で、案内羽根7の組を、流体制御装置として説明してきた。これらの案内羽根7の組に追加して、又は(好ましくは)これらの代替として、プッシュロッド部材14を、点線14’で示すように、導管28内の一種のバイパスバルブ29を意味するウェイストゲート(waste gate)に連結することができる。このバイパスバルブ29は、供給流路9への導管28が完全に開いている、実線で示される位置、又は導管28から供給される排気ガスの少なくとも一部がバイパス導管30を介して排出導管31に偏向される位置29’をとることができる。導管31に偏向される排気ガスの量又は割合は、作動装置11で位置決めできるバイパスバルブ29(この実施形態では蝶弁で示されている)の位置に非常に正確に依存する。蝶型弁の代わりとして、いかなる種類の制御バルブ又は所望の偏向装置を使用することもできる。
 上述のように、本発明の範囲内で、様々なプッシュロッド部材14の構造が考えられる。以下に記述するような2個の円周部品を使用した構造原理は、軸方向に少なくとも2個の軸方向部品に再分割されないプッシュロッド部材14用にも使用できるが、図2から4には、少なくとも第2の下部軸方向部品16からなる好ましい構造、及び調節装置の好ましい設計を示している。
 図2から4によると、第2の軸方向プッシュロッド部品16自体は、相互連結すべき2個の部品16a及び16b(図2a、2b)から構成される。この2個の部品は、相互連結されたとき(図3)、実質的にプッシュロッド部材14の長手方向軸線を囲み(又はこの軸線を含み)、したがって、(軸方向に順番に次々と配置されている第1及び第2の部品とは対照的に)「円周部品」と呼ぶことができる。プッシュロッド部材をさらに少なくも2個の円周部品に再分割する理由は、以下の説明から明白になるであろう。
 円周部品16a及び16bの両方は、シートメタルから打ち抜きにより、あるいはプレスにより成形することが好ましい。これらの円周部品は、(図3からよくわかるように)調節ナットあるいはねじ込みナット19を支える、好ましくは少なくともほぼ円筒形の空洞18を含む。この調節ナット19を所定の固定した軸線方向の位置に支えるために(長手方向軸線aに関して)、2個の円周部品16a及び16b(又は少なくともその一方)は、ウィンドウ様の開口20a及び20bを画定する切り抜きを有する。それらの開口を貫通して、調節ナットのぎざぎざのついたエッジあるいはリムが外部に突き出して(図3)、外部から容易に調整できるようになることが好ましい。このようにして、調節ナット19のこのエッジあるいはリムは、長手方向軸線aの方向で開口20a及び20bの壁部分に当接し、軸方向に固定される。これは、唯一の可能な実施形態ではないが、打ち抜き(あるいは他の冷間成形プロセス)により容易に作製できる特に好ましい実施形態である。
 開口20a及び20bを打ち抜くとき、開口の上部エッジ及び下部エッジを21a及び21bで長手方向方向軸aに向けて少し内側に曲げ、それによってねじ込みすなわち調節ナット19にとってより大きな当接を生じさせることも考えられる。しかし、それには、追加のスペースが必要となり、ナット19が、回転するとき、これらの周辺フラップによってのみ案内されることになるが、このことは一般には望ましくない。さらに、図4に示すように、オプションとして、ウィンドウ様の開口20a及び20bなしで、固体材料からなる円周部品16a及び16bを形成し、かつ長手方向軸線に横向きに延在する壁セクション21a及び21bを、この材料から機械加工することが考えられる。しかし、この場合、製造がより複雑になり、再調整が難しくなるだけでなく、プッシュロッド部材の重さも増大し、それにより膜13(図1)の制御運動に対する応答がより遅くなる。
 図3と4を比較するとき、調節ナット自体を様々な方法で形成できることが明白になる。図3によれば、1個の部片Vが、ぎざぎざのついた部分に接合している。この部片Vを、ナット19にねじ込まれたプッシュロッド第1の軸方向部品15(図1)と考えることもできるが、ナット19の雌ねじにその雄ねじがねじ込まれている第1の軸方向部品15のより強く安定した案内を達成するためのナット19のねじ部分の延長部とすることもできる。このようにして、より大きな摩擦が生じて、望ましくない調節ずれを防止する。
 もちろん、空洞18(図3)を形成する円筒内で継手17を支えることは難しい。したがって、円周部品16a及び16bが、2個の円周部品16a及び16bの剛性的相互連結の働きをするだけでなく、継手17への容易な取り付けをも可能とする、少なくとも部分的に平らな相互係合連結部分22a及び22bを含むことが好ましい。
 好ましくは、この継手17は、変位レバー4に対して複数の方向への運動を可能とするための球体17aを含む。継手本体17に剛性的に連結され、又は継手本体17と一体に組み込んで形成されたこの旋回(swivel)ジャーナル17bが、球体17aに取り付けられる。2個の円周部品16a及び16bの連結部分22a、22bが、特に相互連結に有利である平坦な形状になっているにもかかわらず、球体17aに対する信頼性の高い支承を保証するために、継手17を受けるための対応するベアリング開口23(図2、4)は、図3に従って、球体17aを確実に、しかし容易にピボット回転できるように保持する球形壁部分24によって画定される。しかし、そのような球状構造が望ましいのは、いくつかの場合に限られ、多くの応用例では、簡単な円筒ピンが、関節結合体として働くことができる。
 接続部分22a及び22bが、継ぎ目すなわち合わせ目25(図1、2、4)によって空洞18の側部に延長されて、より大きな軸方向長さにわたって円周部品16a、16bの相互接続が可能になっているならば、有利である。例えば、この2個の円周部品16a、16bを、接続場所26で、リベット又はねじで、相互に接続することができる。しかし、蝋付けなど、そのような接続要素なしの連結で、最も好ましくは、スポット溶接、例えばレーザ溶接などの溶接でこれらの円周部品を接続することが好ましい。
 各々が空洞18の1つの区域だけを囲む2個より多い円周部品も提供できるが、これは、強度が影響を受けるので、一般に望ましくないことがわかるであろう。少なくとも2個のプッシュロッドの軸方向部品15、16に対する他の相互連結設計及び調節設計、例えば、スリーブキャップを挿入する一種の円筒形スリーブとしてそれを形成する設計が考えられることは既に及べた。さらに、いくつかの調節機構を設けるために2個より多いプッシュロッドの軸方向部品を提供することもできるが、一般に、単一の調節機構で十分であり、軸方向に順番に続く部品15、16を2個だけ使用することにより、最大の強度及び安定性が得られる。
内部がよく見えるように、部品を部分的に切り取った本発明によるターボチャージャの斜視図である。 2aは本発明による相互連結されたプッシュロッドの2個の円周部品のうちの一方を示す斜視図である。2bは本発明による相互連結されたプッシュロッドの2個の円周部品のうちの他方を示す斜視図である。 円周部品を相互連結した後の長手方向の断面図である。 円周部品の1つを示す平面図である。

Claims (32)

  1.  ハウジング手段と、
     前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
     前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
     前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御する流体制御手段と、
     前記流体制御手段のための制御運動を生じさせる作動手段と、
     前記作動手段の前記制御運動を、前記流体制御手段に伝達する伝達手段とを備え、前記伝達手段が前記制御運動を変更する調節手段を有するターボチャージャ。
  2.  ハウジング手段と、
     前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
     前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
     前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御する流体制御手段と、
     前記流体制御手段の制御運動を生じさせる作動手段と、
     前記作動手段の前記制御運動を、前記流体制御手段に伝達する伝達手段とを備え、前記伝達手段が、
     ある現実の長さの少なくとも1個の細長い伝達部材と、
     前記現実の長さを変えることにより前記制御運動を変更する調節手段とを有するターボチャージャ。
  3.  前記調節手段が、前記有効長を変更し、かつそれを固定するための手動で調節可能な調節要素を備える請求項2に記載のターボチャージャ。
  4.  前記調節手段に連結され、調整された現実の長さを固定するための固定手段をさらに備える請求項2に記載のターボチャージャ。
  5.  前記調節手段が、前記有効長を変えるためのねじ込み装置を備える請求項2に記載のターボチャージャ。
  6.  前記細長い伝達部材が少なくとも2個の軸方向部品から構成され、前記ねじ込み装置が前記軸方向部品の一方に雌ねじを備えかつ前記軸方向部品の他方に雄ねじを備え、前記雄ねじ内の前記雌ねじのねじ面の深さにより、前記現実の長さが決定される請求項5に記載のターボチャージャ。
  7.  前記雌ねじを含む軸方向部品がナットを備える請求項6に記載のターボチャージャ。
  8.  ハウジング手段と、
     前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
     前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
     前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御するための変位可能な流体制御手段と、
     前記流体制御手段のための制御運動を生じさせる作動手段と、
     前記作動手段の前記制御運動を前記流体制御手段に伝達する伝達手段とを備え、前記伝達手段が、
     長手方向軸線に沿ってある長さだけ延びる変位可能なプッシュロッド部材と、
     前記制御運動を変更する調節手段とを有し、前記調節手段が前記プッシュロッド部材に動作可能に連結されているターボチャージャ。
  9.  前記流体制御手段が可変の幾何学形状の案内格子を備え、前記伝達手段が前記流体制御手段を変位させるための少なくとも1個のレバー手段を備え、前記レバー手段が、前記プッシュロッド部材を介して前記作動手段によって変位される、請求項8に記載のターボチャージャ。
  10.  前記プッシュロッド部材が、少なくとも、
     前記作動手段の側部に達する第1の軸方向部品と、
     前記長手方向軸線に沿って、前記流体制御手段の側部まで延びる第2の軸方向部品と、を備え、
     前記第1の軸方向部品又は第2の軸方向部品の一方が、他方の軸方向部品の一端を受ける空洞を形成し、前記調節手段が前記空洞に配置される請求項8に記載のターボチャージャ。
  11.  前記調節手段が、前記プッシュロッド部材の長さを変更するためのねじ込み装置を備える、請求項8に記載のターボチャージャ。
  12.  前記プッシュロッド部材が、少なくとも、
     前記作動手段の側部に達する第1の軸方向部品と、
     前記長手方向軸線に沿って前記流体制御手段の側部まで延びる第2の軸方向部品と、を備え、
     前記第1の軸方向部品又は前記第2の軸方向部品の一方が、他方の軸方向部品の一端を受ける空洞を形成し、前記調節手段が前記空洞に配置され、かつ前記プッシュロッド部材の長さを変更するための、前記軸方向部品の一方に雌ねじを有し、かつ前記軸方向部品の他方に雄ねじを有するねじ込み装置を備える請求項8に記載のターボチャージャ。
  13.  ハウジング手段と、
     前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
     前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
     前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御するための変位可能な流体制御手段と、
     前記流体制御手段のための制御運動を生じさせる作動手段と、
     前記作動手段の前記制御運動を、前記流体制御手段に伝達する伝達手段とを備え、前記伝達部材が、
     第1の端から第2の端に長手方向軸線に沿ってある長さだけ延びる変位可能なプッシュロッド部材であって、長手方向軸線の周りに延びる少なくとも2個の部分的に円周方向の部品を含み、前記少なくとも2個の円周方向部品が、剛性的に相互接続されて空洞を形成するプッシュロッド部材と、
     前記制御運動を変更する調節手段とを有し、前記調節手段が、前記プッシュロッド部材に動作可能に連結されているターボチャージャ。
  14.  前記少なくとも2個の部分的に円周方向部品が、シートメタルから冷間成形プロセスによって形成される請求項13に記載のターボチャージャ。
  15.  前記少なくとも2個の部分的に円周方向部品が、実質的に円筒形の空洞を一緒に形成する請求項13に記載のターボチャージャ。
  16.  前記少なくとも2個の部分的に円周方向部品が、接続要素なしの材料接合により剛性的に相互に接合される請求項13に記載のターボチャージャ。
  17.  接続要素なしの前記材料接合が溶接接合である請求項16に記載のターボチャージャ。
  18.  前記少なくとも2個の円周部品から形成される前記空洞が、前記プッシュロッド部材の前記第1の端及び前記第2の端の一方に配置される請求項13に記載のターボチャージャ。
  19.  前記少なくとも2個の円周方向部品から形成される前記空洞が、前記作動手段により近い端部に配置される請求項18に記載のターボチャージャ。
  20.  前記少なくとも2個の部分的に円周方向部品が、前記空洞を形成する第1の部分と、前記第1の部分に接合し、少なくとも部分的に平坦な、相互係合する接続部分とを備える請求項18に記載のターボチャージャ。
  21.  前記伝達手段が、前記プッシュロッド部材にピボット回転可能に連結されたピボット回転要素を備え、前記接続部分が、前記少なくとも2個の部分的に円周方向部品の上に湾曲した壁部分の少なくとも1つによって画定され前記ピボット回転要素をピボット回転可能に支持するための開口を備える請求項20に記載のターボチャージャ。
  22.  前記上に湾曲した壁部分が部分的に球状である請求項21に記載のターボチャージャ。
  23.  前記接続部分の前記開口が、前記第2の端にある請求項21に記載のターボチャージャ。
  24.  前記平坦な接続部分が、合わせ目として前記第1の空洞形成部分を囲むことにより前記第1端に向かって続く請求項20に記載のターボチャージャ。
  25.  前記プッシュロッド部材が、少なくとも、
     前記作動手段の側部に達する第1の軸方向部品と、
     前記長手方向軸線に沿い、前記流体制御手段の側部まで延びる第2の軸方向部品と、を備え、
     前記第1の軸方向部品又は第2の軸方向部品の一方が、他方の軸方向部品の一端を受ける空洞を形成し、前記調節手段が前記第1の軸方向部品と第2の軸方向部品の移行部に配置され、前記軸方向部品の少なくとも1つが、前記少なくとも2つの円周方向部品から構成される請求項13に記載のターボチャージャ。
  26.  ハウジング手段と、
     前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
     前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
     前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御する変位可能な流体制御手段と、
     前記流体制御手段のための制御運動を生じさせる作動手段と、
     前記作動手段の前記制御運動を、前記流体制御手段に伝達する伝達手段であって、長手方向軸線に沿ってある長さだけ延びる変位可能なプッシュロッド部材を含み、前記プッシュロッド部材が、少なくとも、
     前記作動手段の側部に達する第1の軸方向部分と、
     前記長手方向軸線に沿って前記流体制御手段の側部に延びる第2の軸方向部分と、を含む伝達手段と、
     前記制御運動を変更する調節手段であって、前記プッシュロッド部材に動作可能に連結されており、前記第1の軸方向部品と前記第2の軸方向部品の一方が、取り囲む空洞壁で画定された、他方の軸方向部分の一端をうけるための空洞を形成しており、前記軸方向部品の一方にナットとして形成された雌ねじを、また前記軸方向部品の他方に前記プッシュロッド部材の長さを変えるための雄ねじを有するねじ込み装置を含む調節手段とを備えるターボチャージャ。
  27.  前記ナットが前記空洞内に収容され、前記空洞が、前記長手方向軸線に対して横方向に延び、前記ナットを軸方向に固定するための壁部材を備える請求項26に記載のターボチャージャ。
  28.  前記壁部材が、前記空洞壁内に少なくとも1個の凹部を備える請求項27に記載のターボチャージャ。
  29.  前記凹部が開口を画定する打ち抜きとして形成され、前記ナットが部分的に前記開口内に突き出し、したがって外部から接近可能になっている請求項28に記載のターボチャージャ。
  30.  ハウジング手段と、
     前記ハウジング手段中に流体を供給する供給流路手段と、
     前記ハウジング手段内にあり、前記流体により回転軸線の周りで駆動される少なくとも1個のタービンホイールと、
     前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御する変位可能な流体制御手段と、
     前記流体制御手段のための制御運動を生じさせる作動手段であって、軸線に延びるアクチュエータハウジング手段と、前記アクチュエータハウジング手段内のアクチュエータ要素とを有する作動手段と、
     前記作動手段の前記制御運動を前記流体制御手段に伝達する伝達手段であって、長手方向軸線に沿ってある長さだけ延びる変位可能なプッシュロッド部材を含み、前記プッシュロッド部材が、前記アクチュエータハウジング手段の内部から実質的に前記軸線の沿って延びる伝達手段と、
     前記制御運動を変更する調節手段であって、前記プッシュロッド部材に動作可能に連結されている調節手段とを備えるターボチャージャ。
  31.  前記流体制御手段が、前記タービンホイールに供給されるガスの量を制御する変位要素と、前記アクチュエータ要素から前記変位要素に延びる前記プッシュロッド手段とを備えている請求項30に記載のターボチャージャ。
  32.  前記アクチュエータハウジング手段が、流体圧力を供給する少なくとも1つの連結部を備え、アクチュエータ要素が、前記流体圧力に対して感度の高い膜を備える請求項30に記載のターボチャージャ。


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