JP2004131758A - 高熱伝導率複合材および高熱伝導率複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも格段に熱伝導率の高い材料と製造方法を提供し、この高熱伝導複合材を配設した部品の熱放散性を向上させる。
【解決手段】金属材料中に複数のカーボンナノチューブを配向させるとともに、配向方向に直交する所定の二平面で区切られる両端間の一端から他端までこれらのカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有してなる高熱伝導複合材を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】金属材料中に複数のカーボンナノチューブを配向させるとともに、配向方向に直交する所定の二平面で区切られる両端間の一端から他端までこれらのカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有してなる高熱伝導複合材を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高熱伝導率複合材及びその製造方法に関し、特に、電気回路保護用の散熱板、熱交換器やヒートポンプ等の熱的機械、あるいは、車両用ブレーキやホイール等の熱放散性の要求か高い部品に用いられる高熱伝導率複合材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換、熱伝達の現象を伴う熱的機械又は散熱用の汎用熱伝導材としては、主に鋳鉄、ステンレス鋼、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、ニッケル及びニッケル合金、チタン及びチタン合金、ジルコニウム合金等が使用されていて、特に、高熱伝導率が要求される熱交換器等の熱的機械には、常温から高温までの温度範囲にわたって熱伝導率が最も高い銅やアルミニウム等が使用されている。(例えば、非特許文献1参照)
【0003】
しかし、昨今の省エネルギーに対する要望の高まりの中、より高い熱伝導率あるいは熱効率を有する熱的機械が求められており、銅やアルミニウム等に比べて、より高い熱伝導率を有する汎用熱伝導材を開発する必要がある。また、車両用ブレーキやホイール等の部品においては、ブレーキの性能を向上させあるいは高速走行下でのタイヤの温度上昇を抑制してタイヤの耐久性を確保するため、これらの部品におけるのさらなる放熱性の改良が望まれている。
【0004】
【非特許文献1】
落合安太郎著、「熱交換器」、日刊工業新聞社、昭和41年6月、p.73−75
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、銅やアルミニウム等に対比しても格段に高い熱伝導率を有する材料およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0007】
請求項1に記載の高熱伝導複合材は、金属材料中に複数のカーボンナノチューブを配向させるとともに、配向方向に直交する所定の二平面で区切られる両端間の一端から他端までこれらのカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有してなるものである。
【0008】
カーボンナノチューブ単体の熱伝導率はその測定方法がまだ見つかっていないため明らかではないが、熱伝導率が極めて高いことがその結晶構造から理論的に推定されている。本発明の高熱伝導複合材は、金属材料中に配向したカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有しているので、対象の部品に、連続体の一方の端が高温側に接続され他方の端が低温側に接続されるよう高熱伝導複合材を配設することにより、この部品の熱放散性を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の高熱伝導複合材は、請求項1に記載するところにおいて、金属材料とカーボンナノチューブとの混合割合が、金属材料100重量部に対してカーボンナノチューブ0.1〜5重量部であるものである。
【0010】
この高熱伝導複合材に、従来知られている高熱伝導率材料であるアルミニウムより格段に高い熱伝導率、たとえば、約240W/mK以上の熱伝導率を付与するためには、金属材料100重量部に対してカーボンナノチューブ0.1重量部以上含ませる必要がある。しかし、これが5重量部を越えると、カーボンナノチューブが十分分散せず、カーボンナノチューブの固結部分や空気巻き込みによる空洞部分が発生し好ましくない。
【0011】
請求項3に記載の高熱伝導複合材は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、前記金属材料はAl、Cu、Mgからなる群から選ばれた金属又は前記群から選ばれた金属を含む合金の一種類又は二種類以上よりなるものである。
【0012】
前記金属材料も高熱伝導複合材の熱伝導に少なからず寄与するので、この金属材料の熱伝導率も高いことが好ましい。本発明の高熱伝導複合材は、前記金属材料にAl、Cu、Mgのいずれかを含んでいるので、高熱伝導複合材に高い熱伝導率を与えることができる。さらに、これらの金属は、融点が低いのでカーボンナノチューブを分散させる溶融体を低温で形成することができ、また、柔らかく延性が高いので加工性に富んでいて、これらの点でも製造上好ましい。
【0013】
請求項4に記載の高熱伝導率複合材の製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の高熱伝導率複合材の製造方法であって、溶融した前記金属材料中にカーボンナノチューブが分散された溶融体を流動させ、溶融体の流動過程でこれを冷却して固化させることによりカーボンナノチューブを配向させるものである。
【0014】
本発明の高熱伝導率複合材の製造方法は、前記流動過程で溶融体を冷却して固化させるので、カーボンナノチューブを容易に配向させることができるとともにこれを配向させたあとこの配向が崩れるの防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図4に基づいて説明する。図1は、この実施形態の高熱伝導率複合材よりなる棒状部材1を示す略線斜視図である。図2は、カーボンナノチューブ2同士が接触する部分を示す略線側面図である。
【0016】
高熱伝導率複合材よりなる棒状部材1には、アルミニウム母材4中にその軸線方向に沿って配向された多数のカーボンナノチューブ2を有し、これらのカーボンナノチューブは互いに繋がって、棒状部材1の端面6A、6Bの両方に開口するとともに一方の端面6Aから他方の端面6Bまで連続して延在する多数のカーボンナノチューブ連続体3を形成する。互いに隣接するカーボンナノチューブ2は、例えば図2に示すように、L1、L2もしくはL3で外周面同士を接触させているので高熱伝導率の物質を直列に接続した熱伝達経路を構成することができる。
【0017】
ここで、棒状部材1の太さは0.1mm〜2.0mm程度であり、その長さは必要に応じて自由に選択することができる。また、これに用いるカーボンナノチューブのサイズは、長さが100〜20000nm、直径が20〜300nm程度である。母材としては、アルミニウムの他、銅やマグネシウムなどを用いることができる。本実施の形態においては、カーボンナノチューブの混合割合は、アルミニウム100重量部に対して0.1〜5重量部としていて、その結果得られる熱伝導率は300〜12000W/mKでありこれは通常のアルミニウムの熱伝導率240W/mKに対して最高で50倍高いものとすることができる。
【0018】
図3は、この実施形態の高熱伝導率複合材よりなる曲り棒状の部材11を示す略線斜視図である。この部材11は曲線に沿って延在するが、棒状部材1と同様、アルミニウム母材4中にその延在方向に沿って配向された多数のカーボンナノチューブ2を有し、これらのカーボンナノチューブ2は互いに繋がって、曲り棒状の部材11の端面16A、16Bの両方に開口するとともに一方の端面16Aから他方の端面16Bまで連続して延在する多数のカーボンナノチューブ連続体13を形成する。
【0019】
図1に示される高熱伝導率複合材よりなる部材1を製造する方法について、図4を参照して説明する。容器25の中に、溶融したアルミニウムの中にカーボンナノチューブ2を混合分散させた溶融体21を準備するが、この状態ではカーボンナノチューブ2は配向していない。次いで、容器25の出口に設けたバルブ26を開け、この溶融体21を所定の流速でこの容器25から流出させる。
【0020】
流出した溶融体21は、図において反時計回りに回転する冷却ドラム27に設けられた溝28に注入される。このとき、溶融体21の流出する流速より冷却ドラム27の周速を速く設定してあり、溶融体21は冷却ドラム27の溝28によって引き出されるので、その引き出しによってカーボンナノチューブ2をその流れの方向に配向させることができる。そして、この溶融体21は冷却ドラム27の溝から排出される前に、冷却ドラム27の冷却作用によって半固化状態となり、この半固化状態ではカーボンナノチューブ2の配向が元に戻ることはない。固定された固化体23となる。冷却ドラム27から排出されたあとさらに冷却され固化された固化体23は、圧延ロール29によって断面形状を円形に成形されたのちカッタ30で所定の長さに切断されて、棒状部材1が形成されることになる。
【0021】
以上の製造方法において、溶融体21が流動する過程で、カーボンナノチューブ2はその流動の方向に配列される。ここで、溶融体21の流出速度より冷却ドラム27の周速を速くすることによって、カーボンナノチューブ2を配向させることができるとともに部材1を連続的に形成することができる。
【0022】
また、曲り棒状の部材11を製造するには、円筒状の鋳型28の代りに、部材11に対応する曲率半径を有する曲り円筒状の鋳型中を溶融体21を注入してこの中を流動する溶融体21を冷却させることにより形成することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明の高熱伝導複合材は、金属材料中に配向したカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有しているので、対象の部品に、連続体の一方の端が高温側に接続され他方の端が低温側に接続されるよう高熱伝導複合材を配設することにより、この部品の熱放散性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の高熱伝導率複合材よりなる棒状部材を示す略線斜視図である。
【図2】カーボンナノチューブ同士が接触する部分を示す略線側面図である。
【図3】本発明の実施形態の高熱伝導率複合材よりなる曲り棒状の部材を示す略線斜視図である。
【図4】高熱伝導率複合材よりなる部材を製造する方法を説明するフロー図である。
【符号の説明】
1 棒状部材
2 カーボンナノチューブ
3、13 カーボンナノチューブ連続体3
4 アルミニウム母材
6A、6B 棒状部材の端面
11 曲り棒状部材
16A、16B 曲り棒状の部材の端面
21 溶融体
23 固化体
25 容器
26 バルブ
27 冷却ドラム
28 溝
29 圧延ロール
31 カッタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、高熱伝導率複合材及びその製造方法に関し、特に、電気回路保護用の散熱板、熱交換器やヒートポンプ等の熱的機械、あるいは、車両用ブレーキやホイール等の熱放散性の要求か高い部品に用いられる高熱伝導率複合材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換、熱伝達の現象を伴う熱的機械又は散熱用の汎用熱伝導材としては、主に鋳鉄、ステンレス鋼、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、ニッケル及びニッケル合金、チタン及びチタン合金、ジルコニウム合金等が使用されていて、特に、高熱伝導率が要求される熱交換器等の熱的機械には、常温から高温までの温度範囲にわたって熱伝導率が最も高い銅やアルミニウム等が使用されている。(例えば、非特許文献1参照)
【0003】
しかし、昨今の省エネルギーに対する要望の高まりの中、より高い熱伝導率あるいは熱効率を有する熱的機械が求められており、銅やアルミニウム等に比べて、より高い熱伝導率を有する汎用熱伝導材を開発する必要がある。また、車両用ブレーキやホイール等の部品においては、ブレーキの性能を向上させあるいは高速走行下でのタイヤの温度上昇を抑制してタイヤの耐久性を確保するため、これらの部品におけるのさらなる放熱性の改良が望まれている。
【0004】
【非特許文献1】
落合安太郎著、「熱交換器」、日刊工業新聞社、昭和41年6月、p.73−75
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、銅やアルミニウム等に対比しても格段に高い熱伝導率を有する材料およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0007】
請求項1に記載の高熱伝導複合材は、金属材料中に複数のカーボンナノチューブを配向させるとともに、配向方向に直交する所定の二平面で区切られる両端間の一端から他端までこれらのカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有してなるものである。
【0008】
カーボンナノチューブ単体の熱伝導率はその測定方法がまだ見つかっていないため明らかではないが、熱伝導率が極めて高いことがその結晶構造から理論的に推定されている。本発明の高熱伝導複合材は、金属材料中に配向したカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有しているので、対象の部品に、連続体の一方の端が高温側に接続され他方の端が低温側に接続されるよう高熱伝導複合材を配設することにより、この部品の熱放散性を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の高熱伝導複合材は、請求項1に記載するところにおいて、金属材料とカーボンナノチューブとの混合割合が、金属材料100重量部に対してカーボンナノチューブ0.1〜5重量部であるものである。
【0010】
この高熱伝導複合材に、従来知られている高熱伝導率材料であるアルミニウムより格段に高い熱伝導率、たとえば、約240W/mK以上の熱伝導率を付与するためには、金属材料100重量部に対してカーボンナノチューブ0.1重量部以上含ませる必要がある。しかし、これが5重量部を越えると、カーボンナノチューブが十分分散せず、カーボンナノチューブの固結部分や空気巻き込みによる空洞部分が発生し好ましくない。
【0011】
請求項3に記載の高熱伝導複合材は、請求項1もしくは2に記載するところにおいて、前記金属材料はAl、Cu、Mgからなる群から選ばれた金属又は前記群から選ばれた金属を含む合金の一種類又は二種類以上よりなるものである。
【0012】
前記金属材料も高熱伝導複合材の熱伝導に少なからず寄与するので、この金属材料の熱伝導率も高いことが好ましい。本発明の高熱伝導複合材は、前記金属材料にAl、Cu、Mgのいずれかを含んでいるので、高熱伝導複合材に高い熱伝導率を与えることができる。さらに、これらの金属は、融点が低いのでカーボンナノチューブを分散させる溶融体を低温で形成することができ、また、柔らかく延性が高いので加工性に富んでいて、これらの点でも製造上好ましい。
【0013】
請求項4に記載の高熱伝導率複合材の製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の高熱伝導率複合材の製造方法であって、溶融した前記金属材料中にカーボンナノチューブが分散された溶融体を流動させ、溶融体の流動過程でこれを冷却して固化させることによりカーボンナノチューブを配向させるものである。
【0014】
本発明の高熱伝導率複合材の製造方法は、前記流動過程で溶融体を冷却して固化させるので、カーボンナノチューブを容易に配向させることができるとともにこれを配向させたあとこの配向が崩れるの防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図4に基づいて説明する。図1は、この実施形態の高熱伝導率複合材よりなる棒状部材1を示す略線斜視図である。図2は、カーボンナノチューブ2同士が接触する部分を示す略線側面図である。
【0016】
高熱伝導率複合材よりなる棒状部材1には、アルミニウム母材4中にその軸線方向に沿って配向された多数のカーボンナノチューブ2を有し、これらのカーボンナノチューブは互いに繋がって、棒状部材1の端面6A、6Bの両方に開口するとともに一方の端面6Aから他方の端面6Bまで連続して延在する多数のカーボンナノチューブ連続体3を形成する。互いに隣接するカーボンナノチューブ2は、例えば図2に示すように、L1、L2もしくはL3で外周面同士を接触させているので高熱伝導率の物質を直列に接続した熱伝達経路を構成することができる。
【0017】
ここで、棒状部材1の太さは0.1mm〜2.0mm程度であり、その長さは必要に応じて自由に選択することができる。また、これに用いるカーボンナノチューブのサイズは、長さが100〜20000nm、直径が20〜300nm程度である。母材としては、アルミニウムの他、銅やマグネシウムなどを用いることができる。本実施の形態においては、カーボンナノチューブの混合割合は、アルミニウム100重量部に対して0.1〜5重量部としていて、その結果得られる熱伝導率は300〜12000W/mKでありこれは通常のアルミニウムの熱伝導率240W/mKに対して最高で50倍高いものとすることができる。
【0018】
図3は、この実施形態の高熱伝導率複合材よりなる曲り棒状の部材11を示す略線斜視図である。この部材11は曲線に沿って延在するが、棒状部材1と同様、アルミニウム母材4中にその延在方向に沿って配向された多数のカーボンナノチューブ2を有し、これらのカーボンナノチューブ2は互いに繋がって、曲り棒状の部材11の端面16A、16Bの両方に開口するとともに一方の端面16Aから他方の端面16Bまで連続して延在する多数のカーボンナノチューブ連続体13を形成する。
【0019】
図1に示される高熱伝導率複合材よりなる部材1を製造する方法について、図4を参照して説明する。容器25の中に、溶融したアルミニウムの中にカーボンナノチューブ2を混合分散させた溶融体21を準備するが、この状態ではカーボンナノチューブ2は配向していない。次いで、容器25の出口に設けたバルブ26を開け、この溶融体21を所定の流速でこの容器25から流出させる。
【0020】
流出した溶融体21は、図において反時計回りに回転する冷却ドラム27に設けられた溝28に注入される。このとき、溶融体21の流出する流速より冷却ドラム27の周速を速く設定してあり、溶融体21は冷却ドラム27の溝28によって引き出されるので、その引き出しによってカーボンナノチューブ2をその流れの方向に配向させることができる。そして、この溶融体21は冷却ドラム27の溝から排出される前に、冷却ドラム27の冷却作用によって半固化状態となり、この半固化状態ではカーボンナノチューブ2の配向が元に戻ることはない。固定された固化体23となる。冷却ドラム27から排出されたあとさらに冷却され固化された固化体23は、圧延ロール29によって断面形状を円形に成形されたのちカッタ30で所定の長さに切断されて、棒状部材1が形成されることになる。
【0021】
以上の製造方法において、溶融体21が流動する過程で、カーボンナノチューブ2はその流動の方向に配列される。ここで、溶融体21の流出速度より冷却ドラム27の周速を速くすることによって、カーボンナノチューブ2を配向させることができるとともに部材1を連続的に形成することができる。
【0022】
また、曲り棒状の部材11を製造するには、円筒状の鋳型28の代りに、部材11に対応する曲率半径を有する曲り円筒状の鋳型中を溶融体21を注入してこの中を流動する溶融体21を冷却させることにより形成することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明の高熱伝導複合材は、金属材料中に配向したカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有しているので、対象の部品に、連続体の一方の端が高温側に接続され他方の端が低温側に接続されるよう高熱伝導複合材を配設することにより、この部品の熱放散性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の高熱伝導率複合材よりなる棒状部材を示す略線斜視図である。
【図2】カーボンナノチューブ同士が接触する部分を示す略線側面図である。
【図3】本発明の実施形態の高熱伝導率複合材よりなる曲り棒状の部材を示す略線斜視図である。
【図4】高熱伝導率複合材よりなる部材を製造する方法を説明するフロー図である。
【符号の説明】
1 棒状部材
2 カーボンナノチューブ
3、13 カーボンナノチューブ連続体3
4 アルミニウム母材
6A、6B 棒状部材の端面
11 曲り棒状部材
16A、16B 曲り棒状の部材の端面
21 溶融体
23 固化体
25 容器
26 バルブ
27 冷却ドラム
28 溝
29 圧延ロール
31 カッタ
Claims (4)
- 金属材料中に複数のカーボンナノチューブを配向させるとともに、配向方向に直交する所定の二平面で区切られる両端間の一端から他端までこれらのカーボンナノチューブが互いに接触し合って繋がったカーボンナノチューブ連続体を有してなる高熱伝導複合材。
- 金属材料とカーボンナノチューブとの混合割合が、金属材料100重量部に対してカーボンナノチューブ0.1〜5重量部である請求項1に記載の高熱伝導複合材。
- 前記金属材料はAl、Cu、Mgからなる群から選ばれた金属又は前記群から選ばれた金属を含む合金の一種類又は二種類以上よりなる請求項1もしくは2に記載の高熱伝導複合材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高熱伝導率複合材の製造方法であって、溶融した前記金属材料中にカーボンナノチューブが分散された溶融体を流動させ、溶融体の流動過程でこれを冷却して固化させることによりカーボンナノチューブを配向させる高熱伝導率複合材の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002295042A JP2004131758A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 高熱伝導率複合材および高熱伝導率複合材の製造方法 |
EP03799132A EP1548057A4 (en) | 2002-09-30 | 2003-09-25 | CARBON-ORIENTED NANOTUBE COMPOSITE, PROCESS FOR PRODUCTION OF ORIENTED CARBON NANOTUBE COMPOSITE AND PRODUCT USING CARBON NANOTUBE COMPOSITE ORIENTED, PNEUMATIC, VEHICLE WHEEL, WHEEL AND PNEUMATIC ASSEMBLY, AND DISC BRAKE |
AU2003266625A AU2003266625A1 (en) | 2002-09-30 | 2003-09-25 | Orientated carbon nanotube composite, process for producing orientated carbon nanotube composite, and, produced using orientated carbon nanotube composite, pneumatic tire, wheel for vehicle, tire wheel assembly and disk brake |
PCT/JP2003/012267 WO2004031289A1 (ja) | 2002-09-30 | 2003-09-25 | カーボンナノチューブ配向複合体,カーボンナノチューブ配向複合体の製造方法,および,カーボンナノチューブ配向複合体を用いた空気入りタイヤ,車両用ホイール,タイヤホイール組立体,ならびにディスクブレーキ |
US10/529,549 US20060061011A1 (en) | 2002-09-30 | 2003-09-25 | Orientated carbon nanotube composite, process for producing orientated carbon nanotube, and, produced using orientated carbon nanotube composite, pneumatic tire, wheel for vehicle, tire wheel assembly and disk brake |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002295042A JP2004131758A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 高熱伝導率複合材および高熱伝導率複合材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004131758A true JP2004131758A (ja) | 2004-04-30 |
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JP2002295042A Pending JP2004131758A (ja) | 2002-09-30 | 2002-10-08 | 高熱伝導率複合材および高熱伝導率複合材の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004131758A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7311135B1 (en) | 2005-05-27 | 2007-12-25 | Nissei Plastic Industrial Co., Ltd. | Process for manufacturing a nanocarbon-metal composite material |
JP2008277077A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Yyl:Kk | Cntを用いた低抵抗素線及びその製造方法 |
JP2016012450A (ja) * | 2014-06-27 | 2016-01-21 | Tdk株式会社 | 導電線 |
JP2018133163A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 矢崎総業株式会社 | 電線及びこれを用いたワイヤーハーネス |
-
2002
- 2002-10-08 JP JP2002295042A patent/JP2004131758A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7311135B1 (en) | 2005-05-27 | 2007-12-25 | Nissei Plastic Industrial Co., Ltd. | Process for manufacturing a nanocarbon-metal composite material |
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