【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、新規にして有用なる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関し、この樹脂組成物からなる塗装剤を成形品に塗装せしめた後、活性エネルギー線を照射して化学架橋を引き起こす事により、耐磨耗性および耐薬品性を向上させる事ができ、しかも、貯蔵安定性に優れる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形品表面に保護層を形成する方法としては、大きく2つに分けられる。1つは活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる塗装剤をスプレーコートするか、もしくはカーテンコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の印刷機器を用いて成形品にトップコートとして塗装せしめた後、活性エネルギー線を照射してトップコートを架橋する方法であり、もう1つは、離型性を有する基体シート上に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が塗装された転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する事により成型品表面にトップコートを転写し、次いで活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作成する転写法である。
【0003】
特に、転写法については、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いて、耐摩耗性および耐薬品性に優れた保護層を形成する事が検討されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このような活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有するポリマーと多官能イソシアネートとを使用直前に配合する2液硬化型の塗装剤である。従って、塗装剤の安定性は悪く、使用時間が長時間になった場合や塗装作業を中断した場合、残った塗装剤の粘度が上昇してしまい最初に比べて塗膜厚の変動を引き起こしたり、塗装剤中にゲル物を生成してしまい使用不可能に至ってしまうという欠点を有する。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−058895号公報(第2〜5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性および耐薬品性に優れ、かつ転写時に成型品曲面部においてクラックを生じない保護層を成形品の上に形成することが可能な貯蔵安定性に優れた1液型の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上述した如き課題に照準を合わせて、鋭意検討を行った結果、以下の知見(1)〜(2)を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)水酸基価40〜300mgKOH/gの(メタ)アクリレート系重合体(A)と、重量平均分子量300〜10,000のブロックポリイソシアネート(B)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、1液型で貯蔵安定性に優れた樹脂組成物であること。
(2)前記樹脂組成物を加熱硬化した際、ブロックポリイソシアネート(B)は活性なイソシアネート基を生成し、かつ、(メタ)アクリレート系重合体(A)が有する水酸基とウレタン化反応を引き起こすため、硬化させて得られる硬化物は、ウレタン結合を有するため、前記特許文献1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を加熱硬化後、活性エネルギー線硬化させて得られる硬化物と類似構造の耐摩耗性および耐薬品性に優れ、かつ転写時に成形品曲面部においてクラックを生じない保護層を成形品の上に形成することが可能な硬化物となること。
【0008】
即ち、本発明は、水酸基価40〜300mgKOH/gの(メタ)アクリレート系重合体(A)と、重量平均分子量300〜10,000のブロックポリイソシアネート(B)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(メタ)アクリレート系重合体(A)は、水酸基価が40〜300mgKOH/gの(メタ)アクリレート系重合体であれば良く、特に限定されないが、より好ましくは水酸基価が50〜285mgKOH/gの重合体である。水酸基価が40mgKOH/g未満の重合体の場合、ブロックポリイソシアネート(B)から生成される活性なイソシアネート基との反応によって得られる化学架橋が不充分となり、転写材表面の保護層に粘着性が残存するため好ましくない。この転写材表面の保護層に粘着性が残存すると、保護層を塗工した転写材を加熱乾燥した後、巻き取って保管する際に、転写材同士の密着を引き起こし、巻き戻して使用する際に保護層が基体シートから剥離してしまう等の問題を引き起こしてしまい取り扱いが難しくなるなどの不利がある。また、300mgKOH/gを越える水酸基価の重合体は得るのが難しい。更に、活性エネルギー線照射時の硬化性の点から、(メタ)アクリレート系重合体(A)は、(メタ)アクリロイル当量が200〜800g/eqである事が好ましく、200〜600g/eqであることが特に好ましい。また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を保護層に用いた場合に保護層表面の粘着性をなくし、かつ、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなる塗料を転写材の保護層上へ塗布する際の作業性を確保できることから、(メタ)アクリレート系重合体(A)の重量平均分子量は5,000〜50,000であることが好ましく、6,000〜40,000であることが特に好ましい。
【0010】
前記(メタ)アクリレート系重合体(A)は、各種の方法により製造することができる。例えば、▲1▼2個以上のカルボキシル基を含有する重合体にエポキシ基を含有するα,β−不飽和単量体を付加反応させる方法、▲2▼2個以上のエポキシ基を含有する重合体にα,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法、▲3▼前記▲1▼または▲2▼の方法で得られた重合体に、(メタ)アクリロイル基と1個のイソシアネート基を有する化合物(C)を反応させる方法等が挙げられ、なかでも前記▲1▼、▲2▼の方法が好ましく、前記▲2▼方法が特に好ましい。
【0011】
前記(メタ)アクリロイル基と1個のイソシアネート基を有する化合物(C)としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート〔カレンズMOI、昭和電工(株)製〕等に代表される(メタ)アクリレート化合物が適するが、該化合物(C)を主成分として含有する工業的に入手可能なものを該化合物(C)として用いることもできる。この工業的に入手可能なものとしては、例えば、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレート化合物をポリイソシアネート中のイソシアネート基を1個残存させる設計で製造する事により得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0012】
いずれにしろ、前記▲1▼〜▲3▼等の製造方法を採用する際、(メタ)アクリレート系重合体(A)の水酸基価が前記数値限定範囲を満足するよう、使用単量体や重合体の種類、使用量などの条件設定を適宜に実施する必要がある。
【0013】
前記(メタ)アクリレート系重合体(A)として好ましいものとしては、例えば、ポリグリシジル(メタ)アクリレート系重合体と(メタ)アクリロイル基を有するモノカルボン酸とを付加反応させて得られる重合体(A1)が挙げられる。
【0014】
前記ポリグリシジル(メタ)アクリレート系重合体としては、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、または、グリシジル(メタ)アクリレートと共重合可能なカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体との共重合体が挙げられる。このカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体としては、各種の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが例示できる。カルボキシル基を含有するα,β−不飽和単量体を用いると、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合反応時に架橋が生じ、高粘度化やゲル化するため、好ましくない。
【0015】
本発明で用いるブロックポリイソシアネート(B)は、末端にブロック剤でブロックされたイソシアネート基を有し、加熱によりブロック剤が解離し、活性なイソシアネート基が生成する事により反応性を発現するポリイソシアネート類を指し、重量平均分子量が300〜10,000のブロックポリイソシアネートであればいずれも使用可能であるが、さらに好ましくは重量平均分子量が600〜4,000のブロックポリイソシアネートである。ブロックポリイソシアネートの重量平均分子量が300未満の場合は得る事が困難であり、また、ブロックポリイソシアネートの重量平均分子量が10,000を越える場合は本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなる塗料が高粘度化し、転写材の保護層上へ塗布する際の作業性を低下させることから好ましくない。
【0016】
前記ブロックポリイソシアネート(B)としては、例えば、ポリイソシアネート(b1)とブロック剤(b2)からなるものが挙げられる。ポリイソシアネート(b1)としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上含んでなる化合物が好ましく、例えば、脂肪族系ジイソシアネ−ト化合物、芳香族系ジイソシアネ−ト化合物、これらジイソシアネ−ト化合物のイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレットジオン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネート、さらには、これらジイソシアネ−ト化合物とポリオール化合物との反応生成物であるアダクト型ポリイソシアネート等が挙げられ、これらは各々単独あるいは混合物で用いることができる。なかでも、ブロックポリイソシアネート(B)の潜在イソシアネート基含有率を高く設計できることから、イソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましく、なかでもヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートが特に好ましい。また、転写時に成形品曲面部においてクラックを生じない保護層を成形品の上に形成し、かつ、エネルギー線照射後の硬化塗膜の耐摩耗性を良好できることから、樹脂骨格にアルキレン炭化水素鎖を有し、硬化塗膜にある程度の柔軟性を発現するヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートが特に好ましい。
【0017】
なお、前記脂肪族系ジイソシアネート化合物とは鎖状炭素原子に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物、および、環状飽和炭化水素の炭素原子に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物を意味し、芳香族系ジイソシアネート化合物とは芳香環の炭素原子に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物を意味する。また、前記潜在イソシアネート含有率とは、ブロックポリイソシアネートのブロックされたイソシアネート基のブロック剤の全てが加熱により解離した際に生成される活性なイソシアネート基のブロックポリイソシアネート1分子当たりの含有率を意味ずる。
【0018】
前記脂肪族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、m−もしくはp−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0019】
芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−もしくは1,6−フェニレンジイソシアネートの如きジイソシアネートモノマー類等が挙げられる。
【0020】
前記ブロック剤(b2)としては、例えば、ケトオキシム誘導体、ラクタム誘導体、フェノール誘導体、活性メチレン誘導体、アルコール誘導体、メルカプタン誘導体、酸アミド誘導体、イミド誘導体、イミダゾール誘導体、尿素誘導体、カルバミン酸誘導体等の活性水素化合物が挙げられる。
【0021】
ケトオキシム誘導体としては、例えば、メチルエチルケトンオキシム、ブタノンオキシム、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、メチルアミルケトンオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンキシム、メチルヘキサノンオキシム等が挙げられる。
【0022】
ラクタム誘導体としては、例えば、ε−カプロラクタム、σ−カプロラクタム、β−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等が挙げられる。
フェノール誘導体としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、チモール、p−ニトルフェノール、p−ナフトール、p−クロロフェノール、p−tert−オクチルフェノール等が挙げられる。
【0023】
活性メチレン誘導体としては、例えば、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、マロン酸ジメチル、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルメタクリレート、アセト酢酸エチルアクリレート等が挙げられる。
アルコール誘導体としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
【0024】
メルカプタン誘導体としては、例えば、ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオフェノール等が挙げられる。
酸アミド誘導体としては、例えば、アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、アクリルアミド、ベンズアミド、N−エチルアセトアミド等が挙げられる。
【0025】
イミド誘導体としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等。
イミダゾール誘導体としては、例えば、2−フェニルイミダゾリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール等が挙げられる。
尿素誘導体としては、例えば、:尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジフェニル尿素等が挙げられる。
カルバミン酸誘導体としては、例えば、:N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等が挙げられる。
【0026】
ブロックポリイソシアネート(B)は、加熱によりブロック剤が解離し、活性なイソシアネート基が生成するものであるが、ブロック剤を解離するための温度を低くし、加熱時間を短くする方が、転写材の生産性を高くし、かつ、エネルギーコストを低減できることから好ましい。こういった効果を発揮するためには、前記ブロック剤(b2)の中でも、低温加熱によりブロック剤が解離し、活性なイソシアネート基が生成する活性メチレン誘導体類が特に好ましい。
【0027】
ブロックポリイソシアネート(B)は、ポリイソシアネート(b1)中のイソシアネート基をブロック剤(b2)の活性水素と反応させてイソシアネート基をブロックする事により得られる。その際、ブロックポリイソシアネート(B)中に活性なイソシアネート基を残存させることなく、かつ、未反応のブロック剤を多量に含有させないため、ブロック剤(b2)の活性水素をポリイソシアネート(b2)中のイソシアネート基に対して、[H(活性水素)]/[NCO]当量比が1.0〜2.0となるように配合することが好ましく、1.0〜1.25となるように配合することが特に好ましい。
【0028】
ブロックポリイソシアネート(B)を得るに当たっては、例えば、通常のウレタン化反応の反応条件、すなわち20〜150℃、好ましくは40〜120℃で反応させればよい。この反応は、窒素雰囲気下でも乾燥空気雰囲気化でもよい。
【0029】
前記ウレタン化反応にあたっては、反応を促進するため、ジブチル錫ジアセテートやジブチル錫ジラウレート等に代表される通常の有機錫系触媒、トリエチルアミン等の3級アミン化合物、ナトリウムメトキシド等を使用しても良い。
【0030】
また、前記ウレタン化反応は、無溶剤下で行う事も可能であるが、イソシアネート基と反応する活性水素基を有しない有機溶剤を単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。具体的な例として、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等が挙げられる。
【0031】
(メタ)アクリレート系重合体(A)とブロックポリイソシアネート(B)の重量比(A)/(B)は、ウレタン樹脂の特徴である靱性効果を充分に発現し、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなる保護層を有する転写材を巻き取った際や成形品への転写時に塗膜のクラック発生や粘着性を抑え、かつ、紫外線を照射して硬化させた塗膜の耐摩耗性を充分に良好とするために、99/1〜50/50以上であることが好ましく、97/3〜70/30であることがさらに好ましい。
【0032】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリレート系重合体(A)およびブロックポリイソシアネート(B)以外に、必要に応じて反応性希釈剤、硬化触媒、有機溶剤、着色剤などを含有することができる。また、活性エネルギー線照射に際して電子線を用いる場合には、光重合開始剤を用いることなく充分な効果を発揮することができるが、紫外線を用いる場合には、公知各種の光重合開始剤を添加する必要がある。また、保護層は、着色したものでも、未着色のものでもよい。
【0033】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させても良い反応性希釈剤としては、硬化させた塗膜の耐摩耗性を悪くしないために、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、なかでもトリイソシアヌル酸トリアクリレートやペンタエリスリトールテトラアクリレート等の室温25℃で結晶化し流動性のない多官能(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
【0034】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有させても良い硬化触媒としては、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、3級アミン化合物および4級アンモニウム化合物の内の少なくとも一種から構成されるものが挙げられ、通常樹脂固形分100重量部に対して、0.1〜10重量部含有される。
【0035】
以下に、前記硬化触媒の具体例を挙げる。
有機錫化合物:モノブチル錫トリオクチル酸塩、モノオクチル錫トリ酢酸塩、モノオクチル錫トリオクチル酸塩、モノオクチル錫トリラウリン酸塩、インルプピオ、モノオクチル錫トリ安息香酸塩、モノラウリル錫トリオクチル酸塩、モノフェニル錫トリオクチル酸塩、モノブチル錫ジオクチル酸塩・モノハイドロオキサイド、モノオクチル錫ジ酢酸塩・モノハイドロオキサイド、モノラウリル錫ビスメトキシ安息香酸塩・モノハイドロオキサイド、モノオクチル錫モノ酢酸塩・ジクロライド、モノフェニル錫ジ安息香酸塩・モノクロライド、モノフェニル錫ジ安息香酸塩・オキサイド(+)、ジブチル錫ジ酢酸塩、ジブチル錫ジカプロン酸塩、ジブチル錫ジラウリン酸塩、ジオクチル錫ジ酢酸塩、ジオクチル錫ジオクチル酸塩、ジオクチル錫ジラウリン酸塩、オクチル錫ジ安息香酸塩、ジオクチル錫ビスメトキシ安息香酸塩、ジラウリル錫ジラウリン酸塩、ジラウリル錫ジオクチル酸塩、ビス(ジブチル錫モノ酢酸塩)オキサイド、ビス(ジオクチル錫モノ酢酸塩)オキサイド、ビス(ジメチル錫モノアセト酢酸塩)サルファイド、ビス(ジブチル錫モノラウリン酸塩)サルファイド、ビス(ジブチル錫モノ酢酸塩)アジピン酸塩、ビス(ジオクチル錫モノ酢酸塩)マレイン酸塩、ビス(ジブチル錫モノアセト酢酸塩)フタル酸塩、ビス(ジラウリル錫モノ安息香酸塩)フタル酸塩、(ジオクチル錫モノ酢酸塩)チオジプロピオン酸塩等。
【0036】
有機亜鉛化合物:亜鉛ジ酢酸塩、亜鉛ジオクチル酸塩、亜鉛ジラウリン酸塩、亜鉛ジミリスチン酸塩、亜鉛ビスアセト酢酸塩、亜鉛ジ安息香酸塩、ビス(亜鉛モノ酢酸塩)オキサイド、ビス(亜鉛モノオクチル酸塩)オキサイド、ビス(亜鉛モノラウリン酸塩)オキサイド、亜鉛ジアセチルベンゾイルメタン、亜鉛ラウロイル・ベンゾイルメタン等。
【0037】
3級アミン化合物:トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等。
【0038】
4級アンモニウム化合物:2−ヒドロキシエチル・トリn−ブチルアンモニウム・2,2−ジメチルプロピオネート、2−ヒドロキシエチル・トリn−ブチルアンモニウム・2,2−ジメチルブタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−ブチルアンモニウム・2,2−ジメチルプロピオネート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−ブチルアンモニウム・2,2−ジメチルブタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−ブチルアンモニウム・2,2−ジメチルペンタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−ブチルアンモニウム・2−エチル2−メチルプロピオネート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−ブチルアンモニウム・2−エチル2−メチルブタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−ブチルアンモニウム・2−エチル2−メチルペンタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−オクチルアンモニウム・2,2−ジメチルプロピオネート、2−ヒドロキシプロピル・トリn−オクチルアンモニウム・2,2−ジメチルブタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリアミルアンモニウム・2,2−ジメチルブタノエート、2−ヒドロキシプロピル・トリアミルアンモニウム・2,2−ジメチルペンタノエート等。
【0039】
上記した硬化触媒の中でも、ブロック剤の解離する温度を低くし、加熱時間を短くするためには、有機錫化合物と有機亜鉛化合物を併用する事が好ましい。
【0040】
有機溶剤の使用量は、特に限定されないが、通常は塗装剤の固形分濃度が5〜70重量%となる範囲である。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させても良い有機溶剤の具体的な例としては、通常、沸点が50〜180℃のものが、塗工時の作業性、硬化前の乾燥性の点から好ましく、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤または、これらの混合物類等が挙げられる。
【0041】
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させても良い着色剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、紫顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。
【0042】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じてスリップ剤を含有させてもよい。保護層の表面が粗面化されるので、シートとして巻きやすくなり、ブロッキングが生じ難くなるためである。また、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増すことができる。スリップ剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワックス等のワックス類、シリコーン系、フッ素系等の合成樹脂類を用いうる。スリップ剤は、ブロッキングの防止や摩擦引っ掻き抵抗の効果を充分良好とするため、また、保護層の透明性を確保するため、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の固形分100重量部に対して0.01〜15重量部であることが好ましく、0.03〜6重量部であることが特に好ましい。
【0043】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた転写法による成形品表面保護膜形成方法としては、離型性を有する基体シート上に本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物よりなる保護層を塗工し、加熱により保護層を構成する本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を熱硬化させる事により保護層の粘着性を無くし、必要によりその上に印刷等による絵柄層や接着層を施して成る転写材を成形品表面に接着させ、基体シートを剥離して成形品上に転写させた後、活性エネルギー線照射によりエネルギー線硬化せしめて保護層の架橋硬化を行う転写法、あるいは、前記転写材を成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に転写材を接着させ、基体シートを剥離して成形品上に転写した後、活性エネルギー線照射によりエネルギー線硬化せしめて保護層の架橋硬化を行う成形同時転写法等が挙げられる。
【0044】
なお、保護層の架橋硬化と転写の工程順については、転写材を成形品表面に接着させた後、基体シート側から活性エネルギー線を照射して保護層を硬化させ、次いで基体シートを剥離して転写せしめても良い。
【0045】
前記離型性を有する基体シートとしては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなる樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、これらのシートの複合体などが挙げられる。
【0046】
前記転写材が基体シートからの剥離性に優れる場合には、基体シート上に転写層を直接設ければよい。転写材の基体シートからの剥離性を改善するためには、基体シート上に保護層を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シートを剥離した際に、基体シートとともに転写層から離型する。離型層を形成するための離型剤としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、これらの複合型離型剤などが用いることができる。離型層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法、リップコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0047】
保護層は、転写法や成形同時転写法等での転写後に転写物の最外層となり、薬品や摩擦から成形品や絵柄層を保護するための層であり、その形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。保護層形成の際、本発明のエネルギー硬化型樹脂組成物は、必要に応じて溶剤等により適当な塗装粘度に調整された後、基体シートにコートあるいは印刷される。続いて加熱乾燥することによりエネルギー硬化型樹脂組成物中に含まれる溶剤を除去すると共に、ブロックポリイソシアネート(B)のブロック剤が解離して揮発し、活性なイソシアネート基が生成される。生成された活性なイソシアネート基は、(メタ)アクリレート系重合体(A)に含まれる水酸基と反応して3次元架橋が進行する事で保護層の粘着性が無くなる。加熱乾燥は、遠赤外線や熱風等による乾燥方式の乾燥炉を用いることが好ましく、通常55〜160℃で30秒〜30分間行う。また、一般に、保護層の厚さは耐摩耗性および耐薬品性を考慮すると0.5〜30μmが適当であり、なかでも1〜6μmが好ましい。
【0048】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて形成された保護層は、保護層上に他の層を刷り重ねたり転写材を巻き取ったりすることが容易になることから、活性エネルギー線を照射する前の段階でタックフリーの状態にあることが望ましい。このため、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、これを用いて得られる保護層が活性エネルギー線を照射する前の段階でタックフリーとなるように重合体(A)とブロックポリイソシアネート(B)とを組み合わせることが好ましい。
【0049】
絵柄層は、保護層の上に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。絵柄層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法を採用することもできる。絵柄層は、表現したい絵柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。また、絵柄層は、金属蒸着層からなるものや、印刷層と金属蒸着層との組み合わせからなるものでもよい。
【0050】
接着層は、成形品表面に前記の各層を有する転写材を接着するものである。接着層は、保護層または絵柄層上の接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら接着層を全面的に形成する。また、接着させたい部分が部分的なら接着層を部分的に形成する。接着層としては、成形品の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。例えば、成形品の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形品の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形品の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。なお、保護層や絵柄層が成形品に対して充分接着性を有する場合には、接着層を設けなくてもよい。
【0051】
なお、転写材の構成は、上記した態様に限定されるものではなく、例えば、成形品の地模様や透明性を生かし、表面保護処理だけを目的とした転写材を用いる場合には、基体シートの上に保護層および接着層を上述のように順次形成して転写材から絵柄層を省略することができる。
【0052】
また、転写材が保護層上に絵柄層や接着層を有する場合、これらの層間にアンカー層を設けてもよい。アンカー層は、これらの層間の密着性を高めたり、薬品から成形品や絵柄層を保護するための樹脂層であり、例えば、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0053】
以下に、通常の転写法による成形品表面保護膜形成方法を具体的に説明する。まず、成形品上に接着層側を下にして転写材を配置する。次に、耐熱ゴム状弾性体、例えばシリコンラバーを備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃、圧力50〜200kg/m2の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を介して転写材の基体シート側から熱または/および圧力を加える。こうすることにより、接着層が成形品表面に接着する。次いで、冷却後に基体シートを剥がすと、基体シートと保護層との境界面で剥離が起こる。また、基体シート上に離型層を設けた場合は、基体シートを剥がすと、離型層と保護層との境界面で剥離が起こる。最後に、活性エネルギー線を照射することにより、成形品に転写された保護層を完全に架橋硬化させる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シートを剥離する工程の前に行なってもよい。
【0054】
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、ガンマ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【0055】
成形品としては、材質を限定されることはないが、特に樹脂成形品、木工製品、これらの複合製品などを挙げることができる。これらは、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、成形品は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0056】
次に、射出成形を利用した成形同時転写法による成形品表面保護膜形成方法を具体的に説明する。まず、可動型と固定型とからなる成形用金型内に接着層を内側にして、つまり、基体シートが固定型に接するように転写材を送り込む。この際、枚葉の転写材を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の転写材を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写材の絵柄層と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、転写材を間欠的に送り込む際に、転写材の位置をセンサーで検出した後に転写材を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材を固定することができ、絵柄層の位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、可動型に設けたゲートより溶融樹脂を金型内に射出充満させ、成形品を形成するのと同時にその面に転写材を接着させる。樹脂成形品を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に、基体シートを剥がした後、活性エネルギー線を照射することにより保護層を完全に架橋硬化させる。また、活性エネルギー線を照射した後、基体シートを剥がしてもよい。
【0057】
なお、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、転写法のみならず、前記したグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスクリーン印刷法などの印刷法、スプレー塗装等によりフィルム、シート、成型物等の成型品に塗装せしめる事も出来る。
【0058】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、例中の部および%は重量基準である。さらに、(メタ)アクリレート系重合体(A)の固形分換算のアクリル当量およびブロックポリイソシアネート(B)の潜在イソシアネート含有率は、原料の物質収支から計算される理論値である。
【0059】
合成例1〔(メタ)アクリレート系重合体(A)の合成〕
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、酢酸ブチル300部およびメチルエチルケトン(以下、MEKという。)200部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート(以下、GMAという。)275部、メチルメタクリレート(以下、MMAという。)85部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本乳化剤製:パーブチルO)17.2部からなる混合液を2時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。次いで、90℃まで降温した後、メトキノン5部およびアクリル酸(以下、AAという。)140部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン2.6部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持して、アクリレート系重合体溶液〔不揮発分:50.0%、ガードナー粘度(25℃):V−W、ガードナーカラー:1以下、酸価:0.9mgKOH/g、GPCによるスチレン換算重量平均分子量:25,700、固形分換算のアクリル当量:257g/eq、固形分換算の水酸基価:217mgKOH/g〕997部を得た。以下、これを重合体溶液(A1)と称する。
【0060】
合成例2(同上)
酢酸ブチル500部の代わりに酢酸ブチル348部およびMEK232部を、GMA150部、MMA270部、BMA10部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート17.2部からなる混合液の代わりにGMA277部をそれぞれ用い、AAの使用量を70部から143部に変更した以外は合成例1と同様にして、アクリレート系重合体溶液〔不揮発分:42.0%、ガードナー粘度(25℃):Q−R、ガードナーカラー:1以下、酸価:0.6mgKOH/g、GPCによるスチレン換算重量平均分子量:33,200、固形分換算のアクリル当量:211g/eq、固形分換算の水酸基価:260mgKOH/g〕997部を得た。以下、これを重合体溶液(A2)と称する。
【0061】
合成例3〔ブロックポリイソシアネート(B)の合成〕
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、バーノックDN−980S〔大日本インキ化学工業(株)製:1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、イソシアネート基含有率=21.0%〕50部、酢酸ブチル20.6部、アセト酢酸エチル〔和光純薬工業(株)製〕34.1部およびナトリウムメトキシド〔和光純薬工業(株)製〕0.3部を仕込み、撹拌しながら系内温度が80℃になるまで昇温し、3時間保持してブロックポリイソシアネート溶液〔不揮発分:80.0%、ガードナー粘度(25℃):P−Q、ガードナーカラー:1以下、GPCによるスチレン換算重量平均分子量:1100、潜在イソシアネート含有率:10.0%〕を得た。この混合物をFT−IRにより分析し、イソシアネート基のピークが消失している事を確認した。以下、これをブロックポリイソシアネート溶液(B1)と称する。
【0062】
合成例4(同上)
Vestanat T1890/100〔デグサ ジャパン(株)製:イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、イソシアネート基含有率=17.0%〕250部、酢酸ブチル97部、アセト酢酸エチル31.4部およびナトリウムメトキシド0.3部を仕込み、撹拌しながら系内温度が80℃になるまで昇温し、6時間保持してブロックポリイソシアネート溶液〔不揮発分:70.0%、ガードナー粘度(25℃):R−S2、ガードナーカラー:6−7、GPCによるスチレン換算重量平均分子量:1300、潜在イソシアネート含有率:7.7%〕を得た。この混合物をFT−IRにより分析し、イソシアネート基のピークが消失している事を確認した。以下、これをブロックポリイソシアネート溶液(B2)と称する。
【0063】
実施例1〜6および比較例1〜2
第1表(1)〜(2)に示す組成で配合して、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなる不揮発分40%の塗料(P1〜P6)と、比較用の塗料(P1′〜P2′)を調製した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
<第1表(1)〜(2)の脚注>
・DN−980Sの希釈溶液:バーノックDN−980S〔大日本インキ化学工業(株)製1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、イソシアネート基含有率21.0%〕をMEKにて不揮発分50%に希釈したもの。
・イルガキュアー184:チバスペシャリティーケミカル社製光重合開始剤。
・BYK333:ビックケミー(株)製シリコーン系スリップ剤。
・硬化触媒:ジブチル錫ジアセテート/亜鉛オクトエート8%〔大日本インキ化学工業(株)製〕/MEK=5/11.3/8.7(重量比)の混合物。
【0067】
基体シートとして厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを用い、基体シート上にメラミン樹脂系離型剤をグラビア印刷法にて1μmの厚さに塗布し離型層を形成した後、その上に第1表(1)〜(2)に示した塗料(P1〜P6)および(P1′〜P2′)をそれぞれグラビア印刷法にて印刷して厚さ5μmの保護層を形成した。これを140℃で5分間加熱することにより、塗料(P1〜P6)および(P1′)を印刷した保護層では溶剤の除去と熱硬化とを行い、塗料(P2′)を印刷した保護層では溶剤の除去を行い、次いでアクリル系インキをグラビア印刷法にて印刷して絵柄層を形成した後、アクリル樹脂をグラビア印刷法にて印刷して厚さ4μmの接着層を形成して転写材を得た。
【0068】
この転写材を用い、成形同時転写法を利用して成形品の表面に転写した後、基体シートを剥がし、紫外線を照射して保護層を完全に架橋硬化させた。なお、成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力300kg/cm2とした。成形品は、材質をアクリル樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状の成形品である。紫外線の照射条件は、80w/cmの高圧水銀灯1灯、ランプ高さ15cm、コンベアースピード5m/minで4回照射である。
【0069】
塗料(P1〜P6)および(P1′〜P2′)の貯蔵安定性および該塗料を用いて得られた保護層を140℃で5分間加熱した後の残タック、基体シートを成形品の表面に転写した後の保護層表面のクラックの有無、転写された保護層の耐溶剤性および耐磨耗性の評価結果を第2表(1)〜(2)に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
<第2表(1)〜(2)の脚注>
・塗料の安定性:塗料を密閉容器で40℃の条件下で6時間保管した後の粘度変化の有無を評価した。○粘度変化無し、×粘度変化あり。
・保護層加熱後の残タック:基体シートに保護層を塗装後、140℃で5分間加熱た後、保護層表面の残タックを指触により評価した。○タック無し、×タックあり。
・転写後のクラック:転写後の成形品曲面のクラックの発生状態を目視判定した。○クラック発生なし、△クラックやや発生、×クラックかなり発生。
・耐溶剤性:ガーゼにMEKを含浸させ、50往復擦った後の保護層表面の状態を目視評価した。○変化無し、×塗膜溶解。
・耐磨耗性:#0000スチールウールを用い、荷重(440g/cm2)で50往復させた後の保護層表面の傷つき程度を目視判定した。○表面の傷つきなし、×表面の傷つきあり。
【0073】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れた1液型の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、転写法等により摩耗性および耐薬品性に優れ、かつ転写時に成型品曲面部においてクラックを生じない保護層を成形品の上に形成することが可能である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel and useful active energy ray-curable resin composition, by applying a coating agent comprising this resin composition to a molded article, and then irradiating with an active energy ray to cause chemical crosslinking, The present invention relates to an active energy ray-curable resin composition which can improve abrasion resistance and chemical resistance and has excellent storage stability.
[0002]
[Prior art]
The method of forming a protective layer on the surface of a molded article is roughly divided into two methods. One is to spray-coat a coating agent composed of an active energy ray-curable resin composition, or apply it as a top coat to a molded product using a printing device such as a curtain coater, roll coater, or gravure coater, and then apply the active energy. Another method is to crosslink the top coat by irradiating a line, and the other method is to bond a transfer material coated with an active energy ray-curable resin composition on a base sheet having releasability to the surface of a molded article. Thereafter, the top coat is transferred to the surface of the molded product by peeling the base sheet, and then a cross-linked coating film is formed by irradiating an active energy ray.
[0003]
In particular, regarding the transfer method, formation of a protective layer having excellent wear resistance and chemical resistance using an active energy ray-curable resin composition has been studied (for example, see Patent Document 1).
[0004]
However, such an active energy ray-curable resin composition is a two-part curable coating agent in which a polymer having a hydroxyl group and a (meth) acryloyl group and a polyfunctional isocyanate are blended immediately before use. Therefore, the stability of the coating agent is poor, and if the usage time is prolonged or the coating operation is interrupted, the viscosity of the remaining coating agent will increase, causing a change in the coating thickness compared to the first time. In addition, there is a drawback that a gel substance is formed in the coating agent and cannot be used.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-10-058955 (pages 2 to 5)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to provide a protective layer that is excellent in abrasion resistance and chemical resistance and that does not cause cracks in a curved surface portion of a molded product during transfer on a molded product. An object of the present invention is to provide an excellent one-pack type active energy ray-curable resin composition.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention have conducted intensive studies while aiming at the problems described above, and as a result, have found the following findings (1) and (2), and have completed the present invention.
(1) An active energy ray-curable resin composition containing a (meth) acrylate polymer (A) having a hydroxyl value of 40 to 300 mgKOH / g and a blocked polyisocyanate (B) having a weight average molecular weight of 300 to 10,000. Is a one-pack type resin composition having excellent storage stability.
(2) When the resin composition is cured by heating, the blocked polyisocyanate (B) generates an active isocyanate group and causes a urethanation reaction with a hydroxyl group of the (meth) acrylate polymer (A). Since the cured product obtained by curing has a urethane bond, the cured product obtained by heating and curing the active energy ray-curable composition described in Patent Literature 1 has a similar structure to the cured product obtained by active energy ray curing. A cured product that is excellent in abrasion resistance and chemical resistance and that can form a protective layer on a molded product that does not cause cracks on the curved surface of the molded product during transfer.
[0008]
That is, the present invention is characterized by containing a (meth) acrylate polymer (A) having a hydroxyl value of 40 to 300 mgKOH / g and a blocked polyisocyanate (B) having a weight average molecular weight of 300 to 10,000. An object of the present invention is to provide an active energy ray-curable resin composition.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The (meth) acrylate polymer (A) used in the present invention may be any (meth) acrylate polymer having a hydroxyl value of 40 to 300 mgKOH / g, and is not particularly limited. More preferably, the hydroxyl value is 50 to 300 mgKOH / g. It is a polymer of 285 mgKOH / g. In the case of a polymer having a hydroxyl value of less than 40 mgKOH / g, the chemical crosslinking obtained by the reaction with the active isocyanate group generated from the blocked polyisocyanate (B) becomes insufficient, and the protective layer on the surface of the transfer material has poor adhesion. It is not preferable because it remains. When the adhesiveness remains on the protective layer on the surface of the transfer material, when the transfer material coated with the protective layer is heated and dried, and then wound up and stored, the transfer material causes close contact between the transfer materials and is unwound when used. In addition, there is a disadvantage that a problem such as peeling of the protective layer from the base sheet is caused and handling becomes difficult. Further, it is difficult to obtain a polymer having a hydroxyl value exceeding 300 mgKOH / g. Further, from the viewpoint of curability upon irradiation with active energy rays, the (meth) acrylate-based polymer (A) preferably has a (meth) acryloyl equivalent of 200 to 800 g / eq, and more preferably 200 to 600 g / eq. Is particularly preferred. Further, when the active energy ray-curable resin composition of the present invention is used for the protective layer, the adhesiveness of the surface of the protective layer is eliminated, and a paint comprising the active energy ray-curable resin composition of the present invention is used as a transfer material. The weight average molecular weight of the (meth) acrylate-based polymer (A) is preferably 5,000 to 50,000, and 6,000 to 40,000, since workability during application onto the protective layer can be ensured. Is particularly preferred.
[0010]
The (meth) acrylate polymer (A) can be produced by various methods. For example, (1) a method in which an α, β-unsaturated monomer containing an epoxy group is added to a polymer containing two or more carboxyl groups, and (2) a polymer containing two or more epoxy groups. A method of reacting an α, β-unsaturated carboxylic acid with the polymerized compound, (3) a compound having a (meth) acryloyl group and one isocyanate group in the polymer obtained by the method (1) or (2). A method of reacting (C) and the like are mentioned. Among them, the methods (1) and (2) are preferable, and the method (2) is particularly preferable.
[0011]
Examples of the compound (C) having a (meth) acryloyl group and one isocyanate group include (meth) acrylate compounds represented by, for example, 2-methacryloyloxyethyl isocyanate (Karenz MOI, manufactured by Showa Denko KK). However, an industrially available compound containing the compound (C) as a main component can also be used as the compound (C). Examples of this industrially available compound include a urethane (meth) acrylate compound obtained by producing a polyisocyanate and a hydroxyl group-containing (meth) acrylate compound in a design that leaves one isocyanate group in the polyisocyanate. Is mentioned.
[0012]
In any case, when the production methods (1) to (3) and the like are employed, the monomer and polymer used should be used so that the hydroxyl value of the (meth) acrylate-based polymer (A) satisfies the numerical limitation range. It is necessary to appropriately set conditions such as the type of coalescence and the amount of use.
[0013]
Preferred examples of the (meth) acrylate polymer (A) include, for example, a polymer obtained by performing an addition reaction between a polyglycidyl (meth) acrylate polymer and a monocarboxylic acid having a (meth) acryloyl group ( A1).
[0014]
Examples of the polyglycidyl (meth) acrylate-based polymer include a homopolymer of glycidyl (meth) acrylate or an α, β-unsaturated monomer not containing a carboxyl group copolymerizable with glycidyl (meth) acrylate. And a copolymer of Examples of the α, β-unsaturated monomer not containing a carboxyl group include various (meth) acrylates, styrene, vinyl acetate, acrylonitrile and the like. If an α, β-unsaturated monomer containing a carboxyl group is used, crosslinking occurs during a copolymerization reaction with glycidyl (meth) acrylate, resulting in high viscosity and gelation.
[0015]
The blocked polyisocyanate (B) used in the present invention is a polyisocyanate having an isocyanate group blocked with a blocking agent at a terminal, and the blocking agent is dissociated by heating to generate an active isocyanate group to generate reactivity. Any of block polyisocyanates having a weight average molecular weight of 300 to 10,000 can be used, and more preferably a block polyisocyanate having a weight average molecular weight of 600 to 4,000. When the weight-average molecular weight of the blocked polyisocyanate is less than 300, it is difficult to obtain, and when the weight-average molecular weight of the blocked polyisocyanate exceeds 10,000, the resin composition comprises the active energy ray-curable resin composition of the present invention. It is not preferable because the viscosity of the paint increases and the workability when applying the paint on the protective layer of the transfer material is reduced.
[0016]
Examples of the blocked polyisocyanate (B) include those comprising a polyisocyanate (b1) and a blocking agent (b2). As the polyisocyanate (b1), a compound containing two or more isocyanate groups in one molecule is preferable, for example, an aliphatic diisocyanate compound, an aromatic diisocyanate compound, and an isocyanate of these diisocyanate compounds. Nurate-type polyisocyanate, buret-type polyisocyanate, uretdione-type polyisocyanate, allohanate-type polyisocyanate, and adduct-type polyisocyanate, which is a reaction product of these diisocyanate compounds and a polyol compound, and the like. It can be used alone or as a mixture. Of these, an isocyanurate-type polyisocyanate is preferable since the latent isocyanate group content of the blocked polyisocyanate (B) can be designed to be high, and among them, an isocyanurate-type polyisocyanate of hexamethylene diisocyanate or isophorone diisocyanate is particularly preferable. Further, since a protective layer that does not cause cracks in the curved surface portion of the molded article during transfer is formed on the molded article, and the abrasion resistance of the cured coating film after irradiation with energy rays can be improved, the resin skeleton has an alkylene hydrocarbon chain. Isocyanurate-type polyisocyanate of hexamethylene diisocyanate, which exhibits a certain degree of flexibility in the cured coating film.
[0017]
The aliphatic diisocyanate compound means a diisocyanate compound having an isocyanate group bonded to a chain carbon atom and a diisocyanate compound having an isocyanate group bonded to a carbon atom of a cyclic saturated hydrocarbon, and is an aromatic diisocyanate. The compound means a diisocyanate compound having an isocyanate group bonded to a carbon atom of an aromatic ring. In addition, the latent isocyanate content means the content of active isocyanate groups per blocked polyisocyanate molecule generated when all of the blocked isocyanate group blocking agents of the blocked polyisocyanate are dissociated by heating. Cheating.
[0018]
Examples of the aliphatic diisocyanate compound include 1,6-hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, hydrogenated tolylene diisocyanate, hydrogenated xylylene diisocyanate, hydrogenated diphenylmethane diisocyanate, 1,3- or 1,4-diisocyanatecyclohexane. Dicyclohexylmethane-4,4'-diisocyanate, m- or p-tetramethylxylene diisocyanate, 1,4-tetramethylene diisocyanate, 1,12-dodecamethylene diisocyanate, 2,2,4- or 2,4,4- Trimethylcyclohexane diisocyanate, 2,2,4- or 2,4,4-trimethylhexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate, norbornane diisocyanate, etc. And the like.
[0019]
Examples of the aromatic diisocyanate compound include, for example, tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, tolidine diisocyanate, 1,6-phenylene diisocyanate, 1,4- or 1,6-phenylene diisocyanate. And diisocyanate monomers.
[0020]
Examples of the blocking agent (b2) include active hydrogens such as ketoxime derivatives, lactam derivatives, phenol derivatives, active methylene derivatives, alcohol derivatives, mercaptan derivatives, acid amide derivatives, imide derivatives, imidazole derivatives, urea derivatives, carbamic acid derivatives and the like. Compounds.
[0021]
Examples of the ketoxime derivative include methyl ethyl ketone oxime, butanone oxime, formamide oxime, acetamidooxime, acetone oxime, methyl isobutyl ketone oxime, methyl amyl ketone oxime, diacetyl monooxime, benzophenone oxime, cyclohexanone oxime, methyl hexanone oxime and the like.
[0022]
Examples of the lactam derivative include ε-caprolactam, σ-caprolactam, β-butyrolactam, β-propiolactam and the like.
Examples of the phenol derivative include phenol, cresol, xylenol, ethylphenol, nonylphenol, isopropylphenol, p-tert-butylphenol, thymol, p-nitrphenol, p-naphthol, p-chlorophenol, p-tert-octylphenol and the like. No.
[0023]
Examples of the active methylene derivative include ethyl acetoacetate, diethyl malonate, methyl acetoacetate, dimethyl malonate, acetylacetone, ethyl acetoacetate methacrylate, ethyl acetoacetate acrylate, and the like.
Examples of the alcohol derivative include methanol, ethanol, propanol, isopropanol, 2-ethylhexanol and the like.
[0024]
Examples of the mercaptan derivative include butyl mercaptan, t-dodecyl mercaptan, and thiophenol.
Examples of the acid amide derivative include acetanilide, acetoanisidide, acetate amide, acrylamide, benzamide, N-ethylacetamide and the like.
[0025]
Examples of the imide derivative include succinimide and maleic imide.
Examples of the imidazole derivative include 2-phenylimidazoline, imidazole, pyrazole, triazole and the like.
Examples of the urea derivative include: urea, thiourea, ethylene urea, diphenyl urea and the like.
Examples of the carbamic acid derivative include: phenyl N-phenylcarbamate, 2-oxazolidone and the like.
[0026]
The blocking polyisocyanate (B) is a substance in which a blocking agent is dissociated by heating to generate an active isocyanate group. However, it is better to lower the temperature for dissociating the blocking agent and shorten the heating time to obtain a transfer material. This is preferable because it can increase the productivity and reduce the energy cost. In order to exhibit such effects, among the blocking agents (b2), active methylene derivatives in which the blocking agent is dissociated by heating at a low temperature to generate an active isocyanate group are particularly preferable.
[0027]
The blocked polyisocyanate (B) is obtained by reacting an isocyanate group in the polyisocyanate (b1) with active hydrogen of the blocking agent (b2) to block the isocyanate group. At this time, the active hydrogen of the blocking agent (b2) is added to the polyisocyanate (b2) in order not to leave active isocyanate groups in the blocked polyisocyanate (B) and not to contain a large amount of unreacted blocking agent. [H (active hydrogen)] / [NCO] equivalent ratio is preferably 1.0 to 2.0 with respect to the isocyanate group, and is preferably 1.0 to 1.25. It is particularly preferred to do so.
[0028]
In order to obtain the blocked polyisocyanate (B), for example, the reaction may be carried out under the usual reaction conditions for urethanization reaction, that is, 20 to 150 ° C, preferably 40 to 120 ° C. This reaction may be performed under a nitrogen atmosphere or in a dry air atmosphere.
[0029]
In the urethanization reaction, a normal organic tin catalyst represented by dibutyltin diacetate or dibutyltin dilaurate, a tertiary amine compound such as triethylamine, sodium methoxide, or the like may be used to promote the reaction. good.
[0030]
The urethanization reaction can be carried out without a solvent, but an organic solvent having no active hydrogen group that reacts with an isocyanate group can be used alone or in combination of two or more. Specific examples include ester solvents such as ethyl acetate and butyl acetate; ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone; and aromatic solvents such as toluene and xylene.
[0031]
The weight ratio (A) / (B) of the (meth) acrylate-based polymer (A) and the block polyisocyanate (B) sufficiently exerts the toughness effect characteristic of the urethane resin, and the obtained active energy ray-curable type is obtained. The abrasion resistance of the coating film, which suppresses cracking and tackiness of the coating film when the transfer material having the protective layer made of the resin composition is wound up or transferred to the molded product, and cured by irradiating ultraviolet rays Is preferably 99/1 to 50/50 or more, and more preferably 97/3 to 70/30.
[0032]
Further, the active energy ray-curable resin composition of the present invention may further contain a reactive diluent, a curing catalyst, an organic solvent, if necessary, in addition to the (meth) acrylate polymer (A) and the blocked polyisocyanate (B). A coloring agent and the like can be contained. When an electron beam is used for irradiation with active energy rays, a sufficient effect can be exhibited without using a photopolymerization initiator, but when ultraviolet rays are used, various known photopolymerization initiators are added. There is a need to. The protective layer may be colored or uncolored.
[0033]
The reactive diluent which may be contained in the active energy ray-curable resin composition of the present invention has three or more (meth) acryloyl groups so as not to deteriorate the abrasion resistance of the cured coating film. Polyfunctional (meth) acrylate compounds are preferable, and among them, polyfunctional (meth) acrylate compounds which crystallize at room temperature of 25 ° C. and have no fluidity, such as triisocyanuric acid triacrylate and pentaerythritol tetraacrylate, are particularly preferable.
[0034]
As the curing catalyst that may be contained in the active energy ray-curable resin composition of the present invention, those composed of at least one of an organic tin compound, an organic zinc compound, a tertiary amine compound and a quaternary ammonium compound are exemplified. And usually 0.1 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of resin solids.
[0035]
Hereinafter, specific examples of the curing catalyst will be described.
Organotin compounds: monobutyltin trioctylate, monooctyltin triacetate, monooctyltin trioctylate, monooctyltin trilaurate, inrupio, monooctyltin tribenzoate, monolauryltin trioctylate, monophenyl Tin trioctylate, monobutyltin dioctylate / monohydroxide, monooctyltin diacetate / monohydroxide, monolauryltin bismethoxybenzoate / monohydroxide, monooctyltin monoacetate / dichloride, monophenyltin Dibenzoate / monochloride, monophenyltin dibenzoate / oxide (+), dibutyltin diacetate, dibutyltin dicaproate, dibutyltin dilaurate, dioctyltin diacetate, dioctyltin dioctylate , Dioctyl Dilaurate, octyltin dibenzoate, dioctyltin bismethoxybenzoate, dilauryltin dilaurate, dilauryltin dioctylate, bis (dibutyltin monoacetate) oxide, bis (dioctyltin monoacetate) oxide, Bis (dimethyltin monoacetoacetate) sulfide, bis (dibutyltin monolaurate) sulfide, bis (dibutyltin monoacetate) adipate, bis (dioctyltin monoacetate) maleate, bis (dibutyltin monoacetoacetate) Salt) phthalate, bis (dilauryltin monobenzoate) phthalate, (dioctyltin monoacetate) thiodipropionate and the like.
[0036]
Organic zinc compounds: zinc diacetate, zinc dioctylate, zinc dilaurate, zinc dimyristate, zinc bisacetoacetate, zinc dibenzoate, bis (zinc monoacetate) oxide, bis (zinc monooctyl) Acid oxide, bis (zinc monolaurate) oxide, zinc diacetylbenzoylmethane, zinc lauroyl / benzoylmethane, and the like.
[0037]
Tertiary amine compounds: trimethylamine, triethylamine, tributylamine, trioctylamine, dimethylethanolamine, methyldiethanolamine and the like.
[0038]
Quaternary ammonium compounds: 2-hydroxyethyl tri-n-butylammonium 2,2-dimethylpropionate, 2-hydroxyethyl tri-n-butylammonium 2,2-dimethylbutanoate, 2-hydroxypropyl Tri-n-butylammonium 2,2-dimethylpropionate, 2-hydroxypropyl tri-n-butylammonium 2,2-dimethylbutanoate, 2-hydroxypropyl tri-n-butylammonium 2,2- Dimethyl pentanoate, 2-hydroxypropyl tri-n-butylammonium 2-ethyl 2-methylpropionate, 2-hydroxypropyl tri-n-butylammonium 2-ethyl 2-methylbutanoate, 2-hydroxy Propyl tri-n-butylammonium 2- Tyl 2-methylpentanoate, 2-hydroxypropyl tri-n-octylammonium 2,2-dimethylpropionate, 2-hydroxypropyl tri-n-octylammonium 2,2-dimethylbutanoate, 2- Hydroxypropyl triamyl ammonium / 2,2-dimethylbutanoate, 2-hydroxypropyl triamyl ammonium / 2,2-dimethyl pentanoate and the like.
[0039]
Among the above curing catalysts, it is preferable to use an organic tin compound and an organic zinc compound in combination in order to lower the temperature at which the blocking agent dissociates and to shorten the heating time.
[0040]
The amount of the organic solvent used is not particularly limited, but is usually in a range where the solid content concentration of the coating agent is 5 to 70% by weight. As specific examples of the organic solvent that may be contained in the active energy ray-curable resin composition, those having a boiling point of 50 to 180 ° C. usually have a workability at the time of application and a drying property before curing. Alcohol solvents such as methanol, isopropyl alcohol, n-butanol and isobutanol; methyl acetate, ethyl acetate, butyl acetate, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether acetate, ethylene glycol monobutyl ether acetate, etc. Ester solvents; ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone, and methyl isobutyl ketone; aromatic solvents such as toluene and xylene; and mixtures thereof.
[0041]
Further, the colorant that may be contained in the active energy ray-curable resin composition of the present invention is not particularly limited, and is described, for example, in a manual for coating materials, 1970 edition (edited by Japan Paint Industry Association). Organic or inorganic pigments such as extender pigments, white pigments, black pigments, gray pigments, red pigments, brown pigments, green pigments, blue pigments, purple pigments, metal powder pigments, luminescent pigments, pearlescent pigments, and plastics Pigments and the like.
[0042]
Further, the active energy ray-curable resin composition of the present invention may contain a slip agent as necessary. This is because the surface of the protective layer is roughened, so that it becomes easy to wind as a sheet and blocking hardly occurs. Further, the resistance to rubbing and scratching can be increased. As the slip agent, for example, waxes such as polyethylene wax, paraffin wax, synthetic wax, montan wax, and silicone-based and fluorine-based synthetic resins can be used. The slip agent is 100 parts by weight of a solid content in the active energy ray-curable resin composition of the present invention in order to sufficiently prevent the blocking and the effect of frictional scratch resistance, and to ensure the transparency of the protective layer. It is preferably 0.01 to 15 parts by weight, and particularly preferably 0.03 to 6 parts by weight.
[0043]
As a method for forming a molded article surface protective film by a transfer method using the active energy ray-curable resin composition of the present invention, protection of the active energy ray-curable resin composition of the present invention on a substrate sheet having releasability is described. The layer is coated, and the active energy ray-curable resin composition of the present invention, which constitutes the protective layer by heating, is heat-cured to eliminate the tackiness of the protective layer, and if necessary, a picture layer or an adhesive is formed thereon by printing or the like. A transfer method in which a transfer material formed by applying a layer is adhered to the surface of the molded article, the base sheet is peeled off and transferred onto the molded article, and then cured by irradiation with active energy rays to cure the protective layer by cross-linking and curing. Alternatively, the transfer material is sandwiched in a molding die, a resin is injected and filled in the cavity, and at the same time as the resin molded product is obtained, the transfer material is adhered to the surface of the resin molded product. After transferring, the molding simultaneous transfer method which allowed to cure the energy ray by an active energy ray irradiation effect crosslinking curing of the protective layer.
[0044]
In addition, regarding the order of the steps of cross-linking curing and transfer of the protective layer, after the transfer material is adhered to the surface of the molded article, the protective layer is cured by irradiating active energy rays from the base sheet side, and then the base sheet is peeled off. May be transcribed.
[0045]
Examples of the base sheet having release properties include a resin sheet made of polypropylene resin, polyethylene resin, polyamide resin, polyester resin, polyacryl resin, polyvinyl chloride resin, etc., aluminum foil, copper foil, and the like. Examples include metal foil, glassine paper, coated paper, cellulosic sheets such as cellophane, and composites of these sheets.
[0046]
When the transfer material has excellent releasability from the base sheet, a transfer layer may be provided directly on the base sheet. In order to improve the releasability of the transfer material from the base sheet, a release layer may be formed over the entire surface before providing the protective layer on the base sheet. The release layer is released together with the base sheet from the transfer layer when the base sheet is peeled off after the transfer or the simultaneous transfer with the molding. Release agents for forming the release layer include melamine resin release agents, silicone resin release agents, fluororesin release agents, cellulose derivative release agents, urea resin release agents, and polyolefins. Resin-based release agents, paraffin-based release agents, and composite release agents thereof can be used. Examples of the method for forming the release layer include a gravure coating method, a roll coating method, a spray coating method, a lip coating method, a coating method such as a comma coating method, and a printing method such as a gravure printing method and a screen printing method.
[0047]
The protective layer is the outermost layer of the transferred material after transfer by a transfer method or a simultaneous molding transfer method, and is a layer for protecting the molded product and the pattern layer from chemicals and friction, and is formed by a gravure coating method. And a coating method such as a roll coating method, a comma coating method and a lip coating method, and a printing method such as a gravure printing method and a screen printing method. In forming the protective layer, the energy-curable resin composition of the present invention is coated or printed on a base sheet after being adjusted to an appropriate coating viscosity with a solvent or the like, if necessary. Subsequently, by heating and drying, the solvent contained in the energy-curable resin composition is removed, and the blocking agent of the blocked polyisocyanate (B) is dissociated and volatilized to generate an active isocyanate group. The generated active isocyanate group reacts with a hydroxyl group contained in the (meth) acrylate polymer (A) to cause three-dimensional crosslinking, whereby the protective layer loses its tackiness. The drying by heating is preferably performed using a drying oven of a drying method using far infrared rays, hot air, or the like, and is usually performed at 55 to 160 ° C for 30 seconds to 30 minutes. In general, the thickness of the protective layer is suitably 0.5 to 30 μm in consideration of wear resistance and chemical resistance, and particularly preferably 1 to 6 μm.
[0048]
The protective layer formed using the active energy ray-curable resin composition of the present invention makes it easy to print another layer or wind up the transfer material on the protective layer. It is desirable to be in a tack-free state at the stage before the irradiation. For this reason, the active energy ray-curable resin composition of the present invention is prepared by using the polymer (A) and the block polyisocyanate so that the protective layer obtained by using the same is tack-free at the stage before irradiation with the active energy ray. It is preferable to combine with (B).
[0049]
The picture layer is formed on the protective layer, usually as a printing layer. The material of the printing layer may be a resin such as a polyvinyl resin, a polyamide resin, a polyester resin, a polyacrylic resin, a polyurethane resin, a polyvinyl acetal resin, a polyester urethane resin, a cellulose ester resin, and an alkyd resin. It is preferable to use a coloring ink containing a pigment or dye of an appropriate color as a coloring agent. As a method of forming the picture layer, a normal printing method such as an offset printing method, a gravure printing method, and a screen printing method may be used. In particular, an offset printing method or a gravure printing method is suitable for performing multicolor printing and gradation expression. In the case of a single color, a coating method such as a gravure coating method, a roll coating method, a comma coating method, and a lip coating method can be employed. The picture layer may be provided entirely or partially depending on the picture to be expressed. Further, the picture layer may be composed of a metal deposition layer or a combination of a printing layer and a metal deposition layer.
[0050]
The adhesive layer is for bonding the transfer material having each of the above-mentioned layers to the surface of the molded product. The adhesive layer is formed on a portion to be bonded on the protective layer or the pattern layer. That is, if the portion to be bonded is entirely, the adhesive layer is formed entirely. If the portion to be bonded is partially formed, the adhesive layer is partially formed. As the adhesive layer, a heat-sensitive or pressure-sensitive resin suitable for the material of the molded article is appropriately used. For example, when the material of the molded article is a polyacrylic resin, a polyacrylic resin may be used. When the molded article is made of polyphenylene oxide / polystyrene resin, polycarbonate resin, styrene copolymer resin, or polystyrene blend resin, polyacrylic resin, polystyrene resin, polyamide A system resin or the like may be used. Further, when the material of the molded article is a polypropylene resin, chlorinated polyolefin resin, chlorinated ethylene-vinyl acetate copolymer resin, cyclized rubber, and coumarone indene resin can be used. Examples of the method for forming the adhesive layer include a coating method such as a gravure coating method, a roll coating method, and a comma coating method, and a printing method such as a gravure printing method and a screen printing method. When the protective layer and the picture layer have sufficient adhesiveness to the molded product, the adhesive layer may not be provided.
[0051]
The configuration of the transfer material is not limited to the above-described embodiment. For example, in the case where a transfer material for the purpose of only surface protection treatment is used, taking advantage of the ground pattern and transparency of the molded article, the base sheet may be used. The protective layer and the adhesive layer are sequentially formed as described above, and the pattern layer can be omitted from the transfer material.
[0052]
When the transfer material has a pattern layer and an adhesive layer on the protective layer, an anchor layer may be provided between these layers. The anchor layer is a resin layer for improving the adhesion between these layers and protecting the molded product and the picture layer from chemicals.For example, the anchor layer is made of a two-component curable urethane resin, a melamine resin, an epoxy resin, or the like. A thermoplastic resin such as a curable resin or a vinyl chloride copolymer resin can be used. Examples of the method for forming the anchor layer include a coating method such as a gravure coating method, a roll coating method, and a comma coating method, and a printing method such as a gravure printing method and a screen printing method.
[0053]
Hereinafter, a method for forming a molded article surface protective film by a normal transfer method will be specifically described. First, a transfer material is placed on a molded product with the adhesive layer side down. Next, using a transfer machine such as a roll transfer machine or an up-down transfer machine equipped with a heat-resistant rubber-like elastic body, for example, silicone rubber, at a temperature of 80 to 260 ° C. and a pressure of 50 to 200 kg / m. 2 Heat and / or pressure is applied from the base sheet side of the transfer material via the heat-resistant rubber-like elastic material set under the conditions of By doing so, the adhesive layer adheres to the surface of the molded article. Next, when the base sheet is peeled off after cooling, peeling occurs at the interface between the base sheet and the protective layer. In the case where a release layer is provided on the base sheet, when the base sheet is peeled off, peeling occurs at the interface between the release layer and the protective layer. Finally, the protective layer transferred to the molded article is completely crosslinked and cured by irradiating it with an active energy ray. Note that the step of irradiating with the active energy ray may be performed before the step of peeling the base sheet.
[0054]
Examples of the active energy ray include an electron beam, an ultraviolet ray, and a gamma ray. Irradiation conditions are determined according to the active energy ray-curable resin composition.
[0055]
The material of the molded product is not particularly limited, and examples thereof include a resin molded product, a woodwork product, and a composite product thereof. These may be transparent, translucent, or opaque. Further, the molded article may be colored or not colored. Examples of the resin include general-purpose resins such as a polystyrene resin, a polyolefin resin, an ABS resin, and an AS resin. In addition, general-purpose engineering resins such as polyphenylene oxide / polystyrene resin, polycarbonate resin, polyacetal resin, acrylic resin, polycarbonate-modified polyphenylene ether resin, polyethylene terephthalate resin, polybutylene terephthalate resin, ultra-high molecular weight polyethylene resin, and polysulfone resin Super engineering resins such as polyphenylene sulfide resin, polyphenylene oxide resin, polyacrylate resin, polyetherimide resin, polyimide resin, liquid crystal polyester resin, and polyallyl heat-resistant resin can also be used. Further, a composite resin to which a reinforcing material such as glass fiber or inorganic filler is added can be used.
[0056]
Next, a method for forming a molded article surface protective film by a simultaneous molding transfer method using injection molding will be specifically described. First, a transfer material is fed into a molding die including a movable die and a fixed die with the adhesive layer inside, that is, the base sheet is in contact with the fixed die. At this time, a single sheet of transfer material may be fed one by one, or a necessary portion of a long transfer material may be sent intermittently. When a long transfer material is used, it is preferable to use a feeding device having a positioning mechanism so that the register between the pattern layer of the transfer material and the molding die coincides with each other. Also, when the transfer material is intermittently fed, if the transfer material is fixed by the movable type and the fixed type after the position of the transfer material is detected by the sensor, the transfer material can always be fixed at the same position. This is convenient because there is no displacement of the picture layer. After closing the molding die, molten resin is injected and filled into the die from a gate provided on the movable die, and a transfer material is adhered to the surface of the molded product at the same time as forming the molded product. After cooling the resin molded product, the molding die is opened and the resin molded product is taken out. Finally, after peeling off the base sheet, the protective layer is completely cross-linked and cured by irradiation with active energy rays. After the irradiation with the active energy ray, the base sheet may be peeled off.
[0057]
In addition, the active energy ray-curable resin composition of the present invention can be used not only in the transfer method, but also in the gravure coating method, the roll coating method, the coating method such as the comma coating method, and the printing method such as the gravure printing method and the screen printing method. It can also be applied to molded products such as films, sheets, molded products, etc. by spray painting.
[0058]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples. In the examples, parts and% are based on weight. Further, the acrylic equivalent in terms of solid content of the (meth) acrylate polymer (A) and the latent isocyanate content of the blocked polyisocyanate (B) are theoretical values calculated from the material balance of the raw material.
[0059]
Synthesis Example 1 [Synthesis of (meth) acrylate-based polymer (A)]
300 parts of butyl acetate and 200 parts of methyl ethyl ketone (hereinafter, referred to as MEK) were charged into a reactor equipped with a stirrer, a cooling pipe, a dropping funnel, and a nitrogen inlet pipe, and the temperature of the system was increased to 110 ° C. while stirring. Then, 275 parts of glycidyl methacrylate (hereinafter, referred to as GMA), 85 parts of methyl methacrylate (hereinafter, referred to as MMA), and t-butylperoxy-2-ethylhexanoate (Perbutyl O, manufactured by Nippon Emulsifier) After the mixed solution composed of 17.2 parts was dropped from the dropping funnel over 2 hours, the mixture was kept at 110 ° C. for 15 hours. Next, after the temperature was lowered to 90 ° C., 5 parts of methoquinone and 140 parts of acrylic acid (hereinafter, referred to as AA) were charged, 2.6 parts of triphenylphosphine was added, and the temperature was further raised to 100 ° C. for 8 hours. While holding, an acrylate-based polymer solution [nonvolatile content: 50.0%, Gardner viscosity (25 ° C.): VW, Gardner color: 1 or less, acid value: 0.9 mgKOH / g, weight average in terms of styrene by GPC Molecular weight: 25,700, acrylic equivalent on solid basis: 257 g / eq, hydroxyl value on solid basis: 217 mgKOH / g] 997 parts. Hereinafter, this is referred to as a polymer solution (A1).
[0060]
Synthesis Example 2 (same as above)
Instead of 500 parts of butyl acetate, 348 parts of butyl acetate and 232 parts of MEK were replaced by 277 parts of GMA instead of 150 parts of GMA, 270 parts of MMA, 10 parts of BMA, and 17.2 parts of t-butylperoxy-2-ethylhexanoate. Acrylate polymer solution [Non-volatile content: 42.0%, Gardner viscosity (25 ° C.): Q−], except that the amount of AA was changed from 70 parts to 143 parts. R, Gardner color: 1 or less, acid value: 0.6 mg KOH / g, weight average molecular weight in terms of styrene by GPC: 33,200, acrylic equivalent in terms of solids: 211 g / eq, hydroxyl value in terms of solids: 260 mg KOH / g 997 parts were obtained. Hereinafter, this is referred to as a polymer solution (A2).
[0061]
Synthesis Example 3 [Synthesis of Blocked Polyisocyanate (B)]
A reactor equipped with a stirrer, a cooling pipe, a dropping funnel and a nitrogen introduction pipe was equipped with a Vernock DN-980S [manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc .: 1,6-hexane diisocyanate isocyanurate-type polyisocyanate, containing isocyanate groups. Rate = 21.0%] 50 parts, butyl acetate 20.6 parts, ethyl acetoacetate [Wako Pure Chemical Industries, Ltd.] 34.1 parts and sodium methoxide [Wako Pure Chemical Industries, Ltd.] 0. 3 parts were charged, the temperature was raised to 80 ° C. while stirring, the temperature was maintained for 3 hours, and the temperature was maintained for 3 hours. A blocked polyisocyanate solution [nonvolatile content: 80.0%, Gardner viscosity (25 ° C.): PQ, Gardner color: 1 or less, weight average molecular weight in terms of styrene by GPC: 1100, latent isocyanate content: 10.0%]. The mixture was analyzed by FT-IR, and it was confirmed that the peak of the isocyanate group had disappeared. Hereinafter, this is referred to as a blocked polyisocyanate solution (B1).
[0062]
Synthesis Example 4 (same as above)
Vestanat T1890 / 100 [manufactured by Degussa Japan Ltd .: isocyanurate type polyisocyanate of isophorone diisocyanate, isocyanate group content = 17.0%] 250 parts, butyl acetate 97 parts, ethyl acetoacetate 31.4 parts and sodium methoxide 0.3 part was charged, and the temperature in the system was increased to 80 ° C. while stirring, and the temperature was maintained for 6 hours, and the blocked polyisocyanate solution [nonvolatile content: 70.0%, Gardner viscosity (25 ° C.): R− S 2 Gardner color: 6-7, weight average molecular weight in terms of styrene by GPC: 1300, latent isocyanate content: 7.7%]. The mixture was analyzed by FT-IR, and it was confirmed that the peak of the isocyanate group had disappeared. Hereinafter, this is referred to as a blocked polyisocyanate solution (B2).
[0063]
Examples 1-6 and Comparative Examples 1-2
The coating compositions (P1 to P6) having a nonvolatile content of 40% composed of the active energy ray-curable resin composition of the present invention and the comparative coating composition (P1) were blended with the compositions shown in Tables 1 (1) and (2). '-P2') were prepared.
[0064]
[Table 1]
[0065]
[Table 2]
[0066]
<Footnotes in Tables 1 (1) and (2)>
-Diluted solution of DN-980S: Burnock DN-980S [Isocyanurate type polyisocyanate of 1,6-hexane diisocyanate manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc., isocyanate group content 21.0%] was subjected to non-volatile content by MEK. 50% diluted.
Irgacure 184: a photopolymerization initiator manufactured by Ciba Specialty Chemical Co.
-BYK333: a silicone slip agent manufactured by BYK Chemie.
Curing catalyst: a mixture of dibutyltin diacetate / zinc octoate 8% [manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.] / MEK = 5 / 11.3 / 8.7 (weight ratio).
[0067]
Using a 38 μm-thick polyester resin film as the base sheet, a melamine resin-based release agent was applied to the base sheet to a thickness of 1 μm by a gravure printing method to form a release layer. Each of the paints (P1 to P6) and (P1 'to P2') shown in (1) and (2) was printed by a gravure printing method to form a protective layer having a thickness of 5 μm. By heating this at 140 ° C. for 5 minutes, the solvent is removed and the thermosetting is performed on the protective layer on which the paints (P1 to P6) and (P1 ′) are printed, and the protective layer on which the paint (P2 ′) is printed is performed. The solvent is removed, and then an acrylic ink is printed by a gravure printing method to form a picture layer, and then an acrylic resin is printed by a gravure printing method to form a 4 μm-thick adhesive layer, and the transfer material is formed. Obtained.
[0068]
After transferring to the surface of a molded article by using the transfer material by the simultaneous molding transfer method, the base sheet was peeled off, and the protective layer was completely cross-linked and cured by irradiating ultraviolet rays. The molding conditions were as follows: resin temperature 240 ° C., mold temperature 55 ° C., resin pressure 300 kg / cm. 2 And The molded product is a tray-shaped molded product having a material of acrylic resin, a length of 95 mm, a width of 65 mm, a rise of 4.5 mm, and a corner portion of R2.5 mm. The irradiation conditions of the ultraviolet rays are four irradiations at one 80 w / cm high-pressure mercury lamp, a lamp height of 15 cm, and a conveyor speed of 5 m / min.
[0069]
Storage stability of paints (P1 to P6) and (P1 'to P2') and residual tack after heating a protective layer obtained by using the paints at 140 ° C. for 5 minutes. Tables (1) and (2) show the presence or absence of cracks on the surface of the protective layer after transfer, and the results of evaluation of the solvent resistance and abrasion resistance of the transferred protective layer.
[0070]
[Table 3]
[0071]
[Table 4]
[0072]
<Footnotes to Table 2 (1) and (2)>
-Stability of paint: After the paint was stored in a closed container at 40 ° C for 6 hours, the presence or absence of a change in viscosity was evaluated. ○ No change in viscosity, × change in viscosity.
-Residual tack after heating of the protective layer: After coating the protective layer on the base sheet and heating at 140 ° C for 5 minutes, the residual tack on the surface of the protective layer was evaluated by finger touch. ○ There is no tack, there is × tack.
Cracks after transfer: The occurrence of cracks on the curved surface of the molded product after transfer was visually determined. ○ No cracks generated, △ Cracks slightly generated, × Cracks considerably occurred.
Solvent resistance: The state of the surface of the protective layer after gauze impregnated with MEK and rubbed 50 times was visually evaluated. ○ No change, × coating film dissolution.
Abrasion resistance: Using a load of 440 g / cm using # 0000 steel wool 2 ), The degree of damage on the surface of the protective layer after 50 reciprocations was visually determined. ○ No surface damage, × surface damage.
[0073]
【The invention's effect】
The active energy ray-curable resin composition of the present invention is a one-pack type active energy ray-curable resin composition excellent in storage stability, excellent in abrasion and chemical resistance by a transfer method and the like, and at the time of transfer. It is possible to form a protective layer on the molded product that does not cause cracks in the curved surface of the molded product.