JP2004129539A - 原生動物および微小後生動物用培地と培養方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な大きさの原生動物や微小後生動物を効率よく培養することのできる培養方法と、その方法を用いた培地を提供する。
【解決手段】無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とする原生動物および微小後生動物用培地と、この培地において原生動物または微小後生動物を無菌培養することを特徴とする培養方法。
【選択図】 なし
【解決手段】無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とする原生動物および微小後生動物用培地と、この培地において原生動物または微小後生動物を無菌培養することを特徴とする培養方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、原生動物および微小後生動物を無菌培養するための培地と、培養方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、原生動物および微小後生動物の食性を利用する培養方法とこの培養方法に基づく粉末クロレラを栄養成分とする原生動物および微小後生動物用の培地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細胞・組織・器官の培養や、あるいは細菌類・菌類・原生動物・後生動物等の生物体の容器内培養飼育のために、栄養物を組合せ、また支持その他特定の目的のための物質を組み合わせた混合物としての培地が知られている。
【0003】
栄養物が無機塩のみの場合や、有機化合物を炭素源や窒素源とするものを合成培地といい、一方、栄養物が生体からの抽出物であるものを天然培地という。
【0004】
この天然培地における栄養物は、例えば、細菌では肉汁や血清等が、またカビ等では麦芽エキスが多く用いられているが、Aspidisca costataやColpoda cucullus等の原生動物、あるいはNais sp.やAeolosoma hemprichi等の微小後生動物の場合には、藁や活性汚泥等の抽出物と、餌生物としての細菌等とを組合せたものが使用させている。
【0005】
一方、後生動物を培養、飼育する場合に、餌生物としてクロレラを用いることが知られている。例えば、特許文献1には、輪虫の卵を無菌培養液に導入し、この培養液に緑藻類クロレラを投入して輪虫を増殖させる方法が記載されている。特許文献2には、ふ化直後のヌカエビにクロレラだけを餌生物として与えてヌカエビを飼育する方法が記載されている。さらに、特許文献3には、ビタミンB12および栄養生物を含む培地を殺菌した後、餌生物として無菌のクロレラを添加し、さらに無菌のミジンコ卵を接種し、ミジンコを無菌的に培養する方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特公平3−60463号公報
【特許文献2】
特公平7−28624公報
【特許文献3】
特開平10−113095号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の培地は、培養する原生動物や微小後生動物の捕食性に応じた餌生物を用意する必要であるが、培養微小動物の種類によって、餌生物が不明であるため培養できない場合、および餌生物が入手困難な場合がある。
【0008】
また、湖沼等の自然生態系および生物処理等の人工生態系から分離された原生動物や微小後生動物を初代培養する場合には、生育環境が大きく変化するため、特殊な栄養物が必要となるが、従来の藁培地やSE培地では、栄養価の点で満足のいくものではなかった。
【0009】
さらに、緑藻類クロレラは餌としての栄養価は優れており、特定の比較的大型の後生動物を培養、飼育することは可能であるが、大部の原生動物や微小後生動物の培養に適していない。
【0010】
なお、原生動物および微小動物の捕食性は、細菌捕食性、藻類等を捕食する植食性および肉食性に大きく分けられるが、ほとんどの原生動物および多くの微小後生動物は細菌捕食性であるため、原生動物および微小後生動物の餌生物としては細菌を用いることが多い。しかし、一般に細菌捕食性原生動物にとって最も重要な選択要因は細菌の大きさである。例えば、Cyclidiumは0.23μm以下の粒子は捕捉できないのに対し、Claucomaは0.1μmの粒子まで捕捉できる。従って、適切な大きさに調製することができ、しかも高い栄養価を有するを固体の栄養物は、原生動物および微小後生動物のための餌生物の代替として有用である。あらにまた、クロレラは、細菌類に比べて遙かに取り扱いが容易であるという利点を有してもいる。
【0011】
この出願の発明は以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、栄養価に優れ、大きさや形状加工が可能な緑藻類クロレラを用いて、様々な大きさの原生動物や微小後生動物を効率よく培養することのできる培養方法と、その方法を用いた培地を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この出願は、前記の課題を解決する発明として、無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とする原生動物および微小後生動物用培地を提供する。
【0013】
またこの出願は、無菌の粉砕クロレラを含有する培地において原生動物または微小後生動物を無菌培養すること特徴とする培養方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の培地は、無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とするものであり、粉末クロレラ以外の組成は、従来の培地(例えば、藁培地やSE培地等)と同様とすることができる。また、クロレラは高い栄養価を有するため、実質的に粉砕クロレラのみを含有する滅菌蒸留水を培地とすることもできる。粉砕クロレラは、市販のクロレラを超音波処理するなどの方法により調製することができる。超音波処理および沈澱処理により、培養する原生動物や微小後生動物の摂取可能な大きさのクロレラとすることができる。例えば、原生動物Arcella vulgarisに適したクロレラの大きさは、0.1〜6μm程度、微小後生動物輪虫類Habrotrocha constrictaに適したクロレラの大きさは0.1〜2μm程度である。
【0015】
以下、生物処理に浄化に大きく貢献している原生動物および微小後生動物についての実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例によって限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
実施例1
市販栄養補助食品としての細胞壁破砕クロレラ(Chlorella vulgaris)50mgを滅菌した精製水50mlに入れ、出力40Wに設定した超音波で10分間処理し、その懸濁液を121℃で20分間煮沸し、滅菌培地250mlを調整した。
【0017】
クロレラの大きさは平均約5μmであった。
実施例2
実施例1と同様にして作った培地を12時間沈殿させ、その上澄みを培地とした。クロレラの大きさは平均約2μmであった。
実施例3
生物処理施設から分離した原生動物Arcella vulgarisを、実施例1で調製した培地を用いて初代培養(2倍以上の増殖)に成功した。
【0018】
一方、従来の藁の抽出物を主成分とした藁培地、活性汚泥の抽出物を主成分としたSE培地およびレタスと卵黄の抽出物を主成分としたLE培地にそれぞれ10種類の異なる細菌(表1)を餌生物として添加して原生動物Arcella vulgarisを初代培養したが、培養は成功しなかった。
【0019】
【表1】
【0020】
実施例4
実施例1で調製した培地を用いて原生動物A. vulgarisを継代培養した。すなわち、300mlフラスコに培地100mlと継代培養中の対数増殖期にあるA. vulgarisを添加し、25℃、暗、静置条件下で培養した。またコントロールとして、従来培地のなかで最も増殖速度が早いLE培地に10種類の細菌(表1)を餌生物として添加して同様に培養した。
【0021】
図1は、粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した原生動物A. vulgarisの顕微鏡写真である。図2は原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。この図2にも示したように、この発明の粉砕クロレラ入り培地を用いた培養は、細菌を添加した従来培地と同等またはそれ以上に、原生動物A. vulgarisを良好に増殖させることが可能であることが確認された。
実施例5
実施例2で調整した培地を用いて微小後生動物輪虫類Habrotrocha constrictaを培養した。すなわち、300mlフラスコに培地100mlと継代培養中の対数増殖期にあるH. constrictaを添加し、25℃、暗、静置条件下で培養した。またコントロールとして従来培地の中で最も増殖速度が早いLE培地に、10種類の細菌(表1)を餌生物として添加して同様に培養した。
【0022】
図3は、粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した輪虫類H. constrictaの顕微鏡写真である。図4は輪虫類H. constrictaの増殖曲線である。この図4から明らかなように、従来培地に比べ、この発明の粉砕クロレラ入り培地を用いた場合には輪虫類H. constrictaは著しく良好に増殖することが確認された。
実施例6
実施例1で調製した培地を用いて微小後生動物貧毛類Aelosoma hemprichiを継代培養した。すなわち、300mlフラスコに培地100mlと継代培養中の対数増殖期にあるA. vulgarisを添加し、25℃、暗、静置条件下で培養した。またコントロールとして、従来培地の中で最も増殖速度が早いLE培地に、10種類の細菌(表1)を餌生物として添加して同様に培養した。
【0023】
図5は粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した貧毛類A. hemprichiの顕微鏡写真である。図6は原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。この図6から明らかなように、従来培地に比べ、この発明の粉砕クロレラ入り培地を用いた場合には原生動物貧毛類A. hemprichiは著しく良好に増殖することが確認された。
【0024】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、粉砕クロレラを成分とする原生動物または微小後生動物用培地が提供される。この培地は、餌としての細菌を必要としないため、取り扱いや保存が簡便であり、しかも無菌培養を可能とする。また、クロレラ自体が高い栄養価を有するため特殊な栄養成分を必要とせず、安価に提供することができる。また、クロレラの大きさを調整することによって、あらゆる種類の原生動物や微小後生動物の培養に共することができる。さらには、クロレラの高栄養価により、継代培養だけでなく、より高い栄養成分を必要とする初代培養にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した原生動物A. vulgarisの顕微鏡写真である。
【図2】原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。
【図3】粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した輪虫類H. constrictaの顕微鏡写真である。
【図4】輪虫類H. constrictaの増殖曲線である。
【図5】粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した貧毛類A. hemprichiの顕微鏡写真である。
【図6】原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、原生動物および微小後生動物を無菌培養するための培地と、培養方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、原生動物および微小後生動物の食性を利用する培養方法とこの培養方法に基づく粉末クロレラを栄養成分とする原生動物および微小後生動物用の培地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細胞・組織・器官の培養や、あるいは細菌類・菌類・原生動物・後生動物等の生物体の容器内培養飼育のために、栄養物を組合せ、また支持その他特定の目的のための物質を組み合わせた混合物としての培地が知られている。
【0003】
栄養物が無機塩のみの場合や、有機化合物を炭素源や窒素源とするものを合成培地といい、一方、栄養物が生体からの抽出物であるものを天然培地という。
【0004】
この天然培地における栄養物は、例えば、細菌では肉汁や血清等が、またカビ等では麦芽エキスが多く用いられているが、Aspidisca costataやColpoda cucullus等の原生動物、あるいはNais sp.やAeolosoma hemprichi等の微小後生動物の場合には、藁や活性汚泥等の抽出物と、餌生物としての細菌等とを組合せたものが使用させている。
【0005】
一方、後生動物を培養、飼育する場合に、餌生物としてクロレラを用いることが知られている。例えば、特許文献1には、輪虫の卵を無菌培養液に導入し、この培養液に緑藻類クロレラを投入して輪虫を増殖させる方法が記載されている。特許文献2には、ふ化直後のヌカエビにクロレラだけを餌生物として与えてヌカエビを飼育する方法が記載されている。さらに、特許文献3には、ビタミンB12および栄養生物を含む培地を殺菌した後、餌生物として無菌のクロレラを添加し、さらに無菌のミジンコ卵を接種し、ミジンコを無菌的に培養する方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特公平3−60463号公報
【特許文献2】
特公平7−28624公報
【特許文献3】
特開平10−113095号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の培地は、培養する原生動物や微小後生動物の捕食性に応じた餌生物を用意する必要であるが、培養微小動物の種類によって、餌生物が不明であるため培養できない場合、および餌生物が入手困難な場合がある。
【0008】
また、湖沼等の自然生態系および生物処理等の人工生態系から分離された原生動物や微小後生動物を初代培養する場合には、生育環境が大きく変化するため、特殊な栄養物が必要となるが、従来の藁培地やSE培地では、栄養価の点で満足のいくものではなかった。
【0009】
さらに、緑藻類クロレラは餌としての栄養価は優れており、特定の比較的大型の後生動物を培養、飼育することは可能であるが、大部の原生動物や微小後生動物の培養に適していない。
【0010】
なお、原生動物および微小動物の捕食性は、細菌捕食性、藻類等を捕食する植食性および肉食性に大きく分けられるが、ほとんどの原生動物および多くの微小後生動物は細菌捕食性であるため、原生動物および微小後生動物の餌生物としては細菌を用いることが多い。しかし、一般に細菌捕食性原生動物にとって最も重要な選択要因は細菌の大きさである。例えば、Cyclidiumは0.23μm以下の粒子は捕捉できないのに対し、Claucomaは0.1μmの粒子まで捕捉できる。従って、適切な大きさに調製することができ、しかも高い栄養価を有するを固体の栄養物は、原生動物および微小後生動物のための餌生物の代替として有用である。あらにまた、クロレラは、細菌類に比べて遙かに取り扱いが容易であるという利点を有してもいる。
【0011】
この出願の発明は以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、栄養価に優れ、大きさや形状加工が可能な緑藻類クロレラを用いて、様々な大きさの原生動物や微小後生動物を効率よく培養することのできる培養方法と、その方法を用いた培地を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この出願は、前記の課題を解決する発明として、無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とする原生動物および微小後生動物用培地を提供する。
【0013】
またこの出願は、無菌の粉砕クロレラを含有する培地において原生動物または微小後生動物を無菌培養すること特徴とする培養方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の培地は、無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とするものであり、粉末クロレラ以外の組成は、従来の培地(例えば、藁培地やSE培地等)と同様とすることができる。また、クロレラは高い栄養価を有するため、実質的に粉砕クロレラのみを含有する滅菌蒸留水を培地とすることもできる。粉砕クロレラは、市販のクロレラを超音波処理するなどの方法により調製することができる。超音波処理および沈澱処理により、培養する原生動物や微小後生動物の摂取可能な大きさのクロレラとすることができる。例えば、原生動物Arcella vulgarisに適したクロレラの大きさは、0.1〜6μm程度、微小後生動物輪虫類Habrotrocha constrictaに適したクロレラの大きさは0.1〜2μm程度である。
【0015】
以下、生物処理に浄化に大きく貢献している原生動物および微小後生動物についての実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例によって限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
実施例1
市販栄養補助食品としての細胞壁破砕クロレラ(Chlorella vulgaris)50mgを滅菌した精製水50mlに入れ、出力40Wに設定した超音波で10分間処理し、その懸濁液を121℃で20分間煮沸し、滅菌培地250mlを調整した。
【0017】
クロレラの大きさは平均約5μmであった。
実施例2
実施例1と同様にして作った培地を12時間沈殿させ、その上澄みを培地とした。クロレラの大きさは平均約2μmであった。
実施例3
生物処理施設から分離した原生動物Arcella vulgarisを、実施例1で調製した培地を用いて初代培養(2倍以上の増殖)に成功した。
【0018】
一方、従来の藁の抽出物を主成分とした藁培地、活性汚泥の抽出物を主成分としたSE培地およびレタスと卵黄の抽出物を主成分としたLE培地にそれぞれ10種類の異なる細菌(表1)を餌生物として添加して原生動物Arcella vulgarisを初代培養したが、培養は成功しなかった。
【0019】
【表1】
【0020】
実施例4
実施例1で調製した培地を用いて原生動物A. vulgarisを継代培養した。すなわち、300mlフラスコに培地100mlと継代培養中の対数増殖期にあるA. vulgarisを添加し、25℃、暗、静置条件下で培養した。またコントロールとして、従来培地のなかで最も増殖速度が早いLE培地に10種類の細菌(表1)を餌生物として添加して同様に培養した。
【0021】
図1は、粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した原生動物A. vulgarisの顕微鏡写真である。図2は原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。この図2にも示したように、この発明の粉砕クロレラ入り培地を用いた培養は、細菌を添加した従来培地と同等またはそれ以上に、原生動物A. vulgarisを良好に増殖させることが可能であることが確認された。
実施例5
実施例2で調整した培地を用いて微小後生動物輪虫類Habrotrocha constrictaを培養した。すなわち、300mlフラスコに培地100mlと継代培養中の対数増殖期にあるH. constrictaを添加し、25℃、暗、静置条件下で培養した。またコントロールとして従来培地の中で最も増殖速度が早いLE培地に、10種類の細菌(表1)を餌生物として添加して同様に培養した。
【0022】
図3は、粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した輪虫類H. constrictaの顕微鏡写真である。図4は輪虫類H. constrictaの増殖曲線である。この図4から明らかなように、従来培地に比べ、この発明の粉砕クロレラ入り培地を用いた場合には輪虫類H. constrictaは著しく良好に増殖することが確認された。
実施例6
実施例1で調製した培地を用いて微小後生動物貧毛類Aelosoma hemprichiを継代培養した。すなわち、300mlフラスコに培地100mlと継代培養中の対数増殖期にあるA. vulgarisを添加し、25℃、暗、静置条件下で培養した。またコントロールとして、従来培地の中で最も増殖速度が早いLE培地に、10種類の細菌(表1)を餌生物として添加して同様に培養した。
【0023】
図5は粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した貧毛類A. hemprichiの顕微鏡写真である。図6は原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。この図6から明らかなように、従来培地に比べ、この発明の粉砕クロレラ入り培地を用いた場合には原生動物貧毛類A. hemprichiは著しく良好に増殖することが確認された。
【0024】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、粉砕クロレラを成分とする原生動物または微小後生動物用培地が提供される。この培地は、餌としての細菌を必要としないため、取り扱いや保存が簡便であり、しかも無菌培養を可能とする。また、クロレラ自体が高い栄養価を有するため特殊な栄養成分を必要とせず、安価に提供することができる。また、クロレラの大きさを調整することによって、あらゆる種類の原生動物や微小後生動物の培養に共することができる。さらには、クロレラの高栄養価により、継代培養だけでなく、より高い栄養成分を必要とする初代培養にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した原生動物A. vulgarisの顕微鏡写真である。
【図2】原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。
【図3】粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した輪虫類H. constrictaの顕微鏡写真である。
【図4】輪虫類H. constrictaの増殖曲線である。
【図5】粉砕クロレラ入り培地において大量に増殖した貧毛類A. hemprichiの顕微鏡写真である。
【図6】原生動物A. vulgarisの増殖曲線である。
Claims (2)
- 無菌の粉砕クロレラを含有することを特徴とする原生動物および微小後生動物用培地。
- 無菌の粉砕クロレラを含有する培地において原生動物または微小後生動物を無菌培養することを特徴とする培養方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295746A JP2004129539A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 原生動物および微小後生動物用培地と培養方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295746A JP2004129539A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 原生動物および微小後生動物用培地と培養方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004129539A true JP2004129539A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32285905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002295746A Pending JP2004129539A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 原生動物および微小後生動物用培地と培養方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004129539A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8783449B2 (en) | 2010-05-28 | 2014-07-22 | Tsubakimoto Chain Co. | Conveyor chain |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002295746A patent/JP2004129539A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8783449B2 (en) | 2010-05-28 | 2014-07-22 | Tsubakimoto Chain Co. | Conveyor chain |
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Legal Events
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