JP2004127758A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温状態のとき、固体高分子膜の耐熱温度を超えることなく、燃料電池を高効率で加熱することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムを以下の構成とする。燃料電池1に対して、カップリングコンデンサ3、マッチングボックス4を介して、交流電圧発生回路5を接続する。交流電圧発生回路5にバッテリー6接続する。また、スイッチ2を燃料電池1と交流電圧発生回路5の間に設ける。そして、0℃以下の低温状態のとき、スイッチ2をオンにし、バッテリー6から供給される直流電圧を交流電圧発生回路5にて所定の周波数の交流電圧に変換する。そして、この交流電圧をマッチングボックス4にてインピーダンス整合をとって燃料電池1に印加する。これにより、燃料電池1の内部の氷や固体高分子膜を誘電損失により加熱する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水素と空気(酸素)との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池システムが知られている。燃料電池としては、例えば車両用等の駆動源として考えられている高分子電解質型燃料電池がある。この燃料電池は、複数のセルから構成されており、このセルは固体高分子膜の両面に電極(燃料極、空気極)が接合されたMEA(Membrane Electrode assembly)と、セパレータとを有している。
【0003】
発電の仕組みを説明すると、燃料極に水素を供給し、空気極に空気を供給することで、燃料極では水素燃料が水素イオンと電子に分かれる。水素イオンは固体高分子膜中を移動し、電子は外部回路を通って空気極に達する。これにより電流が流れる。空気極では酸素、電子及び水素イオンが反応して水が生成する。
【0004】
このような燃料電池においては、燃料電池を、0℃以下の低温状態にて起動させようとしたとき、水が内部に残留している場合、電極近傍に存在している水分が凍結し、水素や酸素の拡散が阻害され発電できない。また、内部に残留している水が凍結していない場合でも、低温状態では、反応により生成した水が周囲に付着し凍結することで、発電できないという問題がある。
【0005】
このため、燃料電池を低温で起動させる方法として、次のように燃料電池を加熱することで燃料電池を起動させる方法が提案されている。例えば、水素吸蔵合金の発熱特性を利用して燃料電池を加熱する方法(特許文献1、2参照)や、空気と一緒に低濃度の水素を供給し、電極の表面で発生する水素と酸素の反応熱を利用して、燃料電池を加熱する方法である(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−213650号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−302201号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2001−189164号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者では、MEAの他に冷却水配管、冷却水循環ポンプ、及びセパレータ等の発電に必要でない部分も加熱してしまうため、有効に熱エネルギーを利用することができない。このため、燃料電池が起動するまでの加熱時間が長いという問題がある。また、この加熱時間を短縮させるためには、燃料電池を加熱するための熱源の発熱容量を大きくしなければならないという問題がある。
【0010】
また、後者では、電極近辺を効率良く加熱することができるが、この方法では加熱温度が固体高分子膜の耐熱温度を超え、固体高分子膜が変形、劣化してしまう恐れがある。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、低温状態のとき、固体高分子膜の耐熱温度を超えることなく、燃料電池を高効率で加熱することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料電池(1)と、交流電圧発生手段(5、6)とを有し、交流電圧発生手段(5、6)は燃料電池(1)に交流電圧を印加し、燃料電池(1)の内部の氷または高分子膜のうち、少なくともどちらか一方を誘電損失により加熱することを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、MEA中に存在する氷を直接加熱し、氷を融解させることができる。また、高分子膜を直接加熱することで、加熱された高分子膜の熱を利用して、MEA中の氷を融解させることができる。このように燃料電池の起動に必要な部位を直接加熱することから、高効率で効果的に燃料電池を加熱することができる。
【0014】
また、本発明では氷の誘電損失特性を利用した加熱を行うことから、燃料電池の内部の温度が高分子膜の耐熱温度を越えることはない。このため、固体高分子膜が変形、劣化してしまう恐れはない。なお、交流電圧としては、氷を誘電損失により融解させることができる周波数の交流電圧を用いる。例えば周波数が100Hz〜250kHzの交流電圧を用いるのが好適である。
【0015】
請求項2に記載の発明では、燃料電池(1)は複数のセル(1a)を有して構成されており、複数のセル(1a)のうち、一部のセルに交流電圧を印加することを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、燃料電池を構成する複数のセル全部に交流電圧を印加する場合と比較して、燃料電池に印加する電圧を低くすることができる。これにより、燃料電池を構成する複数のセル全部に交流電圧を印加する場合よりも、交流電圧発生手段を構成する電力回路を小型化することができる。
【0017】
例えば、請求項3に示すように、燃料電池(1)に電気的に接続され、スイッチング回路(31a)を有する出力電圧の変換回路(31)と、出力電圧の変換回路(31)に電気的に接続された直流電源(6)とを備える燃料電池システムにおいて、交流電圧発生手段として、直流電源(6)とスイッチング回路(31a)とを利用し、直流電源(6)から出力された直流電圧をスイッチング回路(31a)を用いて交流電圧に変換して、燃料電池(1)に所定周波数の交流電圧を印加することができる。
【0018】
また、請求項4に示すように、燃料電池に燃料ガスと空気が供給され、燃料電池の出力が少しでも得られる状態である場合では、燃料電池(1)に電気的に接続され、スイッチング回路(31a)を有する出力電圧の変換回路(31)と、出力電圧の変換回路(31)に電気的に接続された直流電源(6)とを備える燃料電池システムにおいて、交流電圧発生手段として、燃料電池(1)とスイッチング回路(31a)とを利用し、燃料電池から出力された直流電圧をスイッチング回路を用いて、交流電圧に変換して、燃料電池(1)に所定周波数の交流電圧を印加することができる。
【0019】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本実施形態における燃料電池システムの構成を示す。燃料電池システムは、燃料電池1にスイッチ2、カップリングコンデンサ3、及びマッチングボックス4を介して、交流電圧発生回路5が接続されており、交流電圧発生回路5にはバッテリー6が接続された構成となっている。
【0021】
燃料電池1は固体高分子電解質型燃料電池であり、基本単位となるセルが複数積層されて構成されたスタック構造となっている。各セル1aは、図示しないが、MEAとセパレータとを有して構成されている。MEAは固体高分子膜が一対の電極で挟まれた構成である。MEAは水素や酸素といった反応ガス等の供給通路をかねているセパレータに挟持されている。また、燃料電池1は発電した電力を取り出すための電極11(負極12、正極13)を備えている。
【0022】
マッチングボックス4は、スイッチ2を介して負極12、正極13に電気的に接続されている。マッチングボックス4は、燃料電池1の特性に合わせてインピーダンス整合をとり、無効電力を発生させないようにする回路である。スイッチ2は交流電圧発生回路5と燃料電池1との接続を電気的に切り離すためのものである。
【0023】
また、マッチングボックス4とスイッチ2の間にカップリングコンデンサ3が接続されている。カップリングコンデンサ3は燃料電池1の出力(直流電圧)が交流電圧発生回路5に印加されるのを防ぎつつ、交流電圧発生回路5からの交流電圧を燃料電池1に印加するためのものである。交流電圧発生回路5は、例えば水晶発振器を有する直流/交流の変換回路である。
【0024】
次に燃料電池の加熱方法を説明する。まず、スイッチ7をオンにする。バッテリー6から供給される直流電圧を交流電圧発生回路5にて所定の周波数の交流電圧に変換する。このとき、交流電圧の周波数を例えば250kHzとし、振幅を燃料電池1を構成する1セル1aあたりに印加される電圧が−1.23Vを越えず、+1.0〜−1.0Vとなるように設定する。波形は例えば正弦波である。なお、本実施形態における交流電圧は商業用電力の周波数よりも高いので、以下では、この交流電圧を単に高周波と呼ぶ。
【0025】
そして、マッチングボックス4にてインピーダンス整合をとり、交流電圧を燃料電池1に印加する。このようにして、燃料電池1を構成する各セル1aに対して、高周波加熱を行う。なお、本実施形態でいう高周波加熱とは、各セル1a中の電極等に付着している氷や高分子膜を誘電損失により加熱することである。このように、本実施形態によれば氷を直接加熱し、または高分子膜に発生した熱により氷を加熱することができる。
【0026】
本実施形態では、燃料電池1が起動するのに必要な部位、すなわち、高分子膜や電極から構成されるMEAを直接加熱している。したがって、セパレータや、その他の冷却水配管、冷却水循環ポンプ等の発電に必要でない部分も加熱する燃料電池システムと比較して、高効率に加熱することができる。
【0027】
ここで、図2に本実施形態における燃料電池システムにて、−10℃環境温度に置かれた燃料電池1を加熱したときの燃料電池1の内部温度の時間変化を示す。上記従来の欄に記載した発電に必要でない部分も加熱する燃料電池システムでは、図示しないが、0℃を越えるまで10分以上かかってしまうのに対して、本実施形態では、図2に示すように、これよりも早く0℃よりも高い温度にすることができる。すなわち、低温状態にて燃料電池が起動するまでの時間を従来よりも短縮させることができる。
【0028】
また、本実施形態での加熱方法は、主に氷の誘電損失により氷を融解するものであり、図2に示すように、燃料電池1の温度が0℃を越えたときでは、温度上昇が小さく、固体高分子膜の耐熱温度を越えることはない。したがって、本実施形態によれば、固体高分子膜の耐熱温度よりも低い温度で燃料電池を加熱することから、固体高分子膜の変形や劣化を防ぐことができる。
【0029】
なお、本実施形態では、燃料電池の温度が0℃を越えた後、温度上昇が小さいので、燃料電池の温度が0℃付近を越えた後、または燃料電池が起動した後、図示しないがヒータ等の熱を用いて燃料電池1を加熱する。これにより、発電効率が高い定常運転が可能な温度(例えば80℃)まで、燃料電池1の内部の温度を上昇させる。
【0030】
このように、燃料電池1が起動するまで燃料電池1を高周波加熱し、燃料電池1が起動できる温度にする。そして、燃料電池1が起動できる温度から定常運転となる温度まで、ヒータ等の加熱手段を用いて、燃料電池1を加熱する。すなわち、起動時間での高周波加熱と暖気運転期間での一般的な加熱方法とを組み合わせることで、低温状態の環境下にて、短時間で燃料電池1を起動させ、定常運転させることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、交流電圧の周波数を250kHzとした場合を説明したが、氷や高分子膜の誘電損失が発生する範囲内の周波数であればよい。例えば100〜250kHz内のうちの任意の周波数とすることができる。
【0032】
(第2実施形態)
図3に本実施形態における燃料電池システムの構成を示す。第1実施形態では、燃料電池1の電極11に交流電圧発生回路5を接続していたが、本実施形態では、図3に示すように、燃料電池1を構成する複数のセル1aのうち、一部のセル1aに交流電圧発生回路5を接続した構成となっている。その他の構成部は第1実施形態と同じである。
【0033】
第1実施形態では、燃料電池1を構成する複数のセルの全部を高周波加熱していたが、本実施形態では、一部のセルだけを高周波加熱する。そして、高周波加熱しないセルに対しては、加熱されたセル1aからの熱伝導により暖める。このようにしても、燃料電池1の内部の発電に必要な部分を加熱していることから、従来における冷却水配管、冷却水循環ポンプ等の発電に必要でない部分も加熱する燃料電池システムと比較して、高効率に加熱することができる。
【0034】
また、第1実施形態では燃料電池1の全体に高周波を印加するため、各セルに印加するための電圧の合計が交流電圧発生回路5の出力電圧である。これに対して、本実施形態では、一部のセルにのみ高周波を印加することから、第1実施形態と比較して、交流電圧発生回路5の出力電圧を低くすることができる。このため、交流電圧発生回路5の回路構成を簡略化することができる。
【0035】
なお、図3では1つのセル1aに交流電圧発生回路5を接続した構成となっているが、全部のセルのうち、1つ以上任意の数のセルに交流電圧発生回路5を接続することもできる。また、燃料電池1の中央に位置するセル1aを高周波加熱しているが、高周波加熱するセルの位置は燃料電池1の中央に限らず、どの位置のセルを加熱しても良い。高周波加熱するセルの数やセルの位置等は、燃料電池1中のセル全体の熱容量や、高周波加熱時の昇温レート等を考慮して任意に設定する。
【0036】
(第3実施形態)
図3に本実施形態における燃料電池システムの構成を示す。本実施形態では、第1実施形態での図1に示す燃料電池システムに対して、燃料電池1の内部に取り付けられた温度センサ21と、制御回路22とが追加され、交流電圧発生回路5が周波数可変交流電圧発生回路23に置き換えられた構成となっている。なお、第1実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0037】
白香蘭、外2名、日本冷凍空調学会論文集、Vol.16、No.3(1999)、p.263−271や近藤聡信、橋口隆吉編、「材料科学講座、物質の電気的性質」、朝倉書店、p152に示されるように、氷の高周波加熱にはその温度に適した周波数がある。このことを説明するために図5に氷の温度と誘電損率の関係を示す。なお、この図は後者の文献より引用したものである。図5に示すように、ある特定の周波数の交流電界において、氷の誘電損率は温度によって変化し、ある温度のときに誘電損率は最も大きくなる。誘電損率が最も大きいとき、氷の発熱量が最も多い。そして、誘電損率が最も大きいときの温度は、周波数の大きさによって異なる。
【0038】
そこで、本実施形態では、燃料電池1の内部温度を温度センサ21にて計測しする。この計測結果を基にして、各温度における最適な周波数のデータ(データマップ24)を内蔵した制御回路22により、周波数可変交流電圧発生回路23から出力される交流電圧の周波数を制御する。このときの周波数の可変範囲は例えば、100〜250kHzとする。
【0039】
このように燃料電池1の内部温度に応じた周波数の交流電圧を印加することで、第1実施形態と比較して、より高効率に燃料電池1を加熱することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、燃料電池1の電極11に高周波を印加し、燃料電池1を構成するセル全部を加熱する場合を説明したが、第2実施形態のように、一部のセルに高周波を印加して高周波加熱をすることもできる。
【0041】
(第4実施形態)
本実施形態では、燃料電池自動車の電力回路の一部を利用して、燃料電池1を高周波加熱する方法を説明する。図6に燃料電池自動車の電力回路の構成を示し、図7に本実施形態における燃料電池システムの構成を示す。
【0042】
図6に示すように、燃料電池自動車の電力回路は、例えば燃料電池1と、バッテリー6と、出力電圧の変換回路としてのDC/DCコンバータ31と、インバータ32と、モータ33とを有して構成されている。
【0043】
DC/DCコンバータ31はバッテリー6の出力を昇圧してインバータ31に印加する。またはDC/DCコンバータ31は燃料電池1の電極11に接続されており、燃料電池1の出力を降圧してバッテリー6に印加し、バッテリー6を充電する。
【0044】
DC/DCコンバータ31は具体的に、スイッチング素子31aを主として構成されたスイッチング回路と、制御回路31bと、ダイオード31cと、コンデンサ31dと、変圧器31eとを有している。例えば、バッテリー6の出力を昇圧する場合では、制御回路31bによりスイッチング素子31aを制御することで、バッテリー6から供給された直流電圧をインバータ32に印加する。
【0045】
インバータ32は燃料電池1やバッテリー6から供給される直流電圧を、3相交流電圧に変換してモータ33に供給する。モータ33は例えば3相同期モータであり、インバータを介して供給された電力によって回転駆動力を発生し、この回転駆動力を車両における車軸を介して、前輪、後輪に伝え、車両を走行させる。
【0046】
本実施形態では、図7に示すように、電気自動車の電力回路に含まれるバッテリー6とDC/DCコンバータ31に含まれているスイッチング素子31aとを利用して、燃料電池1を高周波加熱する。
【0047】
具体的には、図6に対し、スイッチング素子31f及びダイオード31gを図7のように挿入する。スイッチング素子31fは制御回路にて制御する。
【0048】
今、各スイッチング素子に▲1▼から▲4▼までの番号を図7のように付し、その動作を説明する。まず、▲1▼、▲2▼をON、▲3▼、▲4▼をOFFとすることで、変圧器31eに電圧を印加する。次に▲3▼、▲4▼をON、▲1▼、▲2▼をOFFとすることで、燃料電池1に変圧器31eに発生する電圧を印加し、燃料電池1を充電する。そして、▲2▼、▲3▼をON、▲1▼、▲4▼をOFFとすることで、燃料電池1に蓄積された電荷を放電する。この一連の動作を所望の周波数で繰り返すことで、燃料電池1中の氷や高分子膜を高周波加熱する。なお、交流電圧の周波数や、加熱するセルの数等は、上述した各実施形態と同様にする。
【0049】
このようにしても、上述した各実施形態と同様の効果を有し、加えて以下の効果も有する。
【0050】
上記従来技術の欄に記載した水素吸蔵合金の発熱特性を利用して燃料電池を加熱する従来技術では、燃料電池を加熱するために、機器の構成が複雑であったり、機器の部品点数が増大していた。これに対して、本実施形態では、電気自動車の電力回路中のバッテリー6及びDC/DCコンバータ31に含まれているスイッチング素子31aを利用することで、燃料電池1に高周波を印加している。このため、燃料電池システムに別途、燃料電池1を加熱するための交流電圧発生回路を搭載する必要がない。このように既存部品を活用することで、燃料電池システムを上述した従来技術よりも簡単な構成とすることができる。
【0051】
(第5実施形態)
図8に本実施形態における燃料電池システムの構成の一部を示す。本実施形態では、第4実施形態における図7に示す構成を一部変更したものであり、例えば図6中のDC/DCコンバータ31に含まれているスイッチング素子31aを介して、燃料電池1をショートさせる構成となっている。
【0052】
本実施形態は、燃料電池1に燃料ガスと空気が供給され、燃料電池1が発電可能となり、燃料電池1の出力が少しでも得られる状態である場合の加熱方法である。低温状態であっても、燃料電池1の出力が少しでも得られる場合、燃料電池1そのものを電源とみなすことができる。そこで、スイッチング素子31aを制御することで、燃料電池1の出力を所望の周波数として、燃料電池1をショートさせる。このようにして、燃料電池1を高周波加熱しても、上記した各実施形態と同様の効果を有する。
【0053】
本実施形態によれば、燃料電池1を加熱するための交流電圧発生回路を搭載しなくても、DC/DCコンバータ31に含まれているスイッチング素子31aを利用することで、燃料電池に高周波を印加することができる。なお、本実施形態の燃料電池1を加熱するための電力回路は、交流電圧による瞬間的なショート回路なので、燃料電池1の内部温度が均一となるように、そのDUTY比を調整することで燃料電池1が熱暴走することを防止できる。これにより、燃料電池1の加熱温度が、固体高分子膜の耐熱温度を越えることを防ぐことができる。
【0054】
(他の実施形態)
なお、第4、5実施形態では、電気自動車の電力回路を例として説明したが、家庭用の燃料電池システムにおいても、同様にシステム内の既存のスイッチング素子を利用して、燃料電池内部の氷や高分子膜を高周波加熱することができる。
【0055】
具体的には、家庭用の燃料電池システムは、通常、バッテリーと、燃料電池から出力された直流電圧をスイッチング素子により交流電圧に変換する回路とを備えている。第4実施形態においては、この回路に含まれているバッテリー6とスイッチング素子とを利用しスイッチング素子を制御することで、第5実施形態ににおいては、燃料電池とスイッチング素子とを利用し、スイッチング素子を制御する。これにより、別途、燃料電池を加熱するための交流電圧発生回路を搭載しなくても、燃料電池に交流電圧を印加することができる。
【0056】
また、家庭用燃料電池システムの場合、商業用電力を用いて、交流電圧を燃料電池に印加することもできる。例えば、AC/ACコンバータを用いて、商業用電力の周波数を所望の周波数に変化し、この交流電圧を燃料電池に印加する。若しくは、商業用電力(交流電圧)を直流電圧に変換し、再度交流電圧に変換する回路を用いて、所望の周波数の交流電圧を燃料電池に印加することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図2】第1実施形態における燃料電池システムにおいて、−10℃環境温度下で燃料電池を加熱したときの燃料電池の内部温度の時間変化を示す図である。
【図3】第2実施形態における燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図4】第3実施形態における燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図5】各周波数の交流電圧における氷の誘電損率と温度との関係を示す図である。
【図6】燃料電池自動車の電力回路を示す図である。
【図7】第4実施形態における燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図8】第5実施形態における燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1…燃料電池、2…スイッチ、3…カップリングコンデンサ、
4…マッチングボックス、5…交流電圧発生回路、6…バッテリー、
11…電極、12…負極、13…正極、21…温度センサ、
22…制御回路、23…周波数可変交流電圧発生回路、24…マップデータ、
31…DC/DCコンバータ、31a…スイッチング素子、
32…インバータ、33…モータ。

Claims (4)

  1. 燃料電池(1)と、交流電圧発生手段(5、6)とを有し、前記交流電圧発生手段(5、6)は前記燃料電池(1)に交流電圧を印加し、前記燃料電池(1)の内部の氷または高分子膜の少なくとも一方を誘電損失により加熱することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池(1)は複数のセル(1a)を有して構成されており、前記交流電圧発生手段(5、6)は前記複数のセル(1a)のうち、一部のセルに前記交流電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池(1)に電気的に接続され、スイッチング回路(31a)を有する出力電圧の変換回路(31)と、前記出力電圧の変換回路(31)に電気的に接続された直流電源(6)とを備え、
    前記交流電圧発生手段として、前記直流電源(6)と前記スイッチング回路(31a)とを利用し、前記直流電源(6)から出力された直流電圧を前記スイッチング回路(31a)を用いて交流電圧に変換して、前記燃料電池(1)に前記交流電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池(1)に電気的に接続され、スイッチング回路(31a)を有する出力電圧の変換回路(31)を有し、
    前記交流電圧発生手段として、前記燃料電池(1)と前記スイッチング回路(31a)とを利用し、前記燃料電池から出力された直流電圧を前記スイッチング回路を用いて交流電圧に変換して、前記燃料電池(1)に前記交流電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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