JP2004127746A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子において、実際に光の取り出し効率の向上を実現する。
【解決手段】発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、前記発光側表面の法線ベクトルnの角度分布N(u,v)と臨界角度分布C(u,v)とのコンボリューション積N’(u,v)をとり、放射ベクトルeの角度分布E(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)が前記発光側表面に凹凸構造がない場合の1.2倍以上であることを特徴とする発光素子を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】図2
【解決手段】発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、前記発光側表面の法線ベクトルnの角度分布N(u,v)と臨界角度分布C(u,v)とのコンボリューション積N’(u,v)をとり、放射ベクトルeの角度分布E(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)が前記発光側表面に凹凸構造がない場合の1.2倍以上であることを特徴とする発光素子を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子に係り、特に、有機EL素子等の発光部位の屈折率が空気の屈折率よりも高い自発光素子における、光の取り出し効率を向上させる技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表示装置として陰極線管CRT(Cathode Ray Tube) が広く用いられている。
近年、様々な分野での表示装置の用途が広まり、表示装置の軽量化、低容量化、低消費電力化、大画面化等の要求から、CRT以外の種々の表示装置が開発されている。例えば、液晶表示装置、発光ダイオード表示装置、プラズマ表示装置、EL表示装置等である。
【0003】
このうち、EL(Electro Luminescenet) 表示装置は、ガラス基板上に少なくとも一方が透光性電極である一組の電極と、これらの電極に挟まれた2つの絶縁層と、これら絶縁層に挟まれた発光層とを備える構造を有し、前記一組の電極間に電界を加えることにより、発光を得るようにしたものである。
【0004】
EL表示装置における構造は、例えば、屈折率の高い発光層を屈折率の低い絶縁層で挟む構造となっている。スネルの法則によれば、屈折率の低い層(屈折率ν1 )と、屈折率の高い層(屈折率ν2 )が界面で接するとき、θc =arcsin( ν1 /ν2 )で定められる臨界角より大きい角度で屈折率の高い層から界面に入射する光線は、界面で全反射され、屈折率の低い層には進入することができない。従って、屈折率の高い発光層における発光の一部は、発光層とそれよりも屈折率の低い絶縁層との界面における全反射によって、外部に出ることができない。
【0005】
このように有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子は、全反射により光取り出しに制限がある。
従来、このEL表示装置の光取り出し効率を向上させる手法として、例えば、陰極表面に集光性を持たせることにより光取り出し効率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、この他に、基板ガラスと発光体との間に回折格子またはゾーンプレートを構成要素として形成し、光の取り出し効率を向上させるようにする方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この方法は、発光層と基板との間に透過型または反射型の回折格子またはゾーンプレートを設けることにより、界面において低減された出射角を持ち再び素子外部の界面に達し、結果的に光取り出し面に対する入射角を変化させる(低減させる)ことができるため、光取り出し面において、全反射を起こすことなく外部に取り出されることをその原理とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−314795号公報
【特許文献2】
特許第2991183号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に記載された方法では、陰極と発光層の界面を加工する必要があり、これは発光層に通電する関係上、実施するのが困難であるという問題がある。
また、前記特許文献2に記載された方法においても、陽極と発光層の界面を加工する必要があり、やはり発光層に通電する関係上、実施が困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子において、実際に光の取り出し効率の向上を実現することのできる発光素子を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、前記凹凸構造のない発光側表面に立てた垂線方向からの角度である緯度θと、前記垂線の足から伸びた前記凹凸構造のない発光側表面内の所定の半直線方向からの角度である経度φに対し、前記発光側表面から(θ,φ)方向に放射された光量を、前記発光側表面からの全放射光量で割った値である放射角度分布をE(θ,φ)とし、前記凹凸構造を有する発光側表面上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である法線角度分布をN(θ,φ)とし、光が発光部位から角度(θ0 ,φ0 )方向に放射され、角度(θ1 ,φ1 )の表面に入射して、前記発光側表面から外へ放射される場合に、次の式(1)で定義される、前記放射光が前記表面に入射する入射角をχとし、
cos χ=sin θ0 ・cos φ0 ・sin θ1 ・cos φ1 +sin θ0 ・sin φ0 ・sin θ1 ・sin φ1 +cos θ0 ・cos θ1 ・・・(1)
前記発光部位の屈折率をνとし、次の式(2)で定義される、前記入射角χと臨界角θc =arcsin(1/ν)との大小関係判定関数をB(χ)とし、
【数4】
前記放射光が前記発光側表面から外へ放射される確率Pを次の式(3)で定義するとき、
P=E(θ0 ,φ0 )・N(θ1 ,φ1 )・cos χ・B(χ) ・・・(3)
次の式(4)で定義される光取り出し効率ηが、
N(θ,φ)が次の式(5)
【数5】
を満たす、前記発光側表面に凹凸構造がない場合の、1.2倍以上であることを特徴とする発光素子を提供する。
【0011】
また、同様に前記課題を解決するために、本発明の第二の態様は、発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、前記凹凸構造のない発光側表面に立てた垂線方向からの角度である緯度θと、前記垂線の足から伸びた前記凹凸構造のない発光側表面内の所定の半直線方向からの角度である経度φに対し、前記発光側表面から(θ,φ)方向に放射された光量を、前記発光側表面からの全放射光量で割った値である放射角度分布をE(θ,φ)とし、前記凹凸構造を有する発光側表面上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である法線角度分布をN(θ,φ)とし、これに対し、式u=θcos φ及びv=θsin φにより変数変換したものをそれぞれE(u,v)及びN(u,v)とし、前記発光部位の屈折率をν、空気の屈折率を1とするとき、臨界角θc =arcsin(1/ν)に対し、次の式(6)
【数6】
で定義される臨界角度分布C(u,v)と、前記法線角度分布N(u,v)との、次の式(7)
で定義されるコンボリューション積をN’(u,v)とし、
前記E(u,v)及びN’(u,v)に対し、次の式(8)
(E,N’)=∫∫E(u,v)・N’(u,v)dudv ・・・(8)
で定義されるE(u,v)とN’(u,v)の内積を(E,N’)とするとき、
前記内積(E,N’)が、前記発光側表面に凹凸構造がない場合の1.2倍以上であることを特徴とする発光素子を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の発光素子について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0013】
本発明は、自発光する発光素子の発光側表面に所定の凹凸構造を設けることにより、光の取り出し効率を現実に向上させるものである。
まず、本発明の原理について説明する。
一般的な有機EL材料の屈折率は、1.6〜2.0程度である。そこで、この屈折率を仮に1.7とすると(空気の屈折率は1.0とする)、前述したように、スネルの法則により臨界角はθc =arcsin(1.0/1.7) =36°となる。従って、発光部位側から空気との界面に入射する光の入射角が36°より小さければ、この光はこの界面を通過して外へ出て行くことができる。
【0014】
すなわち、発光部位で発光した光の方向を表す放射ベクトルをeとし、ガラス表面の法線ベクトルをnとするとき、これらのベクトルが次の式(9)
(e,n)>cos 36°‖e‖‖n‖ ・・・(9) を満たせば、光は空気中に放出される。
【0015】
すなわち、EL材料の放射角度分布と屈折率νに応じて、光取り出し面(ガラス基板と空気の界面)の法線ベクトルの角度分布を調節すれば、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
そこで、上記法線ベクトルの角度分布をどのように調節したらよいかを以下説明する。ここで、ベクトルの角度分布とは、正確な定義は後で与えるが、簡単に言うと、その方向のベクトルが全体のうち何本あるかという、いろいろな方向を向いたベクトルの分布を表すものである。
【0016】
図1は、発光素子の発光側表面上におけるベクトルの方向を説明するための説明図である。図1に示すように、一般に、発光素子の発光側表面1に対するベクトルvの方向を、緯度、経度という2つの角を用いて表す。
すなわち、発光側表面1上に立てた垂線Zからベクトルvまで測った角(緯度)をθとし、垂線Zの足Oから伸びた発光側表面1内の半直線Xからベクトルvの発光側表面1への射影v’まで測った角(経度)をφとし、ベクトルvの方向を、この緯度θと経度φで表すこととする。
なお、ここでは座標系として、このように緯度θと経度φを用いたが、本発明はこの座標系に限定されるものではなく、三次元空間中のベクトルを表すことができれば、座標系は何でも良い。例えば、鉛直方向にz軸をとり、素子面内にx軸及びy軸をとった通常の三次元直交座標系を用いても、x2 +y2 +z2 =1なる拘束条件を導入しておけば、次の式、x=sin θcos φ、y=sin θsin φ、z=cos θが成り立つので、同様の議論が可能である。
【0017】
放射ベクトルeの角度分布である放射角度分布をE(θ,φ)とし、法線ベクトルnの角度分布である法線角度分布をN(θ,φ)とする。
ここで、これらの角度分布を正確に定義すると、放射角度分布E(θ,φ)は、発光側表面1上で角(θ,φ)の方向に放射される光の光量(角(θ,φ)方向を向いたベクトルの本数に相当する。)を、発光側表面1上のすべての放射光量(発光側表面1上のすべての方向のベクトルの本数に相当する。)で割った値である。また、法線角度分布N(θ,φ)は、凹凸構造を有する発光側表面1上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である。
【0018】
次にこの放射角度分布E(θ,φ)及び法線角度分布N(θ,φ)の変数θ及びφを、式、u=θcos φ、v=θsin φによりu、vに変数変換して、それぞれE(u,v)、N(u,v)とする。
また、発光側表面に実際に凹凸構造を設ける方法としては、例えば図2に示すように、発光側部材10上に断面三角形状の輝度向上膜(コリメータレンズ)12を貼付してもよいし、発光側部材10の表面を直接加工して凹凸構造を形成するようにしてもよい。
【0019】
図3に、発光側表面に凹凸構造が無い場合のN(u,v)を示し、図4に、発光側表面に図2に示すような凹凸構造を有する場合のN(u,v)を示す。ただし、図4に示すものは、図2で発光側表面の凹凸構造の頂点14に丸みを有さない場合である。
発光側表面に凹凸構造が無い場合には、図3において、鉛直方向に対応する原点(0°,0°)で値1をとる。また、発光側表面に図2に示すような頂角αを90°とする凹凸構造を有する場合には、図4において、二種類の斜面に対応する2点(±45°,0°)において、各斜面の面積を凹凸構造が無い場合の面積で割った値である√2/2をとる。
また、発光部材10の屈折率をν、空気の屈折率を1として、臨界角θc =arcsin(1/ν)に対し、臨界角度分布C(u,v)を次の式(10)で定義する。
【数7】
【0020】
例えば、一般的な有機EL材料の場合、前述したように屈折率は1.7で、臨界角はarcsin( 1/1.7)=36°であるため、この場合の臨界角度分布C(u,v)は、次の式(11)のようになる。
【数8】
【0021】
図5に、このように臨界角をθc =arcsin( 1/1.7)=36°とした場合のC(u,v)を示す。定義より、C(u,v)は、図5において黒塗りの円板内部で値1をとり、それ以外では値0をとる。
次に、法線角度分布N(u,v)に臨界角分布C(u,v)を、次の式(12)のように、コンボリューションしたものをN’(u,v)とする。
【0022】
図3に示す発光側表面に凹凸構造が無い場合の法線角度分布N(u,v)に、図5の臨界角分布C(u,v)をコンボリューションした結果を、図6に示す。図6に示すように、この場合のN’(u,v)は、図6に黒塗りで示す円板内部で値1をとり、それ以外では値0をとる。
また、図4に示す発光側表面に凹凸構造を有する場合(頂点14に丸みを有さない)の法線角度分布N(u,v)に、図5の臨界角分布C(u,v)をコンボリューションした結果を、図7に示す。図7に示すように、この場合のN’(u,v)は、図7に2つ示した黒塗りの円板内部で値√2/2をとり、それ以外では値0をとる。
【0023】
また、有機EL素子は、あらゆる方向に均等に発光しているので、放射角度分布E(u,v)=Constantとなる。
そこで、次の式(8)で定義されるE(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)を計算する。
(E,N’)=∫∫E(θ,φ)・N’(θ,φ)dθdφ ・・・(13)
特に、発光が均等で、かつ表面に凹凸構造がない場合には、E(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)は、屈折率をνとして、次の式(14)を満たす。
【数9】
【0024】
上記図6に示すような発光側表面に凹凸構造が無い場合のN’(u,v)の内積に対する、上記図7に示すような発光側表面に凹凸構造を有する場合のN’(u,v)の内積の比は、次の式(15)で与えられる。
【数10】
【0025】
このように、凹凸構造を設けた場合の前記内積(E,N’)の値が、この凹凸構造のない場合の内積(E,N’)に比べて1.2以上となるような凹凸構造を設けることにより、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
なお、上記説明においては、発光側表面上の緯度θ、経度φにより表された放射角度分布E(θ,φ)、法線角度分布N(θ,φ)を変数変換してE(u,v)、N(u,v)とし、このN(u,v)に式(10)で表される臨界角度分布C(u,v)を式(12)のようにコンボリューションし、このコンボリューション積N’(u,v)と前記放射角度分布E(u,v)との内積(E,N’)を式(13)で計算することにより、光の取り出し効率を求めるようにしていたが、以下のようにして計算するようにしてもよい。
【0026】
すなわち、発光部位から放射角度(θ0 ,φ0 )で放射された光が、角度(θ1 ,φ1 )の表面(法線ベクトルの方向が(θ1 ,φ1 )の表面)に入射する入射角(放射光の方向(θ0 ,φ0 )と前記表面の法線ベクトルの方向(θ1 ,φ1 )のなす角)をχとするとき、入射角χと臨界角θc との大小関係判定関数をB(χ)とする。このB(χ)は、前記式(2)で定義されるように、χ≦θc のとき値1をとり、χ>θc のとき値0をとるものである。
次に、前記放射光が前記表面から外へ放射される確率Pを、前記式(3)で定義するとき、光取り出し効率ηは、前記式(4)で算出される。すなわち、
【0027】
ここで、前記発光側表面が凹凸構造を有する場合のN(θ1 ,φ1 )により算出した光取り出し効率η’と、凹凸構造の無いN(θ,φ)、すなわちθ=0のときのみ値1をとり、その他はすべて値0となるようなN(θ,φ)を用いて前記式(3)、(4)により光取り出し効率ηを算出し、上記凹凸構造を有する場合の光取り出し効率η’と、凹凸構造の無い場合の光取り出し効率ηを比較すると、やはりη’/η≧1.2となっていることがわかる。
以下、より具体的な実施例について説明する。
【0028】
(実施例)
プラスチック素材を用いて内作した3種類の輝度向上膜、A、B、Cを陰極が鏡面反射である有機EL素子のガラス表面に貼付して、光取り出し効率を測定した。
これら、3種類の輝度向上膜は、いずれも図2に示すように、断面三角形状で、その頂角αは90°で、頂点間ピッチpは50μmである。
また、Bは、頂点14が径8の丸みを有し、Cは、頂点14が径12の丸みを有している。すなわち、これら2つの輝度向上膜は、三角形の斜辺は直線的であるとともに、頂点だけが丸みを有する構造となっている。
【0029】
このとき、輝度向上膜を貼付しない場合と比べた結果を表1に示す。
【表1】
【0030】
表1に示すように、いずれの場合も、輝度向上膜を貼付しない場合より、光取り出し効率が向上している。
特に、頂点の丸みが大きい程、光取り出し効率が向上していることがわかる。以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、図2に示すような凹凸構造を発光側表面に設け、特に、上で説明したように放射角度分布E(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)が、凹凸構造を設けない場合の1.2倍以上とすることにより、光取り出し効率を実際に向上させることができた。
また、図2に示すような凹凸構造の頂点の丸みは大きいほうが好ましい。
【0031】
以上、本発明の発光素子について、詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明した通り、本発明によれば、有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子において、実際に光の取り出し効率を向上させることが実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光側表面上のベクトルの方向を示す説明図である。
【図2】本発明に係る発光素子の一実施形態を示す断面図である。
【図3】発光側表面に凹凸構造が無い場合の法線角度分布N(u,v)を示す説明図である。
【図4】発光側表面に凹凸構造を有する場合の法線角度分布N(u,v)を示す説明図である。
【図5】臨界角を36°とした場合臨界角度分布C(u,v)を示す説明図である。
【図6】発光側表面に凹凸構造が無い場合の法線角度分布N(u,v)に臨界角度分布C(u,v)をコンボリューションした結果を示す説明図である。
【図7】発光側表面に凹凸構造を有する場合の法線角度分布N(u,v)に臨界角度分布C(u,v)をコンボリューションした結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発光側表面
10 発光側部材
12 輝度向上膜
14 頂点
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子に係り、特に、有機EL素子等の発光部位の屈折率が空気の屈折率よりも高い自発光素子における、光の取り出し効率を向上させる技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表示装置として陰極線管CRT(Cathode Ray Tube) が広く用いられている。
近年、様々な分野での表示装置の用途が広まり、表示装置の軽量化、低容量化、低消費電力化、大画面化等の要求から、CRT以外の種々の表示装置が開発されている。例えば、液晶表示装置、発光ダイオード表示装置、プラズマ表示装置、EL表示装置等である。
【0003】
このうち、EL(Electro Luminescenet) 表示装置は、ガラス基板上に少なくとも一方が透光性電極である一組の電極と、これらの電極に挟まれた2つの絶縁層と、これら絶縁層に挟まれた発光層とを備える構造を有し、前記一組の電極間に電界を加えることにより、発光を得るようにしたものである。
【0004】
EL表示装置における構造は、例えば、屈折率の高い発光層を屈折率の低い絶縁層で挟む構造となっている。スネルの法則によれば、屈折率の低い層(屈折率ν1 )と、屈折率の高い層(屈折率ν2 )が界面で接するとき、θc =arcsin( ν1 /ν2 )で定められる臨界角より大きい角度で屈折率の高い層から界面に入射する光線は、界面で全反射され、屈折率の低い層には進入することができない。従って、屈折率の高い発光層における発光の一部は、発光層とそれよりも屈折率の低い絶縁層との界面における全反射によって、外部に出ることができない。
【0005】
このように有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子は、全反射により光取り出しに制限がある。
従来、このEL表示装置の光取り出し効率を向上させる手法として、例えば、陰極表面に集光性を持たせることにより光取り出し効率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、この他に、基板ガラスと発光体との間に回折格子またはゾーンプレートを構成要素として形成し、光の取り出し効率を向上させるようにする方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この方法は、発光層と基板との間に透過型または反射型の回折格子またはゾーンプレートを設けることにより、界面において低減された出射角を持ち再び素子外部の界面に達し、結果的に光取り出し面に対する入射角を変化させる(低減させる)ことができるため、光取り出し面において、全反射を起こすことなく外部に取り出されることをその原理とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−314795号公報
【特許文献2】
特許第2991183号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に記載された方法では、陰極と発光層の界面を加工する必要があり、これは発光層に通電する関係上、実施するのが困難であるという問題がある。
また、前記特許文献2に記載された方法においても、陽極と発光層の界面を加工する必要があり、やはり発光層に通電する関係上、実施が困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子において、実際に光の取り出し効率の向上を実現することのできる発光素子を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、前記凹凸構造のない発光側表面に立てた垂線方向からの角度である緯度θと、前記垂線の足から伸びた前記凹凸構造のない発光側表面内の所定の半直線方向からの角度である経度φに対し、前記発光側表面から(θ,φ)方向に放射された光量を、前記発光側表面からの全放射光量で割った値である放射角度分布をE(θ,φ)とし、前記凹凸構造を有する発光側表面上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である法線角度分布をN(θ,φ)とし、光が発光部位から角度(θ0 ,φ0 )方向に放射され、角度(θ1 ,φ1 )の表面に入射して、前記発光側表面から外へ放射される場合に、次の式(1)で定義される、前記放射光が前記表面に入射する入射角をχとし、
cos χ=sin θ0 ・cos φ0 ・sin θ1 ・cos φ1 +sin θ0 ・sin φ0 ・sin θ1 ・sin φ1 +cos θ0 ・cos θ1 ・・・(1)
前記発光部位の屈折率をνとし、次の式(2)で定義される、前記入射角χと臨界角θc =arcsin(1/ν)との大小関係判定関数をB(χ)とし、
【数4】
前記放射光が前記発光側表面から外へ放射される確率Pを次の式(3)で定義するとき、
P=E(θ0 ,φ0 )・N(θ1 ,φ1 )・cos χ・B(χ) ・・・(3)
次の式(4)で定義される光取り出し効率ηが、
N(θ,φ)が次の式(5)
【数5】
を満たす、前記発光側表面に凹凸構造がない場合の、1.2倍以上であることを特徴とする発光素子を提供する。
【0011】
また、同様に前記課題を解決するために、本発明の第二の態様は、発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、前記凹凸構造のない発光側表面に立てた垂線方向からの角度である緯度θと、前記垂線の足から伸びた前記凹凸構造のない発光側表面内の所定の半直線方向からの角度である経度φに対し、前記発光側表面から(θ,φ)方向に放射された光量を、前記発光側表面からの全放射光量で割った値である放射角度分布をE(θ,φ)とし、前記凹凸構造を有する発光側表面上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である法線角度分布をN(θ,φ)とし、これに対し、式u=θcos φ及びv=θsin φにより変数変換したものをそれぞれE(u,v)及びN(u,v)とし、前記発光部位の屈折率をν、空気の屈折率を1とするとき、臨界角θc =arcsin(1/ν)に対し、次の式(6)
【数6】
で定義される臨界角度分布C(u,v)と、前記法線角度分布N(u,v)との、次の式(7)
で定義されるコンボリューション積をN’(u,v)とし、
前記E(u,v)及びN’(u,v)に対し、次の式(8)
(E,N’)=∫∫E(u,v)・N’(u,v)dudv ・・・(8)
で定義されるE(u,v)とN’(u,v)の内積を(E,N’)とするとき、
前記内積(E,N’)が、前記発光側表面に凹凸構造がない場合の1.2倍以上であることを特徴とする発光素子を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の発光素子について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0013】
本発明は、自発光する発光素子の発光側表面に所定の凹凸構造を設けることにより、光の取り出し効率を現実に向上させるものである。
まず、本発明の原理について説明する。
一般的な有機EL材料の屈折率は、1.6〜2.0程度である。そこで、この屈折率を仮に1.7とすると(空気の屈折率は1.0とする)、前述したように、スネルの法則により臨界角はθc =arcsin(1.0/1.7) =36°となる。従って、発光部位側から空気との界面に入射する光の入射角が36°より小さければ、この光はこの界面を通過して外へ出て行くことができる。
【0014】
すなわち、発光部位で発光した光の方向を表す放射ベクトルをeとし、ガラス表面の法線ベクトルをnとするとき、これらのベクトルが次の式(9)
(e,n)>cos 36°‖e‖‖n‖ ・・・(9) を満たせば、光は空気中に放出される。
【0015】
すなわち、EL材料の放射角度分布と屈折率νに応じて、光取り出し面(ガラス基板と空気の界面)の法線ベクトルの角度分布を調節すれば、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
そこで、上記法線ベクトルの角度分布をどのように調節したらよいかを以下説明する。ここで、ベクトルの角度分布とは、正確な定義は後で与えるが、簡単に言うと、その方向のベクトルが全体のうち何本あるかという、いろいろな方向を向いたベクトルの分布を表すものである。
【0016】
図1は、発光素子の発光側表面上におけるベクトルの方向を説明するための説明図である。図1に示すように、一般に、発光素子の発光側表面1に対するベクトルvの方向を、緯度、経度という2つの角を用いて表す。
すなわち、発光側表面1上に立てた垂線Zからベクトルvまで測った角(緯度)をθとし、垂線Zの足Oから伸びた発光側表面1内の半直線Xからベクトルvの発光側表面1への射影v’まで測った角(経度)をφとし、ベクトルvの方向を、この緯度θと経度φで表すこととする。
なお、ここでは座標系として、このように緯度θと経度φを用いたが、本発明はこの座標系に限定されるものではなく、三次元空間中のベクトルを表すことができれば、座標系は何でも良い。例えば、鉛直方向にz軸をとり、素子面内にx軸及びy軸をとった通常の三次元直交座標系を用いても、x2 +y2 +z2 =1なる拘束条件を導入しておけば、次の式、x=sin θcos φ、y=sin θsin φ、z=cos θが成り立つので、同様の議論が可能である。
【0017】
放射ベクトルeの角度分布である放射角度分布をE(θ,φ)とし、法線ベクトルnの角度分布である法線角度分布をN(θ,φ)とする。
ここで、これらの角度分布を正確に定義すると、放射角度分布E(θ,φ)は、発光側表面1上で角(θ,φ)の方向に放射される光の光量(角(θ,φ)方向を向いたベクトルの本数に相当する。)を、発光側表面1上のすべての放射光量(発光側表面1上のすべての方向のベクトルの本数に相当する。)で割った値である。また、法線角度分布N(θ,φ)は、凹凸構造を有する発光側表面1上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である。
【0018】
次にこの放射角度分布E(θ,φ)及び法線角度分布N(θ,φ)の変数θ及びφを、式、u=θcos φ、v=θsin φによりu、vに変数変換して、それぞれE(u,v)、N(u,v)とする。
また、発光側表面に実際に凹凸構造を設ける方法としては、例えば図2に示すように、発光側部材10上に断面三角形状の輝度向上膜(コリメータレンズ)12を貼付してもよいし、発光側部材10の表面を直接加工して凹凸構造を形成するようにしてもよい。
【0019】
図3に、発光側表面に凹凸構造が無い場合のN(u,v)を示し、図4に、発光側表面に図2に示すような凹凸構造を有する場合のN(u,v)を示す。ただし、図4に示すものは、図2で発光側表面の凹凸構造の頂点14に丸みを有さない場合である。
発光側表面に凹凸構造が無い場合には、図3において、鉛直方向に対応する原点(0°,0°)で値1をとる。また、発光側表面に図2に示すような頂角αを90°とする凹凸構造を有する場合には、図4において、二種類の斜面に対応する2点(±45°,0°)において、各斜面の面積を凹凸構造が無い場合の面積で割った値である√2/2をとる。
また、発光部材10の屈折率をν、空気の屈折率を1として、臨界角θc =arcsin(1/ν)に対し、臨界角度分布C(u,v)を次の式(10)で定義する。
【数7】
【0020】
例えば、一般的な有機EL材料の場合、前述したように屈折率は1.7で、臨界角はarcsin( 1/1.7)=36°であるため、この場合の臨界角度分布C(u,v)は、次の式(11)のようになる。
【数8】
【0021】
図5に、このように臨界角をθc =arcsin( 1/1.7)=36°とした場合のC(u,v)を示す。定義より、C(u,v)は、図5において黒塗りの円板内部で値1をとり、それ以外では値0をとる。
次に、法線角度分布N(u,v)に臨界角分布C(u,v)を、次の式(12)のように、コンボリューションしたものをN’(u,v)とする。
【0022】
図3に示す発光側表面に凹凸構造が無い場合の法線角度分布N(u,v)に、図5の臨界角分布C(u,v)をコンボリューションした結果を、図6に示す。図6に示すように、この場合のN’(u,v)は、図6に黒塗りで示す円板内部で値1をとり、それ以外では値0をとる。
また、図4に示す発光側表面に凹凸構造を有する場合(頂点14に丸みを有さない)の法線角度分布N(u,v)に、図5の臨界角分布C(u,v)をコンボリューションした結果を、図7に示す。図7に示すように、この場合のN’(u,v)は、図7に2つ示した黒塗りの円板内部で値√2/2をとり、それ以外では値0をとる。
【0023】
また、有機EL素子は、あらゆる方向に均等に発光しているので、放射角度分布E(u,v)=Constantとなる。
そこで、次の式(8)で定義されるE(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)を計算する。
(E,N’)=∫∫E(θ,φ)・N’(θ,φ)dθdφ ・・・(13)
特に、発光が均等で、かつ表面に凹凸構造がない場合には、E(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)は、屈折率をνとして、次の式(14)を満たす。
【数9】
【0024】
上記図6に示すような発光側表面に凹凸構造が無い場合のN’(u,v)の内積に対する、上記図7に示すような発光側表面に凹凸構造を有する場合のN’(u,v)の内積の比は、次の式(15)で与えられる。
【数10】
【0025】
このように、凹凸構造を設けた場合の前記内積(E,N’)の値が、この凹凸構造のない場合の内積(E,N’)に比べて1.2以上となるような凹凸構造を設けることにより、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
なお、上記説明においては、発光側表面上の緯度θ、経度φにより表された放射角度分布E(θ,φ)、法線角度分布N(θ,φ)を変数変換してE(u,v)、N(u,v)とし、このN(u,v)に式(10)で表される臨界角度分布C(u,v)を式(12)のようにコンボリューションし、このコンボリューション積N’(u,v)と前記放射角度分布E(u,v)との内積(E,N’)を式(13)で計算することにより、光の取り出し効率を求めるようにしていたが、以下のようにして計算するようにしてもよい。
【0026】
すなわち、発光部位から放射角度(θ0 ,φ0 )で放射された光が、角度(θ1 ,φ1 )の表面(法線ベクトルの方向が(θ1 ,φ1 )の表面)に入射する入射角(放射光の方向(θ0 ,φ0 )と前記表面の法線ベクトルの方向(θ1 ,φ1 )のなす角)をχとするとき、入射角χと臨界角θc との大小関係判定関数をB(χ)とする。このB(χ)は、前記式(2)で定義されるように、χ≦θc のとき値1をとり、χ>θc のとき値0をとるものである。
次に、前記放射光が前記表面から外へ放射される確率Pを、前記式(3)で定義するとき、光取り出し効率ηは、前記式(4)で算出される。すなわち、
【0027】
ここで、前記発光側表面が凹凸構造を有する場合のN(θ1 ,φ1 )により算出した光取り出し効率η’と、凹凸構造の無いN(θ,φ)、すなわちθ=0のときのみ値1をとり、その他はすべて値0となるようなN(θ,φ)を用いて前記式(3)、(4)により光取り出し効率ηを算出し、上記凹凸構造を有する場合の光取り出し効率η’と、凹凸構造の無い場合の光取り出し効率ηを比較すると、やはりη’/η≧1.2となっていることがわかる。
以下、より具体的な実施例について説明する。
【0028】
(実施例)
プラスチック素材を用いて内作した3種類の輝度向上膜、A、B、Cを陰極が鏡面反射である有機EL素子のガラス表面に貼付して、光取り出し効率を測定した。
これら、3種類の輝度向上膜は、いずれも図2に示すように、断面三角形状で、その頂角αは90°で、頂点間ピッチpは50μmである。
また、Bは、頂点14が径8の丸みを有し、Cは、頂点14が径12の丸みを有している。すなわち、これら2つの輝度向上膜は、三角形の斜辺は直線的であるとともに、頂点だけが丸みを有する構造となっている。
【0029】
このとき、輝度向上膜を貼付しない場合と比べた結果を表1に示す。
【表1】
【0030】
表1に示すように、いずれの場合も、輝度向上膜を貼付しない場合より、光取り出し効率が向上している。
特に、頂点の丸みが大きい程、光取り出し効率が向上していることがわかる。以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、図2に示すような凹凸構造を発光側表面に設け、特に、上で説明したように放射角度分布E(u,v)とN’(u,v)の内積(E,N’)が、凹凸構造を設けない場合の1.2倍以上とすることにより、光取り出し効率を実際に向上させることができた。
また、図2に示すような凹凸構造の頂点の丸みは大きいほうが好ましい。
【0031】
以上、本発明の発光素子について、詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明した通り、本発明によれば、有機EL素子や無機EL素子等の発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い自発光素子において、実際に光の取り出し効率を向上させることが実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光側表面上のベクトルの方向を示す説明図である。
【図2】本発明に係る発光素子の一実施形態を示す断面図である。
【図3】発光側表面に凹凸構造が無い場合の法線角度分布N(u,v)を示す説明図である。
【図4】発光側表面に凹凸構造を有する場合の法線角度分布N(u,v)を示す説明図である。
【図5】臨界角を36°とした場合臨界角度分布C(u,v)を示す説明図である。
【図6】発光側表面に凹凸構造が無い場合の法線角度分布N(u,v)に臨界角度分布C(u,v)をコンボリューションした結果を示す説明図である。
【図7】発光側表面に凹凸構造を有する場合の法線角度分布N(u,v)に臨界角度分布C(u,v)をコンボリューションした結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発光側表面
10 発光側部材
12 輝度向上膜
14 頂点
Claims (2)
- 発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、
前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、
前記凹凸構造のない発光側表面に立てた垂線方向からの角度である緯度θと、前記垂線の足から伸びた前記凹凸構造のない発光側表面内の所定の半直線方向からの角度である経度φに対し、前記発光側表面から(θ,φ)方向に放射された光量を、前記発光側表面からの全放射光量で割った値である放射角度分布をE(θ,φ)とし、前記凹凸構造を有する発光側表面上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である法線角度分布をN(θ,φ)とし、
光が発光部位から角度(θ0 ,φ0 )方向に放射され、角度(θ1 ,φ1 )の表面に入射して、前記発光側表面から外へ放射される場合に、次の式(1)で定義される、前記放射光が前記表面に入射する入射角をχとし、
cos χ=sin θ0 ・cos φ0 ・sin θ1 ・cos φ1 +sin θ0 ・sin φ0 ・sin θ1 ・sin φ1 +cos θ0 ・cos θ1 ・・・(1)
前記発光部位の屈折率をνとし、次の式(2)で定義される、前記入射角χと臨界角θc =arcsin(1/ν)との大小関係判定関数をB(χ)とし、
P=E(θ0 ,φ0 )・N(θ1 ,φ1 )・cos χ・B(χ) ・・・(3)
次の式(4)で定義される光取り出し効率ηが、
N(θ,φ)が次の式(5)
- 発光部位の屈折率が空気のそれよりも高い、自発光する発光素子であって、
前記発光素子の発光側表面に凹凸構造を有し、
前記凹凸構造のない発光側表面に立てた垂線方向からの角度である緯度θと、前記垂線の足から伸びた前記凹凸構造のない発光側表面内の所定の半直線方向からの角度である経度φに対し、前記発光側表面から(θ,φ)方向に放射された光量を、前記発光側表面からの全放射光量で割った値である放射角度分布をE(θ,φ)とし、前記凹凸構造を有する発光側表面上における法線が(θ,φ)であるような表面部分の面積を、前記凹凸構造がない場合の発光側表面の全表面積で割った値である法線角度分布をN(θ,φ)とし、これに対し、式u=θcos φ及びv=θsin φにより変数変換したものをそれぞれE(u,v)及びN(u,v)とし、
前記発光部位の屈折率をν、空気の屈折率を1とするとき、臨界角θc =arcsin(1/ν)に対し、次の式(6)
で定義されるコンボリューション積をN’(u,v)とし、
前記E(u,v)及びN’(u,v)に対し、次の式(8)
(E,N’)=∫∫E(u,v)・N’(u,v)dudv ・・・(8)
で定義されるE(u,v)とN’(u,v)の内積を(E,N’)とするとき、
前記内積(E,N’)が、前記発光側表面に凹凸構造がない場合の1.2倍以上であることを特徴とする発光素子。
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JP2022081622A (ja) * | 2017-09-11 | 2022-05-31 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 透明基板、薄膜支持基板 |
-
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