JP2004127428A - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単に信号検出可能な光ヘッド装置を提供すること。
【解決手段】半導体レーザ2と、半導体レーザ2からの出射光を光記録媒体4の記録面に集光させる対物レンズ3とを有する光学ヘッド装置において、半導体レーザ2から出射されたレーザ光を0次光および+−1次光を含む3ビームに分割して記録面に向けて出射する変調回折格子5と、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザ2に帰還することによる半導体レーザ2からの出射光の増減を検出するSCOOP検出用の第1の光検出部7と、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するための第2の光検出部22、23とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体レーザ2と、半導体レーザ2からの出射光を光記録媒体4の記録面に集光させる対物レンズ3とを有する光学ヘッド装置において、半導体レーザ2から出射されたレーザ光を0次光および+−1次光を含む3ビームに分割して記録面に向けて出射する変調回折格子5と、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザ2に帰還することによる半導体レーザ2からの出射光の増減を検出するSCOOP検出用の第1の光検出部7と、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するための第2の光検出部22、23とを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体の再生を行なう光学ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学ヘッド装置においては、半導体レーザから出射したレーザ光を対物レンズを介して、光学式記録媒体の記録面に光スポットとして集光させ、そこを反射した戻り光を光検出部によって検出して記録情報を再生している。また、これと同時に、レーザ光を焦点ずれを伴うことなく記録面に集光させるように対物レンズのフォーカシング方向の位置を制御している。さらには、レーザ光が記録面のトラックを正確に走査するように対物レンズのトラッキング方向の位置も制御している。
【0003】
これらのトラッキングおよびフォーカシング制御を行なうために、光ヘッド装置では、レーザ光のトラッキング誤差(TE:Tracking Error)およびフォーカシング誤差(FE:Focusing Error)に対応する光情報を光記録媒体からの戻り光から検出するようにしている。
【0004】
TE信号の検出方法としては、一般に3ビーム法が採用されている。この3ビーム法では、レーザ光を回折格子等によって記録面のトラック方向に向けて3ビームに分割し、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づきFE信号を検出するようにしている。さらに、戻り3ビームに含まれる0次光の受光量に基づき、情報再生(RF:Radio Frequency)信号を検出している。このため、従来の一般的な光ヘッド装置では、半導体レーザから光記録媒体に向かう往路光と、光記録媒体の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離し、戻り光については、半導体レーザと異なる場所に設置された受光素子(PD−IC)に導いて光電変換している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、半導体レーザに出射光の一部が帰還すると、レーザの発振状態が変化する。一般には、この現象は、戻り光ノイズとして極力回避する対策が採られる。
【0006】
これに対して、この自己結合効果を逆に光ピックアップに応用することが提案され、SCOOP(Self−Coupled Opitical Picup)と命名されて検討されている。この方式は、半導体レーザ自身を受光素子機能としても用いるもので、従来方式に比較して簡素な光学系で、しかも高いS/N比での信号検出が期待される(例えば、非特許文献1)。
【0007】
ここで、帰還光自己結合検出の動作原理図を図1に示す。ここでは、光記録媒体51の記録面52をレーザ共振器の外部鏡R3とみなして考えればよい。すなわち、光スポットが記録面52のピット部にかからない平坦面に位置するときには、そこに外部鏡R3が存在するのと等価となる一方、ピット部にかかったため位相差で反射光が減衰した状態は、この外部鏡R3が存在しないことと等価となる。
【0008】
また、自分自身の両端のへき開面ミラーで発振していた半導体レーザ53は、外部鏡R3が存在することになると、複合共振器モードに切り換る。この場合、外部鏡R3、および外部鏡側のレーザ端面とで構成される仮想的なミラーの反射率R2effは、へき開面ミラー単体の反射率R2よりも大きくなるため、レーザ共振器のゲイン成分が増大し、発振しきい値を下げる結果となる。従って、特に半導体レーザ53のバイアス電流を単体発振モードと複合共振器モードの両しきい値の中間に設定しておくと、光スポット位置が記録面の低反射率部と高反射率部との間を移動するのに対応して、半導体レーザ53が非発振状態と発振状態とにスイッチングすることになる。それ故、半導体レーザ53からの出射光を受光素子54で検出すれば、戻り光が帰還することによる半導体レーザ53からの出射光の増減を検出することができる。このようにレーザ発振をON/OFFスイッチングさせる方式では、それ自体にコンパレータ機能が含まれるため、反射光強度の減衰度合いを検出する従来方式と比較してはるかに高いS/N特性が期待されることになる。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−176073号公報(第1図、第3頁)
【非特許文献1】
電子科学、1981年6月号,p.45−48
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようなSCOOP方式を実際のDVDやCD用の光ピックアップに応用する場合にも、対物レンズをフォーカシング/トラッキングの2軸に駆動制御するためのサーボ誤差信号検出を行う必要がある。
【0011】
しかしながら、従来の一般的な光ピックアップ光学系では、半導体レーザ53から光記録媒体53に向かう往路光と、光記録媒体53の記録信号情報を含んだ戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離し、戻り光は、半導体レーザ53と異なる場所に設置された受光素子54に導かれて光電変換しているため、記録信号情報を含んだ戻り光を半導体レーザ53に帰還させることができないという問題点がある。
【0012】
また、フォーカシングエラーの検出においては、PD−IC上での結像スポットの形状変化をPD−IC多分割受光エレメントからの出力信号に演算処理を施して求め、情報再生信号は、これらの多分割エレメント出力の和信号として検出している。従って、光記録媒体53からの戻り光を半導体レーザ51に帰還させて信号検出するSCOOP方式には、このような誤差信号検出方式は適用できない。このため、SCOOP検出のための誤差信号検出には、煩雑なウォブリング法などの手段が採られているという問題点がある。
【0013】
以上の問題点に鑑みて、本発明では、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単に信号検出可能な光ヘッド装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、半導体レーザと、当該半導体レーザからの出射光を光記録媒体の記録面に集光させる対物レンズとを有する光学ヘッド装置において、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を0次光および+−1次光を含む3ビームに分割して前記記録面に向けて出射する変調回折格子と、前記記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が前記半導体レーザに帰還することによる当該半導体レーザからの出射光の増減を検出する第1の光検出部と、前記戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するための第2の光検出部とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の光学ヘッド装置においては、レーザ光源から記録媒体に向かう出射光を変調回折格子によって回折しているので、回折された+−1次回折光が記録媒体の記録面に結像するときに、回折方向をメリジオナル光束とすると、+−1次の回折は変調回折格子により収束と発散の効果が加わり、逆方向に非点収差が発生する。すなわち、フォーカシングエラー検出のためのエラー成分(非点収差)が光の往路上において+−1次回折光に含まれる。従って、これら+−1次回折光の戻り光を用いて、スポットサイズによるフォーカシングエラー信号の検出を行なうことができる。また、半導体レーザから光記録媒体に向かう往路光と、光記録媒体の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離しないので、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザに帰還する。このため、半導体レーザからの出射光の増減を第1の光検出部によって検出することができる。それ故、本発明によれば、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単にフォーカシングエラーを検出することができる。
【0016】
本発明において、前記半導体レーザ、前記第1の光検出部、および前記第2の光検出部は、同一基板上に配置されていることが好ましく、この場合、前記第1の光検出部は、例えば、前記半導体レーザの後方に配置され、前記第2の光検出部は、前記半導体レーザの前方に配置される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を適用した光学ヘッド装置を説明する。
【0018】
図2は、本発明を適用した光ヘッド装置の光学系の概略構成図である。図3(A)は、この光学系に用いた変調回折格子の格子パターンを示す説明図である。図4は、図2に示す光ヘッド装置において、焦点位置と、第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図である。図5は、変調回折格子により回折された1次回折光の光路を示してある。図6(A)、(B)はそれぞれ、フォーカスエラー信号を形成するための回路構成、およびトラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【0019】
図2に示すように、本発明に係る光学ヘッド装置1は、半導体レーザ光源であるレーザダイオード2を有し、ここから出射されたレーザ光Lは、対物レンズ3によって、光学的記録媒体4の記録面に光スポットとして集束する。
【0020】
本形態において、レーザダイオード2は、PD・IC基板10上に実装され、レーザダイオード2の前方には立ち上げミラー8が配置されている。立ち上げミラー8の上方位置では、対物レンズ3との間に、図3に示す格子パターンを有する変調回折格子5が配置されている。
【0021】
また、PD・IC基板10には、レーザダイオード2の後方に立ち下げミラー9が配置され、この立ち下げミラー9の下面には、フォトダイオードからなる第1の光検出部7が形成されている。
【0022】
また、PD・IC基板10では、レーザダイオード2の前方のうち、立ち上げミラー8の両側にフォーカシングエラーおよびトラッキングエラー検出用の第2の光検出部22、23が形成されている。
【0023】
ここで、第2の光検出部22、23は、3分割型のフォトダイオードである。すなわち、第2の光検出部22は受光面として22a、22b、22cを備えており、同様に、第2の光検出部23も受光面23a、23b、23cを備えている。
【0024】
このように構成した光ヘッド装置1において、レーザダイオード2からのレーザ出射光Lは、立ち上げミラー8で反射して変調回折格子5に導かれ、この変調回折格子5で回折作用を受け、主として、0次光L(0)および+−1次回折光L(+1)、L(−1)の3ビームに分割される。変調回折格子5の回折方向は光記録媒体4の記録トラックの方向となるように設定されている。
【0025】
形成された3ビームは、対物レンズ3に入射する。対物レンズ3を介して、3ビームは各々、記録媒体4の記録面に形成されている記録トラック上に光スポットとして集光する。
【0026】
そして、記録媒体4で反射した戻り3ビームLr(0)、Lr(+1)、Lr(−1)のうち、0次光Lr(0)は、立ち上げミラー8で反射して、レーザダイオード2に帰還する。
【0027】
その結果、光スポット位置がディスク面の低反射率部と高反射率部との間を移動するのに対応して、半導体レーザ2が変化する。従って、半導体レーザ2から後方に出射されたレーザ光は、立ち下げミラー9でSCOOP検出用の第1の光検出部7に導かれ、第1の光検出部7は、半導体レーザ2のレーザ発振状態をRF信号信号として検出する。
【0028】
これに対して、+1次回折光Lr(+1)、および−1次回折光Lr(−1)は、図4に示すように、それぞれ、第2の光検出部22、23の受光面に光スポットb、cとして集光する。なお、光スポットaは、半導体レーザ2に帰還する0次回折光Lr(0)である。
【0029】
ここにおいて、本例の光ヘッド装置1では、レーザ出射光Lを変調回折格子5を用いて回折して3ビームとしている。この結果、図5から分かるように、記録面4aを除いて考えた場合のメリジオナル像面の位置は破線4a1で示す位置となり、記録面4aによる反射後のメリジオナル像面は破線4a2で示す位置となる。このために、記録媒体4の記録面4a上に形成される各ビームの光スポットのうち、両側に位置している光スポットには非点収差が発生する。これらの光スポットの戻り光による第2の光検出部22、23の受光面の側におけるメリジオナル像面は破線10aで示す位置となる。従って、これらの光スポットの戻り光が結像することによって第2の光検出部22、23の受光面に形成される光スポットbと、光スポットcにおけるメリジオナル非点収差の横収差の幅は焦点ずれの方向に応じて、逆方向に変化する。
【0030】
すなわち、図4に示すように、焦点が合っている状態では、光スポットbと、光スポットcは同一寸法の楕円形になる。これに対して、前焦点位置では、光スポットbの幅が狭くなるのに対して、光スポットcの側は幅が広くなる。逆に、後焦点位置では、光スポットbの幅が広くなるのに対して、光スポットcの幅は狭くなる。
【0031】
従って、第2の光検出部22、23では、これらの光スポットの幅の変化を各検出器の受光量変化として検出して、フォーカスエラー信号FEを生成する。例えば、図6(A)に示すように、3分割型の第2の光検出部22の両側の受光面22b、22cでの受光量と、反対側の3分割型第2の光検出部23の中央の受光面23aの受光量との和S1を取る。また、3分割型の第2の光検出部22の中央の受光面22aの受光量と、反対側の3分割型第2の光検出部23での受光量との和S2を取る。そして、これらの和信号S1とS2の差を求めることにより、フォーカスエラー信号FEが形成される。
【0032】
これに対して、トラッキングエラー信号TEは、一般的に採用されている3ビーム法によって形成される。すなわち、図6(B)に示すように、3分割型の第2の光検出部22の受光量S3と、反対側の3分割型の第2の光検出部23の受光量S4との差を求めることにより、トラッキングエラー信号TEが形成される。
【0033】
このように本形態では、半導体レーザ2から出射されたレーザ光を変調回折格子5によって0次光および+−1次光を含む3ビームに分割し、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザ2に帰還することによる半導体レーザ2からの出射光の増減をSCOOP検出用の第1の光検出部7によって検出する。また、第2の光検出部22、23は、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出する。このため、本形態によれば、半導体レーザ2から光記録媒体4に向かう往路光と、光記録媒体4の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離する必要がないので、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単にフォーカシングエラーを検出することができる。
【0034】
[その他の実施の形態]
図3(B)は、以下に説明する光ヘッド装置の光学系に用いた変調回折格子の格子パターンを示す説明図である。図7(A)、(B)は、以下に説明する光ヘッド装置において、焦点位置と、第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図、およびフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【0035】
記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光を半導体レーザに帰還させる一方、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するにあたっては、以下に説明するように、図2に示す光学系において、図3(A)に示す変調回折格子に代えて、図3(B)に示す変調回折格子5で複数の光ビームに分割し、対物レンズ3によって光記録媒体4の記録面上に複数の光スポットとして収束させてもよい。この場合、第2の光検出部としては、図7(A)に示すように、2分割受光素子を備えた4つのフォトダイオードを用いる。
【0036】
図3(B)に示す変調回折格子5には、光記録媒体のトラックと直交する方向の線5C(仮想線)により分割されており、分割線5Cの両側に回折条件を異ならせた格子間隔及び格子方向の回折格子5A、5Bを有している。
【0037】
このような光学系自身の動作は、特許文献1に記載の光学系と同様であるが、本形態では、半導体レーザ2から光記録媒体4に向かう往路光と、光記録媒体4の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離しないので、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザ2に帰還する。このため、半導体レーザ2からの出射光の増減をSCOOP検出用の第1の光検出部7によって検出することができる。
【0038】
ここで、第2の光検出部では、対物レンズ3と光記録媒体4との位置関係が合焦条件を満たすときには、図7(A)に示すように、回折格子5Aの回折1次光の光スポット17、19と、回折格子5Bの回折1次光の光スポット18、20が上下に位置し、全てが最小の光スポットを形成する。この際、回折1次光の光スポット17〜20は、第2の光検出部として1列に並べた2分割受光素子122a・122b〜125a・125bの分割線に中心が位置する。なお光スポット16は、半導体レーザ2に帰還する0次回折光である。
【0039】
一方、対物レンズ3と光記録媒体4の距離が近づいた時は、回折格子5Aの回折1次光の光スポット17、19は、大きくなりながらその中心が図7(A)の上側に移動し、回折格子5Bの回折1次光の光スポット18、20は、大きくなりながらその中心が図7(A)の下側に移動し、回折1次光の光スポット17〜20は2分割受光素子122a・122b〜125a・125bの各片側に大半が位置することになる。
【0040】
逆に、対物レンズ3と光記録媒体4の距離が遠くなった時は、回折格子5Aの回折1次光の光スポット17、19は、近状態とは反対に、大きくなりながらその中心が図7(A)の下側に移動し、回折格子5Bの回折1次光の光スポット18、20は、近状態とは反対に、大きくなりながらその中心が図7(A)の上側に移動する。
【0041】
従って、光検出器6の各受光素子121、122a・122b〜125a・125bの出力を、図7(B)に示すように、FE信号に関しては2分割受光素子122a・122bと123a・123bの出力、2分割受光素子124a・124bと125a・125bの出力をそれぞれ比較器127、128で上下逆に比較し、その結果を比較器29で比較するように結線する事で、FE信号が得られる事になる。
【0042】
一方、対物レンズ4と光ディスク5との位置関係のトラッキング方向のずれ検出に関しては、通常の3ビーム法の場合と全く同様であり、図7(B)に示すように、TE信号に関しては2分割受光素子122a・122bと123a・123bの出力、2分割受光素子124a・124bと125a・125bの出力をそれぞれ加算器30、31で加算し、その結果を比較器32で比較するように結線する事で、FE信号が+1次回折光と−1次回折光との差を求める事でプッシュプル検出できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学ヘッド装置においては、レーザ光源から記録媒体に向かう出射光を変調回折格子によって回折しているので、回折された+−1次回折光が記録媒体の記録面に結像するときに、回折方向をメリジオナル光束とすると、+−1次の回折は変調回折格子により収束と発散の効果が加わり、逆方向に非点収差が発生する。すなわち、フォーカシングエラー検出のためのエラー成分(非点収差)が光の往路上において+−1次回折光に含まれる。従って、これら+−1次回折光の戻り光を用いて、スポットサイズ法によるフォーカシングエラー信号の検出を行なうことができる。また、半導体レーザから光記録媒体に向かう往路光と、光記録媒体の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離しないので、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザに帰還する。このため、半導体レーザからの出射光の増減を第1の光検出部によって検出することができる。それ故、本発明によれば、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単にフォーカシングエラーを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帰還光自己結合検出の動作原理を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した光ヘッド装置の光学系の概略構成図である。
【図3】(A)、(B)はいずれも、本発明を適用した光ヘッド装置の光学系に用いられる変調回折格子の格子パターンを示す説明図である。
【図4】図2に示す光ヘッド装置において、焦点位置と、第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図である。
【図5】図2に示す光ヘッド装置において、変調回折格子により回折された1次回折光の光路を示してある。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、図2に示す光ヘッド装置において、フォーカスエラー信号を形成するための回路構成、およびトラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した別の光ヘッド装置において、焦点位置と第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図、およびフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド装置
2 レーザダイオード
3 対物レンズ
4 記録媒体
5 変調回折格子
7 SCOOP用の第1の光検出部
8 立ち上げミラー(偏向素子)
9 立ち下げミラー(偏向素子)
10 PD・IC基板
22、23 第2の光検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体の再生を行なう光学ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学ヘッド装置においては、半導体レーザから出射したレーザ光を対物レンズを介して、光学式記録媒体の記録面に光スポットとして集光させ、そこを反射した戻り光を光検出部によって検出して記録情報を再生している。また、これと同時に、レーザ光を焦点ずれを伴うことなく記録面に集光させるように対物レンズのフォーカシング方向の位置を制御している。さらには、レーザ光が記録面のトラックを正確に走査するように対物レンズのトラッキング方向の位置も制御している。
【0003】
これらのトラッキングおよびフォーカシング制御を行なうために、光ヘッド装置では、レーザ光のトラッキング誤差(TE:Tracking Error)およびフォーカシング誤差(FE:Focusing Error)に対応する光情報を光記録媒体からの戻り光から検出するようにしている。
【0004】
TE信号の検出方法としては、一般に3ビーム法が採用されている。この3ビーム法では、レーザ光を回折格子等によって記録面のトラック方向に向けて3ビームに分割し、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づきFE信号を検出するようにしている。さらに、戻り3ビームに含まれる0次光の受光量に基づき、情報再生(RF:Radio Frequency)信号を検出している。このため、従来の一般的な光ヘッド装置では、半導体レーザから光記録媒体に向かう往路光と、光記録媒体の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離し、戻り光については、半導体レーザと異なる場所に設置された受光素子(PD−IC)に導いて光電変換している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、半導体レーザに出射光の一部が帰還すると、レーザの発振状態が変化する。一般には、この現象は、戻り光ノイズとして極力回避する対策が採られる。
【0006】
これに対して、この自己結合効果を逆に光ピックアップに応用することが提案され、SCOOP(Self−Coupled Opitical Picup)と命名されて検討されている。この方式は、半導体レーザ自身を受光素子機能としても用いるもので、従来方式に比較して簡素な光学系で、しかも高いS/N比での信号検出が期待される(例えば、非特許文献1)。
【0007】
ここで、帰還光自己結合検出の動作原理図を図1に示す。ここでは、光記録媒体51の記録面52をレーザ共振器の外部鏡R3とみなして考えればよい。すなわち、光スポットが記録面52のピット部にかからない平坦面に位置するときには、そこに外部鏡R3が存在するのと等価となる一方、ピット部にかかったため位相差で反射光が減衰した状態は、この外部鏡R3が存在しないことと等価となる。
【0008】
また、自分自身の両端のへき開面ミラーで発振していた半導体レーザ53は、外部鏡R3が存在することになると、複合共振器モードに切り換る。この場合、外部鏡R3、および外部鏡側のレーザ端面とで構成される仮想的なミラーの反射率R2effは、へき開面ミラー単体の反射率R2よりも大きくなるため、レーザ共振器のゲイン成分が増大し、発振しきい値を下げる結果となる。従って、特に半導体レーザ53のバイアス電流を単体発振モードと複合共振器モードの両しきい値の中間に設定しておくと、光スポット位置が記録面の低反射率部と高反射率部との間を移動するのに対応して、半導体レーザ53が非発振状態と発振状態とにスイッチングすることになる。それ故、半導体レーザ53からの出射光を受光素子54で検出すれば、戻り光が帰還することによる半導体レーザ53からの出射光の増減を検出することができる。このようにレーザ発振をON/OFFスイッチングさせる方式では、それ自体にコンパレータ機能が含まれるため、反射光強度の減衰度合いを検出する従来方式と比較してはるかに高いS/N特性が期待されることになる。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−176073号公報(第1図、第3頁)
【非特許文献1】
電子科学、1981年6月号,p.45−48
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようなSCOOP方式を実際のDVDやCD用の光ピックアップに応用する場合にも、対物レンズをフォーカシング/トラッキングの2軸に駆動制御するためのサーボ誤差信号検出を行う必要がある。
【0011】
しかしながら、従来の一般的な光ピックアップ光学系では、半導体レーザ53から光記録媒体53に向かう往路光と、光記録媒体53の記録信号情報を含んだ戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離し、戻り光は、半導体レーザ53と異なる場所に設置された受光素子54に導かれて光電変換しているため、記録信号情報を含んだ戻り光を半導体レーザ53に帰還させることができないという問題点がある。
【0012】
また、フォーカシングエラーの検出においては、PD−IC上での結像スポットの形状変化をPD−IC多分割受光エレメントからの出力信号に演算処理を施して求め、情報再生信号は、これらの多分割エレメント出力の和信号として検出している。従って、光記録媒体53からの戻り光を半導体レーザ51に帰還させて信号検出するSCOOP方式には、このような誤差信号検出方式は適用できない。このため、SCOOP検出のための誤差信号検出には、煩雑なウォブリング法などの手段が採られているという問題点がある。
【0013】
以上の問題点に鑑みて、本発明では、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単に信号検出可能な光ヘッド装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、半導体レーザと、当該半導体レーザからの出射光を光記録媒体の記録面に集光させる対物レンズとを有する光学ヘッド装置において、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を0次光および+−1次光を含む3ビームに分割して前記記録面に向けて出射する変調回折格子と、前記記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が前記半導体レーザに帰還することによる当該半導体レーザからの出射光の増減を検出する第1の光検出部と、前記戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するための第2の光検出部とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の光学ヘッド装置においては、レーザ光源から記録媒体に向かう出射光を変調回折格子によって回折しているので、回折された+−1次回折光が記録媒体の記録面に結像するときに、回折方向をメリジオナル光束とすると、+−1次の回折は変調回折格子により収束と発散の効果が加わり、逆方向に非点収差が発生する。すなわち、フォーカシングエラー検出のためのエラー成分(非点収差)が光の往路上において+−1次回折光に含まれる。従って、これら+−1次回折光の戻り光を用いて、スポットサイズによるフォーカシングエラー信号の検出を行なうことができる。また、半導体レーザから光記録媒体に向かう往路光と、光記録媒体の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離しないので、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザに帰還する。このため、半導体レーザからの出射光の増減を第1の光検出部によって検出することができる。それ故、本発明によれば、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単にフォーカシングエラーを検出することができる。
【0016】
本発明において、前記半導体レーザ、前記第1の光検出部、および前記第2の光検出部は、同一基板上に配置されていることが好ましく、この場合、前記第1の光検出部は、例えば、前記半導体レーザの後方に配置され、前記第2の光検出部は、前記半導体レーザの前方に配置される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を適用した光学ヘッド装置を説明する。
【0018】
図2は、本発明を適用した光ヘッド装置の光学系の概略構成図である。図3(A)は、この光学系に用いた変調回折格子の格子パターンを示す説明図である。図4は、図2に示す光ヘッド装置において、焦点位置と、第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図である。図5は、変調回折格子により回折された1次回折光の光路を示してある。図6(A)、(B)はそれぞれ、フォーカスエラー信号を形成するための回路構成、およびトラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【0019】
図2に示すように、本発明に係る光学ヘッド装置1は、半導体レーザ光源であるレーザダイオード2を有し、ここから出射されたレーザ光Lは、対物レンズ3によって、光学的記録媒体4の記録面に光スポットとして集束する。
【0020】
本形態において、レーザダイオード2は、PD・IC基板10上に実装され、レーザダイオード2の前方には立ち上げミラー8が配置されている。立ち上げミラー8の上方位置では、対物レンズ3との間に、図3に示す格子パターンを有する変調回折格子5が配置されている。
【0021】
また、PD・IC基板10には、レーザダイオード2の後方に立ち下げミラー9が配置され、この立ち下げミラー9の下面には、フォトダイオードからなる第1の光検出部7が形成されている。
【0022】
また、PD・IC基板10では、レーザダイオード2の前方のうち、立ち上げミラー8の両側にフォーカシングエラーおよびトラッキングエラー検出用の第2の光検出部22、23が形成されている。
【0023】
ここで、第2の光検出部22、23は、3分割型のフォトダイオードである。すなわち、第2の光検出部22は受光面として22a、22b、22cを備えており、同様に、第2の光検出部23も受光面23a、23b、23cを備えている。
【0024】
このように構成した光ヘッド装置1において、レーザダイオード2からのレーザ出射光Lは、立ち上げミラー8で反射して変調回折格子5に導かれ、この変調回折格子5で回折作用を受け、主として、0次光L(0)および+−1次回折光L(+1)、L(−1)の3ビームに分割される。変調回折格子5の回折方向は光記録媒体4の記録トラックの方向となるように設定されている。
【0025】
形成された3ビームは、対物レンズ3に入射する。対物レンズ3を介して、3ビームは各々、記録媒体4の記録面に形成されている記録トラック上に光スポットとして集光する。
【0026】
そして、記録媒体4で反射した戻り3ビームLr(0)、Lr(+1)、Lr(−1)のうち、0次光Lr(0)は、立ち上げミラー8で反射して、レーザダイオード2に帰還する。
【0027】
その結果、光スポット位置がディスク面の低反射率部と高反射率部との間を移動するのに対応して、半導体レーザ2が変化する。従って、半導体レーザ2から後方に出射されたレーザ光は、立ち下げミラー9でSCOOP検出用の第1の光検出部7に導かれ、第1の光検出部7は、半導体レーザ2のレーザ発振状態をRF信号信号として検出する。
【0028】
これに対して、+1次回折光Lr(+1)、および−1次回折光Lr(−1)は、図4に示すように、それぞれ、第2の光検出部22、23の受光面に光スポットb、cとして集光する。なお、光スポットaは、半導体レーザ2に帰還する0次回折光Lr(0)である。
【0029】
ここにおいて、本例の光ヘッド装置1では、レーザ出射光Lを変調回折格子5を用いて回折して3ビームとしている。この結果、図5から分かるように、記録面4aを除いて考えた場合のメリジオナル像面の位置は破線4a1で示す位置となり、記録面4aによる反射後のメリジオナル像面は破線4a2で示す位置となる。このために、記録媒体4の記録面4a上に形成される各ビームの光スポットのうち、両側に位置している光スポットには非点収差が発生する。これらの光スポットの戻り光による第2の光検出部22、23の受光面の側におけるメリジオナル像面は破線10aで示す位置となる。従って、これらの光スポットの戻り光が結像することによって第2の光検出部22、23の受光面に形成される光スポットbと、光スポットcにおけるメリジオナル非点収差の横収差の幅は焦点ずれの方向に応じて、逆方向に変化する。
【0030】
すなわち、図4に示すように、焦点が合っている状態では、光スポットbと、光スポットcは同一寸法の楕円形になる。これに対して、前焦点位置では、光スポットbの幅が狭くなるのに対して、光スポットcの側は幅が広くなる。逆に、後焦点位置では、光スポットbの幅が広くなるのに対して、光スポットcの幅は狭くなる。
【0031】
従って、第2の光検出部22、23では、これらの光スポットの幅の変化を各検出器の受光量変化として検出して、フォーカスエラー信号FEを生成する。例えば、図6(A)に示すように、3分割型の第2の光検出部22の両側の受光面22b、22cでの受光量と、反対側の3分割型第2の光検出部23の中央の受光面23aの受光量との和S1を取る。また、3分割型の第2の光検出部22の中央の受光面22aの受光量と、反対側の3分割型第2の光検出部23での受光量との和S2を取る。そして、これらの和信号S1とS2の差を求めることにより、フォーカスエラー信号FEが形成される。
【0032】
これに対して、トラッキングエラー信号TEは、一般的に採用されている3ビーム法によって形成される。すなわち、図6(B)に示すように、3分割型の第2の光検出部22の受光量S3と、反対側の3分割型の第2の光検出部23の受光量S4との差を求めることにより、トラッキングエラー信号TEが形成される。
【0033】
このように本形態では、半導体レーザ2から出射されたレーザ光を変調回折格子5によって0次光および+−1次光を含む3ビームに分割し、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザ2に帰還することによる半導体レーザ2からの出射光の増減をSCOOP検出用の第1の光検出部7によって検出する。また、第2の光検出部22、23は、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出する。このため、本形態によれば、半導体レーザ2から光記録媒体4に向かう往路光と、光記録媒体4の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離する必要がないので、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単にフォーカシングエラーを検出することができる。
【0034】
[その他の実施の形態]
図3(B)は、以下に説明する光ヘッド装置の光学系に用いた変調回折格子の格子パターンを示す説明図である。図7(A)、(B)は、以下に説明する光ヘッド装置において、焦点位置と、第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図、およびフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【0035】
記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光を半導体レーザに帰還させる一方、戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するにあたっては、以下に説明するように、図2に示す光学系において、図3(A)に示す変調回折格子に代えて、図3(B)に示す変調回折格子5で複数の光ビームに分割し、対物レンズ3によって光記録媒体4の記録面上に複数の光スポットとして収束させてもよい。この場合、第2の光検出部としては、図7(A)に示すように、2分割受光素子を備えた4つのフォトダイオードを用いる。
【0036】
図3(B)に示す変調回折格子5には、光記録媒体のトラックと直交する方向の線5C(仮想線)により分割されており、分割線5Cの両側に回折条件を異ならせた格子間隔及び格子方向の回折格子5A、5Bを有している。
【0037】
このような光学系自身の動作は、特許文献1に記載の光学系と同様であるが、本形態では、半導体レーザ2から光記録媒体4に向かう往路光と、光記録媒体4の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離しないので、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザ2に帰還する。このため、半導体レーザ2からの出射光の増減をSCOOP検出用の第1の光検出部7によって検出することができる。
【0038】
ここで、第2の光検出部では、対物レンズ3と光記録媒体4との位置関係が合焦条件を満たすときには、図7(A)に示すように、回折格子5Aの回折1次光の光スポット17、19と、回折格子5Bの回折1次光の光スポット18、20が上下に位置し、全てが最小の光スポットを形成する。この際、回折1次光の光スポット17〜20は、第2の光検出部として1列に並べた2分割受光素子122a・122b〜125a・125bの分割線に中心が位置する。なお光スポット16は、半導体レーザ2に帰還する0次回折光である。
【0039】
一方、対物レンズ3と光記録媒体4の距離が近づいた時は、回折格子5Aの回折1次光の光スポット17、19は、大きくなりながらその中心が図7(A)の上側に移動し、回折格子5Bの回折1次光の光スポット18、20は、大きくなりながらその中心が図7(A)の下側に移動し、回折1次光の光スポット17〜20は2分割受光素子122a・122b〜125a・125bの各片側に大半が位置することになる。
【0040】
逆に、対物レンズ3と光記録媒体4の距離が遠くなった時は、回折格子5Aの回折1次光の光スポット17、19は、近状態とは反対に、大きくなりながらその中心が図7(A)の下側に移動し、回折格子5Bの回折1次光の光スポット18、20は、近状態とは反対に、大きくなりながらその中心が図7(A)の上側に移動する。
【0041】
従って、光検出器6の各受光素子121、122a・122b〜125a・125bの出力を、図7(B)に示すように、FE信号に関しては2分割受光素子122a・122bと123a・123bの出力、2分割受光素子124a・124bと125a・125bの出力をそれぞれ比較器127、128で上下逆に比較し、その結果を比較器29で比較するように結線する事で、FE信号が得られる事になる。
【0042】
一方、対物レンズ4と光ディスク5との位置関係のトラッキング方向のずれ検出に関しては、通常の3ビーム法の場合と全く同様であり、図7(B)に示すように、TE信号に関しては2分割受光素子122a・122bと123a・123bの出力、2分割受光素子124a・124bと125a・125bの出力をそれぞれ加算器30、31で加算し、その結果を比較器32で比較するように結線する事で、FE信号が+1次回折光と−1次回折光との差を求める事でプッシュプル検出できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学ヘッド装置においては、レーザ光源から記録媒体に向かう出射光を変調回折格子によって回折しているので、回折された+−1次回折光が記録媒体の記録面に結像するときに、回折方向をメリジオナル光束とすると、+−1次の回折は変調回折格子により収束と発散の効果が加わり、逆方向に非点収差が発生する。すなわち、フォーカシングエラー検出のためのエラー成分(非点収差)が光の往路上において+−1次回折光に含まれる。従って、これら+−1次回折光の戻り光を用いて、スポットサイズ法によるフォーカシングエラー信号の検出を行なうことができる。また、半導体レーザから光記録媒体に向かう往路光と、光記録媒体の記録信号情報を含んだ反射光である戻り光とをハーフミラーなどの光路分割手段によって分離しないので、記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が半導体レーザに帰還する。このため、半導体レーザからの出射光の増減を第1の光検出部によって検出することができる。それ故、本発明によれば、SCOOP検出を採用した場合でも、ウォブリング法などといった煩雑な手法を採らずに、簡単にフォーカシングエラーを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帰還光自己結合検出の動作原理を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した光ヘッド装置の光学系の概略構成図である。
【図3】(A)、(B)はいずれも、本発明を適用した光ヘッド装置の光学系に用いられる変調回折格子の格子パターンを示す説明図である。
【図4】図2に示す光ヘッド装置において、焦点位置と、第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図である。
【図5】図2に示す光ヘッド装置において、変調回折格子により回折された1次回折光の光路を示してある。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、図2に示す光ヘッド装置において、フォーカスエラー信号を形成するための回路構成、およびトラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した別の光ヘッド装置において、焦点位置と第2の光検出部の各受光面に形成される光スポットとの関係を示す説明図、およびフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を形成するための回路構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド装置
2 レーザダイオード
3 対物レンズ
4 記録媒体
5 変調回折格子
7 SCOOP用の第1の光検出部
8 立ち上げミラー(偏向素子)
9 立ち下げミラー(偏向素子)
10 PD・IC基板
22、23 第2の光検出部
Claims (2)
- 半導体レーザと、当該半導体レーザからの出射光を光記録媒体の記録面に集光させる対物レンズとを有する光学ヘッド装置において、
前記半導体レーザから出射されたレーザ光を0次光および+−1次光を含む3ビームに分割して前記記録面に向けて出射する変調回折格子と、前記記録面から反射してきた戻り3ビームに含まれる0次光が前記半導体レーザに帰還することによる当該半導体レーザからの出射光の増減を検出する第1の光検出部と、前記戻り3ビームに含まれる+−1次回折光の非点収差に基づいてフォーカシングエラーを検出するための第2の光検出部とを有することを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1において、前記半導体レーザ、前記第1の光検出部、および前記第2の光検出部は、同一基板上に配置されているとともに、
前記第1の光検出部は、前記半導体レーザの後方に配置され、前記第2の光検出部は、前記半導体レーザの前方に配置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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WO2006112288A1 (ja) * | 2005-04-14 | 2006-10-26 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 光ヘッド装置及び光情報処理装置 |
-
2002
- 2002-10-03 JP JP2002290702A patent/JP2004127428A/ja active Pending
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