JP2004126402A - 調光装置及び撮像装置 - Google Patents

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Toshiharu Yanagida
柳田 敏治
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Abstract

【課題】液晶光学素子の光学濃度比(コントラスト比)を十分に確保しながら、調光装置に要求される大きな応答速度で駆動可能な液晶光学素子を用いた調光装置と、これを光路中に配して性能、画質、信頼性の向上を実現できる撮像装置を提供すること。
【解決手段】複数の液晶光学素子10が光路に沿って順次配置されていて、複数の液晶光学素子10がそれぞれ、ホスト材料とゲスト材料との混合物31からなっている調光装置23、また、この調光装置23が撮像系の光路中に配される撮像装置。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、入射光の光透過率を調節するための調光装置、及びこの調光装置を用いた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、液晶光学素子(液晶セル)を用いる調光装置には、偏光板が使用される。この液晶セルには、例えばTN(Twisted Nematic)型液晶セルやゲスト−ホスト(GH(Guest Host))型液晶セルが用いられる。
【0003】
図17は、従来の調光装置の動作原理を示す概略図である。この調光装置は、主に偏光板1とGHセル2とで構成され、GHセル2は、図示省略したが、2枚のガラス基板の間に封入され、また動作電極や液晶配向膜を有している(以下、同様)。GHセル2内には、液晶分子3と二色性染料分子4とが封入されている。
【0004】
二色性染料分子4は、光の吸収に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型(p型)色素分子である。また、液晶分子3は、誘電率異方性が正のポジ型(正型)である。
【0005】
図17(a)は、電圧を印加していない(電圧無印加)時のGHセル2の状態を示す。入射光5は、偏光板1を通過することによって直線偏光にされる。図17(a)では、この偏光方向と、二色性染料分子4の分子長軸方向とが一致するので、入射光5は二色性染料分子4に吸収され、GHセル2の光透過率が低下する。
【0006】
そして、図17(b)で示すように、GHセル2に電圧印加を行うと、液晶分子3が電界方向に向くに伴って二色性染料分子4の分子長軸方向は、直線偏光の偏光方向と直角になる。このため、入射光5はGHセル2によりほとんど吸収されずに透過する。
【0007】
なお、分子短軸方向の光を吸収するネガ型(n型)の二色性染料分子を用いる場合は、上記ポジ型の二色性染料分子4の場合と逆になり、電圧無印加時には光が吸収されず、電圧印加時に光が吸収される。
【0008】
図17に示された調光装置では、電圧印加時と電圧無印加時との吸光度の比、即ち、光学濃度の比が約10である。これは、偏光板1を使用せずにGHセル2のみで構成される調光装置に比べて約2倍の光学濃度比を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この光学濃度比(コントラスト比、ダイナミックレンジ)は、GHセルを構成する2枚のガラス基板間の距離(以下、セルギャップと称する。)に左右される。
【0010】
即ち、セルギャップが大きい程、換言すれば液晶層の厚みが厚い程、透明時と遮光時との光透過率の差が大きくなり、光学濃度比(コントラスト比)は大きく取れる。
【0011】
一方、セルギャップが変わると、GHセルによる調光装置としての過渡応答速度も変化する。例えばセルギャップが大きくなると、応答速度は確実に遅くなる傾向をもつ。
【0012】
即ち、GHセルからなる液晶光学素子の光学濃度比と過渡応答速度とは、トレードオフの関係にあるため、従来は搭載するセットに合わせて、どちらかの特性を優先させる(他方の特性低下はある程度止むを得ないとする)形で、セルの仕様を決めていた。
【0013】
こうした中で、大きな光学濃度比の確保と迅速な過渡応答動作の実現とを両立できるような、液晶光学素子を用いた調光装置が切望されている。
【0014】
そこで、本発明の目的は、液晶光学素子の光学濃度比(コントラスト比)を十分に確保しながら、調光装置に要求される大きな応答速度で駆動可能な液晶光学素子を用いた調光装置と、これを光路中に配して性能、画質、信頼性の向上を実現できる撮像装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されていて、前記複数の液晶光学素子がそれぞれ、ホスト材料とゲスト材料との混合物からなっている調光装置に係り、また、この調光装置が撮像系の光路中に配される撮像装置に係るものである。
【0016】
本発明の調光装置及び撮像装置によれば、前記混合物からなる前記複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されているので、前記液晶光学素子の光学濃度比(コントラスト比)を充分に大きく確保しながら、調光装置に要求される高い応答速度で前記液晶光学素子を駆動することができる。
【0017】
従って、本発明は、前記複数の液晶光学素子を用いた調光装置及び撮像装置の性能、画質、信頼性の向上を図るために極めて有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記複数の液晶光学素子を用いてなる、光学的機能が向上した調光装置を提供するものであるが、これは、本出願人が既に提出した特願平11−322186号に係る先願発明に依拠したものである。この先願発明によれば、液晶光学素子と、この液晶光学素子に入射する光の光路中に配される偏光板とで調光装置を構成し、更に、ネガ型液晶分子をホスト材料とするゲスト−ホスト型液晶を用いることにより、電圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が向上し、調光装置のコントラスト比が大きくなり、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作を正常に行うことを可能とする。
【0019】
図17に示したゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)2において、ホスト材料3として誘電率異方性(Δε)が正のポジ型の液晶分子を用い、ゲスト材料4には二色性を有する光吸収異方性(ΔA)が正のポジ型染料分子4を用い、偏光板1をGHセル2の入射側に配し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変化を計測すると、図18に示すように、動作電圧の印加に伴って可視光の平均光透過率(空気中。液晶セルに加えて偏光板を足したときの透過率を参照(=100%)とした:以下、同様)が増加するが、電圧を10Vにまで上昇させても最大光透過率は60%程度にしかならず、しかも光透過率の変化が緩やかである。
【0020】
これは、ポジ型のホスト材料を用いる場合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が強いため、電圧を印加してもダイレクタの向きが変化しない(或いは、変化し難い)液晶分子が残ってしまうからであると考えられる。
【0021】
これに対し、先願発明では、図13に示すように、ゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)12において、ホスト材料13として、誘電率異方性(Δε)が負のネガ型の液晶分子であるMerck社製のMLC−6608を一例として用い、ゲスト材料4には二色性を有するポジ型染料分子であるBDH社製のD5を一例として用いることにより、偏光板11をGHセル12の入射側に配し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変化を測定したところ、図14に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約75%から数%にまで減少し、しかも光透過率の変化が比較的急峻となる。
【0022】
これは、ネガ型のホスト材料を用いる場合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が非常に弱いため、電圧無印加時に光が透過し易く、また電圧印加と共に液晶分子のダイレクタの向きが変化し易くなるからであると考えられる。
【0023】
このようにして、本発明において、ネガ型のホスト材料を用いてGHセルを構成することにより、光透過率(特に透明時)が向上し、GHセルを撮像光学系中にそのまま位置固定して使用できるコンパクトな調光装置が実現可能となる。この場合、液晶光学素子への入射光の光路中に偏光板を配することにより、電圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が一層向上し、調光装置のコントラスト比が更に大きくなり、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作をより正常に行うことができる。
【0024】
本発明者は、このようなGHセルを用いた調光装置の特性の更なる向上を鋭意検討したところ、図15に示すように、液晶光学素子の透明時と遮光時との光学濃度比は、GHセルを構成する2枚のガラス基板間の距離(セルギャップ)によっても大きく左右されることが判明した。
【0025】
即ち、セルギャップが大きい程、換言すれば液晶層の厚みが厚い程、透明時と遮光時との光透過率の差が大きくなり、光学濃度比は大きく取れるものの、ホスト材料にネガ型液晶分子を使うことの利点である透明時の光透過率が低下してしまう。
【0026】
また、図16に示すように、セルギャップが変わると、GHセルによる調光装置としての応答速度も大きく変化し、セルギャップが大きくなって液晶層が厚くなる程、応答速度は確実に低下してしまうことも判明した。特に、図16(a)に示すように、中間調で光透過率をわずかに変化させるような駆動を行うと、著しく応答速度が遅くなる。
【0027】
従って、従来のゲスト−ホスト型液晶光学素子を用いて調光装置を作製する場合には、透明時と遮光時の光透過率の差(光学濃度比)と、液晶光学素子の過渡応答時間はトレードオフの関係にあり、どちらをも両立させた特性を得るのには、自ずと限界があった。
【0028】
そして、本発明者が、より高い特性を有しかつ上記した2つの特性の両立を実現させるべく検討を更に進めた結果、ホスト材料とゲスト材料との前記混合物からなる前記複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されてなる調光装置が極めて有効であることを初めて突き止めるに至った。
【0029】
ここで、本発明に基づく調光装置は、前記複数の液晶光学素子を構成する中間基板が共用されていることが望ましい。即ち、複数枚の基板が並んで順次配置され、互いに隣り合った前記複数枚の基板間に前記ホスト材料とゲスト材料との混合物が封入された構造とすることが望ましい。これにより、例えばセルギャップの狭いGHセルを複数個重ねて、これを同時に駆動させるように(液晶配向方位と実効印加電圧を揃えて)作用させることができ、光学濃度比(コントラスト比)を充分に大きく確保しながら、調光装置に要求されるより高い応答速度で前記複数の液晶光学素子を駆動することができる。
【0030】
そして、少なくとも有効光路における前記複数の液晶光学素子の各セルギャップをそれぞれ1〜3μmに制御することが好ましく、これにより、前記複数のGHセルを用いての、より実用的に有利な調光装置を実現することができる。
【0031】
上記の各セルギャップが1μm未満であると、調光装置としての応答速度は大きくなり、また透明時の光透過率が向上するものの、遮光時の光透過率も大きく上昇してしまい、結果として充分な光学濃度比(コントラスト比)が確保できなくなることがある。逆に、上記の各セルギャップが3μmを超えると、光学濃度比は大きく確保できるものの、透明時の光透過率が低下し、また調光装置としての応答速度が大きく悪化することがある。特に、中間調において光を僅かに変化させるような駆動を行う場合、応答速度が遅くなってしまうことがある。
【0032】
本発明に基づく調光装置によれば、前記複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されており、また、例えば前記複数の液晶光学素子の各セルギャップがそれぞれ1〜3μmに制御されているので、前記複数の液晶光学素子の全体としての厚みを大きくすることができるため、光学濃度比を大きく確保することができ、かつ狭ギャップ(例えば3μm)の単独セル(2枚の基板から構成されるセル)を駆動するのと同様に高速で調光動作が行える。従って、従来は実現できなかった高コントラスト比と高速過度応答の両立が可能となる。
【0033】
ここで、上記に前記中間基板が共用されている例を挙げたが、単に狭ギャップの単独セルを複数組重ねただけの構造であってもよく、この場合、遮光時の光透過率はより一層低下することができる。但し、各セルの間に空気層が存在すると、各セル間の空気層と前記基板との界面での光反射量が大きく、また前記基板での余分な光吸収もあり、透明時の光透過率が低下することがあるので、なるべく前記空気層が形成されない方法で調光装置を製造するのがよい。
【0034】
図1及び図8(a)は、本発明に基づく調光装置の前記複数の液晶光学素子(GHセル)の概略断面図である。
【0035】
図1及び図8(a)に示すように、本発明に基づく調光装置の複数のGHセル10は、ガラス基板30a、30b及び30cを有し、これらの間に液晶混合物31を封入してなり、液晶混合物31が、ネガ型液晶分子13をホスト材料とし、ポジ型染料分子4をゲスト材料とする、ゲスト−ホスト型液晶である。なお、前記中間基板としてのガラス基板30bは共用されている。また、基板30aと30bの間及び基板30bと30cの間がシール材35で封止されている。さらに、複数の液晶光学素子(GHセル)10にそれぞれ電源34が接続されており、かつ電源34は複数のGHセル10に共用されている。
【0036】
ガラス基板30は、ガラス基板での光吸収量を抑えかつ少しでも装置の小型軽量化を図るために、できるだけ薄いもの、特に0.5mm以下のものを用いることが好ましい。
【0037】
また、ガラス基板30a、30b及び30cは、透明電極32a、32b、32c及び配向膜33a、33b、33cをそれぞれ有しており、ガラス基板30a及び30cの液晶混合物31が存在する面側には、ラビング法等の前記液晶配向処理が施されている。
【0038】
一方、中央に位置するガラス基板30bの両面にはラビング法等の液晶配向処理が施されておらず(例えば透明電極上に斜方蒸着膜等の垂直配向膜を形成しているが、ラビング処理が施されていない。)、かつその周辺部に電極引き出し部が形成されている。
【0039】
即ち、製造工程の容易さを考慮すれば、ラビング法等の前記液晶配向処理は、3枚のガラス基板30a、30b、30cのうちの、外側の2枚の基板30a及び30cに対してのみ行うことが好ましい(片側ラビング)。例えば、上記の片側ラビングに代えて両面ラビングを適用した場合、中央ガラス基板30bの一方の面側の液晶配向処理後、他方の面側に液晶配向処理を施す際に、既に配向処理が施された一方の面側の液晶配向膜に対して悪影響を与えてしまうことがある。
【0040】
また、複数のGHセル10の実装形態をコンパクトにして、調光装置の小型化を図るためには、上述したように、3枚のガラス基板30a、30b、30cのうちの中央ガラス基板30bの両面のみに、液晶セルを駆動するための交流電圧を印加する電極の引き出し部を設けることが好ましい。
【0041】
複数のGHセル10は、ホスト材料として誘電率異方性(Δε)が負のネガ型液晶分子13を用い、ゲスト材料には二色性を有するポジ型染料分子4を用いているので、電圧無印加時には、図1(a)に示すように、光は複数のGHセル10によって殆ど吸収されずに透過する。逆に、図1(b)に示すように、電圧印加時には、液晶分子のダイレクタの向きが変化し、光はポジ型染料分子4に吸収され、複数のGHセル10の光透過率が低下する。複数のGHセル10は、電圧無印加時における複数のGHセル10の各液晶配向膜33との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が非常に弱いため、電圧無印加時に光が透過し易く、また電圧印加と共に液晶分子のダイレクタの向きが変化し易くなり、光はポジ型染料分子に吸収される。
【0042】
なお、本発明に基づく調光装置及び撮像装置においては、前記複数の液晶光学素子の液晶分子の誘電率異方性は負であることが望ましいが、ゲスト材料は、ポジ型又はネガ型の二色性染料分子からなっていてよい。
【0043】
図5(A)は、本発明に基づく調光装置(複数の液晶光学素子:GHセル10)を構成する基板30a、30b、30cのうち、外側に配される基板30a及び30cの概略平面図である。また、図5(B)は、本発明に基づく調光装置(複数の液晶光学素子:GHセル10)を構成する基板30a、30b、30cのうち、中央に配される基板30bの概略平面図である。
【0044】
図5(A)に示すように、外側に配されるガラス基板30a(又は30c)の片面(前記液晶混合物が存在する側)には、ITO(Indium tin oxide)電極(透明電極)32a(又は32c)及び配向膜33a(又は33c)を有しており、この配向膜33a(又は33c)にはラビング法等の液晶配向処理が施されている。また、ITO電極32a(又は32c)は有効光路20外に延設されている。ここで、前記液晶配向処理としては、前記ラビング法の他に、偏光紫外線による光配向法や斜方蒸着法等が挙げられる。
【0045】
また、図5(B)に中央ガラス基板30bの一方の面側を一例として示すように、中央ガラス基板30bは、ITO(Indium tin oxide)電極(透明電極)32b及び配向膜33bを有しており、配向膜33bには前記液晶配向処理が施されていない。また、基板30bには、透明電極の引き出し部21が設けられている。なお、中央ガラス基板30bの他方の面側も上記と同様にしてITO電極32b、配向膜33b及び電極引き出し部21が形成されている。
【0046】
図6は、図1に示すような本発明に基づく調光装置の複数の液晶光学素子(GHセル)10のうち、例えば第1液晶光学素子(GHセル)10a(又は第2液晶光学素子10b)の概略平面図である。
【0047】
図6に示すように、基板30a及び30bの間(又は基板30b及び30cの間)は液晶セル周辺部24にて、シール材35で封止されている。
【0048】
そして、上述したように、複数の液晶光学素子10の各セルギャップがそれぞれ1〜3μmに制御されていることが望ましく、更に、図7に図6のA−A線断面図を示すように、前記有効光路に相当する液晶セル中間部での前記間隙がその周辺部における前記間隙よりも小さいことがより好ましい。即ち、複数の液晶光学素子10を構成する各GHセル10a及び10bの対向する例えばガラス基板の隙間をそれぞれ、1〜3μmに制御した上で、更にセル中間部(又は中央部)におけるギャップ長をセル周辺部のギャップ長より小さくすることである。これにより、調光装置として必要な光学濃度比を維持しながら、前記有効光路内の複数の液晶光学素子10をより一層高速に応答動作させることが可能となる。
【0049】
本実施の形態においては、上記した如きセルギャップを形成する上で、図8(b)及び(c)に示すように、透明電極32a、32b、32c及び配向膜33a、33b、33cが形成された対向基板間30a及び30b、30b及び30cにスペーサー36が配され、シール材35で液晶セル周辺部が封止されており、シール材35が、スペーサー36より径大に形成されているか、或いはボール状又はファイバー状等の硬質材料を含有しているのがよい。
【0050】
前記複数の液晶光学素子からなる本発明に基づく調光装置は、例えば図9に示すように、ズームレンズのように複数のレンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群16との間に配置される。レンズ前群15を透過した光は、偏光板11を介して直線偏光された後、複数のGHセル10に入射する。複数のGHセル10を透過した光は、レンズ後群16で集光され、撮像面17に映像として映し出される。
【0051】
この調光装置23を構成する偏光板11は、本出願人による上述した先願発明と同様に、複数のGHセル10に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能である。具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。この偏光板11を出し入れする手段として、図10に示すような機械式アイリスが用いられてもよい。
【0052】
この機械式アイリスは、一般にデジタルスチルカメラやビデオカメラ等に用いられる機械式絞り装置であり、主として2枚のアイリス羽根18、19と、アイリス羽根18に貼付された偏光板11とからなる。アイリス羽根18、19は、上下方向に移動させることができる。矢印27で示される方向に、図示せぬ輝度モーターを用いてアイリス羽根18、19を相対的に移動させる。
【0053】
これにより、図10で示すように、アイリス羽根18、19は部分的に重ねられ、この重なりが大きくなると、アイリス羽根18、19の中央付近に位置する有効光路20上の開口部22が、偏光板11により覆われる。
【0054】
図11は、有効光路20付近の機械式アイリスの部分拡大図である。アイリス羽根18が下方に移動すると同時に、アイリス羽根19が上方に移動する。これに伴って、図11(a)に示すように、アイリス羽根18に貼付された偏光板11も有効光路20の外へと移動する。逆に、アイリス羽根18を上方に、またアイリス羽根19を下方に移動させることにより、互いのアイリス羽根18、19が重なる。これに従って、図11(b)に示すように、偏光板11は有効光路20上に移動し、開口部22を次第に覆う。アイリス羽根18、19の互いの重なりが大きくなると、図11(c)に示すように、偏光板11は開口部20を全て覆う。
【0055】
次に、この機械式アイリスを用いた調光装置23の調光動作について説明する。
【0056】
図示せぬ被写体が明るくなるにつれて、図11(a)で示したように、上下方向に開いていたアイリス羽根18、19は、図示せぬモーターにより駆動され、重なり始める。これによって、アイリス羽根18に貼付されている偏光板11は、有効光路20上に入り始め、開口部22の一部を覆う(図11(b))。
【0057】
この時、複数のGHセル10は光を吸収しない状態にある(なお、熱的揺らぎ、又は表面反射等のため、複数のGHセル10による若干の吸収はある。)。このため、偏光板11を通過した光と開口部22を通過した光は、ほぼ強度分布が同等となる。
【0058】
その後、偏光板11は、完全に開口部22を覆った状態になる(図11(c))。さらに、被写体の明るさが増す場合は、複数のGHセル10への電圧を上昇し、複数のGHセル10で光を吸収することにより調光を行う。
【0059】
これとは逆に、被写体が暗くなる場合は、まず、複数のGHセル10への電圧を減少又は無印加とすることにより、複数のGHセル10による光の吸収効果を無くする。さらに被写体が暗くなった場合は、図示せぬモーターを駆動することにより、アイリス羽根18を下方へ、またアイリス羽根19を上方へ移動させる。こうして、偏光板11を有効光路20の外へ移動させる(図11(a))。
【0060】
また、図9〜図11に示したように、偏光板11(光透過率例えば40%〜50%)を光の有効光路20から外に出すことができるので、偏光板11に光が吸収されない。従って、調光装置の最大光透過率を例えば2倍以上に高めることができる。具体的には、この調光装置を、従来の固定されて設置される偏光板及びGHセルからなる調光装置と比較すると、最大光透過率は例えば約2倍になる。なお、最低光透過率は両者で等しい。
【0061】
また、デジタルスチルカメラ等に実用化されている機械式アイリスを用いて、偏光板11の出し入れが行なわれるので、調光装置は容易に実現可能となる。また、複数のGHセル10を用いるので、偏光板11による調光に加えて、複数のGHセル10自体が光を吸収することにより、調光を行うことができる。
【0062】
このようにして、この調光装置は、明、暗のコントラスト比を高めると共に、光量分布をほぼ均一に保つことができるものとなる。
【0063】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面参照下に説明する。
【0064】
実施例1
まず、ゲスト−ホスト型液晶(GH)セルを用いる調光装置の一例を説明する。
【0065】
この調光装置は、図9に示すように、複数のGHセル10と偏光板11とからなる。そして、複数のGHセル10は、図1及び図8(a)に断面の詳細を示すように、透明電極32と配向膜33とを表面に形成した3枚のガラス基板30a、30b、30cから形成される2つの隙間に、ネガ型の液晶分子(ホスト材料)13とポジ型の二色性染料分子(ゲスト材料)4との混合物31が封入されている。
【0066】
液晶分子には、例えば誘電率異方性が負のネガ型液晶分子であるMerck社製のMLC−6608を一例として用い、また二色性染料分子には、光の吸収に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型染料分子であるBDH社製のD5を一例として用いた。
【0067】
偏光板11の光吸収軸は、複数のGHセル10に電圧を印加した時の光吸収軸と直交させた。
【0068】
この調光装置23は、例えばズームレンズのように複数のレンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群16との間に配置される。レンズ前群15を透過した光は、偏光板11を介して直線偏光された後、複数のGHセル10に入射する。複数のGHセル10を透過した光は、レンズ後群16で集光され、撮像面17に映像として映し出される。
【0069】
そして、この調光装置23を構成する偏光板11は、本出願人が以前提案しているように(特願平11−326894号)、複数のGHセル10に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能である。
【0070】
具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。この偏光板11を出し入れする手段として、図10に示すような機械式アイリスが用いられてもよい。
【0071】
ここで、複数のGHセル10は、図5及び図6に概略的に平面を示すように、一例として0.5mm厚のガラス基板30bの両面、及び0.5mm厚のガラス基板30a及び30cの一方の面側に透明電極パターン32a、32b、32cと配向膜33a、33b、33cをそれぞれ形成し、ガラス基板32a及び32cの配向膜33a及び33cにのみ、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bの液晶分子の配向方位が揃うようにラビング処理を施した(片側ラビング)。また、ガラス基板30bの両面には前記の各透明電極の引き出し部21をそれぞれ設け、かつガラス基板30a及び30cの前記透明電極は有効光路20外に延設した。
【0072】
そして、ガラス基板30a及び30cのセル周辺部24に、一例として直径3.0μmのガラスファイバーを含有した、熱硬化性エポキシ樹脂からなる封止(シール)材35を所定の幅で塗布した後、3枚のガラス基板30a、30b、30cを位置合わせして重ねてから、熱プレス板により適度な条件(例えば150〜170℃、1〜2kg/cm)で圧力を加えながら加熱処理することにより、セル周辺部24のシール材35を硬化させ、基板の貼り合せを完了させ、2層構造の液晶セルを完成させた(図1及び図8(a))。
【0073】
なお、複数の液晶光学素子(GHセル)10にそれぞれ電極34を接続し、かつ電源34は複数のGHセル10に共用させた。
【0074】
この貼り合わせ基板を個片化(スクライブ&ブレイク)して得られた2層構造の空セルのセルギャップを、光の干渉を利用する測定機で計測したところ、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bにおけるセル中央部のギャップがそれぞれ、約2.2μmであり、セル周辺部のギャップがそれぞれ、約2.8μmに仕上がっていた。なお、複数の液晶光学素子10の全体としてのセルギャップは約5μmであった。
【0075】
このような複数の空GHセルに、ネガ型の液晶分子(ホスト材料)13とポジ型の二色性染料分子(ゲスト材料)4とからなる液晶材料31を封入してできあがった複数のGHセル10に対して、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bの液晶分子に同じ実効電圧が加わるように、中央ガラス基板30bに設けた電極の引き出し部21に矩形波を駆動波形として入力し、動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ(図13)、図2及び図3に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率が約70%から約5%にまで減少した。また、用いる液晶セル構造や構成材料によっても異なるが、複数のGHセル10は、±5V(1kHz)以上のパルス電圧印加で、ほぼ最小光透過率に達した。
【0076】
複数の液晶光学素子10の全体としてのセルギャップが5μmであった本発明における調光装置の電圧印加時の最低光透過率(遮光時の光透過率)は、セルギャップが5μmに形成された従来の単独GHセル(2枚基板構成)と比較すると、図2及び図3に示すように、おおよそ半減しており、調光動作のダイナミックレンジを大きく拡大することができた。これは、複数のGHセル10の構造内に、屈折率の異なる材料が接する界面が増えたことで、そこでの界面反射が光の透過量を全体的に減少させていることが主因である。
【0077】
そして、複数のGHセル10に印加する駆動パルス電圧を変化させた時の光透過率の過渡応答時間は、20ms以下の高速動作が可能となった。これは、約2.5μmの狭ギャップの単独GHセルを駆動しているのと同等の高速駆動である。また、中間調駆動させた場合、セルギャップが5μmの従来の単独GHセルは、応答時間が100msを超えていたのに対し、全体としてのセルギャップが5μmであった本発明における複数のGHセル10は、20ms以下の高速駆動が可能であった(図16)。
【0078】
従って、従来は両立し得なかった高ダイナミックレンジの確保と高速過渡応答性を、本発明に基づく調光装置によれば同時に実現することができた。
【0079】
本実施例では、シール材35内のガラスファイバーに適度な大きさのものを選択し、ガラス基板30a、30b、30cを重ね合わせるための熱プレス板による加圧加熱処理を適度な条件で行った結果、複数の液晶光学素子10を構成する2層(第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10b)のセルギャップをそれぞれ、約2.2μm(中央部)から約2.8μm(周辺部)に仕上げることができた(トータルのセルギャップとしては、約5μmであった)。
【0080】
その結果、透明時と遮光時との光透過率の差(光学濃度比)を充分に確保しながら、調光装置として高速に応答動作することが可能となった。
【0081】
ここで、セルの作製条件を変えて、トータルのセルギャップが2μm未満(各セルギャップがそれぞれ1μm未満)の2層液晶セルを作製したところ、過渡応答速度は更に高速化するものの、光透過率が全体的に上昇し、特に遮光時の光透過率の上昇度合いが大きく、調光装置に要求される充分な光学濃度比を得ることができないことがあった。また、セル内でのギャップバラツキが大きくなり、狭ギャップにする程、製造歩留まりも低下した。
【0082】
逆に、セルの作製条件を変えて、トータルのセルギャップが6μmを超える(各セルギャップがそれぞれ3μmを超える)2層液晶セルを作製したところ、遮光時の透過率は低く抑えられるものの、透明時の透過率も大きく低下してしまい、実用的な光学濃度比が得られなくなることがあった。また、過渡応答速度(特に中間調駆動における応答速度)も低下し始めることがあった。
【0083】
従って、ネガ型液晶分子と二色性染料分子を用いたゲスト−ホスト型液晶セルを例えば2層のセルギャップで構成し、光透過率の差(光学濃度比)を充分に確保しながら、調光装置として高速に応答動作することができる調光装置を実現するためには、各々のセルギャップを1〜3μm(トータルセルギャップで2〜6μm)に仕上げることがより望ましいとの結論に至った。
【0084】
また、本実施例において、ネガ型の液晶分子(ホスト材料)13に代えてポジ型の液晶分子を用いて、上記と同様にして複数のGHセル10を作製し、この複数のGHセル10に対して、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bの液晶分子に同じ実効電圧が加わるように、中央ガラス基板30bに設けた電極の引き出し部21に矩形波を駆動波形として入力し、動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ、図4に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が約2%から約60%にまで増加した。
【0085】
即ち、ポジ型の液晶分子を用いてなる複数のGHセル10(全体としてのセルギャップは5μm)の電圧無印加時の最低光透過率は、セルギャップが5μmに形成された従来の単独セル(2枚基板構成)と比較すると、図4に示すように、おおよそ半減しており、調光動作のダイナミックレンジを大きく拡大することができた。
【0086】
実施例2
本実施例は、実施例1の2層構造のGHセル10の作製において、プラスチックボールをスペーサー36として、3枚のガラス基板30a、30b、30c間に配置した例である。
【0087】
即ち、複数のGHセル10は、図5及び図6に概略的に平面を示すように、一例として0.5mm厚のガラス基板30bの両面、及び0.5mm厚のガラス基板30a及び30cの一方の面側に透明電極パターン32a、32b、32cと配向膜33a、33b、33cを形成し、ガラス基板32a及び32cの配向膜33a及び33cにのみ、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bの液晶分子の配向方位が揃うようにラビング処理を施した(片側ラビング)。また、ガラス基板30bの両面には前記の各透明電極の引き出し部21をそれぞれ設け、かつガラス基板30a及び30cの前記透明電極は有効光路20外に延設した。
【0088】
そして、ガラス基板30a及び30cのセル周辺部24に、一例として直径3.0μmのガラスファイバーを含有した、熱硬化性エポキシ樹脂からなる封止(シール)材35を所定の幅で塗布した後、同一基板もしくは対向する他方の基板上に、一例として2.5μm径のプラスチックボールを均一に散布し、3枚のガラス基板30a、30b、30cを位置合わせして重ねてから、熱プレス板により適度な条件(例えば150〜170℃、1〜2kg/cm)で圧力を加えながら加熱処理することにより、セル周辺部24のシール材35を硬化させ、基板の貼り合せを完了させ、2層構造の液晶セルを完成させた(図1及び図8(b))。
【0089】
ここで、上記のプラスチックボールは、従来の手法を用いて上方から基板に散布し、概ね100〜300個/mmのある一定密度で、ガラス基板全面にほぼ均一に配置されていた。
【0090】
なお、複数の液晶光学素子(GHセル)10にそれぞれ電極34を接続し、かつ電源34は複数のGHセル10に共用させた。
【0091】
この貼り合わせ基板を個片化(スクライブ&ブレイク)して得られた2層構造の空セルのセルギャップを、光の干渉を利用する測定機で計測したところ、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bにおけるセル中央部のギャップがそれぞれ、約2.4μmであり、セル周辺部のギャップがそれぞれ、約2.7μmに仕上がっていた。なお、複数の液晶光学素子10の全体としてのセルギャップは約5μmであった。
【0092】
また、スペーサー36の配設によって、複数のGHセル10での調光特性を左右する各セルギャップのバラツキは、実施例1よりも低減できていた。
【0093】
このようなセルに、ネガ型の液晶分子(ホスト材料)13とポジ型の二色性染料分子(ゲスト材料)4とからなる液晶材料31を封入してできあがった複数のGHセル10に対して、第1液晶光学素子10a及び第2液晶光学素子10bの液晶分子に同じ実効電圧が加わるように、中央ガラス基板30bに設けた電極の引き出し部21に矩形波を駆動波形として入力し、動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ(図13)、図2及び図3に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率が約70%から約5%にまで減少した。また、用いる液晶セル構造や構成材料によっても異なるが、複数のGHセル10は、±5V(1kHz)以上のパルス電圧印加で、ほぼ最小光透過率に達した。
【0094】
複数の液晶光学素子10の全体としてのセルギャップが約5μmであった本発明における調光装置の電圧印加時の最低光透過率(遮光時の光透過率)は、セルギャップが5μmに形成された従来の単独GHセル(2枚基板構成)と比較すると、図2及び図3に示すように、おおよそ半減しており、調光動作のダイナミックレンジを大きく拡大することができた。これは、複数のGHセル10の構造内に、屈折率の異なる材料が接する界面が増えたことで、そこでの界面反射が光の透過量を全体的に減少させていることが主因である。
【0095】
そして、複数のGHセル10に印加する駆動パルス電圧を変化させた時の光透過率の過渡応答時間は、20ms以下の高速動作が可能となった。これは、約2.5μmの狭ギャップの単独GHセルを駆動しているのと同等の高速駆動である。また、中間調駆動させた場合、セルギャップが5μmの従来の単独GHセルは、応答時間が100msを超えていたのに対し、全体としてのセルギャップが約5μmであった本発明における複数のGHセル10は、20ms以下の高速駆動が可能であった(図16)。
【0096】
従って、従来は両立し得なかった高ダイナミックレンジの確保と高速過渡応答性を、本発明に基づく調光装置によれば同時に実現することができた。
【0097】
なお、本実施例では、スペーサー36の配設法として、上方から噴霧する例を示したが、より均一に配設することを狙って、スクリーン印刷法を使って形成してもよい。また、スペーサー36の形状もここで示した球状のものに限らず、図8(c)に示すように、柱状のスペーサーを、印刷やリソグラフィー等で供給して、本発明を実現することも可能である。
【0098】
実施例3
図12は、本実施の形態による調光装置23をCCD(Charge coupled device)カメラに組み込んだ例を示すものである。
【0099】
即ち、CCDカメラ50において、一点鎖線で示す光軸に沿って、前記レンズ前群15に相当する1群レンズ51及び2群レンズ(ズーム用)52、前記レンズ後群16に相当する3群レンズ53及び4群レンズ(フォーカス用)54、CCDパッケージ55が適宜の間隔をおいてこの順に配設されており、CCDパッケージ55には赤外カットフィルタ55a、光学ローパスフィルタ系55b、CCD撮像素子55cが収納されている。2群レンズ52と3群レンズ53との間には、3群レンズ53寄りに、上述した本発明に基づく複数のGHセル10と偏光板11からなる調光装置23が光量調節(光量絞り)のために同じ光路上に取付けられている。なお、フォーカス用の4群レンズ54は、リニアモータ57により光路に沿って3群レンズ53とCCDパッケージ55との間を移動可能に配設され、またズーム用の2群レンズ52は、光路に沿って1群レンズ51と調光装置23との間を移動可能に配設されている。
【0100】
以上、本発明を実施の形態及び実施例について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能であり、サンプル構造や使用材料、液晶セルの駆動方法、調光装置の形態等、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜選択可能であることは言うまでもない。
【0101】
例えば、透過型撮像装置を例にあげて説明したが、反射型でもよい。例えば、本発明に基づく調光装置を構成する前記基板が3枚からなり、反射型の撮像装置の場合、外側に位置する一方の基板のみ透過性を有してなくてよい。
【0102】
また、上記に前記基板として3枚のガラス基板を用いる例を上げたが、本発明に基づく調光装置は、前記複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されていればよく、前記基板は3枚に限られない。特に、前記複数の液晶光学素子を構成する前記中間基板が共用されることが好ましい。
【0103】
また、前記中央基板には配向処理を施さず、外側に配された前記基板のみに対して配向処理を行う(片側ラビング)例を示したが、斜方蒸着法等を用いて前記中央基板に対しても前記配向処理を施すことも勿論可能である。
【0104】
また、前記複数の液晶光学素子がそれぞれ、同種のホスト材料とゲスト材料との混合物からなっている例を説明したが、これに限られない。
【0105】
上述の実施例では、液晶セルの駆動法にパルス電圧変調(PHM)用いた例を示したが、パルス幅変調(PWM)で駆動する場合にも適用できる。
【0106】
また、本発明に基づく調光装置は、既述したCCDカメラ等の撮像装置の光学絞り以外にも、各種光学系、例えば、電子写真複写機や光通信機器等の光量調節用としても広く適用が可能である。撮像デバイスとしては、本実施例で使用したCCD以外にも、CMOSイメージセンサー等への適用も勿論可能である。
【0107】
さらに、本発明に基づく調光装置は、光学フィルター以外に、キャラクターやイメージ等を表示する各種の画像表示素子に適用することができる。
【0108】
【発明の作用効果】
本発明の調光装置及び撮像装置によれば、前記混合物からなる前記複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されているので、前記液晶光学素子の光学濃度比(コントラスト比)を充分に大きく確保しながら、調光装置に要求される高い応答速度で前記液晶光学素子を駆動することができる。
【0109】
従って、本発明は、前記複数の液晶光学素子を用いた調光装置及び撮像装置の性能、画質、信頼性の向上を図るために極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による調光装置を構成する複数の液晶光学素子の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例による光透過率の変化を比較して示すグラフである。
【図3】同、ネガ型液晶分子を用いた場合の調光装置の電圧と光透過率の関係を比較して示すグラフである。
【図4】同、ポジ型液晶分子を用いた場合の調光装置の電圧と光透過率の関係を比較して示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態による複数の液晶光学素子を構成する各基板の概略平面図である。
【図6】同、複数の液晶光学素子のうちの第1液晶光学素子の概略平面図である。
【図7】同、複数の液晶光学素子のうちの第1液晶光学素子の概略断面図である。
【図8】同、複数の液晶光学素子の概略断面図である。
【図9】同、複数の液晶光学素子からなる調光装置を用いた撮像装置の模式図である。
【図10】同、機械式アイリスの概略図である。
【図11】同、機械式アイリスの部分拡大図である。
【図12】同、調光装置を組み込んだカメラシステムの概略断面図である。
【図13】先願発明(特願平11−322186号)の調光装置の動作原理を示す概略図である。
【図14】同、調光装置の光透過率と駆動印加電圧との関係を示すグラフである。
【図15】同、調光装置の光透過率を液晶セルギャップとの関係を示すグラフである。
【図16】同、調光装置の応答時間と液晶セルギャップとの関係を示すグラフである。
【図17】従来の調光装置の動作原理を示す概略図である。
【図18】同、調光装置の光透過率と駆動印加電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
4…ポジ型二色性染料分子、5…入射光、10…複数のGHセル、
11…偏光板、13…ネガ型液晶分子、15…レンズ前群、16…レンズ後群、17…撮像面、18、19…アイリス羽根、20…有効光路、
21…電極引き出し部、22…開口部、23…調光装置、24…セル周辺部、
30…ガラス基板、31…液晶混合物、32…透明電極、33…配向膜、
34…電源、35…シール材、36…スペーサー、50…CCDカメラ、
51…1群レンズ、52…2群レンズ(ズーム用)、53…3群レンズ、
54…4群レンズ(フォーカス用)、55…CCDパッケージ、
55a…赤外カットフィルタ、55b…光学ローパスフィルタ系、
55c…CCD撮像素子、57…リニアモータ

Claims (11)

  1. 複数の液晶光学素子が光路に沿って順次配置されていて、前記複数の液晶光学素子がそれぞれ、ホスト材料とゲスト材料との混合物からなっている調光装置。
  2. 少なくとも有効光路における前記複数の液晶光学素子の各セルギャップがそれぞれ1〜3μmに制御されている、請求項1に記載した調光装置。
  3. 前記複数の液晶光学素子を構成する中間基板が共用されている、請求項1に記載した調光装置。
  4. 前記複数の液晶光学素子が、前記ホスト材料がネガ型液晶分子からなり、前記ゲスト材料がポジ型又はネガ型の二色性染料分子からなるゲスト−ホスト型液晶光学素子である、請求項1に記載した調光装置。
  5. 前記複数の液晶光学素子を構成する各基板のうち、外側に位置する2枚の基板に液晶配向処理が施されている、請求項1に記載した調光装置。
  6. 前記各基板のうち、中間基板が液晶配向処理が施されていない、請求項5に記載した調光装置。
  7. 前記各基板のうち、中間基板の両側に存在する各液晶光学素子の電極引き出し部が前記中間基板の周辺部に設けられている、請求項5に記載した調光装置。
  8. 前記複数の液晶光学素子にそれぞれ電源が接続されている、請求項1に記載した調光装置。
  9. 前記電源が前記複数の液晶光学素子に共用されている、請求項8に記載した調光装置。
  10. 前記複数の液晶光学素子を構成する各基板の厚みが、それぞれ0.5mm以下である、請求項1に記載した調光装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載した調光装置が撮像系の光路中に配されている、撮像装置。
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CN114791680A (zh) * 2021-01-26 2022-07-26 北京京东方传感技术有限公司 光学模组、调光滤镜、摄像功能器件及工作方法

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