JP2004126326A - ブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、特に検証装置等を用いなくても容易に真贋の判定が可能であり、より一層高度な偽造防止効果を発現すると共に、ブレーズド回折格子パターンの視認性の向上、ならびにデザインの自由度の拡大を可能とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの提供を目的とする。
【解決手段】回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、一方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は互いに反対方向に傾斜し、他方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は反対方向以外の異なる方向に傾斜しているものとし、両方の回折格子要素の適宜な配置により所望のブレーズド回折格子パターンが表現されるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、一方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は互いに反対方向に傾斜し、他方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は反対方向以外の異なる方向に傾斜しているものとし、両方の回折格子要素の適宜な配置により所望のブレーズド回折格子パターンが表現されるようにする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム露光装置等を用いて回折格子(グレーティング)を設けてある微小なドット(画素)を2次元平面に複数個配置することにより形成される回折格子パターンを有する回折格子アレイに係り、特に検証装置等を用いなくても容易に真贋判定が可能であり、より一層高度な偽造防止効果を有すると共に、その回折格子パターンの視認性の向上、ならびにデザインの自由度を拡げることもできるようにしたブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、平面状の基板の表面に、回折格子を設けてなる微小な回折格子要素を画素とし、それらを複数個配置することにより、回折格子パターンが現出するようにした回折格子アレイやこの回折格子アレイを組み込んだディスプレイが多く使用されてきている。
【0003】
回折格子パターンを有する回折格子アレイの作製方法としては、2光束干渉法を利用した方法がある。例えば、特許文献1には、2光束干渉法により微小な干渉縞を形成する際、感光フィルムにピッチ、方向、および光の光強度を次々と変化させて露光することにより、回折格子パターンを有する回折格子アレイを作製する方法が示されている。
【0004】
この方法により得られる回折格子パターンは、複数の微小なドットに分割されていて、各ドットには回折格子が設けてあり、そのピッチと空間周波数が変化していると共に、各ドットはそこにおける回折格子の方向を適宜に変化させて配置してあり、それにより所望のパターンが表現できる構成となっている。
【0005】
回折格子パターンを有する回折格子アレイの作製方法としては、上述した2光束干渉法による方法の他、電子ビーム露光装置を用いた方法も提案されている。この方法は、平面状の基板が載置された電子ビーム露光装置のX−Yステージをコンピュータ制御の下に移動させ、回折格子が設けてある微小な回折格子要素の複数個を基板の表面に形成、配置することにより、ある絵柄の回折格子パターンが現出するようにして回折格子アレイを作製する方法である(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このような方法によって得られる回折格子パターンを有する回折格子アレイ等は、その作製に際しては専門的な技術や高価な装置等が必要であり、誰でもが簡単に作製できるものではなく、偽造防止用のツールとして広く活用されている。
ところで、上述したような回折格子パターンを有する回折格子アレイの真贋を判定する方法としては、例えば、肉眼では観察できない大きさの文字(マイクロ文字)やパターンをその一部に記録しておき、その部分を拡大観察する方法が採用されている。
しかし、このような方法では拡大観察する際に拡大鏡等の観察装置が別途必要であり、判定装置を使用せずに一見して真贋を判定することができない。
【0007】
また、肉眼では観察できないパターン、もしくは識別できないパターン等をその一部に記録しておき、読取装置等を用いてその内容あるいはその有無を確認することにより真贋判定を行う方法も提案されている。
しかしながら、このような方法でも真贋判定を行うのに特別な装置が必要であり、手間と費用が掛かっていた。
【0008】
以上のように、従来の回折格子パターンを有する回折格子アレイやこの回折格子アレイを組み込んだ画像形成体等の製品の真贋判定は、観察装置や読取装置などの検証装置を別途用いなければ行うことができないという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開照60−156004号公報
【特許文献2】
米国特許第5058992号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、特に検証装置等を用いなくても容易に真贋の判定が可能であり、より一層高度な偽造防止効果を発現すると共に、ブレーズド回折格子パターンの視認性の向上、ならびにデザインの自由度の拡大を可能とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成すべくなされ、請求項1に記載の発明は、回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、一方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は互いに反対方向に傾斜し、他方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面が反対方向以外の異なる方向に傾斜していて、両方の回折格子要素の適宜な配置により所望のブレーズド回折格子パターンが表現されるようになっていることを特徴とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設置してある各ブレーズド回折格子の傾斜角度および格子間隔がそれぞれ等しいことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように配置してある各ブレーズド回折格子はその形成面積が等しいことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記二つの回折格子要素間では、それぞれの回折格子要素に設けてあるブレーズド回折格子の少なくとも一方において、その傾斜角度、格子間隔および格子角度が等しいことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記二つの回折格子要素間では、それぞれの回折格子要素に設けてあるブレーズド回折格子の少なくとも一方において、その形成面積が等しいことを特徴とする。
【0016】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、一方の回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、それらのブレーズド回折格子面は互いに反対方向に傾斜するように設定してあると共に、他方の回折格子要素は二つの回折格子を有しており、一方の回折格子はブレーズド回折格子の断面形状であり、他方の回折格子はブレーズド回折格子以外の断面形状となっていることを特徴とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイである。
【0017】
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子において、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設置してある各ブレーズド回折格子の傾斜角度および格子間隔がそれぞれ等しいことを特徴とする。
【0018】
さらにまた、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設置してある各ブレーズド回折格子の形成面積が等しいことを特徴とする。
【0019】
さらにまた、請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、二つのブレーズド回折格子の回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある一方の回折格子要素の少なくとも一方のブレーズドの傾斜角度、格子間隔および格子角度が、他方の回折格子要素のブレーズド回折格子の傾斜角度、格子間隔および格子角度と等しいことを特徴とする。
【0020】
さらにまた、請求項10に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、二つのブレーズド回折格子の回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある一方の回折格子要素の少なくとも一方のブレーズドの形成面積が、他方の回折格子要素のブレーズド回折格子の形成面積と等しいことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明に係るブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの一例を示す平面説明図である。
【0023】
この回折格子アレイ1は、ブレーズド回折格子が設けてある微小な回折格子要素2、3を画素として、その複数個を平面状の基板表面にマトリックス状に配置してなるものである。
【0024】
この回折格子アレイ1の構成をさらに詳しく述べる前に、回折格子の一般的な特性について簡単に述べる。
【0025】
図4は、バイナリー回折格子の概略の構成とこのバイナリー回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
このバイナリー回折格子10は、凸部並びに凹部の断面形状が矩形をなしている回折格子であり、その表面には反射膜が形成されている。これに対して斜め上方より入射した入射光11はバイナリー回折格子10で設定された回折角度で回折し、正面方向に+1次回折光12として射出され、観察者16に到達することでそれを認識することができる。
この時、入射した入射光11は+1次回折光12以外に、−1次回折光14、+2次回折光13等として回折し、さらには反射光(0次回折光)12として反射することから、その多くは観察者16が観察できない方向へと射出してしまう。
このため、正面方向に+1次回折光12として射出する光は入射光のごく一部でしかない。
【0026】
次に、図4に示すようなバイナリー回折格子10を上下方向に反転して配置し、そこに前述と同様な斜め上方からの入射光を入射した場合を考えてみる。
この場合、バイナリー回折格子の格子形状は観察者に対して上下方向が対称な形状となっているため、それを上下方向を反転して設置してそこに照射光を照射したとしてもやはり、図4と同様な回折光が射出され、観察者は+1次回折光を反転前と同様な明るさで観察することになる。
【0027】
一方、図5はブレーズド回折格子の概略の構成とそこに入射した入射光に対する回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
このブレーズド回折格子20は、断面の回折格子形状が鋸刃状をしており、その回折格子面に入射した入射光21が正面方向に回折して+1次回折光22を射出するような構造となっている。
【0028】
すなわち、斜め上方より入射した入射光21はブレーズド回折格子20で設定された回折角度で回折し、正面方向に+1次回折光22として射出し、その射出方向にいる観察者26に認識されるようになる。
【0029】
ところで、ブレーズド回折格子は、その回折格子面での入射光の反射、もしくは屈折の角度が、回折角度と一致した場合に、非常に高い回折効率が得られる。
つまり、図5において、回折格子面の傾斜角度を回折角度と同じ角度に設定することで、入射光のほとんどを+1次回折光として回折することが可能となり、観察者26はそれを明瞭に認識できるようになる。
【0030】
一方、図6は図5に示すブレーズド回折格子20の上下を反転して配置したブレーズド回折格子20’に入射した入射光21’の挙動を示す断面説明図である。
この場合、このブレーズド回折格子20’は、その回折格子形状が入射した入射光21’に対して回折角度と回折格子面における反射角度が一致しないような回折格子形状となっているため、入射光21’を入射してもほとんど+1次回折光は射出されない。
【0031】
すなわち、斜め上方から光を入射したときに回折光が正面方向に射出するように設計されたブレーズド回折格子20は、入射方向を上下方向に反転して光を入射すると回折光をほとんど射出しなくなるのである。
【0032】
本発明のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ1は、前述したように、上記のような特性を有するブレーズド回折格子を設けた微小な二つ回折格子要素2、3を画素として、その複数個を平面状の基板表面に配置してなるものである。(図1参照)
【0033】
より詳細には、微小な二つ回折格子要素2、3のそれぞれは、二つのブレーズド回折格子がその表面に設けられてなるものである。すなわち、回折格子要素2は回折格子面が互いに反対方向に傾斜しているブレーズド回折格子4とブレーズド回折格子5とが組み合わされてなるものである。一方、回折格子要素3は回折格子面が反対方向以外の異なる方向に傾斜しているブレーズド回折格子6とブレーズド回折格子7とが組み合わされて表面に設けられてなるものである。(図7、8参照)
【0034】
また、ブレーズド回折格子4とブレーズド回折格子5の傾斜角度および格子間隔および面積は等しくなっている。
【0035】
ここで、回折格子要素2に対して斜め上方から入射光を入射した場合は、ブレーズド回折格子5では回折光を射出するが、ブレーズド回折格子4では回折光を射出しない。
そして、回折格子要素2に対して斜め下方から入射光を入射した場合は、ブレーズド回折格子4では回折光を射出するが、ブレーズド回折格子5では回折光を射出しない。すなわち、この回折格子要素2は、入射角度が同じで、入射方向が反対方向の入射光をそれぞれ入射しても、どちらかのブレーズド回折格子の部分が同じ明るさで回折光を射出するようになっている。
【0036】
一方、図8はブレーズド回折格子アレイ1を構成するもう一方の回折格子要素3の概略の構成を示す斜視説明図である。
この回折格子要素3は、回折格子面が反対方向以外の異なる方向に傾斜しているブレーズド回折格子6とブレーズド回折格子7が組み合わされて表面に設けてなるものである。そして、ブレーズド回折格子6とブレーズド回折格子7の傾斜角度および格子間隔および形成面積は等しくなっている。
従って、この回折格子要素3は、入射角度が同じで、入射方向は反対の入射光をそれぞれ入射した場合、一方の入射方向、すなわち上方からの入射光を入射したときのみブレーズド回折格子7から回折光を射出するようになっている。
【0037】
図1に示す回折格子アレイ1は、以上に説明したような特性を有する回折格子要素2と回折格子要素3との複数個を平面上の基板表面に適宜な配列でマトリックス状に配置してなるものである。
【0038】
そして、図2には、図1に示した回折格子アレイに対し、上方から入射光を入射したときの光の回折状態が示してある。図中、白い部分が回折している領域を示している。
この配置では回折格子要素2も、回折格子要素3も下側の領域が回折することから、すべての下側の領域が回折して、全面が均一に光って観察される。
【0039】
図面でも示すように、実際には各回折格子要素の下半分の部分でしか回折光が射出されていないが、回折格子要素の大きさを目視で観察することができない大きさである約300μm以下とすることで、目視ではこの回折格子アレイの全体が光ったように観察される。
【0040】
ここで、二つの回折格子要素で回折効率が同じ場合には、それらの回折格子の形成面積が等しければ回折する光の明るさは同じとなるが、図示の回折格子アレイ1においても、その回折格子要素2の下側領域と回折格子要素3の下側領域の回折格子形成面積が同じにしてあるため、各回折格子要素の明るさも等しいものとなる。
【0041】
一方、図3には、図1に示した回折格子アレイ1の下方から入射光を入射したときの回折状態が示してある。回折格子要素2からは下方から入射光の入射により回折光が射出されており、回折格子要素3からは回折光が射出しないことから、それぞれの部分において回折状態が異なって、回折格子要素2と回折格子要素3は別異のものとして認識され、図3に示すような回折格子パターンが光って観察される。
【0042】
つまり、図1に示した回折格子要素の配置による回折格子アレイ1に、上方から光を入射した場合、全面が均一に光り、回折格子アレイの上下を反転して上方から光を入射するか、入射方向を逆にして入射光を入射すると、○状のパターン(白い部分で構成されるパターン)が観察でき、これにより真贋の判定が可能となる。
【0043】
以上、本発明を一実施形態を参照して述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回折格子アレイを構成する二つの回折格子要素において、一方の回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、その回折格子面は互いに反対方向に傾斜していると共に、他方の回折格子要素は二つの回折格子を有しており、その一方の回折格子の形状はブレーズド回折格子であり、他方の回折格子はブレーズド回折格子以外の断面形状となっている構成のものであっても良い。
このような構成であると、ブレーズド回折格子以外の断面形状の回折格子は、ブレーズド回折格子と比較して回折光が暗くなることから、回折格子アレイを上下反転した場合に回折光に明暗の差が生じて、所望のパターンを観察できるようになる。
【発明の効果】
本発明のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイは、以上のような構成であるので、上下を反転するか、あるいは入射方向を逆にして入射光の入射を行うことにより、所望のブレーズド回折パターンを認識することができ、このブレーズド回折格子パターンを真贋判定をすることができるような情報としておくことで、特に検証装置等を用いなくても上下反転するだけで容易に真贋判定が可能となる。一方、ブレーズド回折格子パターンは二つの回折格子要素を適宜に組み換えるだけで様々なものが簡単に得られ、デザインの自由度を拡げることが可能となる。
また、その全体の構造が平面基板状の単純な構造であるため、ディスプレイの表示媒体として用いたり、印刷物等の画像形成体の一部に貼り付けたり、さらにはコピーされそうな商品の一部に設けたりと、その利用が広く期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの一例を示す平面説明図である。
【図2】図1に示すブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの上方から光を入射したときの光の回折状態を示す平面説明図である。
【図3】図1に示すブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの下方から光を入射したときの光の回折状態を示す平面説明図である。
【図4】バイナリー回折格子の概略の構成とこのバイナリー回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
【図5】ブレーズド回折格子の概略の構成とこのブレーズド回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
【図6】ブレーズド回折格子の概略の構成とこのブレーズド回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
【図7】回折格子要素の構成を示す斜視説明図である。
【図8】回折格子要素の他の構成を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
1・・・回折格子アレイ
2、3・・・回折格子要素
4、5、6、7・・・ブレーズド回折格子
10・・・バイナリー回折格子
11、21、21’・・・入射光
12、22・・・+1次回折光
15・・・反射光
16、26、26’・・・観察者
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム露光装置等を用いて回折格子(グレーティング)を設けてある微小なドット(画素)を2次元平面に複数個配置することにより形成される回折格子パターンを有する回折格子アレイに係り、特に検証装置等を用いなくても容易に真贋判定が可能であり、より一層高度な偽造防止効果を有すると共に、その回折格子パターンの視認性の向上、ならびにデザインの自由度を拡げることもできるようにしたブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、平面状の基板の表面に、回折格子を設けてなる微小な回折格子要素を画素とし、それらを複数個配置することにより、回折格子パターンが現出するようにした回折格子アレイやこの回折格子アレイを組み込んだディスプレイが多く使用されてきている。
【0003】
回折格子パターンを有する回折格子アレイの作製方法としては、2光束干渉法を利用した方法がある。例えば、特許文献1には、2光束干渉法により微小な干渉縞を形成する際、感光フィルムにピッチ、方向、および光の光強度を次々と変化させて露光することにより、回折格子パターンを有する回折格子アレイを作製する方法が示されている。
【0004】
この方法により得られる回折格子パターンは、複数の微小なドットに分割されていて、各ドットには回折格子が設けてあり、そのピッチと空間周波数が変化していると共に、各ドットはそこにおける回折格子の方向を適宜に変化させて配置してあり、それにより所望のパターンが表現できる構成となっている。
【0005】
回折格子パターンを有する回折格子アレイの作製方法としては、上述した2光束干渉法による方法の他、電子ビーム露光装置を用いた方法も提案されている。この方法は、平面状の基板が載置された電子ビーム露光装置のX−Yステージをコンピュータ制御の下に移動させ、回折格子が設けてある微小な回折格子要素の複数個を基板の表面に形成、配置することにより、ある絵柄の回折格子パターンが現出するようにして回折格子アレイを作製する方法である(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このような方法によって得られる回折格子パターンを有する回折格子アレイ等は、その作製に際しては専門的な技術や高価な装置等が必要であり、誰でもが簡単に作製できるものではなく、偽造防止用のツールとして広く活用されている。
ところで、上述したような回折格子パターンを有する回折格子アレイの真贋を判定する方法としては、例えば、肉眼では観察できない大きさの文字(マイクロ文字)やパターンをその一部に記録しておき、その部分を拡大観察する方法が採用されている。
しかし、このような方法では拡大観察する際に拡大鏡等の観察装置が別途必要であり、判定装置を使用せずに一見して真贋を判定することができない。
【0007】
また、肉眼では観察できないパターン、もしくは識別できないパターン等をその一部に記録しておき、読取装置等を用いてその内容あるいはその有無を確認することにより真贋判定を行う方法も提案されている。
しかしながら、このような方法でも真贋判定を行うのに特別な装置が必要であり、手間と費用が掛かっていた。
【0008】
以上のように、従来の回折格子パターンを有する回折格子アレイやこの回折格子アレイを組み込んだ画像形成体等の製品の真贋判定は、観察装置や読取装置などの検証装置を別途用いなければ行うことができないという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開照60−156004号公報
【特許文献2】
米国特許第5058992号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、特に検証装置等を用いなくても容易に真贋の判定が可能であり、より一層高度な偽造防止効果を発現すると共に、ブレーズド回折格子パターンの視認性の向上、ならびにデザインの自由度の拡大を可能とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成すべくなされ、請求項1に記載の発明は、回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、一方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は互いに反対方向に傾斜し、他方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面が反対方向以外の異なる方向に傾斜していて、両方の回折格子要素の適宜な配置により所望のブレーズド回折格子パターンが表現されるようになっていることを特徴とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設置してある各ブレーズド回折格子の傾斜角度および格子間隔がそれぞれ等しいことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように配置してある各ブレーズド回折格子はその形成面積が等しいことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記二つの回折格子要素間では、それぞれの回折格子要素に設けてあるブレーズド回折格子の少なくとも一方において、その傾斜角度、格子間隔および格子角度が等しいことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記二つの回折格子要素間では、それぞれの回折格子要素に設けてあるブレーズド回折格子の少なくとも一方において、その形成面積が等しいことを特徴とする。
【0016】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、一方の回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、それらのブレーズド回折格子面は互いに反対方向に傾斜するように設定してあると共に、他方の回折格子要素は二つの回折格子を有しており、一方の回折格子はブレーズド回折格子の断面形状であり、他方の回折格子はブレーズド回折格子以外の断面形状となっていることを特徴とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイである。
【0017】
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子において、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設置してある各ブレーズド回折格子の傾斜角度および格子間隔がそれぞれ等しいことを特徴とする。
【0018】
さらにまた、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設置してある各ブレーズド回折格子の形成面積が等しいことを特徴とする。
【0019】
さらにまた、請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、二つのブレーズド回折格子の回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある一方の回折格子要素の少なくとも一方のブレーズドの傾斜角度、格子間隔および格子角度が、他方の回折格子要素のブレーズド回折格子の傾斜角度、格子間隔および格子角度と等しいことを特徴とする。
【0020】
さらにまた、請求項10に記載の発明は、請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイにおいて、二つのブレーズド回折格子の回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある一方の回折格子要素の少なくとも一方のブレーズドの形成面積が、他方の回折格子要素のブレーズド回折格子の形成面積と等しいことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明に係るブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの一例を示す平面説明図である。
【0023】
この回折格子アレイ1は、ブレーズド回折格子が設けてある微小な回折格子要素2、3を画素として、その複数個を平面状の基板表面にマトリックス状に配置してなるものである。
【0024】
この回折格子アレイ1の構成をさらに詳しく述べる前に、回折格子の一般的な特性について簡単に述べる。
【0025】
図4は、バイナリー回折格子の概略の構成とこのバイナリー回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
このバイナリー回折格子10は、凸部並びに凹部の断面形状が矩形をなしている回折格子であり、その表面には反射膜が形成されている。これに対して斜め上方より入射した入射光11はバイナリー回折格子10で設定された回折角度で回折し、正面方向に+1次回折光12として射出され、観察者16に到達することでそれを認識することができる。
この時、入射した入射光11は+1次回折光12以外に、−1次回折光14、+2次回折光13等として回折し、さらには反射光(0次回折光)12として反射することから、その多くは観察者16が観察できない方向へと射出してしまう。
このため、正面方向に+1次回折光12として射出する光は入射光のごく一部でしかない。
【0026】
次に、図4に示すようなバイナリー回折格子10を上下方向に反転して配置し、そこに前述と同様な斜め上方からの入射光を入射した場合を考えてみる。
この場合、バイナリー回折格子の格子形状は観察者に対して上下方向が対称な形状となっているため、それを上下方向を反転して設置してそこに照射光を照射したとしてもやはり、図4と同様な回折光が射出され、観察者は+1次回折光を反転前と同様な明るさで観察することになる。
【0027】
一方、図5はブレーズド回折格子の概略の構成とそこに入射した入射光に対する回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
このブレーズド回折格子20は、断面の回折格子形状が鋸刃状をしており、その回折格子面に入射した入射光21が正面方向に回折して+1次回折光22を射出するような構造となっている。
【0028】
すなわち、斜め上方より入射した入射光21はブレーズド回折格子20で設定された回折角度で回折し、正面方向に+1次回折光22として射出し、その射出方向にいる観察者26に認識されるようになる。
【0029】
ところで、ブレーズド回折格子は、その回折格子面での入射光の反射、もしくは屈折の角度が、回折角度と一致した場合に、非常に高い回折効率が得られる。
つまり、図5において、回折格子面の傾斜角度を回折角度と同じ角度に設定することで、入射光のほとんどを+1次回折光として回折することが可能となり、観察者26はそれを明瞭に認識できるようになる。
【0030】
一方、図6は図5に示すブレーズド回折格子20の上下を反転して配置したブレーズド回折格子20’に入射した入射光21’の挙動を示す断面説明図である。
この場合、このブレーズド回折格子20’は、その回折格子形状が入射した入射光21’に対して回折角度と回折格子面における反射角度が一致しないような回折格子形状となっているため、入射光21’を入射してもほとんど+1次回折光は射出されない。
【0031】
すなわち、斜め上方から光を入射したときに回折光が正面方向に射出するように設計されたブレーズド回折格子20は、入射方向を上下方向に反転して光を入射すると回折光をほとんど射出しなくなるのである。
【0032】
本発明のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ1は、前述したように、上記のような特性を有するブレーズド回折格子を設けた微小な二つ回折格子要素2、3を画素として、その複数個を平面状の基板表面に配置してなるものである。(図1参照)
【0033】
より詳細には、微小な二つ回折格子要素2、3のそれぞれは、二つのブレーズド回折格子がその表面に設けられてなるものである。すなわち、回折格子要素2は回折格子面が互いに反対方向に傾斜しているブレーズド回折格子4とブレーズド回折格子5とが組み合わされてなるものである。一方、回折格子要素3は回折格子面が反対方向以外の異なる方向に傾斜しているブレーズド回折格子6とブレーズド回折格子7とが組み合わされて表面に設けられてなるものである。(図7、8参照)
【0034】
また、ブレーズド回折格子4とブレーズド回折格子5の傾斜角度および格子間隔および面積は等しくなっている。
【0035】
ここで、回折格子要素2に対して斜め上方から入射光を入射した場合は、ブレーズド回折格子5では回折光を射出するが、ブレーズド回折格子4では回折光を射出しない。
そして、回折格子要素2に対して斜め下方から入射光を入射した場合は、ブレーズド回折格子4では回折光を射出するが、ブレーズド回折格子5では回折光を射出しない。すなわち、この回折格子要素2は、入射角度が同じで、入射方向が反対方向の入射光をそれぞれ入射しても、どちらかのブレーズド回折格子の部分が同じ明るさで回折光を射出するようになっている。
【0036】
一方、図8はブレーズド回折格子アレイ1を構成するもう一方の回折格子要素3の概略の構成を示す斜視説明図である。
この回折格子要素3は、回折格子面が反対方向以外の異なる方向に傾斜しているブレーズド回折格子6とブレーズド回折格子7が組み合わされて表面に設けてなるものである。そして、ブレーズド回折格子6とブレーズド回折格子7の傾斜角度および格子間隔および形成面積は等しくなっている。
従って、この回折格子要素3は、入射角度が同じで、入射方向は反対の入射光をそれぞれ入射した場合、一方の入射方向、すなわち上方からの入射光を入射したときのみブレーズド回折格子7から回折光を射出するようになっている。
【0037】
図1に示す回折格子アレイ1は、以上に説明したような特性を有する回折格子要素2と回折格子要素3との複数個を平面上の基板表面に適宜な配列でマトリックス状に配置してなるものである。
【0038】
そして、図2には、図1に示した回折格子アレイに対し、上方から入射光を入射したときの光の回折状態が示してある。図中、白い部分が回折している領域を示している。
この配置では回折格子要素2も、回折格子要素3も下側の領域が回折することから、すべての下側の領域が回折して、全面が均一に光って観察される。
【0039】
図面でも示すように、実際には各回折格子要素の下半分の部分でしか回折光が射出されていないが、回折格子要素の大きさを目視で観察することができない大きさである約300μm以下とすることで、目視ではこの回折格子アレイの全体が光ったように観察される。
【0040】
ここで、二つの回折格子要素で回折効率が同じ場合には、それらの回折格子の形成面積が等しければ回折する光の明るさは同じとなるが、図示の回折格子アレイ1においても、その回折格子要素2の下側領域と回折格子要素3の下側領域の回折格子形成面積が同じにしてあるため、各回折格子要素の明るさも等しいものとなる。
【0041】
一方、図3には、図1に示した回折格子アレイ1の下方から入射光を入射したときの回折状態が示してある。回折格子要素2からは下方から入射光の入射により回折光が射出されており、回折格子要素3からは回折光が射出しないことから、それぞれの部分において回折状態が異なって、回折格子要素2と回折格子要素3は別異のものとして認識され、図3に示すような回折格子パターンが光って観察される。
【0042】
つまり、図1に示した回折格子要素の配置による回折格子アレイ1に、上方から光を入射した場合、全面が均一に光り、回折格子アレイの上下を反転して上方から光を入射するか、入射方向を逆にして入射光を入射すると、○状のパターン(白い部分で構成されるパターン)が観察でき、これにより真贋の判定が可能となる。
【0043】
以上、本発明を一実施形態を参照して述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回折格子アレイを構成する二つの回折格子要素において、一方の回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、その回折格子面は互いに反対方向に傾斜していると共に、他方の回折格子要素は二つの回折格子を有しており、その一方の回折格子の形状はブレーズド回折格子であり、他方の回折格子はブレーズド回折格子以外の断面形状となっている構成のものであっても良い。
このような構成であると、ブレーズド回折格子以外の断面形状の回折格子は、ブレーズド回折格子と比較して回折光が暗くなることから、回折格子アレイを上下反転した場合に回折光に明暗の差が生じて、所望のパターンを観察できるようになる。
【発明の効果】
本発明のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイは、以上のような構成であるので、上下を反転するか、あるいは入射方向を逆にして入射光の入射を行うことにより、所望のブレーズド回折パターンを認識することができ、このブレーズド回折格子パターンを真贋判定をすることができるような情報としておくことで、特に検証装置等を用いなくても上下反転するだけで容易に真贋判定が可能となる。一方、ブレーズド回折格子パターンは二つの回折格子要素を適宜に組み換えるだけで様々なものが簡単に得られ、デザインの自由度を拡げることが可能となる。
また、その全体の構造が平面基板状の単純な構造であるため、ディスプレイの表示媒体として用いたり、印刷物等の画像形成体の一部に貼り付けたり、さらにはコピーされそうな商品の一部に設けたりと、その利用が広く期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの一例を示す平面説明図である。
【図2】図1に示すブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの上方から光を入射したときの光の回折状態を示す平面説明図である。
【図3】図1に示すブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイの下方から光を入射したときの光の回折状態を示す平面説明図である。
【図4】バイナリー回折格子の概略の構成とこのバイナリー回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
【図5】ブレーズド回折格子の概略の構成とこのブレーズド回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
【図6】ブレーズド回折格子の概略の構成とこのブレーズド回折格子に入射した入射光とその回折光並びに反射光の関係を示す断面説明図である。
【図7】回折格子要素の構成を示す斜視説明図である。
【図8】回折格子要素の他の構成を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
1・・・回折格子アレイ
2、3・・・回折格子要素
4、5、6、7・・・ブレーズド回折格子
10・・・バイナリー回折格子
11、21、21’・・・入射光
12、22・・・+1次回折光
15・・・反射光
16、26、26’・・・観察者
Claims (10)
- 回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、前記回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、一方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は互いに反対方向に傾斜し、他方の回折格子要素の二つのブレーズド回折格子の回折格子面は反対方向以外の異なる方向に傾斜していて、両方の回折格子要素の適宜な配置により所望のブレーズド回折格子パターンが表現されるようになっていることを特徴とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある各ブレーズド回折格子の傾斜角度および格子間隔がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある各ブレーズド回折格子の形成面積が等しいことを特徴とする請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 前記二つの回折格子要素間では、それぞれの回折格子要素に設けてあるブレーズド回折格子の少なくとも一方において、その傾斜角度、格子間隔および格子角度が等しいことを特徴とする請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 前記二つの回折格子要素間では、それぞれの回折格子要素に設けてあるブレーズド回折格子の少なくとも一方において、その形成面積が等しいことを特徴とする請求項1に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 回折格子が設けてある微小な二つの回折格子要素を画素とし、その複数個を平面状の基板表面に配置してなる回折格子アレイにおいて、一方の回折格子要素は二つのブレーズド回折格子を有しており、それらのブレーズド回折格子面は互いに反対方向に傾斜するように設定してあると共に、他方の回折格子要素は二つの回折格子を有しており、一方の回折格子はブレーズド回折格子の断面形状であり、他方の回折格子はブレーズド回折格子以外の断面形状となっていることを特徴とするブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある各ブレーズド回折格子の傾斜角度および格子間隔がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 前記回折格子要素に設けてあり、回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してあるる各ブレーズド回折格子の形成面積が等しいことを特徴とする請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 二つのブレーズド回折格子の回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある一方の回折格子要素の少なくとも一方のブレーズドの傾斜角度、格子間隔および格子角度が、他方の回折格子要素のブレーズド回折格子の傾斜角度、格子間隔および格子角度と等しいことを特徴とする請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
- 二つのブレーズド回折格子の回折格子面が互いに反対方向に傾斜するように設定してある一方の回折格子要素の少なくとも一方のブレーズドの形成面積が、他方の回折格子要素のブレーズド回折格子の形成面積と等しいことを特徴とする請求項6に記載のブレーズド回折格子パターンを有する回折格子アレイ。
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