JP2004125965A - 光共振器及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の色の光を光の共振により増幅でき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる光共振器を提供する。
【解決手段】光共振器13は、ガラス製の基板31上にハーフミラー32、透明なバッファー層33、ハーフミラー34、透明なバッファー層35、ハーフミラー36が順に積層されて形成されている。ハーフミラー32,34のバッファー層33側の面32a,34aを反射面として第1の共振層41が構成され、ハーフミラー34,36のバッファー層35側の面34b,36aを反射面として第2の共振層42が構成されている。また、面32a,36aを反射面として第3の共振層43が構成されている。第1の共振層41は青色光、第2の共振層42は緑色光、第3の共振層43は青色光を共振させる膜厚に形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】光共振器13は、ガラス製の基板31上にハーフミラー32、透明なバッファー層33、ハーフミラー34、透明なバッファー層35、ハーフミラー36が順に積層されて形成されている。ハーフミラー32,34のバッファー層33側の面32a,34aを反射面として第1の共振層41が構成され、ハーフミラー34,36のバッファー層35側の面34b,36aを反射面として第2の共振層42が構成されている。また、面32a,36aを反射面として第3の共振層43が構成されている。第1の共振層41は青色光、第2の共振層42は緑色光、第3の共振層43は青色光を共振させる膜厚に形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光共振器及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型の液晶表示装置や透過型の液晶表示装置、半透過型液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、透過型の液晶表示装置や半透過型液晶表示装置では、バックライト(発光源)として有機EL素子を採用する提案がなされており、このバックライトの改良技術も提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−78582号公報(第4−7頁、図1)
【非特許文献1】
Jiro Yamada, Takashi Hirano, Yuichi Iwase, and Tatsuya Sasaoka、“Micro Cavity Structures for Full Color AM−OLED Displays ”、The Ninth International Workshop on Active−Matrix Liquid−Crystal Displays −TFT Technologies and Related Materials− (AM−LCD ’02) Digest of Technical Papers、応用物理学会主催、2002年7月10日、p.77−80
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、所定の色の光を光の共振により増幅でき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる光共振器及び表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、光取り出し側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面と、前記側とは反対側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面とが相対向され、所定の波長の光を共振する共振層を有している。この発明では、一部光透過性の反射体を通過して相対向する反射面間に入った光が両反射面で反射されることにより、両反射面の間隔が半波長の自然数倍に相当する光を共振により増幅して出射できる。また、光共振器を既存の光源体に組付けることにより、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。ここで、一部光透過性の反射体とは、所謂ハーフミラーのことであり、反射率・透過率は適宜選択される。
【0006】
請求項2に記載の発明では、光取り出し側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面と、前記側とは反対側に設けられた全反射ミラーの反射面とが相対向され、所定の波長の光を共振する共振層を有している。この発明の光共振器は、光源の背面側、すなわち光の取り出し側と反対側に配置されて使用される。そして、請求項1に記載の発明と同様に、相対向する反射面での反射による共振により、所定の波長の光を増幅できる。また、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、共振層を複数有し、各共振層は、共振させる波長が、少なくとも他の一の共振層とは異なる。この発明では、複数種類の所定の波長の光を共振により強めて取り出すことができる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、複数の共振層が、重なる方向において互いに隣接されて形成されている。互いに異なる波長の光を共振させる複数の共振層は、それぞれ異なる厚みに形成する必要があるが、本発明ではそれぞれ所定の厚みにした共振層を積層するだけで形成できる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、複数の共振層が、重なる方向において互いに離間した位置に形成されている。この発明では、離間した共振層それぞれの厚みを決めたうえで、共振層間の距離を調整して別の共振層を構成できるため、例えば隣接させた共振層によって別の共振層を構成する場合に比べて、設計の際の自由度を向上できる。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、反射体のうち少なくとも一つは、複数の共振層の反射体として用いられている。この発明では、他の共振層の反射体を兼用する反射体があるため、各共振層を独立して設けた場合と比べて、反射体の数を少なくでき、また、光共振器の厚さを薄くできる。なお、必ずしもすべての反射体が複数の共振層の反射体として用いられるとは限らない。
【0011】
請求項7に記載の発明では、光の取り出し側から順に第1の反射体、第2の反射体、第3の反射体を備え、各反射体は一部光透過性で、第2の反射体は両面が反射面で、第1、第3の反射体の反射面と相対向している。そして、第1の反射体と第2の反射体との相対向する反射面間の距離t1、第2の反射体と第3の反射体との相対向する反射面間の距離t2、共振させる第1の光の波長λ1、第2の光の波長λ2、第3の光の波長λ3が以下の関係
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有している。この発明では、関係式が成り立つように各波長λ1、λ2、λ3及び自然数n1、n2、n3を設定することにより、3つの反射体だけで3種類の光を増幅できる。
【0012】
請求項8に記載の発明では、光の取り出し側から順に第1の反射体、第2の反射体、第3の反射体を備え、第1及び第2の反射体は一部光透過性で、第3の反射体は全反射ミラーで、第2の反射体は両面が反射面で、第1、第3の反射体の反射面と相対向し、第1の反射体と第2の反射体との相対向する反射面間の距離t1、第2の反射体と第3の反射体との相対向する反射面間の距離t2、共振させる第1の光の波長λ1、第2の光の波長λ2、第3の光の波長λ3が以下の関係
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有している。この発明の光共振器は、光源の背面側に配置されて使用される。そして、請求項7に記載の発明と同様に、3つの反射体だけで3種類の光を増幅できる。
【0013】
請求項9に記載の発明では、複数の一部光透過性の反射体を重なる方向に有し、波長λ1の光、波長λ2の光、波長λ3の光を共振する光共振器である。そして、λ1の光を共振する反射体間の距離をt1、λ2の光を共振する反射体間の距離をt2、λ3の光を共振する反射体間の距離をt3とするとき、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立している。この発明では、関係式が成り立つように各反射体を設けることにより、3種類の光を増幅できる。
【0014】
請求項10に記載の発明では、複数の反射体を重なる方向に有し、反射体のうち光の取り出し側と反対側の反射体を全反射ミラー、他の反射体を一部光透過性とし、波長λ1の光、波長λ2の光、波長λ3の光を共振する光共振器であって、λ1の光を共振する反射体間の距離をt1、λ2の光を共振する反射体間の距離をt2、λ3の光を共振する反射体間の距離をt3とするとき、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立している。この発明の光共振器は、光源の背面側に配置されて使用される。そして、請求項9に記載の発明と同様に、3種類の光を増幅できる。
【0015】
請求項11に記載の発明では、請求項9又は請求項10に記載の発明において、反射体のうち少なくとも一つは、複数の波長の光を共振する反射体として用いられている。この発明では、反射体の数の増加を抑えることができ、また、光共振器の厚さを薄くできる。なお、必ずしもすべての反射体が複数の波長の光を共振するとは限らない。
【0016】
請求項12に記載の発明では、請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の発明において、共振させる波長λ1,λ2,λ3の光は、赤色光、青色光及び緑色光である。この発明では、白色光から光の3原色を共振により強めて取り出すことができる。
【0017】
請求項13に記載の発明では、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の発明において、光共振器は可撓性を有する。例えば光共振器が薄くて硬いと、取扱う際に割れる虞があるが、この発明では光共振器が可撓性を有することにより割れにくくすることができる。
【0018】
請求項14に記載の発明では、液晶表示部の背後に、バックライトと、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の光共振器とを備え、光共振器をバックライトと別体に設けている。この発明では、バックライトから、所定の色の光を共振により増幅させて取り出すことができ、同一のバックライトを用いた光共振器なしの表示装置に比べて輝度を高くできる。
【0019】
光共振器を、すべての反射体を一部光透過性の反射体にし、バックライトにおける発光部よりも液晶表示部側に設ければ、表示装置外部から入射された光を用いても表示することもでき、また、バックライトからの光を用いても表示することができる。これらの光の輝度を高くすることも可能となる。
【0020】
また、全反射ミラーを備えた光共振器を、バックライトの発光部に対して、光の取り出し側とは反対側に設ければ、バックライトの発光部から発せられた光のうち、光の取り出し側とは反対側に発せられた光を光の取り出し方向へ反射させて取り出すことができる。
【0021】
請求項15に記載の発明では、液晶表示部の背後に、バックライトと、請求項1、請求項7及び請求項9のいずれか一項に記載の光共振器とを備えた表示装置であって、光共振器をバックライトと別体に設け、バックライト及び光共振器の両方よりも光の取り出し側とは反対側に全反射ミラーを備えている。この発明では、バックライトから、所定の色の光を共振により増幅させて明るいディスプレイが得られるとともに、光共振器から光の取り出し側と反対側に出射される光を全反射ミラーで反射させて、光の取り出し側へ向けることで再利用できる。
【0022】
請求項16に記載の発明では、請求項14又は請求項15に記載の発明において、液晶表示部はカラーフィルタを有し、光共振器は、カラーフィルタに対してバックライト側に設けられ、バックライトから発光される光は複数の色の光が混合されており、カラーフィルタは、光共振器で共振された色の光の少なくとも一つを透過する。この発明では、バックライトから発光される光のうち、カラーフィルタと同色の光が光共振器において共振され、カラーフィルタと異なる色の光は減衰された状態でカラーフィルタへ達する。従って、例えば白色光をカラーフィルタに直接通す場合に比べて、カラーフィルタを薄くできたり、カラーフィルタでの透過減衰をより低減できたりする。また、カラーフィルタを通過した光の色純度が高くなる。
【0023】
請求項17に記載の発明では、請求項16に記載の発明において、カラーフィルタの色はR、G、Bである。この発明では、白色光から共振により増幅させた光の3原色をカラーフィルタに透過させて、輝度及び色純度を向上できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパッシブ・マトリックス方式の液晶表示装置に適用した一実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図2は液晶表示装置の模式断面図、図1は光共振器の模式断面図、図3は光共振器の拡大部分模式断面図である。図1〜図3において下側に表示部が設けられている。図1〜図3ではわかりやすいように図示するため各部材の厚さの比は正確ではない。
【0025】
図2に示すように、表示装置としての液晶表示装置10は、パッシブ・マトリックス方式の透過型の液晶表示部としての液晶パネル11と、バックライト12と、光共振器13とを備えている。光共振器13は、液晶パネル11とバックライト12との間に配置されている。
【0026】
液晶パネル11は、一対の透明な基板14,15を備え、両基板14,15は所定の間隔を保った状態で、シール材15aにより貼り合わされて、その間に液晶16が配置される。基板14,15は例えばガラス製である。バックライト12側に配置された一方の基板14には、液晶16と対応する面に透明な電極17が、複数、平行なストライプ状に形成されている。液晶16と反対側の面に偏光板18が形成されている。
【0027】
他方の基板15には液晶16と対応する面にカラーフィルタ19と、カラーフィルタ19による凹凸を平坦化するための平坦化膜19aとが形成され、平坦化膜19a上には透明な電極20が電極17と直交する状態に形成されている。基板15の電極20が形成された面と反対側の面には偏光板21が形成されている。電極17及び電極20はITO(インジウム錫酸化物)で形成されている。電極17及び電極20の各交差部が液晶パネル11の各サブピクセルとなり、サブピクセルはマトリックス状に配置されている。そして、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応するサブピクセル各1つ計3つのサブピクセルによってピクセル(画素)が構成されている。電極17の走査により、サブピクセルが1列ずつ表示駆動可能となる。
【0028】
図2に示すように、バックライト12は、基板22上に有機EL材料を含む有機EL層を有する有機EL素子23を備えた発光装置である。バックライト12は、基板22が有機EL素子23に対して液晶パネル11側に位置するように配置されている。バックライト12は、基板22側から光を取り出すボトムエミッション型である。基板22はガラス製である。
【0029】
基板22上には、第1電極24と、有機EL材料を含む有機EL層25と、第2電極26とが、基板22側から順に積層形成されて有機EL素子23が構成されている。バックライト12が全面発光するように、第1電極24、有機EL層25、第2電極26は平面状で、それぞれの面積が液晶パネル11とほぼ同じに形成されている。有機EL素子23は、有機EL層25が外気と接しないように、パッシベーション膜27で被覆されている。この実施の形態では、パッシベーション膜27は、第1電極24、有機EL層25及び第2電極26の各端面と、第2電極26の液晶パネル11と反対側の面とを覆うように形成されている。パッシベーション膜27は水分の透過を防止する材質、例えば窒化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxで形成されている。
【0030】
有機EL層25を挟んで配置される第1電極24及び第2電極26のうち、有機EL層25に対して発光の取り出し方向側に配置された第1電極24が光透過性とされ、有機EL層25に対して発光の取り出し方向と反対側に配置された第2電極26が光反射性とされている。第1電極24はITO(インジウム錫酸化物)で形成されている。第2電極26には金属電極が使用されている。第2電極26は全反射ミラーとしての反射電極となるように形成されている。第2電極26はこの実施の形態では、アルミニウムで形成されている。
【0031】
有機EL層25には例えば公知の構成のものが使用され、第1電極24側から順に、正孔注入層、発光層及び電子注入層を含む少なくとも3層で構成されている。有機EL層25は白色発光層で構成されている。この実施の形態では第1電極24が陽極を、第2電極26が陰極を構成している。
【0032】
光共振器13は、基板31上にハーフミラー32、透明層としてのバッファー層33、ハーフミラー34、透明層としてのバッファー層35、ハーフミラー36が順に積層されて形成されている。この実施の形態では、基板31が液晶パネル11の偏光板18に組付けられ、ハーフミラー36がバックライト12の基板22に組付けられている。
【0033】
基板31は透明な材料によって形成され、ここではガラス製である。ハーフミラー32,34,36は、一部光透過性の反射体を構成している。各ハーフミラー32,34,36の厚みは、光透過性を出すようにそれぞれ30nm以下に形成されている。各ハーフミラー32,34,36は金属で形成され、この実施の形態ではアルミニウムで形成されている。各バッファー層33,35は透明な材料によって形成されている。各バッファー層33,35は、この実施の形態では酸化膜、ここでは酸化ケイ素によって形成されている。
【0034】
光共振器13では、ハーフミラー32とハーフミラー34とのバッファー層33側の相対向する面32a及び面34aを反射面として第1の共振層41が構成されている。また、ハーフミラー34とハーフミラー36とのバッファー層35側の相対向する面34b及び面36aを反射面として第2の共振層42が構成されている。また、相対向する面32a,36aを反射面として第3の共振層43が構成されている。第3の共振層43は、面32a,36aによりバッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層35を挟んでいる。このように、各共振層41,42,43は、互いに離間した2つの反射体の反射面を相対向させている。
【0035】
このように、光共振器13は、光の取り出し側から順に第1の反射体としてのハーフミラー32、第2の反射体としてのハーフミラー34、第3の反射体としてのハーフミラー36を備えていることに相当する。ハーフミラー34は両面34a,34bが反射面で、面34aはハーフミラー32の反射面である面32aと相対向し、面34bはハーフミラー36の反射面である面36aと相対向している。
【0036】
この実施の形態では、λ1を第1の共振層41が共振させる光の波長、λ2を第2の共振層42が共振させる光の波長、λ3を第3の共振層43が共振させる光の波長としている。また、第1の共振層41の膜厚をt1、第2の共振層42の膜厚をt2、第3の共振層43の膜厚をt3としている。膜厚t1は、ハーフミラー32とハーフミラー34との相対向する反射面である面32a,34a間の距離に相当する。また、膜厚t2は、ハーフミラー34とハーフミラー36との相対向する反射面である面34b,36a間の距離に相当し、膜厚t3は、ハーフミラー32とハーフミラー36との相対向する反射面である面32a,36a間の距離に相当する。また、膜厚t1は、波長λ1の光を共振するハーフミラー32,34間の距離に相当し、膜厚t2は波長λ2の光を共振するハーフミラー34,36間の距離、膜厚t3は波長λ3の光を共振するハーフミラー32,36間の距離に相当している。
【0037】
各膜厚t1,t2,t3は、それぞれ共振させる光の半波長の自然数倍に形成されている。すなわち、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2 …式(1)
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立している。
【0038】
また、この実施の形態では、波長λ3が以下の関係式
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2 …式(2)
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有するように各共振層41〜43は形成されている。すなわち、第1の共振層41の膜厚t1と第2の共振層42の膜厚t2との和が、第3の共振層43の膜厚t3とほぼ等しくされている。
【0039】
この実施の形態では、第1の共振層41は青色光を共振させる共振層、第2の共振層42は緑色光を共振させる共振層、第3の共振層43は赤色光を共振させる共振層となっており、波長λ1は青色光の波長、波長λ2は緑色光の波長、波長λ3は赤色光の波長となっている。この実施の形態では、n1=3、n2=1、n3=3とされている。
【0040】
このように、共振によって増幅させたい光の波長をλ1,λ2,λ3とし、各波長λ1,λ2,λ3は、それぞれ増幅ターゲットのB,G,Rの波長としている。
【0041】
また、増幅させるBの波長域、増幅させるGの波長域、増幅させるRの波長域は、それぞれ下記の範囲の中から所望の波長域が選択されている。
λ1(B)=430nm〜500nm、λ2(G)=520〜560nm、λ3(R)=570〜650nm…式(3)
なお、Gの波長域に対してRやBの波長域を広くしているのは、可視光領域でRとBが両端に位置するために他の色に比べて波長域がもともと広いためであり、Gの波長域が40nmと狭いのは、Gが可視光領域の中央に位置するため、波長が少し変わると黄色や水色に変わるためである。また、Rの波長域は、自然光のRと比べると小さな波長を含むように設定しているが、これは、色と波長との関係が、自然光の場合と、液晶表示装置やテレビ等との場合とで若干ずれるためである。
【0042】
上記構成の光共振器13の製造は、基板31上に順にハーフミラー32、バッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層35、ハーフミラー36を蒸着することにより行なわれる。光共振器13は、バックライト12や液晶パネル11と別に形成されて、バックライトに組付けられる。
【0043】
次に上記のように構成された液晶表示装置10の作用について説明する。
液晶パネル11は図示しない駆動制御装置により電極17と電極20との間に電圧が印加され、所望のサブピクセルが透過可能となる。
【0044】
一方、バックライト12は電源投入されると、第1電極24と第2電極26との間に電圧が印加され、有機EL素子23が白色に発光する。図4には、有機EL層25から発光される白色発光のスペクトルを示すスペクトル線47を2点鎖線で示している。
【0045】
図3に示すように、有機EL層25で発光して光共振器13に達した光のうち、面32aと面34aとで反射される光は、第1の共振層41において膜厚t1が半波長の自然数倍になる光、ここでは青色光が共振されて増幅される。共振により青色光は、白色発光における青色より増幅される。増幅された青色光は基板31から出射され、液晶パネル11へ達する。
【0046】
また、バックライト12から光共振器13に達した光のうち、面34b,36aで反射される光は、膜厚t2が半波長の自然数倍になる光、ここでは緑色光が第2の共振層42において共振され、増幅される。そして、第2の共振層42で増幅された緑色光は、基板31から出射されて液晶パネル11へ達する。
【0047】
また、バックライト12から光共振器13に達した光のうち、面32a,36aで反射される光は、膜厚t3が半波長の自然数倍になる光、ここでは赤色光が共振されて増幅され、基板31から出射されて液晶パネル11へ達する。図4には、基板31から出射される光のスペクトルを示すスペクトル線48を実線で示す。スペクトル線48により示すように、RGBはシャープに分離され、スペクトル線48のRGBの各ピークが白色発光のスペクトル線47より高くなっていることから分かるように、共振されたRGBは、白色発光のRGBより増幅されている。
【0048】
スペクトル線48に示すスペクトルを備えて液晶パネル11へ達した光のうち、透過可能になったサブピクセル部分への光のみが、液晶パネル11の表示側に出てくる。このときカラーフィルタ19の図示しないR(赤)、G(緑)、B(青)のサブピクセルを通過し、その組み合わせにより所望の色が再現される。このようにして透過モードでの画面表示が行われる。
【0049】
また、反射モードでは、バックライト12の電源がオフに切り換えられ、第1電極24と第2電極26との間への電圧印加が停止されて有機EL素子23が非発光状態になる。この状態では、外光が液晶パネル11を通りバックライト12側へ入射される。外光は、ハーフミラー32,34,36及び反射電極である第2電極26で反射されて液晶パネル11へ達するが、ハーフミラー32を通過してバッファー層33側へ達した外光のうち、青、緑、赤の各光は、各共振層41,42,43で共振されて液晶パネル11へ達する。
【0050】
このように、液晶表示装置10は、RGBそれぞれの波長の光を増幅させる光共振ミラー構造を備える光共振器13を液晶パネル11とバックライト12との間に組み込み、RGBがシャープに分離した発光パターンにして、図4にスペクトル線48で示すスペクトルを得ている。これにより、液晶パネル11のカラーフィルタ19での透過減衰が低減し、明るいディスプレイが得られるとともに、色度が向上する。
【0051】
この実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1) 光共振器13は、光取り出し側に設けられたハーフミラー32の面32aと、前記側とは反対側に設けられたハーフミラー34の面34aとが相対向された第1の共振層41を有している。また、ハーフミラー34の面34bと、ハーフミラー36の面36aとが相対向された第2の共振層42と、面34aと36aとが相対向された第3の共振層43とを光共振器13は有している。よって、両反射面間の距離を調整することにより所定の波長の光を増幅できる。従って、バックライト12で発光される光から所定の色の光を増幅でき、輝度を向上できる。
【0052】
(2) 光共振器13は、バックライト12と別体に形成してから組付けられる。従って、既存のバックライトに共振層を後付けでき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。また、バックライト12を有機EL素子23とした状態で、例えば有機EL層25に温度などの影響を与えないように注意することなく光共振器13を形成できるため、共振層を組付けたバックライト12を形成しやすい。
【0053】
(4) 光共振器13は複数の共振層41,42,43を有し、前記各共振層41,42,43はそれぞれ互いに異なる波長の光を共振させるように形成されている。従って、白色光から複数種類の所定の色の光を、共振により強めて取り出すことができる。
【0054】
(5) 各共振層41,42,43は、それぞれ重なる方向において互いに離間した2つの一部光透過性の反射体の反射面を対向させて形成されている。従って、各共振層41,42,43は、2つの反射体の反射面間の間隔を、共振させる光の半波長の自然数倍に形成することにより、簡単な構造によって形成できる。
【0055】
(6) 第1の共振層41と第2の共振層42とが重なる方向において互いに隣接されて形成されている。第1の共振層と第2の共振層とは異なる波長の光を共振させるため、それぞれ異なる厚みに形成する必要があるが、例えば、第1及び第2の共振層を重ねずに横に、すなわち光の出射方向とは垂直の方向に並べて形成する場合、異なる厚みに作ることが難しい。しかし、両共振層が重なるように形成することにより、簡単に作ることができる。また、共振層を重ねずに横に並べた場合、光の出射方向から眺めた場合の各領域で、それぞれ一種類の光しか増幅されない。例えば、第1及び第2の共振層を重ねずに横に並べて形成する場合、例えば青色光は、第1の共振層を形成した箇所で光源から発光される光から取り出されるのみで、第2の共振層を形成した箇所で光源から発光される光からは取り出されないため、有効に使用される光が限られる。緑色光についても同様に限られる。しかし、両共振層が重なるように形成した場合、光源の全面で発光する光から青色光や緑色光を取り出せるため、光源から発光する光を有効に使用できる。
【0056】
(7) 第1の共振層41の反射体であるハーフミラー32は第3の共振層43の反射体を兼用している。言い換えれば、ハーフミラー32は、波長λ1の光と、波長λ3の光とを共振する反射体として用いられている。また、第2の共振層42の反射体であるハーフミラー36は第3の共振層43のもう一方の反射体を兼用しており、ハーフミラー36は、波長λ2の光と、波長λ3の光とを共振する反射体として用いられている。また、ハーフミラー34は、第1の共振層41の反射体と、第2の共振層42の反射体とを兼用している。従って、例えば反射体を兼用せずに各共振層毎に別々に形成する場合に比べて、反射体の数の増加を抑えることができる。また、光共振器の厚みを薄くしたり、ハーフミラーを通過する際に生じる光の透過減衰を少なくしたりできる。
【0057】
(8) 前記関係式(1)が成立している。従って、前記関係式(1)が成り立つように各反射体を設けることにより、3つの共振層を形成して3種類の光を増幅できる。
【0058】
(9) 前記関係式(2)が成立している。従って、前記関係式(2)が成り立つように各波長λ1、λ2、λ3及び自然数n1、n2、n3を設定することにより、3つの反射体だけで3種類の光を増幅できる。従って、光共振器の厚みを薄くしたり、光の透過減衰を少なくしたりできる。また、重なる方向に隣接された第1及び第2の共振層41,42によって第3の共振層43を簡単に構成できる。
【0059】
(10) 光共振器13が共振させる第1,第2,第3の光は、赤色光、青色光及び緑色光である。従って、白色光から光の3原色を共振により強めて取り出すことができる。RGBカラー液晶表示装置において、例えばRのカラーフィルタが、光共振器で共振された赤の光を通過するものである場合、光共振器13を、カラーフィルタ19より光取り出し側と反対側に設ける。これにより、輝度向上できるとともに、色純度をアップできる。
【0060】
(11) 液晶表示装置10は、バックライト12(有機EL素子23)と、透過型の液晶パネル11とが組み付けられており、共振層41〜43を備えた光共振器13を設けている。従って、バックライトから、所定の色の光を共振により増幅させて取り出すことができ、明るいディスプレイが得られる。
【0061】
(12) 有機EL層25に対し、光の取り出し側と反対側に全反射ミラー(第2電極26)が設けられている。このため、バックライトから、所定の色の光を光共振器13での共振により増幅させて明るいディスプレイが得られるとともに、光共振器13で共振された光のうち、光の取り出し側と反対側に出射される光が第2電極26で反射されて光の取り出し側へ出射される。従って、共振後に光の取り出し側と反対側に出射される光を再利用して、取り出せる光の量をより効果的に増加できる。
【0062】
(13)光共振器13が、液晶パネル11のカラーフィルタ19に対して、バックライト側に配置されている。従って、バックライト12から、RGBの光を光共振器13における共振により増幅させて取り出すことにより、カラーフィルタ19での透過減衰が低減し、同一のバックライトを用いた光共振器なしの表示装置に比べて輝度を高くできる。また、色度を向上できる。
【0063】
(14) カラーフィルタ19は、光共振器13で共振された赤、緑、青の光が透過されるようになっており、例えば、Rのフィルタは、光共振器で共振された赤の光を通過するようになっている。G,Bのフィルタも同様である。従って、バックライトから発光される光のうち、カラーフィルタと同色の光が共振層において共振され、カラーフィルタと異なる色の光は減衰された状態でカラーフィルタへ達する。従って、例えば白色光をカラーフィルタに直接通す場合に比べて、カラーフィルタを薄くできたり、カラーフィルタでの透過減衰をより低減できたりする。また、カラーフィルタを通過した光の色純度が高くなる。
【0064】
(15) カラーフィルタ19の色はR、G、Bである。従って、白色光から共振により増幅させた光の3原色をカラーフィルタに透過させて、輝度及び色純度を向上できる。
【0065】
(16) バックライト12は白色光の光源体である。従って、共振層で増幅させる光の種類を任意に選択できるため、例えば色変換層などを設けなくてよい。
【0066】
(17) バックライト12が有機EL素子23である。従って、例えばバックライトが無機ELである場合に比べて、使用電圧を低くできる。
(18) 有機EL素子23は全面発光するように形成されている。従って、有機EL層25を挟む第1電極24及び第2電極26を面状に形成すればよいため、電極を分割形成するような場合に比べて有機EL素子を簡単に形成できる。
【0067】
(19) 共振層41,42は、それぞれの透明層の両面に形成した反射体が両方ともハーフミラーである。従って、例えば一方の反射体を全反射ミラーに形成する場合と異なり、両方の反射体を同じ工程で形成できる。
【0068】
(20) 光共振器は、すべての反射体を一部光透過性の反射体にし、バックライトにおける発光部よりも液晶表示部側に設けられている。従って、表示装置外部から入射された光を用いても表示することもでき、また、バックライトからの光を用いても表示することができる。これらの光の輝度を高くすることも可能となる。
【0069】
また、全反射ミラーを備えた光共振器を、バックライトの発光部に対して、光の取り出し側とは反対側に設ければ、バックライトの発光部から発せられた光のうち、光の取り出し側とは反対側に発せられた光を光の取り出し方向へ反射させて取り出すことができる。
【0070】
なお、実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変更してもよい。
○ 前記関係式(2)の自然数n1、n2、n3は、n1=3、n2=1、n3=3であることに限らない。ただし、バックライト12全体の膜厚が薄い方が光の透過減衰が抑えられるため、自然数n1、n2、n3は小さい方が好ましい。
【0071】
○ 前記関係式(2)は成立させなくてもよい。第1の共振層41と第2の共振層42とが重なる方向に隣接する構成に限らず、例えば、第1及び第2の共振層間に別の層を挟んで互いに離間した位置に形成してもよい。例えば図5に示すように、ハーフミラー34上に透明層としてのバッファー層55を形成し、バッファー層55の上にハーフミラー56を形成してから、ハーフミラー56上にバッファー層35を形成する。そして、例えば第2の共振層58の対向する反射面を、ハーフミラー56とハーフミラー36とのバッファー層35側の面56a,36aとする。
【0072】
また、第3の共振層59の反射面を面32a,36aとする。面32a,36a間には、バッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層55、ハーフミラー56、バッファー層35がある。バッファー層55の厚みは、面32a,36a間の間隔がλ3の半分の自然数倍となるように形成する。この場合、膜厚t1と膜厚t2とを決めたうえで、バッファー層55の厚みを調整して膜厚t3を決めることができるため、膜厚t1及び膜厚t2だけで膜厚t3を決める場合に比べて、設計の際の自由度を向上できる。
【0073】
○ 第3の共振層の一対の反射面の両方が、第1の共振層の一方の反射面と、第2の共振層の一方の反射面とで構成されることに限らず、例えば第3の共振層の反射面の片方だけに、第1の共振層や第2の共振層の反射面を利用するようにしてもよい。例えば図6に示すように、基板22上に第1及び第2の共振層41,42を順に設けた状態で、ハーフミラー36の上に透明層としてのバッファー層60、ハーフミラー61を順に形成する。そして、第3の共振層62の反射面を、面32aと、ハーフミラー61のバッファー層60側の面61aとしている。面32a,61a間には、バッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層35、ハーフミラー36、バッファー層60がある。バッファー層60の厚みは、面32a,61a間の間隔が波長λ3の半分の自然数倍となるように形成する。この場合も、膜厚t1と膜厚t2とを決めたうえで、バッファー層60の厚みを調整して膜厚t3を決めることができるため、膜厚t1及び膜厚t2だけで膜厚t3を決める場合に比べて、設計の際の自由度を向上できる。
【0074】
○ 複数の反射体のうち一つだけを、複数の共振層の反射体として用いるのであってもよい。この場合でも、反射体の数の増加を抑えることができる。
○ 各共振層は、他の共振層の反射面を共有しないように形成してもよい。例えば上記図6に示すように基板31上に第1の共振層41、第2の共振層42、バッファー層60、ハーフミラー61を順に設けた状態で、バッファー層60は、その厚みが赤色光の半波長の自然数倍になるように形成する。そして、第3の共振層の対向面を、ハーフミラー36及びハーフミラー61のバッファー層60側の面36b及び面61aとする。この場合、いずれかの共振層の厚みの精度がずれても、他の共振層の厚みには関係しないため、他の共振層での共振に影響を及ぼしにくくすることができる。
【0075】
○ 一つの光共振器が共振層を3つ備える構成に限らず、例えば一つの光共振器が一つの共振層を備える構成にしてもよい。例えば図7(a)に示すように、B用の光共振器71は、基板31上にハーフミラー32、バッファー層33、ハーフミラー34を順に形成して、面32a,34aを対向面とする第1の共振層としてのB用の共振層71aを備える構成に形成する。同様に、図7(b)に示すように、第2の共振層としてのG用の共振層72a、第3の共振層としてのR用の共振層73aをそれぞれ備えるG用の光共振器72、R用の光共振器73を別々に作製し、RGB3枚の光共振器71,72,73を重ねてバックライトに組付けてもよい。
【0076】
○ 共振層を1個備える光共振器と、共振層を2個備える光共振器とを作製し、一方をバックライトに組付け、他方を液晶パネル11の中に設けてもよい。また、両方の光共振器を重ねてバックライトに組付けてもよい。
【0077】
○ 上記の光共振器13は、カラーフィルタ19に対して有機EL層25側に配置するのであれば任意の箇所に設けてもよい。例えば光共振器13をバックライト12と別体に設けてもよく、例えば液晶パネル11の内部構造中に光共振器13を組み込んでもよい。例えば図8に示すように、光共振器13を、そのハーフミラー36が液晶パネル11の平坦化膜19a上に位置するように組付けた状態で、基板31のハーフミラー32と反対側に、液晶パネル11の電極20を形成する。この場合でも、光共振器13での光の共振によって明るいディスプレイが得られるとともに、色度が向上する。
【0078】
○ バックライトと光共振器とを別体に設けるには、例えば、バックライトと光共振器との間に隙間を設けてもよい。また、バックライトと光共振器との間に透明な充実体の層を設けてもよい。
【0079】
○ 光共振器13は、カラーフィルタ19より光取り出し側に設けてもよい。この場合でも、輝度向上できる。しかし、光共振器13をカラーフィルタ19より有機EL層25側に設けるのが望ましい。
【0080】
○ 共振層41,42,43は、例えばバックライトの基板22の有機EL素子23と反対側の面に、ハーフミラー32、バッファー層33、…、ハーフミラー36を順に積層して形成してもよい。
【0081】
○ 透明層の両側に形成する反射体は、一方が一部光透過性で、他方が光透過性を備えない構成にしてもよい。例えば、液晶パネル11、バックライト12、光共振器13の順に重ね、有機EL素子23の第1及び第2電極24,26を両方とも透明電極に形成する。そして、光共振器13のバックライト12と反対側の反射体を全反射ミラーに形成し、バックライト12側の反射体をハーフミラーに形成する。このように光源(バックライト)の背面側、すなわち光の取り出し側と反対側に光共振器が配置された場合、光共振器は、所定の波長の光を増幅する反射板として機能する。従って、例えば従来の共振しない単なる反射板を配置する場合と比べて、所定の波長の光の量を増加できる。
【0082】
○ 上記のようにバックライトの背面側に光共振器を設け、光の取り出し側と反対側の反射体を全反射ミラーとする場合、例えばバックライトと光共振器とを別体に設けてもよい。この場合でも、所定の波長の光の量を増加できる。別体に設けるには、例えば、バックライトと光共振器との間に隙間を設ける。また、バックライトと光共振器との間に透明な充実体の層を設けてもよい。
【0083】
○ 一部光透過性の反射体のみを備える光共振器を、バックライトの背面側に備えてもよい。この場合、光共振器の光の取り出し側と反対側に、全反射ミラーを設けるのが好ましい。
【0084】
○ 光共振器は、基板31側に青色光用の共振層を形成し、基板31と反対側に緑色光用の共振層を形成する構成に限らず、例えば基板31側に緑色光用の共振層を形成し、基板31と反対側に青色光用の共振層を形成してもよい。
【0085】
○ 光共振器は、可撓性を有するように形成してもよく、例えばフィルム状に形成してもよい。この場合、光共振器の基板31が可撓性を有するように、基板31を例えば透明な樹脂で形成する。例えば光共振器が薄くて硬いと、取扱う際に割れる虞があるが、可撓性を有することにより割れにくくすることができる。また、例えば曲面状の光源体に貼り付けることができる。
【0086】
○ 上記のように光共振器が可撓性を有するように形成する場合、光共振器は所謂フィルムより厚く形成してもよく、例えばシート状に形成してもよい。
○ バッファー層は、透明性を備えた物質で形成すればよく、例えば窒化ケイ素で形成してもよい。また、例えばカラーフィルタのオーバーコート膜の材料のような透明な有機層や他の無機層でバッファー層を形成してもよい。
【0087】
○ ハーフミラーはアルミニウム製に限らず、例えば銀で形成してもよい。また、ハーフミラーはマグネシウムと銀との合金で形成してもよい。
○ 同一の波長の光を増幅する共振層を複数重ねてもよい。この場合、その波長の光は、一つの共振層のみで増幅する場合と比べて、より増幅できる。
【0088】
○ バックライトは、基板31と反対側から有機EL素子23の発光を取り出すトップエミッション型であってもよい。
○ 有機EL素子23を封止するのはパッシベーション膜に限らない。例えばガラス製等の、水分や酸素の透過を遮断するとともに透明な材質よりなるカバーをパッシベーション膜に代えて配置し、このカバーと基板31との間を図示しないシール材(例えば、エポキシ樹脂)で封止して有機EL層25へ外部から水分や酸素が進入するのを防いでもよい。
【0089】
○ ボトムエミッション構造では、パッシベーション膜に代えて金属製の封止缶(封止カバー)で有機EL素子23を封止してもよい。
○ 第1電極24が陰極で、第2電極26が陽極でもよい。
【0090】
○ 液晶パネルは透過型又は半透過型であればよく、パッシブ・マトリックス方式に限らず、例えばアクティブ・マトリックス方式であってもよい。
○ バックライト12は全面発光する構成に限らず、例えばバックライトを複数の領域に分割して、各領域毎に点灯(発光)可能に構成し、液晶パネル11の表示部のうちバックライトの点灯が必要な部分のみを選択して点灯させてもよい。この場合、バックライトを全面発光させる構成に比較して消費電力を低減できる。
【0091】
○ 発光装置は液晶表示装置のバックライトに限らず、例えば自動車のルームランプや、室内の壁掛け用等の照明装置として形成してもよい。この場合、従来の発光装置を光源とする照明装置に比べて、光の色を鮮やかにできる。
【0092】
○ 光源体は有機EL素子に限らず、例えば無機EL素子であってもよい。また、光源体はEL素子以外のものであってよく、光共振器は、どのような光源体でも所定の波長の光を増幅できる。
【0093】
○ 色の種類はRGBに限らず、他の色であってもよい。
○ 共振させる色の数は3色に限らない。例えば2色であってもよい。
○ 光共振器は共振層を4つ以上備えてもよく、例えば、赤、青、緑以外の4色以上の組み合わせで備えてもよい。
【0094】
○ 光源体は白色発光に限らない。
○ 本発明の光共振器をモノクロの液晶表示パネルに備えてもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜請求項17に記載の発明によれば、所定の色の光を光の共振により増幅でき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光共振器の模式断面図。
【図2】液晶表示装置の模式断面図。
【図3】光共振器の拡大部分模式断面図。
【図4】出射光のスペクトルを示す模式図。
【図5】別例の模式断面図。
【図6】他の別例の模式断面図。
【図7】(a)、(b)は他の別例の模式断面図。
【図8】他の別例の模式断面図。
【符号の説明】
10…表示装置としての液晶表示装置、11…液晶表示部としての液晶パネル、12…バックライト、13,71,72,73…光共振器、19…カラーフィルタ、32,34,36,56,61…一部光透過性の反射体としてのハーフミラー、32a,34a,34b,36a,36b,56a,61a…反射面としての面、33,35,55,60…透明層としてのバッファー層、41,71a…第1の共振層、42,58,72a…第2の共振層、43,59,62,73a…第3の共振層、λ1,λ2,λ3…波長。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光共振器及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型の液晶表示装置や透過型の液晶表示装置、半透過型液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、透過型の液晶表示装置や半透過型液晶表示装置では、バックライト(発光源)として有機EL素子を採用する提案がなされており、このバックライトの改良技術も提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−78582号公報(第4−7頁、図1)
【非特許文献1】
Jiro Yamada, Takashi Hirano, Yuichi Iwase, and Tatsuya Sasaoka、“Micro Cavity Structures for Full Color AM−OLED Displays ”、The Ninth International Workshop on Active−Matrix Liquid−Crystal Displays −TFT Technologies and Related Materials− (AM−LCD ’02) Digest of Technical Papers、応用物理学会主催、2002年7月10日、p.77−80
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、所定の色の光を光の共振により増幅でき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる光共振器及び表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、光取り出し側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面と、前記側とは反対側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面とが相対向され、所定の波長の光を共振する共振層を有している。この発明では、一部光透過性の反射体を通過して相対向する反射面間に入った光が両反射面で反射されることにより、両反射面の間隔が半波長の自然数倍に相当する光を共振により増幅して出射できる。また、光共振器を既存の光源体に組付けることにより、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。ここで、一部光透過性の反射体とは、所謂ハーフミラーのことであり、反射率・透過率は適宜選択される。
【0006】
請求項2に記載の発明では、光取り出し側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面と、前記側とは反対側に設けられた全反射ミラーの反射面とが相対向され、所定の波長の光を共振する共振層を有している。この発明の光共振器は、光源の背面側、すなわち光の取り出し側と反対側に配置されて使用される。そして、請求項1に記載の発明と同様に、相対向する反射面での反射による共振により、所定の波長の光を増幅できる。また、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、共振層を複数有し、各共振層は、共振させる波長が、少なくとも他の一の共振層とは異なる。この発明では、複数種類の所定の波長の光を共振により強めて取り出すことができる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、複数の共振層が、重なる方向において互いに隣接されて形成されている。互いに異なる波長の光を共振させる複数の共振層は、それぞれ異なる厚みに形成する必要があるが、本発明ではそれぞれ所定の厚みにした共振層を積層するだけで形成できる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、複数の共振層が、重なる方向において互いに離間した位置に形成されている。この発明では、離間した共振層それぞれの厚みを決めたうえで、共振層間の距離を調整して別の共振層を構成できるため、例えば隣接させた共振層によって別の共振層を構成する場合に比べて、設計の際の自由度を向上できる。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、反射体のうち少なくとも一つは、複数の共振層の反射体として用いられている。この発明では、他の共振層の反射体を兼用する反射体があるため、各共振層を独立して設けた場合と比べて、反射体の数を少なくでき、また、光共振器の厚さを薄くできる。なお、必ずしもすべての反射体が複数の共振層の反射体として用いられるとは限らない。
【0011】
請求項7に記載の発明では、光の取り出し側から順に第1の反射体、第2の反射体、第3の反射体を備え、各反射体は一部光透過性で、第2の反射体は両面が反射面で、第1、第3の反射体の反射面と相対向している。そして、第1の反射体と第2の反射体との相対向する反射面間の距離t1、第2の反射体と第3の反射体との相対向する反射面間の距離t2、共振させる第1の光の波長λ1、第2の光の波長λ2、第3の光の波長λ3が以下の関係
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有している。この発明では、関係式が成り立つように各波長λ1、λ2、λ3及び自然数n1、n2、n3を設定することにより、3つの反射体だけで3種類の光を増幅できる。
【0012】
請求項8に記載の発明では、光の取り出し側から順に第1の反射体、第2の反射体、第3の反射体を備え、第1及び第2の反射体は一部光透過性で、第3の反射体は全反射ミラーで、第2の反射体は両面が反射面で、第1、第3の反射体の反射面と相対向し、第1の反射体と第2の反射体との相対向する反射面間の距離t1、第2の反射体と第3の反射体との相対向する反射面間の距離t2、共振させる第1の光の波長λ1、第2の光の波長λ2、第3の光の波長λ3が以下の関係
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有している。この発明の光共振器は、光源の背面側に配置されて使用される。そして、請求項7に記載の発明と同様に、3つの反射体だけで3種類の光を増幅できる。
【0013】
請求項9に記載の発明では、複数の一部光透過性の反射体を重なる方向に有し、波長λ1の光、波長λ2の光、波長λ3の光を共振する光共振器である。そして、λ1の光を共振する反射体間の距離をt1、λ2の光を共振する反射体間の距離をt2、λ3の光を共振する反射体間の距離をt3とするとき、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立している。この発明では、関係式が成り立つように各反射体を設けることにより、3種類の光を増幅できる。
【0014】
請求項10に記載の発明では、複数の反射体を重なる方向に有し、反射体のうち光の取り出し側と反対側の反射体を全反射ミラー、他の反射体を一部光透過性とし、波長λ1の光、波長λ2の光、波長λ3の光を共振する光共振器であって、λ1の光を共振する反射体間の距離をt1、λ2の光を共振する反射体間の距離をt2、λ3の光を共振する反射体間の距離をt3とするとき、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立している。この発明の光共振器は、光源の背面側に配置されて使用される。そして、請求項9に記載の発明と同様に、3種類の光を増幅できる。
【0015】
請求項11に記載の発明では、請求項9又は請求項10に記載の発明において、反射体のうち少なくとも一つは、複数の波長の光を共振する反射体として用いられている。この発明では、反射体の数の増加を抑えることができ、また、光共振器の厚さを薄くできる。なお、必ずしもすべての反射体が複数の波長の光を共振するとは限らない。
【0016】
請求項12に記載の発明では、請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の発明において、共振させる波長λ1,λ2,λ3の光は、赤色光、青色光及び緑色光である。この発明では、白色光から光の3原色を共振により強めて取り出すことができる。
【0017】
請求項13に記載の発明では、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の発明において、光共振器は可撓性を有する。例えば光共振器が薄くて硬いと、取扱う際に割れる虞があるが、この発明では光共振器が可撓性を有することにより割れにくくすることができる。
【0018】
請求項14に記載の発明では、液晶表示部の背後に、バックライトと、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の光共振器とを備え、光共振器をバックライトと別体に設けている。この発明では、バックライトから、所定の色の光を共振により増幅させて取り出すことができ、同一のバックライトを用いた光共振器なしの表示装置に比べて輝度を高くできる。
【0019】
光共振器を、すべての反射体を一部光透過性の反射体にし、バックライトにおける発光部よりも液晶表示部側に設ければ、表示装置外部から入射された光を用いても表示することもでき、また、バックライトからの光を用いても表示することができる。これらの光の輝度を高くすることも可能となる。
【0020】
また、全反射ミラーを備えた光共振器を、バックライトの発光部に対して、光の取り出し側とは反対側に設ければ、バックライトの発光部から発せられた光のうち、光の取り出し側とは反対側に発せられた光を光の取り出し方向へ反射させて取り出すことができる。
【0021】
請求項15に記載の発明では、液晶表示部の背後に、バックライトと、請求項1、請求項7及び請求項9のいずれか一項に記載の光共振器とを備えた表示装置であって、光共振器をバックライトと別体に設け、バックライト及び光共振器の両方よりも光の取り出し側とは反対側に全反射ミラーを備えている。この発明では、バックライトから、所定の色の光を共振により増幅させて明るいディスプレイが得られるとともに、光共振器から光の取り出し側と反対側に出射される光を全反射ミラーで反射させて、光の取り出し側へ向けることで再利用できる。
【0022】
請求項16に記載の発明では、請求項14又は請求項15に記載の発明において、液晶表示部はカラーフィルタを有し、光共振器は、カラーフィルタに対してバックライト側に設けられ、バックライトから発光される光は複数の色の光が混合されており、カラーフィルタは、光共振器で共振された色の光の少なくとも一つを透過する。この発明では、バックライトから発光される光のうち、カラーフィルタと同色の光が光共振器において共振され、カラーフィルタと異なる色の光は減衰された状態でカラーフィルタへ達する。従って、例えば白色光をカラーフィルタに直接通す場合に比べて、カラーフィルタを薄くできたり、カラーフィルタでの透過減衰をより低減できたりする。また、カラーフィルタを通過した光の色純度が高くなる。
【0023】
請求項17に記載の発明では、請求項16に記載の発明において、カラーフィルタの色はR、G、Bである。この発明では、白色光から共振により増幅させた光の3原色をカラーフィルタに透過させて、輝度及び色純度を向上できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパッシブ・マトリックス方式の液晶表示装置に適用した一実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図2は液晶表示装置の模式断面図、図1は光共振器の模式断面図、図3は光共振器の拡大部分模式断面図である。図1〜図3において下側に表示部が設けられている。図1〜図3ではわかりやすいように図示するため各部材の厚さの比は正確ではない。
【0025】
図2に示すように、表示装置としての液晶表示装置10は、パッシブ・マトリックス方式の透過型の液晶表示部としての液晶パネル11と、バックライト12と、光共振器13とを備えている。光共振器13は、液晶パネル11とバックライト12との間に配置されている。
【0026】
液晶パネル11は、一対の透明な基板14,15を備え、両基板14,15は所定の間隔を保った状態で、シール材15aにより貼り合わされて、その間に液晶16が配置される。基板14,15は例えばガラス製である。バックライト12側に配置された一方の基板14には、液晶16と対応する面に透明な電極17が、複数、平行なストライプ状に形成されている。液晶16と反対側の面に偏光板18が形成されている。
【0027】
他方の基板15には液晶16と対応する面にカラーフィルタ19と、カラーフィルタ19による凹凸を平坦化するための平坦化膜19aとが形成され、平坦化膜19a上には透明な電極20が電極17と直交する状態に形成されている。基板15の電極20が形成された面と反対側の面には偏光板21が形成されている。電極17及び電極20はITO(インジウム錫酸化物)で形成されている。電極17及び電極20の各交差部が液晶パネル11の各サブピクセルとなり、サブピクセルはマトリックス状に配置されている。そして、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応するサブピクセル各1つ計3つのサブピクセルによってピクセル(画素)が構成されている。電極17の走査により、サブピクセルが1列ずつ表示駆動可能となる。
【0028】
図2に示すように、バックライト12は、基板22上に有機EL材料を含む有機EL層を有する有機EL素子23を備えた発光装置である。バックライト12は、基板22が有機EL素子23に対して液晶パネル11側に位置するように配置されている。バックライト12は、基板22側から光を取り出すボトムエミッション型である。基板22はガラス製である。
【0029】
基板22上には、第1電極24と、有機EL材料を含む有機EL層25と、第2電極26とが、基板22側から順に積層形成されて有機EL素子23が構成されている。バックライト12が全面発光するように、第1電極24、有機EL層25、第2電極26は平面状で、それぞれの面積が液晶パネル11とほぼ同じに形成されている。有機EL素子23は、有機EL層25が外気と接しないように、パッシベーション膜27で被覆されている。この実施の形態では、パッシベーション膜27は、第1電極24、有機EL層25及び第2電極26の各端面と、第2電極26の液晶パネル11と反対側の面とを覆うように形成されている。パッシベーション膜27は水分の透過を防止する材質、例えば窒化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxで形成されている。
【0030】
有機EL層25を挟んで配置される第1電極24及び第2電極26のうち、有機EL層25に対して発光の取り出し方向側に配置された第1電極24が光透過性とされ、有機EL層25に対して発光の取り出し方向と反対側に配置された第2電極26が光反射性とされている。第1電極24はITO(インジウム錫酸化物)で形成されている。第2電極26には金属電極が使用されている。第2電極26は全反射ミラーとしての反射電極となるように形成されている。第2電極26はこの実施の形態では、アルミニウムで形成されている。
【0031】
有機EL層25には例えば公知の構成のものが使用され、第1電極24側から順に、正孔注入層、発光層及び電子注入層を含む少なくとも3層で構成されている。有機EL層25は白色発光層で構成されている。この実施の形態では第1電極24が陽極を、第2電極26が陰極を構成している。
【0032】
光共振器13は、基板31上にハーフミラー32、透明層としてのバッファー層33、ハーフミラー34、透明層としてのバッファー層35、ハーフミラー36が順に積層されて形成されている。この実施の形態では、基板31が液晶パネル11の偏光板18に組付けられ、ハーフミラー36がバックライト12の基板22に組付けられている。
【0033】
基板31は透明な材料によって形成され、ここではガラス製である。ハーフミラー32,34,36は、一部光透過性の反射体を構成している。各ハーフミラー32,34,36の厚みは、光透過性を出すようにそれぞれ30nm以下に形成されている。各ハーフミラー32,34,36は金属で形成され、この実施の形態ではアルミニウムで形成されている。各バッファー層33,35は透明な材料によって形成されている。各バッファー層33,35は、この実施の形態では酸化膜、ここでは酸化ケイ素によって形成されている。
【0034】
光共振器13では、ハーフミラー32とハーフミラー34とのバッファー層33側の相対向する面32a及び面34aを反射面として第1の共振層41が構成されている。また、ハーフミラー34とハーフミラー36とのバッファー層35側の相対向する面34b及び面36aを反射面として第2の共振層42が構成されている。また、相対向する面32a,36aを反射面として第3の共振層43が構成されている。第3の共振層43は、面32a,36aによりバッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層35を挟んでいる。このように、各共振層41,42,43は、互いに離間した2つの反射体の反射面を相対向させている。
【0035】
このように、光共振器13は、光の取り出し側から順に第1の反射体としてのハーフミラー32、第2の反射体としてのハーフミラー34、第3の反射体としてのハーフミラー36を備えていることに相当する。ハーフミラー34は両面34a,34bが反射面で、面34aはハーフミラー32の反射面である面32aと相対向し、面34bはハーフミラー36の反射面である面36aと相対向している。
【0036】
この実施の形態では、λ1を第1の共振層41が共振させる光の波長、λ2を第2の共振層42が共振させる光の波長、λ3を第3の共振層43が共振させる光の波長としている。また、第1の共振層41の膜厚をt1、第2の共振層42の膜厚をt2、第3の共振層43の膜厚をt3としている。膜厚t1は、ハーフミラー32とハーフミラー34との相対向する反射面である面32a,34a間の距離に相当する。また、膜厚t2は、ハーフミラー34とハーフミラー36との相対向する反射面である面34b,36a間の距離に相当し、膜厚t3は、ハーフミラー32とハーフミラー36との相対向する反射面である面32a,36a間の距離に相当する。また、膜厚t1は、波長λ1の光を共振するハーフミラー32,34間の距離に相当し、膜厚t2は波長λ2の光を共振するハーフミラー34,36間の距離、膜厚t3は波長λ3の光を共振するハーフミラー32,36間の距離に相当している。
【0037】
各膜厚t1,t2,t3は、それぞれ共振させる光の半波長の自然数倍に形成されている。すなわち、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2 …式(1)
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立している。
【0038】
また、この実施の形態では、波長λ3が以下の関係式
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2 …式(2)
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有するように各共振層41〜43は形成されている。すなわち、第1の共振層41の膜厚t1と第2の共振層42の膜厚t2との和が、第3の共振層43の膜厚t3とほぼ等しくされている。
【0039】
この実施の形態では、第1の共振層41は青色光を共振させる共振層、第2の共振層42は緑色光を共振させる共振層、第3の共振層43は赤色光を共振させる共振層となっており、波長λ1は青色光の波長、波長λ2は緑色光の波長、波長λ3は赤色光の波長となっている。この実施の形態では、n1=3、n2=1、n3=3とされている。
【0040】
このように、共振によって増幅させたい光の波長をλ1,λ2,λ3とし、各波長λ1,λ2,λ3は、それぞれ増幅ターゲットのB,G,Rの波長としている。
【0041】
また、増幅させるBの波長域、増幅させるGの波長域、増幅させるRの波長域は、それぞれ下記の範囲の中から所望の波長域が選択されている。
λ1(B)=430nm〜500nm、λ2(G)=520〜560nm、λ3(R)=570〜650nm…式(3)
なお、Gの波長域に対してRやBの波長域を広くしているのは、可視光領域でRとBが両端に位置するために他の色に比べて波長域がもともと広いためであり、Gの波長域が40nmと狭いのは、Gが可視光領域の中央に位置するため、波長が少し変わると黄色や水色に変わるためである。また、Rの波長域は、自然光のRと比べると小さな波長を含むように設定しているが、これは、色と波長との関係が、自然光の場合と、液晶表示装置やテレビ等との場合とで若干ずれるためである。
【0042】
上記構成の光共振器13の製造は、基板31上に順にハーフミラー32、バッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層35、ハーフミラー36を蒸着することにより行なわれる。光共振器13は、バックライト12や液晶パネル11と別に形成されて、バックライトに組付けられる。
【0043】
次に上記のように構成された液晶表示装置10の作用について説明する。
液晶パネル11は図示しない駆動制御装置により電極17と電極20との間に電圧が印加され、所望のサブピクセルが透過可能となる。
【0044】
一方、バックライト12は電源投入されると、第1電極24と第2電極26との間に電圧が印加され、有機EL素子23が白色に発光する。図4には、有機EL層25から発光される白色発光のスペクトルを示すスペクトル線47を2点鎖線で示している。
【0045】
図3に示すように、有機EL層25で発光して光共振器13に達した光のうち、面32aと面34aとで反射される光は、第1の共振層41において膜厚t1が半波長の自然数倍になる光、ここでは青色光が共振されて増幅される。共振により青色光は、白色発光における青色より増幅される。増幅された青色光は基板31から出射され、液晶パネル11へ達する。
【0046】
また、バックライト12から光共振器13に達した光のうち、面34b,36aで反射される光は、膜厚t2が半波長の自然数倍になる光、ここでは緑色光が第2の共振層42において共振され、増幅される。そして、第2の共振層42で増幅された緑色光は、基板31から出射されて液晶パネル11へ達する。
【0047】
また、バックライト12から光共振器13に達した光のうち、面32a,36aで反射される光は、膜厚t3が半波長の自然数倍になる光、ここでは赤色光が共振されて増幅され、基板31から出射されて液晶パネル11へ達する。図4には、基板31から出射される光のスペクトルを示すスペクトル線48を実線で示す。スペクトル線48により示すように、RGBはシャープに分離され、スペクトル線48のRGBの各ピークが白色発光のスペクトル線47より高くなっていることから分かるように、共振されたRGBは、白色発光のRGBより増幅されている。
【0048】
スペクトル線48に示すスペクトルを備えて液晶パネル11へ達した光のうち、透過可能になったサブピクセル部分への光のみが、液晶パネル11の表示側に出てくる。このときカラーフィルタ19の図示しないR(赤)、G(緑)、B(青)のサブピクセルを通過し、その組み合わせにより所望の色が再現される。このようにして透過モードでの画面表示が行われる。
【0049】
また、反射モードでは、バックライト12の電源がオフに切り換えられ、第1電極24と第2電極26との間への電圧印加が停止されて有機EL素子23が非発光状態になる。この状態では、外光が液晶パネル11を通りバックライト12側へ入射される。外光は、ハーフミラー32,34,36及び反射電極である第2電極26で反射されて液晶パネル11へ達するが、ハーフミラー32を通過してバッファー層33側へ達した外光のうち、青、緑、赤の各光は、各共振層41,42,43で共振されて液晶パネル11へ達する。
【0050】
このように、液晶表示装置10は、RGBそれぞれの波長の光を増幅させる光共振ミラー構造を備える光共振器13を液晶パネル11とバックライト12との間に組み込み、RGBがシャープに分離した発光パターンにして、図4にスペクトル線48で示すスペクトルを得ている。これにより、液晶パネル11のカラーフィルタ19での透過減衰が低減し、明るいディスプレイが得られるとともに、色度が向上する。
【0051】
この実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1) 光共振器13は、光取り出し側に設けられたハーフミラー32の面32aと、前記側とは反対側に設けられたハーフミラー34の面34aとが相対向された第1の共振層41を有している。また、ハーフミラー34の面34bと、ハーフミラー36の面36aとが相対向された第2の共振層42と、面34aと36aとが相対向された第3の共振層43とを光共振器13は有している。よって、両反射面間の距離を調整することにより所定の波長の光を増幅できる。従って、バックライト12で発光される光から所定の色の光を増幅でき、輝度を向上できる。
【0052】
(2) 光共振器13は、バックライト12と別体に形成してから組付けられる。従って、既存のバックライトに共振層を後付けでき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。また、バックライト12を有機EL素子23とした状態で、例えば有機EL層25に温度などの影響を与えないように注意することなく光共振器13を形成できるため、共振層を組付けたバックライト12を形成しやすい。
【0053】
(4) 光共振器13は複数の共振層41,42,43を有し、前記各共振層41,42,43はそれぞれ互いに異なる波長の光を共振させるように形成されている。従って、白色光から複数種類の所定の色の光を、共振により強めて取り出すことができる。
【0054】
(5) 各共振層41,42,43は、それぞれ重なる方向において互いに離間した2つの一部光透過性の反射体の反射面を対向させて形成されている。従って、各共振層41,42,43は、2つの反射体の反射面間の間隔を、共振させる光の半波長の自然数倍に形成することにより、簡単な構造によって形成できる。
【0055】
(6) 第1の共振層41と第2の共振層42とが重なる方向において互いに隣接されて形成されている。第1の共振層と第2の共振層とは異なる波長の光を共振させるため、それぞれ異なる厚みに形成する必要があるが、例えば、第1及び第2の共振層を重ねずに横に、すなわち光の出射方向とは垂直の方向に並べて形成する場合、異なる厚みに作ることが難しい。しかし、両共振層が重なるように形成することにより、簡単に作ることができる。また、共振層を重ねずに横に並べた場合、光の出射方向から眺めた場合の各領域で、それぞれ一種類の光しか増幅されない。例えば、第1及び第2の共振層を重ねずに横に並べて形成する場合、例えば青色光は、第1の共振層を形成した箇所で光源から発光される光から取り出されるのみで、第2の共振層を形成した箇所で光源から発光される光からは取り出されないため、有効に使用される光が限られる。緑色光についても同様に限られる。しかし、両共振層が重なるように形成した場合、光源の全面で発光する光から青色光や緑色光を取り出せるため、光源から発光する光を有効に使用できる。
【0056】
(7) 第1の共振層41の反射体であるハーフミラー32は第3の共振層43の反射体を兼用している。言い換えれば、ハーフミラー32は、波長λ1の光と、波長λ3の光とを共振する反射体として用いられている。また、第2の共振層42の反射体であるハーフミラー36は第3の共振層43のもう一方の反射体を兼用しており、ハーフミラー36は、波長λ2の光と、波長λ3の光とを共振する反射体として用いられている。また、ハーフミラー34は、第1の共振層41の反射体と、第2の共振層42の反射体とを兼用している。従って、例えば反射体を兼用せずに各共振層毎に別々に形成する場合に比べて、反射体の数の増加を抑えることができる。また、光共振器の厚みを薄くしたり、ハーフミラーを通過する際に生じる光の透過減衰を少なくしたりできる。
【0057】
(8) 前記関係式(1)が成立している。従って、前記関係式(1)が成り立つように各反射体を設けることにより、3つの共振層を形成して3種類の光を増幅できる。
【0058】
(9) 前記関係式(2)が成立している。従って、前記関係式(2)が成り立つように各波長λ1、λ2、λ3及び自然数n1、n2、n3を設定することにより、3つの反射体だけで3種類の光を増幅できる。従って、光共振器の厚みを薄くしたり、光の透過減衰を少なくしたりできる。また、重なる方向に隣接された第1及び第2の共振層41,42によって第3の共振層43を簡単に構成できる。
【0059】
(10) 光共振器13が共振させる第1,第2,第3の光は、赤色光、青色光及び緑色光である。従って、白色光から光の3原色を共振により強めて取り出すことができる。RGBカラー液晶表示装置において、例えばRのカラーフィルタが、光共振器で共振された赤の光を通過するものである場合、光共振器13を、カラーフィルタ19より光取り出し側と反対側に設ける。これにより、輝度向上できるとともに、色純度をアップできる。
【0060】
(11) 液晶表示装置10は、バックライト12(有機EL素子23)と、透過型の液晶パネル11とが組み付けられており、共振層41〜43を備えた光共振器13を設けている。従って、バックライトから、所定の色の光を共振により増幅させて取り出すことができ、明るいディスプレイが得られる。
【0061】
(12) 有機EL層25に対し、光の取り出し側と反対側に全反射ミラー(第2電極26)が設けられている。このため、バックライトから、所定の色の光を光共振器13での共振により増幅させて明るいディスプレイが得られるとともに、光共振器13で共振された光のうち、光の取り出し側と反対側に出射される光が第2電極26で反射されて光の取り出し側へ出射される。従って、共振後に光の取り出し側と反対側に出射される光を再利用して、取り出せる光の量をより効果的に増加できる。
【0062】
(13)光共振器13が、液晶パネル11のカラーフィルタ19に対して、バックライト側に配置されている。従って、バックライト12から、RGBの光を光共振器13における共振により増幅させて取り出すことにより、カラーフィルタ19での透過減衰が低減し、同一のバックライトを用いた光共振器なしの表示装置に比べて輝度を高くできる。また、色度を向上できる。
【0063】
(14) カラーフィルタ19は、光共振器13で共振された赤、緑、青の光が透過されるようになっており、例えば、Rのフィルタは、光共振器で共振された赤の光を通過するようになっている。G,Bのフィルタも同様である。従って、バックライトから発光される光のうち、カラーフィルタと同色の光が共振層において共振され、カラーフィルタと異なる色の光は減衰された状態でカラーフィルタへ達する。従って、例えば白色光をカラーフィルタに直接通す場合に比べて、カラーフィルタを薄くできたり、カラーフィルタでの透過減衰をより低減できたりする。また、カラーフィルタを通過した光の色純度が高くなる。
【0064】
(15) カラーフィルタ19の色はR、G、Bである。従って、白色光から共振により増幅させた光の3原色をカラーフィルタに透過させて、輝度及び色純度を向上できる。
【0065】
(16) バックライト12は白色光の光源体である。従って、共振層で増幅させる光の種類を任意に選択できるため、例えば色変換層などを設けなくてよい。
【0066】
(17) バックライト12が有機EL素子23である。従って、例えばバックライトが無機ELである場合に比べて、使用電圧を低くできる。
(18) 有機EL素子23は全面発光するように形成されている。従って、有機EL層25を挟む第1電極24及び第2電極26を面状に形成すればよいため、電極を分割形成するような場合に比べて有機EL素子を簡単に形成できる。
【0067】
(19) 共振層41,42は、それぞれの透明層の両面に形成した反射体が両方ともハーフミラーである。従って、例えば一方の反射体を全反射ミラーに形成する場合と異なり、両方の反射体を同じ工程で形成できる。
【0068】
(20) 光共振器は、すべての反射体を一部光透過性の反射体にし、バックライトにおける発光部よりも液晶表示部側に設けられている。従って、表示装置外部から入射された光を用いても表示することもでき、また、バックライトからの光を用いても表示することができる。これらの光の輝度を高くすることも可能となる。
【0069】
また、全反射ミラーを備えた光共振器を、バックライトの発光部に対して、光の取り出し側とは反対側に設ければ、バックライトの発光部から発せられた光のうち、光の取り出し側とは反対側に発せられた光を光の取り出し方向へ反射させて取り出すことができる。
【0070】
なお、実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変更してもよい。
○ 前記関係式(2)の自然数n1、n2、n3は、n1=3、n2=1、n3=3であることに限らない。ただし、バックライト12全体の膜厚が薄い方が光の透過減衰が抑えられるため、自然数n1、n2、n3は小さい方が好ましい。
【0071】
○ 前記関係式(2)は成立させなくてもよい。第1の共振層41と第2の共振層42とが重なる方向に隣接する構成に限らず、例えば、第1及び第2の共振層間に別の層を挟んで互いに離間した位置に形成してもよい。例えば図5に示すように、ハーフミラー34上に透明層としてのバッファー層55を形成し、バッファー層55の上にハーフミラー56を形成してから、ハーフミラー56上にバッファー層35を形成する。そして、例えば第2の共振層58の対向する反射面を、ハーフミラー56とハーフミラー36とのバッファー層35側の面56a,36aとする。
【0072】
また、第3の共振層59の反射面を面32a,36aとする。面32a,36a間には、バッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層55、ハーフミラー56、バッファー層35がある。バッファー層55の厚みは、面32a,36a間の間隔がλ3の半分の自然数倍となるように形成する。この場合、膜厚t1と膜厚t2とを決めたうえで、バッファー層55の厚みを調整して膜厚t3を決めることができるため、膜厚t1及び膜厚t2だけで膜厚t3を決める場合に比べて、設計の際の自由度を向上できる。
【0073】
○ 第3の共振層の一対の反射面の両方が、第1の共振層の一方の反射面と、第2の共振層の一方の反射面とで構成されることに限らず、例えば第3の共振層の反射面の片方だけに、第1の共振層や第2の共振層の反射面を利用するようにしてもよい。例えば図6に示すように、基板22上に第1及び第2の共振層41,42を順に設けた状態で、ハーフミラー36の上に透明層としてのバッファー層60、ハーフミラー61を順に形成する。そして、第3の共振層62の反射面を、面32aと、ハーフミラー61のバッファー層60側の面61aとしている。面32a,61a間には、バッファー層33、ハーフミラー34、バッファー層35、ハーフミラー36、バッファー層60がある。バッファー層60の厚みは、面32a,61a間の間隔が波長λ3の半分の自然数倍となるように形成する。この場合も、膜厚t1と膜厚t2とを決めたうえで、バッファー層60の厚みを調整して膜厚t3を決めることができるため、膜厚t1及び膜厚t2だけで膜厚t3を決める場合に比べて、設計の際の自由度を向上できる。
【0074】
○ 複数の反射体のうち一つだけを、複数の共振層の反射体として用いるのであってもよい。この場合でも、反射体の数の増加を抑えることができる。
○ 各共振層は、他の共振層の反射面を共有しないように形成してもよい。例えば上記図6に示すように基板31上に第1の共振層41、第2の共振層42、バッファー層60、ハーフミラー61を順に設けた状態で、バッファー層60は、その厚みが赤色光の半波長の自然数倍になるように形成する。そして、第3の共振層の対向面を、ハーフミラー36及びハーフミラー61のバッファー層60側の面36b及び面61aとする。この場合、いずれかの共振層の厚みの精度がずれても、他の共振層の厚みには関係しないため、他の共振層での共振に影響を及ぼしにくくすることができる。
【0075】
○ 一つの光共振器が共振層を3つ備える構成に限らず、例えば一つの光共振器が一つの共振層を備える構成にしてもよい。例えば図7(a)に示すように、B用の光共振器71は、基板31上にハーフミラー32、バッファー層33、ハーフミラー34を順に形成して、面32a,34aを対向面とする第1の共振層としてのB用の共振層71aを備える構成に形成する。同様に、図7(b)に示すように、第2の共振層としてのG用の共振層72a、第3の共振層としてのR用の共振層73aをそれぞれ備えるG用の光共振器72、R用の光共振器73を別々に作製し、RGB3枚の光共振器71,72,73を重ねてバックライトに組付けてもよい。
【0076】
○ 共振層を1個備える光共振器と、共振層を2個備える光共振器とを作製し、一方をバックライトに組付け、他方を液晶パネル11の中に設けてもよい。また、両方の光共振器を重ねてバックライトに組付けてもよい。
【0077】
○ 上記の光共振器13は、カラーフィルタ19に対して有機EL層25側に配置するのであれば任意の箇所に設けてもよい。例えば光共振器13をバックライト12と別体に設けてもよく、例えば液晶パネル11の内部構造中に光共振器13を組み込んでもよい。例えば図8に示すように、光共振器13を、そのハーフミラー36が液晶パネル11の平坦化膜19a上に位置するように組付けた状態で、基板31のハーフミラー32と反対側に、液晶パネル11の電極20を形成する。この場合でも、光共振器13での光の共振によって明るいディスプレイが得られるとともに、色度が向上する。
【0078】
○ バックライトと光共振器とを別体に設けるには、例えば、バックライトと光共振器との間に隙間を設けてもよい。また、バックライトと光共振器との間に透明な充実体の層を設けてもよい。
【0079】
○ 光共振器13は、カラーフィルタ19より光取り出し側に設けてもよい。この場合でも、輝度向上できる。しかし、光共振器13をカラーフィルタ19より有機EL層25側に設けるのが望ましい。
【0080】
○ 共振層41,42,43は、例えばバックライトの基板22の有機EL素子23と反対側の面に、ハーフミラー32、バッファー層33、…、ハーフミラー36を順に積層して形成してもよい。
【0081】
○ 透明層の両側に形成する反射体は、一方が一部光透過性で、他方が光透過性を備えない構成にしてもよい。例えば、液晶パネル11、バックライト12、光共振器13の順に重ね、有機EL素子23の第1及び第2電極24,26を両方とも透明電極に形成する。そして、光共振器13のバックライト12と反対側の反射体を全反射ミラーに形成し、バックライト12側の反射体をハーフミラーに形成する。このように光源(バックライト)の背面側、すなわち光の取り出し側と反対側に光共振器が配置された場合、光共振器は、所定の波長の光を増幅する反射板として機能する。従って、例えば従来の共振しない単なる反射板を配置する場合と比べて、所定の波長の光の量を増加できる。
【0082】
○ 上記のようにバックライトの背面側に光共振器を設け、光の取り出し側と反対側の反射体を全反射ミラーとする場合、例えばバックライトと光共振器とを別体に設けてもよい。この場合でも、所定の波長の光の量を増加できる。別体に設けるには、例えば、バックライトと光共振器との間に隙間を設ける。また、バックライトと光共振器との間に透明な充実体の層を設けてもよい。
【0083】
○ 一部光透過性の反射体のみを備える光共振器を、バックライトの背面側に備えてもよい。この場合、光共振器の光の取り出し側と反対側に、全反射ミラーを設けるのが好ましい。
【0084】
○ 光共振器は、基板31側に青色光用の共振層を形成し、基板31と反対側に緑色光用の共振層を形成する構成に限らず、例えば基板31側に緑色光用の共振層を形成し、基板31と反対側に青色光用の共振層を形成してもよい。
【0085】
○ 光共振器は、可撓性を有するように形成してもよく、例えばフィルム状に形成してもよい。この場合、光共振器の基板31が可撓性を有するように、基板31を例えば透明な樹脂で形成する。例えば光共振器が薄くて硬いと、取扱う際に割れる虞があるが、可撓性を有することにより割れにくくすることができる。また、例えば曲面状の光源体に貼り付けることができる。
【0086】
○ 上記のように光共振器が可撓性を有するように形成する場合、光共振器は所謂フィルムより厚く形成してもよく、例えばシート状に形成してもよい。
○ バッファー層は、透明性を備えた物質で形成すればよく、例えば窒化ケイ素で形成してもよい。また、例えばカラーフィルタのオーバーコート膜の材料のような透明な有機層や他の無機層でバッファー層を形成してもよい。
【0087】
○ ハーフミラーはアルミニウム製に限らず、例えば銀で形成してもよい。また、ハーフミラーはマグネシウムと銀との合金で形成してもよい。
○ 同一の波長の光を増幅する共振層を複数重ねてもよい。この場合、その波長の光は、一つの共振層のみで増幅する場合と比べて、より増幅できる。
【0088】
○ バックライトは、基板31と反対側から有機EL素子23の発光を取り出すトップエミッション型であってもよい。
○ 有機EL素子23を封止するのはパッシベーション膜に限らない。例えばガラス製等の、水分や酸素の透過を遮断するとともに透明な材質よりなるカバーをパッシベーション膜に代えて配置し、このカバーと基板31との間を図示しないシール材(例えば、エポキシ樹脂)で封止して有機EL層25へ外部から水分や酸素が進入するのを防いでもよい。
【0089】
○ ボトムエミッション構造では、パッシベーション膜に代えて金属製の封止缶(封止カバー)で有機EL素子23を封止してもよい。
○ 第1電極24が陰極で、第2電極26が陽極でもよい。
【0090】
○ 液晶パネルは透過型又は半透過型であればよく、パッシブ・マトリックス方式に限らず、例えばアクティブ・マトリックス方式であってもよい。
○ バックライト12は全面発光する構成に限らず、例えばバックライトを複数の領域に分割して、各領域毎に点灯(発光)可能に構成し、液晶パネル11の表示部のうちバックライトの点灯が必要な部分のみを選択して点灯させてもよい。この場合、バックライトを全面発光させる構成に比較して消費電力を低減できる。
【0091】
○ 発光装置は液晶表示装置のバックライトに限らず、例えば自動車のルームランプや、室内の壁掛け用等の照明装置として形成してもよい。この場合、従来の発光装置を光源とする照明装置に比べて、光の色を鮮やかにできる。
【0092】
○ 光源体は有機EL素子に限らず、例えば無機EL素子であってもよい。また、光源体はEL素子以外のものであってよく、光共振器は、どのような光源体でも所定の波長の光を増幅できる。
【0093】
○ 色の種類はRGBに限らず、他の色であってもよい。
○ 共振させる色の数は3色に限らない。例えば2色であってもよい。
○ 光共振器は共振層を4つ以上備えてもよく、例えば、赤、青、緑以外の4色以上の組み合わせで備えてもよい。
【0094】
○ 光源体は白色発光に限らない。
○ 本発明の光共振器をモノクロの液晶表示パネルに備えてもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜請求項17に記載の発明によれば、所定の色の光を光の共振により増幅でき、既存の光源体から発光される光でも増幅できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光共振器の模式断面図。
【図2】液晶表示装置の模式断面図。
【図3】光共振器の拡大部分模式断面図。
【図4】出射光のスペクトルを示す模式図。
【図5】別例の模式断面図。
【図6】他の別例の模式断面図。
【図7】(a)、(b)は他の別例の模式断面図。
【図8】他の別例の模式断面図。
【符号の説明】
10…表示装置としての液晶表示装置、11…液晶表示部としての液晶パネル、12…バックライト、13,71,72,73…光共振器、19…カラーフィルタ、32,34,36,56,61…一部光透過性の反射体としてのハーフミラー、32a,34a,34b,36a,36b,56a,61a…反射面としての面、33,35,55,60…透明層としてのバッファー層、41,71a…第1の共振層、42,58,72a…第2の共振層、43,59,62,73a…第3の共振層、λ1,λ2,λ3…波長。
Claims (17)
- 光取り出し側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面と、前記側とは反対側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面とが相対向され、所定の波長の光を共振する共振層を有する光共振器。
- 光取り出し側に設けられた一部光透過性の反射体の反射面と、前記側とは反対側に設けられた全反射ミラーの反射面とが相対向され、所定の波長の光を共振する共振層を有する光共振器。
- 前記共振層を複数有し、前記各共振層は、共振させる波長が、少なくとも他の一の共振層とは異なる請求項1又は請求項2に記載の光共振器。
- 複数の前記共振層が、重なる方向において互いに隣接されて形成されている請求項3に記載の光共振器。
- 複数の前記共振層が、重なる方向において互いに離間した位置に形成されている請求項3に記載の光共振器。
- 前記反射体のうち少なくとも一つは、複数の前記共振層の反射体として用いられている請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の光共振器。
- 光の取り出し側から順に第1の反射体、第2の反射体、第3の反射体を備え、前記各反射体は一部光透過性で、前記第2の反射体は両面が反射面で、前記第1、第3の反射体の反射面と相対向し、前記第1の反射体と前記第2の反射体との相対向する前記反射面間の距離t1、前記第2の反射体と前記第3の反射体との相対向する前記反射面間の距離t2、共振させる第1の光の波長λ1、第2の光の波長λ2、第3の光の波長λ3が以下の関係
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有する光共振器。 - 光の取り出し側から順に第1の反射体、第2の反射体、第3の反射体を備え、前記第1及び第2の反射体は一部光透過性で、前記第3の反射体は全反射ミラーで、前記第2の反射体は両面が反射面で、前記第1、第3の反射体の反射面と相対向し、前記第1の反射体と前記第2の反射体との相対向する前記反射面間の距離t1、前記第2の反射体と前記第3の反射体との相対向する前記反射面間の距離t2、共振させる第1の光の波長λ1、第2の光の波長λ2、第3の光の波長λ3が以下の関係
t1=(n1×λ1)/2
t2=(n2×λ2)/2
t1+t2=(n3×λ3)/2
ただし、n1、n2、n3は自然数
を有する光共振器。 - 複数の一部光透過性の反射体を重なる方向に有し、波長λ1の光、波長λ2の光、波長λ3の光を共振する光共振器であって、
前記λ1の光を共振する反射体間の距離をt1、前記λ2の光を共振する反射体間の距離をt2、前記λ3の光を共振する反射体間の距離をt3とするとき、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立する光共振器。 - 複数の反射体を重なる方向に有し、前記反射体のうち光の取り出し側と反対側の反射体を全反射ミラー、他の反射体を一部光透過性とし、波長λ1の光、波長λ2の光、波長λ3の光を共振する光共振器であって、
前記λ1の光を共振する反射体間の距離をt1、前記λ2の光を共振する反射体間の距離をt2、前記λ3の光を共振する反射体間の距離をt3とするとき、以下の関係式
t1=(m1×λ1)/2
t2=(m2×λ2)/2
t3=(m3×λ3)/2
ただし、m1、m2、m3は自然数
が成立する光共振器。 - 前記反射体のうち少なくとも一つは、複数の波長の光を共振する反射体として用いられている請求項9又は請求項10に記載の光共振器。
- 共振させる前記波長λ1,λ2,λ3の光は、赤色光、青色光及び緑色光である請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の光共振器。
- 前記光共振器は可撓性を有する請求項1〜請求項12のいずれか一つに記載の光共振器。
- 液晶表示部の背後に、バックライトと、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の光共振器とを備え、前記光共振器を前記バックライトと別体に設けた表示装置。
- 液晶表示部の背後に、バックライトと、請求項1、請求項7及び請求項9のいずれか一項に記載の光共振器とを備えた表示装置であって、前記光共振器を前記バックライトと別体に設け、前記バックライト及び前記光共振器の両方よりも光の取り出し側とは反対側に全反射ミラーを備えた表示装置。
- 前記液晶表示部はカラーフィルタを有し、前記光共振器は、前記カラーフィルタに対して前記バックライト側に設けられ、前記バックライトから発光される光は複数の色の光が混合されており、前記カラーフィルタは、前記光共振器で共振された光の少なくとも一つが透過される請求項14又は請求項15に記載の表示装置。
- 前記カラーフィルタの色はR、G、Bである請求項16に記載の表示装置。
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