JP2004125841A - 位相差板、その製造方法およびそれを用いた円偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配向処理された透明支持体の配向処理面側に、重合性基を有する液晶性化合物を含む組成物を塗布した後に重合して光学異方性層を形成する工程を少なくとも2回繰り返すことにより作製された位相差板であって、透明支持体に遠い側の光学異方性層が近い側の光学異方性層の硬度よりも高い位相差板、および前記位相差板と偏光膜とを有する円偏光板である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2層以上の液晶性化合物からなる光学異方性層を有する位相差板およびその製造方法に関する。本発明はまた、上記方法によって得られる位相差板、特に、少なくとも反射型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、光ディスクの書き込み用のピックアップ、あるいは反射防止膜に利用されるλ/4板として有効な位相差板およびそれを用いた円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が対象とする位相差板、とりわけλ/4板は、非常に多くの用途を有しており、既に実際に使用されている。広い波長領域でλ/4を達成できる従来技術としては、光学異方性を有する二枚のポリマーフィルムを積層する方法(例えば、特許文献1および2参照)、液晶性化合物を含む光学的異方性層を少なくとも2層設ける方法(例えば、特許文献3〜6参照)がある。しかしながら、光学異方性を有する二枚のポリマーフィルムを積層する方法は、二枚のポリマーフィルムの光学的向き(光軸や遅相軸)を調節するために、二種類のポリマーフィルムを所定の角度にカットして、得られるチップを貼り合わせる必要がある。チップの貼り合わせで位相差板を製造しようとすると、処理が煩雑であり、軸ズレによる品質低下が起きやすく、歩留まりが低下し、コストが増大し、汚染による劣化も起きやすい。また、ポリマーフィルムでは、λ/4板に必要なレターデーション値を厳密に調節することも難しい。一方、液晶性化合物を含む光学的異方性層を少なくとも2層設ける方法は、搬送方向に対する斜め方向の角度でのカットや貼り合わせをする必要がなく、連続的に塗布することで長尺状の形態で広帯域λ/4板を提供することができる。しかしながら、連続でハンドリングするためには相当の耐傷性や層間密着性が要求され、これまでは十分な耐傷性や密着性が得られていなかったために傷が入ったり、膜剥がれが発生する問題があった。また、特に密着性が低い場合には、液晶セルと一旦貼り合わせた後に、再度位相差板とセル界面で剥がすことができず、セルの再利用が非常に困難になるという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−68816号公報
【特許文献2】
特開平10−90521号公報
【特許文献3】
特開2000−206331号公報
【特許文献4】
特開2001−4837号公報
【特許文献5】
特開2001−21720号公報
【特許文献6】
特開2001−91741号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解決した位相差板、すなわち、液晶性化合物からなる光学異方性層を2層以上有し、密着性に優れ、傷・剥がれの少ない、安価な位相差板およびその製造方法、ならびにこれを用いた円偏光板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は以下の方法によって解決された。即ち、下記(1)および(2)の位相差板、(3)の製造方法、ならびに(4)の円偏光板により達成された。
(1) 配向処理された透明支持体の配向処理面側に、重合性基を有する液晶性化合物を含む組成物を塗布した後に重合して光学異方性層を形成する工程を少なくとも2回繰り返すことにより作製された位相差板であって、透明支持体に遠い側の光学異方性層が近い側の光学異方性層の硬度よりも高い位相差板。
(2) 積層した状態での荷重針法による引っ掻き強度が、先端角90°先端曲率0.025mmのダイヤ針を用いた場合に30g以上である(1)に記載の位相差板。
(3) 配向処理された透明支持体の配向処理面側に、重合性基を有する液晶性化合物を含む組成物を塗布した後に硬化させて光学異方性層を形成する工程を少なくとも2回繰り返す位相差板の製造方法であって、光学異方性層を硬化させる際に透明支持体に遠い方の光学異方性層の硬度が透明支持体に近い方の光学異方性層の硬度よりも高くなるように硬化させることを特徴とする、位相差板の製造方法。
(4) 少なくとも、(1)または(2)に記載の位相差板と偏光膜とを有する円偏光板。
【0006】
なお、本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。
また、本明細書において、「実質的に垂直に配向」とは、厳密な垂直配向のみを意味するのではなく、平均角度(平均傾斜角)が50°〜90°の範囲内の配向を含み、「実質的に水平に配向」とは、厳密な水平配向のみを意味するのではなく、平均角度(平均傾斜角)が0°〜40°の範囲内の配向を含む意味で用いる。
【0007】
【発明の実施の形態】
[位相差板の製造方法]
本発明の位相差板は、配向処理された透明支持体の配向処理面側に、重合性基を有する液晶性化合物を含む組成物を塗布した後に重合して光学異方性層を形成する工程を少なくとも2回繰り返すことにより作製される。本発明の製造方法の一例は、長尺ロール状の透明支持体を、連続移動させ、該透明支持体上に配向膜を塗布し、
(a)該支持体の配向膜を形成した側の表面をラビング(好ましくは少なくとも1つのラビングローラーを用いてラビング)し、
(b)ラビングされた表面に液晶性化合物を含有する組成物を塗布し、
(c)液晶に所定の配向状態をとらせるために加熱した後、
(d)工程(b)で塗布された組成物を重合して(好ましくは、空気または窒素雰囲気下で熱または活性放射線にさらすことによって、重合および/または架橋させて)光学異方性層とし、
(d)工程(a)〜(d)を、少なくとも1回繰り返し、最終的に
(e)前記支持体を巻き取る、
以上の工程を含む製造方法である。
【0008】
以下に各工程および各工程に用いられる種々の材料について更に詳細に説明する。
[透明支持体]
本発明では、透明支持体を用いる。透明支持体とは、光透過率が80%以上の支持体をいう。また、透明支持体の波長分散は小さいのが好ましく、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。さらに、透明支持体は、光学異方性が小さいことが好ましく、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
【0009】
前記透明支持体としては、ポリマーフィルムが好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。特にトリアセチルセルロースを用いる場合は、酢化度60.25〜61.50のものが好ましい。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
【0010】
本発明では、長尺ロール状の支持体を用い、連続的に光学異方性層を塗布するのが好ましい。光学異方性層を形成してから、必要な大きさに切断することができる。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜200μmであることがさらに好ましい。また、透明支持体とその上に設けられる層(接着層、水平配向膜、垂直配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理、ケン化処理)を実施してもよいし、透明支持体の上に接着層(下塗り層)を設けてもよい。表面処理としてはケン化処理が好ましい。
【0011】
[配向膜]
本発明では、表面に配向膜を有する支持体を用いる。前記透明支持体がロール状の場合は、前記透明支持体を連続移動させつつ、支持体の表面に配向膜を形成するのが好ましい。配向膜は、光学異方性層中の液晶性化合物を所望の配向状態にする機能を有する。配向膜としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理により配向機能を生じる配向膜を用いる。配向膜を形成するポリマーの種類は,液晶性化合物の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定する。
液晶化合物をラビング方向と平行かつ水平に配向させるためには配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いる。ラビング処理時に好ましく用いられるポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリイミド誘導体、ナイロンが挙げられる。また、液晶化合物をラビング方向と直交かつ水平に配向させるためには特願2000−246279号明細書に開示したポリビニルアルコール系や特願2000−64626号明細書に開示したポリアミック酸系の配向膜を用いてもよい。
ラビング処理はこれらのポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることによって、支持体長手方向に対する液晶化合物の配向方向および膜平面に対する液晶性化合物のチルト角を変えることができる。
【0012】
上方に形成される液晶性化合物層との密着性を改善する目的で、配向膜は重合性基を有することが好ましい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向膜を用いることがより好ましく、かかる配向膜としては、特開平9−152509号公報に記載されている。
配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。
【0013】
透明支持体の表面に形成された配向膜または前記工程(a)〜(d)を経て形成された光学異方性層の表面をラビングするのが好ましい(前記工程(d))。
[ラビング処理]
ラビング処理は、長尺ロール状の支持体の搬送方向に対して所定の任意の角度で行うことができる。搬送方向に対するラビング方向の角度は、搬送方向に対して同一方向もしくは斜め方向にラビングされるのが好ましい。斜め方向の角度としては、−45度〜+45度の範囲が好ましい。
ラビング処理は任意の方法で行うことができるが、少なくとも1つのラビングロールにより行うのが好ましい。例えば、長尺フィルムを搬送方向に搬送するステージ上に、長尺フィルムの搬送方向に対して任意の角度でラビングロールを配置し、該フィルムを搬送方向に搬送しながら該ラビングロールを回転させて、透明支持体の配向膜表面をラビング処理することができる。ラビングロールとステージの移動方向が成す角度を自在に調整し得る機構を備えているのが好ましい。また、ラビングロールとは、表面に適宜のラビング布材を貼付したロールのことをいう。
【0014】
次に、ラビングされた表面に、液晶性化合物を含む組成物を塗布し(工程(b))、該組成物中の液晶に所定の配向状態をとらせるために加熱した後(工程(c))、空気または窒素雰囲気下で熱または活性放射線にさらすことによって、重合および/または架橋させて光学異方性層を形成することができる(工程(d))。
【0015】
[液晶性化合物からなる光学異方性層]
本発明に用いる液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物が好ましく、重合性基を有している棒状液晶性化合物または重合性基を有している円盤状液晶性化合物がより好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。特に好ましく用いられる、低分子の重合性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記式(I)の棒状液晶性化合物である。
式(I)
Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に二価の環状基であり、nは0、1または2である。
【0016】
以下にさらに重合性棒状液晶化合物について説明する。
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
【0017】
【化1】
【0018】
前記式(I)中、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基である。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子である。
【0019】
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
【0020】
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
【0021】
前記式中、二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基または置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、ブタメチレン、1−メチル−ブタメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
【0022】
二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
R2は、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
【0023】
L2またはL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L2およびL3はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基についてはL1およびL4の定義と同義である。
【0024】
式(I)において、nは0、1または2である。nが2の場合、二つのL3は同じであっても異なっていてもよく、2つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
【0025】
式(I)において、Cy1、Cy2およびCy3は、それぞれ独立に、二価の環状基である。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
【0026】
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜5のアルキル基、炭素原子数が1〜5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜5のアルコキシ基、炭素原子数が1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。
【0027】
以下に、式(I)で表される重合性基を有する液晶化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
本発明の液晶性化合物として、円盤状液晶性化合物も好ましく用いることができる。円盤状液晶性化合物は、ポリマーフィルム面に対して実質的に垂直(50〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが好ましい。円盤状液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
【0033】
円盤状液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、円盤状液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有する円盤状液晶性化合物は、下記式(III)で表わされる化合物が好ましい。
式(III)
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
【0034】
前記式(III)中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
【0035】
これらの液晶性化合物は、光学異方性層中では、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。
重合性基を有する棒状液晶性化合物の場合は、実質的に水平(ホモジニアス)配向に固定化することが好ましい。実質的に水平とは、棒状液晶性化合物の長軸方向と光学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が0°〜40°の範囲内であることを意味する。棒状液晶性化合物を斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向またはハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は0°〜40°であることが好ましい。
重合性基を有する円盤状液晶性化合物の場合は、実質的に垂直配向させることが好ましい。実質的に垂直とは、円盤状液晶性化合物の円盤面と光学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が50°〜90°の範囲内であることを意味する。円盤状液晶性化合物を斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向またはハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は50°〜90°であることが好ましい。
【0036】
本発明の位相差板は、2層以上の光学異方性層を有する。光学異方性層間に配向膜を形成してもよいし、光学異方性層を、その上に形成する光学異方性層の配向膜として機能させることもできる。光学異方性層を、その上に形成する光学異方性層の配向膜として機能させる場合は、液晶性化合物とともに、炭素原子数が9以下の炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールを含有する組成物を用いて光学異方性層を形成し、さらに引き続き、該光学異方性層の表面にラビングを行って、上層の光学異方異方性層を形成するのが好ましい。
【0037】
液晶性化合物とともに用いる、前記炭素原子数が9以下の炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールについて説明する。
好ましい変性ポリビニルアルコールとしては、下記式(PX)で表されるものである。
(PX)−(VAl)x−(HyD)y−(VAc)z−
式中、VAlは、ビニルアルコールの繰り返し単位であり、HyDは炭素原子数が9以下の炭化水素基を有する繰り返し単位であり、VAcは酢酸ビニル繰り返し単位であり、xは20〜95質量%(好ましくは25〜90質量%)であり、yは2〜98質量%(好ましくは10〜80質量%)であり、zは0〜30質量%(好ましくは2〜20質量%)である。
【0038】
HyDに含まれる炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。前記炭化水素基は置換基を有していてもよい。前記炭化水素基の炭素原子数は1〜9であり、1〜8が好ましい。HyDの好ましい例は、下記式(HyD−I)および(HyD−II)で表される。
【0039】
【化6】
【0040】
式中、L1は、−O−、−CO−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり、L2は単結合、または−O−、−CO−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり、R1およびR2は、それぞれ炭素原子数が9以下の炭化水素基である。上記の組み合わせにより形成される二価の連結基の例を以下に示す。
【0041】
L1:−O−CO−
L2:−O−CO−アルキレン基−O−
L3:−O−CO−アルキレン基−CO−NH−
L4:−O−CO−アルキレン基−NH−SO2−アリーレン基−O−
L5:−アリーレン基−NH−CO−
L6:−アリーレン基−CO−O−
L7:−アリーレン基−CO−NH−
L8:−アリーレン基−O−
L9:−O−CO−NH−アリーレン基−NH−CO−
【0042】
HyDの具体例を以下に示す。
【0043】
【化7】
【0044】
前記変性ポリビニルアルコールの重合度は、200〜5000であることが好ましく、300〜3000であることが好ましい。ポリマーの分子量は、9000〜200000であることが好ましく、13000〜130000であることがさらに好ましい。二種類以上のポリマーを併用してもよい。
【0045】
以下に好ましい変性ポリビニルアルコールの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
PX−1:−(VAl)21−(HyD−13)77−(VAc)2−
PX−2:−(VAl)14−(HyD−13)84−(VAc)2−
PX−3:−(VAl)21−(HyD−16)77−(VAc)2−
PX−4:−(VAl)34−(HyD−15)64−(VAc)2−
PX−5:−(VAl)29−(HyD−12)69−(VAc)2−
PX−6:−(VAl)46−(HyD−14)52−(VAc)2−
PX−7:−(VAl)21−(HyD−2)77−(VAc)2−
PX−8:−(VAl)17−(HyD−8)85−(VAc)2−
PX−9:−(VAl)21−(HyD−13)77−(VAc)2−
PX−10:−(VAl)46−(HyD−9)52−(VAc)2−
【0046】
上記変性ポリビニルアルコールの添加量は、該制御剤の添加する液晶性化合物に対し0.05質量%〜10質量%添加することが好ましい。より好ましくは0.1質量〜5質量%である。
【0047】
上記変性ポリビニルアルコールは縮合剤と併用してもよい。縮合剤としてはイソシアネート基またはホルミル基を末端に有する化合物が好ましい。以下に具体的な化合物を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ポリ(1,4−ブタンジオール)、イソホロンジイソシアネートターミネーテッド
ポリ(1,4−ブタンジオール)、トリレン2,4−ジイソシアネートターミネーテッド
ポリ(エチレンアジペート)、トリレン2,4−ジイソシアネートターミネーテッド
ポリ(プロピレングリコール)、トリレン2,4−ジイソシアネートターミネーテッド、
1、6−ジイソシアナートヘキサン
1、8−ジイソシアナートオクタン
1、12−ジイソシアナートドデカン
イソホロンジイソシアナート
グリオキザール
【0049】
本発明において、光学異方性層は、前記液晶性化合物、所望により、前記変性ポリビニルアルコール、および下記の重合開始剤や他の添加剤を溶媒に溶解させた塗布液を、ラビング表面に塗布して形成するのが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0050】
[液晶性化合物の配向状態の固定化]
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基の重合反応により実施するのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号明細書、同2367670号明細書の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
【0051】
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、光照射する際の雰囲気中の酸素濃度を窒素置換等によって下げる事も反応促進に効果がある。光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
【0052】
[光学異方性層の硬度]
本発明の位相差板は、透明支持体に近い側の光学異方性層よりも遠い側の光学異方性層の硬度が高いことを特徴とする。本明細書において「硬度」とは、連続荷重式引掻強度試験機を用いて試験した場合に、連続して層の剥離が開始し始める限界荷重の重さとして示される。透明支持体に遠い側の光学異方性層と近い側の光学異方性層との硬度の差は、双方の層について測定された前記限界荷重の差によって示される。支持体に遠い側の光学異方性層および近い側の光学異方性層それぞれについて、新東科学(株)製 連続荷重式 引掻強度試験機(TYPEHEIDON18)を用いて、ダイヤモンド製先端角90°、先端曲率(R)=0.025mmの針により試験を実施した場合に、支持体に遠い側の光学異方性層と近い側の光学異方性層との限界荷重の差が5g以上であるのが好ましく、10g以上であるのがより好ましい。5gより低い場合は膜剥がれ防止に対する効果が小さくなり、光学異方性層が剥がれ易くなる場合がある。上限は100g以下が好ましい。100gを超えると逆に割れやすい、曲げ耐性が悪くなるなどの問題を生じる場合がある。特に好ましくは80g以下である。
【0053】
また、本発明の位相差板は、光学異方性層を積層した状態での硬度が30g以上であるのが好ましい。即ち、本発明の位相差板について、前記引掻強度試験機により引掻試験を実施した場合に、積層した状態の光学異方性層が連続して剥離し始める限界荷重が、30g以上であるのが好ましい。より好ましくは40g以上である。積層した状態でも硬度が30gより低い場合には傷が付きやすくなったり、巻き取ったロール内で接着故障が発生したりする場合がある。上限は100g以下が好ましい。100gを超えると逆に割れやすい、曲げ耐性が悪くなるなどの問題を生じる場合がある。特にこのましくは80g以下である。
【0054】
光学異方性層それぞれの硬度、および積層状態での硬度は、硬化させる(重合させる)際の雰囲気の温湿度および酸素濃度(あるいは窒素置換率)、紫外線の照射量、照射時の試料温度、液晶化合物の多官能化、重合開始剤の種類・量、ならびに増感剤の種類・量によって適宜調整することができる。
【0055】
[位相差板の光学的性質]
本発明の位相差板を構成している光学異方性層は、特定の波長において、実質的にπまたはπ/2の位相差を達成していることが好ましい。特定波長(λ)において位相差πを達成するためには、特定波長(λ)において測定した偏光子のレターデーション値をλ/2に調整すればよく、特定波長(λ)において位相差π/2を達成するためには、特定波長(λ)において測定した偏光子のレターデーション値をλ/4に調整すればよい。ただし、可視領域のほぼ中間の波長である550nmにおいて、一方が位相差πおよび他方がπ/2を達成していることが好ましい。例えば、2層の光学異方性層からなる態様では、一方の光学異方性層(第1光学異方性層)は、波長550nmで測定したレターデーション値が240〜290nmであることが好ましく、250〜280nmであることがより好ましく、もう一方の光学異方性層(第2光学異方性層)は、波長550nmで測定したレターデーション値が110〜145nmであることが好ましく、120〜140nmであることがより好ましい。
【0056】
レターデーション値とは、光学異方性層の法線方向から入射した光に対する面内のレターデーション値を意味する。具体的には、下記式により定義される値である。
レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
式中、nxおよびnyは光学異方性層の面内の主屈折率であり、そしてdは光学異方性層の厚み(nm)である。
【0057】
前記第1および第2の光学異方性層の厚さは、各々の層が所望のレターデーションを示す範囲で任意に決定することができる。例えば、同一の棒状液晶化合物を水平配向させて、前記第1および第2の光学異方性層を各々形成する場合は、位相差がπである光学異方性層の厚みを、位相差がπ/2の光学異方性の厚みの倍にするのが好ましい。それぞれの光学異方性層の厚みの好ましい範囲は、用いる液晶性化合物の種類によって異なるが、一般的には、0.1〜10μmであり、0.2〜0.8μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましい。
【0058】
[位相差板の構成]
図1は、棒状液晶性化合物を用いた場合の本発明の位相差板の代表的な構成を示す模式図である。図1に示すように、基本的な位相差板は、長尺状の透明支持体(S)および第1の光学異方性層(A)に加えて、さらに第2の光学異方性層(B)を有する。第1の光学異方性層(A)の位相差はπである。第2の光学異方性層(B)の位相差は、π/2である。透明支持体(S)の長手方向と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)とのなす角は30°である。第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)との角度(γ)は60゜である。図1に示す第1光学異方性層(A)および第2光学異方性層(B)は、それぞれ棒状液晶性化合物(c1およびc2)を含む。棒状液晶性化合物c1およびc2は水平に配向している。棒状液晶性化合物の長軸方向が光学異方性層の遅相軸(aおよびb)に相当する。
【0059】
なお、図1では、便宜のため、透明支持体Sにより近い位置にあるのが光学異方性層A(位相差がπ)で、その外側に位置するのが光学異方性層B(位相差がπ/2)である位相差板および円偏光板の構成を示したが、光学異方性層Aと光学異方性層Bとの位置を入れ替えた構成であってもよいが、好ましくは、透明支持体Sにより近い位置に光学異方性層A(位相差がπ)、その外側に光学異方性層B(位相差がπ/2)が位置する構成である。
図2においても同様である。
【0060】
[円偏光板]
本発明の位相差板は、反射型液晶表示装置において使用されるλ/4板、光ディスクの書き込み用のピックアップに使用されるλ/4板、あるいは反射防止膜として利用されるλ/4板として、特に有利に用いることができる。λ/4板は、一般に偏光膜と組み合わせた円偏光板として使用される。よって、位相差板と偏光膜とを組み合わせた円偏光板として構成しておくと、容易に反射型液晶表示装置のような用途とする装置に組み込むことができる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
【0061】
[円偏光板の構成]
図2は、棒状液晶性化合物を用いた場合の本発明の位相差板を用いた円偏光板の代表的な構成を示す模式図である。図2に示す円偏光板は、図1に示した透明支持体(S)、第1光学異方性層(A)および第2光学異方性層(B)に加えて、さらに偏光膜(P)を有する。偏光膜の偏光透過軸(p)は透明支持体(S)の長手方向(s)のなす角は45°であり、偏光透過軸と光学異方性層(A)の遅相軸(a)のなす角は15°であり、図1と同様に、光学異方性層(A)の遅相軸(a)と光学異方性層(B)の遅相軸(b)とのなす角は60°である。図2に示す第1光学異方性層(A)および第2光学異方性層(B)も、それぞれ棒状液晶性化合物(c1およびc2)を含む。棒状液晶性化合物(c1およびc2)は、それぞれ水平に配向している。棒状液晶性化合物(c1およびc2)の長軸方向が、光学異方性層(AおよびB)の面内の遅相軸(aおよびb)に相当する。
【0062】
本発明の位相差板と組み合わせる偏光膜については、特に制限はなく、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜を用いることができる。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明の位相差板の透明支持体の長手方向に対して、偏光膜の透過軸を45°となるように積層するのが好ましい。長手方向に対して実質的に45°方向に偏光の透過軸を有する偏光膜(以下45°偏光膜と称する)を用いれば、積層の際の角度調整が不要になり、本発明の円偏光板を容易に作製できる。延伸フィルムからなる偏光膜の透過軸は、延伸方向と実質的に一致するので、フィルムを長手方向に対して45°の方向に延伸処理することで、45°偏光膜を作製することができる。このような実質的に45°方向に偏光の透過軸を有する偏光膜(以下45°偏光膜と称する)は、特開2002−86554号公報に記載の斜め延伸方法により作製することができ、第0009欄〜第0045欄の記載の条件、使用可能な装置の構成等を参考に作製することができる。
【0063】
本発明に用いられる45°偏光板は、偏光の吸収軸すなわち延伸軸が長手方向に対して45゜傾斜しており、この角度がLCDにおける液晶セルに貼り合わせる際の偏光板の吸収軸と、液晶セル自身の縦または横方向とのなす角度に一致しているため、打ち抜き工程において斜めの打ち抜きは不要となる。しかも、前記斜め延伸方法によって作製された偏光板は切断が長手方向に沿って一直線であるため、打ち抜かず長手方向に沿ってスリットすることによっても製造可能であるため、生産性も格段に優れている。
【0064】
前記斜め延伸方法によって製造された偏光膜は、そのままの形態で偏光板として本発明の位相差板に用いることもできるが、両面あるいは片面に保護フィルムを貼り付けた形態のものを偏光板として用いるのが好ましい。保護フィルムの種類は特に限定されず、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができるが、保護フィルムのレターデーション値が一定値以上であると、偏光軸と保護フィルムの配向軸が斜めにずれているため、直線偏光が楕円偏光に変化し、好ましくない。このため保護フィルムのレターデーションは低いことが好ましい。例えば、632.8nmにおいて10nm以下が好ましく、5nm以下がさらに好ましい。このような低レターデーションを得るためには、保護フィルムとして使用するポリマーはセルローストリアセテートが特に好ましい。また、ゼオネックス、ゼオノア(共に日本ゼオン(株)製)、ARTON(JSR(株)製)のようなポリオレフィン類も好ましく用いられる。その他、例えば特開平8−110402号公報あるいは特開平11−293116号公報に記載されているような非複屈折性光学樹脂材料が挙げられる。
【0065】
偏光膜と保護層との接着剤は特に限定されないが、PVA系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変性PVAを含む)やホウ素化合物水溶液等が挙げられ、中でもPVA系樹脂が好ましい。接着剤層厚みは、乾燥後に0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。
【0066】
本発明に用いる偏光板は、液晶表示装置のコントラストを高める観点から、透過率は高い方が好ましく、偏光度は高い方が好ましい。透過率は好ましくは550nmで30%以上が好ましく、40%以上がさらに好ましい。偏光度は550nmで95.0%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましく、特に好ましくは99.9%以上である。
【0067】
偏光膜は、上記した様に、一般に両側に保護膜を有するが、本発明では、本発明の位相差板を偏光膜の片側の保護膜として機能させることができる。45°偏光膜を用いて円偏光板を作製する場合、重ね合わせ方を変えることで容易に右および左円偏光板を作り分けることができる。
[円偏光板の構成]
図4に本発明の位相差板を用いた円偏光板の一態様の概略断面図を示す。
図4に示す円偏光板は、本発明の位相差版に45°偏光膜Pおよび保護膜Gを積層した構成である。位相差板は、光学異方性層AおよびB(但し、図中には一層として示した)と、透明支持体Sとからなる。位相差板は、透明支持体Sの光学異方性層AおよびBが設けられていない側の面を、45°偏光膜Pに向けて積層されている。この構成において、前記位相差板は45°偏光膜Pの保護膜としても機能する。図4中に、透明支持体Sの長手方向sと、光学異方性層AおよびBの遅相軸aおよびbと、45°偏光膜Pの透過軸pとの関係を併せて示す。
【0068】
図4の円偏光板を表示装置に組み込む場合は、保護膜P側を表示面側にする(図中の矢印で示す方向が見る方向を示す)。図4の構成から得られる円偏光板は右円偏光である。図4中、矢印方向から入射した光は、偏光膜P、光学異方性層AおよびBを順次通過することによって右円偏光となって出射する。
【0069】
本発明の位相差版を用いた円偏光板の他の構成の概略断面図を図5に示す。図5に示す円偏光板は、図4に示す円偏光板の保護膜Gと位相差板の位置を代えた構成であり、図5中下方から、保護膜G、45°偏光膜P、透明支持体Sおよび光学異方性層AおよびBを積層した構成である。かかる構成の円偏光板では左円偏光が得られる。
この様に、45°偏光膜に、保護層と位相差板を貼り合わせる場合に、上下を入れ替えて貼り合せるだけで右円偏光と左円偏光を製造することができる。
【0070】
透明支持体とは別に保護膜を用いる場合は、保護膜として光学的等方性が高いセルロースエステルフィルム、特にトリアセチルセルロースフィルムを用いることが好ましい。
【0071】
本発明の円偏光板は、波長450nm、550nmおよび650nmで測定したレターデーション値/波長の値が、いずれも0.2〜0.3の範囲内である、広帯域λ/4板であるのが好ましい。レターデーション値/波長の値は、0.21〜0.29の範囲内であることがより好ましく、0.22〜0.28の範囲内であることがさらに好ましく、0.23〜0.27の範囲内であることが特に好ましく、0.24〜0.26の範囲内であることが最も好ましい。
【0072】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(位相差フィルムの作製)
厚さ80μm、幅680mm、長さ500mの光学的に等方性のトリアセチルセルロースフィルム(酢化度60.9±0.2%、レターデーション値6.0nm)を透明支持体として用いた。この透明支持体の両面をケン化処理した後、下記組成の配向膜塗布液A(NH4OHでpHを4〜5に調整)を透明支持体の片面に連続的に塗布、乾燥し、厚さ1μmの配向膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向に対し30°の方向に連続的に配向膜上にラビング処理を実施した。
【0073】
配向膜塗布液A組成
下記の変性ポリビニルアルコール 4質量%
水 72.6質量%
メタノール 23.3質量%
グルタールアルデヒド 0.2質量%
【0074】
【化8】
【0075】
配向膜の上に、下記の組成の塗布液をバーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥および加熱(配向熟成)し、さらに照射量として大気雰囲気下で600mJ/cm2紫外線照射して厚さ2.0μmの光学的異方性層(A)を形成した。光学的異方性層は透明支持体の長手方向に対して30°の方向に遅相軸を有していた。550nmにおけるレターデーション値(Re550)は250nmであった。
光学異方性層(A)用塗布液組成
本明細書中の棒状液晶性化合物(例示化合物 I−4) 38.1質量%
下記の増感剤 A 0.38質量%
下記の光重合開始剤 B 1.14質量%
本明細書中の例示化合物(PX−9) 0.19質量%
グルタールアルデヒド 0.04質量%
メチルエチルケトン 60.1質量%
【0076】
増感剤 A
【化9】
【0077】
光重合開始剤 B
【化10】
【0078】
上記で作製した光学的異方性層(A)の遅相軸に対し−60°であり、かつ光学異方性層(A)の長手方向に対し−30°になるように連続的に光学的異方性層(A)上にラビング処理を施した。
【0079】
ラビング処理した光学的異方性層(A)の上に、下記の組成の塗布液を、バーコーターを用いてラビング処理後に巻き取らずに連続的に塗布、乾燥、および加熱(配向熟成)し、さらに窒素雰囲気下で照射量600mJ/cm2紫外線照射して厚さ1.0μmの光学的異方性層(B)を形成し、位相差板(λ/4板)を作製した。550nmにおける平均レターデーション値(Re550)は131nmであった。
光学異方性層(B)用塗布液組成
本発明の棒状液晶性化合物(例示化合物 I−4) 38.4質量%
増感剤 A 0.38質量%
光重合開始剤 B 1.15質量%
配向制御剤 C 0.06質量%
メチルエチルケトン 60.0質量%
【0080】
配向制御剤 C
【化11】
【0081】
(偏光膜の調整)
PVAフィルムをヨウ素2.0g/L、ヨウ化カリウム4.0g/Lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、特開2002−86554号公報の図2の形態のテンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向に対し特開2002−86554号公報の図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保ち、収縮させながら80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。延伸開始前のPVAフィルムの含水率は31%で、乾燥後の含水率は1.5%であった。
左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
【0082】
さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フイルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レターデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。
得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得ることができた。
【0083】
(円偏光板の作製)
図5のように、上記で作製したヨウ素系偏光フィルム91の片面上に先に作製した位相差板96を積層し、もう一方の面上にケン化処理した防眩性反射防止フィルム97を貼り合わせて、円偏光板92を作製した。偏光板の作製においては、偏光膜と位相差板の長手方向が一致するように貼り合わせて、円偏光板を作製した。
【0084】
(反射型液晶表示装置の作製)
市販の反射型液晶表示装置(「カラーザウルス MI−310」;シャープ(株)製)の偏光板と位相差板を剥ぎとり、代わりに先に作製した円偏光板92を取り付けた。
作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、傷や剥がれ起因のムラは観察されず、色味のないニュートラルグレーが表示されていることがわかった。
【0085】
[実施例2]
実施例1において、光学的異方性層(A)の重合時の照射量を100mJ/cm2とし、光学異方性層(B)の重合時の雰囲気を大気雰囲気とし、さらに照射量を100mJ/cm2とした以外は、実施例1と全く同様にして位相差板および引き続き円偏光板を作製し、該円偏光板を用いて、同様にして反射型液晶表示装置を作製した。作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、剥がれ起因のムラはないものの傷起因のムラが観察された。
【0086】
[比較例1]
実施例1において、光学異方性層(A)の重合時の雰囲気を窒素雰囲気とした以外は実施例1と全く同様にして位相差板および引き続き円偏光板を作製し、該円偏光板を用いて、同様にして反射型液晶表示装置を作製した。作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、傷起因のムラは無いものの剥がれ起因のムラが観察された。
【0087】
[比較例2]
実施例1において、光学異方性層(A)の重合時の雰囲気を窒素雰囲気とし、さらに光学異方性層(B)の重合時の雰囲気を大気雰囲気とするとともに、照射量を100mJ/cm2とした以外は、実施例1と全く同様にして位相差板および引き続き円偏光板を作製し、該円偏光板を用いて反射型液晶表示装置を作製した。作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、傷起因のムラおよび剥がれ起因のムラの両方が観察された。
【0088】
[比較例3]
実施例1において、光学異方性層(B)の重合時に照射量を400mJ/cm2とした以外は実施例1と全く同様にして位相差板および引き続き円偏光板を作製し、該円偏光板を用いて反射型液晶表示装置を作製した。作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、傷起因のムラは無いものの剥がれ起因のムラが観察された。
【0089】
実施例1及び比較例1〜4で作製した位相差板について、引っ掻き硬度を荷重針法で測定した結果、および作製した反射型液晶表示装置の観察結果を表1に示した。尚、引っ掻き硬度測定は新東科学(株)製 連続荷重式 引掻強度試験機(TYPE HEIDON18)を用いて、ダイヤモンド製先端角90°、R=0.025mmの針を使用して実施し、連続して層の剥離が発生し始める荷重を限界荷重として測定した。
【0090】
【表1】
【0091】
表1に示す結果より、積層状態での限界荷重が大きく、下層より上層の硬度が高い方が、反射型液晶表示装置とした場合に膜剥がれ起因の表示ムラが少ないことがわかる。また。傷起因のムラについても上層の引っかき硬度が35g以上で発生が抑えられることがわかる。従って本発明の効果は明らかである。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、密着性に優れ、傷・剥がれが少なく、且つ安価に作製可能な位相差板およびその製造方法、ならびにそれを用いた円偏光板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差板の基本的な構成を示す模式図である。
【図2】本発明の位相差板を用いた円偏光板の基本的な構成を示す模式図である。
【図3】本発明の位相差板を用いた円偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の位相差板を用いた円偏光板の層構成の他の例を示す概略断面図である。
【図5】実施例で作製した円偏光板の層構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
S 透明支持体
G 保護膜
P 偏光膜
A 第1の光学異方性層
B 第2の光学異方性層
s 透明支持体の長手方向
a 第1の光学異方性層の遅相軸
b 第2の光学異方性層の遅相軸
p 偏光膜の透過軸
c1 棒状液晶性化合物
c2 棒状液晶性化合物
91 実施例1で作製した偏光膜
92 実施例1の位相差板を用いた円偏光板
96 実施例1で作製した位相差板
97 防眩性反射防止フィルム
Claims (4)
- 配向処理された透明支持体の配向処理面側に、重合性基を有する液晶性化合物を含む組成物を塗布した後に重合して光学異方性層を形成する工程を少なくとも2回繰り返すことにより作製された位相差板であって、透明支持体に遠い側の光学異方性層が近い側の光学異方性層の硬度よりも高い位相差板。
- 積層した状態での荷重針法による引っ掻き強度が、先端角90°先端曲率0.025mmのダイヤ針を用いた場合に30g以上である請求項1に記載の位相差板。
- 配向処理された透明支持体の配向処理面側に、重合性基を有する液晶性化合物を含む組成物を塗布した後に硬化させて光学異方性層を形成する工程を少なくとも2回繰り返す位相差板の製造方法であって、光学異方性層を硬化させる際に透明支持体に遠い方の光学異方性層の硬度が透明支持体に近い方の光学異方性層の硬度よりも高くなるように硬化させることを特徴とする、位相差板の製造方法。
- 少なくとも、請求項1または2に記載の位相差板と偏光膜とを有する円偏光板。
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