JP2004125463A - 摩耗量測定方法及び摩耗量測定装置 - Google Patents

摩耗量測定方法及び摩耗量測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、摺動部材表面の保護膜におけるナノメーターオーダーの微小な摩耗を正確に求めることが可能な手段を提供することである。
【解決手段】基体と、被覆層とを有する測定試料の表面の摩耗量を測定する方法において、測定試料と同等な標準試料に、励起電離放射線を照射して物質表面から発生する荷電粒子を計測することによって得られる荷電粒子エネルギースペクトルから物質表面の元素を分析する表面元素分析装置を使用し、標準試料表面のスペクトルを作成する。このスペクトルから、複数の元素の信号強度比を求める工程を、標準試料表面をエッチングしながら複数行い、標準試料における複数の元素の信号強度比の分布を示す検量線を作成する。次いで、測定試料表面の荷電粒子エネルギースペクトルを測定し、特定元素の信号強度比を算出し、検量線と照合して、測定試料の摩耗量を決定する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、他の部材との接触によって摩耗を生じる摺動部材において、耐摩耗性の向上を目的として摺動部材表面に形成された保護膜の摩耗、特にナノメーターオーダーの微小な摩耗の測定方法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベアリングや電気回路のスイッチ接点、ハードディスクドライブのヘッドとディスクなど、2つ以上の部材が接触した状態で運動(摺動)したり非連続的に接触する場合には、摩耗による部材の損傷や摩擦抵抗の増加を防ぐため、部材の表面にダイヤモンドライクカーボンなどの耐摩耗性の保護膜を形成することが行われる。この際、保護膜の種類や厚さを含めた設計の最適化、あるいは保護膜が摩耗によって消失するまでの寿命予測のために、保護膜の摩耗量を測定する方法が求められている。
【0003】
もっとも簡便な方法としては、保護膜を形成した摺動部材にプリズムあるいはピンなどを接触させ、これらを相対的に往復運動させることによって生じた摩耗を観察する方法がある。この方法では摩耗部の面積やピンの変位から摩耗量を知ることができるが、少なくともミクロンオーダーの摩耗量にならないと測定できない。また、摺動条件が実際に保護膜が使われる環境と大きく異なるため、保護膜の実効的な硬度や摩耗のメカニズム自体が実際とは異なるといった問題点があり、ハードディスクドライブなどに使われる厚さ10nm以下の保護膜の測定には適さない。
【0004】
実際の使用時と同じ構造および環境で摩耗した部材の測定に使える方法としては、光学式形状評価装置を用いる方法がある。これは摩耗面の形状変化として摩耗量を求める方法で、摩耗が局所的な場合や元々凸だった場所が摩耗する場合には、1nm以下の精度で摩耗量を求めることできる。ただし、摩耗面が元の表面と平行に近い場合や、摩耗面の凹凸形状の個体差が大きい場合には、精度の高い測定は期待できない。
【0005】
上記のような形状変化によって摩耗を測定する方法に対し、保護膜の厚さが薄い場合には、摺動後の保護膜厚から摩耗量を測定する方法が考えられる。この方法であれば、摩耗面が元の表面と平行であっても、また表面形状に多少の個体差があっても、膜厚測定の精度で摩耗量を測定することができる。 特に上に述べた10nm程度の膜厚測定には、 試料にX線を照射して試料から放出される光電子を検出するX線光電子分光法(XPS)や、試料に電子線を照射して試料から放出されるオージェ電子を検出するオージェ電子分光法(AES)といった表面分析手法が適用できる。
【0006】
X線光電子分光法を用いた膜厚測定では、膜に含まれる元素の信号と下地に含まれる元素の信号の比を測定し、この比と膜厚の関係を表す理論式を用いて膜厚を求めるのが一般的な方法である。通常、この理論式は急峻な界面を持つ層構造をモデル化したもので、光電子の平均自由工程など材料によって決まるパラメータは、あらかじめ膜厚が既知の標準試料を測定することによって求めておく。このように理論式には近似や仮定が含まれること、標準試料と測定試料が厳密に同じとは限らないことなどの理由により、1nm以下の確度を保証することが難しく、微小な摩耗量すなわち膜厚減少を測定するには不十分である。
【0007】
一方、オージェ電子分光法を用いて膜厚測定を行う場合には、スパッタエッチングを併用して元素の深さ方向分布を測定し、膜に含まれる元素の立ち下り、あるいは下地に含まれる元素の立ち上がりまでのスパッタ時間から膜厚を求めるのが一般的な方法である。スパッタ時間から膜厚への変換にはスパッタエッチング速度が必要となるが、これはあらかじめ膜厚が既知の標準試料を測定するか、触針式段差計でスパッタエッチング部の深さを測定することによって求める。この方法も標準試料と測定試料が厳密に同じとは限らないうえ、両試料の測定間におけるスパッタエッチング速度の変動がそのまま膜厚の変動に反映されるため、高精度な摩耗測定には適さない。
以上のように、ナノメーターオーダーの微小な摩耗測定を行うことは、従来の方法では困難である。
【0008】
【特許文献】特開平9−27112号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来技術における問題点を解決するもので、摺動部材表面の保護膜におけるナノメーターオーダーの微小な摩耗を正確に求めることが可能な、微小摩耗測定方法およびそのための装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、下地材料上に表面層を形成した測定試料の表面磨耗量を測定する磨耗量測定方法であって、
実質的に磨耗する前の前記測定試料と同一な層構造の標準試料を膜厚方向にエッチングして擬似磨耗すると共に、エッチング中の前記標準試料に励起電離放射線を照射して前記標準試料から発生する荷電粒子を検出することによって得られる前記標準試料の下地層の元素に起因する信号強度と前記標準試料の表面層の元素に起因する信号強度との比率を繰返し記録し、前記標準資料の擬似磨耗量と前記比率との関係を得る標準試料検出工程と、
表面磨耗後の前記測定試料に前記励起電離放射線を照射して前記測定試料から発生する荷電粒子を検出することで得られる前記測定試料の下地層の元素に起因する信号強度と前記測定試料の表面層に起因する信号強度との比率を検出する測定試料検出工程と、
前記標準試料検出工程で得られた前記関係と前記測定試料検出工程で検出された比率とを照合することにより、磨耗後の前記測定試料表面の位置情報を得る工程とを有する特徴とする磨耗量測定方法である。
【0011】
前記第1の本発明において、前記エッチング中に荷電粒子を検出する過程は、エッチングと同時に検出を行う場合だけでなく、エッチング工程とエッチング工程との間に検出する過程であっても良い。
また、前記第1の本発明において、前記下地材料は、表面層を支持する基板であっても良いし、基板と表面層との間に形成される下地層であっても良い。
【0012】
前記第1の本発明において、前記信号強度比を計測する観測元素として、前記標準試料の複数の層に属する3種の元素を対象とすることによって、測定可能な膜厚方向の範囲を広げることが可能になり、好ましい。
【0013】
また、前記第1の本発明において、前記標準試料のエッチングを、スパッタエッチング法を用いて行うことが、高い精度で摩耗量を決定できることから望ましい。
【0014】
さらに、前記第1の本発明において、前記測定試料表面を、予め所定深さまでエッチングした後、前記表面元素分析装置を使用して測定試料表面の荷電粒子エネルギースペクトルを作成し、前記荷電粒子エネルギースペクトルから前記複数の観測元素の信号強度比を算出し、前記検量線と照合することにより、前記測定試料の摩耗量を決定する工程を有することができる。
例えば、磨耗量が少なく下層の信号が検出されない場合、すなわち表面層の膜厚が厚すぎて判定可能な範囲外にある場合でも、この方法を採用することで磨耗量を測定することが可能になる。
【0015】
また、前記第1の本発明において、前記測定試料の摩耗領域と、前記測定試料と同一の部材上に配置され、同一の層構成を有する摩耗していない領域とに対し、同時にスパッタエッチングを行った後、この2つの領域の前記荷電粒子エネルギースペクトルから前記前記複数の観測元素の信号強度比を算出し、前記検量線と照合することにより、前記測定試料の摩耗領域および非摩耗領域における前記複数の観測元素の信号強度比算出し、この両領域の見かけの摩耗量の差から、前記測定試料の摩耗領域の摩耗量を決定することができる。
この方法によれば、前記複数の元素の信号強度比の値と摩耗量の値とが1:1に対応していない領域の摩耗量についてもさらに確度高く測定することが可能になる。
【0016】
第2の本発明は、試料に励起電離放射線を照射して前記試料表面から発生する荷電粒子を計測する手段と、
前記荷電粒子計測手段からの出力信号を基に荷電粒子エネルギースペクトルを作成する手段と、
前記荷電粒子エネルギースペクトルから、前記試料を構成する複数の元素の信号強度を算出し、前記複数の元素の信号強度の値から信号強度比を算出する手段と、
前記複数の元素の信号強度比と、前記荷電粒子エネルギースペクトルを観測した前記試料の深さ位置情報とを関連づけた検量線を作成し、記録する手段と、
測定試料の前記荷電粒子エネルギースペクトルから算出する前記複数の元素の信号強度比の値とを測定する手段と、
前記測定試料の前記複数の元素の信号強度比の値と、前記検量線のデータから、前記測定試料の摩耗量を算出する手段を備えたことを特徴とする摩耗量測定装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の測定方法の原理について説明する。
本発明による摩耗測定方法は、X線光電子分光法あるいはオージェ電子分光法などの分析手法を用いて得られる、表面層からの信号と基体層からの信号の強度比を、理論式ではなく、実際に測定して得られた強度比の深さ方向変化、すなわち深さ方向分布と比較することによって摩耗量に変換するものである。
【0018】
本発明の原理を示す図1により説明する。図1(a)は、本発明において摩耗量の測定を行う試料の1例を模式的に示したものである。図1(a)において、2層を有する試料を例にとって示すと、試料は、摩耗表面となる表面層Aと基体となる下地層Bとからなっており、表面層Aは元素Aを含んでおり、一方下地層Bには、元素Bを含んでいるとする。この試料について、表面層から順次、X線光電子分光分析法(XSP)や、オージェ電子分光法(AES)など、励起電離放射線を試料表面に照射して、この試料表面から発生する荷電粒子を計測し、そのエネルギー分布のスペクトルを作成し、その荷電粒子エネルギースペクトルから、着目する元素についてその信号強度を測定する。その後、その表面層をスパッタリングなどの方法によりエッチングし、新たな表面について、さらに荷電粒子エネルギースペクトルを測定して、着目した元素について信号強度を測定し、これを、初期の試料表面からの距離に対してプロットすると、図1(b)のようなグラフができる。この図1(b)の線図は、下地層Bに含有される元素Bについて、その信号強度を表面からの深さに対してプロットしたものである。この図は、表面層Aと下地層Bとの界面が整然と区分されており、かつ荷電粒子エネルギースペクトルの測定が理想的に行われた場合を示すものであり、現実的には、試料の製造段階で、表面層Aの元素Aと下地層Bの元素Bとが相互に転移して界面に乱れが生じたり、あるいは、スパッタリングにより、元素の転移が発生するなどの要因により、表面層Aと下地層Bとの界面における信号の立ち上がりが鈍り、図1(c)のような漸増する傾向を示す。このような、現実的な線図は、試料の作製過程および試料の観測条件が一定であれば、極めて優れた再現性を示す。図1(c)に見られるように、線図の立ち上がりから、飽和するまでの過程においては、特定元素の信号強度が分かれば、その強度に対応する表面からの深さが判明することになる。
【0019】
このように測定すべき試料について、これと同等の標準試料を準備し、この標準資料を基に図1(c)のような検量線を作成しておけば、摩耗した試料の表面の荷電粒子エネルギースペクトルを測定し、特定元素についてその信号強度を求めれば、その強度に対応する表面からの深さすなわち摩耗量が検量線から求められることになる。
ところで、図1(c)に示すグラフにおいては、特定元素の信号強度の絶対値によって摩耗量に換算することになるが、この信号強度の絶対値は、荷電粒子エネルギースペクトルの観測条件に敏感でわずかな変動によっても信号強度の絶対値は大きく変動するため、必ずしも十分な信頼性があるとは言い難い。そこで、2種以上の元素について信号強度を測定し、これらの信号強度比を算出すれば、観測条件による変動要因を低下させることができ、信頼性のある値を得ることが可能となる。
また、測定試料が3層以上の層構成を有する場合には、3以上の元素に着目して荷電エネルギースペクトルから信号強度を測定し、2以上の検量線を作成することもできる。この方法に依れば、図5(b)に示すように単一の検量線においては判定不可能な領域についても判定を可能とすることができる。
【0020】
このように、本発明の方法に依れば、理論式で問題となる近似や仮定の影響を受けることなく、高い確度で摩耗量を得ることができる。また強度比の深さ方向分布を、評価試料と同一の保護膜である表面層を有する同一構造の標準試料について、測定試料の測定と同じ分析手法で測定することにより、測定試料と標準試料間の膜厚や組成の違いに由来する誤差の発生を防ぐことができる。
【0021】
また、上記の深さ方向分布において、下地層からの信号が検出されない深さ、すなわち強度比が一定となる深さが存在する場合、測定試料の摩耗量がこの深さの範囲にあると、強度比を摩耗量に変換することができない。このような場合、強度比が変化する深さの範囲にまで、あらかじめ測定試料の保護膜である被覆層をスパッタエッチングすることにより、強度比を摩耗量に変換することができる。こうして得られた見かけの摩耗量(実際の磨耗量とエッチング量)と、あらかじめ求めたスパッタエッチング速度にスパッタ時間をかけて得られるスパッタエッチング量との差から、実際の摩耗量を得ることができる。
【0022】
ただし、上記のスパッタエッチングを用いる方法では、スパッタエッチング条件の変動により、スパッタエッチング速度があらかじめ求めた値からずれて、測定精度が低下する可能性がある。しかし、測定試料中に磨耗領域(例えば摺動して磨耗している可能性のある領域)と非磨耗領域(例えば摺動する恐れの無く、磨耗しない領域)とが存在する場合には、2つの領域における見かけの摩耗量の差から、評価したい領域の実際の摩耗量を正確に求めることができる。すなわち保護膜が摩耗していない領域を摩耗ゼロの基準にすることで、スパッタエッチング速度の変動の影響を抑え、微小な摩耗量を高精度に評価することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態である、摩耗量測定試料、測定方法および測定装置について順次説明する。
[試料]
本発明を適用して摩耗量を測定するのに適した試料としては、前述したようにベアリングや電気回路のスイッチ接点、ハードディスクドライブのヘッドとディスクなど、2つ以上の部材が接触した状態で摺動したり非連続的に接触することによって生じる摩耗による部材の損傷や摩擦抵抗の増加を防ぐため、部材の表面にダイヤモンドライクカーボンなどの耐摩耗性の保護膜を形成した部材が適している。また、基体となる材料と保護膜との接着性が悪い場合に、基体材料と保護膜を接着する材料層を形成した構造物にも適用することができる。このような構造物において、接着層および保護膜の膜厚としては、50nm程度以下のものが好ましい。これらの膜厚が、この範囲を超える場合には、表面保護膜とこの保護膜と接している基体層あるいは接着層との界面付近まで、表面保護層をエッチング除去しなければならないが、そのエッチングによって除去される膜厚の誤差が大きくなり、結果的に測定される摩耗量の測定値の誤差が大きくなって実用的ではない。また、表面保護層の厚さは、特に限界があるわけではなく、0.1nm程度までは、十分な精度で測定可能である。
【0024】
本発明は、極めて微小な摩耗を正確に測定するのに適しており、例えば、5nm程度までの摩耗を測定するのに最適である。10nmを越える摩耗についても測定は可能であるが、この程度の摩耗は、他のより簡便な測定手段によっても測定可能な領域であり、本発明の特徴を生かすには、5nm以下の摩耗を有する試料の測定が好ましい。
【0025】
本発明を適用する試料としては、前述のように基材とその表面を保護するための被覆と、さらに必要であればその界面に配置される接着層を有するものであり、これらの各層の界面は、平坦であることが望ましい。また、各層は、それぞれ異なった元素を含有していることが、必要である。この異なった各観測元素はそれぞれの各層において主要な構成元素であることが望ましい。観測元素が、各層において占める割合が小さいと、観測される荷電粒子エネルギースペクトルから算出する信号強度が小さくなり、結果的に誤差が大きくなってしまう。
【0026】
本発明においては、測定試料と、標準試料を使用して摩耗量の測定を行うが、この測定試料と標準試料とは、元素組成、層構成、層厚さなどの条件が同等であることが望ましく、そのためには、標準試料は、測定試料と同一の工程によって形成された試料であることが好ましい。
【0027】
[測定方法]
本発明の摩耗量測定方法について、説明する。
本測定方法は、標準試料について、元素分析手法により表面層から深さ方向にかけて複数層の荷電粒子エネルギースペクトルを観測し、特定元素の信号強度比と深さ方向の位置情報の関係を示す検量線を作成する過程、および実際の測定試料について荷電粒子エネルギースペクトルを観測し、その荷電粒子エネルギースペクトルから特定元素について信号強度を測定し前記検量線から深さ方向の位置情報を決定し、摩耗量とするものである。
【0028】
この方法においては、摩耗量を測定するための測定試料と、この測定試料と同一の組成、同一の層構成、および同一の製造方法によって製造された標準試料を準備する。
【0029】
まず、標準試料を用いて、摩耗量と特定元素の信号強度比の関係を示す検量線を作成する。
すなわち、X線光電子分光分析法(XSP)や、オージェ電子分光法(AES)など、励起電離放射線を標準試料表面に照射して、この標準試料表面から発生する荷電粒子を計測し、そのエネルギー分布のスペクトルを作成する。オージェ電子分光法によって得られる荷電粒子エネルギースペクトルの1例を図4に示す。図4(a)は、運動エネルギー800eVまでの領域を測定したもので、図4(b)は、摩耗量の異なる5試料の運動エネルギー約115eVまでの領域を測定し重ね合わせて表示したものである。
【0030】
図4の荷電粒子エネルギースペクトルにおいて、観察されるピークが元素に対応しているが、ピークの運動エネルギーから、元素を特定し、信号強度を測定することができる。信号強度を決定する方法としては、荷電粒子エネルギースペクトルを微分してpeak−to−peak強度を測定する方法や、バックグラウンドを排除したピークの面積を信号強度とする方法、および荷電粒子エネルギースペクトルをスムージング処理した後その荷電粒子エネルギースペクトルのピークの高さを信号強度とする方法などの手法がある。これらの手法は、いずれも、オージェ電子分光法(日本表面科学会編、2001、丸善株式会社)などの文献に見られるように公知の手法である。本発明においては、本発明の試料においては信号強度がゼロになる場合があるが、この場合の処理が容易であること、および深さ方向で信号強度が大きく変化するため、信号強度が大きく変化するため、磨耗量測定の精度がよくなることから、前記第3の方法であるスムージング処理後の荷電粒子エネルギースペクトルのピーク高さから信号強度を測定することが好ましい。
【0031】
次いで、これによって得られる元素の信号強度のデータから、特定元素の信号強度比を算出して、測定した標準試料における表面からの深さに対応する特定元素の信号強度比値として記録する。
【0032】
次いで、この標準試料について、その表面の所定厚さをエッチングし、新たに生成した表面について、前記工程と同等の手段により特定元素の信号強度比を測定する。そして、得られた値を、エッチング深さ、すなわち、試料表面からの距離に対応する特定元素の信号強度比のデータとして、前記同様記録しておく。この工程を複数回繰り返し、信号強度比と磨耗量との関係を示すグラフを作成する。
【0033】
この工程を図で示す。すなわち、図4の荷電粒子エネルギースペクトルから求められる試料を構成する元素の内の特定元素の信号強度を図5(a)に示す。図5(a)において、横軸は、標準試料をスパッタリングによりエッチングする場合のスパッタリング時間を示している。このスパッタリング時間は、スパッタリング速度を一定とする条件でスパッタリングを行えば、試料表面からの深さに比例することになり、容易に深さ情報に換算可能である。
【0034】
次いで、図5(a)に示すスパッタリング時間と特定の元素の信号強度のデータから、図5(b)に示すような特定の元素の信号強度比と磨耗量との関係を示すグラフすなわち検量線を作成する。この検量線は、図5(a)の横軸を表面からの距離に換算し、かつ、特定の元素の信号強度の比を算出してプロットすることによって作成することができる。
【0035】
次いで、摩耗量測定の試料となる測定試料について、前記標準試料と同様にして、その表面に励起電離放射線を照射して前記測定試料表面から発生する荷電粒子を計測することによって荷電粒子エネルギースペクトルを作成し、前記荷電粒子エネルギースペクトルから前記複数の観測元素の信号強度比を算出する。そして得られた、特定元素の信号強度比の値を、前記検量線と照合して、前記測定試料の摩耗量を決定することができる。
【0036】
上記説明においては、試料の荷電粒子エネルギースペクトル、エッチング時間と信号強度の関係、検量線などをグラフを作成して、説明したが、これらは説明を容易にするために行ったもので、実際には電子計算機などを用いて電子的に行なうことが好ましい。
【0037】
次に、測定試料の摩耗量が小さく、測定試料表面の荷電粒子エネルギースペクトル測定からは、図1(c)における判定可能範囲の信号強度比が観測されないような場合の摩耗量を測定する方法について説明する。
この方法は、摩耗量の小さな測定試料表面を、所定の厚さだけスパッタリングなどによりエッチングし、その新たな表面について荷電粒子エネルギースペクトルを測定し、その荷電粒子エネルギースペクトルから求めた特定元素の信号強度比値を用いて、検量線から対応する深さを求め、エッチングした厚さを差し引いて摩耗量を決定する。この場合、スパッタリング量の精度が摩耗量測定精度に影響を及ぼすため、測定試料をスパッタリングによりエッチングする際に、摩耗していない領域についても同時にエッチングしこれを基準として摩耗量を算出することもできる。すなわち、測定試料についての摩耗量の算出値をDとし、基準点の摩耗量をRとした場合に、実際の測定試料の摩耗量は、D−Rとなる。この方法に依れば、エッチング条件の変動に関わりなく、確度の高い測定値が得られる。
【0038】
[摩耗量測定装置]
本発明の摩耗量測定装置は、試料に励起電離放射線を照射して前記試料表面から発生する荷電粒子を計測する手段と、前記荷電粒子計測手段からの出力信号を基に荷電粒子エネルギースペクトルを作成する手段と、前記荷電粒子エネルギースペクトルから、前記試料を構成する複数の元素の信号強度を算出し、前記複数の元素の信号強度の値から信号強度比を算出する手段と、前記複数の元素の信号強度比と、前記荷電粒子エネルギースペクトルを観測した前記試料の深さ位置情報とを関連づけた検量線を作成し、記録する手段と、測定試料の前記荷電粒子エネルギースペクトルから算出する前記複数の元素の信号強度比の値とを測定する手段と、前記測定試料の前記複数の元素の信号強度比の値と、前記検量線のデータから、前記測定試料の摩耗量を算出する手段を備えたものである。
【0039】
具体的な本発明の摩耗量測定装置を図7に示す。
図7において、71は、本発明の摩耗量測定装置全体を制御しまた所要の演算を行うための制御演算装置であり、いわゆる電子計算機を用いることができる。この制御演算装置には、荷電粒子エネルギースペクトル測定装置72および記憶装置73、入出力装置74が接続されている。
荷電粒子エネルギースペクトル測定装置71は、試料に励起電離放射線を照射して前記試料表面から発生する荷電粒子を計測することによって、荷電粒子のエネルギー分布の荷電粒子エネルギースペクトルを測定する装置であり、このような装置としては、前述したように、X線光電子分光分析法(XSP)や、オージェ電子分光法(AES)などとして市販されている装置を用いることができる。この装置からの出力信号である荷電粒子エネルギースペクトルは、ディジタル信号として制御演算装置71に入力される。
この入力された荷電粒子エネルギースペクトルデータは、記憶装置73に入力され、荷電粒子エネルギースペクトル測定の条件、すなわち、標準試料の荷電粒子エネルギースペクトル、測定試料の荷電粒子エネルギースペクトルの別、あるいは、測定表面の位置情報、すなわち、エッチング除去した膜厚情報と関連づけられて記録されている。
【0040】
そして、前記記録装置73に記録されている複数の標準試料の荷電粒子エネルギースペクトルデータのデータは、制御演算装置71に転送され、荷電粒子エネルギースペクトルを微分してpeak−to−peak強度を測定する方法や、バックグラウンドを排除したピークの面積を信号強度とする方法、および荷電粒子エネルギースペクトルをスムージング処理した後その荷電粒子エネルギースペクトルのピークの高さを信号強度とする方法などの特定元素の信号強度を決定する手法を具現化したアルゴリズムに従って、特定の元素の信号強度が算出され、これに基づいて検量線が作成される。この検量線は、図5(b)に示すようなグラフとして作成もできるが、磨耗量に対する信号強度比の値とを関連づけた換算表のような電子計算機上のテーブルとして作成することも可能である。さらに、この検量線の線図が、関数に近似することができる場合には、近似関数として記録しても良い。
図7において74は、入出力装置であり、これは、この測定の条件等を入力し、また測定結果を出力するために用いられ、電子計算機のキーボードおよびCRTなどの画像文字表示装置で実現することができる。
【0041】
また、本発明の摩耗量測定装置は、汎用の電子計算機と、汎用の分光分析装置を組み合わせ、前記本発明の摩耗量測定装置の機能をソフトウエアによって実現することができる。一方、各機能をそれぞれ専用のハードウエアで製作し、専用の制御装置によって制御する専用機として実現することもできる。
【0042】
【実施例】
以下に本発明の実施例として、オージェ電子分光法を用いたハードディスクドライブのヘッド保護膜の摩耗測定を、図2ないし図6を参照しながら説明する。
【0043】
図2は本発明に係るハードディスクドライブのヘッド付近の構造および動作時の様子を表す概略図である。図2に示すように、ハードディスクドライブのヘッドアーム1の先端にはスライダ2が固定されており、その一端に磁気情報の再生/書き込みを行うリード/ライト素子5が作製されている。またスライダ2の表面には、ヘッドとディスクの間を流れる気流を利用してスライダ2の姿勢を制御するためのパッドが設けられており、各々に耐摩耗性のダイヤモンドライクカーボン膜(流入側パッド)3およびダイヤモンドライクカーボン膜(流出側パッド)4が成膜されている。図3はハードディスクドライブの動作時におけるスライダ2とディスク表面7の位置関係を示したもので、リード/ライト素子5付近を拡大している。この図はヘッドとディスク表面7の間に空間がある浮上型ヘッドの動作中の様子を示しているが、この浮上量は製品レベルで10nm前後、開発品では8nm程度まで小さくなっており、ディスク表面7の微小な凹凸や異物との接触、あるいは動作開始/終了時の不安定姿勢によるディスクとの衝突の可能性がある。さらに現在開発レベルの接触型ヘッドでは、ヘッドとディスクが常時接触した状態で動作する。このような動作中の接触や衝突により、スライダ2に設けられたダイヤモンドライクカーボン膜(流出側パッド)4は徐々に摩耗し、最終的にリード/ライト素子5が露出、酸化してしまうとハードディスクドライブとして動作不能になる。本実施例のハードディスクヘッドでは、このダイヤモンドライクカーボン膜(流出側パッド)4の膜厚は6nm、またこの膜とスライダ2の密着性を向上させるためのシリコン層6の厚さは2nmであり、加速条件下で1ヶ月間の摺動試験を行った後にこれらの膜の摩耗量を測定した。
【0044】
図4は本発明の実施例に係るオージェ電子スペクトル分析例と、摩耗量による荷電粒子エネルギースペクトル変化の例である。図4(a)は、薄くなったダイヤモンドライクカーボン膜(以後DLC膜)を通してシリコン層6のSiやスライダ2に含まれるAl、Ti、Oが検出されていることを示すオージェ電子スペクトルである。横軸は電子の運動エネルギー、縦軸は検出された電子の数を表しており、大きなバックグランドのうえに、C、Si、Al、Ti、Oに帰属されるオージェ電子ピークが認められる。図4(b)は摩耗量によるオージェ電子スペクトルの変化を示した例である。重ね描きされた荷電粒子エネルギースペクトルは下から順に摩耗量が大きくなっており、摩耗量が大きくなるにつれてSiのピーク強度が増加し、さらに下地のAlが検出され始めると弱くなることが分かる。
【0045】
図5は本発明の実施例に係る標準試料の信号強度および信号強度比の深さ方向分布の例である。図5(a)は評価した摺動試験後ヘッドと同一ロットで未摺動のヘッドを標準試料とし、C、O、Siの信号強度の深さ方向分布を測定したものである。本実施例bにおいては、スムージング後の荷電粒子エネルギースペクトルにおけるピーク高さを用いた。またDLC膜とシリコン層の界面に相当するスパッタ時間8については、客観的に決められるという理由から、Siの信号強度が最大となるスパッタ時間4.5分とした。図5(b)は図5(a)を元に作成した各元素の強度比の深さ方向分布であり、横軸は摩耗量に変換している。このように測定試料とまったく同じ膜構造をもつ標準試料から求めた強度比と摩耗量の対応を用いることにより、膜構造のばらつきやスパッタエッチング速度の変動に由来する誤差を抑制することができる。なお、この図から分かるように、評価試料の摩耗量が3.3nm以下の場合にはSiのピークが検出されないため、その場合はSiが検出されるまで、あらかじめスパッタエッチングを行っておく。
【0046】
図6は本発明の実施例に係る摩耗量の測定場所を表す走査電子顕微鏡像と、各測定場所において得られた摩耗量を示す表である。図6に示す点aから点iまでの9点について摩耗量を評価したが、摩耗量が少なく、そのままではSiが検出されなかったため、あらかじめ約2.5分間のスパッタエッチングを行ってからオージェ電子スペクトルを測定した。またその際、ディスクと接触する可能性がない流入側のダイヤモンドライクカーボン膜3も同時にスパッタエッチングを行い、流入側パッド上の摩耗していない基準点を摩耗量ゼロの基準として用いた。この方法によって得られる各測定点の摩耗量を表1に示す。表1、は上記の各測定点における信号強度比と、これを標準試料の深さ方向プロファイルと比較することによって得られた摩耗量の表である。apparentはスパッタエッチング後にそのまま求めた見かけの摩耗量、realは基準点の摩耗量がゼロだったとして求めたスパッタエッチング前の実際の摩耗量である。この表から、ヘッドのDLC膜の摩耗量は場所によって異なるが最大2.5nmであり、図6の画像でヘッドの右側を中心とした偏摩耗を生じていることが分かる。
【0047】
【表1】
Figure 2004125463
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、薄い保護膜をもった摺動部材における1nm以下の微小摩耗を高精度に測定することができる。またこれにより、保護膜の摩耗寿命の予測精度が向上するうえ、摩耗寿命予測や保護膜材料の選定、摺動部材の形状検討に必要な試験期間を大幅に短縮することが可能になる。さらに1μm以下の微小領域の分析が可能なオージェ電子分光法を用いる場合には、摩耗面上の複数の点について摩耗量を測定することにより、場所による摩耗量の違い、すなわち偏摩耗の有無を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す概念図。
【図2】本発明の実施例に係るハードディスクドライブのヘッド付近の構造を表す概略図である。
【図3】本発明の実施例に係るハードディスクドライブのヘッド付近の動作時の様子を表す概略図である。
【図4】本発明の実施例に係るオージェ電子スペクトル分析例と、摩耗量による荷電粒子エネルギースペクトル変化の例である。
【図5】本発明の実施例に係る標準試料の信号強度および信号強度比の深さ方向プロファイル例である。
【図6】本発明の実施例に係る摩耗量の測定場所を表す走査電子顕微鏡像と、各測定場所において得られた摩耗量を示す表である。
【図7】本発明の摩耗量測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1…ヘッドアーム
2…スライダ
3…ダイヤモンドライクカーボン膜(流入パッド側)
4…ダイヤモンドライクカーボン膜(流出パッド側)
5…リード/ライト素子
6…シリコン層
7…ディスク表面
8…ダイヤモンドライクカーボン膜とシリコン層の界面に相当するスパッタ時間
9…ダイヤモンドライクカーボン膜とシリコン層の界面に相当する摩耗深さ
10…制御演算装置
11…スペクトル測定装置
12…記憶装置
13…入出力装置

Claims (5)

  1. 下地材料上に表面層を形成した測定試料の表面磨耗量を測定する磨耗量測定方法であって、
    実質的に磨耗する前の前記測定試料と同一な層構造の標準試料を膜厚方向にエッチングして擬似磨耗すると共に、エッチング中の前記標準試料に励起電離放射線を照射して前記標準試料から発生する荷電粒子を検出することによって得られる前記標準試料の下地層の元素に起因する信号強度と前記標準試料の表面層の元素に起因する信号強度との比率を繰返し記録し、前記標準資料の擬似磨耗量と前記比率との関係を得る標準試料検出工程と、
    表面磨耗後の前記測定試料に前記励起電離放射線を照射して前記測定試料から発生する荷電粒子を検出することで得られる前記測定試料の下地層の元素に起因する信号強度と前記測定試料の表面層に起因する信号強度との比率を検出する測定試料検出工程と、
    前記標準試料検出工程で得られた前記関係と前記測定試料検出工程で検出された比率とを照合することにより、磨耗後の前記測定試料表面の位置情報を得る工程とを有する特徴とする磨耗量測定方法。
  2. 前記エッチングは、スパッタエッチング法を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の摩耗量測定方法。
  3. 前記測定試料検出工程の前に、磨耗後の前記測定試料表面を、予め所定深さまでエッチングすることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の摩耗量測定方法。
  4. 前記測定試料は磨耗領域と非磨耗領域とを有しており、
    前記磨耗量測定工程の前に、前記磨耗領域及び前記非磨耗領域に対して膜厚方向にエッチングして擬似磨耗する工程をさらに有し、
    前記測定試料検出工程は、エッチング後の前記磨耗領域及び前記非磨耗領域に励起電離放射線を照射して前記測定試料から発生する荷電粒子を検出することによって得られる前記測定試料の下地層の元素に起因する信号強度と前記標準試料の表面層の元素に起因する信号強度との比率をそれぞれ測定し、
    前記標準試料検出工程で得られた前記関係と前記比率とを照合することにより、前記磨耗領域及び前記非磨耗領域の見かけの磨耗量を得、それぞれの前記見かけの磨耗量の差から、前記測定試料の磨耗領域の磨耗量を得ることを特徴とする請求項1乃至4記載の磨耗量測定方法。
  5. 試料に励起電離放射線を照射して前記試料表面から発生する荷電粒子を計測する手段と、
    前記荷電粒子計測手段からの出力信号を基に荷電粒子エネルギースペクトルを作成する手段と、
    前記荷電粒子エネルギースペクトルから、前記試料を構成する複数の元素の信号強度を算出し、前記複数の元素の信号強度の値から信号強度比を算出する手段と、
    前記複数の元素の信号強度比と、前記荷電粒子エネルギースペクトルを観測した前記試料の深さ位置情報とを関連づけた検量線を作成し、記録する手段と、
    測定試料の前記荷電粒子エネルギースペクトルから算出する前記複数の元素の信号強度比の値とを測定する手段と、
    前記測定試料の前記複数の元素の信号強度比の値と、前記検量線のデータから、前記測定試料の摩耗量を算出する手段を備えたことを特徴とする摩耗量測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007033291A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Mitsutoyo Corp 粗さ標準片及びその製造方法
JP2015004604A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 住友金属鉱山株式会社 有機物試料の深さ方向分析方法

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