JP2004124889A - 散気設備の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】送風機の吐出側の圧力損失を低減することによって、送風機を運転する際の消費電力を低減することが可能な散気設備の運転方法を提供する。
【解決手段】散気用の空気を、送風機3の吸込側Bから吸い込んで、送風機3の吐出側Aへ吐出し、弁体を開方向へ付勢するカウンターウェイトを備えた低圧力損失型の逆止弁4を通して、散気装置2へ送風し、この際、送風機3の吸込側Bに設けた流量調節手段6を用いて空気の吸込量を調節することにより、送風機3から散気装置2へ吐出される空気の送風量を調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】散気用の空気を、送風機3の吸込側Bから吸い込んで、送風機3の吐出側Aへ吐出し、弁体を開方向へ付勢するカウンターウェイトを備えた低圧力損失型の逆止弁4を通して、散気装置2へ送風し、この際、送風機3の吸込側Bに設けた流量調節手段6を用いて空気の吸込量を調節することにより、送風機3から散気装置2へ吐出される空気の送風量を調節する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、下水処理場等に設けられる散気設備の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5に示すように、下水処理場には、エアレーションタンク内の活性汚泥中の微生物に空気を供給するための散気設備51が設けられている。この散気設備51は、散気装置52へ散気用の空気を送風する送風機53(ブロワ)と、この送風機53の吐出側Aと上記散気装置52との間に設けられた流量調節弁54および逆止弁55ならびに電動仕切弁56とで構成される。上記送風機53と流量調節弁54と逆止弁55と電動仕切弁56とはそれぞれ複数台設置されており、上記送風機53と流量調節弁54と逆止弁55と電動仕切弁56とを1台ずつ直列に接続したものを1組として、複数組並列に接続されている。尚、各送風機53の吸込側B(上流側)には空気濾過器57(又は濾過室)が取付けられている。
【0003】
尚、上記逆止弁55は、弁体が弁箱内に設けられたヒンジピンの回りを回動可能に吊り下げられており、空気の流れの向きにより上記弁体が回動して弁座の弁口を開又は閉にするスイング式のものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これによると、各電動仕切弁56を全開し、各送風機53を運転することにより、空気は、空気濾過器57を通って各送風機53に吸い込まれた後、各送風機53から各流量調節弁54を通過して各逆止弁55へ吐出される。これにより、各逆止弁55の弁体が開き、上記各送風機53から吐出された空気は、各流量調節弁54と各逆止弁55と各電動仕切弁56とを通って散気装置52へ送られ、散気装置52からエアレーションタンク内へ供給される。この際、各流量調節弁54の弁体の開度を変えることによって、散気装置52へ送られる空気の流量を調節していた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−229480号公報 (図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、上記逆止弁55の圧力損失が大きいため、送風機53の吐出側Aの負荷が増大した。さらに、送風機53の吐出側Aにおいて、流量調節弁54で流量調節を行っているため、流量調節弁54を絞った場合、送風機53の吐出側Aの負荷がより一段と増大して、送風機53の吐出圧力P2が増加し、これにより、送風機53の消費電力が増加するといった問題があった。
【0007】
尚、上記送風機53の消費電力は、流体が水(非圧縮性流体)ではなく空気(圧縮性流体)であるため、ほとんど下流側(吐出側A)の負荷(吐出圧力P2)によって決まり、上流側(吸込側B)の負荷にはほとんど無関係である。
【0008】
本発明は、送風機の吐出側の負荷を低減することによって、送風機を運転する際の消費電力を低減することが可能な散気設備の運転方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、散気用の気体を、送風機の吸込側から吸い込んで、送風機の吐出側へ吐出し、弁体を開方向へ付勢する付勢手段を備えた低圧力損失型逆止弁を通して、散気装置へ送風し、この際、上記送風機の吸込側に設けた流量調節手段を用いて上記気体の吸込量を調節することにより、送風機から散気装置へ吐出される気体の送風量を調節するものである。
【0010】
これによると、送風機を運転することにより、気体は、吸込側から送風機に吸い込まれた後、送風機から低圧力損失型逆止弁へ吐出される。これにより、低圧力損失型逆止弁の弁体が開き、上記送風機から吐出された気体は、逆止弁を通って散気装置へ送られる。この際、流量調節手段によって気体の吸込量を調節することで、送風機から散気装置へ吐出される気体の送風量が調節される。
【0011】
また、低圧力損失型逆止弁の弁体は付勢手段によって開方向へ付勢されているため、気体の圧力が小さくても弁体が速やかに開き、これにより、送風機の吐出側の圧力損失が低減して吐出側の負荷が減少し、送風機の吐出圧力が従来よりも低下する。さらに、送風機の吸込側において、流量調節手段により気体の吸込量を絞った場合、吸込量が減って送風機からの気体の吐出量が減少するため、上記送風機の吐出圧力が従来の吐出圧力よりもさらに一段と低下する。したがって、送風機の消費電力が従来に比べて低減され、その分、運転コストが削減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、1は下水処理場のエアレーションタンク内の活性汚泥中の微生物に空気(気体の一例)を供給するための散気設備である。この散気設備1は以下のように構成されている。
【0013】
散気装置2へ散気用の空気を送風する送風機3(ブロワ)の吐出側A(下流側)には、空気の逆流を防止するための低圧力損失型の逆止弁4が接続されている。また、上記逆止弁4の出口側(下流側)には電動式の仕切弁5が接続され、仕切弁5の出口側(下流側)に上記散気装置2が接続されている。
【0014】
また、上記送風機3の吸込側B(上流側)には流量調節手段6が接続されている。この流量調節手段6は、吸込口(図示省略)に角度調整自在な複数の羽根状の吸込ベーン(図示省略)を放射状に配置して構成されている。これら吸込ベーンの角度を調整することによって、吸込口から送風機3へ吸い込まれる空気の流量(吸込量)が調節される。
【0015】
上記送風機3と逆止弁4と仕切弁5と流量調節手段6とはそれぞれ複数台設置されており、上記送風機3と逆止弁4と仕切弁5と流量調節手段6とを1台ずつ直列に接続したものを1組として、複数組並列に配置されて送気本管8に接続されている。尚、上記送気本管8の下流側に上記散気装置2が接続されている。また、各流量調節手段6の吸込口側(上流側)には空気濾過器7(又は濾過室)が取付けられている。
【0016】
尚、上記低圧力損失型の逆止弁4は以下のように構成されている。
すなわち、図2,図3に示すように、弁箱21の内部には弁箱内流路を開閉する弁体22を配置しており、弁体22は水平な弁棒23の軸心回りに回動自在で下向きのほぼ垂直な姿勢となる全閉位置(図2の実線参照)から全開位置(図2の仮想線参照)に向けて上方に揺動し、弁箱21に流入する正方向流により全開方向に揺動し、弁体22の自重により全閉姿勢に揺動復帰する。
【0017】
上記弁体22と一体に揺動する弁棒23は一端が弁箱21の外部に気密に突出しており、弁棒23の一端にアーム24をその取付角度が調整可能なように、セレーションあるいはスプライン等で設けている。
【0018】
上記アーム24の一端側には、複数のボルト6によって、レール27が取付けられている。この取付角度はレール27が弁体22と一体に弁体22の全開方向へ揺動するにしたがって揺動方向へ先端側が下り勾配となるように設定してある。レール27は案内溝28を有し、案内溝28には自重により移動するカウンターウェイト29が設けられている。上記レール27は案内溝28に挿通したカウンターウェイト29のウェイト軸部30を支持している。尚、上記カウンターウェイト29は弁体22を開方向へ付勢する付勢手段の一例である。
【0019】
レール27の基端側および先端側には、カウンターウェイト29を受け止めるためのスプリング式の衝撃緩和装置31,32が設けられている。
また、アーム24の弁棒23を介した他端側には、オイルダンパ装置33が設けられている。このオイルダンパ装置33の基端側は固定部材34に揺動自在に軸着されている。また、オイルダンパ装置33の先端側は、上記弁棒23の他端に設けられたアーム42の先端に連結されている。
【0020】
図4に示すように、オイルダンパ装置33は、シリンダー35と、シリンダー35を軸心方向に貫通するロッド36と、ロッド36に装着したピストン37と、ピストン37で仕切られた双方の領域38a,38bを連通する一対の回路39a、39bと、各回路39a、39bに介装された絞り弁40およびボールチャッキ弁41とを有し、双方の回路39a、39bが背反する方向にのみ油を流すように構成している。ロッド36はピストン37を貫通し、双方の領域38a,38bに存在しており、ピストン37およびロッド36の移動によっては領域38a,38bの体積は変化しない。
【0021】
次に、上記低圧力損失型の逆止弁4の動作を説明する。
図2の実線で示すように、弁体22が全閉姿勢にある状態において、レール27はアーム24に固定した基端側が下り勾配となる姿勢にあり、カウンターウェイト29はレール27の基端側に位置している。弁棒23の軸心回りには弁体22の自重による閉方向モーメントと、アーム24とレール27とカウンターウェイト29の自重による開方向モーメントが作用する。
【0022】
弁箱21に空気が正方向流Cに流れ込むと、弁体22は全閉位置から全開位置(図2の仮想線参照)に向けて揺動し、弁体22の揺動に伴ってアーム24とレール27とカウンターウェイト29とが一体的に揺動する。そして、弁体22が一定開度以上に開くとレール27が揺動方向に向けて先端側が下り勾配の姿勢となり、カウンターウェイト29が自重によりレール27の先端側に移動し、レール27の先端側では衝撃緩和装置31がカウンターウェイト29を受け止める。このようなカウンターウェイト29の移動に伴って、開方向モーメントにおけるモーメントアームの長さが増大するため、空気の圧力が小さくても弁体22が速やかに開き、これにより、逆止弁4の圧力損失が従来の逆止弁55(図5参照)に比べて低減される。
【0023】
また、上記のように弁体22が開く際、アーム24の他端側に接続したオイルダンパ装置33が弁体22に伴って作動し、弁体22が急激に開動作することを緩和してチャタリングを防止する。すなわち、図4に示すように、オイルダンパ装置33ではアーム24に連動してロッド36およびピストン37が移動し、一方の領域38aの油が他方の領域38bへ他方の回路39bを通して流れ、絞り弁40で流量を制御することでロッド36およびピストン37の移動を緩衝する。
【0024】
また、空気の正方向流が止まった場合や逆方向流が流れる場合には、図2の実線で示すように、弁体22の自重による閉方向モーメントによって弁体22が全閉位置に復帰する。このとき、弁体22の全閉方向への揺動に伴ってアーム24とレール27とカウンターウェイト29とが一体的に揺動し、弁体22が一定開度まで閉じるとレール27が基端側に向けて下り勾配の姿勢となり、カウンターウェイト29が自重によってレール27の基端側に復帰するので、開方向モーメントの減少によって弁体22が速やかに全閉位置に向けて閉動する。
【0025】
また、上記のように弁体22が閉じる際、オイルダンパ装置33が弁体22に伴って作動し、弁体2が急激に閉動作することを緩和してチャタリングを防止する。すなわち、図4に示すように、オイルダンパ装置33ではアーム24に連動してロッド36およびピストン37が移動し、他方の領域38bの油が一方の領域38aへ一方の回路39aを通して流れ、絞り弁40で流量を制御することでロッド36およびピストン37の移動を緩衝する。
【0026】
次に、上記散気設備1の運転方法を説明する。
各仕切弁5を全開し、各送風機3を運転することにより、空気は、空気濾過器7を通って各流量調節手段6の吸込口から各送風機3に吸い込まれた後、各送風機3から各逆止弁4へ吐出される。これにより、各逆止弁4の弁体22が開き、上記各送風機3から吐出された空気は、各逆止弁4と仕切弁5とを通って、散気装置2へ送られ、散気装置2からエアレーションタンク内に供給される。
【0027】
この際、上記流量調節手段6の吸込ベーンの角度を調整することによって、吸込口から送風機3へ吸い込まれる空気の流量(吸込量)を調節し、以って、送風機3から散気装置2へ吐出される空気の送風量が調節される。
【0028】
また、低圧力損失型の逆止弁4の弁体22はカウンターウェイト29によって開方向へ付勢されているため、従来の逆止弁55(図5参照)に比べて、空気の圧力が小さくても弁体22が速やかに開く。これにより、各逆止弁4の圧力損失が従来の逆止弁55(図5参照)に比べて低減されるため、各送風機3の吐出側Aの圧力損失が従来よりも低減して吐出側Aの負荷が減少し、送風機3の吐出圧力P1が低下する。
【0029】
さらに、送風機3の吸込側Bにおいて、流量調節手段6の吸込ベーンの角度を調整することにより、空気の吸込量を絞った場合、吸込量が減って送風機3からの空気の吐出量が減少するため、送風機3の吐出圧力P1が従来の吐出圧力P2(図5参照)よりもさらに一段と低下する。したがって、送風機3の消費電力が従来に比べて低減され、その分、運転コストが削減される。
【0030】
上記実施の形態では、全ての送風機3を運転した場合を説明しているが、例えば、図1の左端に位置する第1列目の送風機3を停止し、これ以外の送風機3を運転する場合には、第1列目の仕切弁5を全閉して、空気が送気本管8から第1列目の送風機3に向けて逆流するのを阻止する。また、第1列目以外の送風機3を停止する場合も同様である。
【0031】
上記実施の形態では、気体の一例として空気を挙げたが、空気以外、例えば窒素等であってもよい。また、下水処理場に設けられる散気設備1を挙げたが、下水処理場以外に設けられる散気設備であってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、低圧力損失型逆止弁の弁体は付勢手段によって開方向へ付勢されているため、気体の圧力が小さくても弁体が速やかに開き、これにより、送風機の吐出側の圧力損失が低減して吐出側の負荷が減少し、送風機の吐出圧力が従来よりも低下する。
【0033】
さらに、送風機の吸込側において、流量調節手段により気体の吸込量を絞った場合、吸込量が減って送風機からの気体の吐出量が減少するため、上記送風機の吐出圧力が従来の吐出圧力よりもさらに一段と低下する。したがって、送風機の消費電力が従来に比べて低減され、その分、運転コストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における散気設備の構成を示す模式図である。
【図2】同、散気設備の低圧力損失型逆止弁の側面から見た断面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】同、散気設備の低圧力損失型逆止弁のオイルダンパ装置の模式図である。
【図5】従来の散気設備の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 散気設備
2 散気装置
3 送風機
4 逆止弁
6 流量調節手段
22 弁体
29 カウンターウェイト(付勢手段)
A 吐出側
B 吸込側
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、下水処理場等に設けられる散気設備の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5に示すように、下水処理場には、エアレーションタンク内の活性汚泥中の微生物に空気を供給するための散気設備51が設けられている。この散気設備51は、散気装置52へ散気用の空気を送風する送風機53(ブロワ)と、この送風機53の吐出側Aと上記散気装置52との間に設けられた流量調節弁54および逆止弁55ならびに電動仕切弁56とで構成される。上記送風機53と流量調節弁54と逆止弁55と電動仕切弁56とはそれぞれ複数台設置されており、上記送風機53と流量調節弁54と逆止弁55と電動仕切弁56とを1台ずつ直列に接続したものを1組として、複数組並列に接続されている。尚、各送風機53の吸込側B(上流側)には空気濾過器57(又は濾過室)が取付けられている。
【0003】
尚、上記逆止弁55は、弁体が弁箱内に設けられたヒンジピンの回りを回動可能に吊り下げられており、空気の流れの向きにより上記弁体が回動して弁座の弁口を開又は閉にするスイング式のものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これによると、各電動仕切弁56を全開し、各送風機53を運転することにより、空気は、空気濾過器57を通って各送風機53に吸い込まれた後、各送風機53から各流量調節弁54を通過して各逆止弁55へ吐出される。これにより、各逆止弁55の弁体が開き、上記各送風機53から吐出された空気は、各流量調節弁54と各逆止弁55と各電動仕切弁56とを通って散気装置52へ送られ、散気装置52からエアレーションタンク内へ供給される。この際、各流量調節弁54の弁体の開度を変えることによって、散気装置52へ送られる空気の流量を調節していた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−229480号公報 (図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、上記逆止弁55の圧力損失が大きいため、送風機53の吐出側Aの負荷が増大した。さらに、送風機53の吐出側Aにおいて、流量調節弁54で流量調節を行っているため、流量調節弁54を絞った場合、送風機53の吐出側Aの負荷がより一段と増大して、送風機53の吐出圧力P2が増加し、これにより、送風機53の消費電力が増加するといった問題があった。
【0007】
尚、上記送風機53の消費電力は、流体が水(非圧縮性流体)ではなく空気(圧縮性流体)であるため、ほとんど下流側(吐出側A)の負荷(吐出圧力P2)によって決まり、上流側(吸込側B)の負荷にはほとんど無関係である。
【0008】
本発明は、送風機の吐出側の負荷を低減することによって、送風機を運転する際の消費電力を低減することが可能な散気設備の運転方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、散気用の気体を、送風機の吸込側から吸い込んで、送風機の吐出側へ吐出し、弁体を開方向へ付勢する付勢手段を備えた低圧力損失型逆止弁を通して、散気装置へ送風し、この際、上記送風機の吸込側に設けた流量調節手段を用いて上記気体の吸込量を調節することにより、送風機から散気装置へ吐出される気体の送風量を調節するものである。
【0010】
これによると、送風機を運転することにより、気体は、吸込側から送風機に吸い込まれた後、送風機から低圧力損失型逆止弁へ吐出される。これにより、低圧力損失型逆止弁の弁体が開き、上記送風機から吐出された気体は、逆止弁を通って散気装置へ送られる。この際、流量調節手段によって気体の吸込量を調節することで、送風機から散気装置へ吐出される気体の送風量が調節される。
【0011】
また、低圧力損失型逆止弁の弁体は付勢手段によって開方向へ付勢されているため、気体の圧力が小さくても弁体が速やかに開き、これにより、送風機の吐出側の圧力損失が低減して吐出側の負荷が減少し、送風機の吐出圧力が従来よりも低下する。さらに、送風機の吸込側において、流量調節手段により気体の吸込量を絞った場合、吸込量が減って送風機からの気体の吐出量が減少するため、上記送風機の吐出圧力が従来の吐出圧力よりもさらに一段と低下する。したがって、送風機の消費電力が従来に比べて低減され、その分、運転コストが削減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、1は下水処理場のエアレーションタンク内の活性汚泥中の微生物に空気(気体の一例)を供給するための散気設備である。この散気設備1は以下のように構成されている。
【0013】
散気装置2へ散気用の空気を送風する送風機3(ブロワ)の吐出側A(下流側)には、空気の逆流を防止するための低圧力損失型の逆止弁4が接続されている。また、上記逆止弁4の出口側(下流側)には電動式の仕切弁5が接続され、仕切弁5の出口側(下流側)に上記散気装置2が接続されている。
【0014】
また、上記送風機3の吸込側B(上流側)には流量調節手段6が接続されている。この流量調節手段6は、吸込口(図示省略)に角度調整自在な複数の羽根状の吸込ベーン(図示省略)を放射状に配置して構成されている。これら吸込ベーンの角度を調整することによって、吸込口から送風機3へ吸い込まれる空気の流量(吸込量)が調節される。
【0015】
上記送風機3と逆止弁4と仕切弁5と流量調節手段6とはそれぞれ複数台設置されており、上記送風機3と逆止弁4と仕切弁5と流量調節手段6とを1台ずつ直列に接続したものを1組として、複数組並列に配置されて送気本管8に接続されている。尚、上記送気本管8の下流側に上記散気装置2が接続されている。また、各流量調節手段6の吸込口側(上流側)には空気濾過器7(又は濾過室)が取付けられている。
【0016】
尚、上記低圧力損失型の逆止弁4は以下のように構成されている。
すなわち、図2,図3に示すように、弁箱21の内部には弁箱内流路を開閉する弁体22を配置しており、弁体22は水平な弁棒23の軸心回りに回動自在で下向きのほぼ垂直な姿勢となる全閉位置(図2の実線参照)から全開位置(図2の仮想線参照)に向けて上方に揺動し、弁箱21に流入する正方向流により全開方向に揺動し、弁体22の自重により全閉姿勢に揺動復帰する。
【0017】
上記弁体22と一体に揺動する弁棒23は一端が弁箱21の外部に気密に突出しており、弁棒23の一端にアーム24をその取付角度が調整可能なように、セレーションあるいはスプライン等で設けている。
【0018】
上記アーム24の一端側には、複数のボルト6によって、レール27が取付けられている。この取付角度はレール27が弁体22と一体に弁体22の全開方向へ揺動するにしたがって揺動方向へ先端側が下り勾配となるように設定してある。レール27は案内溝28を有し、案内溝28には自重により移動するカウンターウェイト29が設けられている。上記レール27は案内溝28に挿通したカウンターウェイト29のウェイト軸部30を支持している。尚、上記カウンターウェイト29は弁体22を開方向へ付勢する付勢手段の一例である。
【0019】
レール27の基端側および先端側には、カウンターウェイト29を受け止めるためのスプリング式の衝撃緩和装置31,32が設けられている。
また、アーム24の弁棒23を介した他端側には、オイルダンパ装置33が設けられている。このオイルダンパ装置33の基端側は固定部材34に揺動自在に軸着されている。また、オイルダンパ装置33の先端側は、上記弁棒23の他端に設けられたアーム42の先端に連結されている。
【0020】
図4に示すように、オイルダンパ装置33は、シリンダー35と、シリンダー35を軸心方向に貫通するロッド36と、ロッド36に装着したピストン37と、ピストン37で仕切られた双方の領域38a,38bを連通する一対の回路39a、39bと、各回路39a、39bに介装された絞り弁40およびボールチャッキ弁41とを有し、双方の回路39a、39bが背反する方向にのみ油を流すように構成している。ロッド36はピストン37を貫通し、双方の領域38a,38bに存在しており、ピストン37およびロッド36の移動によっては領域38a,38bの体積は変化しない。
【0021】
次に、上記低圧力損失型の逆止弁4の動作を説明する。
図2の実線で示すように、弁体22が全閉姿勢にある状態において、レール27はアーム24に固定した基端側が下り勾配となる姿勢にあり、カウンターウェイト29はレール27の基端側に位置している。弁棒23の軸心回りには弁体22の自重による閉方向モーメントと、アーム24とレール27とカウンターウェイト29の自重による開方向モーメントが作用する。
【0022】
弁箱21に空気が正方向流Cに流れ込むと、弁体22は全閉位置から全開位置(図2の仮想線参照)に向けて揺動し、弁体22の揺動に伴ってアーム24とレール27とカウンターウェイト29とが一体的に揺動する。そして、弁体22が一定開度以上に開くとレール27が揺動方向に向けて先端側が下り勾配の姿勢となり、カウンターウェイト29が自重によりレール27の先端側に移動し、レール27の先端側では衝撃緩和装置31がカウンターウェイト29を受け止める。このようなカウンターウェイト29の移動に伴って、開方向モーメントにおけるモーメントアームの長さが増大するため、空気の圧力が小さくても弁体22が速やかに開き、これにより、逆止弁4の圧力損失が従来の逆止弁55(図5参照)に比べて低減される。
【0023】
また、上記のように弁体22が開く際、アーム24の他端側に接続したオイルダンパ装置33が弁体22に伴って作動し、弁体22が急激に開動作することを緩和してチャタリングを防止する。すなわち、図4に示すように、オイルダンパ装置33ではアーム24に連動してロッド36およびピストン37が移動し、一方の領域38aの油が他方の領域38bへ他方の回路39bを通して流れ、絞り弁40で流量を制御することでロッド36およびピストン37の移動を緩衝する。
【0024】
また、空気の正方向流が止まった場合や逆方向流が流れる場合には、図2の実線で示すように、弁体22の自重による閉方向モーメントによって弁体22が全閉位置に復帰する。このとき、弁体22の全閉方向への揺動に伴ってアーム24とレール27とカウンターウェイト29とが一体的に揺動し、弁体22が一定開度まで閉じるとレール27が基端側に向けて下り勾配の姿勢となり、カウンターウェイト29が自重によってレール27の基端側に復帰するので、開方向モーメントの減少によって弁体22が速やかに全閉位置に向けて閉動する。
【0025】
また、上記のように弁体22が閉じる際、オイルダンパ装置33が弁体22に伴って作動し、弁体2が急激に閉動作することを緩和してチャタリングを防止する。すなわち、図4に示すように、オイルダンパ装置33ではアーム24に連動してロッド36およびピストン37が移動し、他方の領域38bの油が一方の領域38aへ一方の回路39aを通して流れ、絞り弁40で流量を制御することでロッド36およびピストン37の移動を緩衝する。
【0026】
次に、上記散気設備1の運転方法を説明する。
各仕切弁5を全開し、各送風機3を運転することにより、空気は、空気濾過器7を通って各流量調節手段6の吸込口から各送風機3に吸い込まれた後、各送風機3から各逆止弁4へ吐出される。これにより、各逆止弁4の弁体22が開き、上記各送風機3から吐出された空気は、各逆止弁4と仕切弁5とを通って、散気装置2へ送られ、散気装置2からエアレーションタンク内に供給される。
【0027】
この際、上記流量調節手段6の吸込ベーンの角度を調整することによって、吸込口から送風機3へ吸い込まれる空気の流量(吸込量)を調節し、以って、送風機3から散気装置2へ吐出される空気の送風量が調節される。
【0028】
また、低圧力損失型の逆止弁4の弁体22はカウンターウェイト29によって開方向へ付勢されているため、従来の逆止弁55(図5参照)に比べて、空気の圧力が小さくても弁体22が速やかに開く。これにより、各逆止弁4の圧力損失が従来の逆止弁55(図5参照)に比べて低減されるため、各送風機3の吐出側Aの圧力損失が従来よりも低減して吐出側Aの負荷が減少し、送風機3の吐出圧力P1が低下する。
【0029】
さらに、送風機3の吸込側Bにおいて、流量調節手段6の吸込ベーンの角度を調整することにより、空気の吸込量を絞った場合、吸込量が減って送風機3からの空気の吐出量が減少するため、送風機3の吐出圧力P1が従来の吐出圧力P2(図5参照)よりもさらに一段と低下する。したがって、送風機3の消費電力が従来に比べて低減され、その分、運転コストが削減される。
【0030】
上記実施の形態では、全ての送風機3を運転した場合を説明しているが、例えば、図1の左端に位置する第1列目の送風機3を停止し、これ以外の送風機3を運転する場合には、第1列目の仕切弁5を全閉して、空気が送気本管8から第1列目の送風機3に向けて逆流するのを阻止する。また、第1列目以外の送風機3を停止する場合も同様である。
【0031】
上記実施の形態では、気体の一例として空気を挙げたが、空気以外、例えば窒素等であってもよい。また、下水処理場に設けられる散気設備1を挙げたが、下水処理場以外に設けられる散気設備であってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、低圧力損失型逆止弁の弁体は付勢手段によって開方向へ付勢されているため、気体の圧力が小さくても弁体が速やかに開き、これにより、送風機の吐出側の圧力損失が低減して吐出側の負荷が減少し、送風機の吐出圧力が従来よりも低下する。
【0033】
さらに、送風機の吸込側において、流量調節手段により気体の吸込量を絞った場合、吸込量が減って送風機からの気体の吐出量が減少するため、上記送風機の吐出圧力が従来の吐出圧力よりもさらに一段と低下する。したがって、送風機の消費電力が従来に比べて低減され、その分、運転コストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における散気設備の構成を示す模式図である。
【図2】同、散気設備の低圧力損失型逆止弁の側面から見た断面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】同、散気設備の低圧力損失型逆止弁のオイルダンパ装置の模式図である。
【図5】従来の散気設備の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 散気設備
2 散気装置
3 送風機
4 逆止弁
6 流量調節手段
22 弁体
29 カウンターウェイト(付勢手段)
A 吐出側
B 吸込側
Claims (1)
- 散気用の気体を、送風機の吸込側から吸い込んで、送風機の吐出側へ吐出し、弁体を開方向へ付勢する付勢手段を備えた低圧力損失型逆止弁を通して、散気装置へ送風し、この際、上記送風機の吸込側に設けた流量調節手段を用いて上記気体の吸込量を調節することにより、送風機から散気装置へ吐出される気体の送風量を調節することを特徴とする散気設備の運転方法。
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JP2014134189A (ja) * | 2013-01-14 | 2014-07-24 | Denso Corp | 内燃機関の制御装置 |
CN104989669A (zh) * | 2015-06-17 | 2015-10-21 | 国网天津市电力公司 | 一种匹配风道阻力减少排粉风机电耗的方法 |
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-
2002
- 2002-10-07 JP JP2002293113A patent/JP2004124889A/ja active Pending
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