JP2004124764A

JP2004124764A - ガスタービン吸気フィルタ装置

Info

Publication number: JP2004124764A
Application number: JP2002287926A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Imai; 今井　広之; Toru Baba; 馬場　透
Original assignee: Nippon Muki Co Ltd
Current assignee: Nippon Muki Co Ltd
Priority date: 2002-09-30
Filing date: 2002-09-30
Publication date: 2004-04-22
Anticipated expiration: 2022-09-30
Also published as: JP4117174B2

Abstract

【課題】通気抵抗が雨水等の水分によって低くなることがなく、装置構造が簡単なガスタービン吸気フィルタ装置を提供する
【解決手段】ケーシング内部にフィルタを備えると共にケーシングの吸気口側にウエザーフードを備えるガスタービン吸気フィルタ装置であって、前記ウエザーフードの吸気開口にデミスターを設けたことを特徴とする。
【選択図】　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、発電所等のガスタービンに対する吸気を清浄化するために用いられるガスタービン吸気フィルタ装置に関し、特に、その吸気口側の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ガスタービン吸気フィルタ装置は、図５及び図６に示すように、例えば、ケーシングａ内に、図中矢印で示した吸気方向の上流側からプレフィルタｂ、中性能フィルタｃ、高性能フィルタｄ等のフィルタを配設すると共に前記ケーシングａの吸気口ｅ側にウエザーフードｆを設けていた。また、前記ウエザーフードｆの下流側に位置するケーシングａの吸気口ｅにデミスターｇを設け、雨滴等の水分がケーシングａ内部に入ることを防止するようにしていた。また、前記ウエザーフードｆの吸気開口ｈには防鳥金網ｉを設けて、鳥類や昆虫類などがケーシングａ内部に入ることを防止するようにしていた。尚、図中ｊは点検扉を示す。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のガスタービン吸気フィルタ装置の場合、ケーシングａの吸気口ｅのデミスターｇを該吸気口ｅを覆うようにそのフィルタ面を鉛直方向に立った状態に並べて設置していたため、デミスターｇに捕捉された雨滴等の水分がデミスターｇの表面を伝って下方側に移動してしまい、デミスターｇの下方に行くに従って通気抵抗が高くなるという不都合を有していた。また、デミスターｇと防鳥金網ｉを別々に設けていたため、装置構造が複雑で、コスト高を招いてしまうという不都合もあった。
そこで本発明、前記従来技術の不都合を解消したガスタービン吸気フィルタ装置を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討の結果、デミスターをケーシングの吸気口に設けることに代え、ウエザーフードの吸気開口にデミスターを設けることによって前記不都合を解消できることを知見した。
本発明のガスタービン吸気フィルタ装置はかかる知見に基づきなされたもので、請求項１記載の通り、ケーシング内部にフィルタを備えると共にケーシングの吸気口側にウエザーフードを備えるガスタービン吸気フィルタ装置であって、前記ウエザーフードの吸気口にデミスターを設けるようにしたことを特徴とする。
また、請求項２記載のガスタービン吸気フィルタ装置は、請求項１記載のガスタービン吸気フィルタ装置において、前記デミスターの金網側を吸気方向の上流側に向けて設けたことを特徴とする。
また、請求項３記載のガスタービン吸気フィルタ装置は、請求項１または２記載のガスタービン吸気フィルタ装置において、前記デミスターを傾斜させて設けたことを特徴とする。
【０００５】
【実施例】
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図１は本発明ガスタービン吸気フィルタ装置の一実施例の平面図、図２は同正面図、図３は同実施例に用いたデミスターの平面図、図４は図３のＩＶ―ＩＶ線断面図である。
本実施例のガスタービン吸気フィルタ装置は、図示の通り、ケーシング１内に、図中矢印で示される吸気方向の上流側からプレフィルタ２（吹き流し形状の合成繊維製の特殊乾式不織布（日本無機（株）製　型式ＤＳ−Ｌ））、中性能フィルタ３（ガラス繊維紙を折り畳み箱形形状としたろ材、日本無機（株）製　型式ＡＳＴＮ）、高性能フィルタ４（ガラス繊維紙ろ材を折り畳み箱形形状としたろ材、日本無機（株）製　型式ＧＣＣ）を配設すると共に、前記ケーシング１の吸気口５側にウエザーフード６が設けられている。かかる構成は従来のガスタービン吸気フィルタ装置と特に変わるところはない。尚、前記プレフィルタ２としては、吹き流し型形状に限ることなく、例えば、パネル形状の合成繊維製の乾式不織布ろ材（日本無機（株）製　型式ＤＳ）、或いは、ガラス繊維製のマットにより形成されたパネル形状のろ材（日本無機（株）製　型式ＣＭ）等を使用することもできる。
【０００６】
本実施例では、従来のガスタービン吸気フィルタ装置ではケーシング１の吸気口５に設けられていたデミスター７を、該吸気口５に設けることに代え、ウエザーフード６の吸気開口６ａに設けるようにした。
【０００７】
前記デミスター７は、矩形の枠体７ａ内に濾材７ｂが収容され、一側面側にその全面に亘る押さえ用金網７ｃを設けると共に他側面に止め線７ｄを設け、前記濾材７ｂを枠体７ａ内にしっかりと固定状態に収容すると共に、前記止め線７ｄの解除、再固定によって、濾材７ｂを取り替え自在としてある。
前記濾材としては、サランモノフィラメント合成樹脂繊維製（風速２．５ｍ／ｓ下での初期圧損３５Ｐａ、旭化成工業（株）製「サランロックフィルタＯＭ−１５０」）を使用している。
【０００８】
本実施例では、このデミスター７の押さえ用金網７ｃを吸気方向の上流側に向けて設けるようにして、従来の防鳥金網の働きを持たせるようにした。
【０００９】
また、前記デミスター７はウエザーフード６の内部に収容されるように設けると共に該デミスター７の吸気口５側が下がるように傾斜させて設け、下方に流れやすいようにした。尚、図中６ｂは雨樋を示し、ウエザーフード６の天井側に外部から直接、或いは、前記デミスター７から流れる雨滴等を排水しやすくしている。また、このようにデミスター７を傾斜させて設けた場合、デミスター７の表面が雨滴で膜状に覆われることを防止でき、圧損の異常上昇などを招くことがない。
尚、図中８は点検扉を示す。
【００１０】
（比較実験）
次に、図５又は図６に示される従来技術のガスタービン吸気フィルタ装置と、本発明のガスタービン吸気フィルタ装置におけるデミスターの水滴の捕集効率及び圧力損失を比較するために、図７に示す水捕集試験装置により比較実験を行った。
図７において、１１は送風機、１２は試験ダクト、１３は噴霧ノズル、１４はデミスターを示す。本比較試験では、従来技術としてデミスター１４を図示されるように送風断面に対して平行に配置したものと、本発明として送風方向に対して平行の本発明のデミスターの配置したものとを比較することにした。
本試験は、試験装置内にＱから給水され、噴霧ノズル１３を経てデミスター１４へ噴霧され、ルーバーに沿って流下した水はＱ１で捕集され、排出される。デミスター１４の下流側へ飛散し、捕集された水はＱ２から排出される。図中、１５は差圧計である。水捕集効率はＱ１／Ｑ１＋Ｑ２で表される。
尚、本実験では、デミスター１４の外形寸法は、６１０×６１０×２５ｍｍとし、風速は、２．５ｍ／ｓ、試験水量は、７．５ｌ／分とした。
【００１１】
上記実験の結果、本発明のものでは、水滴捕集効率は、９９％以上、圧力損失は、３５Ｐａであるのに対して、従来技術のものでは、水滴捕集効率９９％、圧力損失は６０Ｐａとなった。
従って、本発明のものでは、水滴捕集効率を低下させないで、圧力損失を約６０％も低減できることが分かった。
【００１２】
このように、本発明のガスタービン吸気フィルタ装置は、従来のガスタービン吸気フィルタ装置に比べ、簡単な構成でもって、低圧損で、しかも従来と同様に雨滴等の水分がケーシング内に侵入することを防げ、且つ同等の濾過性能を達成できることが確認できた。
【００１３】
【発明の効果】
このように、本発明のガスタービン吸気フィルタ装置は、ケーシング内部にフィルタを備えると共にケーシングの吸気口側にウエザーフードを備えるガスタービン吸気フィルタ装置であって、前記ウエザーフードの吸気開口にデミスターを設けるようにしたので、従来のガスタービン吸気フィルタ装置に比べ、簡単な構成でもって、低圧損で、しかも従来と同様に雨滴等の水分がケーシング内に侵入することを防げ、且つ同等の濾過性能を達成できる。
また、前記デミスターの金網側を吸気方向の上流側に向けて設けるようにした場合、前記金網を防鳥金網として利用でき、特別な防鳥金網を設ける必要がない。
また、前記デミスターを傾斜させて設けた場合、デミスターの表面が雨滴で膜状に覆われることを防止でき、圧損の異常上昇などを招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明ガスタービン吸気フィルタ装置の一実施例の平面図
【図２】同正面図
【図３】同実施例に用いたデミスターの平面図
【図４】図３のＩＶ―ＩＶ線断面図
【図５】従来のガスタービン吸気フィルタ装置の平面図
【図６】同正面図
【図７】試験装置の説明図
【符号の説明】
１　ケーシング
２　プレフィルタ
３　中性能フィルタ
４　高性能フィルタ
５　吸気口
６　ウエザーフード
６ａ吸気開口
６ｂ雨樋
７　デミスター
７ａ枠体
７ｂ濾材
７ｃ押さえ用金網
７ｄ止め線
８　点検扉
１１　送風機
１２　試験ダクト
１３　噴霧ノズル
１４　デミスター

Claims

ケーシング内部にフィルタを備えると共にケーシングの吸気口側にウエザーフードを備えるガスタービン吸気フィルタ装置であって、前記ウエザーフードの吸気開口にデミスターを設けたことを特徴とするガスタービン吸気フィルタ装置。
前記デミスターの金網側を吸気方向の上流側に向けて設けるようにしたことを特徴とする請求項１記載のガスタービン吸気フィルタ装置。
前記デミスターを傾斜させて設けたことを特徴とする請求項１または２記載のガスタービン吸気フィルタ装置。