JP2004123503A - 燻し銀色の釉の焼成物を得る窯の装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本燻し銀釉用焼物の製造装置は焼成窯1と釉化ガス供給のための混合ガス窯58が連結されている。焼成と釉化は焼成窯1で行う。釉化時に釉化用ガスは混合ガス窯58から焼成窯1に供給される。釉化後の排ガス中の炭化水素ガスはガス焼却室31で焼却し、塩素ガスは浄化タンク35の水酸化ナトリウム溶液で中和され、排出する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陶器、土器、瓦等を焼成する窯を造り、焼成窯外に混合ガスの発生窯を併設し、焼成窯と連結し焼成窯に焼き物の素地を詰め加熱を行い、焼成物が適温に達すれば混合ガス窯の乾留窯を加熱して置き、焼成窯の釉化準備が整えば、直ちに乾留窯内に塩、硼酸及び松脂を混合したガス材を投入し焚口を閉め水タンクから水滴状に乾留窯内へ水を落下させて加熱を続行し水蒸気ガスを発生させ炭化水素ガス、塩化水素ガス、硼酸ガス、水蒸気ガスの四種類の混合したガスを発生させ混合ガスを焼成窯内へ送り込み素地の表面のシリカと接触させ、炭化水素ガスの混ざった塩化水素ガスが釉化反応を起こし釉化しガラス状の燻し銀色の釉被膜を形成する燻し銀色釉の焼成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燻し銀釉を得る方法は特願昭53−117154号出願 坂本実(本件出願者と同じ)が有すれど、この出願は燻化窯で焼成物の燻化を行う時に薪や石炭等の燻化材を窯内に食塩と同時に投入して食塩ガスと燻化ガスを発生させて、燻し銀の釉を形成する形成方法が記されている。上記、記載の当時の使用していた燻し窯は、だるま窯と煙突を付けた倒焔窯である。だるま窯は、燃焼室の床にロストルを付け薪や石炭を燃料として焼成し燃焼中に薪や石炭の燃料が燃え切って灰化しない内に次の燃料を早めに投入しロストルの上面におきの火床を15cm前後の厚さに造って置き、素地が適温に達すれば風道を閉め窯の窓を(煙り出し口)小さくして焚口より石炭や薪をおきの火床の上に投入し、投入終れば焚口、風道を密封し窓を煙の出る量に応じて小さくして吹かしを行い投入された薪や石炭はおきの火床の高熱により乾留され、炭化水素ガスを発生して素地に接触して炭素被膜を形成させる。燻し終れば窓の吹かし穴を塞ぎ、窯内へ空気が侵入せぬように練り土を用いて密封して焼成を行う燻し瓦製造の土窯である。更に同記載の倒焔窯は、煙突を付けて倒焔の焔で素地を焼成し、排煙は煙突を通って大気に排出して焼成を行う窯である。燻化も燻化ガスを倒焔の焔で行い、排煙は煙突の根元に吹かし穴を設けて吹かしの調節を行って煙突に流し大気に排出して燻化を行なっていた。上記のだるま窯も倒焔窯も共に広い燃焼室にロストルを設けた窯で厚いおきの火床を造れる燻化窯である。このだるま窯、倒焔窯に薪や石炭を投入時に食塩を同時に投入して燻し銀色の釉を形成させる方法である。
【0003】
更に特願53−117154号に近時ガス燻化の窯や石油燻化の燻し瓦窯が使用される様になり、ガスや石油窯で銀色釉の瓦を造る場合は、食塩を別個な加熱装置で加熱し食塩ガスにして配管よりガスと同じ様に流せば良い。と記している。このガスや石油窯とは、ガス窯はプロパンガスをガスバーナーで燃焼し、燻化は窯の天井部に20〜30個のガス噴出ノズルを付けノズルからプロパンガスを噴出させて燻化を行う窯である。又、石油窯の燃焼は石油を石油バーナーで燃焼し、燻化は石油タンクからゴムホースを付けホースの先端に鉄パイプを付け、パイプの先端を窯底へ差し込み石油を流して燻化ガスを発生させて燻化を行う窯である。上記の燻化窯に別個に加熱装置を設けて食塩を加熱し食塩ガスにして配管より流し込み燻し銀色の釉を得る方法が記されている。以上が従来の公知の燻し銀色の釉の形成方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする為の課題】
従来の特願昭53−117154号の燻し銀色釉の焼成物を焼く窯は、燻し銀釉の焼成物だけ焼く専用窯ではなく、燻し瓦を焼くだるま窯で焼成を行っていた。この窯は燃焼室の床の広いロストルの付いた窯で、石炭や薪を燃料として焼く燻し窯である。この窯で燻し銀釉の被膜の焼成物を得るには、石炭や薪を焚いて焚き残ったおきが灰化しない内に次の燃料を投入し、おきの火床を造る事が必須条件である。火床の造れない窯では釉化材を投入しても塩や薪、石炭の気化熱により燃焼室の床の温度が急冷する。高温度の混合ガスが大量に発生しないと低温度の混合ガスでは素地表面に混合ガスが接触しても釉化も燻化の反応も起きない。
【0005】
更に上記の窯は、燃焼終えた高温の窯内へ焚口の蓋を取り除き、石炭や塩、薪を混合よく火床の上に撒き散らし、濃淡の無い混合ガスの発生の作業を行う事は、不可能であった。
【0006】
燃焼室の火床の上面に塩、薪、石炭を一回投入すると燃焼室の温度が1100℃以上に達していても500℃〜450℃位まで降下する、其の為一つの焚口に一度に大量の釉化材を投入せず、一つの焚口に投入する量を三分して燃焼室が急冷しないように投入していた。このような操作を行なっても投入物の気化熱により温度が急冷していた。
【0007】
更にこの窯は、燃焼時に薪や石炭を焚き、煤煙や灰を大量に大気に撒き散らす、更に燻化時は風道を塞ぎ排煙口を小さくして薪や石炭を焚き口よりおきの火床の上に投入し、火床の熱により乾留されてモクモクと煤煙を大気に排出していた。その後、公害問題が厳しくなり、又、大気汚染法の規制により有害ガスの排出が禁じられ、上記方法で焼く窯は、使う事が出来なくなった。
【0008】
更に燃焼室内のロストルの上に大量のおきの火床を造って、塩、石炭、薪を投入し、混合ガスを発生させる方法は、窯止め後の冷却時に燃焼室に大量の投入した薪や石炭の炭化物の蓄熱により、窯の温度の降下に時間を要した。火床の無い窯と冷却時間を比較すると同じ焼成温度でも火床の無い窯は、5時間〜6時間窯の冷却が早い。
【0009】
又、冷却終った窯内温度が300℃なれば窯開けを行うのであるが、火床の有る窯は各々焚口に水を水桶に三杯か四杯を用意し、焚口を開けると素早く桶の水を炭に掛け発火を防いで炭をかき出すのである。300℃の高い温度の炭に水を掛ければ、熱い水蒸気が焚口より噴出し大量の炭をかき出す事は重労働である。
【0010】
更に昭和50年頃よりガス、石油の液化燃料を用いてバーナーで燃焼し、石油又はガスで燻す鉄板製の窯が使用される様になった。燃焼時は煤煙も出さず大気を汚染する事も無く、公害問題も起きないが燻し銀色釉の焼成物を得る事は不可能である。この窯は瓦1000枚入りの焼成窯でも焚口が、前後で14個から16個付いていて焚口の直径も12cm前後で小さく塩や石炭、薪を投入する事が出来ない。又、投入しても燃焼室の床に均一に投げ込む事が不可能であり、又投入してもガスや石油の燃焼ではおきの火床が出来ない。火床の無い燃焼室の床に石炭や塩を投入しても気化熱により燃焼室の床が急冷して高温の良好な混合ガスの発生は不可能である。
【0011】
更に燻し銀釉の焼成物の釉化に必要な事は素地が均一に焼けて釉化温度が適温である事は申すまでもない。素地が充分焼成されていても、燃焼室内へ塩、石炭、薪等を投入し、投入物の投入の状態が悪く、一方の隅は塩の投入が多く、片方は石炭、薪が多いような投入をすると石炭や薪の炭化水素ガスが先に素地と接触して炭素被膜を形成する。炭素被膜を形成した後に塩化水素ガスが接触しようとしても、炭素被膜に覆われて素地の表面のシリカに接触出来ず、炭化水素ガスだけが炭素被膜を形成する。この付着した炭素被膜は、窯出し時に手で触るとベラベラに禿げる。禿げた素地は真黒な不良品となる。更に塩化水素ガスが先に接触すれば、釉化してガラス状にはなるが炭化水素ガス分子が、ガラス状の釉の中に浸入る事は出来ず、燻し銀の釉を得る事は望めない。上記のように従来の窯の燃焼室に塩、石炭、薪を投入する方法は、投入する事に濃淡の差が有り、良好に混合したガスの発生は難しく、一等品は30%以下であった。
【0012】
更に従来の燻し焼きの焼成物は、1300年余りの伝統の歴史を有するが、大和の法隆寺の屋根瓦を見ても又、江戸時代に建立されたお寺の屋根瓦を見ても変色して窯出しの時の美しい燻し銀色を保ち続けている瓦はない。良質の粘土を使って名人が焼いた燻し瓦でも50年も過ぎれば雨風にさらされて灰黒色に変色し窯出し時の美しい燻し銀色の光沢を無くしている。又、海岸近くの燻しの屋根瓦は、潮風に当たると塩分により黒茶色に変色する。海水の飛沫が風と共に掛り、瓦の中に浸透して瓦の中の鉄分と接触し、塩分により酸化して表面が変色する。又、置物や家庭用品等に使用すれば長い間に燻しの被膜が禿げ光沢が無くなり黒色となる。更に従来の燻しの焼成物は無釉の為、吸水率が高い。又、屋根瓦、土管、植木鉢のように屋外で使用する物は、寒冷地の使用は凍害になり破損率が高い。
【0013】
次に従来の塩焼き窯に付いて申し述べる。昭和50年前後までは公害問題も今日のように厳しくはなく、兵庫県明石方面では大きな事業所が50以上塩焼き瓦や土管を焼成し、焼成時は石炭を焚き真黒な煤煙を出し、釉化時は有害な塩化水素ガスを大気に放出していた。其の後、公害問題は官民を問わず厳しくなり現在では塩焼きの業者は皆無となっている。
【0014】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する為に本発明は、焼成窯とガス発生の混合ガス窯を各々別個に造り、焼成窯と混合ガス窯をガス幹管で連結し、焼成と釉化は焼成窯で行い、混合ガスの発生は混合ガス窯で発生させてガス幹管を通して燃焼終った焼成窯へ送入し釉化を行う構造とした。
【0015】
更に大量の煤煙を大気に撒き散らす事のない石油及びガスの流体燃料を使用し、バーナーで燃焼する焼成窯を造り、更に混合ガス窯もバーナーで燃焼して加熱を行い混合ガスの発生を可能とした。
【0016】
更に金属板で箱型の窯を造り、窯の底部の煙道中央にガス幹管を設置し、ガス枝管を畔と畔の間に配置しガス幹管と連結し、ガス枝管のガス噴出穴から混合ガスを噴出可能となし、焼成窯の天井に排ガス穴を設けて釉化終った排ガスが抜けるようにして置き、焼成終った焼成窯の窯底から混合ガスが、ガス噴出穴から一斉に噴出し直上に上昇して素地の表面と接触して釉化する。釉化終れば更に上昇して排ガス穴に入る。混合ガスが窯底から上昇して釉化する窯を形成した。
【0017】
更に排ガス穴の上部に排ガス室を設け、排ガス室の上に排ガス焼却室を設置し、通気開閉弁を付けた排ガス通気管で連結し排ガス焼却室には焚口を付けバーナーを取付け燃焼可能とし、更に排ガス焼却室の続きに立体の浄化タンクを設け排ガス焼却室と連結し通気可能として浄化タンク内の上部に噴霧ノズルを付ける。更に浄化タンク外の直下に溶液タンクを設けて水酸化ナトリウムを10倍の水に溶かして溶液タンクに入れて置き、動力ポンプを付けて溶液を噴霧ノズルに送入して噴霧可能として置き、浄化タンク底部に開閉弁を付けて浄化タンクの溶液が溶液タンクに落下するように取付けておく。焼成窯の内の釉化が始まると同時に焼却室のバーナーに点火し、動力ポンプの始動を行っておき、通気管開閉弁を開けて燃焼ガス及び混合排ガスは排ガス穴に入り排ガス室、排ガス通気管を抜けて排ガス焼却室に入り、混合排ガス中の炭化水素ガスは、バーナーにより燃焼して除去される。更に混合排ガスは浄化タンクに入って噴霧ノズルより噴出した水酸化ナトリウム溶液の濃霧の中に入り、混合排ガスの中の塩化水素ガスと接触して還元反応により塩に還元して塩水の粒となり浄化タンク底に落下し、更に溶液タンクに溜り循環を続けて塩化水素ガスは浄化され、無害なガスだけが煙突に入り大気に排出される、燻し銀色釉の焼成窯の排ガス処理の方法。
【0018】
更に焼成窯とは別個に焼成窯の煙突の反対側に、混合ガス発生の乾留窯を耐熱金属で造り、一方を混合ガス材を投入する投入口を付け、反対側を焼成窯のガス幹管と連結し混合ガスを通気可能として置き、乾留窯を加熱可能にする為、乾留窯の周囲を金属板で包み、内部を断熱材で張り付け、下部に焚口を付ける。焚口にはバーナーを取付け更に窯天井部にジグザグの煙突を建て、一曲り目の箇所の天井部から下向けに耐熱金属で造った筒状の蒸気発生管を取付け、筒の中に繊維状の金属繊維を詰め込んで置く。更に水蒸気発生管の上部に水タンクを設け、パイプで水蒸気発生管と水タンクを連結し中間に水調整弁を付け、水蒸気発生管内の金属繊維の上部に水を落下可能として置く。
【0019】
先ず焼成窯に素地を詰め燃焼を始め素地の温度が1150℃に近づけば、混合ガス窯の加熱室バーナーに点火し、乾留窯及び蒸気発生管に加熱を行いつつ燃焼を続けておく。更に焼成窯の温度が適温に達すればバーナーの燃焼を小さくして釉化準備を行い準備が終れば焼成窯のバーナーの火を止め乾留窯内に塩、松脂、硼酸の混合ガス材を投入し蓋を閉めて燃焼を続ける。加熱により混合ガス材は乾留分解し塩化水素ガス、炭化水素ガス、硼酸ガスとなり混合された割合に応じた量のガスが混合して発生する。更に水調整弁を開き水タンクの水を水滴状に蒸気発生管内の金属繊維の上に落下を続け、高温の金属繊維により水滴は熱分解され水蒸気ガスとなって乾留窯内に入る。先に発生した三種類の混合ガスに少量の水蒸気ガスが加わり水蒸気ガスが加わる事により素地表面に混合ガスの付着を増進する。乾留窯内で四種類のガスが混じり合って混合ガスとなり、焼成窯に送入させて素地と接触して燻し銀色の釉を形成する混合ガスの発生を特長とする混合ガス窯の装置。
【0020】
更に良好な燻し銀色の釉を得る為、乾留窯に投入してガス化に用いる資材を素地表面のシリカと接触して釉化する塩を選び、更に釉化した釉が、釉の中に混じり合って燻し銀色の釉となる炭化水素ガスの発生材を松脂を選び、更に光沢を良くする硼酸を加える。松脂は砕いて粒状として混ぜ合わせる。混合率は塩57%松脂40%硼酸3%前後が良好である。又、混合した物を釜に入れて加熱を行い、粘状に溶けた後、箱状の形に流し込み冷めた後取り出し固形のブロックとなせば運搬、投入時に好適である。乾留窯に投入する量は、瓦窯の場合は1000枚入りの窯で15〜18kgを投入すれば良い。
【0021】
【発明の実施形態】
本発明の実施形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。焼成窯1の外形を金属板で箱型に造り、金属板の窯内部に断熱煉瓦を張り付け、窯壁2を造り窯底面に断熱煉瓦を張り窯床3を造る。金属板で造った上下開閉の扉に、ウール状の断熱耐火物を張り付け、出入口扉4を組み立てる。更に金属板の天井部にウール状の耐火物を張り付け窯天井5を造る。両側下部に焚口6を複数設け、各々焚口6にバーナー7を設置し燃焼可能となして置く。更に煙道10を窯床3の中央に窯壁2から一方を窯外の煙突11の基礎まで一文字に構築し、基礎の上に煙突11を建てる。煙突の基礎の上部に煙道口12を設けて密封可能な煙道蓋13を用意して置く。焼成窯1を焚き終わった時点で煙道口12に被せる。煙道口12の排煙の調節及び開閉の作業を行う扉14を煙突11の下部に設け、排煙の調節を可能となして置く。更に焼成室床15を支える畔16を耐火煉瓦を用意して造り、畔と畔の間に桁煉瓦を乗せ焼成室床15を造る。床面には床下から焔や混合ガスが通る通焔穴22を設けておく。桁煉瓦の下が床下焔道17となり床上が焼成室21となる。更に煙道10の中央に混合ガスが通るガス幹管18を通し、煙突11と反対側の窯壁2の外に一部を突出させて取付ける。ガス噴出口20を設けた混合ガス枝管19を畔16と畔16の中間に設置して置き、ガス幹管18と連結し通気可能として混合ガスが、ガス幹管18よりガス枝管19に入り、ガス噴出口20より噴出可能としておく。
【0022】
更に燃焼室24と焼成室21の奥側の境に固定火扉風23を煉瓦で積み上げ所々に火扉風の通焔穴22を設けて固定して置く。更に窯の出入口側の焼成室21と燃焼室24の境に窯出し時は取り外し、窯詰め終われば積み上げる取り外し可能な煉瓦を用意して置き、窯詰め終った後に固定火扉風23の高さと同じ高さまで積み上げ通焔穴22を設けておく。焼成時に強い焔が素地に当たらぬように火扉風を設置する。更に焼成室床15中央部の煙道10の直上に吸焔口26を設け焼成中の焔が吸焔口26に入り煙道10に至るようにして置く。更に焼成室21の天井中央に釉化時の排ガスが通気する排ガス穴27を設け、排ガス穴27の上部に長方形の排ガス室28を取付ける。更に排ガス室の上に焼成時は閉めて置き、釉化時は開いて排気を行う通気管開閉弁30を取付けた排ガス通気管29を取付ける。
【0023】
更に排ガス室28の上部に排ガス焼却室31を設置し、排ガス通気管29で連結し通気可能とし排ガス焚口32を付けた焚口に焼成室バーナー33を取付け燃焼可能として置く。更に焼成窯1の側面に浄化タンク35を垂直に設置しタンク内上部に噴霧ノズル36を設置し、更に浄化タンク35の外の下面に溶液タンク39を設置し、水酸化ナトリウムを10倍の水に溶かした溶液を入れておく。更に溶液を吸い上げる動力ポンプ38を取付け、溶液タンク39の溶液を噴霧ノズル36により噴出可能とするようにパイプ37で連結する。更に浄化タンク35の底部下面へ開閉弁40を付け、弁を開けば浄化タンク35内に溜まった溶液が溶液タンクに落下可能としておく。更に浄化タンク35の下部から循環通気管41を煙道10と連結し、中間に循環開閉弁42を付けて焼成窯1の冷却時に開け通気可能としておく。更に排気ガス開閉弁44を付けた浄化ガス排気管43を煙突11の煙道口12の上部から浄化タンク35の下部に連結し通気可能としておく。
【0024】
次に混合ガス窯58を説明すると焼成窯1の煙突11の反対側に耐熱鋼で造った乾留窯45を長方形の箱型に造り、一方の側面にガス材の投入口47を設けて窯蓋48を付けて開閉可能としておく。更に乾留窯45の投入口47の反対側を焼成窯1の窯外壁に突出しているガス幹管18と連結する。更に乾留窯45の周囲を金属板で被い、内部を断熱耐火物を張り付けて加熱室46を造る。加熱室46の下部に加熱室焚口49を設け、焚口には加熱バーナー50を取付け燃焼可能な状態としておく。加熱室46の天井の上部にジグザグのガス窯煙突51を建て、更に加熱室46の上に水タンク52を取付け水調整弁53を水タンクの底部に下向けに取付け、水調整弁53の下に透明のパイプでU字型の水溜り59を取付け、U字型の個所に落下した水が溜まるようにし、水滴の落下が外見できるように取付ける。水調整弁53を閉め忘れても溜まっている水により閉め切られる。更にジグザグのガス窯煙突51の水平部から蒸気発生管55を煙突の中に垂直に取付け、蒸気発生管55の管の中に金属繊維56を詰めておく。更に蒸気発生管55上部と水溜り59を水道パイプ54で連結し水タンク52の水が蒸気発生管55内に落下可能としておく。次に蒸気発生管55と乾留窯45を蒸気パイプ57で連結して置く。以上が混合ガス窯58である。
【0025】
更に本体装置の操作を記述すると、焼成窯1内に素地を詰めて、詰め終われば取り外し火扉風25を積み上げて固定火扉風23の高さと同等にしておく。更に出入口扉4を閉め、次に排ガス室28の上部にある通気管開閉弁30を閉め、煙突11の下部の煙道蓋13を取り外し調節扉14を閉め、更に循環開閉弁42及び排ガス開閉弁44を閉める。次に乾留窯45の窯蓋48を閉めて点火用意をしておく。更に焼成窯1の両側の焚口6のバーナー7に点火し焚き始める。焔は燃焼室24から上昇し天井部に至り、徐々に焼成室21の中央部に入り素地の間を抜けて吸焔口26に入り、更に煙道10を抜け煙突11に入り煙突内を抜けて排出し燃焼を続ける。上部の素地が焼けると焔は徐々に下部に入り吸焔口26に入る。下部が焼けると床下焔道17からも通焔穴22を抜けて下積みの素地の間を抜けて吸焔口26に入り煙道10を通って煙突11に入り排気され焼成を続ける。更に素地が1150℃の温度に近づけば混合ガス窯58の加熱室バーナー50に点火し乾留窯45及び蒸気発生管55を空焚き始めておく。
【0026】
焼成窯1の温度が1150℃前後の適温に達すれば、焼成窯1のバーナー7の火を小さくして置き調節扉14を開いて煙道蓋13を煙道口12に被せ煙道10を遮断し、更に排ガス通気管29の通気管開閉弁30を開き、次に排ガス開閉弁44を開け溶液タンク39の溶液開閉弁40を開けて釉化準備を整える。
【0027】
焼成窯1の釉化準備が整えばバーナー7の燃焼を止めて、焚口蓋8で蓋をして止金9で締め付けて置き、加熱中の乾留窯45の窯蓋48を開き混合ガス材を乾留窯45内へ素早く投入し窯蓋48を閉めて加熱室バーナー50を強火にして温度を揚げ混合ガスの発生を続け、水タンク52の水調整弁53を開き水溜り59へ落下する水滴の量を見ながら調整を行って蒸気発生管55内に点滴状に水滴の落下を始めておく。落下した水は蒸気発生管55内の金属繊維56に接触して気化し水蒸気ガスとなり蒸気パイプ57を通って乾留窯45内に入る。乾留窯が加熱を続ける事により混合ガス材が熱分解され塩、松脂、硼酸は混合ガスとなり、更に水蒸気ガスが加わり四種類のガスが同時に一つの窯内で発生し、否応なしに混ざり合い濃淡のない混合ガスとして発生し、ガス幹管18に流入させて加熱を続けておき、通気管開閉弁30を開き、更に焼却室バーナー33に点火し燃焼を始めておき、続いて動力ポンプ38のスイッチを入れて始動を始め溶液タンク39内の水酸化ナトリウムの溶液を吸い上げ噴霧ノズル36に送って噴出させ浄化タンク35内を濃霧状としておく。
【0028】
更に乾留窯45から発生した混合ガスは、ガス幹管18を通って焼成室床15の床下全面に配箇されたガス枝管19に入り、枝管に設けられたガス噴出口20により一斉に噴出し、焼成室床15の床全面にある通焔穴22を抜けて焼成室21の底に充満する。次々に送り込まれる混合ガスは、燃焼ガスより温度が低く比重が重い。比重の重い混合ガスは比重の軽い燃焼ガスを上に乗せて下から押し上げる。燃焼ガスは素直に上昇して混合排ガス穴27に入り、更に排ガス室28に集められ排ガス通気管29を抜けてガス焼却室31に入る。
【0029】
焼成された高温の素地は燃焼ガスが追い出され混合ガスと徐々に入れ替り、素地表面に接触付着し素地表面のシリカと塩化水素ガスが高い温度により釉化反応を起こし炭化水素ガスが混ざったまま釉化する。混合ガスに混ざっている水蒸気ガスは素地に混合ガスの付着を良くし、硼酸ガスは釉化を助け光沢を良くしながら50〜60分間吹かし作業を行う。
【0030】
吹かし続行中の混合ガスは、排ガス焼却室31に入り焼却バーナー33により焼却され、混合ガス中の炭化水素ガスは燃焼して除去される。燃えない硼酸ガスと塩化水素ガスは浄化タンク35に入り、水酸化ナトリウム溶液の噴霧の中を降下し塩化水素ガスと接触して還元反応により塩に還元して塩水の粒となって浄化タンク35の底に落下し、開閉弁40を通って溶液タンク39に溜まる。再び動力ポンプ38に吸い上げられ循環を繰り返し浄化を行う。浄化タンク35内で塩化水素ガスを除去された排ガスは、有害物質の無い硼酸ガスだけの排ガスになって浄化ガス排気管43に入り、更に煙突11に入り大気に排出される。乾留窯45からガスの発生は50〜60分で乾留されてガス発生が終る。
【0031】
乾留が終りに近づけば、吹かしの混合排ガスの勢いがなくなり真黒であった排ガスの色は透明に近い色となる。その頃を見計らって窯止め作業を開始する。窯止めの操作は、混合ガス窯58の加熱室バーナー50の燃焼を止め、次に水調整弁53を閉め水の流れを止める。更に排ガスの通気管開閉弁30を閉め、次に焼却室バーナー33の燃焼を止め、焚口蓋34を用いて排ガス焚口32に被せて密封する。更に動力ポンプ38の電源を切り、浄化タンク35の下部の開閉弁40を閉め、更に排ガス開閉弁44を閉めて窯止めを終了する。窯止め後1時間過ぎれば次は冷却段階に入るのである。先ず通気管開閉弁30及び循環開閉弁42を一度に全開せず、20分間おきに3回に分けて少しずつ開け3回目には全開して窯開けまで其のままにして冷却を行う。
【0032】
上記操作を行う事により窯内の高温ガスは、上昇を始め排ガス穴27を抜けて排ガス室28に入り、更に排ガス通気管29を抜け排ガス焼却室31内に入り、ここで冷却され冷めたガスは浄化タンク35の上部に入る。冷却されて比重が重くなったガスはタンク内を降下して循環通気管41を通って煙道10至り焼成窯1内の煙道10を横に流れ込む、次々と比重の重いガスが降下すると煙道10内のガスは、煙道10の直上にある吸焔口26を抜けて焼成窯1の窯底に流れ込み、窯底から比重の重いガスが比重の軽いガスを下から押し上げる、押し上げられた軽いガスは次々と上昇して再び排ガス穴27に入り、更に上昇して排ガス室28及び排ガス通気管29を抜けて排ガス焼却室31に入って冷却され、更に浄化タンク35を降下して循環を繰り返す。対流作用による冷却方法で冷却を行い、300℃以下になれば出入口扉4を徐々に開けて窯出しを行う。
【0033】
浄化終った水酸化ナトリウム溶液の噴霧によって塩水となって浄化タンク39に溜まった排液は、強アルカリ性のため希硫酸を加えてpH7.0〜pH8.0に中和し、無害となして海に流し処置を行う。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上説明してように構成されているので以下に記載されるような効果を奏す。
【0035】
焼成窯外に混合ガス窯を設け、塩、硼酸、松脂の混合ガス材を乾留窯に入れて加熱を行い、水タンクから水滴を注入する事により塩化水素ガス、硼酸ガス、炭化水素ガス、水蒸気ガスの四種類のガスが投入量に応じた釣合の良い高温の混合ガスを得ることが可能となり製品も一等品が95%以上となった。
【0036】
釉化操作開始から終るまで焼成室の床底全面から同時に濃淡のない混合ガスを噴出する事により、炭化水素ガスだけが先に素地に接触して炭素被膜を形成し、塩化水素ガスが接触しても釉化反応を起さない。又、炭化水素ガス不足の塩化水素ガスが接触しても燻し銀色の釉の形成を行わない等の不合理な事が起きないようになった。
【0037】
ガス発生の混合ガス窯を焼成室とは別個に設けて、乾留窯に加熱を続けて高温の混合ガスを焼成窯に送る事により、焼成窯内に塩、石炭、薪を投入する時のような燃焼室が急冷する事はない。窯が急冷すると窯壁や耐火煉瓦がひび割れを起し損傷が激しい、又製品も急冷により釉化不良の製品が出来る事があるがそのような事が起こらなくなった。
【0038】
更に乾留窯で混合ガスを発生させる事により、大量の石炭や薪を焚いておきの火床を造る事が不要に成り、窯開け時に高温の大量の炭やコークスをかき出す作業がいらなくなった。更に炭やコークスの保有熱がない為、窯出し作業が簡単に行えるようになった。
【0039】
窯止め終了後、焼成窯内の高温ガスを窯外に誘導して排ガス焼却室、浄化タンクを通し対流作用により循環させて、既存の設備を併用して冷却を早める事が可能となった。
【0040】
本発明の素地の表面を釉化する方法は、従来の釉薬を掛けて高温で釉薬を溶かす方法ではなく、焼成物の素地の中に既存するシリカが混合ガス中の塩化水素ガスと接触して釉化反応を起こし、釉化を得る事により小さな細工に仕上げた素地も其のまま釉化する。いかなる小さな細工も釉化に依って埋ったり、角が丸くなる事はない。
【0041】
焼成窯より排出される釉化終った混合排ガスの処理を混合排ガス中の炭化水素ガスが燃焼室で燃焼し、更に塩化水素ガスは浄化タンク内で水酸化ナトリウムの溶液の噴霧と接触して還元反応を起し塩に還元して塩水となり、塩化水素ガスは除去され有害なガスは浄化されて公害を及ぼす事が無くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置全体の断面図である。
【図2】B−Bの断面図である。図中の8は焚口蓋を上から見た図である。
【図3】C−Cの断面図である。
【図4】A−Aの断面図である。一部焼成室24を上から見た図である。
【符号の説明】
1 焼 成 窯 31 排ガス焼却室
2 窯 壁 32 排ガス焚口
3 窯 床 33 焼却室バーナー
4 出 入 口 扉 34 排ガス焚口蓋
5 窯 天 井 35 浄化タンク
6 焚 口 36 噴霧ノズル
7 バ ー ナ ー 37 パ イ プ
8 焚 口 蓋 38 動力ポンプ
9 止 金 39 溶液タンク
10 煙 道 40 開 閉 弁
11 煙 突 41 循環通気管
12 煙 道 口 42 循環開閉弁
13 煙 道 蓋 43 浄化ガス排気管
14 調 節 扉 44 排ガス開閉弁
15 焼 成 室 床 45 乾 留 窯
16 畔 46 加 熱 室
17 床 下 焔 道 47 投 入 口
18 ガ ス 幹 管 48 窯 蓋
19 ガ ス 枝 管 49 加熱室焚口
20 ガス噴出口 50 加熱室バーナー
21 焼 成 室 51 ガス窯煙突
22 通 焔 穴 52 水 タ ン ク
23 固定火扉風 53 水 調 整 弁
24 燃 焼 室 54 水道パイプ
25 取り外し火扉風 55 蒸気発生管
26 吸 焔 口 56 金 属 繊 維
27 排 ガ ス 穴 57 蒸気パイプ
28 排 ガ ス 室 58 混合ガス窯
29 排ガス通気管 59 水 溜 り
30 通気管開閉弁
Claims (6)
- 煙突(11)を付けバーナーで燃焼する半倒焔の焼成窯(1)を造り、床下全面にガス枝管(19)を配列し煙道(10)内のガス幹管(18)と連結し、更に混合ガス窯(58)と連結しておく。更に窯天井(5)に排ガス穴(27)を設け、排ガス穴(27)の上部に排ガス室(28)を造り、その上部にガス焼却室(31)を設置し通気管開閉弁(30)を付けた排ガス通気管(29)で連結し通気可能とし、ガス焼却室(31)に排ガス焚口(32)を付け焼却室バーナー(33)を取付ける。更に浄化タンク(35)を焼成窯(1)の側面に立体状に取付け、排ガス焼却室(31)と連結し、浄化タンク(35)の下部から煙突(11)に排ガス開閉弁(44)を付けた浄化ガス排気管(43)で連結して通気可能としておく。更に循環通気管(41)を浄化タンク(35)の下部から煙道(10)と連結し、中間に循環開閉弁(42)を取付ける。上記構造の焼成窯(1)に素地を詰めてバーナー(7)で焚き始め、焔は焼成室(21)の側面及び天井部から徐々に下部を焼き、吸焔口(26)に入り煙道(10)を通って煙突(11)を抜けて大気に排出し焼成を行う。焼成終れば、更に釉化準備を行い混合ガス窯(58)から混合ガスをガス幹管(18)を通じてガス枝管(19)に導入し、ガス噴出口(20)より噴出させる。更に窯上部の通気管開閉弁(30)を開き排気可能としておき混合ガスの送入を続ける。混合ガスは上昇し焼成室(21)の素地の間を抜け排ガス穴(27)に入り更に排ガス焼却室(31)を通り浄化タンク(35)を抜け煙突(11)に入り大気に排出される。焼成窯(1)内に入れ替った混合ガスは、混合ガス中の塩化水素ガスと炭化水素ガスが混ざったまま素地表面のシリカと接触して釉化し、燻し銀色の釉を形成する。釉化終れば加熱室バーナー(50)の火を止め、更に通気開閉弁(30)及び排ガス開閉弁(44)を閉めて窯止めを行う。窯止め終了のまま1時間ばかり置き釉化反応が終った後通気管開閉弁(30)を開き、更に循環開閉弁(42)を開ける。2個所の弁を開ける事により窯内の高温ガスを窯外の排ガス室(28)及び排ガス焼却室(31)次に浄化タンク(35)を通気し煙道(10)に流入し再び窯内へ入り循環を繰り返し、冷却を行う。焼成は半倒焔の焔で焼成し、釉化は窯外から導入した混合ガスで窯底から上昇させて釉化を行う。冷却は窯外の装置に導入させ対流作用により冷却を行う。燻し銀色の釉の焼成物を得る焼成窯。
- 焼成窯(1)外に中空の乾留窯(45)を造り、一方に混合ガス材の投入口(47)を設け、更に投入口(47)に窯蓋(48)を取付ける。次に乾留窯(45)の周囲を金属板で囲い内部を耐火物を用いて張り付けて加熱室(46)を造る。加熱室(46)の下部に加熱室焚口(49)を設け、加熱室バーナー(50)を取付け燃焼可能としておく。更に天井部の上面にジグザグのガス窯煙突(51)を建てる。次にガス窯煙突(51)の水平部の煙突内へ金属繊維(56)を詰めた蒸気発生管(55)を垂直に下ろして取付けておき、次に混合ガス窯(58)の上空に水タンク(52)を設置し、水タンク(52)の底下面に水調整弁(53)を取付け、水調整弁(53)の下部に透明パイプを用いてU字型の水溜り(59)を取付け、水の落下を外見可能としておく。更に蒸気発生管(55)を水道パイプ(54)で連結して水調整弁(53)を開けば水が落下し水溜り(59)の中へ溜まるように取付け、水の落下を調整可能としておく。更に焼成窯(1)のガス幹管(18)と乾留窯(45)と連結し通気可能として、混合ガス窯(58)を設置する。焼成窯(1)内の素地の温度が適温に達すれば、混合ガス窯(58)の加熱室バーナー(50)に点火し乾留窯(45)を空焚きを始めておき、焼成窯(1)の釉化準備が終了すれば乾留窯(45)の窯蓋(48)を開いて混合ガス材を投入し窯蓋(48)を閉めて水タンク(52)の水調整弁(53)を開き、水滴を蒸気発生管(55)内へ落下させ金属繊維(56)と接触して気化し、蒸気パイプ(57)を通って乾留窯(45)内へ流入する。暫らく燃焼を続けることにより投入した混合ガス材は、気化し炭化水素ガス、塩化水素ガス、硼酸ガス、水蒸気ガスが同時に発生し混合され、ガス幹管(18)を通って焼成窯(1)の窯底に入り、上昇して素地と接触し釉化反応を起こして、燻し銀色の釉の被膜を形成する。焼成窯外に設置した燻し銀色釉を形成する混合ガスの発生窯。
- 釉化終って、焼成窯(1)を密封し窯止め終了後、窯を其のままにして冷却を待ち、1時間後、焼成窯(1)の上部にある通気管開閉弁(30)を開き通気可能とし、更に循環開閉弁(42)を開けておく。通気管開閉弁(30)を開けた為、釉化終った窯内高温ガスは上昇を始め、排ガス穴(27)に入り排ガス室(28)を通り、更に排ガス通気管(29)を抜け排ガス焼却室(31)に入る。排ガス焼却室(31)は冷却室に早代わりして高温ガスは冷却される。冷やされたガスは比重が重くなり浄化タンク(35)の上部に至り浄化タンク(35)内を降下しつつ冷やされ、循環ガス通気管(41)内を次々と降下して煙道(10)へ流れ込む。煙道(10)に流入したガスは水平に煙道(10)内に流れ、煙道(10)内に充満し、吸焔口(26)を抜けて窯底へ流れ込む。流れ込んだ比重の重いガスは、高温の比重の軽いガスを下から押し上げて窯天井(5)に達して排ガス穴(27)に入り、更に排ガス室(28)、排ガス通気管(29)を抜け排ガス焼却室(31)に流入して、循環を繰り返して冷却を行う。焼成窯(1)の高温ガスを窯外に流出させ、対流作用の循環によって冷却を行う燻し銀色の釉の焼成物を得る窯の冷却方法。
- 焼成窯(1)外に設けた混合ガス窯(58)の乾留窯(45)を加熱室バーナー(50)で加熱を行い、塩、松脂、硼酸を混合したガス材を投入し窯蓋(48)を閉めて、水タンク(52)から水滴状に水を落下させつつ燃焼を続け、炭化水素ガス、塩化水素ガス、硼酸ガス、水蒸気ガスを発生させ、高温の混合ガスとして焼成窯(1)内に送入し、混合ガスと素地表面のシリカと接触させ、釉化反応を起こして燻し銀色の釉の被膜を形成可能とする混合ガスによる燻し銀色釉の焼成物の形成方法。
- 燻し銀色の釉を得る為、乾留窯(45)内へ投入して加熱を行い、混合ガス発生を可能とする。混合資材を塩、硼酸、松脂を混合して投入する燻し銀色の釉化に用いる塩、硼酸、松脂の混合ガス発生の混合資材。
- 釉化反応後の塩化水素ガスと炭化水素ガスの有害な混合排ガスを排ガス焼却室(31)に流入させ、焼却室バーナー(33)を用いて炭化水素ガスを燃焼する。次に、炭化水素ガスを除去した混合排ガスを浄化タンク(35)に流入し、水酸化ナトリウムの溶液を浄化タンク(35)の上部から噴霧ノズル(36)に依り霧状に噴霧させておき、混合排ガス中の塩化水素ガスと接触し、還元反応により塩化水素ガスを塩水として落下させ、溶液タンクに流入して塩化水素ガスを除去し、無害な混合排ガスだけ煙突(11)により、大気に排出する、燻し銀釉窯の混合排ガス中の炭化水素ガスの除去及び塩化水素ガスの浄化方法。
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