JP2004122237A - 異形断面めっきピン端子の製造方法 - Google Patents

異形断面めっきピン端子の製造方法 Download PDF

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Abstract

 【課題】 優れた挿抜性を有する異形断面めっきピン端子を提供することができる異形断面めっきピン端子の製造方法を提供する。
 【解決手段】 丸形断面の線材5に銅の下地めっきと錫の外層めっきとを行い、次いで、互いに直交するように対向配置された2組の圧下ロール対6、6、7、7を用いた圧延加工装置8を用いて断面を四角形の異形断面めっき線9とし、この加工により生じた加工硬化を残したままで、適宜長さに切断することにより、異形断面めっきピン端子10を製造する。挿抜性に優れた優れた異形断面めっきピン端子を製造できる。
【選択図】図1

Description

 本発明は、断面四角のめっき線の製造方法を利用した異形断面めっきピン端子の製造方法に関する。
今日ではオフィスばかりでなく家庭においてもコンピュータを初め実に多くの電子機器が日常的に使用されており、そのような電子機器には多種の接続端子が用いられている。これらの接続端子の形態は多種多用である。
 多くの場合、接続端子は黄銅(真鍮)からなるピン端子を多数備えている。このピン端子は、その外面にめっき層(下地:銅めっき、外層:錫めっき)を形成されている。そして、ピン端子はメス側端子に押し込まれて嵌合されることによって接続され、また、嵌合されたピン端子はメス側端子から引き抜かれることによって分離される。この際、ピン端子の寸法精度が所定の範囲にないと、接続端子の脱着に相当の力が必要になってしまう。このため、ピン端子には高い寸法精度が要求されている。この種のピン端子は、黄銅丸線からなる母線に銅の下地めっきと錫の外層めっきとを行った後にリフロー処理を行い、その後に適宜長さに切断することによって、所望の寸法精度を付与されて製造されてきた。
近年、ピン端子とメス側端子との接触面積を充分に確保して電気エネルギの授受をよりいっそう確実に行うことを目的として、例えば四角形等の異形断面形状を有するめっきピン端子が用いられるようになってきた。
 図4は、目標とする異形断面めっきピン端子1の理想的な横断面を示す説明図である。同図に示すように、四角形(図示例では正方形)の横断面を有する黄銅線2の周囲には、下地銅めっき3と外層錫めっき4とが、いずれも、部位に依らずに均一なめっき厚さで形成されることが、求められる。
 このような異形断面めっきピン端子1の製造に際しては、従来の丸形断面のめっきピン端子の製造工程を流用することが、最も簡単であるとともに既存の生産設備をそのまま用いることができる。このため、異形断面めっきピン端子1は、これまで、黄銅丸線からなる母線2’に、ダイス引きによって平角加工を行って異形断面の黄銅線2としてから、銅の下地めっき(めっき厚:0.5 〜1.0 μm)と錫の外層めっき(0.8 〜1.5 μm)とを行った後にリフロー処理を行うことによって、製造されてきた。
 この従来の方法によっても、規格値を満足する寸法精度を有する異形断面めっきピン端子を製造することは可能である。しかしながら、本発明者は、異形断面めっきピン端子のよりいっそうの品質向上を図るべく鋭意検討を重ねた結果、この従来の方法により製造された異形断面めっきピン端子1には、以下に列記する課題(i) および課題(ii)があることがわかった。
(i)図5は、この工程により製造された異形断面めっきピン端子1の横断面の一例を示す説明図である。同図に示すように、この工程では、黄銅の角線2に最終工程でめっき加工 (電解めっき) を施してめっき層3、4を形成する。そのため、異形断面の黄銅線2へのめっきおよびリフロー処理により、コーナ部1aのめっき層3、4の厚さt1が小さくなるとともに、これに応じて平面部1bのめっき層3、4の厚さt2が大きくなる。このように、めっき層3、4の厚さが黄銅線2の部位により不均一になるため、異形断面めっきピン端子1のメス側端子との挿抜性が悪化してしまう。近年、電子機器の接続端子に設けられる異形断面めっきピン端子の数は例えば40本以上と極めて多くなっているため、異形断面めっきピン端子1の挿抜性の悪化は、接続端子の脱着性の悪化に直結してしまう。
(ii) 異形断面の黄銅線2をめっき母材としてめっきを行うには、黄銅丸線をめっき母材とする方法に比較して、めっき層3、4の厚さを均一化するために、めっきに要するコストが嵩むとともにめっき速度を低下する必要がある。また、異形断面の黄銅線2をめっき母材とするめっきは難易度が高く、加工設備も複雑な専用設備を設ける必要もある。このため、めっきに要するコストが上昇し、製造コストの上昇は否めなかった。
このように、黄銅丸線からなる母線を異形断面に加工してからめっきを行うことによる異形断面めっきピン端子1の従来の製造方法では、得られる異形断面めっきピン端子1の挿抜性の悪化や、製造コストの上昇が避けられないという課題があった。
 ここに、本発明の目的は、挿抜性の悪化を防止した異形断面めっきピン端子を、簡便な手段でもって効率的に製造することができる技術を提供することである。
 より具体的には、本発明の目的は、挿抜性が優れた異形断面めっきピン端子を提供することができる異形断面めっきピン端子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、かかる目的を達成するために種々検討を重ねたところ、異形断面のめっき母材に対するめっき加工精度それ自体を向上させるには極めて多くの技術的課題があるのに対し、めっき後に成形加工を行えば成形加工精度を容易に確保できることを知見した。
 そこで、本発明者らは、かかる知見に基づいてさらに検討を重ね、従来は必然的に仕上げ加工として位置づけていためっき加工を1種の予備加工として捉え、一方成形加工を仕上げ加工と位置づけることにより、挿抜性に優れた異形断面めっきピン端子を効率的に提供できることを知見した。また、本発明者らは、成形加工としては互いに直交するように対向配置された2組の圧下ロール対を用いた圧延加工を行えば、仕上げ加工としての成形加工を行うことができることも知見した。本発明は、これらの新規な知見に基づくものである。
 本発明は、丸形断面の線材にめっき処理を行い、次いで、互いに略直交するように対向配置された2組の圧下ロール対を用いた圧延加工を行って加工硬化を生じさせ、引き続きこの加工硬化を残存させたままで、適宜長さに切断することを特徴とする異形断面めっきピン端子の製造方法である。
 この本発明にかかる異形断面めっきピン端子の製造方法では、めっき処理が、銅の下地めっきと錫の外層めっきとであることが、例示される。
 本発明にかかる異形断面めっきピン端子の製造方法によれば、以下に列記する効果(a) 〜(g) が得られる。
(a)得られる異形断面めっき線の仕上がりの寸法精度、および表面性状の均一性が特に長手方向について、いずれも向上する。また、寸法精度や表面性状のバラツキも抑制される。このため、得られる異形断面めっき線の形状を、容易に、理想的な横断面形状に近づけることができ、得られる異形断面めっきピン端子の挿抜性を向上することができる。
(b)圧延加工装置を用いた圧延加工を行うため、圧下ロールの押込み量を調整することにより、異形断面めっき線のコーナ部のR寸法を容易に調整できる。このため、得られる異形断面めっき線の形状を、容易に、理想的な横断面形状に近づけることができ、得られる異形断面めっきピン端子の挿抜性を向上することができる。
(c)得られる異形断面めっき線の各平面の平面度等の寸法精度が向上して、所望の寸法精度および挿抜性をともに有する異形断面めっき線が得られる。
(d)圧延加工装置を用いた圧延加工を行うため、圧下ロールを組み替えなくともロールの圧下位置を適宜調整することにより、加工後の寸法をある程度調整することができる。
(e)圧延加工装置を用いた圧延加工を行うため、圧下ロールを組み替えなくともロールの圧下位置を適宜調整することにより、加工後の形状をある程度調整することができる。
(f)異形断面めっき線の製造速度を向上でき、生産性を向上できる。
(g)上記の(e) 項および(f) 項に基づいて、少量多品種のコネクタピンの納期とコストとに対する適応性を向上することができる。
 以下、本発明にかかる異形断面めっきピン端子の製造方法を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明は、丸形断面の線材を母材として四角断面の異形断面めっきピン端子を製造する場合を例にとって、行う。
 本実施の形態では、異形断面めっきピン端子は、めっき処理工程、異形断面加工工程および切断工程をこの順に行われて、製造される。以下、これらの各工程について分説する。
[めっき処理工程]
 本実施の形態では、丸形断面の黄銅(真鍮)線をめっき母材として、めっき処理が行われる。このめっき処理工程は、丸形断面を有する従来のめっきピン端子の製造方法と同じである。
本実施の形態では、直径が例えば0.90mmの丸形断面の黄銅線(C2600W-O材) をめっき母材として用い、このめっき母材に、銅の下地めっき(めっき厚:1.0 μm)と錫の外層めっき(1.5 μm)とを行った。めっき母材は丸形断面であることから、めっき母材の各部に対するめっき厚さは、その全域において、容易に高精度で制御される。
 このようなめっき処理工程については、既に周知であり、これ以外のめっき条件は慣用のめっき条件にしたがえばよい。このため、めっき処理工程に関するこれ以上の説明は、省略する。
[異形断面加工工程]
 図1は、めっき処理工程によりめっきを行われた丸形断面の黄銅線5に対して、異形断面加工を行っている状況を模式的に示す斜視図である。
同図に示すように、既にめっきを行われた丸形断面の黄銅線5は、互いに直交するように対向配置された2組の圧下ロール対、すなわち水平ロール対6、6と垂直ロール対7、7とを備える圧延加工装置8により、上下方向および左右方向について、同時に圧下される。各圧下ロール6、6、7、7は、いずれも、図示しない支持機構により、図面中の両矢印方向へ変位自在に、軸支されている。
垂直ロール対7、7のロール胴長方向の中央部には、大径部7aが形成されている。この大径部7aの幅は、成型加工品である異形断面めっき線9の縦長さと同じ値に設定される。また、水平ロール対6、6のロール幅は、成型加工品である異形断面めっき線9の縦長さと同じ値か、それ以上の値に設定される。
各圧下ロール6、6、7、7のシフト位置を適宜調整することにより、各圧下ロール6、6、7、7の作業面によって囲まれる空間の垂直断面形状を、正方形から長方形まで自在に変更することができる。これにより、圧延加工装置8により圧延を行われた異形断面めっき線9の横断面形状を、正方形から長方形まで自在に変更することができる。
このような圧延加工装置8としては、例えば公知のユニバーサル圧延機を例示することができる。
 圧延加工装置8による圧下により、丸形断面の黄銅線5は、上下方向および水平方向の二方向に、同時に圧下される。本実施の形態では、この圧下により、丸形断面の黄銅線5は、一辺の長さが0.64mmの略正四角形の断面形状に圧延加工されて、異形断面めっきピン端子の母線である異形断面めっき線9とされる。
 この圧延加工装置8による圧延の加工度、すなわち{(圧延後断面積)/(圧延前断面積)×100 (%)}が60%を超えると圧延後の異形断面めっき線9の角部におけるかえりやめっき層の剥離等が発生し易くなり、一方、圧延の加工度が10%未満であると、所望の異形断面が得られ難くなるとともに後述する効果(i) 〜効果(iii) が得られ難くなる。そこで、圧延加工装置8による圧延の加工度は10%以上60%以下であることが望ましく、例えば36%が例示される。
 本実施の形態では、圧延加工装置8による圧下を行うことにより、ダイス引きを行ってからめっきを行う従来法に比較して、以下に列記する効果(i) 〜(iii) が奏せられる。
(i)圧延加工を行うために異形断面めっき線9に加工硬化が発生する。これにより、得られる異形断面めっきピン端子の挿抜性が顕著に改善される。
(ii) 圧延加工を行うためにめっき層の組織が緻密化され、従来よりも、寸法精度や耐食性等の異形断面めっきピン端子の各種の機械的特性が改善される。
(iii)各圧下ロール6、6、7、7のシフト位置を適宜調整することにより、ロール組み替えを行わなくとも、異形断面めっき線9の寸法を自在に変更できる。このため、従来よりも、最終製品である異形断面めっきピン端子の設定可能な寸法の自由度を高めることができる。
[切断工程]
 この後、得られた異形断面めっき線9は、適宜長さに慣用の手段により切断されることによって、異形断面めっきピン端子10とされる。
 このように、本実施の形態では、丸形断面の線材にめっき処理を行ってから異形断面加工を行う。このため、以下に列記する効果(a) 〜(g) が奏せられる。
(a)得られる異形断面めっき線9の仕上がりの寸法精度、および表面性状の均一性が特に長手方向について、いずれも向上する。また、寸法精度や表面性状のバラツキも抑制される。このため、得られる異形断面めっき線9の形状を、容易に、図4に示す理想的な横断面形状に近づけることができる。これにより、得られる異形断面めっきピン端子10の挿抜性を向上することができる。
なお、丸形断面の線材に異形断面加工を行ってからめっき処理を行うと、部位におけるめっき厚さのバラツキや電解めっき特有の表面状態が見られ、得られる異形断面めっき線の寸法精度は必然的にめっき加工の仕上がりに影響されていたが、本実施形態ではめっき処理を行った後に圧延加工を行うため、これらの問題が事実上認められない程度に、得られる異形断面めっき線の寸法精度や表面状態を向上することができる。
(b)ダイスによる引き抜き加工を用いた従来法では、ダイスを交換しない限り、加工後の寸法の自由度がないが、本実施形態では圧延加工装置8を用いた圧延加工を行うため、各圧下ロール6、6、7、7の押込み量(図1における各両矢印方向へのシフト量)を適宜調整することにより、異形断面めっき線9のコーナ部のR寸法を自在に調整することができる。このため、得られる異形断面めっき線9の形状を、容易に、図4に示す理想的な横断面形状に近づけることができる。これにより、得られる異形断面めっきピン端子10の挿抜性を向上することができる。
(c)圧下ロール6、6、7、7を用いた圧延加工を行うため、得られる異形断面めっき線9の各平面9a〜9dの平面度等の寸法精度が向上し、得られる異形断面めっきピン端子10に、安定した機械特性と挿抜性とを付与することができる。
(d)ダイスによる引き抜き加工では加工後の寸法の自由度がないが、本実施形態では圧延加工装置8を用いた圧延加工を行うため、圧下ロール6、6、7、7を組み替えなくとも各圧下ロール6、6、7、7の圧下位置を調整することにより、加工後の形状をある程度調整することができる。そのため、製造する異形断面めっき線9の目標形状に迅速に対応して、柔軟な生産を行うことができる。
(e)ダイスによる引き抜き加工では、長方形やL型等の異形断面を製造することはできないが、本実施形態では圧延加工装置8を用いた圧延加工を行うため、これらの異形断面の加工も容易に行うことができる。そのため、製造する異形断面めっき線9の目標形状に迅速に対応して、柔軟な生産を行うことができる。
(f)本実施形態では圧延加工装置8を用いた圧延加工を行うため、従来には提供されていなかった各種の異形断面を有するめっきピン端子を製造することが可能となる。このため、本実施形態によれば、寸法精度が向上することと相まって、めっきピン端子10の信頼性および付加価値をいずれも高めることができる。
(g)本実施形態では、丸形断面のめっき母材を用いることからめっき処理速度を向上でき、かつ圧延加工を行うことから異形断面加工速度を向上できる。このため、本実施形態によれば、異形断面めっき線9の製造速度を向上でき、前述したようにめっきコストが嵩む異形断面の黄銅線に対するめっき処理を行わないことと相まって、めっきピン端子10の生産性を著しく向上することができる。
 さらに、本発明例を、従来例と対比しながらより具体的に説明する。
本発明例では、前述した実施の形態の工程にしたがって、異形断面めっき線を製造した。
 すなわち、直径0.90mmの丸形断面の黄銅線(C2600W-O材) に、慣用の装置を使って慣用の条件で厚さ1.0 μm の銅めっきと厚さ1.5 μm の錫めっきとを行って、図1における丸形断面のめっき黄銅線5を得た。
 この丸形断面のめっき黄銅線5には、下地めっき層に0.5 〜1.0 μm のめっき厚さのバラツキが見られ、また外層めっき層に0.8 〜1.5 μm のめっき厚さのバラツキが見られた。そして、得られた丸形断面のめっき黄銅線5に、図1に示す圧延加工装置8を用いて、0.64mm×0.64mmの四角断面めっき線9に、圧延加工した。
このようにして得られた本発明例の異形断面めっき線9について、図2(a) に示す寸法X、Y(mm)、図2(b) に示す寸法A、B(mm)、図2(c) に示すコーナR1〜R4(mm)、体積抵抗率(μΩcm)および導電率(%)、引張強さ(kgf/mm2 )、およびSnめっき厚さ(μm)を、いずれも、測定した。
 なお、図2(a) に示す寸法X、Yは、マイクロメータを用いて測定した。寸法X、Yの規格値は本実施形態では0.64±0.01(mm)に設定した。寸法X、Yの測定結果は表1にまとめて示す。
 また、図2(b) に示す寸法A、Bは、試料を樹脂に埋め込み、投影機を用いて測定した。寸法A、Bの規格値は本実施形態では0.85±0.03(mm)に設定した。寸法A、Bの測定結果は表2にまとめて示す。
 また、図2(c) に示すコーナR1〜R4は、試料を樹脂に埋め込み、投影機を用いて測定した。コーナR1〜R4の測定結果は表3にまとめて示す。
また、規格値は、導電率:22.5〜28%、引張強さ:590 〜705N/mm2、Snめっき厚さ:0.8 〜1.5 μmとした。これらの測定結果は、それぞれ、表4、表5および表6にまとめて示す。
Figure 2004122237
Figure 2004122237
Figure 2004122237
Figure 2004122237
Figure 2004122237
Figure 2004122237
 これらの測定結果から、本発明例の異形断面めっき線は、異形断面めっきピン端子として要求される所望の寸法精度を有することがわかる。また、本発明例の異形断面めっき線は、異形断面めっきピン端子として要求される各物性値も有することがわかる。さらに、めっきは丸形断面の黄銅線に対して行うため、製造コストの上昇が抑制される。
 一方、従来例では、直径0.90mmの丸形断面の黄銅線(C2600W-O材) に、ダイスを用いて、0.64mm×0.64mmの四角断面の黄銅線に加工した。そして、この四角断面の黄銅線に、異形断面の線材にめっきを行うことができるめっき装置を用いてめっき条件を慎重に吟味しながら、厚さ1.0 μm の銅めっきと厚さ1.5 μm の錫めっきとを行って、0.64mm×0.64mmの四角断面の異形断面めっき線とした。
 この従来例の異形断面めっき線は、寸法X、Y、A、BおよびコーナR1〜R4のいずれの規格値を満足することはできたものの、めっきを、特殊なめっき装置を使って慎重に行う必要があり、製造コストの上昇は否めなかった。
さらに、このようにして得られた異形断面めっき線を適宜長さに切断して異形断面めっきピン端子とし、これを多数用いて接続端子を構成した。そして、異形断面めっきピン端子のメス側端子に対する挿抜性を評価した。
 その結果、本発明例の異形断面めっき線から得られた異形断面めっきピン端子の挿抜性は充分であり、電子機器の接続端子を構成するピン端子として極めて望ましいことがわかった。
 これに対し、比較例の異形断面めっき線から得られた異形断面めっきピン端子は、電子機器の接続端子を構成するピン端子として用いることは可能であるものの、その挿抜性は本発明例と比較すると芳しくなかった。
 前述した実施の形態の工程にしたがって、本発明例にかかる異形断面めっき線を製造した。すなわち、直径0.90mmの丸形断面の黄銅線 (C2600W-0材) に、慣用の装置を使って慣用の条件で厚さ1.0 μm の銅めっきと厚さ1.5 μm の錫めっきとを行って、図1における丸形断面のめっき黄銅線5とし、得られた丸形断面のめっき黄銅線5に、図1に示す圧延加工装置8を用いて、0.64mm×0.64mmの四角断面めっき線9に、圧延加工した。
一方、従来例では、直径0.90mmの丸形断面の黄銅線 (C2600W-0材) に、ダイスを用いて、0.64mm×0.64mmの四角断面の黄銅線に加工した。そして、この四角断面の黄銅線に、異形断面の線材にめっきを行うことができるめっき装置を用いてめっき条件を慎重に吟味しながら、厚さ1.0 μm の銅めっきと厚さ1.5 μm の錫めっきとを行って、0.64mm×0.64mmの四角断面の異形断面めっき線とした。
 このようにして得られた本発明例および従来例それぞれの四角断面の異形断面めっき線から試料を切り出し、この試料について表面摩擦抵抗を測定した。
 図3は、この表面摩擦抵抗の測定法を示す説明図であり、図3(a) は図3(b) のA部の拡大図であり、図3(b) は測定装置の全体図であり、図3(c) は図3(b) のB部の拡大図であり、図3(d) は試料の配置を示す斜視図であり、さらに、図3(e) は試料の配置を示す平面図である。
 図3(a) に示すように、2本の試料11を、プッシュプルゲージ13の検査台12の上に、互いに6mm離して平行に縦方向へセットする。そして、プッシュプルゲージ13により上方から一定荷重を与える。そして、図3(c) 〜図3(e) に示すように、縦方向へセットされた2本の試料11の上に、2本の試料11を互いに6mm離して平行に横方向へセットし、4本の試料11が井桁をなすように配置する。図3(c) に示すように、検査台12は、プッシュプルゲージ13のガイドレール14に搭載されており、バネ秤15により図3(c) における両矢印方向へ可動する。
 試料11の表面の摩擦抵抗(gf)は、ばね秤15を介してガイドレール14を引っ張り、試料11が可動し始めた時の荷重を読み取ることにより、評価した。測定結果を表7にまとめて示す。表7に示す摩擦抵抗(gf)の値が小さい程、表面が円滑であり、端子用のピン材としての特性 (挿抜性) が優れていることがわかる。
Figure 2004122237
 表7から、本発明例の摩擦抵抗は20〜30(gf)の間で安定しており、平均値は25.2(gf)であった。これに対し、比較例の摩擦抵抗はばらつきがあり、平均が64.8(gf)であった。また、測定限である110(gf) を超えて測定できないものもあった。
 以上の結果から、本発明例の異形断面めっき線から得られた異形断面めっきピン端子の挿抜性は充分であり、電子機器の接続端子を構成するピン端子として極めて望ましいことがわかった。
 これに対し、比較例の異形断面めっき線から得られた異形断面めっきピン端子は、電子機器の接続端子を構成するピン端子として用いることは可能であるものの、その挿抜性は本発明例と比較すると芳しくなかった。
[変形形態]
 実施形態および実施例の説明では、銅の下地めっきと錫の外層めっきとによりめっき処理を行う場合を例にとった。しかし、本発明はこの形態には限定されず、これ以外のめっき処理を行った場合にも、同様に適用される。例えば、ニッケルの下地めっきと金の外層めっきとによりめっき処理を行う場合や、銅の下地めっきと銀の外層めっきとによりめっき処理を行う場合等が例示される。
 また、実施形態および実施例の説明では、めっき処理を行われる丸形断面の線材が円形の横断面を有する場合を例にとった。しかし、本発明はこの形態には限定されず、例えば楕円形の丸形断面を有する線材についても、同様に適用される。
めっき処理工程によりめっきを行われた丸形断面の黄銅線に対して、異形断面加工を行っている状況を模式的に示す斜視図である。 図2(a) 〜図2(c) は、実施例における寸法計測位置を示す説明図である。 実施例における表面摩擦抵抗の測定法を示す説明図である。 目標とする異形断面めっきピン端子の理想的な横断面を示す説明図である。 丸形断面のめっきピン端子の製造工程を流用して製造された異形断面めっきピン端子の横断面の一例を示す説明図である。
符号の説明
 5 丸形断面の黄銅線
 6、6 水平ロール対
 7、7 垂直ロール対
 7a 大径部
8 圧延加工装置
 9 異形断面めっき線
 10 異形断面めっきピン端子

Claims (2)

  1. 丸形断面の線材にめっき処理を行い、次いで、互いに略直交するように対向配置された2組の圧下ロール対を用いた圧延加工を行って加工硬化を生じさせ、引き続き該加工硬化を残存させたままで、適宜長さに切断することを特徴とする異形断面めっきピン端子の製造方法。
  2. 前記めっき処理は、銅の下地めっきと錫の外層めっきとである請求項1に記載された異形断面めっきピン端子の製造方法。
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