JP2004121952A - 水質シミュレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転条件設定装置11などの各種設定装置の設定値と、過去の運転データに基づき変動する流入水状態を予測演算する流入水変動係数演算装置8を有しこの演算結果と現時点のデータとに基づき未来の流入水量や水質データ等を設定する未来データ設定装置7の設定値とをシミュレーション演算装置14に設定し、かつ流入水の有機物や窒素やりん等の測定結果と一致するようにシミュレーションで定義している有機物への分画比やその分画された各有機物に含まれる物質の含有比を演算する流入水質演算装置9と、分画された各有機物に含まれる物質の含有比をシミュレーション演算装置14に設定する流入水質設定装置10とを備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、都市下水や産業廃水のように、汚水を浄化する活性汚泥法、嫌気・好気汚泥処理法などの汚水廃水処理プラントに利用される水質シミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、閉鎖性水域の富栄養化が問題となっている。これまで、CODの総量規制により閉鎖性水域に流入する有機物量を減らし水質向上に向けた施策が実施されてきたが、これまでの取り組みだけでは、目標とした水質基準を十分達成できない。水域中に存在する窒素やりんは、プランクトンの栄養源となり赤潮被害の原因となることが知られており、そこで、水質保全のために水域へ流入する窒素とりんの総量規制が実施されようとしている。
【0003】
これに伴い有機物のみならず窒素やりんが除去できる、より高度な水質処理が求められている。そして、窒素やりん除去が可能な下水処理プロセスの開発や下水処理プラント等の導入が進められている。前述のような下水処理プロセスにおいては、水中の有機物の状況や気候(特に雨水の流入)などから水質を予測して運転方法を決定する必要がある。
【0004】
下水処理施設の運転は、流入水量や水質が経時的に変動し、かつ水理学的滞留時間が長いプラントであることから運転制御が難しく、これまで、運転員の経験と勘に基づいてポンプなどの操作量を決定している。一方で、近年International Water Associationから発表された活性汚泥のシミュレーション技術を使って下水処理場の運転状態を模擬するものがある。即ち、下水処理プラントの運転状況の把握や運転方針の検討を行うために、シミュレータが使用されることがある。
【0005】
このシミュレータを使用するためには、以下の4項目に関して事前に決定する必要がある。まず1つ目は、下水処理プラントの水槽の数と水路の設定やポンプの流量や溶存酸素濃度や温度などの運転条件である。2つ目は、測定した流入水質(TOC、溶解性TOC、CODcr、溶解性CODcr、全窒素、溶解性窒素、全りん、溶解性りん、りん酸態りん濃度、硝酸態窒素濃度、アンモニア態窒素濃度)をシミュレータが物質として扱う公知の状態変数(SI、SA、SF、SPO4、SNH4、SNO3、SN2、XFeP、XS、XAUT、XPHA、XPP、XPAO、XH、XI)に分画する必要がある。3つ目は、活性汚泥が行う生物反応の反応速度や収率を示すパラメータを設定する必要がある。4つ目は、各水槽内の物質の初期値を設定する必要がある(Henze, M, et al.:Activated Sludge Model No.2、IAWQ Scientific and Technical Report No.3(1995)参照)。
【0006】
特に、前記2つ目の項目は、シミュレーションを開始する段階で、入力値はその後のシミュレーションの精度に大きく影響する。
【0007】
下水道の流入水質データを提供する先行技術としては、日変動データを算出するための係数と日代表値の積から日変動データを計算する手法や、雨天日データを作成するために雨天日の係数と水質分析データから雨天日の水質データを算出する手法が公表されている。
【0008】
例えば、下記特許文献1は、種々の水質シミュレーションを高精度に行なうことを目的として、図6(特許文献1の図1の部番を一部変更した図)に示すような装置を開示している。図6は、水質シミュレーション装置とその周辺との接続状況を示すブロック図であり、本件発明と共通する構成部分も多いので、本図について、特許文献1の記載に基づいて、以下にその概要を述べる。
【0009】
図6において、1は最初沈殿池、2は反応槽、3は最終沈殿池である。先ず、下水処理プラントの概要について述べる。下水処理プラントでは、流入した下水は、最初沈殿池1、反応槽2、最終沈殿池3の順に流れて処理される。汚濁物質を含む下水は、最初沈殿池1に導入され、汚濁物質の中の沈降しやすいものを沈降分離して上澄水を反応槽2に流出する。反応槽2には最終沈殿池3の汚泥の一部が返送汚泥ポンプによって返送されており、反応槽2はその返送汚泥と最初沈殿池1の上澄水を処理する。反応槽2では、ブロワー(図示せず)から圧送された空気が曝気槽内の散気管によって放出されており、汚濁物質は活性汚泥により吸着、分解されて最終沈殿池3に導かれる。最終沈殿池3では活性汚泥を沈降分離し、沈降汚泥は余剰汚泥ポンプ(図示せず)により汚泥処理系(図示せず)に排出され、清澄水は処理水として滅菌槽(図示せず)を経て放流される。
【0010】
次に、図6における水質シミュレーション装置について述べる。図6のシミュレーション装置は、特許文献1の記載によれば、「下水処理場の水質データを蓄積するデータ蓄積装置1aと、土木構造などの処理場仕様を設定する処理場仕様設定装置2aと、運転条件を設定する運転条件設定装置3aと、水質モデルパラメータを設定するモデルパラメータ設定装置4aと、日変動データを算出するための係数を設定する係数設定装置7aと、係数設定装置の係数と日代表値との積から日変動データを計算する日変動データ計算装置8aと、各装置からのデータを受け取り処理場の水質を予測するシミュレーション計算装置9aとを備えており、データ蓄積装置1aと係数設定装置7aとの間に日変動の係数を自動的に演算する係数演算装置5aと、データ蓄積装置1aからのデータに基づき雨天日の水質データを作成しシミュレーション計算装置に送る雨天日データ作成装置6aとを設けた構成」とし、
さらに、「前記係数演算装置5aは、日変動のパターン係数を計算する基本係数演算装置51と補間係数を計算する補間係数演算装置52とを有し、また、前記雨天日データ作成装置6aは、雨天日の雨量によってパターン係数を計算する雨天日係数作成装置61および雨天日データを計算する雨天日データ計算装置62とを有する構成とした」ことを特徴としている。
【0011】
上記構成により、「日変動のデータおよび雨天日のデータを数分単位で作成することができ、種々の状況に対応したシミュレーションを極めて高精度に行える効果がある」旨、特許文献1に記載されている。(詳細は、特許文献1参照)。
【0012】
また、特許文献1とは異なる先行技術として、下記特許文献2は、「流入水質の計測方法としてオンラインUV計を用い、流入量が既定値を超えた場合、雨天モードと判断し、流入水質濃度の換算方法を切り替える手法」を開示している(詳細は、特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−1370号公報(第1〜2頁、第5頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−107796号公報(第5頁、図7)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1および2の方法によれば、運転員の経験や勘によることなく、晴天日と雨天日の水質データの切替が自動的に設定できるようになるため運転員の負担軽減を図ることができるものの、下記のような問題点がある。
【0015】
現実の降雨時流入水質変化は、降雨初期には下水管や地表に蓄えられた汚濁物質が一気に流入するため流入水質濃度が上昇し、降雨が続くと雨による希釈効果で流入水質濃度が低下する。前記特許文献1における実施形態の説明によれば、雨天時の水質は、晴天時の水質に雨天日と晴天日の水質データの差を加えているが、雨の降り始めからの経過時間に関して考慮されていないので降雨が継続した場合の流入水質変化が現実と乖離する部分が生ずる問題がある。
【0016】
前記特許文献2において、降雨モードと晴天モードを切り替える理由は、雨天の場合、流入量の増加によって下水管や地表に蓄えられた汚濁物質が一気に流入するためUV計データとBOD濃度の相関が変化し、下水処理シミュレータへの流入有機物濃度に誤差が生じるためである。この方法でも同様に、降雨が継続した場合の雨の希釈効果による流入水質濃度低下を再現できない問題がある。
【0017】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、この発明の課題は、諸設定を自動的に行い使用者の負担を軽減すると共に、降雨時の流入水質変化の現実とシミュレーション演算結果との誤差を低減させ、精度の高いシミュレーションを可能とした水質シミュレーション装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、この発明は、水質データ及び運転状態記憶装置と、運転条件を設定する運転条件設定装置と、プラントの化学反応に関する定数を設定するパラメータ設定装置と、処理場の土木構造やプロセスフローを設定するプラント土木条件設定装置と、未来の流入水状態を設定する未来データ設定装置と、前記各設定装置の設定値に基づき、プロセス各部の水質予測演算を行なうシミュレーション演算装置とを備えた水質シミュレーション装置において、
前記未来データ設定装置は、過去の運転データに基づき変動する流入水状態を予測演算する流入水変動係数演算装置を有し、この演算結果と現時点のデータとに基づき未来の流入水量や水質データ等を設定するものとし、
さらに、前記未来データ設定装置の設定値に基づき、流入水の有機物や窒素やりん等の測定結果と一致するようにシミュレーションで定義している有機物への分画比やその分画された各有機物に含まれる物質の含有比を演算する流入水質演算装置と、前記分画された各有機物に含まれる物質の含有比を前記シミュレーション演算装置に設定する流入水質設定装置とを備えたものとする(請求項1の発明)。
【0019】
上記未来データ設定装置および流入水質設定装置を備えた構成によれば、降雨が継続した場合の流入水質変化の現実との誤差が低減され、精度の高いシミュレーションを可能となる。詳細は、実施例とともに詳述する。
【0020】
前記請求項1の発明の実施態様としては、下記請求項2ないし3の発明が好ましい。即ち、請求項1に記載の水質シミュレーション装置において、前記流入水変動係数演算装置は、日変動数値を作成する日変動演算装置と、最初沈殿池の上流側に接続された管路に蓄積した物質の量を設定する管路蓄積物質設定装置と、前記管路内に物質が蓄積または流出される特性を表すパラメータを設定する管路パラメータ設定装置と、予想降雨量設定装置と、前記各設定装置の設定値に基づき、管路に蓄積した物質が未来の流量および水質に及ぼす影響を演算する降雨影響演算装置とを備えたものとする(請求項2の発明)。これにより、降雨影響が精度よく反映され、流入水質変化の現実との誤差がより低減する。
【0021】
また、請求項1または2に記載の水質シミュレーション装置において、前記水質データ及び運転状態記憶装置に対する水質データの入力値は、オンライン水質分析装置の測定値とする(請求項3の発明)。これにより、オンライン水質分析装置により、例えば30分毎に計測すれば、一日1回もしくは数回の計測に比べて、降雨影響が精度よく反映された自動化水質シミュレーションが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施例について以下にのべる。
【0023】
図1は、本発明の水質シミュレーション装置5の構成と、対象としている下水処理プラントとの接続状況を示した実施例の構成図である。図1において、図6に示した部材と同一機能を有する部材には、同一番号を付してその詳細説明を省略する。
【0024】
図1において、4はオンライン水質測定装置であり、サンプリング地点a、b、c、dの水質をオンラインで測定するものである。測定項目としては、TOC、溶解性TOC、CODcr、溶解性CODcr、全窒素、溶解性窒素、全りん、溶解性りん、りん酸態りん濃度、硝酸態窒素濃度、アンモニア態窒素濃度、浮遊物質濃度などである。
【0025】
水質データおよび運転状態記憶装置6は、前記の水質、プラントに流入する水量、各種ポンプ流量、水温などのデータを蓄積する。未来データ設定装置7は、現時点の流入水量データや水質データに流入水変動係数設定装置8により設定された係数を掛け、未来の流入水量データや水質データを作成し、設定する。
【0026】
前記流入水変動係数設定装置8は、過去の運転データや予想降雨量から未来の流量や水質を予測する演算・設定装置である。流入水変動係数設定装置8において、81は、日変動演算装置であり、過去の運転データから1週間毎の流入水量や水質を水質データおよび運転状態記憶装置6から抽出し、移動平均を計算する演算装置である。82は、管路蓄積物質設定装置であり、最初沈殿池1の上流側に接続された管路に蓄積した物質の量を設定する装置である。
【0027】
83は、管路パラメータ設定装置であり、前記管路内に物質が蓄積または流出される特性を表すパラメータを設定する装置である。84は、予想降雨量設定装置であり、シミュレーション演算装置14により計算させる期間の降雨量を天気予報等の情報から設定する装置である。85は、降雨影響演算装置であり、管路蓄積物質設定装置82と管路パラメータ設定装置83と予想降雨量設定装置84からの入力データにより、管路に蓄積した物質が未来の流量および水質に及ぼす影響を演算し、この降雨影響データに日変動演算装置81により出力された未来の時系列の流量データおよび水質データとを加えることで未来の時系列データを算出する装置である。
【0028】
未来の時系列データは、後述する連立微分方程式から計算できる。この連立微分方程式においては、最初沈殿池1の上流側に接続された管路を図4に示すように模擬している。即ち、最初沈殿池1には、下廃水と雨水とが、仮想管路18を経由して最初沈殿池1に流入するが、仮想管路18中の流れが淀んだ部分を仮想管路滞留域19として設定して、模擬管路を構成している。この仮想管路滞留域19内の水質は、常時は淀んでいるために濃度が高いが、降雨により、徐々に淀みがなくなり、仮想管路18内の水と仮想管路滞留域19内の水とが混ざり合って、濃度が低減し、仮想管路18内の濃度に近づく。詳細は、後述するデータにより述べる。
【0029】
前記未来の時系列データの計算は、下記の連立微分方程式から計算できる。
【0030】
【数1】
(1)
(2)
このとき、
(3)
(4)
ただし、前記式において、各記号の意味は次の通りである。
C1i:仮想管路18の水質iの濃度(g/m3)
C2i:仮想管路滞留域19の水質iの濃度(g/m3)
CINi:下廃水の水質iの濃度(g/m3)
V1:仮想管路18の体積(m3)
V2:仮想管路滞留域19の体積(m3)
Qin:下廃水の流量(m3/h)
Qrain:雨水の流量(m3/h)
Qstayin:仮想管路18から仮想管路滞留域19への流量(m3/h)
Qstayout:仮想管路滞留域19から仮想管路18への流量(m3/h)
Qstayinmax:仮想管路18から仮想管路滞留域19への飽和流量(m3/h)
Qstayoutmax:仮想管路滞留域19から仮想管路18への飽和流量(m3/h)
Kstayin:Qstayinの飽和係数
Kstayout:Qstayoutの飽和係数
前記[数1]において、式(1)は図4における仮想管路18の水質を、式(2)は仮想管路滞留域19の水質変化を数式で表現したものである。
【0031】
次に、図1において、9は、流入水質演算装置であり、水質データおよび運転状態記憶装置6に蓄積された過去の水質の時系列データと、未来データ設定装置7により設定された未来の時系列データとを基にして、図2に示したCODcrや全窒素や全りんやりん酸態りん濃度や硝酸態窒素濃度やアンモニア態窒素濃度などの流入水質もしくは、図3に示したTOCや全窒素や全りんやりん酸態りん濃度や硝酸態窒素濃度やアンモニア態窒素濃度などの流入水質から、シミュレーションで定義されている各有機物質への分画比と、各有機物質にふくまれる窒素やりんの含有比とを最小二乗法などの最適化手法を用いて全有機物濃度と全窒素濃度と全りん濃度を一致させる装置である。
【0032】
なお、この手法および装置は、公知の技術であり、図2および図3に示す記号は、前述のように、シミュレータが物質として扱う公知の状態変数(SI、SA、SF、SPO4、SNH4、SNO3、SN2、XFeP、XS、XAUT、XPHA、XPP、XPAO、XH、XIなど)である。
【0033】
次に、図1における流入水質設定装置10は、流入水質演算装置9で演算した数値をシミュレーション演算装置14に設定する。運転条件設定装置11は、返送率、SRT、制御目標溶存酸素濃度など、水処理プロセスを運転する上で不可欠な運転条件を設定する。パラメータ設定装置12は、シミュレーションで使用するモデルの反応速度定数や化学量論係数などのパラメータを設定する。シミュレーション演算装置14は、未来データ設定装置7、流入水質設定装置10、運転条件設定装置11、パラメータ設定装置12、プラント土木条件設定装置13からのデータを入力値として水処理プラントの各部の水質を予測する。
【0034】
次に、図5に、図1の実施例によりシミュレーションした演算例として、未来の時系列データのグラフの一例を示す。図5は、横軸に時間を示し、縦軸には、最初沈殿池に流入する水質濃度(C1濃度)、具体的にはCODcr濃度と、降雨量(Qrain)の経時変化を示す。図示(a)で示すC1濃度は、(b)で示す降雨の初期には下水管や地表に蓄えられた汚濁物質が一気に流入するため流入水質濃度が上昇し、降雨が続くと雨による希釈効果で流入水質濃度が低下し、降雨の終焉に伴って降雨開始前の濃度に戻る経過を示している。
【0035】
なお、図5においては図示を省略しているが、図4における仮想管路滞留域19の水質濃度(C2濃度)は、降雨開始後、仮想管路滞留域19の水が仮想管路18の水と混合して、徐々にC1濃度に接近する。
【0036】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明によれば、水質データ及び運転状態記憶装置と、運転条件を設定する運転条件設定装置と、プラントの化学反応に関する定数を設定するパラメータ設定装置と、処理場の土木構造やプロセスフローを設定するプラント土木条件設定装置と、未来の流入水状態を設定する未来データ設定装置と、前記各設定装置の設定値に基づき、プロセス各部の水質予測演算を行なうシミュレーション演算装置とを備えた水質シミュレーション装置において、
前記未来データ設定装置は、過去の運転データに基づき変動する流入水状態を予測演算する流入水変動係数演算装置を有し、この演算結果と現時点のデータとに基づき未来の流入水量や水質データ等を設定するものとし、
さらに、前記未来データ設定装置の設定値に基づき、流入水の有機物や窒素やりん等の測定結果と一致するようにシミュレーションで定義している有機物への分画比やその分画された各有機物に含まれる物質の含有比を演算する流入水質演算装置と、前記分画された各有機物に含まれる物質の含有比を前記シミュレーション演算装置に設定する流入水質設定装置とを備えたものとしたので、
降雨時の流入水質変化の現実とシミュレーション演算結果との誤差を低減させ、精度の高いシミュレーションを可能とした自動化水質シミュレーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に関わる水質シミュレーション装置の構成図
【図2】各有機物質の分画比と含有する窒素やりんの比を求める模式図
【図3】各有機物質の分画比と含有する窒素やりんの比を求める図2とは異なる模式図
【図4】最初沈殿池の上流側に接続された管路の模擬管路構成図
【図5】図1の実施例によりシミュレーションした演算例を示す図
【図6】従来の水質シミュレーション装置の一例を示す構成図
【符号の説明】
1:最初沈殿池、2:生物反応槽、3:最終沈殿池、4:オンライン水質測定装置、5:水質シミュレーション装置、6:水質データおよび運転状態記憶装置、7:未来データ設定装置、8:流入水変動係数演算装置、9:流入水質演算装置、10:流入水質設定装置、11:運転条件設定装置、12:パラメータ設定装置、13:プラント土木条件設定装置、14:シミュレーション演算装置、81:日変動演算装置、82:管路蓄積物質設定装置、83:管路パラメータ設定装置、84:予想降雨量設定装置、85:降雨影響演算装置。
Claims (3)
- 水質データ及び運転状態記憶装置と、運転条件を設定する運転条件設定装置と、プラントの化学反応に関する定数を設定するパラメータ設定装置と、処理場の土木構造やプロセスフローを設定するプラント土木条件設定装置と、未来の流入水状態を設定する未来データ設定装置と、前記各設定装置の設定値に基づき、プロセス各部の水質予測演算を行なうシミュレーション演算装置とを備えた水質シミュレーション装置において、
前記未来データ設定装置は、過去の運転データに基づき変動する流入水状態を予測演算する流入水変動係数演算装置を有し、この演算結果と現時点のデータとに基づき未来の流入水量や水質データ等を設定するものとし、
さらに、前記未来データ設定装置の設定値に基づき、流入水の有機物や窒素やりん等の測定結果と一致するようにシミュレーションで定義している有機物への分画比やその分画された各有機物に含まれる物質の含有比を演算する流入水質演算装置と、前記分画された各有機物に含まれる物質の含有比を前記シミュレーション演算装置に設定する流入水質設定装置とを備えたことを特徴する水質シミュレーション装置。 - 請求項1に記載の水質シミュレーション装置において、前記流入水変動係数演算装置は、日変動数値を作成する日変動演算装置と、最初沈殿池の上流側に接続された管路に蓄積した物質の量を設定する管路蓄積物質設定装置と、前記管路内に物質が蓄積または流出される特性を表すパラメータを設定する管路パラメータ設定装置と、予想降雨量設定装置と、前記各設定装置の設定値に基づき、管路に蓄積した物質が未来の流量および水質に及ぼす影響を演算する降雨影響演算装置とを備えたことを特徴とする水質シミュレーション装置。
- 請求項1または2に記載の水質シミュレーション装置において、前記水質データ及び運転状態記憶装置に対する水質データの入力値は、オンライン水質分析装置の測定値とすることを特徴とする水質シミュレーション装置。
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