JP2004121911A - 混合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は複数の流体を分子レベルで均一の濃度に混合することを課題とする。
【解決手段】混合装置10は、加圧された2種類の液を混合ユニット16で混合するように構成されている。混合ユニット16は、分子会合切断手段としての超音波振動子17が設けられている。この超音波振動子17は、圧電素子等からなり、超音波振動子駆動回路19からの駆動信号により超音波を混合ユニット16の内部に送信する。これにより、混合ユニット16の内部で混合された2液は、超音波の伝播により分子が振動し、これにより、分子会合状態が切り離されて薬液の純水中への拡散が分子レベルで促進される。よって、混合ユニット16においては、2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】混合装置10は、加圧された2種類の液を混合ユニット16で混合するように構成されている。混合ユニット16は、分子会合切断手段としての超音波振動子17が設けられている。この超音波振動子17は、圧電素子等からなり、超音波振動子駆動回路19からの駆動信号により超音波を混合ユニット16の内部に送信する。これにより、混合ユニット16の内部で混合された2液は、超音波の伝播により分子が振動し、これにより、分子会合状態が切り離されて薬液の純水中への拡散が分子レベルで促進される。よって、混合ユニット16においては、2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば成分の異なる複数の薬液を混合することで半導体や液晶などフラットパネルディスプレイ製造プロセスに使用される混合液を供給する混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、2種類の液体を混合するための混合装置として純水と薬液とを混合する混合装置を例に挙げて説明する。
【0003】
従来、成分の異なる2種類の薬液を混合する混合装置としては、例えば、薬液と純水とを夫々供給する供給管路に夫々の流量を測定する流量計を設け、流量計を用いて流量を計測しながら流量調整弁の弁開度を制御して薬液と純水との混合比を調節するインライン方式のものがある(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、流量調整弁の弁開度を制御するインライン方式の混合装置において、薬液と純水との混合比が例えば1:99の場合、生成される混合液の液量が20L(リットル)とすると、薬液の供給量が200mL(ミリリットル)であるのに対し、純水の供給量が19800mLとなる。このように2液の混合比が大きく相違する場合には、例えば、流量計を用いて流量を計測しながら流量調整弁の弁開度を制御して薬液を微少流量で供給されるように流量調整することが難しく、一定の比率に混合された液の混合比が安定しなかった。
【0005】
また、薬液の流量を微少流量に調整しながら純水に混合する場合、濃厚な薬液(原液)を供給タンクへ投下すると、予め供給タンク内に貯溜されていた薬液と十分に混合せず、濃厚な原液が拡散しないまま供給タンク内に供給されてしまう。
【0006】
すなわち、上記従来のインライン方式の混合装置では、希薄濃度の薬液を小流量で必要とする場合、純水の流れが層流になるため、注入された薬液が純水中に均一に拡散せず、小流量の薬液が筋状のまま流路内を流れてしまい、薬液の濃度が薄い部分と濃い部分とが流路内に形成されて濃度ムラが発生するという問題があった。
【0007】
このインライン方式の混合装置では、上記のような問題を解消するため、薬液と純水とを混合した後、スタティックミキサにより2液を撹拌して均一な濃度を得るように構成されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−35566号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の混合装置では、2液が混合された液体を撹拌して均一な濃度が得られるようにしているが、例えば、流体がフッ化水素酸や水など会合分子を形成する物質からなる場合、スタティックミキサによりその会合状態を切り離すことができず、混合時の拡散を分子レベルまで高めることが難しかった。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決した混合装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
本発明は、異なる種類の流体を個別に供給する複数の流体供給経路と、複数の流体供給経路を流れる流体を所定圧力に加圧して供給する流体供給手段と、流体供給手段により加圧された複数の流体を混合させる混合手段と、を備えてなる混合装置において、混合手段の近傍に流体の分子間の分子会合状態を切り離す分子会合切断手段を設けたものであり、流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくすることにより、混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明になる混合装置の一実施例を示す構成図である。
図1に示されるように、混合装置10は、例えば、薬液供給経路12を介して供給された50%フッ化水素酸(薬液)と、純水供給経路14を介して供給された純水とを混合ユニット(混合手段)16で混合して半導体製造ラインのウエハ(図示せず)に供給するように構成されている。尚、フッ化水素酸は、フッ化水素(hydrogen fluoride)の水溶液であり、以下「薬液(HF液)」と記す。
【0013】
さらに、上記混合ユニット16には、分子会合切断手段としての超音波振動子17が設けられている。この超音波振動子17は、圧電素子等からなり、超音波振動子駆動回路19からの駆動信号により超音波を混合ユニット16の内部に送信する。これにより、混合ユニット16の内部で混合された2液は、超音波の伝播により分子が振動して分子会合状態を切り離して薬液の純水中への拡散が分子レベルで促進される。
【0014】
薬液供給経路12には、貯留された薬液を窒素ガスの圧力で供給するポンプ手段(流体供給手段)としての貯留槽22が設けられている。この貯留槽22には、薬液供給管路18と、窒素ガス供給管路20とが連通されている。貯留槽22の底部より引き出された薬液吐出管路24は、薬液の流量を微小流量に絞る絞り管25を介して混合ユニット16に連通されている。また、薬液吐出管路24には、エア駆動式の開閉弁43と、開閉弁43の上流に設けられたチェック弁(逆流防止弁)44が配設されている。
【0015】
また、窒素ガス供給管路20には、薬液供給圧力を所定圧力に減圧する減圧弁26、窒素ガスの質量流量を計測する質量流量計27、窒素ガス中の微粒子を除去するガスフィルタ28、窒素ガスの流量を調整するエア駆動式の流量調整弁30が配設されている。また、薬液供給管路18には、薬液の流量を計測する超音波式渦流量計32、チェック弁(逆流防止弁)33、薬液の供給量を制御するエア駆動式の開閉弁34が配設されている。
【0016】
超音波式渦流量計32は、薬液供給管路18から供給された薬液(HF液)の流量を計測しており、流量に比例したアナログ信号を発信器32aから制御回路40に発信している。そして、制御回路40は、このアナログ信号から得られた流量計測値に基づいて開閉弁34を開閉制御する。
【0017】
質量流量計27は、窒素ガス供給管路20から供給された窒素ガスの流量を計測しており、流量に比例した周期のアナログ信号を制御回路40に発信している。そして、制御回路40は、このアナログ信号が設定された値で安定するように流量調整弁30の弁開度を制御する。
【0018】
貯留槽22は、薬液供給管路18から供給された薬液(HF液)を一時的に貯留することで薬液(HF液)を安定供給するものである。また、貯留槽22の上部には、ガス抜き管路35と、圧力を測定する液面センサ38とが設けられている。そして、ガス抜き管路35には、チェック弁(逆流防止弁)36と、エア駆動式の逃がし弁37とが設けられている。尚、逃がし弁37は、薬液の注入時に開弁されて貯留槽22の内部に残留した窒素ガスを外部へ排気することで薬液注入時の負荷を軽減する。
【0019】
液面センサ38からの検出信号は、制御回路40に入力されており、制御回路40によって貯留槽22の液位(液面高さ)が管理されている。
【0020】
また、純水供給経路14は、純水供給管路45に純水を送液するポンプ(流体供給手段)46と、純水の流量を計測する超音波式渦流量計48と、純水の供給量を調整する流量調整弁50が配設されている。超音波式渦流量計48は、純水供給経路14から供給された純水の流量を計測しており、流量に比例した周期のアナログ信号を発信器48aから制御回路40に発信している。
【0021】
そして、制御回路40は、このアナログ信号から得られた流量計測値に基づいて電空レギュレータ49に制御信号を出力する。電空レギュレータ49は、流量調整弁50のアクチュエータ部50aに連通された空気圧供給管路49aに設けられており、制御回路40からの制御信号に基づいて流量調整弁50のアクチュエータ部50aに供給される空気圧を調整する。これにより、流量調整弁50は、電空レギュレータ49から供給された空気圧によってアクチュエータ部50aが駆動され、アクチュエータ部50aの駆動により弁開度を制御して流量を調整する。
【0022】
上記開閉弁34,43及び逃がし弁37は、エア駆動式のノーマルクローズ弁構造で構成されており、エア供給ユニット39から供給されるエア(圧縮空気)により開弁動作する。また、エア供給ユニット39は、流量調整弁30、開閉弁34,43、逃がし弁37に連通された空気管路30a,34a,43a,37aに対して空気源(コンプレッサ等)41からの圧縮空気を選択的に供給する電磁弁(図示せず)が設けられている。
【0023】
そのため、エア供給ユニット39では、制御回路40からの制御信号に基づいて空気管路30a,34a,43a,37aへ供給する圧縮空気をオンまたはオフにして流量調整弁30の弁開度を調整し、開閉弁34,43または逃がし弁37を開弁または閉弁させる。
【0024】
また、上記薬液供給管路18及び純水供給管路45は、パーフロロアルコキシ共重合体(PFA樹脂)、あるいはポリフッ化ビニリデン(PVDF樹脂)などの不純物の溶出や微粒子の発生が極めて少ない材質により形成されている。
【0025】
また、制御回路40のメモリには、流体供給開始時、薬液吐出管路24に配された開閉弁43及び窒素ガス供給管路20に配された流量調整弁30及び開閉弁43及び、純水供給管路45に配された流量調整弁50を開弁させる制御プログラム(制御手段)が格納されている。
【0026】
また、制御回路40のメモリには、流体供給停止時、薬液吐出管路24に配された開閉弁43及び窒素ガス供給管路20に配された流量調整弁30、純水供給管路45に配された流量調整弁50を閉弁させる制御プログラムと、2液の混合処理時に超音波振動子駆動回路19を駆動させて超音波振動子17からの超音波を混合ユニット16の内部に送信する制御プログラムと、が格納されている。
【0027】
図2は混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。図3は図2中A−A線に沿う縦断面図である。
図2及び図3に示されるように、混合ユニット16は、耐薬品性に優れた四フッ化エチレン樹脂(PTFE樹脂)からなるユニット本体60と、ユニット本体60の一端に開口する第1の混合室62と、ユニット本体60の他端に開口する第2の混合室64と、第1の混合室62と第2の混合室64との間を連通する小径な絞り孔66と、第1の混合室62の開口に圧入(または接着)された流入管68と、第2の混合室64の開口に圧入(または接着)された流出管70と、第1の混合室62に上方から挿入された絞り管25とより構成されている。
【0028】
また、ユニット本体60には、絞り孔66の延在方向と直交する方向に円柱形状の凹部61が形成されている。この凹部61は、超音波振動子17を挿入するための取付孔であり、超音波を送信する超音波振動子17の先端部が絞り孔66に近接するように取り付けられる。
【0029】
従って、超音波振動子駆動回路19により駆動された超音波振動子17は、端部に形成された振動板の振動によって発生した超音波が絞り孔66の内部に伝播しやすい位置に取り付けられている。そのため、第1の混合室62で混合された2液は、絞り孔66を通過する過程で超音波を照射されて分子が振動し、これにより、分子会合状態が切り離されて薬液の純水中への拡散が分子レベルで促進される。
【0030】
第1の混合室62、第2の混合室64、絞り孔66は、同一軸線上に直列に配置されており、流入管68の流入路68a,絞り孔66,流出管70の流出路70aもユニット本体60の中心線上に配置されている。
【0031】
本実施例では、流入路68aの内径d1、第1の混合室62の内径d2、絞り孔66の内径d3、第2の混合室64の内径d4、流出路70aの内径d5とすると、各内径の大きさは、d2(=d4)>d1(=d5)>d3に設定されている。
【0032】
流入路68aは、純水供給管路45が連通され、流出路70aには混合ユニット16の下流に連通された吐出管路52が連通されている。また、絞り管25は、針のように小径な孔25aが貫通しており、薬液吐出管路24から供給された薬液を第1の混合室62に供給する。
【0033】
さらに、絞り管25の先端は、第1の混合室62の中心まで突出しており、孔25aから吐出された微小流量の薬液は、貯留槽22内の窒素ガス圧によって所定圧力に加圧されており、流入路68aから流入された純水の流れの中心(流速の高い領域)に窒素ガス圧で押し出されて混合される。
【0034】
そのため、流入路68aから第1の混合室62の中心に吐出された純水の流れは、ポンプ46によって所定圧力に加圧されており、高流速で絞り管25の先端に衝突して乱流状態になりながら絞り管25から吐出された薬液と混合される。
【0035】
絞り孔66の入口及び出口には、円錐状に傾斜したテーパ部72,74が形成されている。従って、第1の混合室62で混合された流体は、テーパ部72にガイドされて小径な絞り孔66に流入し、流速を加速される。
【0036】
また、絞り孔66を通過した流体は、テーパ部74にガイドされて第2の混合室64に拡散して薬液と純水を均一の混合比となるように混合させる。従って、絞り孔66の入口及び出口に設けられたテーパ部72,74によって、流体が滞留することが無くなり、第1の混合室62及び第2の混合室64において部分的に高濃度の領域が形成されることが防止される。
【0037】
このように、絞り孔66で加速された流体は、超音波振動子17から送信された超音波を伝播されながら第2の混合室64において流速が減速されて流出管70の端部によって流れが変化するため、流路面積の大きい第2の混合室64の内部空間内を乱流状態で通過して小径な流出路70aから吐出管路52へ吐出される。
【0038】
従って、第1の混合室62で混合された薬液と純水は、第1の混合室62、絞り孔66、第2の混合室64を通過する過程で均一な一定の濃度に混合されて吐出管路52へ安定供給される。
【0039】
また、第1の混合室62で混合された2液が、絞り孔66を通過して第1の混合室62から第2の混合室64へ移動する過程で超音波が流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくする。すなわち、絞り孔66を通過する液体に対して超音波を照射することで、2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止することが可能になり、特に、微小流量の薬液と大流量の入水との混合比率が1:99のように大きく異なる場合でも、2液の分子を均一な濃度に混合することが可能になる。
【0040】
ここで、変形例について説明する。
図4は変形例1の構成を示す構成図である。図4において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示されるように、変形例1の混合装置80では、混合ユニット16の上流に位置する絞り管25に第1の超音波振動(分子会合切断手段)82が設けられ、純水供給経路14に連通された流入管68に第2の超音波振動子(分子会合切断手段)84が設けられている。
【0041】
第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84は、上記実施例と同様に超音波振動子駆動回路19により駆動される。
【0042】
図5は変形例1の混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。図6は図5に示す変形例1の側面図である。図5及び図6において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図5及び図6に示されるように、第1の超音波振動子82は、絞り管25の延在方向と直交する方向に延在するように取り付けられており、振動板を有する先端部分が絞り管25の外周に形成された凹部25bに嵌合した状態に取り付けられている。
【0043】
また、第2の超音波振動子84は、流入管68の延在方向と直交する方向に延在するように取り付けられており、振動板を有する先端部分が流入管68の外周に形成された凹部68bに嵌合した状態に取り付けられている。
【0044】
従って、第1の超音波振動子82は、端部に形成された振動板の振動によって発生した超音波が絞り管25の孔25aの内部に伝播しやすい位置に取り付けられている。そのため、第1の混合室62に供給される薬液(HF液)は、絞り管25を通過する過程で超音波を照射され、これにより、分子が振動して分子会合状態が切り離されて純水中への拡散が分子レベルで促進される。
【0045】
また、第2の超音波振動子84は、上記第1の超音波振動子82と同様に、端部に形成された振動板の振動によって発生した超音波が流入管68の流入路68aの内部に伝播しやすい位置に取り付けられている。そのため、第1の混合室62に供給される純水は、流入管68の流入路68aを通過する過程で超音波を照射され、これにより、分子が振動して分子会合状態が切り離されて純水の拡散が分子レベルで促進される。
【0046】
このように、第1の混合室62に供給される2液が、夫々個別に第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84からの超音波を照射されるため、第1の混合室62に流入される過程で超音波が流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくする。すなわち、第1の混合室62に流入される液体に対して超音波を照射することで、2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止することが可能になり、特に、微小流量の薬液と大流量の入水との混合比率が1:99のように大きく異なる場合でも、2液の分子を均一な濃度に混合することが可能になる。
図7は変形例2の構成を示す構成図である。図7において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、変形例2の混合装置90では、混合ユニット16で混合された2液が吐出管路52を通過してスタティックミキサ92に供給される。スタティックミキサ92は、内部に薬液と純水とを混合するための流路が螺旋状に形成されている。従って、混合ユニット16で混合された2液は、超音波振動子17からの超音波が照射された後、スタティックミキサ92を流れる際の物理的な乱流状態によって撹拌される。
【0047】
これにより、第1の混合室62で混合された薬液と純水は、第1の混合室62、絞り孔66、第2の混合室64を通過する過程で超音波振動子17から超音波を照射されて2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラが防止され、さらにスタティックミキサ92により均一な一定の濃度に混合されて下流へ安定供給される。
【0048】
また、上記以外の変形例としては、上記超音波振動子17や第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84の代わりに電磁波を流体に照射する電磁波照射モジュールを混合ユニット16あるいは、混合ユニット16の上流に設ける構成のものが考えられる。
【0049】
また、上記超音波振動子17や第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84の代わりに混合される2液または混合された液体を加熱するヒータを混合ユニット16あるいは、混合ユニット16の上流に設ける構成のものが考えられる。
【0050】
尚、本実施の形態では、2種類の流体を混合ノズル16で混合するよう構成された装置を一例として挙げたが、これに限らず、例えば、2種類の流体をタンク内で混合し、撹拌して供給するように構成された混合装置にも本発明が適用できるのは勿論である。
【0051】
また、本実施の形態では、フッ化水素酸と純水とを所定の割合で混合させる場合を一例として挙げたが、他の薬液を混合する場合にも本発明が適用できるのは勿論である。
【0052】
また、本実施の形態では、フッ化水素酸と純水との2種類の液体を混合する場合を一例として説明したが、成分が異なる2種以上の流体を混合させる場合にも本発明が適用できるのは勿論である。
【0053】
また、本実施例において、純水の供給手段としてポンプを用いたが、これに限らず、例えば、高低差を利用した方法を流体供給手段として用いる方法を用いても良い。
【0054】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、異なる種類の流体を個別に供給する複数の流体供給経路と、複数の流体供給経路を流れる流体を所定圧力に加圧して供給する流体供給手段と、流体供給手段により加圧された複数の流体を混合させる混合手段と、を備えてなる混合装置において、混合手段の近傍に流体の分子間の分子会合状態を切り離す分子会合切断手段を設けたものであり、流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくすることにより、混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止することができる。例えば、混合比率が1:99のように混合比が大きく異なる場合には、第1の混合室で混合された2液を、均一な一定の濃度に混合して安定供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる混合装置の一実施例の概略構成を示す構成図である。
【図2】混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中A−A線に沿う縦断面図である。
【図4】変形例1の構成図である。
【図5】変形例1の混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。
【図6】図5に示す変形例1の側面図である。
【図7】変形例2の構成図である。
【符号の説明】
10,80,90 混合装置
12 薬液供給経路
14 純水供給経路
16 混合ユニット
17 超音波振動子
18 薬液供給管路
19 超音波振動子駆動回路
20 窒素ガス供給管路
22 貯留槽
24 薬液吐出管路
27 質量流量計
30 流量調整弁
34,37,43 開閉弁
30a,34a,37a,34a 空気管路
32,48 超音波式渦流量計
37 逃がし弁
38 液面センサ
39 エア供給ユニット
40 制御回路
41 空気源
44 流量安定部
45 純水供給管路
46 ポンプ
50 流量調整弁
60 ユニット本体
62 第1の混合室
64 第2の混合室
66 絞り孔
68 流入管
70 流出管
82 第1の超音波振動子
84 第2の超音波振動子
92 スタティックミキサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば成分の異なる複数の薬液を混合することで半導体や液晶などフラットパネルディスプレイ製造プロセスに使用される混合液を供給する混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、2種類の液体を混合するための混合装置として純水と薬液とを混合する混合装置を例に挙げて説明する。
【0003】
従来、成分の異なる2種類の薬液を混合する混合装置としては、例えば、薬液と純水とを夫々供給する供給管路に夫々の流量を測定する流量計を設け、流量計を用いて流量を計測しながら流量調整弁の弁開度を制御して薬液と純水との混合比を調節するインライン方式のものがある(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、流量調整弁の弁開度を制御するインライン方式の混合装置において、薬液と純水との混合比が例えば1:99の場合、生成される混合液の液量が20L(リットル)とすると、薬液の供給量が200mL(ミリリットル)であるのに対し、純水の供給量が19800mLとなる。このように2液の混合比が大きく相違する場合には、例えば、流量計を用いて流量を計測しながら流量調整弁の弁開度を制御して薬液を微少流量で供給されるように流量調整することが難しく、一定の比率に混合された液の混合比が安定しなかった。
【0005】
また、薬液の流量を微少流量に調整しながら純水に混合する場合、濃厚な薬液(原液)を供給タンクへ投下すると、予め供給タンク内に貯溜されていた薬液と十分に混合せず、濃厚な原液が拡散しないまま供給タンク内に供給されてしまう。
【0006】
すなわち、上記従来のインライン方式の混合装置では、希薄濃度の薬液を小流量で必要とする場合、純水の流れが層流になるため、注入された薬液が純水中に均一に拡散せず、小流量の薬液が筋状のまま流路内を流れてしまい、薬液の濃度が薄い部分と濃い部分とが流路内に形成されて濃度ムラが発生するという問題があった。
【0007】
このインライン方式の混合装置では、上記のような問題を解消するため、薬液と純水とを混合した後、スタティックミキサにより2液を撹拌して均一な濃度を得るように構成されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−35566号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の混合装置では、2液が混合された液体を撹拌して均一な濃度が得られるようにしているが、例えば、流体がフッ化水素酸や水など会合分子を形成する物質からなる場合、スタティックミキサによりその会合状態を切り離すことができず、混合時の拡散を分子レベルまで高めることが難しかった。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決した混合装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
本発明は、異なる種類の流体を個別に供給する複数の流体供給経路と、複数の流体供給経路を流れる流体を所定圧力に加圧して供給する流体供給手段と、流体供給手段により加圧された複数の流体を混合させる混合手段と、を備えてなる混合装置において、混合手段の近傍に流体の分子間の分子会合状態を切り離す分子会合切断手段を設けたものであり、流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくすることにより、混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明になる混合装置の一実施例を示す構成図である。
図1に示されるように、混合装置10は、例えば、薬液供給経路12を介して供給された50%フッ化水素酸(薬液)と、純水供給経路14を介して供給された純水とを混合ユニット(混合手段)16で混合して半導体製造ラインのウエハ(図示せず)に供給するように構成されている。尚、フッ化水素酸は、フッ化水素(hydrogen fluoride)の水溶液であり、以下「薬液(HF液)」と記す。
【0013】
さらに、上記混合ユニット16には、分子会合切断手段としての超音波振動子17が設けられている。この超音波振動子17は、圧電素子等からなり、超音波振動子駆動回路19からの駆動信号により超音波を混合ユニット16の内部に送信する。これにより、混合ユニット16の内部で混合された2液は、超音波の伝播により分子が振動して分子会合状態を切り離して薬液の純水中への拡散が分子レベルで促進される。
【0014】
薬液供給経路12には、貯留された薬液を窒素ガスの圧力で供給するポンプ手段(流体供給手段)としての貯留槽22が設けられている。この貯留槽22には、薬液供給管路18と、窒素ガス供給管路20とが連通されている。貯留槽22の底部より引き出された薬液吐出管路24は、薬液の流量を微小流量に絞る絞り管25を介して混合ユニット16に連通されている。また、薬液吐出管路24には、エア駆動式の開閉弁43と、開閉弁43の上流に設けられたチェック弁(逆流防止弁)44が配設されている。
【0015】
また、窒素ガス供給管路20には、薬液供給圧力を所定圧力に減圧する減圧弁26、窒素ガスの質量流量を計測する質量流量計27、窒素ガス中の微粒子を除去するガスフィルタ28、窒素ガスの流量を調整するエア駆動式の流量調整弁30が配設されている。また、薬液供給管路18には、薬液の流量を計測する超音波式渦流量計32、チェック弁(逆流防止弁)33、薬液の供給量を制御するエア駆動式の開閉弁34が配設されている。
【0016】
超音波式渦流量計32は、薬液供給管路18から供給された薬液(HF液)の流量を計測しており、流量に比例したアナログ信号を発信器32aから制御回路40に発信している。そして、制御回路40は、このアナログ信号から得られた流量計測値に基づいて開閉弁34を開閉制御する。
【0017】
質量流量計27は、窒素ガス供給管路20から供給された窒素ガスの流量を計測しており、流量に比例した周期のアナログ信号を制御回路40に発信している。そして、制御回路40は、このアナログ信号が設定された値で安定するように流量調整弁30の弁開度を制御する。
【0018】
貯留槽22は、薬液供給管路18から供給された薬液(HF液)を一時的に貯留することで薬液(HF液)を安定供給するものである。また、貯留槽22の上部には、ガス抜き管路35と、圧力を測定する液面センサ38とが設けられている。そして、ガス抜き管路35には、チェック弁(逆流防止弁)36と、エア駆動式の逃がし弁37とが設けられている。尚、逃がし弁37は、薬液の注入時に開弁されて貯留槽22の内部に残留した窒素ガスを外部へ排気することで薬液注入時の負荷を軽減する。
【0019】
液面センサ38からの検出信号は、制御回路40に入力されており、制御回路40によって貯留槽22の液位(液面高さ)が管理されている。
【0020】
また、純水供給経路14は、純水供給管路45に純水を送液するポンプ(流体供給手段)46と、純水の流量を計測する超音波式渦流量計48と、純水の供給量を調整する流量調整弁50が配設されている。超音波式渦流量計48は、純水供給経路14から供給された純水の流量を計測しており、流量に比例した周期のアナログ信号を発信器48aから制御回路40に発信している。
【0021】
そして、制御回路40は、このアナログ信号から得られた流量計測値に基づいて電空レギュレータ49に制御信号を出力する。電空レギュレータ49は、流量調整弁50のアクチュエータ部50aに連通された空気圧供給管路49aに設けられており、制御回路40からの制御信号に基づいて流量調整弁50のアクチュエータ部50aに供給される空気圧を調整する。これにより、流量調整弁50は、電空レギュレータ49から供給された空気圧によってアクチュエータ部50aが駆動され、アクチュエータ部50aの駆動により弁開度を制御して流量を調整する。
【0022】
上記開閉弁34,43及び逃がし弁37は、エア駆動式のノーマルクローズ弁構造で構成されており、エア供給ユニット39から供給されるエア(圧縮空気)により開弁動作する。また、エア供給ユニット39は、流量調整弁30、開閉弁34,43、逃がし弁37に連通された空気管路30a,34a,43a,37aに対して空気源(コンプレッサ等)41からの圧縮空気を選択的に供給する電磁弁(図示せず)が設けられている。
【0023】
そのため、エア供給ユニット39では、制御回路40からの制御信号に基づいて空気管路30a,34a,43a,37aへ供給する圧縮空気をオンまたはオフにして流量調整弁30の弁開度を調整し、開閉弁34,43または逃がし弁37を開弁または閉弁させる。
【0024】
また、上記薬液供給管路18及び純水供給管路45は、パーフロロアルコキシ共重合体(PFA樹脂)、あるいはポリフッ化ビニリデン(PVDF樹脂)などの不純物の溶出や微粒子の発生が極めて少ない材質により形成されている。
【0025】
また、制御回路40のメモリには、流体供給開始時、薬液吐出管路24に配された開閉弁43及び窒素ガス供給管路20に配された流量調整弁30及び開閉弁43及び、純水供給管路45に配された流量調整弁50を開弁させる制御プログラム(制御手段)が格納されている。
【0026】
また、制御回路40のメモリには、流体供給停止時、薬液吐出管路24に配された開閉弁43及び窒素ガス供給管路20に配された流量調整弁30、純水供給管路45に配された流量調整弁50を閉弁させる制御プログラムと、2液の混合処理時に超音波振動子駆動回路19を駆動させて超音波振動子17からの超音波を混合ユニット16の内部に送信する制御プログラムと、が格納されている。
【0027】
図2は混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。図3は図2中A−A線に沿う縦断面図である。
図2及び図3に示されるように、混合ユニット16は、耐薬品性に優れた四フッ化エチレン樹脂(PTFE樹脂)からなるユニット本体60と、ユニット本体60の一端に開口する第1の混合室62と、ユニット本体60の他端に開口する第2の混合室64と、第1の混合室62と第2の混合室64との間を連通する小径な絞り孔66と、第1の混合室62の開口に圧入(または接着)された流入管68と、第2の混合室64の開口に圧入(または接着)された流出管70と、第1の混合室62に上方から挿入された絞り管25とより構成されている。
【0028】
また、ユニット本体60には、絞り孔66の延在方向と直交する方向に円柱形状の凹部61が形成されている。この凹部61は、超音波振動子17を挿入するための取付孔であり、超音波を送信する超音波振動子17の先端部が絞り孔66に近接するように取り付けられる。
【0029】
従って、超音波振動子駆動回路19により駆動された超音波振動子17は、端部に形成された振動板の振動によって発生した超音波が絞り孔66の内部に伝播しやすい位置に取り付けられている。そのため、第1の混合室62で混合された2液は、絞り孔66を通過する過程で超音波を照射されて分子が振動し、これにより、分子会合状態が切り離されて薬液の純水中への拡散が分子レベルで促進される。
【0030】
第1の混合室62、第2の混合室64、絞り孔66は、同一軸線上に直列に配置されており、流入管68の流入路68a,絞り孔66,流出管70の流出路70aもユニット本体60の中心線上に配置されている。
【0031】
本実施例では、流入路68aの内径d1、第1の混合室62の内径d2、絞り孔66の内径d3、第2の混合室64の内径d4、流出路70aの内径d5とすると、各内径の大きさは、d2(=d4)>d1(=d5)>d3に設定されている。
【0032】
流入路68aは、純水供給管路45が連通され、流出路70aには混合ユニット16の下流に連通された吐出管路52が連通されている。また、絞り管25は、針のように小径な孔25aが貫通しており、薬液吐出管路24から供給された薬液を第1の混合室62に供給する。
【0033】
さらに、絞り管25の先端は、第1の混合室62の中心まで突出しており、孔25aから吐出された微小流量の薬液は、貯留槽22内の窒素ガス圧によって所定圧力に加圧されており、流入路68aから流入された純水の流れの中心(流速の高い領域)に窒素ガス圧で押し出されて混合される。
【0034】
そのため、流入路68aから第1の混合室62の中心に吐出された純水の流れは、ポンプ46によって所定圧力に加圧されており、高流速で絞り管25の先端に衝突して乱流状態になりながら絞り管25から吐出された薬液と混合される。
【0035】
絞り孔66の入口及び出口には、円錐状に傾斜したテーパ部72,74が形成されている。従って、第1の混合室62で混合された流体は、テーパ部72にガイドされて小径な絞り孔66に流入し、流速を加速される。
【0036】
また、絞り孔66を通過した流体は、テーパ部74にガイドされて第2の混合室64に拡散して薬液と純水を均一の混合比となるように混合させる。従って、絞り孔66の入口及び出口に設けられたテーパ部72,74によって、流体が滞留することが無くなり、第1の混合室62及び第2の混合室64において部分的に高濃度の領域が形成されることが防止される。
【0037】
このように、絞り孔66で加速された流体は、超音波振動子17から送信された超音波を伝播されながら第2の混合室64において流速が減速されて流出管70の端部によって流れが変化するため、流路面積の大きい第2の混合室64の内部空間内を乱流状態で通過して小径な流出路70aから吐出管路52へ吐出される。
【0038】
従って、第1の混合室62で混合された薬液と純水は、第1の混合室62、絞り孔66、第2の混合室64を通過する過程で均一な一定の濃度に混合されて吐出管路52へ安定供給される。
【0039】
また、第1の混合室62で混合された2液が、絞り孔66を通過して第1の混合室62から第2の混合室64へ移動する過程で超音波が流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくする。すなわち、絞り孔66を通過する液体に対して超音波を照射することで、2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止することが可能になり、特に、微小流量の薬液と大流量の入水との混合比率が1:99のように大きく異なる場合でも、2液の分子を均一な濃度に混合することが可能になる。
【0040】
ここで、変形例について説明する。
図4は変形例1の構成を示す構成図である。図4において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示されるように、変形例1の混合装置80では、混合ユニット16の上流に位置する絞り管25に第1の超音波振動(分子会合切断手段)82が設けられ、純水供給経路14に連通された流入管68に第2の超音波振動子(分子会合切断手段)84が設けられている。
【0041】
第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84は、上記実施例と同様に超音波振動子駆動回路19により駆動される。
【0042】
図5は変形例1の混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。図6は図5に示す変形例1の側面図である。図5及び図6において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図5及び図6に示されるように、第1の超音波振動子82は、絞り管25の延在方向と直交する方向に延在するように取り付けられており、振動板を有する先端部分が絞り管25の外周に形成された凹部25bに嵌合した状態に取り付けられている。
【0043】
また、第2の超音波振動子84は、流入管68の延在方向と直交する方向に延在するように取り付けられており、振動板を有する先端部分が流入管68の外周に形成された凹部68bに嵌合した状態に取り付けられている。
【0044】
従って、第1の超音波振動子82は、端部に形成された振動板の振動によって発生した超音波が絞り管25の孔25aの内部に伝播しやすい位置に取り付けられている。そのため、第1の混合室62に供給される薬液(HF液)は、絞り管25を通過する過程で超音波を照射され、これにより、分子が振動して分子会合状態が切り離されて純水中への拡散が分子レベルで促進される。
【0045】
また、第2の超音波振動子84は、上記第1の超音波振動子82と同様に、端部に形成された振動板の振動によって発生した超音波が流入管68の流入路68aの内部に伝播しやすい位置に取り付けられている。そのため、第1の混合室62に供給される純水は、流入管68の流入路68aを通過する過程で超音波を照射され、これにより、分子が振動して分子会合状態が切り離されて純水の拡散が分子レベルで促進される。
【0046】
このように、第1の混合室62に供給される2液が、夫々個別に第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84からの超音波を照射されるため、第1の混合室62に流入される過程で超音波が流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくする。すなわち、第1の混合室62に流入される液体に対して超音波を照射することで、2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止することが可能になり、特に、微小流量の薬液と大流量の入水との混合比率が1:99のように大きく異なる場合でも、2液の分子を均一な濃度に混合することが可能になる。
図7は変形例2の構成を示す構成図である。図7において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、変形例2の混合装置90では、混合ユニット16で混合された2液が吐出管路52を通過してスタティックミキサ92に供給される。スタティックミキサ92は、内部に薬液と純水とを混合するための流路が螺旋状に形成されている。従って、混合ユニット16で混合された2液は、超音波振動子17からの超音波が照射された後、スタティックミキサ92を流れる際の物理的な乱流状態によって撹拌される。
【0047】
これにより、第1の混合室62で混合された薬液と純水は、第1の混合室62、絞り孔66、第2の混合室64を通過する過程で超音波振動子17から超音波を照射されて2液の分子が活性化されて混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラが防止され、さらにスタティックミキサ92により均一な一定の濃度に混合されて下流へ安定供給される。
【0048】
また、上記以外の変形例としては、上記超音波振動子17や第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84の代わりに電磁波を流体に照射する電磁波照射モジュールを混合ユニット16あるいは、混合ユニット16の上流に設ける構成のものが考えられる。
【0049】
また、上記超音波振動子17や第1の超音波振動子82及び第2の超音波振動子84の代わりに混合される2液または混合された液体を加熱するヒータを混合ユニット16あるいは、混合ユニット16の上流に設ける構成のものが考えられる。
【0050】
尚、本実施の形態では、2種類の流体を混合ノズル16で混合するよう構成された装置を一例として挙げたが、これに限らず、例えば、2種類の流体をタンク内で混合し、撹拌して供給するように構成された混合装置にも本発明が適用できるのは勿論である。
【0051】
また、本実施の形態では、フッ化水素酸と純水とを所定の割合で混合させる場合を一例として挙げたが、他の薬液を混合する場合にも本発明が適用できるのは勿論である。
【0052】
また、本実施の形態では、フッ化水素酸と純水との2種類の液体を混合する場合を一例として説明したが、成分が異なる2種以上の流体を混合させる場合にも本発明が適用できるのは勿論である。
【0053】
また、本実施例において、純水の供給手段としてポンプを用いたが、これに限らず、例えば、高低差を利用した方法を流体供給手段として用いる方法を用いても良い。
【0054】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、異なる種類の流体を個別に供給する複数の流体供給経路と、複数の流体供給経路を流れる流体を所定圧力に加圧して供給する流体供給手段と、流体供給手段により加圧された複数の流体を混合させる混合手段と、を備えてなる混合装置において、混合手段の近傍に流体の分子間の分子会合状態を切り離す分子会合切断手段を設けたものであり、流体の分子間の会合状態を切り離して流体の粘性抵抗を小さくすることにより、混合時の拡散効率を高めて分子レベルでの濃度ムラを防止することができる。例えば、混合比率が1:99のように混合比が大きく異なる場合には、第1の混合室で混合された2液を、均一な一定の濃度に混合して安定供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる混合装置の一実施例の概略構成を示す構成図である。
【図2】混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中A−A線に沿う縦断面図である。
【図4】変形例1の構成図である。
【図5】変形例1の混合ユニット16の構成を拡大して示す縦断面図である。
【図6】図5に示す変形例1の側面図である。
【図7】変形例2の構成図である。
【符号の説明】
10,80,90 混合装置
12 薬液供給経路
14 純水供給経路
16 混合ユニット
17 超音波振動子
18 薬液供給管路
19 超音波振動子駆動回路
20 窒素ガス供給管路
22 貯留槽
24 薬液吐出管路
27 質量流量計
30 流量調整弁
34,37,43 開閉弁
30a,34a,37a,34a 空気管路
32,48 超音波式渦流量計
37 逃がし弁
38 液面センサ
39 エア供給ユニット
40 制御回路
41 空気源
44 流量安定部
45 純水供給管路
46 ポンプ
50 流量調整弁
60 ユニット本体
62 第1の混合室
64 第2の混合室
66 絞り孔
68 流入管
70 流出管
82 第1の超音波振動子
84 第2の超音波振動子
92 スタティックミキサ
Claims (1)
- 異なる種類の流体を個別に供給する複数の流体供給経路と、
該複数の流体供給経路を流れる流体を所定圧力に加圧して供給する流体供給手段と、
該流体供給手段により加圧された複数の流体を混合させる混合手段と、
を備えてなる混合装置において、
前記混合手段の近傍に前記流体の分子間の分子会合状態を切り離す分子会合切断手段を設けたことを特徴とする混合装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008302284A (ja) * | 2007-06-06 | 2008-12-18 | Kansai Paint Co Ltd | 塗料供給装置、塗料供給方法、及び、塗装方法 |
CN111346563A (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-30 | 夏泰鑫半导体(青岛)有限公司 | 流体制备的方法与系统 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286337A patent/JP2004121911A/ja active Pending
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