JP2004121059A - 捕獣用檻 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上下水平方形枠1,1’のそれぞれ4隅の水平杆直交部に上下方向対向短管2,2’を介設し、各短管2,2’の内側にそれぞれ上記短管2,2’より長い上下方向対向ピン3,3’を溶着し、上下方向対向ピン3,3’に支柱管4の上下端部を着脱自在に嵌合して上下水平方形枠1,1’の4隅を該支柱管4で接続し、上下方向対向短管2,2’に丸鋼又は鋼管による長柱5を挿通して、これを上部水平方形枠1の上方に延長5’し、上下水平方形枠1,1’の各辺の外側に方形側枠6,6’を配置し、該側枠6,6’の左右両縦杆7,7’の上下部に長柱5に摺動自在に嵌合する環8,8’を設けて上記各側枠6,6’をそれぞれ上記長柱5に沿って昇降自在に支持し、上記枠1,6,6’内に格子9を張設してなる捕獣用檻。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は罠で捕獲した猪その他の害獣を収容する檻に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、猪、猿、鹿、熊、鳥その他の大小害獣鳥を捕獲する2方開閉式檻形罠が実用化されている。
【0003】
ところで2方開閉式のものはトンネル状であり、両側を格子枠で閉塞しているため進入する上記害獣鳥類は警戒するため、捕獲率が低く檻の大きさよりも比較的小さい動物が捕獲された(例えば特許文献1,2,3,4,5)。
【0004】
上記欠陥を解決するため2重円筒形格子罠を固定支柱の上方に上昇させ四方から中央可動底板上に動物が進入した時点で2重円筒形格子罠を落下させる捕獲用檻が開発された。
【0005】
四方から動物は進入し易いが中央固定支柱や可動底板を支持するベース部材を要しポータブルで簡便に現場組立分解が困難であるという欠陥がある(例えば特許文献6)。
【0006】
さらに4個の固定柱に四方に格子枠を設け、四方の格子枠を一度に閉鎖する動物捕獲用檻が開発されているが、2対の対向格子枠にそれぞれ開口支持装置を設け、機構が複雑で重量大であり、組立分解及び搬出入し難く、かつ檻内の中央部に常設動作柱を有するため、これが動物の目に障るため警戒心を与え易いという問題があり、昇降踏板及び常設動作柱があり檻として利用し難いという問題があった(例えば特許文献7)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−275545号(図1)
【特許文献2】
特開2001−128610号(図1、図2)
【特許文献3】
特開2001−37400号(図1、図2)
【特許文献4】
特開2000−333586号(図1(a)(b)(c)図)
【特許文献5】
特開平10−215752号(図1、図2)
【特許文献6】
特開平8−56550号(請求項1、第3頁第3欄39〜46行目)
【特許文献7】
特開平8−56549号(第5頁第8欄13〜24行目、図1、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は一方〜四方から動物の進入が可能で、動物が進入した直後に格子枠が落下して檻を形成し、そのまま檻として利用でき、かつ分解組立容易な捕獣用檻を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に上下水平方形枠のそれぞれ4隅の水平杆直交部に上下方向対向短管を介設し、各短管の内側にそれぞれ上記短管より長い上下方向対向ピンを溶着し、上下方向対向ピンに支柱管の上下端部を着脱自在に嵌合して上下水平方形枠の4隅を該支柱管で接続し、上下方向対向短管に丸鋼又は鋼管による長柱を挿通して、これを上部水平方形枠の上方に延長し、上下水平方形枠の各辺の外側に方形側枠を配置し、該側枠の左右両縦杆の上下部に長柱に摺動自在に嵌合する環を設けて上記各側枠をそれぞれ上記長柱に沿って昇降自在に支持し、上記枠内に格子を張設してなる捕獣用檻、
第2に他方の上記縦杆による他方の方形側枠及びこれに対向する方形側枠のそれぞれ下縁を、直立軸に遊支した水平方向遊動ピンで支持し、該直立軸の下部を水平連杆の両端屈曲部に接続し、該連杆が進入獣によって中心線の回りに回動する罠装置を備えてなる上記第1発明に記載の捕獣用檻、
によって構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
4個のアングル形鋼杆を水平に直交させ、4隅の直交部にそれぞれ上下方向短管2,2’を介在させて溶着固定し、上下に対向する水平方形枠1,1’を形成する。
【0011】
上下に対向する水平方形枠1,1’は互いに相似する正方形又は長方形枠であり、上下の上記短管2,2’は各4隅においてそれぞれ中心線Cを共有する。
【0012】
上下の各短管2,2’の長さ(高さt)は下部短管2を60mm、上部短管2’を30mmとし、下部短管2の高さtを上部短管2’の2倍とし、その内側にはそれぞれその高さtよりも長い(高い)上下方向対向ピン3,3’を共通中心線c上に溶着し上下対向配設する。
【0013】
上記上下方向対向ピン3,3’には同長の支柱管4の上下端部を着脱自在に嵌合し、上下水平方形枠1,1’を支柱管4の高さに隔離し4個の支柱管4,4,4,4によってその高さを保持し、
該方形枠1,1’内にはそれぞれ鋼線を縦横に交差し又は並行に並べた格子9を張設して四阿状(図3)に地面に形成する。
【0014】
中心線Cを共有する短管2,2’にはそれぞれ丸鋼又は鋼管による長柱5,5,5,5を嵌挿し、その下端は下部短管2に設けた底板、地盤又は支持石片等によって支持され、上端は図1に示すように上部短管2’の上方に延長5’する。
【0015】
上下の上記方形枠1,1’のそれぞれ各辺のアングル形鋼杆1”,1”,1”,1”の外側にはそれぞれ方形側枠6,6’を垂直面に沿って配置する。下部短管2の高さtを上部短管2’より高く(2倍、60mm)とすることにより、上記アングル形鋼杆1”と側枠6,6’の下縁とによる足を挟むおそれがない。
【0016】
この方形側枠6,6’も4個のアングル形鋼杆を方形に配置し接続部を溶着してなり、左右両縦方向鋼杆(左右両縦杆)7,7’の上下部に環8,8’を溶着して設け、これを上記長柱5に摺動自在に嵌合し、上記各側枠6,6’,6,6’をそれぞれ上記長柱5,5,5,5に沿って昇降自在に支持する。
【0017】
上記各側枠6,6’にもそれぞれ上記格子9を張設する。
【0018】
上記長柱5を介して、その左右に隣接する上記縦杆7,7’のそれぞれの上下部の環8,8’のそれぞれ間隔h,Hを左右同一に形成する。
【0019】
上記側枠6,6’を下降させた状態では、上下部それぞれの上記左右の環8,8,8’,8’相互が上下に重合し、かつ上記短管2,2’上に重合する。その状態で上下水平方形枠1,1’の四方は上記側枠6,6’によって閉鎖され、手動で上昇させて上記四方を開放することができ、四方開閉自在の檻14を形成する。
【0020】
一方(右方)の側枠6’の開放状態を一時的に維持するためには図5に示す預け具15を用いる。
【0021】
この預け具15は上部水平方形枠1のアングル形鋼杆1”に門形金具16をボルト17、ナット17’で支持し、該金具16に発条18の力で外側に進出するボルト19を設け、該ボルト19の先端ストッパ19’で一方の側枠6’のそれぞれ格子9の中央部に固定した縦杆20の下端を支持し、一方(右方)の側枠6’を仮支持することができる。
【0022】
又図4に示すように長柱5を介して左右に隣接する上記縦杆7,7’の上端部に設けた右方(一方)の環8の上端が右方(一方)の縦杆7’の上縁と同一水準に形成し、
左方(他方)の環8の上端が左方(他方)の縦杆7の上縁よりも上記右方の環8の高さだけ下方に左方の縦杆7に設けられ、
さらに上記縦杆7,7’の下端部において左方(他方)の環8’の下端が左方の縦杆7の下縁と同一水準であって、右方(一方)の環8の下端が右方の縦杆7’の下縁よりも左方の環8の高さだけ上方に右方の縦杆7’に設けられることによって左右の上記側枠6,6’の上下縁をぞれぞれ同一水準に支持することができる(図4にその状態を示す)。
【0023】
従って左方(他方)の縦杆7に設けた左方の環8によって右方(一方)の環8を介して右方の縦杆7’を支持することができる。
【0024】
図4に示すように先ず長柱5,5に沿って上昇させた一方(右方)の側枠6’及びそれに対向する側枠6’を上記預け具15のストッパ19’によって仮支持し、
次の他方(左方)の側枠6及びそれに対向する側枠6を手動で図4実線で示す位置に上昇させて上下部の環8,8及び8’,8’を重合させて上下水平方形枠1,1’の四方を開放することができる。
【0025】
その状態において、他方(左方)の上記縦杆7による他方の方形側枠6の下縁と、これに対向する方形側枠6の下縁とを罠装置13で支持し、その状態で上記預け具15,15を上部水平方形枠1の両側のアングル形鋼杆から分離し、又は発条18に抗してボルト19を回動しナット19”との螺合により図5実線位置から仮想線位置に移動させてストッパ19’を格子9に設けた縦杆20の下端から分離する。
【0026】
上記分離によって罠装置13によって開放状態に支持されている他方(左方)の側枠6及びこれに対向する側枠6の他方の環8,8’に上記一方(右方)の環8,8’が支持されて四方の側枠6,6,6’,6’は図4、図6に示すように開放状態に保持される。
【0027】
又図1、図4に示される左右の側枠6,6’における左右の環8,8及び8’,8’の重合関係において、図7に示すように右方の側枠6’,6’の下縁を罠装置13で支持することにより、左方の側枠6及びこれに対向する側枠6を下降させることができ、右方の側枠6’及びこれに対向する側枠6’を上昇支持して二方開口檻14を形成することができるし、罠装置13の水平方向遊動ピン11,11の一方11を手動で水平連杆12と直交させることによって1個の側枠6’を下降させ三方閉鎖一方開放檻14とすることができる。
【0028】
さらに図8に示すように組立てる前に予め右方(一方)の側枠6’を上下反転して該側枠6’の下方に配置された環8’を下部水平方形枠1’の上記短管2に接し、上方の環8を左方(他方)の短管2’の上に配置することによって、四方の上記側枠6,6’中の1個の側枠6’のみ下降閉鎖し三方の側枠6,6’,6を開放させることができる。
【0029】
罠装置13は上部水平方形枠1の格子9に懸垂したV字形懸垂具21,21に丸鋼による水平連杆12を架載し、その両端を水平方向に直角に屈曲12’,12’し、屈曲端に直立軸10,10を直立し、該直立軸10,10に水平方向遊動ピン11,11の基部小環11’,11’を遊動自在に支持し、該ピン11,11に他方(左方)の上記縦杆7による他方(左方)の方形側枠6及びこれに対向する方形側枠6のそれぞれ下縁を支持する。
【0030】
水平連杆12の中程には水平直交腕22を上記屈曲部12’の方向(図9)又は逆方向(図10)に突設し、上記ピン11,11に掛っている側枠6,6の重量を図9では上下分割頬杖23,23’で支持し、かつ下部頬杖23’に鳥の止まり枝23”を設け、図10では下部水平方形枠1’の格子9に門形金具24の下端フック24’,24’を引掛け、該門形金具24の中程に上記腕22に結着懸垂した釣糸(テグス25)の下端に短棒26の上端部分を結着し、該結着部の上部を門形金具24の中程に引掛け、門形金具24の両脚24”,24”に掛渡した横杆27を上記短棒26の下部で両脚24”,24”に押圧支持し、該横杆27に踏板28の先端部を載置して罠装置13を形成する。
【0031】
従って図6では四方から図7では二方から図8では三方から檻14内に獣又は鳥が進入する。
【0032】
進入した獣又は鳥が図6における頬杖23,23’や止り枝23”に触れ又は止ることによって頬杖23,23は分割崩壊し、上下の頬杖23,23’は互いに倒壊するため、水平直交腕22を支えるものが無くなり、上記ピン11,11に支持されている側枠6,6の重量によって水平直交腕22は水平連杆12の中心線cを中心に下方(図9)又は上方(図10)に回動し、先端の直立軸10,10も水平に回動するため、これに遊支された上記遊動ピン11,11は水平となった直立軸10のまわりに水平面内を回動して上記側枠6,6の重量を支えられないため他方(左方)の側枠6及びこれと対向する側枠6は瞬時に落下し、これに伴って一方(右方)の側枠6’,6’も同時に落下し檻14の四方(図6)、二方(図7)及び三方(図8)を閉鎖し、結局檻14は四方が閉塞される。
【0033】
又図10では進入した獣や鳥がテグス25、門形金具24、短棒26、横杆27に触れ、又は踏板28を踏むことによってテグス25及び短棒26を門形金具24から遊離し、それによって上記腕22の下方牽引力を失うから水平連杆12は屈曲部12’,12’の方向(図10)に回転し、直立軸10を水平方向に遊転させるから上記遊動ピン11,11は支持力を失って下方に回動し、他方(左方)の側枠6及びこれに対向する側枠6を落下し、
それに伴って一方(右方)の側枠6’,6’も共に落下し檻14の四方は瞬時に落下閉塞され捕獲獣又は鳥は檻14内に収檻される。
【0034】
檻14の組立てに際しては図3に示すように上下水平方形枠1,1’の4隅に設けた上下方向対向ピン3,3’に支柱管4のぞれぞれ上下端部を嵌合させることによって四阿状の側面開放体を形成する。
【0035】
その後四隅の上下方向対向短管2,2’にそれぞれ長柱5を挿通するに際し、四個の方形側枠6,6’にそれぞれ設けた上下の環8,8’を図1に示すように摺動自在に嵌合し、他方(左方)の環8,8’の上に一方(右方)の環8,8’をそれぞれ重合させる(乗せる)。
【0036】
勿論、上部水平方形枠1の対角線上にある長柱5,5の延長部5’,5’の上端に着脱自在に嵌合した交差水平連結杆29,29の両端下向屈曲部29’,29’を長柱5,5の上端開口部5”,5”から引抜いて分離して、該長柱5,5を上記環8,8’及び短管2,2’に着脱自在に嵌合させる。
【0037】
この状態では図1に示すように他方(左方)の方形側枠6,6によって一方(右方)の方形側枠6’,6’の重量は長柱5,5に沿って支持され、図4、図6に示すように左方の方形側枠6,6を昇降させることによって四方の該側枠6,6’を開閉し、右方の方形側枠6’,6’のみを昇降させることによって図7に示すように二方の側枠6’,6’を開閉することができる。
【0038】
又図8に示すように一方(右方)の方形側枠6’のみを下降して一方のみを閉塞し、他の三方の方形側枠6,6’,6を上昇させて三方を開放することができる。その際一方(右方)の上記側枠6’の下端縁は下部水平方形枠1’の一方のアングル鋼杆に接するが、他方(左方)の方形側枠6と、これに対向する方形側枠6及び上記一方(右方)の側枠6’の下端縁は落下した際図8仮想線で示すようにそれぞれ下部水平方形枠1’の他の三方のアングル鋼枠との間に若干の間隙t’を介して該三方も上記一方と同時に閉鎖することができる。
【0039】
上述のように組立てた檻14は組立てと逆の順序によって分解し搬出することができる。勿論獣又は鳥を捕獲した檻14はそのまま搬出し、所定位置に捕獲獣又は鳥の檻14としてそのまま利用する。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので組立分解容易な檻を形成し、
かつ該檻をそのまま四方開放罠、三方開放罠又は二方開放罠さらに一方開放罠として利用し得て獣や鳥を捕獲し易く、
かつ罠として利用した後は捕獲獣又は鳥の檻としてそのまま用い得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の檻の開放状態正面図である。
【図2】図1A−A線による平面図である。
【図3】上下水平方形枠の組立状態斜視図である。
【図4】四方開放状態の罠の正面図である。
【図5】預り具の拡大縦断面図である。
【図6】罠を仕掛けた状態の四方開放斜視図である。
【図7】罠を仕掛けた状態の二方開放斜視図である。
【図8】罠を仕掛けた状態の三方開放斜視図である。
【図9】上下分割頬杖罠の斜視図である。
【図10】テグスを用いた罠の斜視図である。
【符号の説明】
1,1’ 上下水平方形枠
1” アングル形鋼杆
2,2’ 上下方向対向短管
3,3’ 上下方向対向ピン
4 支柱管
5 長柱
5’ 延長部
6,6’ 方形側枠
7,7’ 左右両縦杆
8,8’ 環
9 格子
H,h 間隔
10 直立軸
11 水平方向遊動ピン
12 水平連杆
12’ 両端屈曲部
c 中心線
13 罠装置
Claims (2)
- 上下水平方形枠のそれぞれ4隅の水平杆直交部に上下方向対向短管を介設し、各短管の内側にそれぞれ上記短管より長い上下方向対向ピンを溶着し、上下方向対向ピンに支柱管の上下端部を着脱自在に嵌合して上下水平方形枠の4隅を該支柱管で接続し、
上下方向対向短管に丸鋼又は鋼管による長柱を挿通して、これを上部水平方形枠の上方に延長し、
上下水平方形枠の各辺の外側に方形側枠を配置し、該側枠の左右両縦杆の上下部に長柱に摺動自在に嵌合する環を設けて上記各側枠をそれぞれ上記長柱に沿って昇降自在に支持し、
上記枠内に格子を張設してなる捕獣用檻。 - 他方の上記縦杆による他方の方形側枠及びこれに対向する方形側枠のそれぞれ下縁を、直立軸に遊支した水平方向遊動ピンで支持し、該直立軸の下部を水平連杆の両端屈曲部に接続し、該連杆が進入獣によって中心線の回りに回動する罠装置を備えてなる請求項1記載の捕獣用檻。
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