JP2004119356A - 固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置であって、原燃料の燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを共に高い水準に維持できる改質装置を提供する。
【解決手段】燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−185195
セル構成材料にセラミックスや金属を用い、高温で作動する固体酸化物形燃料電池には、水素のみならず一酸化炭素をも燃料として利用できる、高温で作動するので白金触媒のような高価な貴金属触媒を使用しなくても電極反応が速やかに進行する等の利点があり、小型化によりモバイル型電子機器用電源、電動自転車用電源等への広い応用が可能になるものと期待されている。
固体酸化物形燃料電池の小型化実現手段として、LPG(液化石油ガス)やDME(ジメチルエーテル)等の原燃料から水素(H2)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)等の燃料を生成する燃料改質装置の小型化が挙げられる。固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置の小型化技術の方向性を示唆するものとして、特許文献1は、原燃料としてのメタノールの一部を燃料改質装置内で燃焼させると同時に燃料の残部を水蒸気と反応させ、水蒸気との反応によるメタノールの改質に必要な反応熱をメタノールの一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置を提案している。自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の自己熱供給型燃料改質装置には、単一の区画内で同一の触媒を用いて原燃料の燃焼と水蒸気との反応とを同時に行わせているので、原燃料の燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを共に高い水準に維持できる保証が必ずしも無いという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置であって、原燃料の燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを共に高い水準に維持できる改質装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器とを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を提供する。
水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
第1燃料改質器には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒を充填し、第2燃料改質器には原燃料の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒を充填しておけば、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを、共に高い水準に維持することができる。
【0005】
本発明においては、燃料を完全燃焼させる燃焼器と、燃料流に関して燃焼器の下流に配設されて燃焼器に連通し、燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器と、燃焼器をバイパスして第1燃料改質器に接続するバイパス燃料流路とを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を提供する。
本明細書において、完全燃焼とは、空燃比が1未満で且つ1近傍、具体的には空燃比が0.95〜0.98での燃焼を意味する。空燃比とは、ある流量の燃料を理論的に完全燃焼させるのに必要な空気の流量Aと実際に当該燃料に混合している空気の流量Bとの比、B/Aを意味する。空燃比が1であれば、燃料は理論的に完全燃焼可能である。空燃比が0.95〜0.98での燃焼によって発生する燃焼ガスは僅かながら還元性を有する。従って、空燃比が0.95〜0.98での燃焼により、後続の燃料改質器に充填された触媒の酸化とセルの酸化とを防止し、且つ最大の熱量を発生させることができる。
本明細書において、不完全燃焼とは、完全燃焼での空燃比よりも低い空燃比での燃焼を意味する。不完全燃焼での空燃比は、燃料電池システムに必要な熱量、燃料改質器で発生するH2、COの量(これらは燃料、触媒の種類、量等により変化する)を勘案して決定される。
水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
第1燃料改質器には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒を充填し、第2燃料改質器には原燃料の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒を充填しておけば、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを、共に高い水準に維持することができる。
原燃料の完全燃焼に適した触媒を充填した燃焼器により原燃料を完全燃焼させ、燃焼排ガスを第1燃料改質器へ供給して第1燃料改質器内の触媒を活性化温度まで昇温させると共に第2燃料改質器内の触媒を予熱する。第1燃料改質器内の触媒が活性化温度まで昇温した時点で、燃焼器への原燃料の供給を停止し、バイパス燃料流路を介して原燃料を第1燃料改質器に直接供給する。燃焼器を使用して、第1燃料改質器内の触媒と第2燃料改質器内の触媒とを予熱することにより、第1燃料改質器内での原燃料の一部の不完全燃焼と、第2燃料改質器内での原燃料の残部と水蒸気との反応とを、原燃料の供給開始と同時に高効率で実現することができる。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、第1燃料改質器と第2燃料改質器とが一体に組み付けられている。
本発明の好ましい態様においては、燃焼器と第1燃料改質器と第2燃料改質器とが一体に組み付けられている。
第1燃料改質器と第2燃料改質器とを一体に組み付けることにより、或いは燃焼器と第1燃料改質器と第2燃料改質器とを一体に組み付けることにより、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を更に小型化することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例に係る固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を説明する。
図1に示すように、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置は、燃焼器1と、燃焼器に連通する第1燃料改質器2と、第1燃料改質器2に連通する第2燃料改質器3とを備えている。第1燃料改質器2は燃料流に関して燃焼器1の下流に配設され、第2燃料改質器3は燃料流に関して第1燃料改質器2の下流に配設されている。
燃焼器1には原燃料の完全燃焼を実現するのに適した触媒が充填されており、第1燃料改質器2には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現するのに適した触媒が充填されており、第2燃料改質器3には原燃料の残部の水蒸気との反応を高効率で実現するのに適した触媒が充填されている。燃焼器1と第1燃料改質器2と第2燃料改質器3とは一体に組み付けられている。
図示しない原燃料供給源から延びるに燃料パイプ4が燃焼器1に接続している。バイパス燃料パイプ5が燃料パイプ4から分岐し、燃焼器1をバイパスして第1燃料改質器2に接続している。バイパス燃料パイプ5の分岐部に三方弁6が配設されている。
燃料流に関して第2燃料改質器3の下流に、固体酸化物形燃料電池燃料電池のセルスタック7が配設されている。
【0008】
固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置の作動を説明する。
改質装置起動時に、燃焼器1内に配設した図示しないヒーターに通電して燃焼器1内の触媒を活性化させ、次いで原燃料供給源から供給されるLPG、DME等の原燃料と、空気と、水蒸気との混合気体を、図1に矢印で示すように、三方弁6と燃料供給パイプ4とを介して燃焼器1に供給し、燃焼器1内で原燃料を完全燃焼させる。原燃料と空気との混合比を調整して、原燃料の完全燃焼を図る。高温の燃焼排ガスは、白抜矢印で示すように第1燃料改質器2、第2燃料改質器3へ供給されて、第1燃料改質器2内の触媒と、第2燃料改質器3内の触媒とを予熱する。燃焼排ガスは、更にセルスタック7へ供給されてセルスタック7を予熱する。
【0009】
第1燃料改質器2内の触媒が活性化温度まで昇温すると、燃焼器1への原燃料の供給を停止し、三方弁6とバイパス燃料パイプ5とを介し、図1に二重矢印で示すように、燃焼器1をバイパスして第1燃料改質器2へ原燃料を直接供給する。原燃料と空気との混合比を調整して、原燃料の所望の一部を不完全燃焼させる。第1燃料改質器2内で下記の発熱反応により原燃料の一部が不完全燃焼して改質される。下記式中CmHnは原燃料中の炭化水素である。
CmHn+(m/2)O2 → mCO+(n/2)H2
【0010】
図1に二重白抜矢印で示すように、原燃料の残部と上記不完全燃焼により生成した一酸化炭素と水素とが第2燃料改質器3へ供給される。第2燃料改質器3内で下記式の吸熱反応により原燃料の残部が水蒸気と反応して改質される。
CmHn+mH2O → mCO+(m+n/2)H2
第2燃料改質器3内での水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱は、第1燃料改質器2内での原燃料の一部の不完全燃焼により供給される。
【0011】
図1に三重白抜矢印で示すように、第1燃料改質器2で生成した一酸化炭素と水素と、第2燃料改質器3で生成した一酸化炭素と水素とが、セルスタック7に供給される。セルスタック7内で一酸化炭素と水素とが別途供給された酸素と反応することにより発電される。
【0012】
水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
【0013】
第1燃料改質器2には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒が充填され、第2燃料改質器3には原燃料の残部の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒が充填されているので、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、原燃料の残部の水蒸気との反応による改質効率とを、共に高い水準に維持することができる。
【0014】
燃焼器1を使用して、第1燃料改質器2内の触媒と第2燃料改質器3内の触媒とを予熱するので、第1燃料改質器2内での原燃料の一部の不完全燃焼と、第2燃料改質器3内での原燃料の残部と水蒸気との反応とを、原燃料の供給開始と同時に高効率で実現することができる。
【0015】
燃焼器1と第1燃料改質器2と第2燃料改質器3とが一体に組み付けられることにより、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置が小型化されている。
【0016】
【発明の効果】
上記説明から分かるように、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置においては、第1燃料改質器2には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒が充填され、第2燃料改質器3には原燃料の残部の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒が充填されているので、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、原燃料の残部の水蒸気との反応による改質効率とが、共に高い水準に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置の機器構成図である。
【符号の説明】
1 燃焼器
2 第1燃料改質器
3 第2燃料改質器
4 燃料パイプ
5 バイパス燃料パイプ
6 三方弁
7 セルスタック
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−185195
セル構成材料にセラミックスや金属を用い、高温で作動する固体酸化物形燃料電池には、水素のみならず一酸化炭素をも燃料として利用できる、高温で作動するので白金触媒のような高価な貴金属触媒を使用しなくても電極反応が速やかに進行する等の利点があり、小型化によりモバイル型電子機器用電源、電動自転車用電源等への広い応用が可能になるものと期待されている。
固体酸化物形燃料電池の小型化実現手段として、LPG(液化石油ガス)やDME(ジメチルエーテル)等の原燃料から水素(H2)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)等の燃料を生成する燃料改質装置の小型化が挙げられる。固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置の小型化技術の方向性を示唆するものとして、特許文献1は、原燃料としてのメタノールの一部を燃料改質装置内で燃焼させると同時に燃料の残部を水蒸気と反応させ、水蒸気との反応によるメタノールの改質に必要な反応熱をメタノールの一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置を提案している。自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の自己熱供給型燃料改質装置には、単一の区画内で同一の触媒を用いて原燃料の燃焼と水蒸気との反応とを同時に行わせているので、原燃料の燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを共に高い水準に維持できる保証が必ずしも無いという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置であって、原燃料の燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを共に高い水準に維持できる改質装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器とを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を提供する。
水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
第1燃料改質器には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒を充填し、第2燃料改質器には原燃料の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒を充填しておけば、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを、共に高い水準に維持することができる。
【0005】
本発明においては、燃料を完全燃焼させる燃焼器と、燃料流に関して燃焼器の下流に配設されて燃焼器に連通し、燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器と、燃焼器をバイパスして第1燃料改質器に接続するバイパス燃料流路とを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を提供する。
本明細書において、完全燃焼とは、空燃比が1未満で且つ1近傍、具体的には空燃比が0.95〜0.98での燃焼を意味する。空燃比とは、ある流量の燃料を理論的に完全燃焼させるのに必要な空気の流量Aと実際に当該燃料に混合している空気の流量Bとの比、B/Aを意味する。空燃比が1であれば、燃料は理論的に完全燃焼可能である。空燃比が0.95〜0.98での燃焼によって発生する燃焼ガスは僅かながら還元性を有する。従って、空燃比が0.95〜0.98での燃焼により、後続の燃料改質器に充填された触媒の酸化とセルの酸化とを防止し、且つ最大の熱量を発生させることができる。
本明細書において、不完全燃焼とは、完全燃焼での空燃比よりも低い空燃比での燃焼を意味する。不完全燃焼での空燃比は、燃料電池システムに必要な熱量、燃料改質器で発生するH2、COの量(これらは燃料、触媒の種類、量等により変化する)を勘案して決定される。
水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
第1燃料改質器には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒を充填し、第2燃料改質器には原燃料の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒を充填しておけば、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、水蒸気との反応による原燃料の改質効率とを、共に高い水準に維持することができる。
原燃料の完全燃焼に適した触媒を充填した燃焼器により原燃料を完全燃焼させ、燃焼排ガスを第1燃料改質器へ供給して第1燃料改質器内の触媒を活性化温度まで昇温させると共に第2燃料改質器内の触媒を予熱する。第1燃料改質器内の触媒が活性化温度まで昇温した時点で、燃焼器への原燃料の供給を停止し、バイパス燃料流路を介して原燃料を第1燃料改質器に直接供給する。燃焼器を使用して、第1燃料改質器内の触媒と第2燃料改質器内の触媒とを予熱することにより、第1燃料改質器内での原燃料の一部の不完全燃焼と、第2燃料改質器内での原燃料の残部と水蒸気との反応とを、原燃料の供給開始と同時に高効率で実現することができる。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、第1燃料改質器と第2燃料改質器とが一体に組み付けられている。
本発明の好ましい態様においては、燃焼器と第1燃料改質器と第2燃料改質器とが一体に組み付けられている。
第1燃料改質器と第2燃料改質器とを一体に組み付けることにより、或いは燃焼器と第1燃料改質器と第2燃料改質器とを一体に組み付けることにより、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を更に小型化することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例に係る固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置を説明する。
図1に示すように、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置は、燃焼器1と、燃焼器に連通する第1燃料改質器2と、第1燃料改質器2に連通する第2燃料改質器3とを備えている。第1燃料改質器2は燃料流に関して燃焼器1の下流に配設され、第2燃料改質器3は燃料流に関して第1燃料改質器2の下流に配設されている。
燃焼器1には原燃料の完全燃焼を実現するのに適した触媒が充填されており、第1燃料改質器2には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現するのに適した触媒が充填されており、第2燃料改質器3には原燃料の残部の水蒸気との反応を高効率で実現するのに適した触媒が充填されている。燃焼器1と第1燃料改質器2と第2燃料改質器3とは一体に組み付けられている。
図示しない原燃料供給源から延びるに燃料パイプ4が燃焼器1に接続している。バイパス燃料パイプ5が燃料パイプ4から分岐し、燃焼器1をバイパスして第1燃料改質器2に接続している。バイパス燃料パイプ5の分岐部に三方弁6が配設されている。
燃料流に関して第2燃料改質器3の下流に、固体酸化物形燃料電池燃料電池のセルスタック7が配設されている。
【0008】
固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置の作動を説明する。
改質装置起動時に、燃焼器1内に配設した図示しないヒーターに通電して燃焼器1内の触媒を活性化させ、次いで原燃料供給源から供給されるLPG、DME等の原燃料と、空気と、水蒸気との混合気体を、図1に矢印で示すように、三方弁6と燃料供給パイプ4とを介して燃焼器1に供給し、燃焼器1内で原燃料を完全燃焼させる。原燃料と空気との混合比を調整して、原燃料の完全燃焼を図る。高温の燃焼排ガスは、白抜矢印で示すように第1燃料改質器2、第2燃料改質器3へ供給されて、第1燃料改質器2内の触媒と、第2燃料改質器3内の触媒とを予熱する。燃焼排ガスは、更にセルスタック7へ供給されてセルスタック7を予熱する。
【0009】
第1燃料改質器2内の触媒が活性化温度まで昇温すると、燃焼器1への原燃料の供給を停止し、三方弁6とバイパス燃料パイプ5とを介し、図1に二重矢印で示すように、燃焼器1をバイパスして第1燃料改質器2へ原燃料を直接供給する。原燃料と空気との混合比を調整して、原燃料の所望の一部を不完全燃焼させる。第1燃料改質器2内で下記の発熱反応により原燃料の一部が不完全燃焼して改質される。下記式中CmHnは原燃料中の炭化水素である。
CmHn+(m/2)O2 → mCO+(n/2)H2
【0010】
図1に二重白抜矢印で示すように、原燃料の残部と上記不完全燃焼により生成した一酸化炭素と水素とが第2燃料改質器3へ供給される。第2燃料改質器3内で下記式の吸熱反応により原燃料の残部が水蒸気と反応して改質される。
CmHn+mH2O → mCO+(m+n/2)H2
第2燃料改質器3内での水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱は、第1燃料改質器2内での原燃料の一部の不完全燃焼により供給される。
【0011】
図1に三重白抜矢印で示すように、第1燃料改質器2で生成した一酸化炭素と水素と、第2燃料改質器3で生成した一酸化炭素と水素とが、セルスタック7に供給される。セルスタック7内で一酸化炭素と水素とが別途供給された酸素と反応することにより発電される。
【0012】
水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を原燃料の一部の燃焼により供給する自己熱供給型燃料改質装置は、水蒸気との反応による原燃料の改質に必要な反応熱を、熱交換器を介して燃料電池セルスタックの排ガスから供給する外部熱供給型燃料改質装置に比べて小型化が容易である。
【0013】
第1燃料改質器2には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒が充填され、第2燃料改質器3には原燃料の残部の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒が充填されているので、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、原燃料の残部の水蒸気との反応による改質効率とを、共に高い水準に維持することができる。
【0014】
燃焼器1を使用して、第1燃料改質器2内の触媒と第2燃料改質器3内の触媒とを予熱するので、第1燃料改質器2内での原燃料の一部の不完全燃焼と、第2燃料改質器3内での原燃料の残部と水蒸気との反応とを、原燃料の供給開始と同時に高効率で実現することができる。
【0015】
燃焼器1と第1燃料改質器2と第2燃料改質器3とが一体に組み付けられることにより、固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置が小型化されている。
【0016】
【発明の効果】
上記説明から分かるように、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置においては、第1燃料改質器2には原燃料の一部の不完全燃焼を高効率で実現する触媒が充填され、第2燃料改質器3には原燃料の残部の水蒸気との反応を高効率で実現する触媒が充填されているので、原燃料の一部の不完全燃焼による発熱効率と、原燃料の残部の水蒸気との反応による改質効率とが、共に高い水準に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置の機器構成図である。
【符号の説明】
1 燃焼器
2 第1燃料改質器
3 第2燃料改質器
4 燃料パイプ
5 バイパス燃料パイプ
6 三方弁
7 セルスタック
Claims (4)
- 燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器とを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置。
- 燃料を完全燃焼させる燃焼器と、燃料流に関して燃焼器の下流に配設されて燃焼器に連通し、燃料の一部を不完全燃焼させて改質する第1燃料改質器と、燃料流に関して第1燃料改質器の下流に配設されて第1燃料改質器に連通し、燃料の残部を水蒸気と反応させて改質する第2燃料改質器と、燃焼器をバイパスして第1燃料改質器に接続するバイパス燃料流路とを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置。
- 第1燃料改質器と第2燃料改質器とが一体に組み付けられていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置。
- 燃焼器と第1燃料改質器と第2燃料改質器とが一体に組み付けられていることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置。
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JP2002285313A JP2004119356A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 固体酸化物形燃料電池用燃料改質装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101239118B1 (ko) * | 2004-06-04 | 2013-03-06 | 할도르 토프쉐 에이/에스 | 연료 제조 방법 및 시스템 |
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2002
- 2002-09-30 JP JP2002285313A patent/JP2004119356A/ja active Pending
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