JP2004118971A - 光ピックアップ光学調整検査装置及びあおり調整機構 - Google Patents

光ピックアップ光学調整検査装置及びあおり調整機構 Download PDF

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Abstract

【課題】平行調整を行う機構を簡略化するとともに、光ピックアップ光学調整検査装置の操作性を向上させる。
【解決手段】ワークステージ21に載せられた被測定用光ピックアップ1と対向する顕微鏡の対物レンズ31に記録媒体のダミーとなるカバーガラス37を保持するカバーガラスホルダー40が取り付けられている。カバーガラスホルダー40は顕微鏡の対物レンズ31に取り付けられる固定部41、カバーガラスを保持する可動部42、中央部に対して90°の角度をもって配置された2つのプレート調整ビス43,44を有し、該プレート調整ビス43,44を回動することにより、カバーガラスのあおりθx,θyを調整することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ光学調整検査装置及びあおり調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
DVD/CDドライブの内部に組み込まれる光ピックアップユニットの対物レンズの収差測定及びチルトアライメント(あおり量調整)を行うために光ピックアップ光学調整検査装置が用いられている。
従来用いられている光ピックアップ光学調整検査装置について、図5を参照して説明する。
図5において、(a)は光ピックアップ光学調整検査装置の正面図、(b)は光ピックアップ光学調整検査装置における調整機構の配置を示す側面図である。図5の(a)に示すように台100の上に光ピックアップ光学調整検査装置10が載置されている。そして、図示するように、光ピックアップ光学調整検査装置10は、調整検査される光ピックアップユニット1を設置するワークステージ部20と測定及び調整を行うための計測部30とからなる。
【0003】
図5の(b)に示すように、ワークステージ部20は、調整検査される光ピックアップユニット1を設置するワークステージ(ワーク取付け部)21と、この光ピックアップユニット1の対物レンズ部のX軸、Y軸、Z軸方向の位置調整及びあおり調整用の調整機構22からなっている。この調整機構22は、ワークステージ部20全体を移動させるエアシリンダ、光ピックアップユニット1の対物レンズ部のX軸、Y軸、Z軸方向の位置調整を行う3つのマイクロメータ駆動のステージ、θx及びθyのあおり調整をするための2つのスイベルステージなどを有している。
また、光ピックアップユニット1は、ワークステージ21の上部に光ピックアップユニット内部に設けられている対物レンズを上方に向けて設置される。
【0004】
計測部30は、光ピックアップユニット1からのレーザビームスポットを計測するための顕微鏡の対物レンズ31、光学部32及び高倍率と低倍率の2つのCCDカメラ33,34を含む顕微鏡筒35、及び、顕微鏡筒35の位置調整用の調整機構36からなる。ここで、前記顕微鏡の対物レンズ31にはレンズカバー38が取り付けられており、このレンズカバー38にDVD/CDの記録媒体のダミーとなるカバーガラス37が取り付けられている。
図5の(c)は、カバーガラス37が取り付けられたレンズカバー38と顕微鏡対物レンズ31とを拡大して示す図である。ただし、レンズカバー38は断面で示している。
【0005】
このように構成された光ピックアップ光学調整検査装置10を用いて光ピックアップユニット1に内蔵されている対物レンズのあおり量調整を行なう場合には、光ピックアップユニット1に内蔵されているレーザを発光させ、該内蔵されている対物レンズを介して前記カバーガラス37に当たるレーザービームスポットの画像を、前記顕微鏡の対物レンズ31、光学部32およびCCDカメラ33,34により取り込んで、その輝度分布を測定し、0次光の光学的重心と1次リングの重心を算出して、その差が所定範囲内になるように、対物レンズのあおり調整(θx方向、θy方向)の調整を行う。
また、ピントをずらしつつビームスポットの輝度分布を測定することにより光ピックアップユニット1に内蔵されている対物レンズの球面収差を測定することができ、さらに、光軸上の位置におけるX方向とY方向での集光する位置のずれにより非点収差の測定も行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような光ピックアップ光学調整検査装置を用いて、光ピックアップユニットの対物レンズの収差測定やチルトアライメント(あおり調整)を行なう場合には、光ピックアップユニットの内部対物レンズと対向する位置で鏡筒部分の先端部にDVD/CDの記録媒体のダミーとなるカバーガラス37が設けられるが、収差測定やあおり量の調整には、このカバーガラス37と光ピックアップユニット1の光ピックアップ面とが平行であることが必要とされる。
前記図5に示すように、従来の光ピックアップ光学調整検査装置10においては前記カバーガラス37はレンズカバー38に取り付けられており、平行を出すためには、レンズカバー38に調整機構が設けられていないため、顕微鏡の裏側に設けられた調整機構36にあおり調整を行うための2つのスイベルステージを設け、これを操作することにより、顕微鏡筒35全体を動かして行っていた。
したがって、可動部の機構が大きくなるとともに、構成上調整機構を調整検査装置10の裏側に位置させざるを得ず、操作性が悪く、大型で高価なものとなっていた。
【0007】
そこで本発明は、カバーガラスとピックアップユニットの光ピックアップ面との平行調整を行う機構を簡略化するとともに、操作性を向上させた光ピックアップ光学調整検査装置及びあおり調整機構を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光ピックアップ光学調整検査装置は、光ピックアップを保持するワークステージと、前記ワークステージ上に保持された光ピックアップと対向する位置に設けられた対物レンズと、前記対物レンズに取り付けられ、記録媒体のダミーとなるカバーガラスを保持するカバーガラスホルダとを有する光ピックアップ光学調整検査装置であって、前記カバーガラスホルダは、前記対物レンズに取り付けられた固定部と、前記カバーガラスが取り付けられた可動部と、中央部に対して略90°の角度をもって配置され、前記固定部と前記可動部との角度を任意に調整可能な2個の間隔調整機構とを有するものである。
また、前記カバーガラスホルダーの固定部は半球状の凹部を有し、前記カバーガラスホルダーの可動部は、前記固定部の凹部に当接する半球状の凸部を有し、前記固定部と前記可動部の間には、バネ部材が配置されているものである。
【0009】
さらに、本発明のあおり調整機構は、あおり調整される対象物が取り付けられ、半球状の凸部が形成された第1の部材と、前記第1の部材における半球状の凸部に当接する半球状の凹部を有する第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との角度を調整するために、中央部に対し略90°の角度をもって配置された2個の調整機構とを備えるものである。
さらにまた、前記第1の部材と前記第2の部材の位置ズレを防止する手段が設けられているものである。
さらにまた、前記調整機構は、前記第1の部材に形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじが形成されたビス、あるいは、前記第2の部材に形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が形成されるとともに、その先端が前記第1の部材に当接するビスとされているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1の(a)は、本発明の光ピックアップ光学調整検査装置の一実施の形態における調整機構を示す側面図である。ここで、前記図5の(b)と同一の構成要素には、同一の番号を付し、説明を省略する。
この図と前記図5の(b)とを比較すると明らかなように、本発明の光ピックアップ光学調整検査装置10においては、前記顕微鏡の対物レンズ31に、前記レンズカバー38に代えて、カバーガラス37を保持するカバーガラスホルダー40が取り付けられている。以下に説明するように、該カバーガラスホルダー40はカバーガラス37のあおり調整機構を有するものであり、これにより、顕微鏡筒35の調整機構36は、X軸、Y軸方向の位置調整用の機構を備えるだけでよい。
【0011】
図1の(b)は、前記顕微鏡対物レンズ31とカバーガラスホルダー40とを拡大して示す図である。この図に示すように、カバーガラスホルダー40は、前記顕微鏡対物レンズ31に取り付けられる固定部(本体)41、下部中央に前記カバーガラス37が取り付けられた可動部42、プレート調整ビス(傾き調整ビス)43,44及び内部に支持スプリングを有する支持機構45,46を有している。
2本のプレート調整ビス43,44は固定部41の下部の中央に対して略90°の角度をもって(固定部41の下部中央とビス43とを結ぶ直線と、固定部41の下部中央とビス44とを結ぶ直線のなす角が略90°となるように)取り付けられており、該2本のプレート調整ビス43,44の締め具合でもって固定部41に対する可動部42、すなわちカバーガラス37のあおり角(θx,θy)を調整することができるようになされている。
【0012】
図2は、前記カバーガラスホルダー40の固定部41の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)におけるa−a断面図である。この図に示すように、固定部41の中央部には前記顕微鏡の対物レンズ31がその中に位置するための貫通孔47が設けられており、該貫通孔47の下側の周囲に球面状の壁面を有する凹部48が設けられている。この凹部48は、後述する可動部42における球面状の凸部(ドーム部)54と嵌合するものである。
また、図示するように、支持スプリングがその中に配置される支持機構45と46が対角線上に配置されており、プレート調整ビス43と44が固定部41の中央部に対し略90°の角度をもって配置されている。49は、前記プレート調整ビス44が通る孔を示している。さらに、50及び51は、位置ずれを防止するために底面に設けられた孔であり、後述する可動部42に設けられた突起部59及び60が嵌合するものである。
【0013】
図3は、前記可動部42の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)におけるb−b断面を示す図である。この図に示すように、可動部42には、略半球状の凸部(ドーム部)54が設けられており、その中央部には前記顕微鏡対物レンズが位置する開口部52が形成されている。また、可動部42の中央部底面には、孔53が設けられ、ここに、前記カバーガラス37が取り付けられている。また、図示するように、前記支持機構45と46の内部に配置された支持スプリングを保持するための支持機構55と56が前記支持機構45と46に対向する個所に設けられており、前記プレート調整ビス43と44に螺合する雌ねじ部57と58が設けられている。さらに、前記固定部41の底部に設けられた孔50、51と係合する突起部59、60が設けられている。
【0014】
ここで、この実施の形態においては、前記支持機構45の内部に配置されている支持スプリングは、固定部41と可動部42との間隔を狭くするように作用する引張りバネであり、前記可動部42の支持機構55内には該引張りバネの一端を保持するためにピンが設けられている。また、前記支持機構46の内部に配置されている支持スプリングは固定部41と可動部42との間隔を広くするように作用するバネである。このように、支持機構45と46にそれぞれ内蔵されているバネによる可動部42を固定部41に対して傾けようとする力が加えられている状態とされている。
【0015】
このような構成を有する前記図2に示した固定部41と前記図3に示した可動部42とを前記図1の(b)に示したように組み合わせ、すなわち、前記固定部41の半球状の凹部48と前記可動部42の半球状の凸部54とを嵌合させて、前記プレート調整ビス43と44を回動することにより、前記固定部41と前記可動部42との角度を調整することができ、前記固定部41に対する可動部42のX軸周りのあおり角θxとY軸周りのあおり角θyを調整することができる。このとき、摺接している半球状の凹部48と半球状の凸部54とが摺動するため、スムーズな調整が可能となる。なお、凹部48と凸部54の表面にはグリースなどが塗布されている。また、前記支持機構45と46の内部に設けられた支持スプリングの作用と、前記孔50、51と前記突起部59、60がそれぞれ係合していることにより、θxとθyとの調整が確実かつ的確に行われることとなる。
【0016】
なお、前記支持スプリング及び前記プレート調整ビス43,44は上述の構成に限られることはない。例えば、前記固定部41における前記プレート調整ビス用の孔(前記49及び図示しないプレート調整ビス43に対応する孔)に雌ねじを形成し、前記可動部42の雌ねじ部57及び58を形成しないようにする。そして、前記支持機構45及び46に内蔵されている支持スプリングを両方とも引張りバネとし、前記プレート調整ビス43,44の先端が前記可動部42に当接するようにする。このように構成することによっても、前記プレート調整ビス43,44を回動することにより、カバーガラスのあおりを調整することができる。
【0017】
このように、カバーガラスのあおりを調整する機構が設けられたカバーガラスホルダーを有する本発明の光ピックアップ光学調整検査装置を使用するときの様子について、図4を参照して説明する。
図4の(a)において、主軸63と副軸64は、前記ワークステージ21において実際に光ピックアップユニット1が載せられるところであり、ここに、平行原器61をセットする。平行原器61上のガラスプレート62は、主軸・副軸に対して理想的角度になるように取付けられる。ここで、理想的角度とは、光ピックアップユニット1の対物レンズ取付け角度の設計値である。そして、前記ガラスプレート62と前記可動部42に取り付けられたカバーガラス37が平行となるように、オートコリメータ66を使い前記プレート調整ビス43及び44で調整する。すなわち、図4の(b)に示すように、オートコリメータ66から発せられた光をミラー65を介して、前記ガラスプレート62とカバーガラス37に当て、その反射光が同一のスポットとなるように、前記カバーガラス37のあおりを調整する。このように光ピックアップ光学調整検査装置の調整が終了した後、前記平行原器61とガラスプレート62を取り外す。
以後は、実際に光ピックアップユニット1を前記主軸63と副軸64上に乗せて、光ピックアップユニット1の対物レンズ角度が最適となるように、すなわち、主軸・副軸と対物レンズの角度が設計値となるように、ビームスポット計測をして調整することができる。
このように、顕微鏡の対物レンズに取り付けられたカバーガラスホルダーに設けられたプレート調整ビスを調整することにより、カバーガラスを、ラジアル方向及びタンジェンシャル方向に角度調整することができ、カバーガラスホルダーの下部に置かれた被測定用の光ピックアップ面とカバーガラスとを平行に調整することができる。
【0018】
なお、前記カバーガラスホルダー40に設けられている上述したあおり調整機構は、カバーガラス以外のもののあおりを調整するために適用することができる。すなわち、前記可動部42に前記カバーガラス37に代えてあおり調整の対象となるものを取付け、前記固定部41を基準となるものに取り付けることにより、該対象物のあおりを調整することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ピックアップ光学調整検査装置及びあおり調整機構によれば、顕微鏡対物レンズに取り付けられ、カバーガラスを保持するカバーガラスホルダーにカバーガラスのあおり角を調整する機能を持たせるようにしたため、操作性を向上させることができる。
従って、カバーガラスのみの調整ができるとともに、その調整機構を装置の前面に位置させたことにより操作性を向上させることができる。
また、本発明のあおり調整機構によれば、簡略な構成で高精度のあおり調整を行うことのできるあおり調整機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ光学調整検査装置の一実施の形態の構成を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるカバーガラスホルダーの固定部の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるカバーガラスホルダーの可動部の構成を示す図である。
【図4】本発明のあおり調整機構を用いて光ピックアップ光学調整検査装置を調整する方法について説明するための図である。
【図5】従来用いられている光ピックアップ光学調整検査装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 被測定光ピックアップ
20 ワークステージ部
30 計測部
31 顕微鏡の対物レンズ
37 カバーガラス
40 カバーガラスホルダー
41 固定部
42 可動部
43,44 プレート調整ビス
45,46 支持機構
48 球面形状の凹部
54 球面形状の凸部

Claims (6)

  1. 光ピックアップを保持するワークステージと、前記ワークステージ上に保持された光ピックアップと対向する位置に設けられた対物レンズと、前記対物レンズに取り付けられ、記録媒体のダミーとなるカバーガラスを保持するカバーガラスホルダとを有する光ピックアップ光学調整検査装置であって、
    前記カバーガラスホルダは、前記対物レンズに取り付けられた固定部と、前記カバーガラスが取り付けられた可動部と、中央部に対して略90°の角度をもって配置され、前記固定部と前記可動部との角度を任意に調整可能な2個の間隔調整機構とを有することを特徴とする光ピックアップ光学調整検査装置。
  2. 前記カバーガラスホルダーの固定部は半球状の凹部を有し、
    前記カバーガラスホルダーの可動部は、前記固定部の凹部に当接する半球状の凸部を有し、
    前記固定部と前記可動部の間には、バネ部材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ光学調整検査装置。
  3. あおり調整される対象物が取り付けられ、半球状の凸部が形成された第1の部材と、
    前記第1の部材における半球状の凸部に当接する半球状の凹部を有する第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との角度を調整するために、中央部に対し略90°の角度をもって配置された2個の調整機構と
    を備えることを特徴とするあおり調整機構。
  4. 前記第1の部材と前記第2の部材の位置ズレを防止する手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載のあおり調整機構。
  5. 前記調整機構は、前記第1の部材に形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじが形成されたビスであることを特徴とする請求項3又は4記載のあおり調整機構。
  6. 前記調整機構は、前記第2の部材に形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が形成されるとともに、その先端が前記第1の部材に当接するビスであることを特徴とする請求項3又は4記載のあおり調整機構。
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