JP2004117458A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体1に接触している導電性もしくは半導電性からなる除去手段10を有し、感光体1の潜像の現像を行う画像形成時に感光体1に対して感光体1上に残留するトナーの帯電極性と反対の極性を有した所定の直流電圧に交流電圧の重畳させたバイアス電圧を印加させるクリーニング装置6を備える画像形成装置である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、平均円形度の高いトナーを用いてもクリーニングすることができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置では、像担持体である感光体の表面を帯電させて静電潜像を形成して画像形成を行うことが知られている。
現在、画像形成装置における高画質化のためにトナーの小粒径化及び高円形度化が進められている。これらを達成するためには、従来用いられていた粉砕法では限界があるため、昨今ではさらなる小粒径、高円形度を達成するために重合法によるトナーが採用されつつある。重合法には懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等があり、いずれも円形度の高いトナーの製造が可能である。
一方で、円形度の高いトナーは、クリーニング性が悪いことが知られている。特に重合法で製造されたトナーは、真球に近いもの(平均円形度0.98以上)もあり、通常粉砕トナーで採用されているクリーニングブレードでのクリーニング方法では、クリーニングすることは難しい。これは、ブレードのエッジに引っかからず転がってしまうために、クリーニングブレードをトナーがすり抜けやすく、クリーニング不良が発生してしまうことによるものである。
また、クリーニング方法としてブレードクリーニングのほかにブラシクリーニング、磁気ブラシクリーニング、静電ブラシクリーニング等があり、クリーニング性能及びコスト面から、ブラシクリーニングとブレードクリーニングを組み合わせる方式が一般的であり、このような円形度の高いトナーの除去性能を向上するために、数々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、像担持体の導電性ブラシの上流側にトナーと同極性の電荷を付与するクリーニング前帯電装置を設け、上記導電性ブラシに少なくともクリーニング前帯電装置の電荷と逆極性のバイアスが含まれるバイアス印加手段を付加し必要に応じて、クリーニング前帯電装置の配設位置と同一部位又はクリーニング前帯電装置の下流側で且つ導電性ブラシの上流側にクリーニング前露光装置を設け、クリーニング前帯電装置にてトナーと同極性の電荷を像担持体に付与することにより、像担持体表面に微量存在するキャリアの電荷を中和し、キャリアと像担持体との付着力を低減させるようにしたものが提案されている。
これによると、導電性ブラシによって像担持体上のキャリアを確実に除去することができるとともに、ブレード部位へのキャリアの到達を回避でき、ブレード部位での像担持体表面の傷付き現象をなくすことができるとされている。
しかし、像担持体上のトナーの帯電量を増大させることは、トナーと感光体との静電的な付着力が増大し、円形度の高いトナーに対してはブレードクリーニングがしづらくなるという問題を含有している。
【0004】
また、特許文献2には、クリーニング装置にクリーニング用ブラシよりも感光体の回転方向の上流側であって、転写装置よりも感光体の回転方向下流側にに配置されたブラシに直流電圧及び交流電圧を互いに重畳させてブラシに印加する直流電源及び交流電源を備えたものが提案されている。
これによると、像担持体に残存した現像剤をクリーニング部剤に現像剤を静電的に吸引する電荷の極性とは反対の極性に揃えられるため、像担持体の表面は残存した現像剤と同じ極性になり現像剤の像担持体への静電的付着力が弱めることができるためにクリーニング性が向上するとされている。
しかし、この方法では、感光体の表面電位を反転させるために感光体の寿命に影響を与えてしまうおそれがあるといった不具合が考えられる。
【0005】
また、特許文献3には、クリーニングブレードのブレードエッジに混合粉体材料を塗布するようにしたものが提案されている。
これによると、画像形成装置使用初期段階から像担持体とブレードエッジのニップに良好なトナーダムを形成させることができ、球形トナーが多量にブレードエッジに入力された場合でもブレードすり抜けの発生することがないとされている。
しかし、トナー混合粉体材料をブレードの表面に均一に付着させることが難しく、耐久性の面からも困難な部分を含有していると考えられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−107990号公報
【特許文献2】
特開平08−248849号公報
【特許文献3】
特開2000−267536号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記不具合に鑑みてなされたもので、平均円形度の高いトナーを用いることで高画質化を達成しながら、交流成分の帯電とは逆極性の大きな電圧がかかっている最低限として感光体の疲労を極力抑制し感光体寿命に大きく影響させずにクリーニング不良の発生しないクリーニング装置を備える画像形成装置をを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、像担持体を帯電させる帯電装置と、像担持体上の潜像に平均円形度の高い球形トナーを用いてトナー像を形成する現像装置と、像担持体上の潜像を転写材に転写する転写装置と、像担持体上の帯電装置の放電開始電圧以下のバイアス電圧を印加することにより転写装置による画像転写後に像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング装置を備える画像形成装置であって、前記クリーニング装置は、像担持体に接触している導電性又は半導電性からなる除去手段を有し、像担持体の潜像の現像を行う画像形成時に、除去手段に対して像担持体上に残留するトナーの帯電極性と反対極性の直流電圧に交流電圧の重畳させたバイアス電圧を印加させる画像形成装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記クリーニング装置は、非画像形成時にトナーの帯電性とは反対の極性の直流電圧を印加する画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記クリーニング装置は、除去手段に接触回転して、除去手段上のトナーを転移させるバイアスローラからバイアス電圧を印加する画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記クリーニング装置は、除去手段へ印加するバイアス電圧の停止タイミングが、画像形成のために像担持体を帯電させる帯電装置へ印加する電圧の停止タイミングよりも前に設定されている画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記クリーニング装置は、除去手段へ印加するバイアス電圧の開始タイミングが、画像形成のために像担持体を帯電させる帯電装置へ印加する電圧の開始タイミングよりも後に設定されている画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、平均円形度が0.93以上である画像形成装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明を説明する。
図1は電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように画像形成装置は、トナー像が形成される感光体(像担持体)1、該感光体を一様に帯電させる帯電装置2、感光体1上に静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像をトナーで現像する現像手段4、感光体1上のトナー像を転写紙に転写させる転写手段5及び感光体1上の残留トナーを除去するクリーニング手段6で構成されている。
なお、図1では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本件の要部ではないので省略してある。
【0011】
画像形成装置では次のような手段で、画像の形成を行う。
1.帯電装置2が、感光体1の表面を所望の電位に帯電する。
2.書き込み手段3としての露光装置が、感光体1に露光を投射して、所望の画像に対応する静電潜像を、感光体1上に形成する。
3.現像手段4が、静電潜像をトナーによって現像し、感光体1上にトナー像(顕像)を形成する。
4.転写手段5が、感光体1上のトナー像を、記録紙に転写する。
5.クリーニング手段6が、転写されず感光体1上に残留したトナーを清掃する。
6.転写手段5によって、トナー像を転写された記録紙は、不図示の定着装置へと搬送される。定着装置は、トナーを加熱及び加圧して記録紙上に定着させる。
上記の1から6の手順を繰り返すことによって、記録紙上に所望の画像が形成されていく。
なお、フルカラー画像形成装置の場合は、記録紙に直接転写せずに、中間転写体を介して転写するようにしても良い。
【0012】
次に、図2と共に、本発明の要部であるクリーニング装置6について説明する。
7は、前記感光体1に付着した残留トナーを示しており、該残留トナー7は、クリーニング装置6に設けられたクリーニングブラシ(除去手段)10によって感光体1から除去される。また、直流電源14と交流電源18とを備え、これにより前記クリーニングブラシ10に対して、前記感光体1の潜像の現像を行う画像形成時に前記感光体1上に残留するトナー7の帯電極性と反対の極性を有した所定の直流電圧に交流電圧の重畳させたバイアス電圧を引加するようにしてある。また、15は、クリーニングブラシ10から残留トナーを転移させるフリッカー部材15を示し、16は剥離したトナーを搬送する搬送スクリューを示している。
また、バイアス電圧を印加する方式として異なる例を図3と共に説明する。
【0013】
12は、前記クリーニングブラシ10に接触回転して該クリーニングブラシ10上のトナーを転移させる金属製のバイアスローラを示し、該バイアスローラ12にスクレーバ13を圧接して設けてある。このような構成では、前記バイアスローラを介してバイアス電圧の印加をするようにしてもよい。この場合、バイアスローラ12はトナー7をクリーニングブラシ10から確実に静電的作用によって引き剥がすために前記フリッカー部材15を設けずとも良い。
以上のような構成において、前記クリーニングブラシ10は、前記感光体1の潜像の現像を行う画像形成時に該クリーニングブラシ10に対して感光体1上に残留するトナー7の帯電極性と反対の極性を有した所定の直流電圧に交流電圧の重畳させた放電開始電圧以下のバイアス電圧を印加させるようにしている。これにより、クリーニングブラシ10から感光体1に対して放電現象を発生させて感光体1の良好なクリーニング性を維持することができる。
【0014】
また、非画像形成時は前記クリーニングブラシ10にトナ7ーの帯電性とは反対の極性を有した所定の直流電圧を印加するようにしている。これにより、トナー7の量が少ないときは、感光体1に対して印加するバイパス電圧を必要最小限に抑え、感光体1の長寿命化を図ることができる。
さらに、前記クリーニングブラシ10へ印加するバイアス電圧の停止タイミングを、画像形成のために感光体1を帯電させる帯電装置へ印加する電圧の停止タイミングよりも前に設定している。これにより、感光体1に対して印加するバイパス電圧を必要最小限に抑え、感光体1の長寿命化を図ることができる。
一方、前記クリーニングブラシ10へ印加するバイアス電圧の開始タイミングを、画像形成のために感光体1を帯電させる帯電装置へ印加する電圧の開始タイミングよりも後に設定している。これにより、感光体1に対して印加するバイパス電圧を必要最小限に抑え、感光体1の長寿命化を図ることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
まず、本発明を適用するに当たり好適な例を得るに当たり以下の試験を行った。
(試験1:トナーの平均円形度によるクリーニング性評価)
トナー7の平均円形度とクリーニング性について説明する。
トナー7の平均円形度を振ってクリーニング性の評価を行ったところ、トナー7の平均円形度が高くなるほど、クリーニング性が低下することが確認された。評価には図4に示す実験機を用いた。クリーニング装置6はクリーニングブラシ10とクリーニングブレード11の組み合わせであり、クリーニングブラシ10はトナー7を掻き落とすためのスクレーパ13を圧接し回転駆動するバイアスローラ12と接触しており、導電性のクリーニングブラシ10へのバイアスの印加を行っている。また、本実験に使用した実験機はクリーニング前除電(PCC)およびクリーニングブラシに接触している滑剤を設置しているが、クリーニング前除電および滑剤は取り外して、評価を行った。この評価での条件を以下に示す。
【0016】
評価方法は感光体1上の付着量が0.6mg/cm2のトナー像を現像し、そのトナー像をクリーニング装置6に入力し、クリーニング性の評価を行った。本試験における評価用のトナー7の平均円形度は0.986である。そして、クリーニング性の評価結果を表1に示す。評価環境は、低温低湿環境(10℃、15%RH)、標準環境(23℃、50%RH)、高温高湿環境(27℃、80%RH)である。結果は、表中に○と×で示し、○は付着量0.6mg/cm2のトナー像を紙サイズがA3で50枚分を入力してクリーニング不良が発生していないことを示し、クリーニング性が良好であるとする。また、表中の×は、前記評価中にクリーニング不良が発生していることを示す。
【0017】
【表1】
【0018】
この評価の結果より、標準環境においてはトナーの平均円形度が0.95を越えるとクリーニングしづらくなり、トナーの平均円形度0.98以上では全環境でクリーニング不良が発生した。また、低温低湿環境下では、平均円形度0.93以上ではクリーニング性を維持することは難しい。よって、環境余裕度を考慮するとトナー7の平均円形度が、0.93以上の場合は直流電圧14を印加したクリーニングブラシ10とクリーニングブレード11の組み合わせでは、良好なクリーニング性を維持することは難しいことが確認された。
【0019】
(試験2:印加バイアス条件とクリーニング性)
次に、トナーの平均円形度が0.93以上のトナー7においても良好なクリーニング性能の発揮できるバイアス印加条件を検討した。バイアス印加条件は、直流電圧に交流電圧を重畳させる。
評価方法は、30mm×30mmのパターンを感光体上に現像し、そのパターンを各バイアス条件を印加したクリーニングブラシに入力させる。このときの評価条件を以下に示す。
【0020】
そのパターンの感光体上のトナーの付着量は0.6mg/cm2であり、クリーニングブラシ10へのトナー入力量となる。そして、パターンがクリーニングブラシ10を通過した後の感光体1上のトナー残量を測定し、1cm2あたりのトナー量で示す。クリーニングブラシ10通過後のトナー7が少ないほどクリーニング性が良好といえ、クリーニングブラシ10通過後のトナーが0gは完全にクリーニングできている。クリーニングブラシ10のトナー通過量を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
以上の結果より、クリーニングブラシ10へのバイアス印加条件を振った実験において、クリーニングブラシに直流電圧に交流電圧を重畳させることで、クリーニング性能が大幅に向上することが確認された。
【0023】
また、交流電圧の周波数成分を振ったときのクリーニング性の結果を表3に示す。このときの交流電圧のピーク間電圧は、Vpp=1.0kVとした。
【表3】
よって、以上の結果より、クリーニングブラシ10通過後のトナー量が0g/cm2である範囲が最適条件であるので、クリーニングブラシ10へのバイアス印加条件は以下の範囲が望ましい。
【0024】
また、今回の評価においては、感光体1上のトナー像のトナー7の帯電量は、マイナス帯電トナーであったために直流電圧はプラスであったが、トナーの帯電がプラスであった場合は、マイナスの直流電圧が望ましいので、直流電圧は絶対値で50〜300Vとなる。
【0025】
また、クリーニングブラシ10に対してバイアスの条件を振ったときに感光体に対してクリーニングブラシ10の前後の表面電位を測定した結果、交流電圧のピーク間電圧が2.0kV以下であった場合ブラシ後の感光体1の表面電位が、約−650Vであるのに対して、交流電圧のピーク電圧を2.5kV以上にすると、直流電圧が大きくなるに従い感光体1の表面電位が小さくなる結果が得られたことから、感光体1の表面電位に影響が出始めており、クリーニングブラシ10から放電現象が発生していると考えられる。そこで、感光体1に対して帯電装置2と逆極性の帯電をさせることは、感光体1の寿命に対して望ましくないことから、交流電圧のピーク間電圧は2.5kV以下である必要がある。
各クリーニングブラシ10へのバイアス条件を振ったときのクリーニングブラシ10の前後での感光体1表面電位の変化を図5に示す。
【0026】
平均円形度の高いトナー7のクリーニング性において、トナー除去部材6に交流電圧のピーク間電圧を0.75kV以上印加することによって、クリーニングできる理由として、平均円形度の高いトナー7を用いた場合の現像された感光体1上のトナー7は、トナー7が球形であるために最密充填に近い状態になっていることが観察されている。この様子を図6(a)に示す。それに対して、粉砕法で製造された平均円形度の低いトナーは感光体との付着力も小さいことから、クリーニングブレードのみでも十分にクリーニング性を維持できる。感光体上のトナーの様子を図6(b)に示す。よって、平均変形度の高いトナーは感光体1表面の付着力よりも、球形であるためにトナー7同士の摩擦係数のほうが小さいために、トナー7層の表層部分が選択的に除去されるために、トナー7層の表層以下のトナー7は除去できなかったためと考えられる。そこで、交流電圧のピーク間電圧を大きくすることによってクリーニングブラシ10の先端が振動することで感光体1上のトナー像の最密充填状態を崩し、クリーニングブラシ10との接触確率が増大することによって、クリーニング性が向上したと考えられる。この様子を図6(c)に示す。
【0027】
(試験3:感光体の耐久性)
このように感光体1の潜像を現像したトナー像が転写手段5によって転写紙にトナー像が転写されるため、完全に感光体1上のトナーを転写させることは困難であることから、感光体上には転写されなかったトナー7(転写残トナー)が存在し、この転写残トナー7は残像や帯電不良などの不具合を発生させてしまう。そこで、転写残トナー7は確実に除去する必要があり、前記の結果より、クリーニングブラシ10に直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスを印加することで、感光体1上のトナー像のクリーニング性は大きく向上することがわかっていることから、クリーニングへの入力トナー量が多い場合では、高いクリーニング能力をもたせることが望ましい。また、Pセンサーパターンや位置ずれ検知パターンも感光体1上に残留トナー7像を形成させることから、クリーニングブラシ10に直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスを印加して、完全に感光体1上からトナー7をクリーニングをする必要がある。
【0028】
一方で、感光体1に対して、感光体1の帯電と逆極性の電界をかけることは、感光体1の劣化原因となり、寿命に影響を与えてしまうおそれがある。よって、感光体1に対して逆極性のバイアスをかける時間をなるべく短くする必要があることから、クリーニングにトナー7の入力量が少ない条件では、クリーニングブラシ10に直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスを印加させるまでもなく、直流電圧のみで十分なクリーニング性が確保できるかを確認した。このときにクリーニングに入力されるトナーは、地汚れトナーや現像部4より飛散したトナーであり、これらはトナーの帯電量としては弱帯電であるために直流電圧で十分と考えられる。このようなクリーニングにトナーの入力量が少ない場合として、非画像形成時であり、電源ON後のウォームアップ動作時やドア開閉後のウォームアップ動作等である。
ここで確認のため、非画像形成時の感光体1上のクリーニングブラシ10の前後に付着しているトナーを確認するためにテープ転写し、画像濃度をそれぞれのテープを測定する試験を行った。
【0029】
その結果は、図7に示すようにトナーが感光体1上から除去されていることが確認され、十分にクリーニング性が得られていることが確認された。なおこのとき、直流電圧は+150Vを印加した。この評価での条件を以下に示す。
よって、画像形成時にクリーニングブラシに直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスを印加させるタイミングとしては、現像バイアス印加のタイミングと同期させることが望ましい。
【0030】
本実施例におけるタイミングチャートを図8に示す。ここで、T1は画像形成時、T2はジョブ間隔を示す。
さらに、クリーニングバイアスは感光体1の帯電極性とは逆の極性のバイアスを印加していることから、感光体1が帯電されていないときに逆極性の負荷が感光体にかかることは望ましくない。そこで、クリーニングバイアスの停止タイミングは帯電装置2へのバイアスの停止タイミングよりも前が望ましい。つまり、感光体1上でクリーニングブラシでクリーニングバイアスが停止になった位置が帯電装置2の印加バイアスが停止のタイミングにちょうど帯電装置2の位置に移動したときが望ましいことから、実験機の例ではクリーニングブラシ10位置から帯電装置2の位置までの感光体1回転時間を計算すると、
(感光体径×π×クリーニングブラシから帯電までの角度/360)/感光体線速=(90×π×60/360)/245=0.19(sec)
となり、クリーニングバイアスの停止タイミングは、帯電装置2のバイアスの停止タイミングに対して0.19(sec)前が望ましい。
【0031】
同様に、クリーニングバイアスの開始タイミングも感光体1が帯電していないときに帯電とは逆極性にバイアスをかけることは望ましくないことから、クリーニングバイアスの開始タイミングは帯電装置2へのバイアスの開始タイミングの0.19(sec)後が望ましいことが推察される。このときのタイミングチャートを図9に示す。このとき、帯電装置2への印加バイアスの開始タイミングとクリーニングバイアスの開始タイミングの差をT3とし、クリーニングバイアスの停止タイミングと帯電バイアスの停止タイミングの差をT4とする。
【0032】
(実施例)
以上の試験結果より、本実施形態を適用した実験機における好適な一例としては、クリーニングブラシ10へのバイアス印加条件を示す。
である。
【0033】
なお、本実施形態では、クリーニングブレード11を設けていないが、帯電によって発生するNOx等の汚染物質が感光体上に付着すると感光体1フィルミングが発生し、ボケ画像などの画質劣化につながるので、汚染物質を確実に取り除くために感光体1表面に物理的に力を加える必要からクリーニングブレード11と組み合わせることでさらに良好な画像を維持することが可能となる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、除去手段から像担持体に対して放電現象を発生させて像担持体の良好なクリーニング性を維持することができる。さらに、ウォームアップ動作時等における非画像形成時のトナー量が少ないときは、像担持体に対して印加するバイパス電圧を必要最小限に抑え、像担持体の長寿命化を図ることができる。
また、トナーを確実に静電的に除去部材から引き剥がすため、フリッカー部材等を取り除くことができ、構造の簡単化を図ることができる。また、像担持体に対して印加するバイパス電圧を必要最小限に抑え、像担持体の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明のトナー除去手段の構成を示す概略図である。
【図3】本発明のトナー除去手段の変形例である。
【図4】本評価に用いたクリーニング装置の構成を示す概略図である。
【図5】クリーニングブラシの前後での感光体表面電位の変化を示すグラフである。
【図6】感光体上のトナーの状態を説明する図である。
【図7】非画像形成時のクリーニング性結果を示すグラフである。
【図8】クリーニングバイアス印加タイミングを示すチャートである。
【図9】帯電のバイアスタイミングとクリーニングバイアスタイミングの関係を示すチャートである。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 トナー
10 除去手段
11 クリーニングブレード
12 バイアスローラ
13 スクレーパ
14 直流電源
15 フリッカー部材
16 搬送スクリュー
17 交流電源
18 交流電源
T1 画像形成時間
T2 ジョブ間隔
T3 帯電バイアスの開始タイミングとクリーニングバイアスの開始タイミングの差
T4 クリーニングバイアスの停止タイミングと帯電バイアスの停止タイミングの差
Claims (6)
- 像担持体を帯電させる帯電装置と、
像担持体上の潜像に平均円形度の高い球形トナーを用いてトナー像を形成する現像装置と、
像担持体上の潜像を転写材に転写する転写装置と、
像担持体上の帯電装置の放電開始電圧以下のバイアス電圧を印加することにより転写装置による画像転写後に像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング装置を備える画像形成装置であって、
前記クリーニング装置は、像担持体に接触している導電性又は半導電性からなる除去手段を有し、
像担持体の潜像の現像を行う画像形成時に、除去手段に対して像担持体上に残留するトナーの帯電極性と反対極性の直流電圧に交流電圧の重畳させたバイアス電圧を印加させる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング装置は、非画像形成時にトナーの帯電性とは反対の極性の直流電圧を印加する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング装置は、除去手段に接触回転して、除去手段上のトナーを転移させるバイアスローラからバイアス電圧を印加する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記クリーニング装置は、除去手段へ印加するバイアス電圧の停止タイミングが、画像形成のために像担持体を帯電させる帯電装置へ印加する電圧の停止タイミングよりも前に設定されている
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記クリーニング装置は、除去手段へ印加するバイアス電圧の開始タイミングが、画像形成のために像担持体を帯電させる帯電装置へ印加する電圧の開始タイミングよりも後に設定されている
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナーは、平均円形度が0.93以上である
ことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007139869A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
US8135326B2 (en) | 2008-09-22 | 2012-03-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming apparatus |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002276745A patent/JP2004117458A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007139869A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
US8135326B2 (en) | 2008-09-22 | 2012-03-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming apparatus |
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