JP2004116773A - ヒンジ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクスプリングを利用したヒンジ装置内に用いられる構成部品であるスペースワッシャ及びガイドワッシャの少なくとも一面以上に波紋状のオイルグルーブを形成してヒンジ装置の作動時円滑な作動性を確保して、騷音及び摩耗を大幅に減らす。また、ヒンジ装置に用いられる構成部品であるディスクスプリングの凹部内側面に弾性強化用溝を形成して、ディスクスプリングの弾性を強化させてヒンジ装置の性能を向上させる。
【解決手段】ディスクスプリングを用いるヒンジ装置について、シャフトまたはヒンジ軸等ヒンジ装置の回転中心軸に嵌められる構成部品であるスペースワッシャ13とガイドワッシャには波紋状のオイルグルーブ27を形成し、ディスクスプリングのへこんだ内側面には弾性強化用溝を形成して、ヒンジ装置の作動の際の騷音と部品の摩耗を減らして、装置の性能を強化する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
世界的に電子産業技術が発展するにつれ、携帯用コンピュータ、携帯電話、携帯用端末機、画像電話機等について、携帯又は簡便に使用できるように、軽量で小型の多種多様の製品が開発されて用いられている。
【0003】
このような製品、例えば携帯用コンピュータは、本体、カバー、および液晶ディスプレーで構成されている。カバーは、ヒンジ装置を軸として回転させて開閉できるよう本体に取付けられている。携帯用コンピュータを使用するさいには、ヒンジ装置を軸としたカバーを回転させて開け、ヒンジ装置の回転角度を調整して所望の角度に保持させる。開けたカバーを一定角度に保持させるためには、適切な止め手段が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ヒンジ装置は、一般的に、開けたカバーの角度を固定して維持できるように、所定の弾性力を有した隣接部品と、隣接部品に摩擦力を付与するためのスプリングとが、ヒンジ装置の軸に装着されたもので構成されている。このようなヒンジ装置は、構成部品にガタ(揺れ)があるため、作動不良となって、騷音が生じたり、摩耗し易い等の問題点がある。この問題点を解決するために、本発明者による登録実用新案第173283号では、スプリングを用いずにディスクスプリング(皿スプリングと表記されている)を用いて作動性を向上させて、騷音および摩耗を減らすことができるヒンジ装置を開示した。
【0005】
同様に、ディスクスプリングを用いて支持可能な荷重範囲を拡大したヒンジ装置を登録実用新案第233484号に開示した。また、ディスクスプリングを用いた、他の形態のヒンジ装置については、本発明者による特許第01−37205号に出願した。
【0006】
しかし、前記のディスクスプリングを用いたヒンジ装置については、使用したディスクスプリングやスペースワッシャ等の部品がヒンジ装置内で相互に接触して騷音と摩耗が生じる。ところが、接触部分にオイルを均等に塗布しにくいため、ヒンジ装置部品の接触よる騷音と摩耗を減少させることができないという短所があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、支持ブラケットとシャフトを備え、前記シャフトにスペースワッシャと凹状皿形形状のディスクスプリングとガイドワッシャを備えたヒンジ装置であって、
前記スペースワッシャ、またはガイドワッシャの少なくとも一面または両面の全面に、波紋状のオイルグルーブが形成されていることを特徴とするヒンジ装置である。
【0008】
本発明の第2の態様は、前記ディスクスプリングの凹状面には、中心から円周方向に一つ以上の溝が形成されていることを特徴とするヒンジ装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によるヒンジ装置は、ディスクスプリングを用いたヒンジ装置に使用される部品であり、スペースワッシャおよびガイドワッシャの少なくとも一面以上に波紋状のオイルグルーブを形成することにより、ヒンジ装置が円滑に作動できるようにして、騷音および摩耗を大幅に減らすことに特徴がある。
【0010】
また、ヒンジ装置に使用される部品であるディスクスプリングの凹状内側面に弾性強化用溝を形成して、ディスクスプリングの弾性を強化させてヒンジ装置の性能を向上させたことに特徴がある。
【0011】
本発明は、少なくとも一面以上に波紋状のオイルグルーブが形成されたスペースワッシャおよびガイドワッシャ、そして凹状内側面に弾性強化用溝が形成されたディスクスプリング等の部品から構成されるヒンジ装置を提供する。
【0012】
ところで、ワッシャはボルトやナットを用いて、例えば部品を締め付ける際にナットの内側に挿入する、一般的には丸くて薄い金属板である。本発明によるスペースワッシャは、ブラケットとディスクスプリングのあいだ、あるいはブラケットと接触する他の部品とのあいだに介在させて、回転する部品同士のあいだに空間を確保して、安定した連結を可能にする等の役割を有している。
【0013】
また、本発明によるガイドワッシャは、ディスクスプリングに接するように設けられており、ガイドワッシャを支えるとともにナット等で締め付けたときに安定した連結を確保して、回転等の振動によるナットの弛みを防止する役割を有している。
【0014】
また、本発明によるディスクスプリングは、ヒンジ装置の回転軸で圧縮される反対方向に弾性力を加えることにより、回転に対する一定のトルクを形成するように設けられている。そのため、対象物体は一定角度に開閉された状態を維持できる。
【0015】
以下、添付された図面により本発明によるヒンジ装置の実施形態を詳細に説明する。
図1(a)および図1(b)は、本発明のヒンジ装置によるスペースワッシャ13の正面図および側面図である。
【0016】
シャフト(回転軸)を中心に相互回転する部品同士が直接接触しないように必要な空間を確保し、また部品同士を安定して連結するために、部品間にスペースワッシャを介在させる。スペースワッシャは、スペースワッシャ13同士、またはスペースワッシャと接触するヒンジ装置を構成する他の部品(例えばブラケット面等)と接触した状態で回転するので、摩擦が生じる。この摩擦は、スペースワッシャ、およびスペースワッシャに接触する他の部品の摩耗、および摩擦による騷音発生の原因になる。
【0017】
図1(a)に示された通り、スペースワッシャ13には貫通口14が形成されている。また、スペースワッシャ13には一面またはそれ以上の面に(図示せず)は波紋状のグルーブ27が形成されている。波紋状グルーブ27は、スペースワッシャ13の回転時にオイルを貯蔵して、スペースワッシャ13の円状面の小半径から大半径にかけて全面積にオイルを均等に塗布できる。すなわち、ヒンジ装置の組立て時、この内部に潤滑オイルを充填した状態で組立てることによって、摩耗および騷音を減らすことができる。
【0018】
図2(a)および図2(b)には、本発明のヒンジ装置によるガイドワッシャ19の正面図および側面図を示した。
【0019】
スペースワッシャ13と同様に、図2(a)には貫通口20が形成され、また、波紋状のグルーブ26が形成されたガイドワッシャ19が図示されている。波紋状のグルーブ26が形成されたガイドワッシャ19の形態および作用は前記スペースワッシャ13と同様である。
【0020】
図3(a)および図3(b)は、本発明のヒンジ装置に係るディスクスプリング17の正面図および側面図である。
【0021】
前記のようにディスクスプリングは、圧縮される反対方向に弾性力を加えることにより、回転に対する一定のトルクを形成するように設けられている。そのため、ヒンジ装置に連結された対象物体は一定角度に開閉された状態を維持できる。この作用を達成するためには、弾性係数が大きく弾性力(復元力)が高いディスクスプリングが有利となる。
【0022】
このため、図3(b)に示したように、ディスクスプリング17には貫通口18が形成されており、凹部内側面には本発明の望ましい実施例によって貫通口18の内周から前記ディスクスプリング17の外周を繋ぐ放射状の弾性強化用溝24を形成させることができる。前記溝24は圧延などの方式で前記ディスクスプリング17の内側面に形成されており、前記ディスクスプリング17の弾性を向上させる役割を有している。望ましくは2つ以上の溝24が相互同一な角度を形成することが良く、図3Bに示したように120゜の角度間隔を有して3個が形成されうる。
【0023】
このような溝24は、ディスクスプリング17の形態変化に対して柔軟性を付与して弾性力を高め、強い耐久性を有するようにする。
【0024】
以下、前記のスペースワッシャ13、ガイドワッシャ19、ディスクスプリング17の構成部品を採用した本発明の望ましい実施形態によるヒンジ装置を説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図4は、本発明の第1実施形態によるヒンジ装置の望ましい構成を示す分解斜視図である。すなわち、図4に示したように本発明のヒンジ装置は、ブラケット1とシャフト3を備えており、前記ブラケット1の中心部には軸孔5が形成されてシャフト3はこの軸孔5を貫通するように嵌められる。前記ブラケット1とシャフト3のあいだにはスプリング11が備えられ、所定の弾性によりヒンジが開かれた角度を固定して維持することができる。
【0026】
前記ブラケット1の軸孔5の両端には、一対以上のスペースワッシャ13が接するように設けられる。なお、スペースワッシャ13は貫通口14を備え、軸孔5を挟んで対向するように前記シャフト3に嵌められる。また、前記スペースワッシャ13の一面以上には、図1Aに示したように摩擦を減らして前記回転軸3の回転を円滑にできるようにするため、前記スペースワッシャのほぼ全面積に渡って潤滑オイルが作用するための波紋状のオイルグルーブ27を設ける。
【0027】
前記スペースワッシャ13に接するように、外形が皿形凹状のディスクスプリング17が設けられており、前記ディスクスプリング17に接するようにガイドワッシャ19が装着されている。
【0028】
前記ディスクスプリング17とガイドワッシャ19には、中心部には貫通口が形成される。また、前記ディスクスプリング17の凹状内側面には弾性強化用溝24が形成されている。前記シャフトの端にはナット25が締結され、水平位置を固定する。
【0029】
このように構成される本発明によるヒンジ装置は、例えば、携帯用コンピュータと同じようにカバーを開けることによって前記スプリング11が回動してトルクが発生し、スペースワッシャ13とガイドワッシャ19とのあいだにある皿型形状のディスクスプリング17は、圧縮と反対方向の復元力が加えられて摩擦抵抗が発生することにより、ヒンジ装置は一定の角度で固定した維持される。
【0030】
すなわち、本発明によるスペースワッシャ13、ガイドワッシャ19およびディスクスプリング17を構成部品として用いることによって、前記ヒンジ装置の作動による騷音と摩耗を減らすことができる。
【0031】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態によるヒンジ装置を添付した図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の第2実施形態によるヒンジ装置の望ましい構成を示す正面図である。本実施形態によるヒンジ装置は、図5に示したように、第1ヒンジブラケット110と、第2ヒンジブラケット120と、ヒンジ軸130と、少なくとも一個以上のスペースワッシャ13と、少なくとも一個以上のディスクスプリング17と、ガイドワッシャ19と、締結ナット170を備える。
【0032】
前記スペースワッシャ13は、ヒンジ軸130の第1ヒンジブラケット110の前後に位置して設ける。例えば、普通第1ヒンジブラケット110と第2ヒンジブラケット120のあいだに2個程度、そして、第1ヒンジブラケット110とディスクスプリング17とのあいだに2個程度設ける。そして、摩擦接触による第1および第2ヒンジブラケット110、120とディスクスプリング17の摩耗を防止すると同時に、円滑に作動できるようにする。このようなスペースワッシャ13には、円滑な作動のために摩擦部分の少なくとも一面以上にオイルを充填できる波紋状のオイルグルーブ27が形成されていることは前記の通りである。
【0033】
前記ディスクスプリング17は、ヒンジ軸130の第1ヒンジブラケット110の後方部に位置し、第1ヒンジブラケット110と第2ヒンジブラケット120に弾力を与えて支えることができるように設けられている。これにより第2ヒンジブラケット120は外力が加わらない限り第1ヒンジブラケット110に弾力的に密着され、その状態を維持することができる。ディスクスプリング17は、中央部が外側に湾曲した凸部を備えるように形成され、この凸部が外側に向くよう、互いのディスクスプリング17が対向するようにヒンジ軸130に設けられているため、ヒンジブラケットを弾力的に支えることができる。前記のように、本発明によるディスクスプリング17は、凹部内側面には弾性強化用溝が一個またはそれ以上形成されている。一方、図面ではディスクスプリング17が2個ずつ対向するように示されているが、場合に応じてトルク調整のために加減できることは当然である。
【0034】
前記ガイドワッシャ19は、ヒンジ軸130のディスクスプリング17後端に嵌められており、ヒンジ軸130の端部のねじ部には締結ナット170が締結されている。
【0035】
このように構成された本発明による軸方向ディスク圧縮式ヒンジ装置は、以下のように組み立てる。まず、第1および第2ヒンジブラケット110、120の軸孔を通してヒンジ軸130を嵌め、次に、第1および第2ヒンジブラケット110、120を相互相対運動が自在なように連結する。次に、前記ヒンジ軸130にスペースワッシャ13、ディスクスプリング17、ガイドワッシャ19を順次に嵌め、最後にヒンジ軸130の端部に締結ナット170を締結して組立てる。ここで、前記スペースワッシャ13は、第1および第2ヒンジブラケット110、120のあいだ、および第1ヒンジブラケット110とディスクスプリング17のあいだの摩擦接触部に配置する。
【0036】
ヒンジ装置に連結されたディスプレー体を開放させたり角度調整のためにディスプレー体を回転させれば、第2ヒンジブラケット120がディスクスプリング17の弾力に勝って回転するようになり、外力を除去すれば、ディスクスプリング17による弾力が働きながら第2ヒンジブラケット120は、調整された状態で維持するようになる。
【0037】
このように構成された装置は、前記第1実施形態のヒンジ装置に比べて部品数が減っているが、組立て性およびヒンジ作動の円滑性および安全性を向上させ、前記第1実施形態によるヒンジ装置と同様にスペースワッシャ13、ガイドワッシャ19およびディスクスプリング17に特定構造を付与して、前記ヒンジ装置の作動による騷音と摩耗を減らすことができる。
【0038】
前記第1実施形態と第2実施形態によるヒンジ装置は、適用される対象物体の構造により適宜用いることができる。
【0039】
図6と図7には、貫通孔20、18の形状が非円形で形成されたガイドワッシャ19、およびディスクスプリング17の正面図が示されている。
【0040】
ディスクスプリング17とガイドワッシャ19は貫通孔の内周面が同一形状に形成され、シャフトまたはヒンジ軸は貫通孔の形状と同一に外周面が加工され、相互の形状を合わせて嵌めることができるように構成されている。そのため、開閉作動中のシャフトやヒンジ軸がディスクスプリング17とガイドワッシャ19の揺れを抑え、揺れを最少にして作動性能を向上させることができる。さらに、シャフトやヒンジ軸の位置を正確に、容易に合わすことができるので、ディスクスプリングの位置がずれて発生するディスクスプリングの寿命短縮、および作動の不安定性等も解消できる。
【0041】
以上のように本発明を望ましい実施例による図面により説明したが、本発明は図示されて説明された実施例による構成および作用に限定されることではない。むしろ添付された特許請求範囲の思想および範疇を逸脱することがなく、本発明に対する複数の変更および修正が可能なことを当業者はよく理解できることである。したがって、このようなすべての適切な変更および修正と均等物も本発明の範囲に属することと見なされるべきである。
【0042】
【発明の効果】
本発明によるヒンジ装置は、スペースワッシャ等に波紋状のオイルグルーブを形成して、ディスクスプリングに弾性強化用溝を形成することにより、ヒンジ装置の性能をさらに向上させるとともに騷音および摩耗を減らすことができる。また、ヒンジ装置の部品の摩耗等による故障も減らすことができ、装置の寿命も長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスペースワッシャの正面図および側面図である。
【図2】本発明によるガイドワッシャの正面図および側面図である。
【図3】本発明によるディスクスプリングの正面図および側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるヒンジ装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるヒンジ装置の正面図である。
【図6】本発明の変形例によるガイドワッシャの正面図である。
【図7】本発明の変形例によるディスクスプリングの正面図である。
【符号の説明】
1 ブラケット
3 シャフト
5 軸孔
11 スプリング
13 スペースワッシャ
14 貫通口
17 デイスクスプリング
18 間通孔
19 ガイドワッシャ
27 オイルグルーブ
110 第1ヒンジブラケット
120 第2ヒンジブラケット
130 ヒンジ軸
170 締結ナット

Claims (2)

  1. 支持ブラケットとシャフトを備え、前記シャフトにスペースワッシャと凹状皿形形状のディスクスプリングとガイドワッシャを備えたヒンジ装置であって、
    前記スペースワッシャ、またはガイドワッシャの少なくとも一面または両面の全面に、波紋状のオイルグルーブが形成されていることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 前記ディスクスプリングの凹状皿形形状面には、中心から円周方向に一つ以上の溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
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