JP2004116023A - ワイヤソー用ワイヤ保持装置、ワイヤソー用ワイヤ、既設杭の切断撤去システム、および既設杭の切断撤去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に被切断物(既設杭)4を挿通させることが可能な環状のフレーム11と、フレーム11に取り付けられ、被切断物4を切断するために用いられる環状のワイヤソー用ワイヤ2の途上を、フレーム11の内周に沿う状態に保持することが可能な保持部材12と、フレーム11に取り付けられ、ワイヤソー用ワイヤ2を前記フレーム11の内周に沿う方向からこのフレーム11と交差する方向に転向させるシーブ13〜16と、を備え、保持部材12は、前記ワイヤソー用ワイヤ2が走行するとこのワイヤソー用ワイヤ2によって切断されるように構成する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設杭の長さ方向の一部を撤去する場合などに適用可能な、ワイヤソー用ワイヤ保持装置、ワイヤソー用ワイヤ、既設杭の切断撤去システム、および既設杭の切断撤去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や土木構造物の基礎を構成するため、あるいは地盤改良などのために、地中に杭が打ち込まれていることがある。このような建築物や土木構造物を解体してその場所に新しい建築物や土木構造物を構築しようとする場合や、地中にシールド工法によってトンネルを構築する場合など、地中に埋設されている既設杭を撤去する必要が生じることがある。
例えば、都市部などにおいては、シールドの通過予定路線途上に既設杭が埋まったまま残されている場合がある。この場合、シールドを通過させる前に、この既設杭を撤去しておく必要がある。
【0003】
既設杭の撤去方法としては、既設杭の側周の地盤の摩擦抵抗を無くすかあるいは軽減し、既設杭のみを引き上げる方法がある。この種の技術は、例えば特許文献1などに開示されている。
【0004】
しかし、この方法では、既設杭の長さが長い場合、地盤の掘削深さやケーシングの打ち込み深さが長くなり、多大な労力や費用を要する。
これに対し、既設杭の一部のみを撤去すれば済む場合には、その撤去すべき部分の下端において既設杭を切断し、その切断位置より上方を撤去すればよい。
【0005】
しかしながら、既設杭を、地中に埋設された状態のままで切断するためには、例えば図8に示すように、既設杭104の側周の地盤を掘削して空中に露出させる必要があり、施工に大きな労力を要していた。
また、既設杭の側周に沿ってケーシングを圧入し、このケーシングと既設杭の側周面との空隙を利用して、ウォータージェットを用いて切断を行う場合には、既設杭に内蔵された鉄筋や鉄骨などを切断するのに、かなりの時間を要していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−41960号公報(図1〜図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、地中に埋設された既設杭を、地表面より下方において簡便に切断することのできる、ワイヤソー用ワイヤ保持装置、ワイヤソー用ワイヤ、既設杭の切断撤去システム、および既設杭の切断撤去方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明であるワイヤソー用ワイヤ保持装置1は、例えば図1〜図7に示すように、内部に被切断物(既設杭)4を挿通させることが可能な環状のフレーム11と、
前記フレーム11に取り付けられ、前記被切断物4を切断するために用いられる環状のワイヤソー用ワイヤ2の途上を、前記フレーム11の内周に沿う状態に保持することが可能な保持部材12と、
前記フレーム11に取り付けられ、前記ワイヤソー用ワイヤ2を前記フレーム11の内周に沿う方向からこのフレーム11と交差する方向に転向させるシーブ13〜16と、
が備えられ、
前記保持部材12は、前記ワイヤソー用ワイヤ2が走行するとこのワイヤソー用ワイヤ2によって切断されるように構成されていること
を特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、保持部材でワイヤソー用ワイヤの途上をフレームの内周に沿う状態に保持させつつ、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のフレームを被切断物の切断位置を囲むように配置し、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向されたワイヤソー用ワイヤを引き出してワイヤ駆動装置に連結してワイヤソー用ワイヤを自身の線上に沿って回動させると、保持部材がワイヤソー用ワイヤによって切断されて、フレームの内部にある被切断物の切断位置に当接し、この状態でワイヤソー用ワイヤを走行させ続けることで、被切断物を切断することができる。
また、ワイヤソー用ワイヤによって切断される保持部材の厚みを変えることによって、被切断物を切断開始する位置を制御することができる
【0010】
特に、被切断物が、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または、工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭などの既製コンクリート杭など、地中に埋設された既設杭である場合には、既設杭の側周に沿って地盤にケーシングチューブを挿入して既設杭の側面とケーシングチューブとの間の土砂を除去した後、既設杭の切断位置の側周を取り囲むように、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のフレームを配置し、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向されたワイヤソー用ワイヤを、既設杭の側面とケーシングチューブの側面との間の空隙から引き出してワイヤ駆動装置に連結し、ワイヤソー用ワイヤを走行させて、上記と同じ仕組みで、既設杭を所望の切断位置で切断することができる。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断位置より上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、例えば図4、図5に示すように、請求項1に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置において、
前記シーブ13〜16に形成された前記ワイヤソー用ワイヤ2の走路面の半径rは、50mm以下に設定されていること
を特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、シーブに形成されたワイヤソー用ワイヤの走路面の半径が50mm以下に設定されているので、被切断物の切断面の側方の空間が狭い場合にも、半径が50mm以下に設定されたシーブによって転向されたワイヤソー用ワイヤを引き出してワイヤ駆動装置に連結してワイヤソー用ワイヤを自身の線上に沿って回動させ、被切断物を切断することができる。
特に、被切断物が地中に埋設された既設杭である場合、既設杭の側周に沿って地盤にケーシングチューブを挿入して既設杭の側面とケーシングチューブとの間に空隙を形成し、既設杭の切断位置の側周を取り囲むようにワイヤソー用ワイヤ保持装置のフレームを配置して、上記空隙を利用してワイヤソー用ワイヤを駆動装置に連結して走行させる際に、この空隙の幅が比較的小さくても、既設杭を切断することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、例えば図7に示すように、請求項1または2に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置1で保持可能なワイヤソー用ワイヤ2であって、
その全長にわたって、前記シーブ13〜16の走路面の半径rよりも小さい曲率半径で曲がる状態に形成されていること
を特徴とする。
ここで、上記ワイヤソー用ワイヤ2としては、例えば図6、図7に示すように、一体に成型され接合部がない、金属や炭素繊維などからなるエンドレスワイヤ21の側面に、所定の弾力性と強度とを備える被覆部22と強化スプリング23とが設けられているとともに、所定間隔でダイヤモンドビーズ24が焼結されたものなどを用いる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、ワイヤソー用ワイヤが、その全長にわたって、前記シーブの走路面の半径よりも小さい曲率半径で曲がる状態に形成されているので、請求項1または2に記載の発明におけるシーブからワイヤソー用ワイヤが外れるのを防止できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1または2に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置1を備える既設杭の切断撤去システム3であって、
既設杭4を切断することが可能な環状のワイヤソー用ワイヤ2と、
前記既設杭4の側周に沿って、この既設杭4の切断位置Cより下方まで到達するようにケーシングチューブ5を挿入することが可能なオールケーシング掘削機31と、
前記ワイヤソー用ワイヤ2を、その張力を保持しつつ自身の線上に沿って回動させるワイヤ駆動装置32と、
前記ワイヤソー用ワイヤ保持装置1のシーブ13〜16によって転向された前記ワイヤソー用ワイヤ2を、前記既設杭4の側面とケーシングチューブ5の内面との間の空隙を通じて前記ワイヤ駆動装置32に案内する、ワイヤ案内手段(シーブ)33a〜33dと
を備えることを特徴とする。
ここで、上記既設杭とは、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または、工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭などの既製コンクリート杭、のことを指す。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、オールケーシング掘削機で、既設杭の側周に沿って、この既設杭の切断位置より下方まで到達するようにケーシングチューブを挿入し、既設杭の側面とケーシングチューブとの間の土砂を除去した後、既設杭の切断位置の側周を取り囲むように、ワイヤソー用ワイヤの途上を地上で保持したままワイヤソー用ワイヤ保持装置を既設杭の切断位置まで降ろし、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向され、既設杭の側面とケーシングチューブの側面との間の空隙から地上へ引き上げられたワイヤソー用ワイヤの途上を、ワイヤ案内手段を経由してワイヤ駆動装置に導き、このワイヤ駆動装置でワイヤソー用ワイヤを走行させて、保持部材をワイヤソー用ワイヤによって切断して、フレームの内部にある既設杭の切断位置に当接させ、この状態でワイヤソー用ワイヤを走行させ続けることで、既設杭を切断することができる。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断位置より上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項4に記載の既設杭の切断撤去システム3であって、
前記既設杭4の切断位置Cより下方において、前記既設杭4とケーシングチューブ5との間を閉塞することが可能な閉塞手段(パッカ)35を備えること
を特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、既設杭の切断位置より下方において、既設杭とケーシングチューブとの間を閉塞することが可能な閉塞手段を備えるので、土砂や被圧した地下水が、ケーシングチューブの下端から内部に流入するのが防止される。したがって、既設杭の切断位置において、既設杭を切断するために用いるワイヤソー用ワイヤ保持装置を設置する空間を確実に確保することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項4または5に記載の既設杭の切断撤去システム3であって、
前記既設杭4の上部を保持し、引き上げることが可能な揚重手段34を備えること
を特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、既設杭の上部を保持し、引き上げることが可能な揚重手段を備えるので、ワイヤソー用ワイヤにより既設杭を切断している途中に、ワイヤソー用ワイヤが既設杭の重量で押しつぶされて切断が不可能になることがない。そして、既設杭の切断後、揚重手段によって、既設杭の切断位置より上の部分を吊り上げて撤去することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の既設杭の切断撤去システムを用いる既設杭の切断撤去方法であって、
前記揚重手段34によって引き上げた既設杭4の地上に突出する部分に、水平に貫通孔を形成し、この貫通孔に棒材を挿入し、この棒材の両端を地上の支持点で支持させた状態で、前記既設杭を前記貫通孔の位置より上方で切断すること
を特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、揚重手段によって引き上げた既設杭の地上に突出する部分に、水平に貫通孔を形成し、この貫通孔に棒材を挿入し、この棒材の両端を地上の支持点で支持させた状態で、既設杭を貫通孔の位置より上方で切断することにより、揚重手段で保持された既設杭を切断しても、既設杭の切断位置より下方が落ちこむことがなく、既設杭の切断位置より上方を撤去することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のワイヤソー用ワイヤ保持装置、ワイヤソー用ワイヤ、既設杭の切断撤去システム、および既設杭の切断撤去方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。
本実施の形態のワイヤソー用ワイヤ保持装置、ワイヤソー用ワイヤ、既設杭の切断撤去システム、および既設杭の切断撤去方法は、地中に埋設された場所打ち鉄筋コンクリート既設杭(被切断物)4のうち、地下に別途構築されるトンネルと干渉する部分を、切断して除去するために用いられている。
【0024】
図1は、本実施の形態の既設杭の切断撤去システムの概略を示す図である。
図2、図3はそれぞれ、この既設杭の切断撤去システムで用いられるワイヤソー用ワイヤ保持装置の設置状況を示す、横断面図、縦断面図である。
図4は、上記ワイヤソー用ワイヤ保持装置の詳細を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面図である。図5は、ワイヤソー用ワイヤ保持装置におけるシーブの構造を示すもので、(a)は正面図、(b)、(c)は断面図である。
図6、図7はそれぞれ、この既設杭の切断撤去システムで用いられるワイヤソー用ワイヤの側面図、断面図である。
【0025】
既設杭の切断撤去システム3は、図1〜図3に示すように、後述するワイヤソー用ワイヤ保持装置1を備える既設杭の切断撤去システム3であって、既設杭4を切断することが可能な環状のワイヤソー用ワイヤ2と、既設杭4の側周に沿って、この既設杭4の切断位置Cより下方まで到達するようにケーシングチューブ5を挿入することが可能なオールケーシング掘削機31と、ワイヤソー用ワイヤ2を、その張力を保持しつつ自身の線上に沿って回動させるワイヤ駆動装置32と、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1のシーブ13〜16によって転向されたワイヤソー用ワイヤ2を、既設杭4の側面とケーシングチューブ5の内面との間の空隙を通じてワイヤ駆動装置32に案内する、ワイヤ案内手段(シーブ)33a〜33dと、を備えて、概略構成されたものである。
【0026】
ワイヤソー用ワイヤ保持装置1は、例えば図2〜図4に示すように、内部に既設杭(被切断物)4を挿通させることが可能な、金属製の円環状のフレーム11と、フレーム11に取り付けられ、前記被切断物4を切断するために用いられる環状のワイヤソー用ワイヤ2の途上を、前記フレーム11の内周に沿う状態に保持することが可能な保持部材12と、フレーム11に取り付けられ、前記ワイヤソー用ワイヤ2を前記フレーム11の内周に沿う方向からこのフレーム11と交差する方向に転向させるシーブ13〜16と、を備えている。
保持部材12は、アルミニウムやプラスチックなど、ワイヤソー用ワイヤ2で切断可能な素材で構成されており、ワイヤソー用ワイヤ2が走行すると、これによって切断されるように、フレーム11の内周面に取り付けられている。
を特徴とする。
【0027】
ワイヤソー用ワイヤ保持装置には、図4に示すように、8つのシーブ13〜16が取り付けられている。シーブ13〜16は、同一の形状に形成されたものであって、これらの正面図、断面図をそれぞれ、図5(a)、(b)に示す。シーブ13〜16上におけるワイヤソー用ワイヤの走路面の半径rは、35mmに設定されている。
ワイヤソー用ワイヤ2は、地上に設置されたワイヤ駆動装置33からシーブ(ワイヤ案内手段)33a,33bに案内されて、既設杭4の側面とケーシングチューブ5の内面との間の空隙を通じてワイヤソー用ワイヤ保持装置1に入る。
【0028】
そして、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1に備えられた鉛直向きのシーブ13とシーブ14とに案内されて、フレーム11内の、既設杭4の切断位置に誘導される。そして、フレーム11の面と平行に取り付けられたシーブ15とシーブ16を経由してから、所定間隔で設けられた保持部材12によって、フレーム11の内面を既設杭4の切断位置で一周するように案内される。
そして、再びシーブ16、シーブ15、シーブ14、シーブ13を経由して、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1を抜け出してケーシングチューブ5の内面との間の空隙を通じて地上に戻り、シーブ(ワイヤ案内手段)33c,33dに案内されて、ワイヤ駆動装置32に戻る。
ワイヤ駆動装置32が駆動すると、上記経路で、環状のワイヤソー用ワイヤ2が循環する。
【0029】
ワイヤソー用ワイヤ2は、図6,図7に示すように、ジョイントスリーブなどを用いずに環状にあらかじめ一体に成型されることで接合部がなく、また切断性能を向上させるため、メビウスの輪の原理を利用し、あらかじめワイヤーソウワイヤーの走行方向に対し左巻きに捩れが入っている、属や炭素繊維などからなる直径5mmのエンドレスワイヤ21の側面に、所定の弾力性と強度とを備える被覆部22と強化スプリング23とが設けられるとともに、所定間隔で台金25に燒結されたダイヤモンドビーズ部24が設けられている。ダイヤモンドビーズ24焼結部の直径は、およそ10.5mmである。このようにして、ワイヤソー用ワイヤ2は、その全長にわたって、シーブ13〜16およびシーブ33a〜33dの走路面の半径rよりも小さい曲率半径で曲がる状態に形成されている。
【0030】
各シーブ13〜16は、その回転抵抗が小さくなるように、フレーム11に対して、図5(c)に示すベアリングを用いて固定されている。
前記シーブ13〜16に形成された前記ワイヤソー用ワイヤ2の走路面の半径rは、50mm以下に設定されていること
を特徴とする。
前記ワイヤソー用ワイヤ2を前記フレーム11の内周に沿う方向からこのフレーム11と交差する方向に転向させるシーブ13〜16と、を備えている
【0031】
このワイヤソー用ワイヤ保持装置1、ワイヤソー用ワイヤ2、および既設杭の切断撤去システム3を利用した、既設杭4の切断撤去手順について説明する。
まず、既設杭4の軸芯に、その上部から既設杭4の切断しようとする切断位置Cまで到達するように穿孔機で孔を空ける。この孔にゲビンデスタブなどのアンカー材41を挿入し、セメントミルクなどの固化材でアンカー材41を既設杭4に固着させる。
【0032】
また、既設杭4の上方に設置したオールケーシング掘削機31で、既設杭の側周に沿って、既設杭4の切断しようとする切断位置Cより下方まで到達するように、ケーシングチューブ5を回転圧入する。そして、既設杭4とケーシングチューブ5との間の土砂をウォータージェットと泥水吸引ポンプによって除去してから、既設杭4の切断位置Cより下方において、既設杭4とケーシングチューブ5との間を閉塞するパッカ(閉塞手段)35を設置する。
【0033】
また、オールケーシング掘削機31でケーシングチューブ5の回転圧入を行うのと同時に、ケーシングチューブ5の先端位置において高圧のウォータージェットを噴出させると、ケーシングチューブ5の回転圧入を円滑に行える。
この場合には、ケーシングチューブ5の下端部に、既設杭4とケーシングチューブ5との間を閉塞することが可能なパッカを予め取り付けておくとともに、泥水を排出させるための孔を既設杭4に沿って設けておき、ウォータージェットの噴出に伴って発生する泥水を、この孔から排出させる。
【0034】
次いで、既設杭4とケーシングチューブ5との間の空隙に上記のワイヤソー用ワイヤ保持装置1を、既設杭4の切断位置Cまで降下させて設置する。この際、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1に鋼製枠(図示省略)を順次継ぎ足し、この鋼製枠を支持することで、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1を下降させる。これにより、既設杭4の切断位置Cに、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1を水平に設置することができる。
【0035】
そして、既設杭4に定着されたアンカー材41を、オールケーシング掘削機31のジャッキ、センターホールジャッキ、ウインチなどの揚重手段34で既設杭4に引上げ力を付与しつつ、ワイヤ駆動装置32を駆動させる。
ワイヤ駆動装置32が、図1に示すように、レール32a上を移動することによって、ワイヤソー用ワイヤ2が弛むことなく、張力がほぼ一定に保たれたまま、既設杭4の側周に張られたワイヤソー用ワイヤ2が徐々に絞られていき、既設杭4が切断される。
【0036】
そして、既設杭4の切断位置Cより上方を揚重手段34で適宜の長さだけ引き上げ、地上に突出した部分をワイヤソー用ワイヤで切断し撤去することを繰り返して、既設杭のうち、地下に別途構築されるトンネルと干渉する部分を、引き上げて除去する。
既設杭4を揚重手段34で保持した状態で、この既設杭4の地上に突出する部分を切断するには、既設杭4の切断位置より下方に水平に貫通孔(図示省略)を空けて、この貫通孔に鋼材(棒材)(図示省略)を挿入し、この鋼材の両端を地上の支持点(図示省略)で支持させる。これにより、揚重手段34で保持された既設杭4を切断しても、既設杭4の切断位置より下方が落下しない。
【0037】
本実施の形態に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置1によれば、保持部材12でワイヤソー用ワイヤ2の途上をフレーム11の内周に沿う状態に保持させつつ、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1のフレーム11を既設杭4の切断位置を囲むように配置し、ワイヤソー用ワイヤ保持装置11のシーブ13〜16によって転向されたワイヤソー用ワイヤ2を引き出してワイヤ駆動装置32に連結してワイヤソー用ワイヤ2を自身の線上に沿って回動させると、保持部材12がワイヤソー用ワイヤ2によって切断されて、フレーム11の内部にある既設杭4の切断位置Cに当接し、この状態でワイヤソー用ワイヤ2を走行させ続けることで、既設杭4を切断することができる。
また、ワイヤソー用ワイヤ2によって切断される保持部材12の厚みを変えることによって、既設杭4を切断開始する位置を制御することができる
【0038】
特に、被切断物が、地中に埋設された既設杭4であるので、既設杭4の側周に沿って地盤にケーシングチューブ5を挿入して既設杭4の側面とケーシングチューブ5との間の土砂を除去した後、既設杭4の切断位置Cの側周を取り囲むように、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1のフレーム11を配置し、ワイヤソー用ワイヤ保持装置11のシーブ13〜16によって転向されたワイヤソー用ワイヤ2を、既設杭4の側面とケーシングチューブ5の側面との間の空隙から引き出してワイヤ駆動装置32に連結し、ワイヤソー用ワイヤ2を走行させて、既設杭4を所望の切断位置Cで切断することができる。
また、既設杭4の全長のうち、撤去すべき部位の下端において既設杭4を切断し、この切断位置Cより上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭4の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0039】
また、シーブ13〜16に形成されたワイヤソー用ワイヤ2の走路面の半径rが50mm以下に設定されているので、既設杭4の側周に沿って地盤にケーシングチューブ5を挿入して既設杭4の側面とケーシングチューブ5との間に空隙を形成し、既設杭4の切断位置Cの側周を取り囲むようにワイヤソー用ワイヤ保持装置1のフレーム11を配置して、上記空隙を利用してワイヤソー用ワイヤ2を駆動装置32に連結して走行させる際に、この空隙の幅が比較的小さくても、既設杭4を切断することが可能となる。
【0040】
また、本実施の形態に記載のワイヤソー用ワイヤ2によれば、その全長が、ワイヤソー用ワイヤ保持装置11のシーブ13〜16の走路面の半径よりも小さい曲率半径で曲がる状態に形成されているので、シーブ13〜16からワイヤソー用ワイヤ2が外れるのを防止できる。
【0041】
また、本実施の形態に記載の既設杭の切断撤去システム3によれば、オールケーシング掘削機31で、既設杭4の側周に沿って、この既設杭4の切断位置Cより下方まで到達するようにケーシングチューブ5を挿入し、既設杭4の側面とケーシングチューブ5との間の土砂を除去した後、既設杭4の切断位置の側周を取り囲むように、ワイヤソー用ワイヤ2の途上を地上で保持したままワイヤソー用ワイヤ保持装置1を既設杭4の切断位置Cまで降ろし、ワイヤソー用ワイヤ保持装置1のシーブ13〜16によって転向され既設杭4の側面とケーシングチューブ5の側面との間の空隙から地上へ引き上げられたワイヤソー用ワイヤ2の途上を、シーブ33a〜33dを経由してワイヤ駆動装置32に導き、このワイヤ駆動装置32でワイヤソー用ワイヤ2を走行させて、保持部材12をワイヤソー用ワイヤ2によって切断して、フレーム11の内部にある既設杭4の切断位置Cに当接させ、この状態でワイヤソー用ワイヤ2を走行させ続けることで、既設杭4を切断することができる。
また、既設杭4の全長のうち、その撤去すべき部位の下端において既設杭4を切断し、この切断位置Cより上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0042】
また、既設杭4の切断位置Cより下方において、既設杭4とケーシングチューブ5との間を閉塞することが可能なパッカ35を備えるので、土砂や被圧した地下水が、ケーシングチューブ5の下端から内部に流入するのが防止される。したがって、既設杭4の切断位置において、既設杭4を切断するために用いるワイヤソー用ワイヤ保持装置4を設置する空間を確実に確保することができる。
【0043】
また、既設杭4の上部を保持し、引き上げることが可能な揚重手段34を備えるので、ワイヤソー用ワイヤ2により既設杭4を切断している途中に、ワイヤソー用ワイヤ2が既設杭4の重量で押しつぶされて切断が不可能になることがない。
そして、既設杭4の切断後、揚重手段35によって、既設杭4の切断位置Cより上の部分を吊り上げて撤去することができる。
【0044】
また、本実施の形態に記載の既設杭の切断撤去方法によれば、揚重手段34によって引き上げた既設杭4の地上に突出する部分に、水平に貫通孔を形成し、この貫通孔に鋼材を挿入し、この鋼材の両端を地上の支持点で支持させた状態で、既設杭を貫通孔の位置より上方で切断することにより、揚重手段35で保持された既設杭4を切断しても、既設杭4の切断位置より下方が落ちこむことがなく、既設杭4の切断位置より上方を撤去することができる。
【0045】
なお、本発明のワイヤソー用ワイヤ保持装置、ワイヤソー用ワイヤ、既設杭の切断撤去システム、および既設杭の切断撤去方法は、上記の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記の実施の形態では、既設杭4の切断位置Cより上方を揚重手段34で適宜の長さだけ引き上げ、地上に突出した部分をワイヤソー用ワイヤで切断し撤去することを繰り返しているが、既設杭の上方の空間が十分にある場合には、既設杭4の切断位置Cより上方を、クレーンなどの揚重手段34で一度に引き上げても良い。
その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、保持部材でワイヤソー用ワイヤの途上をフレームの内周に沿う状態に保持させつつ、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のフレームを被切断物の切断位置を囲むように配置し、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向されたワイヤソー用ワイヤを引き出してワイヤ駆動装置に連結してワイヤソー用ワイヤを自身の線上に沿って回動させると、保持部材がワイヤソー用ワイヤによって切断されて、フレームの内部にある被切断物の切断位置に当接し、この状態でワイヤソー用ワイヤを走行させ続けることで、被切断物を切断することができる。
また、ワイヤソー用ワイヤによって切断される保持部材の厚みを変えることによって、被切断物を切断開始する位置を制御することができる
【0047】
特に、被切断物が、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または、工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭などの既製コンクリート杭など、地中に埋設された既設杭である場合には、既設杭の側周に沿って地盤にケーシングチューブを挿入して既設杭の側面とケーシングチューブとの間の土砂を除去した後、既設杭の切断位置の側周を取り囲むように、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のフレームを配置し、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向されたワイヤソー用ワイヤを、既設杭の側面とケーシングチューブの側面との間の空隙から引き出してワイヤ駆動装置に連結し、ワイヤソー用ワイヤを走行させて、上記と同じ仕組みで、既設杭を所望の切断位置で切断することができる。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断位置より上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0048】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、シーブに形成されたワイヤソー用ワイヤの走路面の半径が50mm以下に設定されているので、被切断物の切断面の側方の空間が狭い場合にも、半径が50mm以下に設定されたシーブによって転向されたワイヤソー用ワイヤを引き出してワイヤ駆動装置に連結してワイヤソー用ワイヤを自身の線上に沿って回動させ、被切断物を切断することができる。
特に、被切断物が地中に埋設された既設杭である場合、既設杭の側周に沿って地盤にケーシングチューブを挿入して既設杭の側面とケーシングチューブとの間に空隙を形成し、既設杭の切断位置の側周を取り囲むようにワイヤソー用ワイヤ保持装置のフレームを配置して、上記空隙を利用してワイヤソー用ワイヤを駆動装置に連結して走行させる際に、この空隙の幅が比較的小さくても、既設杭を切断することが可能となる。
【0049】
請求項3に記載の発明によれば、ワイヤソー用ワイヤが、その全長にわたって、前記シーブの走路面の半径よりも小さい曲率半径で曲がる状態に形成されているので、請求項1または2に記載の発明におけるシーブからワイヤソー用ワイヤが外れるのを防止できる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、オールケーシング掘削機で、既設杭の側周に沿って、この既設杭の切断位置より下方まで到達するようにケーシングチューブを挿入し、既設杭の側面とケーシングチューブとの間の土砂を除去した後、既設杭の切断位置の側周を取り囲むように、ワイヤソー用ワイヤの途上を地上で保持したままワイヤソー用ワイヤ保持装置を既設杭の切断位置まで降ろし、ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向され、既設杭の側面とケーシングチューブの側面との間の空隙から地上へ引き上げられたワイヤソー用ワイヤの途上を、ワイヤ案内手段を経由してワイヤ駆動装置に導き、このワイヤ駆動装置でワイヤソー用ワイヤを走行させて、保持部材をワイヤソー用ワイヤによって切断して、フレームの内部にある既設杭の切断位置に当接させ、この状態でワイヤソー用ワイヤを走行させ続けることで、既設杭を切断することができる。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断位置より上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0051】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、既設杭の切断位置より下方において、既設杭とケーシングチューブとの間を閉塞することが可能な閉塞手段を備えるので、土砂や被圧した地下水が、ケーシングチューブの下端から内部に流入するのが防止される。したがって、既設杭の切断位置において、既設杭を切断するために用いるワイヤソー用ワイヤ保持装置を設置する空間を確実に確保することができる。
【0052】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、既設杭の上部を保持し、引き上げることが可能な揚重手段を備えるので、ワイヤソー用ワイヤにより既設杭を切断している途中に、ワイヤソー用ワイヤが既設杭の重量で押しつぶされて切断が不可能になることがない。そして、既設杭の切断後、揚重手段によって、既設杭の切断位置より上の部分を吊り上げて撤去することができる。
【0053】
請求項7に記載の発明によれば、揚重手段34によって引き上げた既設杭4の地上に突出する部分に、水平に貫通孔を形成し、この貫通孔に棒材を挿入し、この棒材の両端を地上の支持点で支持させた状態で、既設杭を貫通孔の位置より上方で切断することにより、揚重手段で保持された既設杭を切断しても、既設杭の切断位置より下方が落ちこむことがなく、既設杭の切断位置より上方を撤去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既設杭の切断撤去システムの一例を示す、断面図である。
【図2】図1の要部を示す、横断面図である。
【図3】図1の要部を示す、縦断面図である。
【図4】本発明に係るワイヤソー用ワイヤ保持装置の一例を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図5】図5におけるシーブの構造を示すもので、(a)は正面図、(b)、(c)は断面図である。
【図6】本発明に係るワイヤソー用ワイヤの一例を示す、側面図である。
【図7】本発明に係るワイヤソー用ワイヤの一例を示す、断面図である。
【図8】従来の既設杭の切断撤去方法を示す、断面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤソー用ワイヤ保持装置
2 ワイヤソー用ワイヤ
3 既設杭の切断撤去システム
4 既設杭(被切断物)
5 ケーシングチューブ
11 フレーム
12 保持部材
13〜16 シーブ
31 オールケーシング掘削機
32 ワイヤ駆動装置
33a〜33d ワイヤ案内手段(シーブ)
34 揚重手段(クレーン)
35 閉塞手段(パッカ)
C (既設杭の)切断位置
r (シーブの)走路面の半径
Claims (7)
- 内部に被切断物を挿通させることが可能な環状のフレームと、
前記フレームに取り付けられ、前記被切断物を切断するために用いられる環状のワイヤソー用ワイヤの途上を、前記フレームの内周に沿う状態に保持することが可能な保持部材と、
前記フレームに取り付けられ、前記ワイヤソー用ワイヤを前記フレームの内周に沿う方向からこのフレームと交差する方向に転向させるシーブと、
が備えられ、
前記保持部材は、前記ワイヤソー用ワイヤが走行するとこのワイヤソー用ワイヤによって切断されるように構成されていること
を特徴とするワイヤソー用ワイヤ保持装置。 - 請求項1に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置において、
前記シーブに形成された前記ワイヤソー用ワイヤの走路面の半径は、50mm以下に設定されていること
を特徴とするワイヤソー用ワイヤ保持装置。 - 請求項2に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置で保持可能なワイヤソー用ワイヤであって、
その全長にわたって、前記シーブの走路面の径よりも小さい曲率半径で曲がる状態に形成されていること
を特徴とするワイヤソー用ワイヤ。 - 請求項1または2に記載のワイヤソー用ワイヤ保持装置を備える既設杭の切断撤去システムであって、
既設杭を切断することが可能な環状のワイヤソー用ワイヤと、
前記既設杭の側周に沿って、この既設杭の切断位置より下方まで到達するようにケーシングチューブを挿入することが可能なオールケーシング掘削機と、
前記ワイヤソー用ワイヤを、その張力を保持しつつ自身の線上に沿って回動させるワイヤ駆動装置と、
前記ワイヤソー用ワイヤ保持装置のシーブによって転向された前記ワイヤソー用ワイヤを、前記既設杭の側面とケーシングチューブの内面との間の空隙を通じて前記ワイヤ駆動装置に案内する、ワイヤ案内手段と
を備えることを特徴とする既設杭の切断撤去システム。 - 請求項4に記載の既設杭の切断撤去システムであって、
前記既設杭の切断位置より下方において、前記既設杭とケーシングチューブとの間を閉塞することが可能な閉塞手段を備えること
を特徴とする既設杭の切断撤去システム。 - 請求項4または5に記載の既設杭の切断撤去システムであって、
前記既設杭の上部を保持し、引き上げることが可能な揚重手段を備えること
を特徴とする既設杭の切断撤去システム。 - 請求項6に記載の既設杭の切断撤去システムを用いる既設杭の切断撤去方法であって、
前記揚重手段によって引き上げた既設杭の地上に突出する部分に、水平に貫通孔を形成し、この貫通孔に棒材(鋼材)を挿入し、この棒材の両端を地上の支持点で支持させた状態で、前記既設杭を前記貫通孔の位置より上方で切断することを特徴とする既設杭の切断撤去方法。
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-
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