JP2004115680A - 有機ケイ素ボラジン系重合体、その製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁皮膜及びその形成方法 - Google Patents

有機ケイ素ボラジン系重合体、その製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁皮膜及びその形成方法 Download PDF

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Yuko Uchimaru
内丸 祐子
Hiroshi Matsutani
松谷 寛
Koichi Abe
阿部 浩一
Makoto Kaji
鍛治 誠
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Abstract

【課題】白金触媒等の触媒を用いることなく製造することができる、側鎖にアルキニル基を有しない有機ケイ素ボラジン系重合体を提供すること。
【解決手段】少なくとも2つの炭素−炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類と、をヒドロホウ素化反応により重付加させてなることを特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ケイ素ボラジン系重合体及びその製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁皮膜及び絶縁皮膜の形成方法、並びに電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、含ケイ素ボラジン系重合体として、シラザン・ボラジン骨格からなり、シラザンの窒素原子がボラジン環を構成するホウ素原子と直接結合した重合体が知られており(例えば、非特許文献1参照。)、かかる重合体は、脱酸素、脱水したガス中で焼結して窒化ホウ素・窒化ケイ素含有セラミックスを製造するための前駆体として利用されている。
【0003】
含ケイ素ボラジン系重合体としては、また、B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物とビス(ヒドロシラン)とを、白金触媒存在下でヒドロシリル化重合させることによって製造される、カルボシランボラジン系重合体も公知であり(例えば、特許文献1参照。)、耐熱性材料として期待されている。また、その低比誘電率により次世代の絶縁被膜として有望である。
【0004】
【特許文献1】
特許第3041424号公報
【非特許文献1】
Chemtech,1994(July),p29.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第3041424号に開示されたカルボシランボラジン系重合体は、高価な白金触媒を用いて重合しなければならず、重合後は白金触媒を重合体から除去する手間が必要である。そして、白金触媒の完全な除去は困難であるために、上記重合体からなる薄膜を電子部品の層間絶縁膜に用いた場合に、白金触媒が金属性不純物となってリーク電流が発生する等の不都合が生じる場合がある。加えて、特許第3041424号に開示されたカルボシランボラジン系重合体は、側鎖にアルキニル基を有しており、加熱時または紫外線の照射時にアルキニル基同士で環化反応を起こす可能性がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、白金触媒等の触媒を用いることなく製造することができる、側鎖にアルキニル基を有しない有機ケイ素ボラジン系重合体を提供することにある。また、かかる重合体の製造方法、かかる重合体を含むボラジン系樹脂組成物、かかる重合体からなる絶縁皮膜及びその形成方法、並びにかかる絶縁皮膜を備える電子部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は、少なくとも2つの炭素−炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類と、をヒドロホウ素化反応により重付加させてなることを特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体を提供する。ここで、有機ケイ素化合物の炭素−炭素不飽和結合の数は2〜10が好ましく、2〜4がより好ましい。また、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類には、2つのホウ素−水素結合(B−H)を有するヒドロボラジン類、及び3つのホウ素−水素結合(B−H)を有するヒドロボラジン類の態様が存在する。そして、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類は、N−置換体であってもN−未置換体であってもよい。
【0008】
上記重合体はヒドロホウ素化反応に基づいて得られるものであるために、重合後の回収が困難な白金触媒等の金属触媒が必要とされず、薄膜として電子部品の層間絶縁膜に用いた場合に、金属性不純物(触媒残留)に起因するリーク電流等の発生が大幅に低減される。また、B,B’,B”−トリアルキニルボラジンとビス(ヒドロシラン)とをヒドロシリル化重合させてなる特許第3041424号のカルボシランボラジン系重合体と異なって、ボラジン化合物に起因するアルキニル基が側鎖に生じず、加熱や紫外線の照射により環化反応を生じるおそれがない。
【0009】
上記有機ケイ素ボラジン系重合体の態様としては、以下の(1)〜(3)の有機ケイ素ボラジン系重合体が挙げられる。
(1)下記一般式(4a)で表される繰り返し単位及び下記一般式(5a)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位を有してなる有機ケイ素ボラジン系重合体。
【化18】
Figure 2004115680
【化19】
Figure 2004115680
(2)下記一般式(4b)で表される繰り返し単位及び下記一般式(5b)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位を有してなる有機ケイ素ボラジン系重合体。
【化20】
Figure 2004115680
【化21】
Figure 2004115680
(3)上記一般式(4a)で表される繰り返し単位及び上記一般式(5a)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、上記一般式(4b)で表される繰り返し単位及び上記一般式(5b)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、を有してなる有機ケイ素ボラジン系重合体。
【0010】
上記一般式中、R、R、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、R10は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示し、Zは、下記一般式(6)で表される2価の基を示す。
【化22】
Figure 2004115680
但し、一般式(6)において、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。
【0011】
上述した有機ケイ素ボラジン系重合体は、少なくとも2つの炭素−炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類と、をヒドロホウ素化反応により重付加させて製造することができる。かかる製造方法によれば、重合後の回収が困難な白金触媒等の高価な重合触媒が必要とされず、また、ヒドロホウ素化反応は穏和な反応条件で重合が進行するために、特許第3041424号に開示された方法によるカルボシランボラジン系重合体と比較して簡便且つ低コストで、有機ケイ素ボラジン系重合体が製造できる。また、金属性不純物の量が極めて低減される。
【0012】
上述の少なくとも2つの炭素−炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物は、同一若しくは異なる炭素−炭素不飽和結合を2つ有する有機ケイ素化合物が好ましい。かかる有機ケイ素化合物の態様としては、炭素−炭素二重結合を2つ有する有機ケイ素化合物、炭素−炭素三重結合を2つ有する有機ケイ素化合物、炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合をそれぞれ1つ有する有機ケイ素化合物が挙げられる。また、有機ケイ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物及び/又は下記一般式(3)で表される化合物であることがより好ましい。なお下記式中、R、R、R、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。
【化23】
Figure 2004115680
【化24】
Figure 2004115680
【0013】
本発明はまた、上記有機ケイ素ボラジン系重合体又は上記製造方法による有機ケイ素ボラジン系重合体と、該有機ケイ素ボラジン系重合体を溶解可能な溶剤と、を含むことを特徴とするボラジン系樹脂組成物を提供する。有機ケイ素ボラジン系重合体は低比誘電率を発現するものであるため、それを溶剤に溶解させた組成物を半導体基板等の基体上に塗布することにより、絶縁皮膜を簡便に作製できる。この場合において、塗布性及びリーク電流防止の観点から、組成物の固形分濃度は0.5質量%以上(上限は好ましくは80質量%)であり、金属不純物含有量は30ppm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明は更に、基体上に絶縁被膜を形成する方法であって、本発明によるボラジン系樹脂組成物を基体上に塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を乾燥せしめることを特徴とする絶縁被膜の形成方法を提供する。
【0015】
本発明は更にまた、基体上に設けられており、本発明による絶縁被膜の形成方法により形成されてなる絶縁皮膜を提供し、かかる皮膜は、特に、基体上に設けられた複数の導電性層のうち互いに隣設された導電性層の間に形成されたもの、すなわち、リーク電流を充分に低減する必要がある層間絶縁膜として有用である。
【0016】
そして、本発明は、本発明による絶縁被膜が形成されてなる電子部品を提供する。かかる電子部品は、半導体装置や液晶装置といった電子デバイスを構成するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる有機ケイ素ボラジン系重合体及びその製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁皮膜及び絶縁皮膜の形成方法、並びに電子部品について、好適な実施形態を説明する。
【0018】
(有機ケイ素ボラジン系重合体及びその製造方法)
有機ケイ素ボラジン系重合体の好適な実施形態としては、以下の(I)〜(V)が挙げられる。
(I)上記一般式(4a)の繰り返し単位のみからなる単独重合体
(II)上記一般式(4a)及び(5a)の繰り返し単位からなる共重合体
(III)上記一般式(4b)の繰り返し単位のみからなる単独重合体
(IV)上記一般式(4b)及び(5b)の繰り返し単位からなる共重合体
(V)上記一般式(4a)、(4b)、(5a)及び(5b)の繰り返し単位からなる共重合体。
【0019】
(I)及び(II)の有機ケイ素ボラジン系重合体は、上記一般式(1)の化合物(以下「化合物1」という。)と、上記一般式(3)の化合物(以下「化合物3」という。)とを触媒を用いることなくヒドロホウ素化反応により重付加させて得ることができ、主鎖の骨格は、以下の一般式(7)で表すことができる。なお、一般式(7)において、末端は化合物1又は3の残基であり、aは正の整数、bは0又は正の整数である。また、R、R、R10及びZは上記と同義である。
【化25】
Figure 2004115680
【0020】
ここで、
【化26】
Figure 2004115680
は、以下のいずれかを表し、
【化27】
Figure 2004115680
【化28】
Figure 2004115680
は、以下のいずれかを表す。
【化29】
Figure 2004115680
また、
【化30】
Figure 2004115680
における破線は、結合が化合物1の残基におけるホウ素原子に生じていることを示す。
【0021】
(III)及び(IV)の有機ケイ素ボラジン系重合体は、化合物1と、上記一般式(2)の化合物(以下「化合物2」という。)とを触媒を用いることなくヒドロホウ素化反応により重付加させて得ることができ、主鎖の骨格は、以下の一般式(8)で表すことができる。なお、一般式(8)において、末端は化合物1又は2の残基であり、pは正の整数、qは0又は正の整数である。また、R、R、R、R、R10及びZは上記と同義である。
【化31】
Figure 2004115680
ここで
【化32】
Figure 2004115680
は、以下のいずれかを表し、
【化33】
Figure 2004115680
【化34】
Figure 2004115680
における破線は、結合が化合物1の残基におけるホウ素原子に生じていることを示す。
【0022】
(V)の有機ケイ素ボラジン系重合体は、化合物1、化合物2及び化合物3を触媒を用いることなくヒドロホウ素化反応により重付加させて得ることができ、主鎖の骨格は、以下の一般式(9)で表すことができる。なお、一般式(9)において、末端は化合物1、2又は3の残基であり、x、y、z及びwは正の整数である。また、R、R、R、R、R10及びZは上記と同義である。
【化35】
Figure 2004115680
【0023】
上記一般式(7)、(8)及び(9)において、共重合体が形成されているときは、それらはブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。また、a+b、p+q、x+y+z+wの値は、有機ケイ素ボラジン系重合体の数平均分子量Mn(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンの検量線を使用して換算した値の数平均分子量)が500〜5000000となるような値であることが好ましい。Mnは、好ましくは500〜5000000であり、より好ましくは1000〜1000000である。Mnが過度に低く、例えば500未満の場合、耐熱性、及び後述する絶縁被膜の機械特性が劣る傾向にある。一方、Mnが過度に高く、例えば5000000を超えると、反応系がゲル化を生じる場合があり、絶縁被膜の加工性も悪化する傾向にある。
【0024】
上記一般式において、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基又は水素原子を示し、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜24、より好ましくは1〜12である。アリール基の炭素数は好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10である。また、アラルキル基の炭素数は好ましくは7〜24、より好ましくは7〜12である。より具体的には、基Rとして、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基、フルオレニル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられ、これらの中では、メチル基、フェニル基又は水素原子がより好ましい。
【0025】
上記一般式において、R10はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示す。ここで、アミノ基はアルキル基、アリール基、アラルキル基、シリル基等の置換基で置換されていてもよく、かかる置換基が2つある場合はそれらは連結してアミノ基の窒素原子を含むヘテロ環を形成していてもよい。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜24、より好ましくは1〜12であり、アルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3である。アリール基及びアリールオキシ基の炭素数は好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10である。また、アラルキル基の炭素数は好ましくは7〜24、より好ましくは7〜12である。なお、アミノ基の有機置換基であるアルキル基、アリール基及びアラルキル基の好適な炭素数は上記と同様である。より具体的には、基R10として、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基等のアリール基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基、ベンジル基、フェネチル基、フルオレニル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられ、これらの中では、メチル基、フェニル基又は水素原子がより好ましい。
【0026】
上記一般式において、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基又は水素原子を示し、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜24、より好ましくは1〜12である。また、アリール基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜10である。さらに、アラルキル基の炭素数は好ましくは7〜24、より好ましくは7〜12である。より具体的には、基Rとして、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられ、これらの中では、メチル基、エチル基、フェニル基又は水素原子がより好ましい。
【0027】
上記一般式において、R及びRはアルキル基、アリール基、アラルキル基又は水素原子の中から選ばれる同一又は異なる1価の基を示し、これらの中では、アルキル基、アリール基又は水素原子がより好ましい。この場合、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜24、より好ましくは1〜12である。また、アリール基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜10である。さらに、アラルキル基の炭素数は好ましくは7〜24、より好ましくは7〜12である。より具体的には、基R及びRとして、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられ、これらの中ではメチル基、フェニル基又は水素原子がより好ましい。
【0028】
上記一般式において、Rは置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基、又は酸素原子を示し、芳香族の2価の基の炭素数は好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12である。この芳香族の2価の基には、2価芳香族炭化水素基(アリーレン基等)の他、酸素等のヘテロ原子を連結基として含むアリーレン基等が含まれる。また、この芳香族の2価の基に結合していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。より具体的には、基Rとして、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、ジフェニルエーテル基等の置換アリーレン基、酸素原子等が挙げられ、これらの中ではフェニレン基、ジフェニルエーテル基又は酸素原子がより好ましい。
【0029】
上記一般式において、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。アルキレン基及びアルキレンオキシ基の炭素数は好ましくは1〜22、より好ましくは1〜18である。また、芳香族の2価の基及びアリーレンオキシ基の炭素数は好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12であり、芳香族の2価の基には、2価芳香族炭化水素基(アリーレン基等)の他、酸素等のヘテロ原子を連結基として含むアリーレン基等が含まれる。上記の基に結合していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。より具体的には、基R20として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、ジフェニルエーテル基等の置換アリーレン基、単結合等が挙げられ、これらの中ではメチレン基、フェニレン基又は単結合がより好ましい。
【0030】
なお、有機ケイ素ボラジン系重合体において、複数存在する上記R、R、R、R、R、R、R10及びZのそれぞれは同一でも異なっていてもよい。
【0031】
また、上記有機ケイ素ボラジン系重合体において、a/b、p/q、x/y及びz/wの値(比)は特に制限されず、これらの値がより大きい、つまり高分子主鎖中の鎖状構造の割合が比較的多い場合、溶媒に対する共重合体の溶解度が高められ且つ融点が低くなることにより、共重合体の加工性が向上すると予想される。一方、上記値がより小さい、つまり高分子主鎖中の架橋構造の割合が比較的多い場合、共重合体の耐熱性、耐燃焼性が向上すると予想される。したがって、用途等に応じて、或いは、共重合体の各モノマーユニットの構造及びその組み合わせに応じて、良好な加工性及び耐熱性、耐燃焼性を与える共重合体の最適な値を適宜設定することができる。
【0032】
化合物2及び/又は3と化合物1との重付加反応は、化合物1の1モルに対して化合物2及び/又は3を合計で0.1〜10モル用いて行うことが好ましく、0.2〜5モル用いて行うことがより好ましい。
【0033】
また、重付加反応は、芳香族炭化水素系、飽和炭化水素系、脂肪族エーテル系、芳香族エーテル系等の重合溶媒、より具体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジフェニルエーテル等の重合溶媒中で行うこともできる。
【0034】
そして、重合に際しては金属触媒等の反応触媒は必要とされない。したがって、得られる有機ケイ素ボラジン系重合体を、薄膜として電子部品の層間絶縁膜に用いた場合に、金属性不純物(触媒残留)に起因するリーク電流等の発生が抑制できる。
【0035】
重付加反応は、窒素パージのもと−78℃〜150℃で、0.5時間〜10日程度行うことが好ましく、定期的に反応溶液を採取して、ガスクロマトグラフィー(GC)で化合物1〜3のいずれかが観測されなくなった時点を反応の終点とすることができる。
【0036】
生成する有機ケイ素ボラジン系重合体は、ヒドロホウ素化反応に基づくものであるため、化合物2及び/又は3と化合物1との反応は、反応中間体における不飽和結合のカルボカチオンが安定になるように生じる傾向にある。したがって、上記有機ケイ素ボラジン系重合体において、ホウ素原子はRと結合している炭素と結合する傾向がある。また、上記一般式(7)、(8)及び(9)の化学構造からも明らかなように、本製造方法により得られた有機ケイ素ボラジン系重合体は側鎖にアルキニル基が存在せず、加熱や紫外線の照射により環化反応を生じるおそれがない。
【0037】
(ボラジン系樹脂組成物)
次に、本発明にかかるボラジン系樹脂組成物の好適な実施形態について説明する。
【0038】
ボラジン系樹脂組成物は、上述の有機ケイ素ボラジン系重合体の製造方法によって得られた有機ケイ素ボラジン系重合体と、後述する溶剤と、を均一に混合することによって製造することができる。有機ケイ素ボラジン系重合体の製造方法において重合溶媒を用いた場合は、一旦重合溶媒を除去した後に後述する溶剤と混合してもよく、重合溶媒を除去せずに得られた有機ケイ素ボラジン系重合体溶液をボラジン系樹脂組成物として用いてもよい。
【0039】
有機ケイ素ボラジン系重合体を溶解可能な溶剤としては、有機ケイ素ボラジン系重合体との反応を生じない溶剤が好ましい。かかる溶剤としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ヘキシルベンゼン、テトラリン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、キノリン等の含窒素溶剤、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0040】
これらの溶剤は単独で用いてもよく、或いは、複数組み合わせて使用してもよい。溶剤の使用量は、有機ケイ素ボラジン系重合体の固形分濃度が好ましくは0.5〜80質量%、より好ましくは1〜70質量%、更に好ましくは2〜60質量%となるようにすると好適である。この固形分濃度が0.5質量%未満であると、基体上に塗布する場合に、1回の塗布で得られる塗膜の厚さが薄くなり、当該膜の強度や耐熱性、及び乾燥させて絶縁被膜としたときの絶縁特性の信頼性が低下する傾向にある。一方、その固形分濃度が80質量%を超えると、ボラジン系樹脂組成物の粘性が過度に高められ、均一な薄膜を形成させることが困難な傾向にある。
【0041】
このように構成されたボラジン系樹脂組成物は、触媒に由来する金属不純物を含有していない。したがって、組成物中の金属不純物含有量を容易に30ppm以下にすることができ、10ppm以下或いは5ppm以下にすることも可能である。
【0042】
(絶縁皮膜の形成方法、絶縁皮膜及び電子部品)
次に、本発明にかかる絶縁皮膜の形成方法、絶縁皮膜及び電子部品について、これらの好適な実施形態について説明する。
【0043】
前述のボラジン系樹脂組成物を用いて、例えば、以下に述べる方法により、本発明による絶縁被膜を形成することができる。すなわち、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシリコンウェハ、金属基板、セラミック基板等の基体上にボラジン系樹脂組成物を塗布して、先ず、塗膜を形成する。次いで、60〜500℃、10秒〜2時間程度、空気中又は窒素等の不活性ガス中でその塗膜を加熱乾燥して溶剤を除去する。これにより、ベタツキのない薄膜から成る絶縁被膜を得ることができる。この絶縁被膜の膜厚は特に制限されないものの、耐熱性等の観点から、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.2〜5μmである。
【0044】
また、このように形成される絶縁被膜を用いた本発明による電子部品としては、半導体素子、液晶素子、多層配線板等の絶縁被膜を有するもの等が挙げられる。本発明の絶縁被膜は、半導体素子においては、表面保護膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜といった絶縁膜等として、液晶素子においては表面保護膜、絶縁膜等として、多層配線基板においては、層間絶縁膜として好ましく用いることができる。
【0045】
具体的には、半導体素子としては、ダイオード、トランジスタ、キャパシタ、化合物半導体素子、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体素子、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリ)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶(メモリ)素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論(回路)素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子、発光素子、半導体レーザ素子等が挙げられる。また、多層配線基板としては、MCM等の高密度配線基板等が挙げられる。
【0046】
図1は、本発明による電子部品の好適な一実施形態を示す模式断面図である。メモリキャパシタセル8(電子部品)は、拡散領域1A,1Bが形成されたシリコンウェハ1(基体)上に酸化膜から成るゲート絶縁膜2Bを介して設けられたゲート電極3(ワード線として機能する。)と、その上方に設けられた対向電極8Cとの間に二層構造の層間絶縁膜5,7(絶縁被膜)が形成されたものである。ゲート電極3の側壁には、側壁酸化膜4A、4Bが形成されており、また、ゲート電極の側方における拡散領域1Bにはフィールド酸化膜2Aが形成され、素子分離がなされている。
【0047】
層間絶縁膜5は、これらのゲート電極3及びフィールド酸化膜2A上に被着されており、本発明のボラジン系樹脂組成物をスピンコートして形成されたものである。層間絶縁膜5におけるゲート電極3近傍にはビット線として機能する電極6が埋め込まれたコンタクトホール5Aが形成されている。さらに、平坦化された層間絶縁膜5上には平坦化された層間絶縁膜7が被着されており、両者を貫通するように形成されたコンタクトホール7Aには蓄積電極8Aが埋め込まれている。層間絶縁膜7は、層間絶縁膜5と同様に本発明のボラジン系樹脂組成物をスピンコートして形成されたものである。そして、蓄積電極8A上に高誘電体から成るキャパシタ絶縁膜8Bを介して対向電極8Cが設けられている。なお、層間絶縁膜5、7は同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。
【0048】
このように構成された本発明の絶縁被膜が形成されたメモリキャパシタセル8等の電子部品によれば、絶縁被膜の比誘電率が従来に比して十分に低減されるので、信号伝搬における配線遅延時間を十分に短縮できると共に、リーク電流の発生を有効に防止できる。その結果、素子の高性能化を達成できると同時に高信頼性をも実現できる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0050】
〈実施例1〉
(有機ケイ素ボラジン系重合体の合成)
N,N’,N”−トリメチルボラジン62mg(0.50mmol)、m−ビス(エチニルジメチルシリル)ベンゼン120mg(0.50mmol)をトルエン5mlに溶解し、窒素下80℃で3日間撹拌した。反応液の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を行ったところ、モノマーであるN,N’,N”−トリメチルボラジンとm−ビス(エチニルジメチルシリル)ベンゼンのピークがほぼ消失していることを確認した。また、GPC分析から生成物の分子量(標準ポリスチレン基準)は、Mn=4000(Mw/Mn=2.5)であった。この反応混合物を減圧下、加熱濃縮し粉末状の有機ケイ素ボラジン系重合体を得た。得られた有機ケイ素ボラジン系重合体のH−NMRの結果を以下に示す。
H−NMR(C):δ0.3−0.5(br.s,12H),2.8−3.4(m,9H),3.7−5.7(m,1H),5.9−7.0(m,4H),7.2−7.4(m,1H),7.5−7.7(m,2H),7.9−8.1(m,1H)。
【0051】
〈実施例2〉
(ボラジン系樹脂組成物の製造)
実施例1で得た、粉末状の有機ケイ素ボラジン系重合体0.2gをメシチレン5mlに溶解し、ボラジン系樹脂組成物とした。
【0052】
〈実施例3〉
(絶縁被膜の製造)
実施例2で得たボラジン系樹脂組成物をフィルター濾過し、濾液を低抵抗率シリコンウェハ(基体;抵抗率<10Ωcm)上に滴下してスピンコートした。次いで、このウェハを窒素雰囲気中ホットプレートで200℃1時間加熱した後、300℃で30分、400℃で30分間ベークして、絶縁被膜を得た。
【0053】
〈比誘電率測定〉
実施例3で得た絶縁被膜の比誘電率を測定した。ここで、本発明における絶縁被膜の「比誘電率」とは、23℃±2℃、湿度40±10%の雰囲気下で測定された値をいい、Al金属とN型低抵抗率基板(Siウエハ)間の電荷容量の測定から求められる。
【0054】
具体的には、絶縁被膜を形成した後、絶縁被膜上に、真空蒸着装置でAl金属を直径2mmの円で、厚さ約0.1μmになるように真空蒸着する。これにより、絶縁被膜がAl金属と低抵抗率基板との間に配置された構造が形成される。次に、この構造体の電荷容量を、LFインピーダンスアナライザー(横河電機社製:HP4192A)に誘電体テスト・フィクスチャー(横河電機製:HP16451B)を接続した装置を用い、使用周波数1MHzにて測定した。
【0055】
そして、電荷容量の測定値を下記式;
絶縁被膜の比誘電率=3.597×10−2×電荷容量(pF)×絶縁被膜の膜厚(μm)、
に代入し、絶縁被膜の比誘電率を算出した。なお、絶縁被膜の膜厚としては、ガートナー製のエリプソメーターL116Bで測定した値を用いた。
以上の方法による実施例3の絶縁被膜の比誘電率は、2.2であった。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、白金触媒等の触媒を用いることなく製造することができる、側鎖にアルキニル基を有しない有機ケイ素ボラジン系重合体が提供される。また、かかる重合体の製造方法、かかる重合体を含むボラジン系樹脂組成物、かかる重合体からなる絶縁皮膜及びその形成方法、並びにかかる絶縁皮膜を備える電子部品が提供される。
【0057】
本発明の有機ケイ素ボラジン系重合体は、ヒドロホウ素化反応に基づいて得られるものであるために、重合後の回収が困難な白金触媒等の金属触媒が必要とされず、薄膜として電子部品の層間絶縁膜に用いた場合に、金属性不純物(触媒残留)に起因するリーク電流等の発生が大幅に低減される。また、ボラジン化合物に起因するアルキニル基が側鎖に生じず、加熱や紫外線の照射により環化反応を生じるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部品の好適な一実施形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…シリコンウェハ(基体)、1A,1B…拡散領域、2A…フィールド酸化膜、2B…ゲート絶縁膜、3…ゲート電極、4A,4B…側壁酸化膜、5,7…層間絶縁膜(絶縁被膜)、5A,7A…コンタクトホール、6…ビット線、8…メモリセルキャパシタ(電子部品)、8A…蓄積電極、8B…キャパシタ絶縁膜、8C…対向電極。

Claims (18)

  1. 少なくとも2つの炭素−炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類と、をヒドロホウ素化反応により重付加させてなることを特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体。
  2. 前記有機ケイ素化合物は、同一若しくは異なる炭素−炭素不飽和結合を2つ有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機ケイ素ボラジン系重合体。
  3. 前記ヒドロボラジン類は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機ケイ素ボラジン系重合体。
    Figure 2004115680
    [式中、Rは、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は水素原子を示し、R10は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示す。但し、R10の少なくとも2つは水素原子でなければならない。]
  4. 前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物及び/又は下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機ケイ素ボラジン系重合体。
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    [式中、R、R、R、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。]
  5. 下記一般式(4a)で表される繰り返し単位及び下記一般式(5a)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位を有してなること特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体。
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    [式中、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、R10は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示し、Zは、下記一般式(6)で表される2価の基を示す。
    Figure 2004115680
    但し、一般式(6)において、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。]
  6. 下記一般式(4b)で表される繰り返し単位及び下記一般式(5b)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位を有してなることを特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体。
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    [式中、R、R、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、R10は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示し、Zは、下記一般式(6)で表される2価の基を示す。
    Figure 2004115680
    但し、一般式(6)において、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。]
  7. 下記一般式(4a)で表される繰り返し単位及び下記一般式(5a)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、
    下記一般式(4b)で表される繰り返し単位及び下記一般式(5b)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、
    を有してなること特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体。
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    [式中、R、R、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、R10は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示し、Zは、下記一般式(6)で表される2価の基を示す。
    Figure 2004115680
    但し、一般式(6)において、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。]
  8. 少なくとも2つの炭素−炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、少なくとも2つのホウ素−水素結合を有するヒドロボラジン類と、をヒドロホウ素化反応により重付加させることを特徴とする有機ケイ素ボラジン系重合体の製造方法。
  9. 前記有機ケイ素化合物は、同一若しくは異なる炭素−炭素不飽和結合を2つ有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項8記載の有機ケイ素ボラジン系重合体の製造方法。
  10. 前記ヒドロボラジン類は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項8又は9記載の有機ケイ素ボラジン系重合体の製造方法。
    Figure 2004115680
    [式中、Rは、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は水素原子を示し、R10は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は水素原子を示す。但し、R10の少なくとも2つは水素原子でなければならない。]
  11. 前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物及び/又は下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の有機ケイ素ボラジン系重合体の製造方法。
    Figure 2004115680
    Figure 2004115680
    [式中、R、R、R、R及びRは、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び水素原子からなる群より選ばれる同一若しくは異なる1価の基を示し、Rは、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基又は酸素原子を示し、R20は、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換の芳香族の2価の基、置換若しくは未置換のアルキレンオキシ基、置換若しくは未置換のアリーレンオキシ基、酸素原子又は単結合を示す。]
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機ケイ素ボラジン系重合体と、該有機ケイ素ボラジン系重合体を溶解可能な溶剤と、を含むことを特徴とするボラジン系樹脂組成物。
  13. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の製造方法により得られた有機ケイ素ボラジン系重合体と、該有機ケイ素ボラジン系重合体を溶解可能な溶剤と、を含むことを特徴とするボラジン系樹脂組成物。
  14. 固形分濃度が0.5質量%以上であり、金属不純物含有量が30ppm以下である請求項12又は13記載のボラジン系樹脂組成物。
  15. 基体上に絶縁被膜を形成する方法であって、
    請求項12〜14のいずれか一項に記載のボラジン系樹脂組成物を基体上に塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を乾燥せしめることを特徴とする絶縁被膜の形成方法。
  16. 基体上に設けられており、請求項15記載の絶縁被膜の形成方法により形成されてなることを特徴とする絶縁被膜。
  17. 前記絶縁被膜は、前記基体上に設けられた複数の導電性層のうち互いに隣設された導電性層の間に形成されたものであることを特徴とする請求項16記載の絶縁被膜。
  18. 請求項16又は17記載の絶縁被膜が形成されてなることを特徴とする電子部品。
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