JP2004115346A - Piezoelectric ceramic composition and inkjet recording head using the same - Google Patents

Piezoelectric ceramic composition and inkjet recording head using the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To make the dispersion in the speed of ink droplets discharged from each ink discharge hole 7 in inkjet recording head 10 using a piezoelectric actuator 1 by preventing generation of inclination or breakage of a partition 2 when the partition 2 of the piezoelectric actuator 1 is formed by grinding processing, such as processing using a dicing saw. <P>SOLUTION: The piezoelectric ceramic composition is a ternary composition of PbZrO<SB>3</SB>-PbTiO<SB>3</SB>-Pb(Me1, Me2)O<SB>3</SB>. In the formulation, a portion of Pb is substituted with Sr and/or Ba, Me1 in the component Pb(Me1, Me2)O<SB>3</SB>is at least one kind of Mg, Ni, and Zn, Me2 is at least one kind of Nb and Sb, and the molar ratios of Zr and Ti satisfy following relation: 0.5<Zr/(Zr +Ti)<0.57. The piezoelectric ceramic composition is characterized in that the Poisson's ratio σ is ≥0.32 and the crystal structure comprises a mixed crystal of tetragonal and rhombohedral systems. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電効果によって変位を発生する性質を持った圧電磁器組成物及びこれを用いた文字や画像の印刷に用いるインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録へッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電効果によって発生する変位を機械的駆動源として利用したものに、超音波応用振動子、超音波モータ、圧電アクチュエータ等があり、メカトロニクス分野の進展とともに、注目されている。
【0003】
例えば、圧電アクチュエータは、精密位置決め、リレー、ファン等、様々な分野で実用化されつつあり、また、近年では、低ランニングコストでカラー画像や文字情報等を印刷する装置として、インクジェット方式の記録装置が使用されており、そのインクジェット記録ヘッドにも圧電アクチュエータが用いられている。
【0004】
インクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録へッド(以下、へッドと称す)としては、インクが充填される流路内に微細なヒータを設け、このヒータによりインクを加熱、沸騰させ、流路内に生ずる気泡によって流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴を吐出させるサーマルジェット方式と、インクが充填される流路を形成する隔壁を圧電素子によって屈曲変位させ、機械的に流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴を吐出させる圧電方式が一般的であるが、これらのうち圧電方式は、耐久性及び応答性に優れるとともに、直接インクを加熱しないため、インクの種類が限定されないといった利点がある。
【0005】
このような圧電方式のへッドとしては、図3に示すように、平行に列設した複数の隔壁22を有し、これら隔壁22間をインクの流路23としてなる、少なくとも一部がチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O)等を主成分とする圧電磁器組成物製の圧電アクチュエータ21と、各隔壁22の頂部に接合され、各流路23にインクを供給するためのインク供給孔25を備えた蓋板26と、上記圧電アクチュエータ21の―方端側に接合され、各流路3と連通するインク吐出孔27を備えたノズル板28とからなり、上記隔壁22の両側面には、その長手方向に沿って駆動用電極24をそれぞれ形成したものがあった。なお、上記圧電アクチュエータ21の他方端側は閉じられた構造になっており、圧電アクチュエータ21を構成する少なくとも一部の圧電磁器組成物は図中矢印の方向に分極処理されている。また、29は駆動用電極24と不図示の外部回路とを接続し、外部回路からの信号を駆動電極24へ通電するための引出線である。
【0006】
そして、このへッド30を用いて記録媒体に印刷するには、隔壁22の両側面に形成された駆動用電極24間に通電すると、隔壁22が圧電磁器組成物の剪断モード変形を利用して略く字状に屈曲変位するため、各流路23内のインクを加圧し、インク吐出孔27よりインク滴を吐出するようになっていた。
【0007】
また、このへッド30を製造するには、予め厚み方向に分極処理したチタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電セラミック体に、例えばダイシングソーと呼ばれるダイヤモンド砥粒を固着した回転刃によって複数の溝を等間隔に刻設し、各溝をインクの流路23とするとともに、流路23を仕切る壁を隔壁22とした圧電アクチュエータ21を製作し、次いで隔壁22の両側面に蒸着法やスパッタリング法などの膜形成手段により駆動用電極24を被着したあと、隔壁22の頂部にインク供給孔27を有する蓋板26を接着剤にて接合するとともに、圧電アクチュエータ21の開放端部に、予め穿孔されたインク吐出孔27を有するノズル板28を接着剤にて接合することによって製造されていた。
【0008】
そこで、インク滴の吐出速度を高めるには、ヘッド30の駆動部をなす隔壁22を、圧電歪定数dの高い圧電磁器組成物により形成する必要があり、これらの要求に応える圧電磁器組成物として、従来、PbZrO―PbTiOの2成分系組成物に対し、Pb(Mg1/3 Nb2/3)O、Pb(Zn1/3 Nb2/3)O、Pb(Ni1/3 Nb2/3)O、Pb(Zn1/3 Sb2/3)O等が第3成分として添加し置換したものが知られている(特許文献1〜3参照)。
【0009】
また、上記圧電磁器組成物は圧電特性等をさらに高めるため、さらにその他の化合物や単体を添加したり、元素を置換したりしているが(特許文献4)、例えば、圧電磁器組成物に溝を形成する微細加工の加工性を改善する技術内容は特に考えられていなかった。
【特許文献1】特開昭48−97094号公報
【特許文献2】特開昭49−21696号公報
【特許文献3】特開昭53−62199号公報
【特許文献4】特開2001−278661号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、インクジェット記録ヘッド30の高精度化、高密度化に伴って、ヘッド30を構成する圧電アクチュエータ21の隔壁22の幅や隔壁22のピッチが極めて小さくなっているのであるが、隔壁22と流路23を形成するために、ダイシングソーにて研削加工を施す場合、ダイヤモンドホイールを用いて流路23の研削加工時する際、送り速度が大きいと、ダイヤモンドホイール中のダイヤモンド砥粒の目つぶれ、または目づまりを引き起こし、ダイヤモンドホイールが研削面に作用する応力が増加し、隔壁22が流路23の底面に垂直な線に対して傾いてしまい、ひどい場合には隔壁22が破損する問題があった。
【0010】
したがって、高精度化、高密度化が要求されるヘッド30において、ダイヤモンドホイールの送り速度は小さくしなければならず、1ヘッドあたりの加工時間が極めて長くなり、加工コストが高くなるという課題があった。
【0011】
本発明は、ダイシングソー等にて研削加工した際、加工性の高く、高圧電歪定数dを併せ持った圧電磁器組成物、および隔壁22の傾きや破損が無く、安定した変位量が得られるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、PbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物から成り、Pbの一部をSr及び/又はBaで置換するとともに、上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がMg、Ni、及びZnのうちの少なくとも一種、Me2がNb及びSbのうちの少なくとも一種で、かつZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲として成る圧電磁器組成物であって、ポアソン比σが0.32以上であり、かつ、結晶構造が正方晶と菱面体晶の混晶から成ることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、上記Pb(Me1、Me2)Oが全量中1〜30モル%含有することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がZnとしたことを特徴とする。
そして、本発明は、平均結晶粒子径を1〜7μmとすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、少なくとも一部が圧電磁器組成物からなる複数の隔壁を並設して、各隔壁間をインクの流路とした流路部材と、上記隔壁の頂部に接合され、各流路を塞ぐ蓋板とからなり、上記隔壁の側面には駆動用電極を備え、該駆動用電極に通電して上記隔壁を変位させることで上記流路内のインクを加圧し、上記流路と連通するインク吐出孔よりインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、上記圧電磁器組成物を用いることを特徴とする。
【0016】
【作用】
本発明の圧電磁器組成物は、Me1およびMe2が限定された、PbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物において、ZrおよびTiのモル量比が所定範囲に設定するとともに所定値以上のポアソン比で、かつ、結晶構造が混晶としているので、研削のためのダイヤモンドホイールが圧電磁器組成物を削る際、ダイヤモンドホイールが圧電磁器組成物にかける応力に追随した方向に変形しやすくなっているため、圧電磁器組成物と研削刃との間に作用する応力が低減される。
【0017】
また、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を1〜7μmとすることで、圧電磁器組成物から多結晶粒子が脱粒しやすくなり、研削の際に粒子が脱粒しながら研削するので、研削刃と圧電磁器組成物との間の応力が緩和され、まっすぐに研削することができ、研削後に形成される隔壁の傾き、破損が防止できる。また、このような圧電磁器組成物を用いたインクジェット記録ヘッドを用いることで、隔壁が傾かず、破損もないことから、安定したインク吐出が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
本発明の圧電磁器組成物は、PbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物から成り、Pbの一部をSr及び/又はBaで置換するとともに、上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がMg、Ni、及びZnのうちの少なくとも一種、Me2がNb及びSbのうちの少なくとも一種で、かつZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲として成る圧電磁器組成物であり、圧電歪定数dが高く、例えば圧電アクチュエータとして駆動部に使用した場合、付加された電圧に対し駆動変位が大きく有効である。
【0020】
さらに、組成物中のZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲とし、圧電磁器組成物のポアソン比σが0.32以上とすることで、高い圧電歪定数dを確保するとともに、例えばダイシングソーで用いられるダイヤモンドホイールによって、ピッチが極めて小さい複数の溝を等間隔に並設して、これらの溝を形成する隔壁を有する圧電アクチュエータを形成した場合、その隔壁の破損が無く、かつ隔壁の傾きの小さいものが短時間で製作することが可能であり、加工性が向上できるものである。
【0021】
即ち、ダイヤモンドホイール等による研削加工時に隔壁の破損が無く、隔壁の傾きが極めて少ない圧電アクチュエータを短時間で製作するためには、圧電磁器組成物とダイヤモンドホイールの研削面との間に作用する応力を小さくすることが必要である。
【0022】
本発明者らは鋭意検討の結果、上述した組成物中のZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲とし、圧電磁器組成物のポアソン比σが0.32以上とし、結晶構造を正方晶とひ菱面体晶の昆晶とすることで、ダイヤモンドホイールの研削面から作用する応力に対し、圧電磁器組成物の多結晶粒子体は応力がかかる方向に変形しやすいので、結果的に圧電磁器組成物とダイヤモンドホイールの研削面との間に作用する応力が低減されることを知見した。なお、ポアソン比σは例えば超音波パルス法にて測定される。
【0023】
ここで、Zr/(Zr+Ti)が0.50以下或いは0.57以上の場合、圧電磁器組成物を形成する結晶系がそれぞれ正方晶、菱面体晶単独となり、正方晶と菱面体晶の混晶領域近傍に比べ、ポアソン比が小さくなり、研削加工時の隔壁の破損、傾きが発生しやすくなる。
【0024】
しかし、上述により、圧電磁器組成物としては圧電特性である圧電歪定数dが低くなると意味がなくなるため、正方晶と菱面体晶の混晶である必要があり、この混晶はMPB(モルフォトロピック相境界)領域が0.48<Zr/(Zr+Ti)<0.54の範囲にあることにより形成でき、これにより圧電磁器組成物の圧電歪定数dを損なうことなく、上記の良好な加工性を同時に達成することが可能となる。
【0025】
即ち、PbZrO―PbTiOを基本成分とする圧電磁器組成物は上述のようにMPB領域と呼ばれる圧電歪定数dが極大となるZrとTiの比率があり、特に高変位が要求される圧電アクチュエータに使用する場合では、一般的にこのMPB領域付近で使用する。そこで、MPB領域が、ZrおよびTiのモル量比が0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲から大きくずれた場合、混晶とはならず、また、高圧電歪定数dが達成されず、圧電アクチュエータの用途に不適である。そのため、MPB領域が0.48<Zr/(Zr+Ti)<0.54の範囲にあることが望ましい。
【0026】
このMPBの領域を見つけるためには、例えばX線回折により得られた格子定数から正方晶及び菱面体晶の混合範囲を測定することでわかる。
【0027】
本発明の圧電磁器組成物は、上記Pb(Me1、Me2)Oが圧電磁器組成物全量中1〜30モル%含有することが好ましい。
上記Pb(Me1、Me2)Oが全量中1〜30モル%の含有量が多くなると、圧電歪定数dがそれに伴い高くなるが、所定量以上では逆に基本成分の2成分系組成物であるPbZrO―PbTiOの圧電性が損なわれる傾向がある。そこで、高圧電歪定数dを維持するために、上記Pb(Me1、Me2)Oが圧電磁器組成物全量中1〜30モル%の範囲内で含有することが好ましい。
【0028】
さらに、本発明の圧電磁器組成物は上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がZnである圧電磁器組成物より形成することで、圧電歪定数dが高く、かつキュリー温度Tcが高く、高圧電特性を持ち、耐熱性の高く、上述のように加工精度も良くなる、安定した圧電磁器組成物が形成できる。
【0029】
また、本発明の圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を1〜7μmとすることが好ましい。
【0030】
即ち、上述したように組成物中のZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲とし、圧電磁器組成物のポアソン比σが0.32以上で、かつ、結晶構造が正方晶と菱面体晶との混晶とすることで、ダイヤモンドホイールの研削面から作用する応力に対し、圧電磁器組成物に応力がかかる方向に変形するので、結果的に圧電磁器組成物とダイヤモンドホイールの研削面との間に作用する応力が低減されるのであるが、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を1〜7μmとすることで、更に、多結晶の粒子の脱粒が促進され、圧電磁器組成物とダイヤモンドホイール間に作用する応力を小さくすることができ、研削加工時の隔壁の傾きを極めて抑えることができる。
【0031】
そこで、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径が1μm未満では、研削加工時において、結晶粒子が脱粒しにくいので、ダイヤモンドホイールとの接触面積が大きく、研削時に作用する応力を低減することができないからであり、逆に平均結晶粒子径が7μmを越えると、結晶粒子の脱粒が起こりやすく、かつチッピング(欠け)が発生した時のチッピングサイズが大きすぎるという不具合がある。なお、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を制御するには、圧電磁器組成物を製造する際、出発原料の粒度を合わせたり、焼成の時に焼成温度ならびに時間を変動させることで行なうことが出来る。
【0032】
次に、本発明の圧電磁器の製法について説明する。例えば出発原料として、Pb、ZrO、TiO、SrCO、BaCO、ZnO、Sbの各粉末を秤量し、ボールミル等にて湿式混合を行う。次いでこの混合物を脱水、乾燥したあと、850〜900℃の温度で1〜3時間仮焼し、ボールミル等にて粉砕する。
【0033】
その後、この粉砕物に有機バインダー(PVA、モビニール等)を添加して混練乾燥することにより造粒粉とし、得られた造粒粉を成形して成形体を作製する。この時、焼結された圧電磁器組成物が緻密化され、表面に存在するボイドの径が大きくならないようにするために、成形圧は1×10N/m以上とすることが望ましい。
【0034】
このようにして得られた成形体を、鉛雰囲気下で1100〜1300℃の温度で1〜3時間焼成することにより得られる。
【0035】
図1は本発明のインクジェット記録へッドの一例を示す一部を破断した斜視図、図2(a)(b)は本発明のインクジェット記録へッドの駆動原理を説明するための部分断面図である。
【0036】
このインクジェット記録へッド10は、複数の隔壁2を等間隔で並設してなり、各隔壁2間をインクの流路3とした圧電磁器組成物からなる圧電アクチュエータ1と、上記隔壁2の頂部に接合され、各流路3にインクを導くためのインク供給孔5を備えた蓋板6と、上記圧電アクチュエータ1の一方端側に接合され、各流路3と連通するインク吐出孔7を備えたノズル板8とからなり、上記隔壁2の両側面の上半分にはその長手方向に沿って駆動用電極4を形成してある。なお、各隔壁2は、両側面の駆動用電極4間にそれぞれ通電した時、剪断モード変形によって略く字状に屈曲変位させるため、図中矢印の方向に分極処理してある。
【0037】
また、上記圧電アクチュエータ1の他方端側は閉じた構造となっており、隔壁2に形成された駆動用電極4は流路3を越えて圧電アクチュエータ1の後方に延設された配線9を介して駆動用回路(不図示)と電気的に接続されるようになっている。
【0038】
このヘッド10を製造するには、まず、圧電アクチュエータ1を製作するために圧電セラミック体を用意する。
【0039】
そして、この圧電セラミック体の厚み方向に分極処理を施したあと、ダイシングソーに使われるダイヤモンドホイールによって、一端が閉じられた複数の溝を等間隔に並設し、これらの溝をインクの流路3とするとともに、各流路3を仕切る壁を隔壁2とした圧電アクチュエータ1を製作する。
【0040】
次に、各隔壁2の両側面及び流路3の終端から圧電アクチュエータ1の後端に、蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等の膜形成手段によって、白金、金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、アルミニウム等の金属膜あるいは白金−金、パラジウム−銀、白金−パラジウム等を主体とする合金膜を被着し、各隔壁2の両側面には上記金属膜又は合金膜からなる駆動用電極4を、流路3の終端から圧電アクチュエータ1の後端には上記金属膜又は合金膜からなる引出線9をそれぞれ形成する。
【0041】
しかる後、各隔壁2の頂部にセラミックス、ガラス、シリコン等の絶縁材料からなり、各流路3へインクを導入するためのインク供給孔5を備えた蓋板6を接着剤やガラスにて接合するとともに、圧電アクチュエータ1の開放端部を塞ぐべく、予め所定のピッチで穿孔したインク吐出孔7を有するノズル板8を接着剤やガラスにて接合することにより、図1に示すへッド10を得ることができる。
【0042】
次に、図1に示す本発明のインクジェット記録ヘッド10の駆動原理について説明する。
まず、このヘッド10を用いて記録媒体(不図示)へ印刷するには、まず、顔料タイプの油性インクや水性染料インクあるいは紫外線硬化インク等のインクを不図示のインクタンクからインク供給孔5を介して各流路3へ導入するとともに、図2(a)に示すように、流路3b内に形成した駆動用電極4bに負の電圧を、流路3a,3c内にそれぞれ形成された駆動用電極4a,4cに各々正の電圧を印加すると、流路3bを仕切る隔壁2a,2bの圧電磁器組成物が剪断モード変形を起こし、隔壁2a,2bが流路3b側に略「く」字状に屈曲変位するため、流路3b内のインクを加圧し、インク吐出孔7よりインク滴を吐出させることができ、また、図2(b)に示すように、駆動用電極4bと駆動用電極4a,4cに印加する電圧の極性を反転させると、隔壁2a,2bは各流路3a,3c側にそれぞれ屈曲変位するため、流路3b内が減圧され、インク供給孔15よりインクを供給することができ、これらの動作を繰り返すことでインク滴を適宜吐出することができるようになっている。
【0043】
そして、本発明によれば、ヘッド10の中で駆動用電極3を備えた隔壁1を含む圧電アクチュエータ1が、上記圧電磁器組成物により形成されている。
【0044】
以上のような圧電アクチュエータを具備するヘッド10では、ダイヤモンドホイール等による研削加工時に隔壁2の破損が無く、隔壁2の傾きが極めて少ない圧電アクチュエータ1を短時間で製作することが可能であり、また、ヘッド10を駆動した際、各インク吐出孔7から安定した、高いインク滴の吐出速度を達成することが可能となる。
【0045】
また、隔壁2が傾かないようにするには、圧電磁器組成物の選定が重要だが、加工条件においても、隔壁2に作用する応力を小さくすることが必要であり、例えば#1000〜#2000番手のダイヤモンド砥粒を固着した回転刃を用い、加工速度を15mm/sec以下、好ましくは5mm/sec以下で加工すれば良い。
【0046】
ところで、図1に示すへッド10では、圧電アクチュエータ1全体を圧電磁器組成物で形成した例を示したが、隔壁2のみが圧電磁器組成物により形成されたものであっても良く、また、図1におけるノズル板8を、インク吐出孔7を持たない蓋板5とし、蓋板5にインク吐出孔7を、圧電アクチュエータ1に各流路3と連通するインク供給孔5を設けたものでも良く、本発明の範囲を逸脱しない範囲であれば、改良や変更を加えることができることは言うまでもない。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
ここで、圧電アクチュエータにおいて、各組成の圧電セラミック体をダイヤモンドホイールを有するダイシングソーにて溝加工した際、隔壁の傾きや破損の有無について調べる実験を行った。
【0048】
具体的には、PbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物からなる平均結晶粒子径が2〜5μmの複数の圧電セラミック板を用意し、この基板の上下面に銀の電極層をそれぞれ被着し、電極層間に通電して基板厚み方向に2.0kV/mmの電界を付加して分極処理を施した後、各流路の深さが300μm、各流路の幅が75μm、ピッチが141μmとなるようにダイシングソーにて複数の溝を研削し、溝をインクの流路3、溝を仕切る壁を隔壁2とした図1に示す圧電アクチュエータ1を製作した。
【0049】
なお、溝加工にあたっては、#1200番手のダイヤモンド砥粒を固着した回転刃を用い、回転数25000rpm、加工送り速度10mm/secの条件で研削加工を行った。
【0050】
そして、圧電アクチュエータ1の隔壁2が流路3の底面に垂直な線に対する傾きや破損の有無を調べた。
【0051】
また、圧電磁器組成物の圧電歪定数dはせん断モードのd15をEMAS(日本電子材料工業会標準規格)に準じ測定した。MPBはX線回折により得られた格子定数から正方晶及び菱面体晶の混合範囲を測定した。またポアソン比σは超音波パルス法にて測定した。さらに圧電磁器組成物のキュリー温度Tcは誘電率が極大となる温度により測定した。
【0052】
【表1】

Figure 2004115346
【0053】
この結果、表1のように上記圧電磁器組成物がPbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物において、Pbの一部をSr及び/又はBaで置換するとともに、該Pb(Me1、Me2)O中のMe1がMg、Ni、及びZnのうちの少なくとも一種、Me2がNb及びSbのうちの少なくとも一種である圧電磁器組成物中のZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲とし、圧電磁器組成物のポアソン比σが0.32以上であり、かつMPB領域が0.48<Zr/(Zr+Ti)<0.54の範囲とした結晶構造が正方晶と菱面体晶の混晶であるため、圧電歪定数dが高く、隔壁2の傾きや破損が無い圧電アクチュエータ1が得られることが判る。
【0054】
これは、研削刃が圧電磁器組成物に作用する応力に対し、圧電磁器組成物に応力がかかる方向に変形するので、圧電磁器組成物と研削刃との間に作用する応力が低減されることから隔壁2の傾きや破損が無いことが言える。また、上記Pb(Me1、Me2)Oが全量中1〜30モル%含有することで、さらに圧電歪定数dが高い圧電磁器組成物が得られることが判る。
【0055】
さらに、上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がZnとしたことにより、圧電歪定数dが高く、かつキュリー温度Tcが高く、高圧電特性で耐熱性の高く、加工精度も良くなる安定した圧電磁器組成物が得られることが判る。
(実施例2)
次に、実施例1の試料NO.5、11の各圧電磁器組成物において、平均結晶粒子径がそれぞれ0.5〜10μmの範囲にあり、研削加工面に存在する気孔や脱粒部等の凹部開口部の占有面積率が異なるものを用意し、実施例1と同様の条件にて研削加工を行い、圧電アクチュエータ1の隔壁2が流路3の底面に垂直な線に対する傾きや破損の有無を調べた。
【0056】
なお、上記研削加工後の面に存在する気孔や脱粒部等の凹部開口部の占有面積率をSEM(電子顕微鏡)写真より測定した。また、平均結晶粒径は、焼結体表面又は断面をSEM(電子顕微鏡)により写真を撮影し、インターセプト法により平均結晶粒径を測定した。
【0057】
【表2】
Figure 2004115346
【0058】
この結果、表2のように、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を1〜7μmとすることで、研削加工面に存在する気孔や脱粒部等の凹部開口部の占有面積率を35%以上とでき、隔壁2の傾きや破損が無い圧電アクチュエータ1を得ることが出来る。これは、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を1〜7μmとすることで圧電磁器組成物から結晶粒子が脱粒しやすくなり、研削時の研削刃と圧電磁器組成物との間の応力がさらに緩和して、研削後に形成される隔壁2の傾きや破損が防止でき、さらにチッピングサイズを小さくなったことが判る。
(実施例3)
次に、実施例2において、試料NO.11−1、11−3の各圧電アクチュエータ1における隔壁2の両側面に、その長手方向に沿ってスパッタリング法によりAu膜からなる駆動用電極4を、流路3の終端から圧電アクチュエータ1の後端にはAu膜からなる引出線9を形成した。
【0059】
しかる後、隔壁2の頂部に、インク供給孔5を備えたアルミナセラミック製の蓋板6をエポキシ系の接着剤にて接合するとともに、圧電アクチュエータ1の開放端部に、インク吐出孔7を穿孔したポリイミド樹脂製のノズル板8をエポキシ系の接着剤にて接合して図1に示す構造をした各インクジェット記録へッド10を製作した。
【0060】
そして、各ヘッド10の流路3内にインクをを充填し、駆動用電極4に20Vの電圧を100Hr印加してインク吐出孔よりインク滴を吐出させ、この時のインク滴の速度は放電管を光源としフィルム上に記録させる高速度写真撮影装置によって測定した。結果を以下に示す。
【0061】
【表3】
Figure 2004115346
【0062】
この結果、試料No.16の圧電アクチュエータ1を用いて形成した本発明範囲外のヘッドは、100個のインク吐出孔7から吐出されるインク滴の速度ばらつきが大きいのに対し、試料No.10の圧電アクチュエータ1を用いて形成した本発明のヘッドでは、インク滴の速度ばらつきが小さく、100個のインク吐出孔全てから安定してインク滴を吐出することができた。これは、本発明範囲外のヘッドは、隔壁2の傾きや破損があるインク吐出孔7から吐出されたインク速度は健全な隔壁2を通して吐出されたインク速度より低下するため、100個のインク吐出孔7から吐出されるインク滴の速度ばらつきが大きくなる理由による。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、PbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物から成り、Pbの一部をSr及び/又はBaで置換するとともに、上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がMg、Ni、及びZnのうちの少なくとも一種、Me2がNb及びSbのうちの少なくとも一種で、かつZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲として成る圧電磁器組成物であって、ポアソン比σが0.32以上であり、かつ結晶構造が正方晶と菱面体晶の混晶からなるため、例えば、その圧電磁器組成物を用いてヘッドを作製する場合、ダイヤモンドホイールを用いた研削加工時に送り速度を大きくしても、ダイヤモンドホイールが圧電磁器組成物にかける応力に追随した方向に変形しやすくなり、圧電磁器組成物と研削刃との間に作用する応力が低減される。これにより、隔壁の傾きや破損が無くなり、加工性が大幅に向上する。
【0064】
また、上記Pb(Me1、Me2)Oが全量中1〜30モル%含有し、さらに上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がZnとすることで圧電歪定数dを高く維持し、かつキュリー温度Tcが高く、高圧電特性かつ耐熱性が高くなる。
【0065】
さらに、圧電磁器組成物の平均結晶粒子径を1〜7μmとすることで、チッピングサイズが小さくかつ加工精度をさらに高める。
【0066】
また、少なくとも一部が圧電磁器組成物からなる複数の隔壁を並設して、各隔壁間をインクの流路とした流路部材と、上記隔壁の頂部に接合され、各流路を塞ぐ蓋板とからなり、上記隔壁の側面には駆動用電極を備え、駆動用電極に通電して上記隔壁を変位させることで上記流路内のインクを加圧し、上記流路と連通するインク吐出孔よりインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、上記の圧電磁器組成物を用いることで、隔壁の傾き、破損が無く、チッピングサイズが小さいといった加工精度を高めることができ、ヘッド駆動時のインク滴の吐出速度ばらつきが小さく、インク吐出孔全てから高速で、安定したインク滴を吐出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録へッドの一例を示す一部を破断した斜視図である。
【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録へッドの駆動原理を説明するための部分断面図である。
【図3】従来のインクジェット記録へッドを示す―部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1,21:圧電アクチュエータ
2,2a,2b,22:隔壁
3,3a,3b,3c,23:流路
4,4a,4b,4c,24駆動用電極
5,25:インク供給孔
6,26:蓋板
7,27:インク吐出孔
8,28:ノズル板
9,29:配線
10,30:インクジェット記録へッド[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a piezoelectric ceramic composition having a property of generating displacement by a piezoelectric effect, and an ink jet recording head mounted on an ink jet recording apparatus used for printing characters and images using the piezoelectric ceramic composition.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, ultrasonic transducers, ultrasonic motors, piezoelectric actuators, and the like that use a displacement generated by a piezoelectric effect as a mechanical drive source have attracted attention as the mechatronics field progresses.
[0003]
For example, piezoelectric actuators are being put to practical use in various fields such as precision positioning, relays, fans, and the like. In recent years, ink jet recording apparatuses have been used as apparatuses for printing color images and character information at low running costs. And a piezoelectric actuator is also used in the ink jet recording head.
[0004]
As an ink jet recording head (hereinafter referred to as a head) mounted on an ink jet recording apparatus, a fine heater is provided in a flow path filled with ink, and the ink is heated and boiled by the heater. A thermal jet method in which ink in the flow path is pressurized by air bubbles generated in the path and ink droplets are ejected from the ink ejection holes, and a partition forming a flow path filled with ink is bent and displaced by a piezoelectric element, and mechanically In general, a piezoelectric method in which the ink in the flow path is pressurized and ink droplets are ejected from the ink ejection holes is used. Among these, the piezoelectric method is excellent in durability and responsiveness and does not directly heat the ink. There is an advantage that the type of ink is not limited.
[0005]
As shown in FIG. 3, such a piezoelectric type head has a plurality of partition walls 22 arranged in parallel, and a space between these partition walls 22 is used as an ink flow path 23. Lead zirconate (Pb (Zr, Ti) O 3 And a lid plate 26 having an ink supply hole 25 for supplying ink to each flow path 23 and joined to the top of each partition 22, The piezoelectric actuator 21 includes a nozzle plate 28 having an ink ejection hole 27 communicating with each of the flow paths 3 and connected to the negative end of the piezoelectric actuator 21. In some cases, electrodes 24 were formed. The other end of the piezoelectric actuator 21 has a closed structure, and at least a part of the piezoelectric ceramic composition constituting the piezoelectric actuator 21 is polarized in the direction of the arrow in the figure. Reference numeral 29 denotes a lead wire for connecting the driving electrode 24 to an external circuit (not shown) and supplying a signal from the external circuit to the driving electrode 24.
[0006]
Then, in order to print on a recording medium using the head 30, when electricity is supplied between the driving electrodes 24 formed on both side surfaces of the partition 22, the partition 22 utilizes the shear mode deformation of the piezoelectric ceramic composition. In this case, the ink in each flow path 23 is pressurized to discharge the ink droplets from the ink discharge holes 27 in order to bend and displace in a substantially rectangular shape.
[0007]
In order to manufacture the head 30, for example, a rotating blade in which a diamond abrasive grain called a dicing saw is fixed to a piezoelectric ceramic body mainly containing lead zirconate titanate or the like that has been polarized in the thickness direction in advance. A plurality of grooves are engraved at equal intervals, each groove is used as an ink flow path 23, and a wall partitioning the flow path 23 is formed as a partition 22 to produce a piezoelectric actuator 21. After the driving electrode 24 is applied by film forming means such as sputtering or sputtering, a lid plate 26 having an ink supply hole 27 is joined to the top of the partition 22 with an adhesive, and It has been manufactured by bonding a nozzle plate 28 having ink ejection holes 27 pre-perforated with an adhesive.
[0008]
Therefore, in order to increase the ejection speed of the ink droplets, it is necessary to form the partition wall 22 forming the drive unit of the head 30 with a piezoelectric ceramic composition having a high piezoelectric distortion constant d. , Conventionally, PbZrO 3 ―PbTiO 3 Pb (Mg) 1/3 Nb 2/3 ) O 3 , Pb (Zn 1/3 Nb 2/3 ) O 3 , Pb (Ni 1/3 Nb 2/3 ) O 3 , Pb (Zn 1/3 Sb 2/3 ) O 3 And the like are added and substituted as a third component (see Patent Documents 1 to 3).
[0009]
Further, in order to further enhance the piezoelectric properties and the like, the piezoelectric ceramic composition further adds another compound or a simple substance or replaces an element (Patent Document 4). The technical content for improving the processability of the microfabrication for forming GaN has not been particularly considered.
[Patent Document 1] JP-A-48-97094
[Patent Document 2] JP-A-49-21696
[Patent Document 3] JP-A-53-62199
[Patent Document 4] JP-A-2001-278661
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in recent years, the width of the partition walls 22 and the pitch of the partition walls 22 of the piezoelectric actuator 21 constituting the head 30 have become extremely small with the increase in the precision and density of the ink jet recording head 30. When a grinding process is performed using a dicing saw to form the flow path 23 and the diamond wheel, when grinding the flow path 23 using a diamond wheel, if the feed rate is high, the diameter of the diamond abrasive grains in the diamond wheel becomes large. This may cause crushing or clogging, increasing the stress applied to the grinding surface by the diamond wheel, causing the partition wall 22 to be inclined with respect to a line perpendicular to the bottom surface of the flow path 23, and in a severe case, the partition wall 22 may be damaged. there were.
[0010]
Therefore, in the head 30 requiring high precision and high density, the feed speed of the diamond wheel must be reduced, and there is a problem that the processing time per head becomes extremely long and the processing cost increases. Was.
[0011]
The present invention provides a piezoelectric ceramic composition having high processability and a high piezoelectric strain constant d when subjected to grinding with a dicing saw or the like, and an inkjet capable of obtaining a stable displacement amount without inclination or breakage of the partition walls 22. It is an object to provide a recording head.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to PbZrO 3 ―PbTiO 3 -Pb (Me1, Me2) O 3 Wherein a part of Pb is substituted with Sr and / or Ba, and the above Pb (Me1, Me2) O 3 In which Me1 is at least one of Mg, Ni, and Zn, Me2 is at least one of Nb and Sb, and the molar ratio of Zr and Ti is 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57. Wherein the Poisson's ratio σ is 0.32 or more, and the crystal structure is a mixed crystal of tetragonal and rhombohedral.
[0013]
Further, the present invention provides the above Pb (Me1, Me2) O 3 Is contained in an amount of 1 to 30 mol% in the whole amount.
[0014]
Further, the present invention provides the above Pb (Me1, Me2) O 3 It is characterized in that Me1 in the inside is Zn.
The present invention is characterized in that the average crystal particle diameter is 1 to 7 μm.
[0015]
The present invention also provides a plurality of partition walls at least partially made of a piezoelectric ceramic composition, a flow path member having an ink flow path between the partition walls, and a flow path member joined to the top of the partition walls, It is composed of a lid plate that closes the path, a drive electrode is provided on the side surface of the partition, and the ink in the flow path is pressurized by displacing the partition by applying a current to the drive electrode, and the flow path and The piezoelectric ceramic composition is used in an ink jet recording head that discharges ink droplets from ink communication holes that communicate with each other.
[0016]
[Action]
The piezoelectric ceramic composition of the present invention has a PbZrO having a limited Me1 and Me2. 3 ―PbTiO 3 -Pb (Me1, Me2) O 3 In the three-component composition, the molar ratio of Zr and Ti is set within a predetermined range, the Poisson's ratio is equal to or higher than a predetermined value, and the crystal structure is mixed crystal. When shaving the composition, the diamond wheel is easily deformed in a direction following the stress applied to the piezoelectric ceramic composition, so that the stress acting between the piezoelectric ceramic composition and the grinding blade is reduced.
[0017]
In addition, by setting the average crystal particle diameter of the piezoelectric ceramic composition to 1 to 7 μm, the polycrystalline particles are easy to shed from the piezoelectric ceramic composition, and the particles are ground while being shed during grinding. The stress between the piezoelectric ceramic composition and the piezoelectric ceramic composition is relaxed, the grinding can be performed straight, and the inclination and breakage of the partition wall formed after the grinding can be prevented. In addition, by using an ink jet recording head using such a piezoelectric ceramic composition, the partition walls are not inclined and there is no damage, so that stable ink ejection can be achieved.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
[0019]
The piezoelectric ceramic composition of the present invention comprises PbZrO 3 ―PbTiO 3 -Pb (Me1, Me2) O 3 Wherein a part of Pb is substituted with Sr and / or Ba, and the above Pb (Me1, Me2) O 3 In which Me1 is at least one of Mg, Ni, and Zn, Me2 is at least one of Nb and Sb, and the molar ratio of Zr and Ti is 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57. The piezoelectric ceramic composition has a high piezoelectric strain constant d. For example, when the piezoelectric ceramic composition is used in a driving section as a piezoelectric actuator, the driving displacement is large and effective against an applied voltage.
[0020]
Further, the molar ratio of Zr and Ti in the composition is set to be in a range of 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57, and the Poisson's ratio σ of the piezoelectric ceramic composition is set to 0.32 or more. A case where a plurality of grooves having extremely small pitches are juxtaposed at equal intervals by a diamond wheel used in a dicing saw, and a piezoelectric actuator having a partition wall forming these grooves is formed while securing the piezoelectric distortion constant d. A partition having no breakage of the partition and having a small inclination of the partition can be manufactured in a short time, and the workability can be improved.
[0021]
In other words, in order to produce a piezoelectric actuator in a short time without breakage of the partition walls during grinding with a diamond wheel or the like and with a very small inclination of the partition walls, stress acting between the piezoelectric ceramic composition and the grinding surface of the diamond wheel is required. Needs to be reduced.
[0022]
The present inventors have conducted intensive studies and found that the molar ratio of Zr and Ti in the composition described above was in the range of 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57, and the Poisson's ratio σ of the piezoelectric ceramic composition was 0.32 or more, and the crystal structure is tetragonal and rhombohedral kelp, the direction in which the polycrystalline particles of the piezoelectric ceramic composition are subjected to the stress against the stress applied from the grinding surface of the diamond wheel It was found that the stress acting between the piezoelectric ceramic composition and the grinding surface of the diamond wheel was reduced as a result. The Poisson ratio σ is measured by, for example, an ultrasonic pulse method.
[0023]
Here, when Zr / (Zr + Ti) is 0.50 or less or 0.57 or more, the crystal system forming the piezoelectric ceramic composition is a tetragonal crystal and a rhombohedral crystal alone, and a mixed crystal of a tetragonal crystal and a rhombohedral crystal. The Poisson's ratio is smaller than in the vicinity of the region, and the partition walls are more likely to be damaged or tilted during grinding.
[0024]
However, as described above, the piezoelectric ceramic composition becomes meaningless when the piezoelectric distortion constant d, which is a piezoelectric characteristic, is reduced. Therefore, the piezoelectric ceramic composition needs to be a mixed crystal of tetragonal and rhombohedral. (Phase boundary) region is in the range of 0.48 <Zr / (Zr + Ti) <0.54, whereby the above-mentioned good workability can be obtained without impairing the piezoelectric strain constant d of the piezoelectric ceramic composition. It can be achieved at the same time.
[0025]
That is, PbZrO 3 ―PbTiO 3 As described above, the piezoelectric ceramic composition having a basic component has a ratio of Zr and Ti at which a piezoelectric strain constant d called a MPB region is maximized, and particularly when used for a piezoelectric actuator that requires a high displacement, It is used near this MPB region. Therefore, if the molar ratio of Zr and Ti greatly deviates from the range of 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57, the MPB region does not become a mixed crystal and has a high piezoelectric strain constant d. Not achieved and unsuitable for piezoelectric actuator applications. Therefore, it is desirable that the MPB region is in the range of 0.48 <Zr / (Zr + Ti) <0.54.
[0026]
In order to find the MPB region, for example, the mixed range of the tetragonal system and the rhombohedral system is measured from the lattice constant obtained by X-ray diffraction.
[0027]
The piezoelectric ceramic composition of the present invention comprises the above Pb (Me1, Me2) O 3 Is preferably contained in the piezoelectric ceramic composition in an amount of from 1 to 30 mol%.
Pb (Me1, Me2) O 3 When the content of 1 to 30 mol% of the total amount increases, the piezoelectric strain constant d increases accordingly, but when the content is more than a predetermined amount, the two-component composition of the basic component, PbZrO 3 ―PbTiO 3 Tends to be impaired. Therefore, in order to maintain the high piezoelectric strain constant d, the above Pb (Me1, Me2) O 3 Is preferably contained in the range of 1 to 30 mol% in the whole amount of the piezoelectric ceramic composition.
[0028]
Further, the piezoelectric ceramic composition of the present invention is characterized in that the Pb (Me1, Me2) O 3 By forming from a piezoelectric ceramic composition in which Me1 in the inside is Zn, the piezoelectric strain constant d is high, the Curie temperature Tc is high, the piezoelectric material has high piezoelectric properties, the heat resistance is high, and the processing accuracy is high as described above. Thus, a stable piezoelectric ceramic composition can be formed.
[0029]
The piezoelectric ceramic composition of the present invention preferably has an average crystal particle size of 1 to 7 μm.
[0030]
That is, as described above, the molar ratio of Zr and Ti in the composition is in the range of 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57, and the Poisson's ratio σ of the piezoelectric ceramic composition is 0.32 or more; In addition, since the crystal structure is a mixed crystal of tetragonal and rhombohedral, the piezoelectric ceramic composition is deformed in a direction in which stress is applied to the piezoelectric ceramic composition with respect to the stress applied from the ground surface of the diamond wheel. The stress acting between the porcelain composition and the grinding surface of the diamond wheel is reduced, but by setting the average crystal grain size of the piezoelectric ceramic composition to 1 to 7 μm, furthermore, the shedding of polycrystalline particles Is promoted, the stress acting between the piezoelectric ceramic composition and the diamond wheel can be reduced, and the inclination of the partition walls during grinding can be extremely suppressed.
[0031]
Therefore, if the average crystal grain size of the piezoelectric ceramic composition is less than 1 μm, the crystal grains are difficult to shed during grinding, so the contact area with the diamond wheel is large, and the stress acting during grinding cannot be reduced. Conversely, when the average crystal particle diameter exceeds 7 μm, there is a problem that crystal grains are likely to be shed and the chipping size when chipping (chipping) occurs is too large. The average crystal grain size of the piezoelectric ceramic composition can be controlled by adjusting the particle size of the starting materials when manufacturing the piezoelectric ceramic composition, or by changing the firing temperature and time during firing. .
[0032]
Next, a method for manufacturing the piezoelectric ceramic of the present invention will be described. For example, as a starting material, Pb 3 O 4 , ZrO 2 , TiO 2 , SrCO 3 , BaCO 3 , ZnO, Sb 2 O 3 Are weighed and wet-mixed with a ball mill or the like. Next, after dehydrating and drying this mixture, it is calcined at a temperature of 850 to 900 ° C. for 1 to 3 hours and pulverized by a ball mill or the like.
[0033]
Thereafter, an organic binder (PVA, movinyl, etc.) is added to the pulverized material, and the mixture is kneaded and dried to obtain granulated powder, and the obtained granulated powder is molded to produce a molded body. At this time, in order to prevent the sintered piezoelectric ceramic composition from being densified and to increase the diameter of voids existing on the surface, the molding pressure is set to 1 × 10 3 8 N / m 2 It is desirable to make the above.
[0034]
The molded body obtained in this manner is obtained by firing in a lead atmosphere at a temperature of 1100 to 1300 ° C for 1 to 3 hours.
[0035]
FIG. 1 is a partially cutaway perspective view showing an example of the ink jet recording head of the present invention, and FIGS. 2A and 2B are partial cross-sectional views for explaining the driving principle of the ink jet recording head of the present invention. FIG.
[0036]
In the ink jet recording head 10, a plurality of partition walls 2 are arranged in parallel at equal intervals, and a piezoelectric actuator 1 made of a piezoelectric ceramic composition having an ink flow path 3 between the partition walls 2; A lid plate 6 joined to the top and provided with an ink supply hole 5 for leading ink to each flow path 3; and an ink discharge hole 7 joined to one end of the piezoelectric actuator 1 and communicating with each flow path 3. The driving electrode 4 is formed on the upper half of both sides of the partition wall 2 along the longitudinal direction. Each partition 2 is polarized in the direction indicated by an arrow in the figure in order to bend in a substantially rectangular shape by shear mode deformation when current is applied between the driving electrodes 4 on both side surfaces.
[0037]
The other end side of the piezoelectric actuator 1 has a closed structure, and the driving electrode 4 formed on the partition wall 2 extends through the wiring 9 extending beyond the flow path 3 to the rear of the piezoelectric actuator 1. And is electrically connected to a driving circuit (not shown).
[0038]
In order to manufacture the head 10, first, a piezoelectric ceramic body is prepared for manufacturing the piezoelectric actuator 1.
[0039]
Then, after performing a polarization process in the thickness direction of the piezoelectric ceramic body, a plurality of grooves, one end of which is closed, are arranged at equal intervals by a diamond wheel used for a dicing saw, and these grooves are formed in the ink flow path. 3, and a piezoelectric actuator 1 in which a wall partitioning each flow path 3 is a partition wall 2 is manufactured.
[0040]
Next, platinum, gold, palladium, rhodium, nickel, and aluminum are formed on both sides of each partition 2 and from the end of the flow path 3 to the rear end of the piezoelectric actuator 1 by a film forming means such as an evaporation method, a sputtering method, and a plating method. A metal film such as, for example, platinum-gold, palladium-silver, platinum-palladium, etc., and a driving electrode 4 made of the above-mentioned metal film or alloy film is provided on both side surfaces of each partition 2. From the end of the flow path 3 to the rear end of the piezoelectric actuator 1, a lead wire 9 made of the metal film or the alloy film is formed.
[0041]
Thereafter, a lid plate 6 made of an insulating material such as ceramics, glass, or silicon and provided with an ink supply hole 5 for introducing ink into each flow path 3 is bonded to the top of each partition 2 with an adhesive or glass. At the same time, a nozzle plate 8 having ink ejection holes 7 perforated at a predetermined pitch in advance to close the open end of the piezoelectric actuator 1 is bonded with an adhesive or glass to form a head 10 shown in FIG. Can be obtained.
[0042]
Next, the driving principle of the ink jet recording head 10 of the present invention shown in FIG. 1 will be described.
First, in order to print on a recording medium (not shown) using the head 10, first, an ink such as a pigment-type oil-based ink, a water-based dye ink, or an ultraviolet curable ink is supplied from an ink tank (not shown) to an ink supply hole 5. As shown in FIG. 2A, a negative voltage is applied to the driving electrode 4b formed in the flow path 3b, and a driving voltage formed in the flow paths 3a and 3c, respectively. When a positive voltage is applied to each of the electrodes 4a, 4c, the piezoelectric ceramic composition of the partition walls 2a, 2b partitioning the flow path 3b undergoes a shear mode deformation, and the partition walls 2a, 2b are substantially shaped like "C" on the flow path 3b side. 2B, the ink in the flow path 3b can be pressurized and ink droplets can be ejected from the ink ejection holes 7. Further, as shown in FIG. The pole of the voltage applied to the electrodes 4a and 4c Is reversed, the partition walls 2a and 2b are bent and displaced toward the respective flow paths 3a and 3c, so that the pressure in the flow path 3b is reduced and ink can be supplied from the ink supply holes 15, and these operations are repeated. Thus, ink droplets can be appropriately discharged.
[0043]
According to the present invention, the piezoelectric actuator 1 including the partition wall 1 provided with the driving electrode 3 in the head 10 is formed of the piezoelectric ceramic composition.
[0044]
In the head 10 equipped with the above-described piezoelectric actuator, the piezoelectric actuator 1 in which the partition 2 is not damaged and the inclination of the partition 2 is extremely small can be manufactured in a short time without grinding the diamond wheel or the like. When the head 10 is driven, it is possible to achieve a stable and high ink droplet ejection speed from each ink ejection hole 7.
[0045]
In order to prevent the partition wall 2 from tilting, it is important to select a piezoelectric ceramic composition. However, it is necessary to reduce the stress acting on the partition wall 2 even under processing conditions, and for example, # 1000 to # 2000. The processing may be performed at a processing speed of 15 mm / sec or less, preferably 5 mm / sec or less, using a rotary blade having diamond abrasive grains fixed thereto.
[0046]
By the way, in the head 10 shown in FIG. 1, an example is shown in which the entire piezoelectric actuator 1 is formed of the piezoelectric ceramic composition. However, only the partition 2 may be formed of the piezoelectric ceramic composition. The nozzle plate 8 in FIG. 1 is a cover plate 5 having no ink discharge hole 7, the cover plate 5 is provided with the ink discharge hole 7, and the piezoelectric actuator 1 is provided with the ink supply hole 5 communicating with each flow path 3. Needless to say, improvements and changes can be made without departing from the scope of the present invention.
[0047]
【Example】
Hereinafter, examples of the present invention will be described.
(Example 1)
Here, in the piezoelectric actuator, when a piezoelectric ceramic body of each composition was groove-processed by a dicing saw having a diamond wheel, an experiment was conducted to check whether the partition walls were inclined or damaged.
[0048]
Specifically, PbZrO 3 ―PbTiO 3 -Pb (Me1, Me2) O 3 A plurality of piezoelectric ceramic plates having an average crystal particle diameter of 2 to 5 μm comprising the ternary composition are prepared, silver electrode layers are respectively attached to the upper and lower surfaces of the substrate, and a current is applied between the electrode layers to make the substrate thickness After applying an electric field of 2.0 kV / mm in the direction and performing a polarization process, a plurality of dicing saws are used so that the depth of each channel is 300 μm, the width of each channel is 75 μm, and the pitch is 141 μm. The groove was ground, and the piezoelectric actuator 1 shown in FIG. 1 was manufactured in which the groove was an ink flow path 3 and the wall separating the groove was a partition wall 2.
[0049]
In the groove processing, grinding was performed using a rotary blade to which # 1200 diamond abrasive grains were fixed, at a rotation speed of 25,000 rpm and a processing feed speed of 10 mm / sec.
[0050]
Then, the partition wall 2 of the piezoelectric actuator 1 was checked for inclination or breakage with respect to a line perpendicular to the bottom surface of the flow path 3.
[0051]
The piezoelectric strain constant d of the piezoelectric ceramic composition is d in the shear mode. Fifteen Was measured according to EMAS (Japan Electronic Materials Association Standard). For MPB, the mixing range of tetragonal and rhombohedral was measured from the lattice constant obtained by X-ray diffraction. The Poisson's ratio σ was measured by the ultrasonic pulse method. Further, the Curie temperature Tc of the piezoelectric ceramic composition was measured based on the temperature at which the dielectric constant reached a maximum.
[0052]
[Table 1]
Figure 2004115346
[0053]
As a result, as shown in Table 1, the piezoelectric ceramic composition was PbZrO 3 ―PbTiO 3 -Pb (Me1, Me2) O 3 In the ternary composition, a part of Pb is replaced with Sr and / or Ba, and the Pb (Me1, Me2) O 3 Where Me1 is at least one of Mg, Ni, and Zn, and Me2 is at least one of Nb and Sb. The molar ratio of Zr and Ti in the piezoelectric ceramic composition is 0.50 <Zr / (Zr + Ti ) <0.57, the Poisson's ratio σ of the piezoelectric ceramic composition is 0.32 or more, and the MPB region is 0.48 <Zr / (Zr + Ti) <0.54. It can be understood that the piezoelectric actuator 1 having a high piezoelectric strain constant d and having no inclination or breakage of the partition walls 2 can be obtained because of the mixed crystal of the crystal and the rhombohedral crystal.
[0054]
This is because the stress acting on the piezoelectric ceramic composition is reduced in response to the stress acting on the piezoelectric ceramic composition by the grinding blade, so that the stress acting between the piezoelectric ceramic composition and the grinding blade is reduced. This means that there is no inclination or breakage of the partition 2. In addition, the above Pb (Me1, Me2) O 3 Shows that a piezoelectric ceramic composition having a higher piezoelectric strain constant d can be obtained by containing 1 to 30 mol% of the total amount.
[0055]
Further, the above Pb (Me1, Me2) O 3 It can be seen that a stable piezoelectric ceramic composition having a high piezoelectric strain constant d, a high Curie temperature Tc, high piezoelectric properties, high heat resistance, and good processing accuracy can be obtained by setting Me1 in the inside to Zn. .
(Example 2)
Next, the sample NO. In each of the piezoelectric ceramic compositions of Nos. 5 and 11, the average crystal particle diameter is in the range of 0.5 to 10 μm, and the occupied area ratios of the concave openings such as pores and degranulation portions present on the ground surface are different. The piezoelectric actuator 1 was prepared and subjected to grinding under the same conditions as in Example 1, and the inclination of the partition 2 of the piezoelectric actuator 1 with respect to a line perpendicular to the bottom surface of the flow path 3 and the presence or absence of breakage were examined.
[0056]
In addition, the occupation area ratio of the opening of the concave portion such as the pores and the degranulation portion existing on the surface after the grinding was measured from an SEM (electron microscope) photograph. The average crystal grain size was determined by taking a photograph of the surface or cross section of the sintered body with an SEM (electron microscope) and measuring the average crystal grain size by an intercept method.
[0057]
[Table 2]
Figure 2004115346
[0058]
As a result, as shown in Table 2, by setting the average crystal particle diameter of the piezoelectric ceramic composition to 1 to 7 μm, the occupied area ratio of the opening of the concave portion such as the pores or the degranulated portion existing on the ground surface is 35% or more. Accordingly, it is possible to obtain the piezoelectric actuator 1 in which the partition walls 2 are not tilted or damaged. This is because, by setting the average crystal particle diameter of the piezoelectric ceramic composition to 1 to 7 μm, crystal grains are easily removed from the piezoelectric ceramic composition, and the stress between the grinding blade and the piezoelectric ceramic composition during grinding is further increased. It can be seen that the stress is relaxed, the inclination and breakage of the partition wall 2 formed after the grinding can be prevented, and the chipping size is further reduced.
(Example 3)
Next, in Example 2, the sample NO. On both side surfaces of the partition 2 in each of the piezoelectric actuators 11-1 and 11-3, a driving electrode 4 made of an Au film is formed along the longitudinal direction by a sputtering method from the end of the flow path 3 behind the piezoelectric actuator 1. At the end, a lead wire 9 made of an Au film was formed.
[0059]
Thereafter, a lid plate 6 made of alumina ceramic having an ink supply hole 5 is joined to the top of the partition wall 2 with an epoxy-based adhesive, and an ink discharge hole 7 is formed in the open end of the piezoelectric actuator 1. The ink jet recording heads 10 having the structure shown in FIG. 1 were manufactured by joining the polyimide resin nozzle plates 8 with an epoxy adhesive.
[0060]
The flow path 3 of each head 10 is filled with ink, and a voltage of 20 V is applied to the driving electrode 4 for 100 hours to discharge ink droplets from the ink discharge holes. Was measured by a high-speed photographing device that records on a film using the light as a light source. The results are shown below.
[0061]
[Table 3]
Figure 2004115346
[0062]
As a result, the sample No. A head formed using the piezoelectric actuator 1 of No. 16 has a large variation in the speed of the ink droplets ejected from the 100 ink ejection holes 7. In the head of the present invention formed using the ten piezoelectric actuators 1, the variation in the speed of the ink droplet was small, and the ink droplet could be stably ejected from all 100 ink ejection holes. This is because, for a head outside the range of the present invention, the ink speed ejected from the ink ejection hole 7 in which the partition wall 2 is inclined or damaged is lower than the ink speed ejected through the sound partition wall 2, so that 100 ink ejections are performed. This is because the variation in the speed of the ink droplet ejected from the hole 7 becomes large.
[0063]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, PbZrO 3 ―PbTiO 3 -Pb (Me1, Me2) O 3 Wherein a part of Pb is substituted with Sr and / or Ba, and the above Pb (Me1, Me2) O 3 In which Me1 is at least one of Mg, Ni, and Zn, Me2 is at least one of Nb and Sb, and the molar ratio of Zr and Ti is 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57. Is a piezoelectric ceramic composition having a range of the Poisson's ratio σ is 0.32 or more, and the crystal structure is a mixed crystal of tetragonal and rhombohedral, for example, using the piezoelectric ceramic composition When manufacturing a head, even if the feed rate is increased during grinding using a diamond wheel, the diamond wheel tends to deform in the direction following the stress applied to the piezoelectric ceramic composition, and the piezoelectric ceramic composition and the grinding blade Is reduced. Thereby, inclination and breakage of the partition are eliminated, and workability is greatly improved.
[0064]
In addition, the above Pb (Me1, Me2) O 3 Is contained in the total amount of 1 to 30 mol%, and the above Pb (Me1, Me2) O 3 When Me1 in the inside is Zn, the piezoelectric strain constant d is kept high, the Curie temperature Tc is high, the high piezoelectric characteristics and the heat resistance are high.
[0065]
Further, by setting the average crystal particle diameter of the piezoelectric ceramic composition to 1 to 7 μm, the chipping size is small and the processing accuracy is further enhanced.
[0066]
In addition, a plurality of partition walls at least partially made of a piezoelectric ceramic composition are arranged in parallel, a flow path member having an ink flow path between the partition walls, and a lid joined to the top of the partition walls to close each flow path. A driving electrode on the side surface of the partition wall, and pressurizing the ink in the flow channel by applying a current to the driving electrode to displace the partition wall, thereby forming an ink discharge hole communicating with the flow channel. In an ink jet recording head that discharges more ink droplets, by using the above piezoelectric ceramic composition, the inclination of the partition walls, there is no breakage, it is possible to improve the processing accuracy such as a small chipping size, the ink droplets at the time of driving the head Dispersion of the ejection speed is small, and stable ink droplets can be ejected from all the ink ejection holes at high speed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially broken perspective view showing an example of an ink jet recording head of the present invention.
FIGS. 2A and 2B are partial cross-sectional views illustrating the principle of driving the inkjet recording head of the present invention.
FIG. 3 is a perspective view of a conventional ink jet recording head, in which a part is cut away.
[Explanation of symbols]
1,21: piezoelectric actuator
2, 2a, 2b, 22: partition wall
3, 3a, 3b, 3c, 23: channel
4, 4a, 4b, 4c, 24 drive electrodes
5, 25: ink supply hole
6, 26: Lid plate
7, 27: ink ejection hole
8, 28: Nozzle plate
9, 29: Wiring
10, 30: inkjet recording head

Claims (5)

PbZrO―PbTiO―Pb(Me1、Me2)Oの3成分系組成物から成り、Pbの一部をSr及び/又はBaで置換するとともに、Me1がMg、Ni、及びZnのうちの少なくとも一種、Me2がNb及びSbのうちの少なくとも一種で、かつZrおよびTiのモル量比を0.50<Zr/(Zr+Ti)<0.57の範囲として成る圧電磁器組成物であって、ポアソン比σが0.32以上であり、かつ結晶構造が正方晶と菱面体晶の混晶から成ることを特徴とする圧電磁器組成物。It consists of a ternary composition of PbZrO 3 —PbTiO 3 —Pb (Me1, Me2) O 3 , wherein part of Pb is replaced by Sr and / or Ba, and Me1 is at least one of Mg, Ni and Zn. A piezoelectric ceramic composition wherein Me2 is at least one of Nb and Sb and the molar ratio of Zr and Ti is in the range of 0.50 <Zr / (Zr + Ti) <0.57, wherein the Poisson's ratio A piezoelectric ceramic composition characterized in that σ is 0.32 or more and the crystal structure is a mixed crystal of tetragonal and rhombohedral. 上記Pb(Me1、Me2)Oが全量中1〜30モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器組成物。The Pb (Me1, Me2) piezoelectric ceramic composition according to claim 1, O 3 is characterized in that it contains 1 to 30 mol% in the total amount. 上記Pb(Me1、Me2)O中のMe1がZnとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電磁器組成物。 3. The piezoelectric ceramic composition according to claim 1, wherein Me1 in the Pb (Me1, Me2) O3 is Zn. 平均結晶粒子径を1〜7μmとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電磁器組成物。The piezoelectric ceramic composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the average crystal particle diameter is 1 to 7 µm. 少なくとも一部が請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電磁器組成物からなる複数の隔壁を並設して、各隔壁間をインクの流路とした流路部材と、上記隔壁の頂部に接合され、各流路を塞ぐ蓋板とからなり、上記隔壁の側面には駆動用電極を備え、該駆動用電極に通電して上記隔壁を変位させることで上記流路内のインクを加圧し、上記流路と連通するインク吐出孔よりインク滴を吐出することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。A plurality of partition walls, at least in part, made of the piezoelectric ceramic composition according to any one of claims 1 to 4, wherein a plurality of partition walls are arranged side by side, and a flow path member having an ink flow path between the partition walls, and a top of the partition walls. It is joined, and comprises a lid plate that closes each flow path, a drive electrode is provided on the side surface of the partition, and the drive electrode is energized to displace the partition to pressurize ink in the flow path. And an ink jet recording head for ejecting ink droplets from an ink ejection hole communicating with the flow path.
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