JP2004114454A - 化粧ボ−ド - Google Patents
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Abstract
【課題】針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品を容易に取付けることができ、該治具を取外した後でも刺孔が目立たず、マグネットなどの磁気吸着作用によっても容易に貼着できる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルが容易にできる化粧ボードを提供する。
【解決手段】発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、該軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の発泡倍率の軽量板状体(B)を積層した片面又は両面に磁性粉体を含む層を積層し、又は軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなる化粧ボード。
【選択図】 図2
【解決手段】発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、該軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の発泡倍率の軽量板状体(B)を積層した片面又は両面に磁性粉体を含む層を積層し、又は軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなる化粧ボード。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧ボードに関する。さらに詳しくは、画鋲、釘、ビスあるいはマグネットなどの取付け用具を用いて、所望物品を容易に取付けることができ、針状先端を有する取付け用具を取外した後でも刺孔が目立たず良好な外観を保持することができる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルすることができ、例えば壁材、間仕切り、パーティション、掲示板などとして好適な化粧ボードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡体などの軽量材料を基材とし、少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂シートやフィルムを設けてなる積層体は、軽量性、断熱性、防音性などに優れていることから、ドア、壁材、間仕切りなどの建築用材料として賞用されている。このような積層体においては、例えば表面保護層として、あるいは裏打ち材などとして、織布、編布、不織布などの布材が用いられることがある。しかしながら、これらの布材は、表面保護材や裏打ち材としての機能を利用するために用いたものであり、画鋲、釘、ビスなどの取付け用治具を用いて所望物品を取付け、該治具を取外した後でも、外観が損なわれないために用いたものではない。
また、前記積層体において、酸化鉄や鉄粉などのフィラーを含む熱可塑性樹脂層を設けたものも知られている。しかしながら、この酸化鉄や鉄粉などを含む層は、制振性や遮音性などを付与するためのものであって、取付け用治具のマグネットを用いて、所望物品を取付けることはできなかった。マグネットを用いて、所望物品を取付けることを目的としたものは鉄板を表層部内面に装着する必要があり、このようなボードには画鋲、釘、ビスなどの取付け用治具を用いて所望物品を取付けることができない。
一方、近年、環境問題及び省資源の観点から、各種製品に対して、リサイクル性が求められるようになり、建築用材料においても、リサイクルが可能である必要があるが、鉄板を内蔵する有機材料は分別回収が困難な欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画鋲、釘、ビスなどのように針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品を容易に取付けることができ、該治具を取外した後でも刺孔が目立たず、マグネットなどの磁気吸着作用によっても容易に貼着できる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルが容易にできる化粧ボードを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい機能を有する化粧ボードを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡倍率の低い軽量板状体の少なくとも一方の面に、発泡倍率の高い軽量板状体を積層した複合軽量板状体の片面又は両面に、又は発泡倍率の低い軽量板状体の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む層を積層し、最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、該軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の発泡倍率の軽量板状体(B)を積層し、その上に磁性粉体を含む層を積層し、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード、
(2)軽量板状体(A)の一方の面に積層された軽量板状体(B)の面の上に、磁性粉体を含む層を積層し、最表面にシート状布材を積層して設けると共に、該軽量板状体(A)の他方の面に、接着剤層を介してプラスチックシートを設けてなる第1項記載の化粧ボード、
(3)磁性粉体が、鉄系磁性粉体である第1項又は第2項記載の化粧ボード、
(4)シート状布材が、織布、編布又は不織布である第1項、第2項又は第3項記載の化粧ボード、
(5)化粧ボードを構成する各層の有機材料が同一種類のものである第1項、第2項、第3項又は第4項記載の化粧ボード、
(6)発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む接着剤層を積層し、さらにその上の最表面にシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード、及び
(7)発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層を積層し、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧ボードは3態様よりなる。すなわち、第1態様は、発泡倍率の低い軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、発泡倍率の高い軽量板状体(B)を積層した複合軽量板状体の片面又は両面に、磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより得られる積層構造体である。第2態様は、軽量板状体は一層であって、発泡倍率の低い軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む接着剤層を積層し、その上の最表面にシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより得られる積層構造体である。第3態様は、軽量板状体は一層であって、発泡倍率の低い軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより得られる積層構造体である。
以下に、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの図面は本発明一態様を示すものであって、これにより、本発明はなんら限定されるものではない。
図1、図2及び図3は、それぞれ本発明の化粧ボードの異なる態様の例を示す断面図である。図1の化粧ボード10は、本発明の第1態様の1例を示すものであって、軽量板状体(A)1の両面に軽量板状体(B)2及び2’を積層し、それぞれの上に磁性粉体を含む層3及び3’を積層して、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4及び4’が設けられた構造を有している。図2の化粧ボード20は、本発明の第1態様の他の例を示すものであって、軽量板状体(A)1の一方の面に、軽量板状体(B)2を積層し、その上に磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有している。図3の化粧ボード30は、本発明の第2及び第3態様の例を示すものである。第2態様の図3の場合には、軽量板状体(A)1の一方の面の上に磁性粉体を含む接着剤層である磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面に、シボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有している1例を示している。第3態様の図3場合には、軽量板状体(A)1の一方の面の上に熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面に、シート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4及び4’が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有している1例を示している。
【0006】
まず、本発明第1態様化粧ボードについてさらに詳細に説明する。
本発明化粧ボードに用いる軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、化粧ボードとしての機械特性を有し、かつ画鋲、釘、ビスで所望物品を取付け得るものであればよく、その材質については特に制限されず、例えばプラスチック系、木質系、紙系など、様々な板状体を用いることができる。このような板状体の具体例としては、プラスチック発泡体シート、プラスチックダンボール、コルク、紙ダンボールなどが挙げられるが、これらの中で、特にプラスチック発泡体シートが好ましい。
本発明化粧ボードに用いる互いに発泡倍率の異なる軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、互いに同種の材料であってもよく、また、異種材料であってもよいが、リサイクルの容易さなどを考慮すると、互いに同種の材料であるものが好ましい。
本発明化粧ボードの基材を形成する軽量板状体(A)は、画鋲、釘、ビスなどのように針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品を取付ける場合に、該治具の先端部を保持固定する機能を有する部分であって、差込が容易であるとともに、該治具が簡単に脱落しないものでなければならない。化粧ボードの用途に応じて、発泡倍率2〜60のものから選択することができる。発泡倍率が2未満では硬過ぎて該治具の先端部の差込に抵抗感が大きい。60を超えると柔らか過ぎ該治具の先端部を保持固定が困難になる。
好ましくは10〜50のものを使用することができる。厚さは製品化粧ボードに要求される性能に応じて自由に選択することができる。5〜30mmのものを好適に使用することができる。
【0007】
本発明化粧ボードに用いる軽量板状体(B)は、軽量板状体(A)と一体化して、取付け治具の先端部を保持固定する機能を有するとともに、軽量板状体(A)より発泡倍率が高いことにより、該治具差込に際して緩衝作用を有し、該治具のぐらつきを防ぎ、その弾力性によって針状先端を有する取付け治具撤去後の刺孔痕が復元縮小し目立たなくなる効果を有する。本発明化粧ボードに要求される性能に応じて、軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の範囲のものから選択して使用することができる。軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1倍未満では軽量板状体(A)と差異がなく、2.5倍を超えると柔らか過ぎて繰り返し差込によって変形する。好ましくは1.3〜2.0のものを使用することができる。厚さは製品化粧ボードに要求される性能に応じて自由に選択することができる。1〜5mmのものを好適に使用することができる。
本発明化粧ボードに用いる軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、化粧ボードの基材としての特性を有するものであれば、特に制限することなく公知のものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン系発泡体シート、ポリ塩化ビニル系発泡体シート、非晶性ポリエステル系発泡体シート、ポリウレタン系発泡体シートなどを使用することができる。リサイクル性などを考慮すると、軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、互いに同種類のポリオレフィン系発泡体シート又は非晶性ポリエステル系発泡体シートが好ましく用いられる。これらの発泡体シートの作製方法としては、特に制限はなく、押出発泡成形、射出発泡成形、発泡粒子を用いる金型発泡成形、注入発泡成形などの中から、それぞれの材質に応じて適宜選択すればよい。
【0008】
前記ポリオレフィン系発泡体シートに素材として用いられるポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、スチレンなどのα−オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体などのポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレンなどを挙げることができる。
上記ポリプロピレン類の中では結晶性のポリプロピレン系樹脂を好適に使用することができ、この結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
このポリオレフィン系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、再生品も用いることができるが、化粧ボードの用途に応じて適宜選択して用いるのが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の中では、特にポリエチレン系、ポリプロピレン系又はポリスチレン系樹脂が好適である。
また、ポリ塩化ビニル系発泡体シートの素材としては、軟質塩化ビニル系樹脂が好ましく用いられる。
【0009】
この軟質塩化ビニル系樹脂における塩化ビニル系樹脂としては、例えば数平均重合度が約800〜2500のポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体(例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体など)、あるいはこれらのポリ塩化ビニル又は塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド品などが挙げられる。前記のポリ塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする共重合体は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法など常用のいかなる製造法によって得られたものでもよい。これら塩化ビニル系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また再生品を用いることができる。
軟質塩化ビニル系樹脂は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、20〜50重量部程度の可塑剤を配合することにより、調製することができる。
上記可塑剤としては、例えばジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;その他リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、エポキシ化大豆油等が包含され、中でもジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、エポキシ化大豆油が適している。
【0010】
一方、非晶性ポリエステル系発泡体シートに素材として用いられる非晶性ポリエステル系樹脂は、加熱処理を行っても結晶化による物性の変化を起こすことがなく、結晶性を有しないポリエステル樹脂である。このような非晶性ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸などをジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどをグリコール成分とする共重合ポリエステル樹脂を挙げることができる。これらの中で、テレフタル酸をジカルボン酸成分とし、エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールをグリコール成分とする共重合ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。これらの非晶性ポリエステル系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また再生品も用いることができる。
【0011】
また、ポリウレタン系発泡体シートに素材として用いられるポリウレタン樹脂は、本発明化粧ボードに用いる軽量板状体製造に適したものであれば、特に制限することなく公知のものを使用することができる。
例えば、イソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のジイソシアネート又はポリイソシアネートを単独又は、これらの変性体として、もしくはこれらを共用して使用することができる。ポリメリックMDIを特に好適に使用することができる。
また、ポリオール成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンポリオール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール類、ポリカードネートポリオール、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレートなどのポリエステルポリオール類等を単独又は、これらの変性体として、もしくはこれらを共用して使用することができる。ポリエーテルポリオール類を特に好適に使用することができる。
イソシアネート成分及びポリオール成分の他に、発泡剤、架橋剤、触媒、補助添加剤等公知のポリウレタン樹脂製造原材料等を使用することができる。
【0012】
本発明において、ポリオレフィン系発泡体シート、ポリ塩化ビニル系発泡体シート、非晶性ポリエステル系発泡体シート又はポリウレタン系発泡体シートを作製するには、まず、それぞれ前記のポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂又はポリウレタン樹脂に、所定の発泡倍率になる量の発泡剤を添加し、所望により、各種添加成分、例えば無機フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、各樹脂発泡原料組成物を調製することができる。
次に、この各樹脂発泡原料組成物を用い、それぞれの樹脂の種類に応じた発泡成形法を用い、発泡成形することにより、所望の発泡体シートを得ることができる。ポリウレタン系発泡体シートは、イソシアネート成分、ポリオール成分、所定の発泡倍率になる量の発泡剤成分を含むポリウレタン発泡樹脂原料組成物を調製し、これを混合してポリウレタン系発泡体を作製することができ、これをスライスすることによってポリウレタン系発泡体シートを作製することができる。
【0013】
本発明化粧ボードを構成する各積層体の接着は、接着剤又は熱融着により行うことができる。この目的を達成できるものであれば、特に制限はなく、公知の接着剤又は熱融着を使用することができるが、画鋲、釘、ビスなどが容易に取付けられるように、可撓性、柔軟性を有するものが好ましい。このような接着剤としては例えば塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、天然又は合成ゴム、ポリエチレン/ゴム混合物などを主成分とする公知の接着剤、又は、ホットメルト系接着剤の中から、適宜選択して用いることができる。
本発明化粧ボードに用いる各積層部分の接合に際して、接着剤との密着性を向上させるために、各積層体表面にプライマー層を設けることができる。このプライマー層としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂やオレフィン系樹脂又はそれらの混合物、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂などを溶剤に溶かしたもの、又はこれらの樹脂を微粉砕し、界面活性剤などの添加によりエマルジョン化した塗工液を塗工し、乾燥させて、厚さ1〜5μm程度のプライマー層を設けることができる。なお、基材として、スキン層を有しないプラスチック発泡体シート(表面をスライスし、スキン層を取除いたもの)を用いる場合には、前記のプライマー層を設けなくとも、十分な密着性を得ることができるので、本発明で用いる軽量板状体として特に好適に使用することができる。
【0014】
本発明化粧ボードに用いる磁性粉体としては、鉄粉体や酸化鉄粉体などの鉄系磁性粉体、あるいはバリウムフェライトやストロンチウムフェライトなどのフェライト系粉体、Sm−Co合金、Ce−Co合金などの希土類系合金粉体などが挙げられるが、これらの中で経済性などの点から鉄系磁性粉体が好適である。この磁性粉体の平均粒径は、通常1〜100μmの範囲であるものを使用することができる。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層は、磁性粉体を均一に分散保持し得る材質であれば特に制限することなく材料を選択することができる。例えば合成樹脂系、木質系、紙系、ゴム系などの材質の材料を用いることができる。これらの中で、特に合成樹脂系が好ましい。例えば塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、天然又は合成ゴム、ポリエチレン/ゴム混合物などを主成分とする公知の接着剤用樹脂、又は、ホットメルト系接着剤用樹脂等を使用することができる。特にホットメルト系接着剤用樹脂のような熱融着性接着剤を好適に使用することができる。磁性粉体とともに熱融着性樹脂を含有する磁性粉体を含む層は、隣接する他の層と熱融着によって接着することができる。熱融着性でない材質のものを磁性粉体とともに含有する磁性粉体を含む層の場合は、隣接する他の層とは接着剤によって接着することができる。ここで用いる接着剤は、前述の各積層体の接合に用いる接着剤について説明したものと同じものを挙げることができる。本発明の化粧ボードを構成する各積層体の接合に使用する接着剤の中から選択して使用することができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を好適に使用することができる。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層に用いる磁性粉体と樹脂分との含有割合は、重量比で、通常90:10ないし65:35の範囲で選定される。磁性粉体が重量比で65より少ないと、取付け用治具としてマグネットを用いる場合に、所望物品の化粧ボードへの取付け性が不十分となるおそれがあり、90より多いと画鋲、釘、ビスなどのように針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品取付けに際して貫通抵抗が大きく機能が十分に発揮されにくい。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層に用いる磁性粉体と樹脂分との混合は、例えば、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなど使用することができる。混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練することにより、磁性粉体を含む層を形成するシート用成形材料を調製することができる。この成形材料を、公知の方法、例えばキャスト成形、押出しシート成形、カレンダー成形などの方法によって成形し、磁性粉体を含む層を形成するシートを作製することができる。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層に用いる磁性粉体を含む層の厚さは、通常0.5〜2.0mmの範囲で選定される。
【0015】
本発明化粧ボードに用いるシート状布材としては、織布、編布又は不織布を用いることができる。このシート状布材の素材としては特に制限はなく、例えば木綿、ジュート、セルロース繊維、レーヨン繊維などの天然繊維や半合成繊維;ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維などの合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、各種の金属繊維、各種のセラミック繊維などの無機繊維;あるいはこれらの混紡繊維などを挙げることができるが、これらの中で、リサイクル性などの点から合成繊維が好適である。
本発明化粧ボードに用いるシート状布材の厚さとしては特に制限はないが、有機繊維からなるものである場合、通常25〜150g/m2、好ましくは50〜100g/m2の範囲である。
本発明化粧ボードに用いるシート状布材は、磁性粉体含有層と積層して、接着剤又は熱融着法により化粧ボードの最表面に設けることができる。
【0016】
本発明化粧ボードに用いるシボ付きプラスチックフィルムは、化粧ボードの表面材としての特性を有するものであれば、透明であってもよく、着色したもの又は印刷や模様をつけたものであってもよい。同種又は異種フィルムを積層したものも使用することができる。シボ付きであることによって、表面の光反射を多方向化し、滑り止め効果があり、刺孔を目立たなくすることができる。
本発明化粧ボードに用いるシボ付きプラスチックフィルムの素材樹脂は、特に制限することなく公知のものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系発樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂などを使用することができる。上記プラスチックフィルムの素材樹脂には、所望により、各種添加成分、例えば無機フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜配合することができる。リサイクル性などを考慮すると、軽量板状体(A)又は軽量板状体(B)と同種類の樹脂が望ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に使用することができる。これらのプラスチックフィルムの作製方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。ブロー成形、インフレーション成形、カレンダー成形などの中から、それぞれの材質に応じて適宜選択すればよい。
本発明化粧ボードに用いるシボ付きプラスチックフィルムは、公知の方法を使用して製作することができる。真空プレス法、連続プレス法、ベルト法などを使用して成形することができる。現在多用されているのは、基本的には、プラスチックフィルムをシボ付きロールに通してシボ型を押捺することによって転写する方法であるが、需要の多様化にともなって、改良された種々の成形方法が提供されつつある。最近の技術としては、例えば、マイクロエンボスパターンの転写を正確に行うことができ、マイクロエンボスシートをマイクロエンボスロールから容易に引き剥がすことのできる方法を使用することができる。また、厚み精度が高く且つ熱収縮の低いエンボスシートを製造する方法も使用することができる。シボはエンボスとも呼ばれる。
【0017】
本発明化粧ボードにおいては、基材である複合軽量板状体の片面に、磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを設けた場合、他方の面に、補強などの目的で、接着剤層を介してプラスチックシートを設けることができる。
前記プラスチックシートしては、特に制限はなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリ塩化ビニル系樹脂シート、非晶性ポリエステル系樹脂シート、ガラス繊維補強ポリエステル樹脂シートなどを使用することができる。これらのプラスチックシートの素材として、それぞれ用いられるポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂及び非晶性ポリエステル系樹脂としては、前述の基材である軽量板状体の素材について説明したものと同じものを挙げることができる。リサイクル性を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂シート又は非晶性ポリエステル系樹脂シートが好ましく用いられる。
【0018】
また、このプラスチックシートには、無機フィラー20〜85重量%を含有させることができる。この含有量が20重量%未満では切削加工性や剛性などが不十分となるおそれがあるし、85重量%を超えるとシート成形性及び耐衝撃性が低下する上、重量が重くなり、好ましくない。好ましい無機フィラーの含有量は30〜75重量%の範囲である。ここで、無機フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、シリカ、パーライト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの無機フィラーの中で、切削性及び経済性などの点から、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが好ましく、特に炭酸カルシウムが好適である。この炭酸カルシウムとしては特に制限はなく、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど、いずれも用いることができる。この炭酸カルシウムの平均粒径は、通常0.05〜200μm、好ましくは0.5〜20μmの範囲である。
該プラスチックシートには、所望により、各種添加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜含有させることができる。
該プラスチックシートを作製するには、例えば、まず、前述したポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂又は非晶性ポリエステル系樹脂それぞれに、所望により無機フィラー及び各種添加成分とを配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、シート用成形材料を調製する。次いで、この成形材料を、公知の方法、例えばキャスト成形、押出しシート成形、カレンダー成形などの方法によって成形し、シートを作製することができる。なお、押出機中でこの成形材料を発泡させ、適当な発泡倍率を有する発泡シートを作製してもよい。
このプラスチックシートの厚さは、通常1〜5mm程度である。
【0019】
本発明においては、このようにして得られたプラスチックシートの少なくとも片面に、その上に設けられる接着剤層との密着性を向上させる目的で、所望により、該シートに酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、シートの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が、効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
本発明においては、基材である軽量板状体と、このプラスチックシートとの間に介在させる接着剤層を構成する接着剤としては、前述の各積層体の接合に用いる接着剤について説明したものと同じものを挙げることができる。該接着剤層の厚さは、通常1〜20μm程度である。
【0020】
以下に、本発明第2態様化粧ボードについてさらに詳細に説明する。図3の化粧ボード30は、本発明の第2態様の1例を示すものであって、軽量板状体(A)1の一方の面の上に磁性粉体を含む接着剤層である磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面にシボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有しているものを図示している。本発明第2態様化粧ボードは、本発明第1態様化粧ボードを構成する要素の内から軽量板状体(B)を除き、磁性粉体を含む層3が磁性粉体を含む接着剤層であること、且つ、最表面にはシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることによって構成される。本発明化粧ボードの第2態様の、軽量板状体(A)の面上に直接積層する場合の磁性粉体を含む接着剤層は、磁性粉体とともに熱融着性樹脂を含有することができ、隣接する他の層と熱融着によって接着することができる。該接着剤層に用いる樹脂は、例えば塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、天然又は合成ゴム、ポリエチレン/ゴム混合物などを主成分とする公知の接着剤用樹脂、又は、ホットメルト系接着剤用樹脂等を使用することができる。特にホットメルト系接着剤用樹脂のような熱融着性接着剤を好適に使用することができる。
本発明第1態様化粧ボードについての記述は、軽量板状体(B)を除き、磁性粉体を含む層3が磁性粉体を含む接着剤層であること、且つ、最表面にはシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることに置き換えて、本発明第2態様化粧ボードについての記述とすることができる。
【0021】
以下に、本発明第3態様化粧ボードについてさらに詳細に説明する。図3の化粧ボード30は、本発明の第3態様の1例を示すものであって、軽量板状体(A)1の一方の面の上に熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有しているものを図示している。本発明第3態様化粧ボードは、本発明第1態様化粧ボードを構成する要素の内から軽量板状体(B)を除き、且つ、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層してなることによって構成される。本発明化粧ボードの第3態様の、軽量板状体(A)の面上に直接積層する場合の熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層は、熱融着性接着剤以外の接着剤又は非接着性樹脂を含有することができ、隣接する他の層とは接着剤によって接着することができる。ここで用いる接着剤は、本発明の化粧ボードを構成する各積層体の接合に使用する接着剤の中から選択して使用することができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を好適に使用することができる。本発明第1態様化粧ボードについての記述は、軽量板状体(B)を除き、且つ、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層してなることに置き換えて、本発明第3態様化粧ボードについての記述とすることができる。
本発明第1、第2及び第3態様化粧ボードにおいては、リサイクル性の点から、各層の有機材料が同一種類であるものが、特に好適である。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
1)ポリプロピレン樹脂シートの作製
ホモポリプロピレン(重量平均分子量約32万、MI3.1g/10分)45重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粉末55重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.2重量部をドライブレンドしたのち、二軸混練機にて溶融混練し、押出しシート成形により、厚さ3.0mmのポリプロピレン樹脂シートを作製した。次に、このシートの片面に常法に従って、コロナ放電処理を施した。
2)ホットメルト接着剤配合磁性粉含有物の調製
ポリエチレンとゴム[出光ディーテスエム(株)製、商品名:ケルタン]との重量比1:1の混合物からなるホットメルト接着剤を得たのち、この接着剤20重量部に200メッシュ篩通過の鉄粉80重量部を配合して、ホットメルト接着剤配合磁性粉含有物を調製した。
3)化粧ボードの作製
3)−1:シート状布材(ポリプロピレン織布)積層化粧ボード
基材として、軽量板状体(A)は、ポリプロピレン樹脂発泡体[(株)JSP製、商品名:ピーブロック](発泡倍率30倍、嵩密度0.03g/cm3)をスライスし、スキン層のない厚さ15mmの発泡体シートを作製した。
軽量板状体(B)は、ポリプロピレン樹脂発泡体[(株)JSP製、商品名:ピーブロック](発泡倍率50倍、嵩密度0.018g/cm3)をスライスし、スキン層のない厚さ2mmの発泡体シートを作製した。
ポリプロピレン樹脂シート/接着剤層/軽量板状体(A)/接着剤層/軽量板状体(B)/接着剤層/鉄粉含有層/接着剤層/ポリプロピレン織布の構成になるように各積層体材料を重ね、これをプレス機にて成形することにより、目的の化粧ボードを得た。各接着剤層とも同種のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂接着剤を使用した。
なお、ポリプロピレン織布の厚さは100g/m2であり、接着剤層の厚さは15μm、鉄粉含有層の厚さは2mmであった。
3)−2:シボ付きプラスチックフィルム積層化粧ボード
3)−1:シート状布材(ポリプロピレン織布)積層化粧ボードにおいて、ポリプロピレン織布の代わりに、シボ付きプラスチックフィルムを使用した。該シボ付きプラスチックフィルムは、メルトインデックス(MI)35、ビカット軟化点66℃、融点90℃、酢酸ビニル含有量14%のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂[三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名:エバフレックスP−1405]を押出機で押出してシートを作製し、このシートをエンボスパターンの型を有するロールとエンボスパターンのないロール同士で挟んでプレスすることによりエンボスパターンの型をシートに転写させて作製した。該シボ付きプラスチックフィルムを積層したこと以外は、3)−1と同様の方法を用いてシボ付きプラスチックフィルムを積層した化粧ボードを作製した。
【0023】
4)化粧ボードの評価
3)−1:シート状布材(ポリプロピレン織布)積層化粧ボード
化粧ボードのポリプロピレン織布側から、画鋲を突き刺したところ、容易に突き刺すことができた。また、この突き刺した画鋲を取り除いたあとには、何も痕跡が残らず、極めて良好な外観を保持することができた。
さらに、該化粧ボードを垂直に立て、ポリプロピレン織布側に、長さ25mm、幅25mmのマグネットを用い、坪量65g/m2で、重さが45gの紙を押止したところ、落下することなく、該化粧ボードに取付けることができた。
3)−2:シボ付きプラスチックフィルム積層化粧ボード
化粧ボードのシボ付きプラスチックフィルム側から、画鋲を突き刺したところ、容易に突き刺すことができた。また、この突き刺した画鋲を取り除いたあとには、何も痕跡が残らず、極めて良好な外観を保持することができた。
さらに、該化粧ボードを垂直に立て、シボ付きプラスチックフィルム側に、長さ25mm、幅25mmのマグネットを用い、坪量65g/m2で、重さが45gの紙を押止したところ、落下することなく、該化粧ボードに取付けることができた。
【0024】
比較例1
実施例1において、ポリプロピレン織布の代わりに、厚さ80μmの未延伸ポリプロピレンフィルム[東セロ(株)製、商品名:RXC−3]を用い、軽量板状体(B)を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂シート/接着剤層/軽量板状体(A)/接着剤層/鉄粉含有層/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの構成を有する化粧ボードを作製した。
この化粧ボードの未延伸ポリプロピレンフィルム側に画鋲を突き刺したところ、容易に突き刺すことができた。しかし、この突き刺した画鋲を取り除いたあとには、画鋲による小さな穴の形成が認められた。
また、マグネットを用いたテストでは、実施例1と同様な結果が得られた。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、画鋲、釘、ビスあるいはマグネットなどの取付け用治具を用いて、所望物品を容易に取付け得ると共に、該治具を取外した後でも良好な外観を保持することができる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルを可能とし得る化粧ボードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の化粧ボードの構成の1例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の化粧ボードの構成の異なる例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の化粧ボードの構成の異なる例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軽量板状体(A)
2、2’ 軽量板状体(B)
3、3’ 磁性粉体を含む層
4、4’ シート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム
5 接着剤層
6 プラスチックシート
10、20、30 化粧ボード
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧ボードに関する。さらに詳しくは、画鋲、釘、ビスあるいはマグネットなどの取付け用具を用いて、所望物品を容易に取付けることができ、針状先端を有する取付け用具を取外した後でも刺孔が目立たず良好な外観を保持することができる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルすることができ、例えば壁材、間仕切り、パーティション、掲示板などとして好適な化粧ボードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡体などの軽量材料を基材とし、少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂シートやフィルムを設けてなる積層体は、軽量性、断熱性、防音性などに優れていることから、ドア、壁材、間仕切りなどの建築用材料として賞用されている。このような積層体においては、例えば表面保護層として、あるいは裏打ち材などとして、織布、編布、不織布などの布材が用いられることがある。しかしながら、これらの布材は、表面保護材や裏打ち材としての機能を利用するために用いたものであり、画鋲、釘、ビスなどの取付け用治具を用いて所望物品を取付け、該治具を取外した後でも、外観が損なわれないために用いたものではない。
また、前記積層体において、酸化鉄や鉄粉などのフィラーを含む熱可塑性樹脂層を設けたものも知られている。しかしながら、この酸化鉄や鉄粉などを含む層は、制振性や遮音性などを付与するためのものであって、取付け用治具のマグネットを用いて、所望物品を取付けることはできなかった。マグネットを用いて、所望物品を取付けることを目的としたものは鉄板を表層部内面に装着する必要があり、このようなボードには画鋲、釘、ビスなどの取付け用治具を用いて所望物品を取付けることができない。
一方、近年、環境問題及び省資源の観点から、各種製品に対して、リサイクル性が求められるようになり、建築用材料においても、リサイクルが可能である必要があるが、鉄板を内蔵する有機材料は分別回収が困難な欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画鋲、釘、ビスなどのように針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品を容易に取付けることができ、該治具を取外した後でも刺孔が目立たず、マグネットなどの磁気吸着作用によっても容易に貼着できる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルが容易にできる化粧ボードを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい機能を有する化粧ボードを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡倍率の低い軽量板状体の少なくとも一方の面に、発泡倍率の高い軽量板状体を積層した複合軽量板状体の片面又は両面に、又は発泡倍率の低い軽量板状体の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む層を積層し、最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、該軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の発泡倍率の軽量板状体(B)を積層し、その上に磁性粉体を含む層を積層し、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード、
(2)軽量板状体(A)の一方の面に積層された軽量板状体(B)の面の上に、磁性粉体を含む層を積層し、最表面にシート状布材を積層して設けると共に、該軽量板状体(A)の他方の面に、接着剤層を介してプラスチックシートを設けてなる第1項記載の化粧ボード、
(3)磁性粉体が、鉄系磁性粉体である第1項又は第2項記載の化粧ボード、
(4)シート状布材が、織布、編布又は不織布である第1項、第2項又は第3項記載の化粧ボード、
(5)化粧ボードを構成する各層の有機材料が同一種類のものである第1項、第2項、第3項又は第4項記載の化粧ボード、
(6)発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む接着剤層を積層し、さらにその上の最表面にシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード、及び
(7)発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層を積層し、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧ボードは3態様よりなる。すなわち、第1態様は、発泡倍率の低い軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、発泡倍率の高い軽量板状体(B)を積層した複合軽量板状体の片面又は両面に、磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより得られる積層構造体である。第2態様は、軽量板状体は一層であって、発泡倍率の低い軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む接着剤層を積層し、その上の最表面にシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより得られる積層構造体である。第3態様は、軽量板状体は一層であって、発泡倍率の低い軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層して設けることにより得られる積層構造体である。
以下に、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの図面は本発明一態様を示すものであって、これにより、本発明はなんら限定されるものではない。
図1、図2及び図3は、それぞれ本発明の化粧ボードの異なる態様の例を示す断面図である。図1の化粧ボード10は、本発明の第1態様の1例を示すものであって、軽量板状体(A)1の両面に軽量板状体(B)2及び2’を積層し、それぞれの上に磁性粉体を含む層3及び3’を積層して、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4及び4’が設けられた構造を有している。図2の化粧ボード20は、本発明の第1態様の他の例を示すものであって、軽量板状体(A)1の一方の面に、軽量板状体(B)2を積層し、その上に磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有している。図3の化粧ボード30は、本発明の第2及び第3態様の例を示すものである。第2態様の図3の場合には、軽量板状体(A)1の一方の面の上に磁性粉体を含む接着剤層である磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面に、シボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有している1例を示している。第3態様の図3場合には、軽量板状体(A)1の一方の面の上に熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面に、シート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4及び4’が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有している1例を示している。
【0006】
まず、本発明第1態様化粧ボードについてさらに詳細に説明する。
本発明化粧ボードに用いる軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、化粧ボードとしての機械特性を有し、かつ画鋲、釘、ビスで所望物品を取付け得るものであればよく、その材質については特に制限されず、例えばプラスチック系、木質系、紙系など、様々な板状体を用いることができる。このような板状体の具体例としては、プラスチック発泡体シート、プラスチックダンボール、コルク、紙ダンボールなどが挙げられるが、これらの中で、特にプラスチック発泡体シートが好ましい。
本発明化粧ボードに用いる互いに発泡倍率の異なる軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、互いに同種の材料であってもよく、また、異種材料であってもよいが、リサイクルの容易さなどを考慮すると、互いに同種の材料であるものが好ましい。
本発明化粧ボードの基材を形成する軽量板状体(A)は、画鋲、釘、ビスなどのように針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品を取付ける場合に、該治具の先端部を保持固定する機能を有する部分であって、差込が容易であるとともに、該治具が簡単に脱落しないものでなければならない。化粧ボードの用途に応じて、発泡倍率2〜60のものから選択することができる。発泡倍率が2未満では硬過ぎて該治具の先端部の差込に抵抗感が大きい。60を超えると柔らか過ぎ該治具の先端部を保持固定が困難になる。
好ましくは10〜50のものを使用することができる。厚さは製品化粧ボードに要求される性能に応じて自由に選択することができる。5〜30mmのものを好適に使用することができる。
【0007】
本発明化粧ボードに用いる軽量板状体(B)は、軽量板状体(A)と一体化して、取付け治具の先端部を保持固定する機能を有するとともに、軽量板状体(A)より発泡倍率が高いことにより、該治具差込に際して緩衝作用を有し、該治具のぐらつきを防ぎ、その弾力性によって針状先端を有する取付け治具撤去後の刺孔痕が復元縮小し目立たなくなる効果を有する。本発明化粧ボードに要求される性能に応じて、軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の範囲のものから選択して使用することができる。軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1倍未満では軽量板状体(A)と差異がなく、2.5倍を超えると柔らか過ぎて繰り返し差込によって変形する。好ましくは1.3〜2.0のものを使用することができる。厚さは製品化粧ボードに要求される性能に応じて自由に選択することができる。1〜5mmのものを好適に使用することができる。
本発明化粧ボードに用いる軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、化粧ボードの基材としての特性を有するものであれば、特に制限することなく公知のものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン系発泡体シート、ポリ塩化ビニル系発泡体シート、非晶性ポリエステル系発泡体シート、ポリウレタン系発泡体シートなどを使用することができる。リサイクル性などを考慮すると、軽量板状体(A)及び軽量板状体(B)は、互いに同種類のポリオレフィン系発泡体シート又は非晶性ポリエステル系発泡体シートが好ましく用いられる。これらの発泡体シートの作製方法としては、特に制限はなく、押出発泡成形、射出発泡成形、発泡粒子を用いる金型発泡成形、注入発泡成形などの中から、それぞれの材質に応じて適宜選択すればよい。
【0008】
前記ポリオレフィン系発泡体シートに素材として用いられるポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、スチレンなどのα−オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体などのポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレンなどを挙げることができる。
上記ポリプロピレン類の中では結晶性のポリプロピレン系樹脂を好適に使用することができ、この結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
このポリオレフィン系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、再生品も用いることができるが、化粧ボードの用途に応じて適宜選択して用いるのが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の中では、特にポリエチレン系、ポリプロピレン系又はポリスチレン系樹脂が好適である。
また、ポリ塩化ビニル系発泡体シートの素材としては、軟質塩化ビニル系樹脂が好ましく用いられる。
【0009】
この軟質塩化ビニル系樹脂における塩化ビニル系樹脂としては、例えば数平均重合度が約800〜2500のポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体(例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体など)、あるいはこれらのポリ塩化ビニル又は塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド品などが挙げられる。前記のポリ塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする共重合体は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法など常用のいかなる製造法によって得られたものでもよい。これら塩化ビニル系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また再生品を用いることができる。
軟質塩化ビニル系樹脂は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、20〜50重量部程度の可塑剤を配合することにより、調製することができる。
上記可塑剤としては、例えばジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;その他リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、エポキシ化大豆油等が包含され、中でもジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、エポキシ化大豆油が適している。
【0010】
一方、非晶性ポリエステル系発泡体シートに素材として用いられる非晶性ポリエステル系樹脂は、加熱処理を行っても結晶化による物性の変化を起こすことがなく、結晶性を有しないポリエステル樹脂である。このような非晶性ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸などをジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどをグリコール成分とする共重合ポリエステル樹脂を挙げることができる。これらの中で、テレフタル酸をジカルボン酸成分とし、エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールをグリコール成分とする共重合ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。これらの非晶性ポリエステル系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また再生品も用いることができる。
【0011】
また、ポリウレタン系発泡体シートに素材として用いられるポリウレタン樹脂は、本発明化粧ボードに用いる軽量板状体製造に適したものであれば、特に制限することなく公知のものを使用することができる。
例えば、イソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のジイソシアネート又はポリイソシアネートを単独又は、これらの変性体として、もしくはこれらを共用して使用することができる。ポリメリックMDIを特に好適に使用することができる。
また、ポリオール成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンポリオール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール類、ポリカードネートポリオール、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレートなどのポリエステルポリオール類等を単独又は、これらの変性体として、もしくはこれらを共用して使用することができる。ポリエーテルポリオール類を特に好適に使用することができる。
イソシアネート成分及びポリオール成分の他に、発泡剤、架橋剤、触媒、補助添加剤等公知のポリウレタン樹脂製造原材料等を使用することができる。
【0012】
本発明において、ポリオレフィン系発泡体シート、ポリ塩化ビニル系発泡体シート、非晶性ポリエステル系発泡体シート又はポリウレタン系発泡体シートを作製するには、まず、それぞれ前記のポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂又はポリウレタン樹脂に、所定の発泡倍率になる量の発泡剤を添加し、所望により、各種添加成分、例えば無機フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、各樹脂発泡原料組成物を調製することができる。
次に、この各樹脂発泡原料組成物を用い、それぞれの樹脂の種類に応じた発泡成形法を用い、発泡成形することにより、所望の発泡体シートを得ることができる。ポリウレタン系発泡体シートは、イソシアネート成分、ポリオール成分、所定の発泡倍率になる量の発泡剤成分を含むポリウレタン発泡樹脂原料組成物を調製し、これを混合してポリウレタン系発泡体を作製することができ、これをスライスすることによってポリウレタン系発泡体シートを作製することができる。
【0013】
本発明化粧ボードを構成する各積層体の接着は、接着剤又は熱融着により行うことができる。この目的を達成できるものであれば、特に制限はなく、公知の接着剤又は熱融着を使用することができるが、画鋲、釘、ビスなどが容易に取付けられるように、可撓性、柔軟性を有するものが好ましい。このような接着剤としては例えば塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、天然又は合成ゴム、ポリエチレン/ゴム混合物などを主成分とする公知の接着剤、又は、ホットメルト系接着剤の中から、適宜選択して用いることができる。
本発明化粧ボードに用いる各積層部分の接合に際して、接着剤との密着性を向上させるために、各積層体表面にプライマー層を設けることができる。このプライマー層としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂やオレフィン系樹脂又はそれらの混合物、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂などを溶剤に溶かしたもの、又はこれらの樹脂を微粉砕し、界面活性剤などの添加によりエマルジョン化した塗工液を塗工し、乾燥させて、厚さ1〜5μm程度のプライマー層を設けることができる。なお、基材として、スキン層を有しないプラスチック発泡体シート(表面をスライスし、スキン層を取除いたもの)を用いる場合には、前記のプライマー層を設けなくとも、十分な密着性を得ることができるので、本発明で用いる軽量板状体として特に好適に使用することができる。
【0014】
本発明化粧ボードに用いる磁性粉体としては、鉄粉体や酸化鉄粉体などの鉄系磁性粉体、あるいはバリウムフェライトやストロンチウムフェライトなどのフェライト系粉体、Sm−Co合金、Ce−Co合金などの希土類系合金粉体などが挙げられるが、これらの中で経済性などの点から鉄系磁性粉体が好適である。この磁性粉体の平均粒径は、通常1〜100μmの範囲であるものを使用することができる。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層は、磁性粉体を均一に分散保持し得る材質であれば特に制限することなく材料を選択することができる。例えば合成樹脂系、木質系、紙系、ゴム系などの材質の材料を用いることができる。これらの中で、特に合成樹脂系が好ましい。例えば塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、天然又は合成ゴム、ポリエチレン/ゴム混合物などを主成分とする公知の接着剤用樹脂、又は、ホットメルト系接着剤用樹脂等を使用することができる。特にホットメルト系接着剤用樹脂のような熱融着性接着剤を好適に使用することができる。磁性粉体とともに熱融着性樹脂を含有する磁性粉体を含む層は、隣接する他の層と熱融着によって接着することができる。熱融着性でない材質のものを磁性粉体とともに含有する磁性粉体を含む層の場合は、隣接する他の層とは接着剤によって接着することができる。ここで用いる接着剤は、前述の各積層体の接合に用いる接着剤について説明したものと同じものを挙げることができる。本発明の化粧ボードを構成する各積層体の接合に使用する接着剤の中から選択して使用することができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を好適に使用することができる。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層に用いる磁性粉体と樹脂分との含有割合は、重量比で、通常90:10ないし65:35の範囲で選定される。磁性粉体が重量比で65より少ないと、取付け用治具としてマグネットを用いる場合に、所望物品の化粧ボードへの取付け性が不十分となるおそれがあり、90より多いと画鋲、釘、ビスなどのように針状先端を有する取付け用治具を用いて、所望物品取付けに際して貫通抵抗が大きく機能が十分に発揮されにくい。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層に用いる磁性粉体と樹脂分との混合は、例えば、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなど使用することができる。混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練することにより、磁性粉体を含む層を形成するシート用成形材料を調製することができる。この成形材料を、公知の方法、例えばキャスト成形、押出しシート成形、カレンダー成形などの方法によって成形し、磁性粉体を含む層を形成するシートを作製することができる。
本発明化粧ボードの磁性粉体を含む層に用いる磁性粉体を含む層の厚さは、通常0.5〜2.0mmの範囲で選定される。
【0015】
本発明化粧ボードに用いるシート状布材としては、織布、編布又は不織布を用いることができる。このシート状布材の素材としては特に制限はなく、例えば木綿、ジュート、セルロース繊維、レーヨン繊維などの天然繊維や半合成繊維;ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維などの合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、各種の金属繊維、各種のセラミック繊維などの無機繊維;あるいはこれらの混紡繊維などを挙げることができるが、これらの中で、リサイクル性などの点から合成繊維が好適である。
本発明化粧ボードに用いるシート状布材の厚さとしては特に制限はないが、有機繊維からなるものである場合、通常25〜150g/m2、好ましくは50〜100g/m2の範囲である。
本発明化粧ボードに用いるシート状布材は、磁性粉体含有層と積層して、接着剤又は熱融着法により化粧ボードの最表面に設けることができる。
【0016】
本発明化粧ボードに用いるシボ付きプラスチックフィルムは、化粧ボードの表面材としての特性を有するものであれば、透明であってもよく、着色したもの又は印刷や模様をつけたものであってもよい。同種又は異種フィルムを積層したものも使用することができる。シボ付きであることによって、表面の光反射を多方向化し、滑り止め効果があり、刺孔を目立たなくすることができる。
本発明化粧ボードに用いるシボ付きプラスチックフィルムの素材樹脂は、特に制限することなく公知のものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系発樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂などを使用することができる。上記プラスチックフィルムの素材樹脂には、所望により、各種添加成分、例えば無機フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜配合することができる。リサイクル性などを考慮すると、軽量板状体(A)又は軽量板状体(B)と同種類の樹脂が望ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に使用することができる。これらのプラスチックフィルムの作製方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。ブロー成形、インフレーション成形、カレンダー成形などの中から、それぞれの材質に応じて適宜選択すればよい。
本発明化粧ボードに用いるシボ付きプラスチックフィルムは、公知の方法を使用して製作することができる。真空プレス法、連続プレス法、ベルト法などを使用して成形することができる。現在多用されているのは、基本的には、プラスチックフィルムをシボ付きロールに通してシボ型を押捺することによって転写する方法であるが、需要の多様化にともなって、改良された種々の成形方法が提供されつつある。最近の技術としては、例えば、マイクロエンボスパターンの転写を正確に行うことができ、マイクロエンボスシートをマイクロエンボスロールから容易に引き剥がすことのできる方法を使用することができる。また、厚み精度が高く且つ熱収縮の低いエンボスシートを製造する方法も使用することができる。シボはエンボスとも呼ばれる。
【0017】
本発明化粧ボードにおいては、基材である複合軽量板状体の片面に、磁性粉体を含む層を積層し、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを設けた場合、他方の面に、補強などの目的で、接着剤層を介してプラスチックシートを設けることができる。
前記プラスチックシートしては、特に制限はなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリ塩化ビニル系樹脂シート、非晶性ポリエステル系樹脂シート、ガラス繊維補強ポリエステル樹脂シートなどを使用することができる。これらのプラスチックシートの素材として、それぞれ用いられるポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂及び非晶性ポリエステル系樹脂としては、前述の基材である軽量板状体の素材について説明したものと同じものを挙げることができる。リサイクル性を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂シート又は非晶性ポリエステル系樹脂シートが好ましく用いられる。
【0018】
また、このプラスチックシートには、無機フィラー20〜85重量%を含有させることができる。この含有量が20重量%未満では切削加工性や剛性などが不十分となるおそれがあるし、85重量%を超えるとシート成形性及び耐衝撃性が低下する上、重量が重くなり、好ましくない。好ましい無機フィラーの含有量は30〜75重量%の範囲である。ここで、無機フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、シリカ、パーライト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの無機フィラーの中で、切削性及び経済性などの点から、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが好ましく、特に炭酸カルシウムが好適である。この炭酸カルシウムとしては特に制限はなく、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど、いずれも用いることができる。この炭酸カルシウムの平均粒径は、通常0.05〜200μm、好ましくは0.5〜20μmの範囲である。
該プラスチックシートには、所望により、各種添加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜含有させることができる。
該プラスチックシートを作製するには、例えば、まず、前述したポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂又は非晶性ポリエステル系樹脂それぞれに、所望により無機フィラー及び各種添加成分とを配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、シート用成形材料を調製する。次いで、この成形材料を、公知の方法、例えばキャスト成形、押出しシート成形、カレンダー成形などの方法によって成形し、シートを作製することができる。なお、押出機中でこの成形材料を発泡させ、適当な発泡倍率を有する発泡シートを作製してもよい。
このプラスチックシートの厚さは、通常1〜5mm程度である。
【0019】
本発明においては、このようにして得られたプラスチックシートの少なくとも片面に、その上に設けられる接着剤層との密着性を向上させる目的で、所望により、該シートに酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、シートの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が、効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
本発明においては、基材である軽量板状体と、このプラスチックシートとの間に介在させる接着剤層を構成する接着剤としては、前述の各積層体の接合に用いる接着剤について説明したものと同じものを挙げることができる。該接着剤層の厚さは、通常1〜20μm程度である。
【0020】
以下に、本発明第2態様化粧ボードについてさらに詳細に説明する。図3の化粧ボード30は、本発明の第2態様の1例を示すものであって、軽量板状体(A)1の一方の面の上に磁性粉体を含む接着剤層である磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面にシボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有しているものを図示している。本発明第2態様化粧ボードは、本発明第1態様化粧ボードを構成する要素の内から軽量板状体(B)を除き、磁性粉体を含む層3が磁性粉体を含む接着剤層であること、且つ、最表面にはシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることによって構成される。本発明化粧ボードの第2態様の、軽量板状体(A)の面上に直接積層する場合の磁性粉体を含む接着剤層は、磁性粉体とともに熱融着性樹脂を含有することができ、隣接する他の層と熱融着によって接着することができる。該接着剤層に用いる樹脂は、例えば塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、天然又は合成ゴム、ポリエチレン/ゴム混合物などを主成分とする公知の接着剤用樹脂、又は、ホットメルト系接着剤用樹脂等を使用することができる。特にホットメルト系接着剤用樹脂のような熱融着性接着剤を好適に使用することができる。
本発明第1態様化粧ボードについての記述は、軽量板状体(B)を除き、磁性粉体を含む層3が磁性粉体を含む接着剤層であること、且つ、最表面にはシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることに置き換えて、本発明第2態様化粧ボードについての記述とすることができる。
【0021】
以下に、本発明第3態様化粧ボードについてさらに詳細に説明する。図3の化粧ボード30は、本発明の第3態様の1例を示すものであって、軽量板状体(A)1の一方の面の上に熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層して、その上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム4が設けられていると共に、該軽量板状体(A)1の他方の面に、接着剤層5を介してプラスチックシート6が設けられた構造を有しているものを図示している。本発明第3態様化粧ボードは、本発明第1態様化粧ボードを構成する要素の内から軽量板状体(B)を除き、且つ、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層してなることによって構成される。本発明化粧ボードの第3態様の、軽量板状体(A)の面上に直接積層する場合の熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層は、熱融着性接着剤以外の接着剤又は非接着性樹脂を含有することができ、隣接する他の層とは接着剤によって接着することができる。ここで用いる接着剤は、本発明の化粧ボードを構成する各積層体の接合に使用する接着剤の中から選択して使用することができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を好適に使用することができる。本発明第1態様化粧ボードについての記述は、軽量板状体(B)を除き、且つ、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層3を積層してなることに置き換えて、本発明第3態様化粧ボードについての記述とすることができる。
本発明第1、第2及び第3態様化粧ボードにおいては、リサイクル性の点から、各層の有機材料が同一種類であるものが、特に好適である。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
1)ポリプロピレン樹脂シートの作製
ホモポリプロピレン(重量平均分子量約32万、MI3.1g/10分)45重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粉末55重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.2重量部をドライブレンドしたのち、二軸混練機にて溶融混練し、押出しシート成形により、厚さ3.0mmのポリプロピレン樹脂シートを作製した。次に、このシートの片面に常法に従って、コロナ放電処理を施した。
2)ホットメルト接着剤配合磁性粉含有物の調製
ポリエチレンとゴム[出光ディーテスエム(株)製、商品名:ケルタン]との重量比1:1の混合物からなるホットメルト接着剤を得たのち、この接着剤20重量部に200メッシュ篩通過の鉄粉80重量部を配合して、ホットメルト接着剤配合磁性粉含有物を調製した。
3)化粧ボードの作製
3)−1:シート状布材(ポリプロピレン織布)積層化粧ボード
基材として、軽量板状体(A)は、ポリプロピレン樹脂発泡体[(株)JSP製、商品名:ピーブロック](発泡倍率30倍、嵩密度0.03g/cm3)をスライスし、スキン層のない厚さ15mmの発泡体シートを作製した。
軽量板状体(B)は、ポリプロピレン樹脂発泡体[(株)JSP製、商品名:ピーブロック](発泡倍率50倍、嵩密度0.018g/cm3)をスライスし、スキン層のない厚さ2mmの発泡体シートを作製した。
ポリプロピレン樹脂シート/接着剤層/軽量板状体(A)/接着剤層/軽量板状体(B)/接着剤層/鉄粉含有層/接着剤層/ポリプロピレン織布の構成になるように各積層体材料を重ね、これをプレス機にて成形することにより、目的の化粧ボードを得た。各接着剤層とも同種のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂接着剤を使用した。
なお、ポリプロピレン織布の厚さは100g/m2であり、接着剤層の厚さは15μm、鉄粉含有層の厚さは2mmであった。
3)−2:シボ付きプラスチックフィルム積層化粧ボード
3)−1:シート状布材(ポリプロピレン織布)積層化粧ボードにおいて、ポリプロピレン織布の代わりに、シボ付きプラスチックフィルムを使用した。該シボ付きプラスチックフィルムは、メルトインデックス(MI)35、ビカット軟化点66℃、融点90℃、酢酸ビニル含有量14%のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂[三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名:エバフレックスP−1405]を押出機で押出してシートを作製し、このシートをエンボスパターンの型を有するロールとエンボスパターンのないロール同士で挟んでプレスすることによりエンボスパターンの型をシートに転写させて作製した。該シボ付きプラスチックフィルムを積層したこと以外は、3)−1と同様の方法を用いてシボ付きプラスチックフィルムを積層した化粧ボードを作製した。
【0023】
4)化粧ボードの評価
3)−1:シート状布材(ポリプロピレン織布)積層化粧ボード
化粧ボードのポリプロピレン織布側から、画鋲を突き刺したところ、容易に突き刺すことができた。また、この突き刺した画鋲を取り除いたあとには、何も痕跡が残らず、極めて良好な外観を保持することができた。
さらに、該化粧ボードを垂直に立て、ポリプロピレン織布側に、長さ25mm、幅25mmのマグネットを用い、坪量65g/m2で、重さが45gの紙を押止したところ、落下することなく、該化粧ボードに取付けることができた。
3)−2:シボ付きプラスチックフィルム積層化粧ボード
化粧ボードのシボ付きプラスチックフィルム側から、画鋲を突き刺したところ、容易に突き刺すことができた。また、この突き刺した画鋲を取り除いたあとには、何も痕跡が残らず、極めて良好な外観を保持することができた。
さらに、該化粧ボードを垂直に立て、シボ付きプラスチックフィルム側に、長さ25mm、幅25mmのマグネットを用い、坪量65g/m2で、重さが45gの紙を押止したところ、落下することなく、該化粧ボードに取付けることができた。
【0024】
比較例1
実施例1において、ポリプロピレン織布の代わりに、厚さ80μmの未延伸ポリプロピレンフィルム[東セロ(株)製、商品名:RXC−3]を用い、軽量板状体(B)を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂シート/接着剤層/軽量板状体(A)/接着剤層/鉄粉含有層/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの構成を有する化粧ボードを作製した。
この化粧ボードの未延伸ポリプロピレンフィルム側に画鋲を突き刺したところ、容易に突き刺すことができた。しかし、この突き刺した画鋲を取り除いたあとには、画鋲による小さな穴の形成が認められた。
また、マグネットを用いたテストでは、実施例1と同様な結果が得られた。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、画鋲、釘、ビスあるいはマグネットなどの取付け用治具を用いて、所望物品を容易に取付け得ると共に、該治具を取外した後でも良好な外観を保持することができる上、制振性、遮音性も良好で、かつリサイクルを可能とし得る化粧ボードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の化粧ボードの構成の1例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の化粧ボードの構成の異なる例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の化粧ボードの構成の異なる例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軽量板状体(A)
2、2’ 軽量板状体(B)
3、3’ 磁性粉体を含む層
4、4’ シート状布材又はシボ付きプラスチックフィルム
5 接着剤層
6 プラスチックシート
10、20、30 化粧ボード
Claims (7)
- 発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、該軽量板状体(A)の発泡倍率の1.1〜2.5倍の発泡倍率の軽量板状体(B)を積層し、その上に磁性粉体を含む層を積層し、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード。
- 軽量板状体(A)の一方の面に積層された軽量板状体(B)の面の上に、磁性粉体を含む層を積層し、最表面にシート状布材を積層して設けると共に、該軽量板状体(A)の他方の面に、接着剤層を介してプラスチックシートを設けてなる請求項1記載の化粧ボード。
- 磁性粉体が、鉄系磁性粉体である請求項1又は2記載の化粧ボード。
- シート状布材が、織布、編布又は不織布である請求項1、2又は3記載の化粧ボード。
- 化粧ボードを構成する各層の有機材料が同一種類のものである請求項1、2、3又は4記載の化粧ボード。
- 発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、磁性粉体を含む接着剤層を積層し、さらにその上の最表面にシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード。
- 発泡倍率2〜60の軽量板状体(A)の少なくとも一方の面に、熱融着性接着剤層以外の磁性粉体を含む層を積層し、さらにその上の最表面にシート状布材又はシボ付きプラスチックフィルムを積層してなることを特徴とする化粧ボード。
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WO2019039360A1 (ja) * | 2017-08-25 | 2019-02-28 | キョーラク株式会社 | 構造体、車両用構造体及び車両用空調ダクト |
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