JP2004113100A - 農作物の霜除け - Google Patents
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Abstract
【課題】水を吸収せず、通気性、透光性、通水性が高い合成樹脂の長繊維不織布で農作物を覆う農作物の霜除けについて、比較的短い直線的な棒材だけで、簡単容易に霜除けを安定的に布設できるようにその支持構造を工夫すること。
【解決手段】
縦の棒材の上端に横棒を固定したT形支持棒を地面に刺し込んで固定して、所定の区画を上記支持棒で囲い、霜除けの長手方向に向けられた上記横棒上に霜除シートを張り、スナップ固定具を上記横棒に嵌着させ、スナップ固定具と上記横棒との間に霜除シートを挟持させて霜除シートを上記横棒に固定したこと。
【選択図】 図1
【解決手段】
縦の棒材の上端に横棒を固定したT形支持棒を地面に刺し込んで固定して、所定の区画を上記支持棒で囲い、霜除けの長手方向に向けられた上記横棒上に霜除シートを張り、スナップ固定具を上記横棒に嵌着させ、スナップ固定具と上記横棒との間に霜除シートを挟持させて霜除シートを上記横棒に固定したこと。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、農作物の霜除シートの布設に関するものであり、複数の畝を跨いで覆う霜除シートの布設作業、除去作業を一人で簡単容易に行うことができ、かつその収納を簡便にすることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の農作物の霜害防止は収穫物の品質向上、収量向上のために重要なことであり、例えば茶畑では大型扇風機で空気を撹拌して降霜を防止する方法が取られ、また、煙を拡散させて降霜を防止する方法も採られている。これらの方法は圃場全体について、広範囲に一括して降霜を防止するものである。これに対して、降霜を防止するのではなく、霜除けで作物を覆って霜が作物に降ることを防止する方法が採られるようになっている。
他方、自然育成では春先に出荷される農作物は霜に強いので霜害を受けることはないが、例えばじゃがいもを3〜5月の間に出荷する場合のように、季節外れの春先に出荷する場合、その作物は霜に弱くて霜害を受ける。それにも関わらず、早期に植え付けなければならない場合は、霜害を確実に回避するために霜除けで覆う必要がある。
【0003】
霜除けに用いるシート(以下これを「霜除シート」という)は公知のものであり、水を吸収せず、通気性、通水性、透光性に富んだ、合成樹脂の長繊維不織布であり、霜除けの他に虫除け等の様々な目的に使用されているものである。その一例が特許第2632978号明細書に記載されている。
この霜除シートの最も単純な布設法は、霜除シートを直接地面に張って、地面に固定する、「ばたかけ」といわれる方法である。しかし、この場合は、霜除シートが作物に触れるので霜害を受ける恐れがあり、また雪が積ると、作物が雪で押しつぶされることになる。このため、この霜除シートを複数の畝を跨いでほぼ70cmの高さ(霜除シートが作物に触れない程度の高さ)で布設する方法が普及しつつある。
【0004】
ところで、空間を介して作物をシート材で覆う従来の施設として、ビニールトンネル、ビニールハウスなどがある。これらは頑丈なハウス形、トンネル形に支持構造物を構築して、これにビニールシートを張って、保温空間を形成するものである。
他方、従来の霜除けは、ビニールトンネルと同様に逆U形材を一定の間隔で立て、この上に霜除シートを張り、煽られないように固定するのが一般的であり、このため、少なくとも二人掛りで逆U形の支持材を立てて、上記支持構造物を構築しなければならず、また、これを撤去する場合、逆U形の支持材は大きな部材であるのでその取扱い、収納が容易でなく、さらに、材料は高価である。
そして、空間を介して霜除シートを布設する霜除けについては、保温を目的とするものではないので、その支持構造をできるだけ簡便にして、低コスト化を図ることが強く求められ、また、その布設作業、撤去作業を一人で簡単、容易に行えるようにすることが、現実の問題として強く求められている。
【0005】
【解決しようとする課題】
この発明は、上記の要請に応えることを目的とするものであり、比較的短い直線的な棒材だけで、簡単容易に霜除けを安定的に布設できるように、その支持構造を工夫することをその課題とするものである。
【0006】
【課題解決のための手段】
この発明による霜除けは、縦の棒材の上端に横棒を固定したT形支持棒を地面に刺し込んで固定して、所定の区画を上記支持棒で囲い、霜除けの長手方向に向けられた上記横棒上に霜除シートを張り、スナップ固定具を上記横棒に嵌着させ、スナップ固定具と上記横棒との間に霜除シートを挟持させて霜除シートを上記横棒に固定したものである。
なお、上記の「スナップ固定具」は、横棒の断面形状に弾力的に嵌め合わされて固定される固定具であり、特定の形状、構造を有することに限られるものではない。
【0007】
【作用】
所定の区画を囲うように立てられた支持棒に霜除シートの周辺が固定される。このとき、支持棒の上端は横棒になっているので、霜除シートは比較的長い範囲でこれに固定されて支持される。他方、霜除シートは水を吸収せず、軽量で、引っ張り強度が比較的高いので、上記の横棒による支持でも霜除シートが破損することはない。また、霜除シートは引っ張り強度が比較的高いので、支持棒上端をアンカーロープなどで引っ張って霜除シートにある程度の張力を加えて、その安定性を高くすることができる。したがって、上記支持棒による簡便な支持機構で、布設された霜除けは比較的安定する。
【0008】
また、霜除シートは通気性に富むので、風圧の影響が小さく、煽られることもないので、風に煽られて上記支持棒が倒れることはなく、また、スナップ固定具と上記横棒との嵌着はさほど強固でなくても、霜除シートが煽られてスナップ固定具が上記横棒から外れることはなく、したがって、霜除シートが上記横棒から外れることはない。
さらに、霜除シートは通水性が高く、水を吸収しないので、雨水を吸って重くなることはなく、したがって、霜除シートにかかる重さで上記支持棒が倒れることはない。
なお、特に風の強い立地では、霜除シートの縁を支持棒上端から地面まで垂らし、その端を金具などで軽く押さえることで、十分風圧に耐えることができる。したがって、上記支持棒による霜除けは、倒れることなく長期間安定的に保持される。
【0009】
そして、支持棒は比較的短い棒材であるから、これを一定間隔で地面に刺し込んで固定する作業は一人で行え、また、霜除シートを支持棒の上に広げる作業も一人で行うことができ、さらに、スナップ固定具の上記横棒への装着は、単なる嵌め込み作業であるから、極めて単純で、かつ容易である。
したがって、霜除けの布設作業を一人で容易に行うことができる。
他方、スナップ固定具は上記横棒に対してスナップ係合しているので、簡単に横棒から外すことができ、支持棒の撤去作業も一人で容易に行える。
さらに、上記支持棒は比較的短いT形棒材であるから、その取扱いは容易であり、その収納作業も簡単、容易である。
【0010】
なお、この発明は、上記横棒と固定具との間に霜除シートを挟んだ状態で、固定具を横棒にスナップ係合させるものであるが、横棒と固定具とを磁性体にして、横棒の上面と固定具の下面とを磁力で吸着させた結合機構にすることもできる。この場合は、横棒、固定具の板材として、平板、断面円弧状の板、波板など様々な断面形状のものを使用することができ、また、構造も単純になるという利点がある。ただし、霜除シートを挟んだ状態で横棒と固定具とを磁力で固定するものであるから、そのための磁力を十分に強いものにする必要がある。
【0011】
【実施の形態】
次いで図面を参照して実施例を説明する。
この実施の形態は圃場の5畝を一枚の霜除シート3(幅5m)で覆う霜除けである。この例における霜除シートとしては、ユニチカ株式会社製の商品名「パスライト」、あるいは当業界で「パオパオ」と通称されているシート材を使用することができる。なお、これらの霜除シートは、合成樹脂の長繊維不織布であって、引張り強度に優れ、破れにくく、また裂け目が広がることもないので、耐久性に優れている。
なお、1枚の霜除シート3の幅については、市販の所定幅のものを横に接合して、適宜の幅に調整することができる。
【0012】
【実施例1】
実施例1の支持棒1は、長さ1300mm、直径19mmのアルミパイプ材による縦材1aの上端に長さ140mm、直径19mmのアルミパイプ材による横棒1bを溶接して一体化したものである。縦棒1aと横棒1bとはねじ止め、ナット止め、かしめ等の別途の固定手段で一体化してもよいが、溶接によって一体化するのが、軽量化、製造コスト低減の面から最も好ましい。なお、ねじ止め、ナット止めなどにする場合は、これらの金具が横棒の上面に突出して、霜除シート3に直接触れることがないように構造を工夫することが必要である。
また、材質は他の金属でもよいが、硬質プラスチック材でもよい。要するに、取扱いを容易にするために、比較的硬質で軽量なものが望ましい。
【0013】
この例のスナップ固定具2は、長さ150mm、内径19mm、断面C形部材で構成されており、硬質プラスチック製であり、その側面中央に長い窓孔2cを設けて、中央部下端の拡開方向の弾性変形を容易にしている。また、断面C形の側壁の下端縁は、断面半円状のリップRになっていて、横材1bへの嵌着をスムーズにするとともに、横棒への引っ掛かりを強化しており、また、霜除シート3が上記下端縁のエッジによって損傷することがないようにしている。さらに、そのスナップ嵌合部の拡開方向への弾性を強化するために中央部外面に円周方向の2つのリブ2aを設けている。さらに、スナップ固定具2の両端部の下端内面が長手方向のテーパー面2bになっており(図3(b)参照)、これにより、スナップ固定具2を斜め上方に傾けた状態で一端を横棒1bに嵌め込み、その後、他端を押さえて全体を嵌め込むことによって、スナップ固定具2は容易に横棒1bに嵌着される。また、端部の横棒1bに対する引っ掛かりは弱いので、一端部を横棒1bから外し、当該端部を引き上げてスナップ固定具2を引き起こすことによって、スナップ固定具2は容易に横棒1bから外される。
【0014】
上記支持棒1を5m間隔で地面に30〜40cmほど刺し込んで固定する。このとき、横棒2は畝の長手方向に向けられる。ただし、この例では霜除シートの幅は5mであるから、支持棒は畝の長手方向に沿ってのみ配置されるが、例えば、幅5mの幅広のシートを用いる場合は、畝の端部にも必要に応じて支持棒を配置することができ、この場合は、その支持棒は横棒が畝に対して直角の方向に向けられることになる。
横棒1bの上に霜除シートの縁を載せて霜除シートを張り、その上からスナップ固定具2を横棒に嵌着させて、霜除シート3を横棒1bに固定する。スナップ固定具2の一方の端を軽く引き上げると、スナップ固定具2は横棒1bから容易に外される。
霜除けの安定性を向上させるために端の支持棒1をアンカーロープ4で長手方向に引っ張るとよい。
【0015】
また、横棒1bはパイプ材であるから、これにロープを通し、このロープをたすき掛けにして霜除シート3を下から支えさせることによって強風で霜除シート3がバタつくことを防ぐことができる。このように霜除シート3のバタつきを防ぐことにより、霜除シート3の安定性が向上するとともに、霜除シート3が農作物に触れてこれを損傷することが回避される。
【0016】
【実施例2】
実施例2の支持棒11は、縦棒の上端に横棒11bを溶接して一体化したものである。この横棒11bは断面C形の棒材を上向きにして縦材に固定したものである。横棒11bのC形溝に弾性線材で作られた瓢箪形のスナップ固定具12が弾性的に嵌着され、スナップ固定具12によって霜除シートの縁が横棒12に固定される。横材1bへのスナップ固定具12の嵌着をスムーズにするため、また、霜除シートがエッジに当たることがないように、断面C形の左右両側端の角を丸くしてある。
スナップ固定具12の一端の括れ部12aを摘んで、拡大部12bを狭めた状態でこれを横棒11bのC形溝に嵌めてから手を放すと、拡大部12bが拡開して、C形溝の縁に引っ掛かって嵌着される。再び、括れ部12aを摘んで、拡大部12bを狭めることによって、スナップ固定具12は横棒11bのC形溝から容易に外される。
【0017】
なお、霜除シート3の縁3aを地面まで引き下ろし、その上からU形の押さえ金を刺してその端部を地面に固定することもできる(図2参照)。このようにすることによって、霜除けは一層安定し、また、畝の側面が霜除けで覆われるので、作物への虫の侵入が防止される。
【0018】
【実施例3】
図5に示す実施例3は、縦棒21の上端に溶接して固定された横材22、固定具23を波板の磁性体とし、横材22、固定具23を磁力で吸着させて着脱自在に固定するものであり、横材22、固定具23の長さは100mm、幅が50mmであり、板厚は4mmである。この横材22、固定具23の間の磁力による吸着力はほぼ2kgである。なお、横材22、固定具23は全体が磁性体である必要はなく、部分的に磁化されたもの(例えば、磁性体を埋め込んだもの)でもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明の霜除けは、T形の支持棒を一定間隔で地面に刺し込んでこれを地面に立て、支持棒で囲われた1乃至複数の畝の上に霜除シートを張ってその両側縁を支持棒の横棒上に載せ、その上からスナップ固定具を横棒に嵌着して支持棒に固定することによって布設されるものであるから、霜除け付設作業を一人で簡単容易に、かつ能率的に行うことができ、また、その支持構造が極めて単純であるから、そのコストは低廉である。
さらに、霜除けの取外作業も簡単、容易であり、支持棒が直線的な単純な形状の棒材であるから、その取扱いが容易であり、またその撤去作業も、収納作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例全体の斜視図である。
【図2】は図1のA−A断面図である。
【図3】(a)は支持棒の実施例1の斜視図であり、(b)はスナップ固定具の裏面平面図であり、(c)は図(b)におけるX−X拡大断面図である。
【図4】(a)は支持棒の実施例2の断面図であり、(b)は当該実施例のスナップ固定具の平面図である。
【図5】は、支持棒の実施例3の斜視図である。
【符号の説明】
1,11:支持棒
1a,11a:縦棒
1b,11b:横棒
2:スナップ固定具
3:霜除シート
【産業上の利用分野】
この発明は、農作物の霜除シートの布設に関するものであり、複数の畝を跨いで覆う霜除シートの布設作業、除去作業を一人で簡単容易に行うことができ、かつその収納を簡便にすることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の農作物の霜害防止は収穫物の品質向上、収量向上のために重要なことであり、例えば茶畑では大型扇風機で空気を撹拌して降霜を防止する方法が取られ、また、煙を拡散させて降霜を防止する方法も採られている。これらの方法は圃場全体について、広範囲に一括して降霜を防止するものである。これに対して、降霜を防止するのではなく、霜除けで作物を覆って霜が作物に降ることを防止する方法が採られるようになっている。
他方、自然育成では春先に出荷される農作物は霜に強いので霜害を受けることはないが、例えばじゃがいもを3〜5月の間に出荷する場合のように、季節外れの春先に出荷する場合、その作物は霜に弱くて霜害を受ける。それにも関わらず、早期に植え付けなければならない場合は、霜害を確実に回避するために霜除けで覆う必要がある。
【0003】
霜除けに用いるシート(以下これを「霜除シート」という)は公知のものであり、水を吸収せず、通気性、通水性、透光性に富んだ、合成樹脂の長繊維不織布であり、霜除けの他に虫除け等の様々な目的に使用されているものである。その一例が特許第2632978号明細書に記載されている。
この霜除シートの最も単純な布設法は、霜除シートを直接地面に張って、地面に固定する、「ばたかけ」といわれる方法である。しかし、この場合は、霜除シートが作物に触れるので霜害を受ける恐れがあり、また雪が積ると、作物が雪で押しつぶされることになる。このため、この霜除シートを複数の畝を跨いでほぼ70cmの高さ(霜除シートが作物に触れない程度の高さ)で布設する方法が普及しつつある。
【0004】
ところで、空間を介して作物をシート材で覆う従来の施設として、ビニールトンネル、ビニールハウスなどがある。これらは頑丈なハウス形、トンネル形に支持構造物を構築して、これにビニールシートを張って、保温空間を形成するものである。
他方、従来の霜除けは、ビニールトンネルと同様に逆U形材を一定の間隔で立て、この上に霜除シートを張り、煽られないように固定するのが一般的であり、このため、少なくとも二人掛りで逆U形の支持材を立てて、上記支持構造物を構築しなければならず、また、これを撤去する場合、逆U形の支持材は大きな部材であるのでその取扱い、収納が容易でなく、さらに、材料は高価である。
そして、空間を介して霜除シートを布設する霜除けについては、保温を目的とするものではないので、その支持構造をできるだけ簡便にして、低コスト化を図ることが強く求められ、また、その布設作業、撤去作業を一人で簡単、容易に行えるようにすることが、現実の問題として強く求められている。
【0005】
【解決しようとする課題】
この発明は、上記の要請に応えることを目的とするものであり、比較的短い直線的な棒材だけで、簡単容易に霜除けを安定的に布設できるように、その支持構造を工夫することをその課題とするものである。
【0006】
【課題解決のための手段】
この発明による霜除けは、縦の棒材の上端に横棒を固定したT形支持棒を地面に刺し込んで固定して、所定の区画を上記支持棒で囲い、霜除けの長手方向に向けられた上記横棒上に霜除シートを張り、スナップ固定具を上記横棒に嵌着させ、スナップ固定具と上記横棒との間に霜除シートを挟持させて霜除シートを上記横棒に固定したものである。
なお、上記の「スナップ固定具」は、横棒の断面形状に弾力的に嵌め合わされて固定される固定具であり、特定の形状、構造を有することに限られるものではない。
【0007】
【作用】
所定の区画を囲うように立てられた支持棒に霜除シートの周辺が固定される。このとき、支持棒の上端は横棒になっているので、霜除シートは比較的長い範囲でこれに固定されて支持される。他方、霜除シートは水を吸収せず、軽量で、引っ張り強度が比較的高いので、上記の横棒による支持でも霜除シートが破損することはない。また、霜除シートは引っ張り強度が比較的高いので、支持棒上端をアンカーロープなどで引っ張って霜除シートにある程度の張力を加えて、その安定性を高くすることができる。したがって、上記支持棒による簡便な支持機構で、布設された霜除けは比較的安定する。
【0008】
また、霜除シートは通気性に富むので、風圧の影響が小さく、煽られることもないので、風に煽られて上記支持棒が倒れることはなく、また、スナップ固定具と上記横棒との嵌着はさほど強固でなくても、霜除シートが煽られてスナップ固定具が上記横棒から外れることはなく、したがって、霜除シートが上記横棒から外れることはない。
さらに、霜除シートは通水性が高く、水を吸収しないので、雨水を吸って重くなることはなく、したがって、霜除シートにかかる重さで上記支持棒が倒れることはない。
なお、特に風の強い立地では、霜除シートの縁を支持棒上端から地面まで垂らし、その端を金具などで軽く押さえることで、十分風圧に耐えることができる。したがって、上記支持棒による霜除けは、倒れることなく長期間安定的に保持される。
【0009】
そして、支持棒は比較的短い棒材であるから、これを一定間隔で地面に刺し込んで固定する作業は一人で行え、また、霜除シートを支持棒の上に広げる作業も一人で行うことができ、さらに、スナップ固定具の上記横棒への装着は、単なる嵌め込み作業であるから、極めて単純で、かつ容易である。
したがって、霜除けの布設作業を一人で容易に行うことができる。
他方、スナップ固定具は上記横棒に対してスナップ係合しているので、簡単に横棒から外すことができ、支持棒の撤去作業も一人で容易に行える。
さらに、上記支持棒は比較的短いT形棒材であるから、その取扱いは容易であり、その収納作業も簡単、容易である。
【0010】
なお、この発明は、上記横棒と固定具との間に霜除シートを挟んだ状態で、固定具を横棒にスナップ係合させるものであるが、横棒と固定具とを磁性体にして、横棒の上面と固定具の下面とを磁力で吸着させた結合機構にすることもできる。この場合は、横棒、固定具の板材として、平板、断面円弧状の板、波板など様々な断面形状のものを使用することができ、また、構造も単純になるという利点がある。ただし、霜除シートを挟んだ状態で横棒と固定具とを磁力で固定するものであるから、そのための磁力を十分に強いものにする必要がある。
【0011】
【実施の形態】
次いで図面を参照して実施例を説明する。
この実施の形態は圃場の5畝を一枚の霜除シート3(幅5m)で覆う霜除けである。この例における霜除シートとしては、ユニチカ株式会社製の商品名「パスライト」、あるいは当業界で「パオパオ」と通称されているシート材を使用することができる。なお、これらの霜除シートは、合成樹脂の長繊維不織布であって、引張り強度に優れ、破れにくく、また裂け目が広がることもないので、耐久性に優れている。
なお、1枚の霜除シート3の幅については、市販の所定幅のものを横に接合して、適宜の幅に調整することができる。
【0012】
【実施例1】
実施例1の支持棒1は、長さ1300mm、直径19mmのアルミパイプ材による縦材1aの上端に長さ140mm、直径19mmのアルミパイプ材による横棒1bを溶接して一体化したものである。縦棒1aと横棒1bとはねじ止め、ナット止め、かしめ等の別途の固定手段で一体化してもよいが、溶接によって一体化するのが、軽量化、製造コスト低減の面から最も好ましい。なお、ねじ止め、ナット止めなどにする場合は、これらの金具が横棒の上面に突出して、霜除シート3に直接触れることがないように構造を工夫することが必要である。
また、材質は他の金属でもよいが、硬質プラスチック材でもよい。要するに、取扱いを容易にするために、比較的硬質で軽量なものが望ましい。
【0013】
この例のスナップ固定具2は、長さ150mm、内径19mm、断面C形部材で構成されており、硬質プラスチック製であり、その側面中央に長い窓孔2cを設けて、中央部下端の拡開方向の弾性変形を容易にしている。また、断面C形の側壁の下端縁は、断面半円状のリップRになっていて、横材1bへの嵌着をスムーズにするとともに、横棒への引っ掛かりを強化しており、また、霜除シート3が上記下端縁のエッジによって損傷することがないようにしている。さらに、そのスナップ嵌合部の拡開方向への弾性を強化するために中央部外面に円周方向の2つのリブ2aを設けている。さらに、スナップ固定具2の両端部の下端内面が長手方向のテーパー面2bになっており(図3(b)参照)、これにより、スナップ固定具2を斜め上方に傾けた状態で一端を横棒1bに嵌め込み、その後、他端を押さえて全体を嵌め込むことによって、スナップ固定具2は容易に横棒1bに嵌着される。また、端部の横棒1bに対する引っ掛かりは弱いので、一端部を横棒1bから外し、当該端部を引き上げてスナップ固定具2を引き起こすことによって、スナップ固定具2は容易に横棒1bから外される。
【0014】
上記支持棒1を5m間隔で地面に30〜40cmほど刺し込んで固定する。このとき、横棒2は畝の長手方向に向けられる。ただし、この例では霜除シートの幅は5mであるから、支持棒は畝の長手方向に沿ってのみ配置されるが、例えば、幅5mの幅広のシートを用いる場合は、畝の端部にも必要に応じて支持棒を配置することができ、この場合は、その支持棒は横棒が畝に対して直角の方向に向けられることになる。
横棒1bの上に霜除シートの縁を載せて霜除シートを張り、その上からスナップ固定具2を横棒に嵌着させて、霜除シート3を横棒1bに固定する。スナップ固定具2の一方の端を軽く引き上げると、スナップ固定具2は横棒1bから容易に外される。
霜除けの安定性を向上させるために端の支持棒1をアンカーロープ4で長手方向に引っ張るとよい。
【0015】
また、横棒1bはパイプ材であるから、これにロープを通し、このロープをたすき掛けにして霜除シート3を下から支えさせることによって強風で霜除シート3がバタつくことを防ぐことができる。このように霜除シート3のバタつきを防ぐことにより、霜除シート3の安定性が向上するとともに、霜除シート3が農作物に触れてこれを損傷することが回避される。
【0016】
【実施例2】
実施例2の支持棒11は、縦棒の上端に横棒11bを溶接して一体化したものである。この横棒11bは断面C形の棒材を上向きにして縦材に固定したものである。横棒11bのC形溝に弾性線材で作られた瓢箪形のスナップ固定具12が弾性的に嵌着され、スナップ固定具12によって霜除シートの縁が横棒12に固定される。横材1bへのスナップ固定具12の嵌着をスムーズにするため、また、霜除シートがエッジに当たることがないように、断面C形の左右両側端の角を丸くしてある。
スナップ固定具12の一端の括れ部12aを摘んで、拡大部12bを狭めた状態でこれを横棒11bのC形溝に嵌めてから手を放すと、拡大部12bが拡開して、C形溝の縁に引っ掛かって嵌着される。再び、括れ部12aを摘んで、拡大部12bを狭めることによって、スナップ固定具12は横棒11bのC形溝から容易に外される。
【0017】
なお、霜除シート3の縁3aを地面まで引き下ろし、その上からU形の押さえ金を刺してその端部を地面に固定することもできる(図2参照)。このようにすることによって、霜除けは一層安定し、また、畝の側面が霜除けで覆われるので、作物への虫の侵入が防止される。
【0018】
【実施例3】
図5に示す実施例3は、縦棒21の上端に溶接して固定された横材22、固定具23を波板の磁性体とし、横材22、固定具23を磁力で吸着させて着脱自在に固定するものであり、横材22、固定具23の長さは100mm、幅が50mmであり、板厚は4mmである。この横材22、固定具23の間の磁力による吸着力はほぼ2kgである。なお、横材22、固定具23は全体が磁性体である必要はなく、部分的に磁化されたもの(例えば、磁性体を埋め込んだもの)でもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明の霜除けは、T形の支持棒を一定間隔で地面に刺し込んでこれを地面に立て、支持棒で囲われた1乃至複数の畝の上に霜除シートを張ってその両側縁を支持棒の横棒上に載せ、その上からスナップ固定具を横棒に嵌着して支持棒に固定することによって布設されるものであるから、霜除け付設作業を一人で簡単容易に、かつ能率的に行うことができ、また、その支持構造が極めて単純であるから、そのコストは低廉である。
さらに、霜除けの取外作業も簡単、容易であり、支持棒が直線的な単純な形状の棒材であるから、その取扱いが容易であり、またその撤去作業も、収納作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例全体の斜視図である。
【図2】は図1のA−A断面図である。
【図3】(a)は支持棒の実施例1の斜視図であり、(b)はスナップ固定具の裏面平面図であり、(c)は図(b)におけるX−X拡大断面図である。
【図4】(a)は支持棒の実施例2の断面図であり、(b)は当該実施例のスナップ固定具の平面図である。
【図5】は、支持棒の実施例3の斜視図である。
【符号の説明】
1,11:支持棒
1a,11a:縦棒
1b,11b:横棒
2:スナップ固定具
3:霜除シート
Claims (9)
- 縦の棒材の上端に横棒を固定したT形支持棒を地面に刺し込んで固定し、所定間隔で配置した多数の支持棒によって所定の区画を囲い、支持棒の横材の上に霜除シートを張って上記区画を覆い、固定具を横材に重ねて横材と固定具の間に霜除シートを挟んで固定した農作物の霜除け。
- 縦の棒材の上端に横棒を固定したT形支持棒を地面に刺し込んで固定して、所定の区画を上記支持棒で囲い、霜除けの長手方向に向けられた上記横棒上に霜除シートを張り、スナップ固定具を上記横棒に嵌着させ、スナップ固定具と上記横棒との間に霜除シートを挟持させて上記横棒に固定した、農作物の霜除け。
- 上記霜除シートの縁が上記支持棒上端から地面まで引き下ろされていて、地面に固定されている、請求項1又は請求項2の霜除け。
- 縦棒の上端に上記横棒を固定し、横棒にスナップ固定具を着脱自在に嵌着した、請求項2の霜除け用のT形支持棒。
- 上記横棒が中空丸棒材であり、スナップ固定具が断面C形部材である、請求項4のT形支持棒。
- 上記横棒が上向きの断面C形棒材であり、スナップ固定具が弾性線材製の瓢箪形部材である、請求項4のT形支持棒。
- 縦棒の上端に上記横材を固定し、横材に固定具を磁力で着脱自在に固定した請求項1の霜除け用のT形支持棒。
- 上記横材及び固定具が波板である請求項7の霜除け用のT形支持棒。
- 上記霜除シートが、合成樹脂の長繊維の不織布であって、水を吸収せず、透光性、通気性、通水性を有するシート材である請求項1乃至請求項3の霜除け。
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JP2002280327A JP2004113100A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 農作物の霜除け |
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JP2002280327A JP2004113100A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 農作物の霜除け |
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2002
- 2002-09-26 JP JP2002280327A patent/JP2004113100A/ja active Pending
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