JP2004112930A - インバータの試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能なインバータの試験装置を提供する。
【解決手段】ドライブ制御装置1a〜4aは試験管理装置9に負荷通電試験の開始許可を依頼する信号を出力し、待機する。試験管理装置9は優先順位を決定し、所定の台数毎に、例えば1台毎に、開始許可指令を出力する。例えば、この指令を受けたインバータ1は通電を開始し、電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準値に対し許容誤差範囲に収まっているか否かを自動判定装置9aで確認する。これにより、負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ドライブ制御装置1a〜4aは試験管理装置9に負荷通電試験の開始許可を依頼する信号を出力し、待機する。試験管理装置9は優先順位を決定し、所定の台数毎に、例えば1台毎に、開始許可指令を出力する。例えば、この指令を受けたインバータ1は通電を開始し、電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準値に対し許容誤差範囲に収まっているか否かを自動判定装置9aで確認する。これにより、負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインバータの試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、モータの運転制御装置の多くは半導体素子を用いたインバータ装置によるものになっている。これらインバータの性能評価試験には、実際にモータなどの負荷を接続し、通電を行う負荷通電試験がある。
【0003】
インバータの通電試験では、モータの替わりの負荷として、リアクトルなどの負荷装置を接続し通電を行う場合もある。負荷装置に対して、仕様の通りの電流値が流れているかどうかの確認を行うのである。
【0004】
このため試験装置の電源容量は、この負荷に流れる電流、すなわちインバータの出力値を考慮する必要がある。
【0005】
従来、決められた時間の中でより多くの台数のインバータの負荷通電試験を実施するために、複数台のインバータの通電試験を同時かつ自動的に実施する試験装置が使われている。インバータ毎に負荷装置を接続し、インバータをドライブしてその時の電流値を測定し、判定基準値と比較し性能確認を自動的に行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように複数のインバータの通電試験を同時に実施する試験設備の場合、試験設備の電源容量はインバータの負荷通電に必要な電源容量が同時実施可能な台数分だけ必要となり、同時実施可能台数が増えるほど、設備コスト、電気代などの面で問題が生じることとなる。
【0007】
また、複数台のインバータを同時に通電試験を開始する場合、インバータの製造工程および製造ライン数をコントロールし、試験を行うインバータの台数が揃うようにしなければならず、結果として試験待ちの無駄な時間が生じる為、製造から出荷までの効率が落ちてしまう問題がある。
【0008】
そこで本発明は、この問題点を解決するために、試験装置側から負荷通電試験の開始タイミングを管理し、各インバータ毎の通電試験の時間をずらすことで、同時に通電を実行するインバータの台数を試験設備の電源容量でカバーできる台数に抑え、また、各試験対象のインバータを任意のタイミングで試験開始できるようにすることで、必要電源容量が小さく、かつ作業効率の高いインバータの試験装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数台のインバータを負荷装置に接続して通電し負荷通電試験を行うインバータの試験装置において、各インバータに設けられ、インバータを制御する制御手段と、この制御手段からの通電試験の開始許可を依頼する依頼信号を出力する手段と、この手段により出力された依頼信号を受け取り、所定の優先順位に従って、所定の台数のインバータの制御手段に対して通電試験の開始を許可する信号を出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成の本発明によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始することができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、複数台のインバータを負荷装置に接続して通電し負荷通電試験を行うインバータの試験装置において、各インバータに設けられ、インバータを制御する制御手段と、一定時間おきに所定の台数のインバータの制御手段に対して通電試験の開始を指令する信号を出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このような構成の本発明によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始ができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載のインバータの試験装置において、複数台のインバータのうち、所定の台数のインバータがそれぞれ負荷装置に接続されるように切り替える切替手段と、通電試験の開始を許可する信号または通電試験の開始を指令する信号を受け取り通電試験が行なわれる所定の台数のインバータがそれぞれ負荷装置に接続されるように前記切替手段の切替を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
このような構成の本発明によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始することができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。また、インバータの負荷装置を、この同時通電可能台数と同数にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る試験装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、第1の実施形態に係る試験装置は、4台のインバータを試験可能な自動試験装置であり、試験対象のインバータ1〜4、インバータ1〜4に格納されたドライブ制御装置1a〜4a、外部の試験機器との通信を行う通信装置1b〜4b、このインバータ1〜4の出力電流測定を行う電流センサ1c〜4d、インバータ1〜4に接続された負荷装置5〜8、試験管理装置9、試験管理装置9に内蔵した自動判定装置9a、ドライブ制御装置1a〜4aと試験管理装置9間のデータ通信をおこなう通信装置B 10、試験管理装置9及び試験対象のインバータ1〜4への電源供給を行う電源装置11を有する。
【0018】
以下に、この自動試験装置において、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式を、ドライブ制御装置1a〜4aと、試験管理装置9および自動判定装置9aで処理されている二つの制御ルーチンのフローチャートを元に説明する。
【0019】
図2は、ドライブ制御装置1aの負荷通電試験実行部のフローである。
【0020】
ドライブ制御装置1aは、まず負荷通電試験を前回実行してから設定された時間が経過したか否かを確認し、もし経過していなければ、負荷通電試験ルーチンの先頭に戻る(ステップ1)。
【0021】
次に、試験管理装置9から通信装置B 10を通じて入力されている、インバータ2〜3が負荷通電試験中でないかを示すフラグを確認する(ステップ2)。
【0022】
もし、インバータ2〜4のいずれかが負荷通電試験中であったならば、ドライブ制御装置1aは、負荷通電試験ルーチンを終了し、このフラグが消えるまで待機する(ステップ3)。
【0023】
インバータ2〜4のいずれも負荷通電試験中でなければ、ドライブ制御装置1aは試験管理装置9に対し、負荷通電試験の開始許可を依頼する信号を出力する(ステップ4)。
【0024】
試験管理装置9からの開始許可指令を待機する(ステップ5)。
【0025】
開始許可指令を受け取ると、あらかじめプログラム中に設定された出力値で負荷装置5への通電を開始する(ステップ6)。通電後、自動判定装置9aはその時の電流値を電流センサ1cで読み取り、プログラム内に設定されている判定基準値と比較し、許容誤差範囲に納まっているか否かを確認する(ステップ7)。
【0026】
負荷通電試験の開始許可の依頼開始から一定時間、試験管理装置9からの許可指令が来なかった場合、試験管理装置9が未応答であるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ8)。
【0027】
電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まれば、スタックの機能は正常であるとし、負荷通電試験の開始許可依頼の出力を停止し,負荷通電試験ルーチンを終了する(ステップ9)。
【0028】
電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まらない場合、インバータ1に異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ10)。
【0029】
ドライブ制御装置2a及び3a、4aについても、上記のドライブ制御装置1aと同様の処理を行っている。
【0030】
このように、ドライブ制御装置1a〜4aは、自分以外の負荷通電試験の実行状態を、互いに監視せずに試験管理装置9に管理を任せることにより、それぞれ任意のタイミングで試験の実行が可能となる。
【0031】
次に、試験管理装置9の負荷通電試験管理部のルーチンを図3のフローにて説明する。
【0032】
試験管理装置9は、まずデータバッファエリア内に、負荷通電試験の開始許可依頼の要求が記録されていないかどうかを確認する(ステップ11)。このバッファエリアが空であれば、通信装置B 10を通じ、ドライブ制御装置1a〜4aからの負荷通電試験の開始許可依頼を待機する(ステップ12)。
【0033】
もしバッファエリア内に開始許可依頼が記録されていれば、1番最初に記録されていた依頼を出力したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかから、現時点でも開始許可の依頼が出力されているか否かを、通信装置B 10を通じて確認する(ステップ13)。開始許可依頼が出力されていたならば、そのドライブ制御装置1a〜4aの該当号機に対して試験開始許可を出力する(ステップ14)。同時に、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ15)。
【0034】
開始許可依頼が出力されていなかった場合は、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ16)。
【0035】
次に、試験開始許可の出力と同時に、現在負荷通電試験中のインバータがあることを示すフラグをドライブ制御装置1a〜4a全てに対し出力する(ステップ17)。
【0036】
ドライブ制御装置1a〜4aからの開始許可依頼を待機中に、開始許可依頼を受け取ったら、それをバッファエリアに記録する。このとき、同時に複数の依頼を受け取った場合、ドライブ制御装置1a〜4aの番号の若い順にバッファに記録する(ステップ18)。
【0037】
試験開始許可の出力後は、許可を出したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかからの試験開始依頼の信号が消えるのを監視する(ステップ19)。もし試験開始依頼の信号が消えたら、試験開始許可の出力を停止する(ステップ20)。
【0038】
試験開始依頼の信号が、設定した一定時間を過ぎても終了しない場合、インバータに異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ21)。
【0039】
このように、バッファエリアを設けて開始許可依頼を管理することにより、同時に複数台のドライブ制御装置から開始依頼を受けたりした場合でも、試験実行中のインバータが何台であろうとも、実行中の全インバータに平均的に開始許可を出力する管理が行える。
【0040】
以上のフローのように試験管理装置とドライブ制御装置が制御されることにより、複数台のインバータが同時に試験装置に接続されていても、負荷通電試験は予め決定された優先順位(例えば、上述のように、開始許可依頼を受け取った順、また同時に複数の依頼を受け取った場合は、ドライブ制御装置1a〜4aの番号の若い順)に従って、必ず1台のみ実施するように管理できるようになる。また、インバータの試験装置への接続および試験開始を、インバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。
【0041】
なお、上述の説明では、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式について説明したが、同時に負荷通電試験を行うインバータの台数は1台に限らず、電源装置の電源容量でカバーできる範囲であれば、インバータの全台数より少ない任意の台数としてもよい。
【0042】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数台のインバータを同時に試験を実施していても、負荷通電試験は必ず所定の台数となるように管理できる。また、試験の実行を、所定の台数のインバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。また負荷装置や配線系統が各インバータ毎に独立している為、装置の故障やメンテナンス時に試験装置全体を停止させずに作業を行えるため、より作業効率を落とすことのない自動試験装置を実現できる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る試験装置について、図4のブロック図を元に説明する。
【0044】
第2の実施形態に係る試験装置は、図4に示す通り、4台のインバータを試験可能な自動試験装置であり、第1の実施形態で設けられていた試験対象のインバータ1〜4、インバータ1〜4に格納されたドライブ制御装置1a〜4a、外部の試験機器との通信を行う通信装置1b〜4b、このインバータ1〜4の出力電流測定を行う電流センサ1c〜4d、試験管理装置9、試験管理装置9に内蔵した自動判定装置9a、ドライブ制御装置1a〜4aと試験管理装置9間のデータ通信を行う通信装置B 10、試験管理装置9及び試験対象のインバータ1〜4への電源供給を行う電源装置11に加え、インバータ1〜4に接続された系統切替装置12が新たに設けられている。そして、第1の実施形態で設けられていた、各インバータ1〜4に接続された負荷装置5〜8に代えて、系統切替装置12に接続された共用の負荷装置13が設けられている。
【0045】
この第2の実施形態も、上述した第1の実施形態と同様に、負荷装置への通電を行うことでインバータの性能確認を行うが、負荷装置を1台にするために系統切替装置12が追加されているのが特徴である。系統切替装置12は、負荷装置13の接続先を、試験管理装置9の指令にてインバータ1〜4のいずれかに切り替える装置である。
【0046】
また、ドライブ制御装置1a〜4aと、試験管理装置9および自動判定装置9aで処理されている二つの制御ルーチンにおいて、第2の実施形態でのドライブ制御装置の制御フローは第1の実施形態と同一のものであるため説明を省略し、第1の実施形態と第2の実施形態で違いのある試験管理装置9での制御ルーチンについてのみ以下に説明する。
【0047】
図5は、試験管理装置9の負荷通電試験管理部のルーチンの制御フローである。
【0048】
試験管理装置9は、まずバッファエリア内に、負荷通電試験の開始許可依頼の要求が記録されていないかどうかを確認する(ステップ22)。
【0049】
このバッファエリアが空であれば、通信装置B 10を通じ、ドライブ制御装置1a〜4aからの負荷通電試験の開始許可依頼を待機する(ステップ23)。
【0050】
もしバッファエリア内に開始許可依頼が記録されていれば、1番最初に記録されていた依頼を出力したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかから、現時点でも開始許可の依頼が出力されているか否かを、通信装置B 10を通じて確認する(ステップ24)。
【0051】
開始許可依頼が出力されていたならば、まず系統切替装置12に対し、負荷装置13の接続先を、試験開始許可を出したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかのインバータ1〜4に切り替える指令を、通信装置B 10を通じて出力する(ステップ25)。次に該当するドライブ制御装置1a〜4aのいずれかに対して試験開始許可を出力する(ステップ26)。同時に、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ27)。
【0052】
開始許可依頼が出力されていなかった場合は、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ28)。
【0053】
次に、試験開始許可の出力と同時に、現在負荷通電試験中のインバータがあることを示すフラグをドライブ制御装置1a〜4a全てに対し出力する(ステップ29)。
【0054】
ドライブ制御装置1a〜4aからの開始許可依頼を待機中に、開始許可依頼を受け取ったら、それをバッファエリアに記録する。このとき、同時に複数の依頼を受け取った場合、ドライブ制御装置1a〜4aの番号の若い順にバッファに記録する(ステップ30)。
【0055】
試験開始許可の出力後は、許可を出したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかからの試験開始依頼の信号が消えるのを監視する(ステップ31)。もし試験開始依頼の信号が消えたら、試験開始許可の出力を停止する(ステップ32)。
【0056】
試験開始依頼の信号が、プログラム上に設定した一定時間を過ぎても終了しない場合、インバータに異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ33)。
【0057】
このように、第1の実施形態で示した試験管理装置9の制御フローに対し、ステップ25を追加することにより、負荷通電試験用の負荷装置を1台に集約しつつ、第1の実施形態と同様に、同時に複数台のドライブ制御装置から開始依頼を受けたりした場合でも、試験実行中のインバータが何台であろうとも、試験実行中の全インバータに平均的に開始許可を出力する管理が行える。
【0058】
以上のように、第2の実施形態においても、複数台のインバータが同時に試験装置に接続されていても、負荷通電試験は必ず1台のみ実施するように管理できるようになる。また、インバータの試験装置への接続および試験開始を、インバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。
【0059】
なお、上述の説明では、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式について説明したが、同時に負荷通電試験を行うインバータの台数は1台に限らず、電源装置の電源容量でカバーできる範囲であれば、インバータの全台数より少ない任意の台数としてもよい。
【0060】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数台のインバータを同時に試験を実施していても、負荷通電試験は必ず所定の台数となるように管理できる。また、試験の実行を、所定の台数のインバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。また、負荷装置の台数を所定の台数に抑えることにより、より狭いスペース、安いコストで自動試験装置を実現できる。
【0061】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る試験装置について、図1のブロック図を元に説明する。
【0062】
第3の実施形態に係る試験装置は、図1に示す通り4台のインバータを試験可能な自動試験装置として、第1の実施形態と構成上は同一となる。
【0063】
以下に、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式を、ドライブ制御装置1a〜4aと、試験管理装置9および自動判定装置9aで処理されている二つの制御ルーチンのフローチャートを元に説明する。
【0064】
図6は、ドライブ制御装置1aの負荷通電試験実行部のフローである。
【0065】
ドライブ制御装置1aは、まず負荷通電試験を前回実行してから設定された時間が経過したか否かを確認する(ステップ34)。もし経過していれば、試験管理装置9からの負荷通電試験開始指令の待機状態に入る(ステップ35)。
【0066】
試験管理装置9から開始許可指令を受け取ると、設定された出力値で負荷装置5への通電を開始する(ステップ36)。通電後、自動判定装置9aはその時の電流値を電流センサ1cで読み取り、プログラム内に設定されている判定基準値と比較し、許容誤差範囲に納まっているか否かを確認する(ステップ37)。
【0067】
負荷通電試験の開始指令の待機は一定時間行う(ステップ38)。もし試験管理装置9から開始指令がこなかった場合、試験管理装置9が未応答であるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ39)。
【0068】
電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まれば、スタックの機能は正常であるとし、負荷通電試験の開始許可依頼の出力を停止する(ステップ40)。また、電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まらない場合、インバータ1に異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ41)。
【0069】
ドライブ制御装置2a及び3a、4aについても、上記のドライブ制御装置1aと同様の処理を行っている。
【0070】
このように、ドライブ制御装置1a〜4aは、一定時間毎に負荷通電試験の指令を待機し、監視ソフトの指令により負荷通電試験の実行することにより、他のインバータの試験状態に影響されずに、試験管理装置9のみでの試験管理が可能になる。
【0071】
次に、試験管理装置9の負荷通電試験管理部の制御ルーチンを図7のフローにて説明する。
【0072】
試験管理装置9は、一定時間おきに負荷通電試験を行うように時間を監視する(ステップ42)。定めた時間が経過したら、負荷通電試験を実施するインバータを、あらかじめ設定されたリスト上の次のインバータに変更する。リストの最後まで実行したら、再びリスト先頭のインバータを選択する(ステップ43)。
【0073】
選択されたインバータのドライブ制御装置に対し、負荷通電試験の開始指令を出力する(ステップ44)。この時、該当するドライブ制御装置から、異常発生の信号が通信装置B 10を通じて入力されていないかどうかを確認する(ステップ45)。
【0074】
異常発生の信号が入力されていたら、該当するドライブ制御装置への負荷通電試験の開始指令の出力を停止し、異常発生したことを警告として出力する(ステップ46)。あわせて負荷通電試験の対象リストから、異常発生したインバータの番号を削除する(ステップ47)。
【0075】
このように、試験中のインバータの台数に関係なく、一定時間毎に負荷通電試験をリストに従い順番に実施させることにより、全インバータに個別に、任意のタイミングで負荷通電試験を実行可能となる。
【0076】
なお、上述の説明では、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式について説明したが、同時に負荷通電試験を行うインバータの台数は1台に限らず、電源装置の電源容量でカバーできる範囲であれば、インバータの全台数より少ない任意の台数としてもよい。
【0077】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数台のインバータを同時に試験を実施していても、負荷通電試験は必ず所定の台数となるように管理できる。また、試験の実行を、所定の台数のインバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。また、試験の工程管理に必要なインバータと監視パソコンなどで構成される試験管理装置9との間のデータが最小限で抑えられる為、通信装置B10等の回路や配線を少なくでき、試験装置全体の製作コスト及び故障率をより抑えた自動試験装置を実現できる。
【0078】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態のように、試験管理装置から、一定時間おきに負荷通電試験を行うように選択されたインバータのドライブ制御装置に対し、負荷通電試験の開始指令を出力する場合においても、上述の第2の実施形態と同様に、系統切替装置を設けて負荷装置を共用とし、負荷通電試験を行うように選択されたインバータが負荷装置に接続されるように系統切替装置の切替を制御することとしてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインバータの試験装置によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始することができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第3の実施形態に係るインバータの試験装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1及び第2の実施形態におけるドライブ制御装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図3】本発明の第1実施形態における試験管理装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るインバータの試験装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施形態における試験管理装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるドライブ制御装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態における試験管理装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1、2、3、4…インバータ
1a、2a、3a、4a…ドライブ制御装置
1b、2b、3b、4b…通信装置
1c、2c、3c、4c…電流センサ
5、6、7、8、13…負荷装置
9…試験管理装置
9a…自動判定装置
10…通信装置B
12…系統切替装置
【発明の属する技術分野】
本発明はインバータの試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、モータの運転制御装置の多くは半導体素子を用いたインバータ装置によるものになっている。これらインバータの性能評価試験には、実際にモータなどの負荷を接続し、通電を行う負荷通電試験がある。
【0003】
インバータの通電試験では、モータの替わりの負荷として、リアクトルなどの負荷装置を接続し通電を行う場合もある。負荷装置に対して、仕様の通りの電流値が流れているかどうかの確認を行うのである。
【0004】
このため試験装置の電源容量は、この負荷に流れる電流、すなわちインバータの出力値を考慮する必要がある。
【0005】
従来、決められた時間の中でより多くの台数のインバータの負荷通電試験を実施するために、複数台のインバータの通電試験を同時かつ自動的に実施する試験装置が使われている。インバータ毎に負荷装置を接続し、インバータをドライブしてその時の電流値を測定し、判定基準値と比較し性能確認を自動的に行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように複数のインバータの通電試験を同時に実施する試験設備の場合、試験設備の電源容量はインバータの負荷通電に必要な電源容量が同時実施可能な台数分だけ必要となり、同時実施可能台数が増えるほど、設備コスト、電気代などの面で問題が生じることとなる。
【0007】
また、複数台のインバータを同時に通電試験を開始する場合、インバータの製造工程および製造ライン数をコントロールし、試験を行うインバータの台数が揃うようにしなければならず、結果として試験待ちの無駄な時間が生じる為、製造から出荷までの効率が落ちてしまう問題がある。
【0008】
そこで本発明は、この問題点を解決するために、試験装置側から負荷通電試験の開始タイミングを管理し、各インバータ毎の通電試験の時間をずらすことで、同時に通電を実行するインバータの台数を試験設備の電源容量でカバーできる台数に抑え、また、各試験対象のインバータを任意のタイミングで試験開始できるようにすることで、必要電源容量が小さく、かつ作業効率の高いインバータの試験装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数台のインバータを負荷装置に接続して通電し負荷通電試験を行うインバータの試験装置において、各インバータに設けられ、インバータを制御する制御手段と、この制御手段からの通電試験の開始許可を依頼する依頼信号を出力する手段と、この手段により出力された依頼信号を受け取り、所定の優先順位に従って、所定の台数のインバータの制御手段に対して通電試験の開始を許可する信号を出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成の本発明によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始することができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、複数台のインバータを負荷装置に接続して通電し負荷通電試験を行うインバータの試験装置において、各インバータに設けられ、インバータを制御する制御手段と、一定時間おきに所定の台数のインバータの制御手段に対して通電試験の開始を指令する信号を出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このような構成の本発明によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始ができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載のインバータの試験装置において、複数台のインバータのうち、所定の台数のインバータがそれぞれ負荷装置に接続されるように切り替える切替手段と、通電試験の開始を許可する信号または通電試験の開始を指令する信号を受け取り通電試験が行なわれる所定の台数のインバータがそれぞれ負荷装置に接続されるように前記切替手段の切替を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
このような構成の本発明によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始することができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。また、インバータの負荷装置を、この同時通電可能台数と同数にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る試験装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、第1の実施形態に係る試験装置は、4台のインバータを試験可能な自動試験装置であり、試験対象のインバータ1〜4、インバータ1〜4に格納されたドライブ制御装置1a〜4a、外部の試験機器との通信を行う通信装置1b〜4b、このインバータ1〜4の出力電流測定を行う電流センサ1c〜4d、インバータ1〜4に接続された負荷装置5〜8、試験管理装置9、試験管理装置9に内蔵した自動判定装置9a、ドライブ制御装置1a〜4aと試験管理装置9間のデータ通信をおこなう通信装置B 10、試験管理装置9及び試験対象のインバータ1〜4への電源供給を行う電源装置11を有する。
【0018】
以下に、この自動試験装置において、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式を、ドライブ制御装置1a〜4aと、試験管理装置9および自動判定装置9aで処理されている二つの制御ルーチンのフローチャートを元に説明する。
【0019】
図2は、ドライブ制御装置1aの負荷通電試験実行部のフローである。
【0020】
ドライブ制御装置1aは、まず負荷通電試験を前回実行してから設定された時間が経過したか否かを確認し、もし経過していなければ、負荷通電試験ルーチンの先頭に戻る(ステップ1)。
【0021】
次に、試験管理装置9から通信装置B 10を通じて入力されている、インバータ2〜3が負荷通電試験中でないかを示すフラグを確認する(ステップ2)。
【0022】
もし、インバータ2〜4のいずれかが負荷通電試験中であったならば、ドライブ制御装置1aは、負荷通電試験ルーチンを終了し、このフラグが消えるまで待機する(ステップ3)。
【0023】
インバータ2〜4のいずれも負荷通電試験中でなければ、ドライブ制御装置1aは試験管理装置9に対し、負荷通電試験の開始許可を依頼する信号を出力する(ステップ4)。
【0024】
試験管理装置9からの開始許可指令を待機する(ステップ5)。
【0025】
開始許可指令を受け取ると、あらかじめプログラム中に設定された出力値で負荷装置5への通電を開始する(ステップ6)。通電後、自動判定装置9aはその時の電流値を電流センサ1cで読み取り、プログラム内に設定されている判定基準値と比較し、許容誤差範囲に納まっているか否かを確認する(ステップ7)。
【0026】
負荷通電試験の開始許可の依頼開始から一定時間、試験管理装置9からの許可指令が来なかった場合、試験管理装置9が未応答であるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ8)。
【0027】
電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まれば、スタックの機能は正常であるとし、負荷通電試験の開始許可依頼の出力を停止し,負荷通電試験ルーチンを終了する(ステップ9)。
【0028】
電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まらない場合、インバータ1に異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ10)。
【0029】
ドライブ制御装置2a及び3a、4aについても、上記のドライブ制御装置1aと同様の処理を行っている。
【0030】
このように、ドライブ制御装置1a〜4aは、自分以外の負荷通電試験の実行状態を、互いに監視せずに試験管理装置9に管理を任せることにより、それぞれ任意のタイミングで試験の実行が可能となる。
【0031】
次に、試験管理装置9の負荷通電試験管理部のルーチンを図3のフローにて説明する。
【0032】
試験管理装置9は、まずデータバッファエリア内に、負荷通電試験の開始許可依頼の要求が記録されていないかどうかを確認する(ステップ11)。このバッファエリアが空であれば、通信装置B 10を通じ、ドライブ制御装置1a〜4aからの負荷通電試験の開始許可依頼を待機する(ステップ12)。
【0033】
もしバッファエリア内に開始許可依頼が記録されていれば、1番最初に記録されていた依頼を出力したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかから、現時点でも開始許可の依頼が出力されているか否かを、通信装置B 10を通じて確認する(ステップ13)。開始許可依頼が出力されていたならば、そのドライブ制御装置1a〜4aの該当号機に対して試験開始許可を出力する(ステップ14)。同時に、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ15)。
【0034】
開始許可依頼が出力されていなかった場合は、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ16)。
【0035】
次に、試験開始許可の出力と同時に、現在負荷通電試験中のインバータがあることを示すフラグをドライブ制御装置1a〜4a全てに対し出力する(ステップ17)。
【0036】
ドライブ制御装置1a〜4aからの開始許可依頼を待機中に、開始許可依頼を受け取ったら、それをバッファエリアに記録する。このとき、同時に複数の依頼を受け取った場合、ドライブ制御装置1a〜4aの番号の若い順にバッファに記録する(ステップ18)。
【0037】
試験開始許可の出力後は、許可を出したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかからの試験開始依頼の信号が消えるのを監視する(ステップ19)。もし試験開始依頼の信号が消えたら、試験開始許可の出力を停止する(ステップ20)。
【0038】
試験開始依頼の信号が、設定した一定時間を過ぎても終了しない場合、インバータに異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ21)。
【0039】
このように、バッファエリアを設けて開始許可依頼を管理することにより、同時に複数台のドライブ制御装置から開始依頼を受けたりした場合でも、試験実行中のインバータが何台であろうとも、実行中の全インバータに平均的に開始許可を出力する管理が行える。
【0040】
以上のフローのように試験管理装置とドライブ制御装置が制御されることにより、複数台のインバータが同時に試験装置に接続されていても、負荷通電試験は予め決定された優先順位(例えば、上述のように、開始許可依頼を受け取った順、また同時に複数の依頼を受け取った場合は、ドライブ制御装置1a〜4aの番号の若い順)に従って、必ず1台のみ実施するように管理できるようになる。また、インバータの試験装置への接続および試験開始を、インバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。
【0041】
なお、上述の説明では、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式について説明したが、同時に負荷通電試験を行うインバータの台数は1台に限らず、電源装置の電源容量でカバーできる範囲であれば、インバータの全台数より少ない任意の台数としてもよい。
【0042】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数台のインバータを同時に試験を実施していても、負荷通電試験は必ず所定の台数となるように管理できる。また、試験の実行を、所定の台数のインバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。また負荷装置や配線系統が各インバータ毎に独立している為、装置の故障やメンテナンス時に試験装置全体を停止させずに作業を行えるため、より作業効率を落とすことのない自動試験装置を実現できる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る試験装置について、図4のブロック図を元に説明する。
【0044】
第2の実施形態に係る試験装置は、図4に示す通り、4台のインバータを試験可能な自動試験装置であり、第1の実施形態で設けられていた試験対象のインバータ1〜4、インバータ1〜4に格納されたドライブ制御装置1a〜4a、外部の試験機器との通信を行う通信装置1b〜4b、このインバータ1〜4の出力電流測定を行う電流センサ1c〜4d、試験管理装置9、試験管理装置9に内蔵した自動判定装置9a、ドライブ制御装置1a〜4aと試験管理装置9間のデータ通信を行う通信装置B 10、試験管理装置9及び試験対象のインバータ1〜4への電源供給を行う電源装置11に加え、インバータ1〜4に接続された系統切替装置12が新たに設けられている。そして、第1の実施形態で設けられていた、各インバータ1〜4に接続された負荷装置5〜8に代えて、系統切替装置12に接続された共用の負荷装置13が設けられている。
【0045】
この第2の実施形態も、上述した第1の実施形態と同様に、負荷装置への通電を行うことでインバータの性能確認を行うが、負荷装置を1台にするために系統切替装置12が追加されているのが特徴である。系統切替装置12は、負荷装置13の接続先を、試験管理装置9の指令にてインバータ1〜4のいずれかに切り替える装置である。
【0046】
また、ドライブ制御装置1a〜4aと、試験管理装置9および自動判定装置9aで処理されている二つの制御ルーチンにおいて、第2の実施形態でのドライブ制御装置の制御フローは第1の実施形態と同一のものであるため説明を省略し、第1の実施形態と第2の実施形態で違いのある試験管理装置9での制御ルーチンについてのみ以下に説明する。
【0047】
図5は、試験管理装置9の負荷通電試験管理部のルーチンの制御フローである。
【0048】
試験管理装置9は、まずバッファエリア内に、負荷通電試験の開始許可依頼の要求が記録されていないかどうかを確認する(ステップ22)。
【0049】
このバッファエリアが空であれば、通信装置B 10を通じ、ドライブ制御装置1a〜4aからの負荷通電試験の開始許可依頼を待機する(ステップ23)。
【0050】
もしバッファエリア内に開始許可依頼が記録されていれば、1番最初に記録されていた依頼を出力したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかから、現時点でも開始許可の依頼が出力されているか否かを、通信装置B 10を通じて確認する(ステップ24)。
【0051】
開始許可依頼が出力されていたならば、まず系統切替装置12に対し、負荷装置13の接続先を、試験開始許可を出したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかのインバータ1〜4に切り替える指令を、通信装置B 10を通じて出力する(ステップ25)。次に該当するドライブ制御装置1a〜4aのいずれかに対して試験開始許可を出力する(ステップ26)。同時に、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ27)。
【0052】
開始許可依頼が出力されていなかった場合は、バッファエリアの開始許可依頼のデータを削除する(ステップ28)。
【0053】
次に、試験開始許可の出力と同時に、現在負荷通電試験中のインバータがあることを示すフラグをドライブ制御装置1a〜4a全てに対し出力する(ステップ29)。
【0054】
ドライブ制御装置1a〜4aからの開始許可依頼を待機中に、開始許可依頼を受け取ったら、それをバッファエリアに記録する。このとき、同時に複数の依頼を受け取った場合、ドライブ制御装置1a〜4aの番号の若い順にバッファに記録する(ステップ30)。
【0055】
試験開始許可の出力後は、許可を出したドライブ制御装置1a〜4aのいずれかからの試験開始依頼の信号が消えるのを監視する(ステップ31)。もし試験開始依頼の信号が消えたら、試験開始許可の出力を停止する(ステップ32)。
【0056】
試験開始依頼の信号が、プログラム上に設定した一定時間を過ぎても終了しない場合、インバータに異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ33)。
【0057】
このように、第1の実施形態で示した試験管理装置9の制御フローに対し、ステップ25を追加することにより、負荷通電試験用の負荷装置を1台に集約しつつ、第1の実施形態と同様に、同時に複数台のドライブ制御装置から開始依頼を受けたりした場合でも、試験実行中のインバータが何台であろうとも、試験実行中の全インバータに平均的に開始許可を出力する管理が行える。
【0058】
以上のように、第2の実施形態においても、複数台のインバータが同時に試験装置に接続されていても、負荷通電試験は必ず1台のみ実施するように管理できるようになる。また、インバータの試験装置への接続および試験開始を、インバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。
【0059】
なお、上述の説明では、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式について説明したが、同時に負荷通電試験を行うインバータの台数は1台に限らず、電源装置の電源容量でカバーできる範囲であれば、インバータの全台数より少ない任意の台数としてもよい。
【0060】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数台のインバータを同時に試験を実施していても、負荷通電試験は必ず所定の台数となるように管理できる。また、試験の実行を、所定の台数のインバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。また、負荷装置の台数を所定の台数に抑えることにより、より狭いスペース、安いコストで自動試験装置を実現できる。
【0061】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る試験装置について、図1のブロック図を元に説明する。
【0062】
第3の実施形態に係る試験装置は、図1に示す通り4台のインバータを試験可能な自動試験装置として、第1の実施形態と構成上は同一となる。
【0063】
以下に、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式を、ドライブ制御装置1a〜4aと、試験管理装置9および自動判定装置9aで処理されている二つの制御ルーチンのフローチャートを元に説明する。
【0064】
図6は、ドライブ制御装置1aの負荷通電試験実行部のフローである。
【0065】
ドライブ制御装置1aは、まず負荷通電試験を前回実行してから設定された時間が経過したか否かを確認する(ステップ34)。もし経過していれば、試験管理装置9からの負荷通電試験開始指令の待機状態に入る(ステップ35)。
【0066】
試験管理装置9から開始許可指令を受け取ると、設定された出力値で負荷装置5への通電を開始する(ステップ36)。通電後、自動判定装置9aはその時の電流値を電流センサ1cで読み取り、プログラム内に設定されている判定基準値と比較し、許容誤差範囲に納まっているか否かを確認する(ステップ37)。
【0067】
負荷通電試験の開始指令の待機は一定時間行う(ステップ38)。もし試験管理装置9から開始指令がこなかった場合、試験管理装置9が未応答であるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ39)。
【0068】
電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まれば、スタックの機能は正常であるとし、負荷通電試験の開始許可依頼の出力を停止する(ステップ40)。また、電流センサ1cで読み取った電流値が判定基準に収まらない場合、インバータ1に異常があるとして異常発生処理を行うルーチンへ移行する(ステップ41)。
【0069】
ドライブ制御装置2a及び3a、4aについても、上記のドライブ制御装置1aと同様の処理を行っている。
【0070】
このように、ドライブ制御装置1a〜4aは、一定時間毎に負荷通電試験の指令を待機し、監視ソフトの指令により負荷通電試験の実行することにより、他のインバータの試験状態に影響されずに、試験管理装置9のみでの試験管理が可能になる。
【0071】
次に、試験管理装置9の負荷通電試験管理部の制御ルーチンを図7のフローにて説明する。
【0072】
試験管理装置9は、一定時間おきに負荷通電試験を行うように時間を監視する(ステップ42)。定めた時間が経過したら、負荷通電試験を実施するインバータを、あらかじめ設定されたリスト上の次のインバータに変更する。リストの最後まで実行したら、再びリスト先頭のインバータを選択する(ステップ43)。
【0073】
選択されたインバータのドライブ制御装置に対し、負荷通電試験の開始指令を出力する(ステップ44)。この時、該当するドライブ制御装置から、異常発生の信号が通信装置B 10を通じて入力されていないかどうかを確認する(ステップ45)。
【0074】
異常発生の信号が入力されていたら、該当するドライブ制御装置への負荷通電試験の開始指令の出力を停止し、異常発生したことを警告として出力する(ステップ46)。あわせて負荷通電試験の対象リストから、異常発生したインバータの番号を削除する(ステップ47)。
【0075】
このように、試験中のインバータの台数に関係なく、一定時間毎に負荷通電試験をリストに従い順番に実施させることにより、全インバータに個別に、任意のタイミングで負荷通電試験を実行可能となる。
【0076】
なお、上述の説明では、負荷通電試験を複数台のインバータの中で1台のみを選択して実行させる制御方式について説明したが、同時に負荷通電試験を行うインバータの台数は1台に限らず、電源装置の電源容量でカバーできる範囲であれば、インバータの全台数より少ない任意の台数としてもよい。
【0077】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数台のインバータを同時に試験を実施していても、負荷通電試験は必ず所定の台数となるように管理できる。また、試験の実行を、所定の台数のインバータ毎に任意のタイミングで開始できるようになる。また、試験の工程管理に必要なインバータと監視パソコンなどで構成される試験管理装置9との間のデータが最小限で抑えられる為、通信装置B10等の回路や配線を少なくでき、試験装置全体の製作コスト及び故障率をより抑えた自動試験装置を実現できる。
【0078】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態のように、試験管理装置から、一定時間おきに負荷通電試験を行うように選択されたインバータのドライブ制御装置に対し、負荷通電試験の開始指令を出力する場合においても、上述の第2の実施形態と同様に、系統切替装置を設けて負荷装置を共用とし、負荷通電試験を行うように選択されたインバータが負荷装置に接続されるように系統切替装置の切替を制御することとしてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインバータの試験装置によれば、複数台のインバータを任意のタイミングで所定の台数毎に試験開始することができ、また負荷通電が同時に実行されるインバータの台数を、試験装置の電源容量でカバーできる台数に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第3の実施形態に係るインバータの試験装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1及び第2の実施形態におけるドライブ制御装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図3】本発明の第1実施形態における試験管理装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るインバータの試験装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施形態における試験管理装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるドライブ制御装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態における試験管理装置の制御動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1、2、3、4…インバータ
1a、2a、3a、4a…ドライブ制御装置
1b、2b、3b、4b…通信装置
1c、2c、3c、4c…電流センサ
5、6、7、8、13…負荷装置
9…試験管理装置
9a…自動判定装置
10…通信装置B
12…系統切替装置
Claims (3)
- 複数台のインバータを負荷装置に接続して通電し負荷通電試験を行うインバータの試験装置において、各インバータに設けられ、インバータを制御する制御手段と、この制御手段からの通電試験の開始許可を依頼する依頼信号を出力する手段と、この手段により出力された依頼信号を受け取り、所定の優先順位に従って、所定の台数のインバータの制御手段に対して通電試験の開始を許可する信号を出力する手段とを備えたことを特徴とするインバータの試験装置。
- 複数台のインバータを負荷装置に接続して通電し負荷通電試験を行うインバータの試験装置において、各インバータに設けられ、インバータを制御する制御手段と、一定時間おきに所定の台数のインバータの制御手段に対して通電試験の開始を指令する信号を出力する手段とを備えたことを特徴とするインバータの試験装置。
- 請求項1または請求項2に記載のインバータの試験装置において、複数台のインバータのうち、所定の台数のインバータがそれぞれ負荷装置に接続されるように切り替える切替手段と、前記通電試験の開始を許可する信号または前記通電試験の開始を指令する信号を受け取り通電試験が行なわれる所定の台数のインバータがそれぞれ負荷装置に接続されるように前記切替手段の切替を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするインバータの試験装置。
Priority Applications (1)
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JP2002273205A JP2004112930A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | インバータの試験装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101995139B1 (ko) * | 2017-12-29 | 2019-09-24 | 재단법인 한국기계전기전자시험연구원 | 인버터 특성 시험용 지그 |
KR101995140B1 (ko) * | 2017-12-29 | 2019-09-24 | 재단법인 한국기계전기전자시험연구원 | 컨버터 특성 시험용 지그 |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002273205A patent/JP2004112930A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101995139B1 (ko) * | 2017-12-29 | 2019-09-24 | 재단법인 한국기계전기전자시험연구원 | 인버터 특성 시험용 지그 |
KR101995140B1 (ko) * | 2017-12-29 | 2019-09-24 | 재단법인 한국기계전기전자시험연구원 | 컨버터 특성 시험용 지그 |
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