JP2004112473A - 階調補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止し、自然な階調補正を行う階調補正装置を提供する。
【解決手段】ブロックデータ検出部501は、入力画像を複数のブロックに分割し、各ブロックを代表する画像データを検出する。統計特性値算出部502は、画像データの分布の偏りを示す値である歪度101と画像データの最大値102とを算出する。補正開始レベル決定部503は、歪度101に基づいて補正開始レベル201を決定し、補正傾斜値決定部504は、画像データの最大値102及び補正開始レベル201に基づいて補正傾斜値202を決定する。階調補正実行部505は、補正開始レベル201以上の画像信号に対して、補正傾斜値202に従って階調補正を行う。歪度101に代えて、画像データの分布の偏りを示す他の統計特性値を用いてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】ブロックデータ検出部501は、入力画像を複数のブロックに分割し、各ブロックを代表する画像データを検出する。統計特性値算出部502は、画像データの分布の偏りを示す値である歪度101と画像データの最大値102とを算出する。補正開始レベル決定部503は、歪度101に基づいて補正開始レベル201を決定し、補正傾斜値決定部504は、画像データの最大値102及び補正開始レベル201に基づいて補正傾斜値202を決定する。階調補正実行部505は、補正開始レベル201以上の画像信号に対して、補正傾斜値202に従って階調補正を行う。歪度101に代えて、画像データの分布の偏りを示す他の統計特性値を用いてもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された画像の階調の一部をより少ない階調に圧縮する階調補正装置に関し、より特定的には、ビデオカメラ、VTR一体型カメラなどの撮像装置に内蔵して使用される階調補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラなどの撮像装置は、撮像した画像信号に対して、画像のコントラスト、被写体の明るさ、画像信号の階調等を補正する処理を行っている。画像信号の階調を補正する方法として、従来から、以下に示すニー補正が知られている。一般に、所定の出力範囲を超えた入力画像信号は、出力クリップ処理により出力の最大値で出力されるため、階調を失い、画面等では白く塗りつぶしたように表示される。このような画像品質の低下を防止するために、階調を残しつつ、画像信号を所定の出力範囲内に収める必要がある。ニー補正は、入力された画像に含まれる画像信号の最大値を検出し、検出された最大値が所定の出力範囲に収まるように、入力された画像信号の階調の一部をより少ない階調に圧縮する方法の1つである。また、従来の階調補正装置は、入力画像信号のヒストグラムデータの最大値を検出し、ヒストグラムデータの最大値に応じた階調補正特性を算出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図16は、従来の階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図16において、撮像素子1は、例えばCCDであり、受光した映像を電気信号に変換する。撮像素子1は、例えば1秒間に30フレームの画像信号を出力する。アナログプロセス回路2は、撮像素子1から受け取った画像信号に対して、相関二重サンプリング処理や、ホワイトバランス調整用のゲイン調整処理などを行う。A/D変換回路3は、アナログプロセス回路2の出力信号をデジタル信号に変換し、デジタルプロセス回路4は、キズ補正処理やガンマ補正処理などを行い、階調補正装置11へ画像信号を出力する。
【0004】
ブロックデータ検出部501は、入力された1つのフレームに含まれる画像信号の全部又は一部を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各ブロックを代表する画像データ(以下「ブロックデータ」という)を検出する。ブロックデータとしては、例えば、各ブロックに含まれる各色信号から算出される輝度信号の平均値などを使用する。最大値検出部508は、1つのフレームに含まれるブロックについて、ブロックデータの最大値102を検出する。補正開始レベル記憶部509は、使用者の手動操作によって予め設定された補正開始レベル211を記憶する。補正傾斜値決定部504は、補正開始レベル記憶部509に記憶された補正開始レベル211及び最大値検出部508によって検出されたブロックデータの最大値102に基づいて、入力画像信号の最大値が所定の出力範囲に収まるように補正傾斜値212を決定する。階調補正実行部505は、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号のうち値が補正開始レベル211以上である画像信号に対して、補正傾斜値212に従って階調補正を行う。このように階調補正された画像信号は、典型的には、録画装置に対して出力され、記録媒体に記録される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−261078号公報(第27段落〜第41段落、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の階調補正装置は、入力された画像信号に対して適応的に補正開始レベルを制御していないため、使用者によって設定された補正開始レベルが入力された画像信号に対して不適切な場合は、主要な被写体を必要以上に階調圧縮してしまう。図17を参照して、従来の階調補正装置のこの問題点について具体的に説明する。図17には、画像信号の度数分布の例が示されている。図17(a)は、画像の大部分を占める主要な被写体の画像信号が0〜100の入力値に偏っており、最大値が150である画像信号の度数分布図である。一方、図17(b)は、主要な被写体の画像信号が60〜150の入力値に偏っており、最大値が150である画像信号の度数分布図である。
【0007】
補正開始レベルが使用者によって100に設定されているときに、上記2つの画像がそれぞれ入力された場合について、階調補正装置11から出力される画像信号について比較する。図17(a)に示された分布を持つ画像信号が入力されたときには、入力値が0〜100である主要な被写体の画像信号は補正されず、入力値が100以上の画像信号(斜線部)のみが階調圧縮される。この場合、階調圧縮される画像信号は、画像全体に対してわずかであるため、階調補正による画像品質の劣化が少ない。一方、図17(b)に示された分布を持つ画像信号が入力されたときには、入力値が100〜150である主要な被写体の多くの部分(斜線部)が階調圧縮される。この場合、画像の多くの部分を占める画像信号が階調圧縮され、階調補正によって画像の品質が大幅に劣化してしまう。
【0008】
また、階調補正特性を自動的に制御しながら動画を撮像する場合において、1フレーム毎に画像信号に対して忠実に階調補正特性を変更すると、画像の明るさが急激に変化したり、画像の明るさが連続的に変化したりするなど、不自然な画像になってしまう場合がある。例えば、被写体の明るさが急激に変化したときに、この変化に対応して瞬時に階調補正特性を大幅に変更すると、画像の明るさが1つのフレームと次のフレームとの間で急激に変化し、不連続なフレームをつなげたような不自然な画像になる。また、被写体の明るさが連続的に変化すると、画像全体の明るさ等が変化し続ける不自然な画像になる。
【0009】
また、従来の階調補正装置は、1つのフレームを複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画素値を平均したブロックデータに基づいて階調補正特性を決定するため、被写体とブロックとの位置関係によって、ブロックデータが必要以上に変化してしまう場合がある。例えば、高輝度の被写体と低輝度の背景とを含む画像について考える。被写体がブロックの境界線に存在し、2つのブロックに分割されてブロックの一部しか占めない場合は、1つのブロックに含まれる高輝度部分の割合が少なくなる。このため、同じ被写体が1つのブロックに含まれる場合と比べて、ブロックデータが小さな値になる。このとき、被写体を含むブロックのブロックデータが画像全体のブロックデータの最大値102として検出されると、被写体の位置の変化によってブロックデータの最大値が変化し、これに伴い階調補正特性が変化することにより、補正された画像の明るさ等が変化する。
【0010】
つまり、同一の被写体と背景とを含む画像を撮像しても、画像での被写体の位置の変化に伴い、明るさが変化する不自然な画像となってしまう。この問題は、ブロックのサイズを被写体に対して十分小さくし、被写体がどのように分割されても少なくとも1つのブロック全体を占めるようにできるならば、解決できる。しかし、ブロックデータの個数を増加させると、ブロックデータ検出部501の回路規模が大幅に増大し、ブロックデータ検出の動作速度が低下するなどの問題を生じる。
【0011】
それゆえに、本発明は、主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止し、撮像状況に応じた自然な階調補正を行える階調補正装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、入力された画像の階調の一部をより少ない階調に圧縮する階調補正装置であって、
入力された画像を複数のブロックに分割し、各ブロックを代表するブロックデータを検出するブロックデータ検出手段と、
ブロックデータ検出手段で検出されたブロックデータに基づき、画像のフレームごとに、ブロックデータの最大値及び所定の統計特性値を算出する統計特性値算出手段と、
統計特性値算出手段で算出された統計特性値に基づいて、補正対象となる階調の範囲を定める補正開始レベルを決定する補正開始レベル決定手段と、
補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと、統計特性値算出手段で算出されたブロックデータの最大値とに基づき、当該最大値が所定の出力値に階調補正されるように、階調補正を行う際の補正傾斜値を決定する補正傾斜値決定手段と、
補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値とに基づく階調補正特性を用いて、入力された画像の階調を補正する階調補正実行手段とを備える。
このような第1の発明によれば、階調補正装置は、入力された画像に対して適応的に、補正開始レベル及び補正傾斜値を決定することにより、撮像状況に応じた階調補正を行うことができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、ブロックデータ検出手段は、各ブロックに含まれる画像信号に基づき、各ブロックを代表するブロックデータを検出することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、統計特性値算出手段は、統計特性値として、ブロックデータの分布の偏りを示す値を算出することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、統計特性値算出手段は、統計特性値として、ブロックデータの歪度を算出することを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第3の発明において、統計特性値算出手段は、統計特性値として、ブロックデータの中央値、ブロックデータの平均値、及びブロックデータの最大値と最小値との平均値のいずれか2つの値の差を算出することを特徴とする。
このような第3ないし第5の発明によれば、階調補正装置は、入力された1つのフレームに含まれる画像信号の分布の偏りに基づいて補正開始レベルを決定する。これにより、画像に含まれる主要な被写体の多くの部分に対する必要以上の階調圧縮を防止し、画像品質の大幅な劣化を防止することができる。
【0017】
第6の発明は、第1の発明において、階調補正実行手段は、入力された画像の階調のうち、補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベル以上の階調に対して、補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値を用いて補正を行うことを特徴とする。
このような第6の発明によれば、入力された画像に対して適応的に、補正開始レベル及び補正傾斜値を決定し、補正開始レベル以上の階調を補正傾斜値に従って階調補正を行うことができる。
【0018】
第7の発明は、第1の発明において、統計特性値算出手段は、値が所定の範囲内にあるブロックデータを選択し、選択したブロックデータについて統計特性値を算出することを特徴とする。
このような第7の発明によれば、値が所定の範囲内のブロックデータに基づいて統計特性値が算出され、算出された統計特性値に基づいて補正開始レベルがさらに決定される。これにより、補正開始レベルの決定に用いられるブロックデータの範囲を任意に制限できる。
【0019】
第8の発明は、第1の発明において、入力された画像に対して設定された有効画像領域に含まれるブロックのブロックデータを選択し、選択したブロックデータの最大値及び統計特性値を算出することを特徴とする。
このような第8の発明によれば、階調補正装置は、画像中の任意に設定された領域に含まれる画像信号に基づいて補正開始レベル及び補正傾斜値を決定する。これにより、設定された領域以外の画像の変化による階調補正特性の変化を防止し、画像中の設定された領域内に位置する被写体に対して適切な階調補正特性を決定することができる。
【0020】
第9の発明は、第1の発明において、階調補正装置は、補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと、補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値とに基づいて階調補正特性を変更するか否かを判断し、当該判断に従って、前回と同じ補正開始レベル及び補正傾斜値、又は前回から変更した補正開始レベル及び補正傾斜値のいずれかを出力する補正量変更制限手段をさらに備え、
階調補正実行手段は、補正量変更制限手段から出力された補正開始レベル及び補正傾斜値に従って、入力された画像の階調を補正することを特徴とする。
このような第9の発明によれば、階調補正装置は、直前の画像に用いた階調補正特性の変更、及び変更幅について、制限を設けることにより、階調補正特性の頻繁な及び急激な変化を防止し、自然な階調補正を行うことができる。
【0021】
第10の発明は、第9の発明において、補正量変更制限手段は、直前に所定回数だけ連続して階調補正特性を変更しないと判断しており、かつ、補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値と、前回出力した補正開始レベル及び補正傾斜値との差が、所定の範囲内にある場合には、階調補正特性を変更しないと判断し、その他の場合には、階調補正特性を変更すると判断することを特徴とする。
このような第10の発明によれば、階調補正装置は、変化の少ない画像が続けて入力された場合は、画像が大きく変化するまでは、階調補正特性を一定に保つ。これにより、変化が少ない画像が入力されたときに、階調補正により明るさ等が必要以上に変化することを防止する。
【0022】
第11の発明は、第9の発明において、補正量変更制限手段は、補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値と、前回出力した補正開始レベル及び補正傾斜値とをそれぞれ比較し、所定回数だけ連続して値の大小関係が変化しない場合には、階調補正特性を変更すると判断し、その他の場合には、階調補正特性を変更しないと判断することを特徴とする。
このような第11の発明によれば、階調補正装置は、補正開始レベル及び補正傾斜値を、増加又は減少のどちらかに変更させる画像が、一定回数以上連続して入力されなければ、階調補正特性を変更しない。これにより、入力された画像が所定のフレーム数以上同じ傾向に変化した場合のみ階調補正特性を変更し、少なくとも所定のフレーム数は一定の階調補正特性が用いられるので、階調補正特性の頻繁な及び急激な変化を防止し、自然な階調補正を実現することができる。
【0023】
第12の発明は、第9の発明において、補正量変更制限手段は、階調補正特性を変更すると判断したときは、補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値とに基づいて、1回あたりの変更量を所定値以下に制限した補正開始レベルと補正傾斜値とを出力することを特徴とする。
このような第12の発明によれば、フレーム毎に変更可能な補正開始レベル及び補正傾斜値の変更幅は、前回用いられた補正開始レベル及び補正傾斜値から所定の範囲に制限される。これにより、フレーム毎に階調補正特性が大幅に変化して画像の明るさ等が急激に変化することを防止し、階調補正特性が滑らかに変化する自然な階調補正を行うことができる。
【0024】
第13の発明は、第1の発明において、ブロックデータ検出手段は、
ブロックの境界線を複数の位置に移動させながら、入力された画像を複数の分割方法でブロックに分割し、各分割方法について各ブロックを仮に代表する仮ブロックデータを検出する仮ブロックデータ検出手段と、
複数の分割方法のうち、1の分割方法についての各ブロックのブロックデータを、仮ブロックデータ検出手段で検出された複数の仮ブロックデータに基づき算出するブロックデータ算出手段とを含む。
このような第13の発明によれば、階調補正装置は、被写体に対してブロックの境界線の位置を変えた複数の分割方法における仮ブロックデータを検出し、各ブロックについて所定の位置関係にある複数の仮ブロックデータの平均値をブロックデータとする。これにより、被写体とブロックとの位置関係の変化によるブロックデータの変化を抑制し、階調補正による画像の明るさなどの必要以上な変化を防止することができる。
【0025】
第14の発明は、第13の発明において、仮ブロックデータ検出手段は、ブロックの境界線を第1の位置、第1の位置から右に半ブロック離れた第2の位置、第1の位置から下に半ブロック離れた第3の位置、及び第1の位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の位置に移動させながら、4とおりの分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出し、
ブロックデータ算出手段は、ブロックデータを、仮ブロックデータ検出手段によって検出された4とおりの分割方法についての仮ブロックデータから、当該ブロックに対応したデータを1つずつ選択した上で、選択した4つのデータの平均値を求めることにより算出することを特徴とする。
このような第14の発明によれば、階調補正装置は、各ブロックについてブロックの境界線の位置を変えた4とおりの分割方法で仮ブロックデータを検出し、それらの平均値であるブロックデータに基づいて階調補正特性を制御している。これにより、被写体とブロックとの位置関係の変化によるブロックデータの変化を抑制し、階調補正による画像の明るさなどの必要以上な変化を防止することができる。
【0026】
第15の発明は、第13の発明において、仮ブロックデータ検出手段は、ブロックの境界線を第1の位置、第1の位置から右に半ブロック離れた第2の位置、第1の位置から下に半ブロック離れた第3の位置、及び第1の位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の位置に移動させながら、4とおりの分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出し、
ブロックデータ算出手段は、ブロックデータを、各ブロックあたり4つずつ、仮ブロックデータ検出手段によって検出された4とおりの分割方法についての仮ブロックデータから、当該ブロックに対応した仮ブロックデータを1つずつ選択した上で、選択した4つのデータの平均値を求めることにより算出することを特徴とする。
このような第15の発明によれば、階調補正装置は、ブロックの境界線の位置を変えたさまざまな分割位置で検出した仮ブロックデータを利用して、その画像に含まれるブロックの数より多い画像データを算出できる。これにより、その画像についてより詳細なブロックデータに基づいて、被写体とブロックとの位置関係の変化によるブロックデータの変化を抑制し、階調補正による画像の明るさなどの必要以上な変化を防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図1において、撮像素子1は、例えばCCDであり、受光した映像を電気信号に変換する。撮像素子1は、例えば1秒間に30フレームの画像信号を出力する。アナログプロセス回路2は、撮像素子1から受け取った画像信号に対して、相関二重サンプリング処理や、ホワイトバランス調整用のゲイン調整処理などを行う。A/D変換回路3は、アナログプロセス回路2の出力信号をデジタル信号に変換し、デジタルプロセス回路4は、キズ補正処理やガンマ補正処理などを行い、階調補正装置5へ画像信号を出力する。
【0028】
階調補正装置5は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、及び階調補正実行部505を備える。ブロックデータ検出部501は、入力された1つのフレームに含まれる画像信号の全部又は一部を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各ブロックを代表する画像データであるブロックデータを検出する。統計特性値算出部502は、ブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータに基づいて、画像のフレームごとにブロックデータの分布の偏りを示す歪度101とブロックデータの最大値102とを算出する。補正開始レベル決定部503は、統計特性値算出部502で算出された歪度101に基づいて、補正開始レベル201を決定する。補正傾斜値決定部504は、補正開始レベル決定部503で決定された補正開始レベル201、及び統計特性値算出部502で算出されたブロックデータの最大値102に基づいて、入力値の最大値が所定の出力範囲に収まるように補正傾斜値202を決定する。階調補正実行部505は、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号のうち値が補正開始レベル201以上である画像信号に対して、補正傾斜値202に従って階調補正を行う。このように階調補正された画像信号は、典型的には、録画装置に対して出力され、記録媒体に記録される。
【0029】
次に、階調補正装置5の動作を説明する。ブロックデータ検出部501は、デジタルプロセス回路4から画像信号として各色信号を受け取ると、1つのフレームの有効画像領域を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいてブロックデータを検出する。有効画像領域とは、ブロックデータが検出される画像内の全部又は一部の領域であり、例えば画像の中央部、あるいは画像の下半分などに設定される。ブロックデータは、例えば、各ブロックに含まれる画像信号の輝度の平均値である。
【0030】
統計特性値算出部502は、ブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータに、所定の処理を施したブロックデータについて歪度101を算出する。より具体的には、画像内での各ブロックの位置に応じて各ブロックデータの度数に所定の重み付け係数を掛け、さらに、値が所定の範囲内のブロックデータを選択する。統計特性値算出部502は、このような処理を施したブロックデータについて、(1)式を用いて歪度101を算出する。(1)式において、SKは歪度、Xiは各ブロックのブロックデータ、XmはXiの平均値、N はXiのブロックデータの個数である。
SK=[Σ(Xi−Xm)3/N]/[√(Σ(Xi−Xm)2/N)]3 …(1)
【0031】
図2を参照して歪度について説明する。歪度は、分布の偏りの方向と程度を表す統計特性値である。図2には、ブロックデータの度数分布の例が示されている。図2(a)は、分布が小さい入力値に偏っている画像の度数分布の例、図2(b)は、分布がほぼ左右対称である画像の度数分布の例、図2(c)は、分布が大きい入力値に偏っている画像の度数分布の例を示している。歪度は、分布が図2(a)に示すように小さい入力値に偏っている場合には正の値になり、逆に、分布が図2(c)に示すように大きい入力値に偏っている場合には負の値となり、分布が偏っている程度が大きいほど、その絶対値が大きくなる。また、図2(b)に示すように分布がほぼ左右対称である場合には、歪度はほぼ0になる。
【0032】
統計特性値算出部502は、さらにブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータの最大値102を算出する。統計特性値算出部502は、このように求めた歪度101を補正開始レベル決定部503へ出力し、最大値102を補正傾斜値決定部504へ出力する。
【0033】
補正開始レベル決定部503は、統計特性値算出部502によって算出された歪度101に基づいて、補正開始レベル201を決定する。より具体的には、歪度101がほぼ0であるときは、補正開始レベル201は、所定の補正開始レベル(以下「レベルL」という)に決定される。ここでレベルLは、例えば、補正開始レベルとして取り得る範囲の中心の値である。歪度101が正の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより高い値に決定される。また、歪度101が負の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより低い値に決定される。また、歪度101の絶対値が大きいほど、補正開始レベル201は、レベルLから離れた値に決定される。決定された補正開始レベル201は、補正傾斜値決定部504及び階調補正実行部505へ出力される。
【0034】
図2を参照して、補正開始レベルとして60から100までの値を出力する補正開始レベル決定部503の動作を、より具体的に説明する。図2(b)に示すように分布がほぼ左右対称である画像信号が入力された場合、統計特性値算出部502で算出される歪度101は、ほぼ0になる。この場合、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベル201を取り得る範囲の中心の値である80に決定する。図2(a)に示すように分布が小さい入力値に偏っている画像が入力された場合、統計特性値算出部502で算出される歪度101は正の値になる。この場合、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベル201を80〜100の範囲で歪度101の絶対値が大きいほど高い値に決定する。図2(c)に示すように分布が大きい入力値に偏っている画像が入力された場合、統計特性値算出部502で算出される歪度101は負の値になる。この場合、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベル201を60〜80の範囲で歪度101の絶対値が大きいほど低い値に決定する。
【0035】
補正傾斜値決定部504は、補正開始レベル決定部503で決定された補正開始レベル201と、統計特性値算出部502で算出されたブロックデータの最大値102とに基づいて、補正傾斜値202を決定する。具体的には、補正傾斜値決定部504は、最大値102が所定の出力範囲に入るように、補正開始レベル以上の入力信号に対する補正傾斜値202を決定する。
【0036】
図3を参照して、補正傾斜値決定部504の動作について、より具体的に説明する。図3に示された階調補正特性は、階調補正される前の画像信号(入力信号)と階調補正された後の画像信号(出力信号)との関係を示している。図3の横軸は、階調補正装置に入力される画像信号を示しており、縦軸は、階調補正装置から出力される階調補正された画像信号を示している。Xmaxは、統計特性値算出部502で算出されたブロックデータの最大値102を示し、Xstartは、補正開始レベル決定部503で決定された補正開始レベル201を表している。また、Ymaxは、所定の出力の上限を示している。入力値が0からXstartまでの範囲にある場合、入力画像信号は階調補正されない。この場合の階調補正特性は、傾きK0の直線で表される。Ystartは、K0とXstartとによって決定される。入力値がXstartからXmaxまでの範囲にある場合、入力画像信号は、入力の最大値が出力の最大値となるように決定された階調補正特性に従って階調補正される。この場合の階調補正特性は下記の式(2)で求められる傾きK1の直線で表される。
K1=(Ymax−Ystart)/(Xmax−Xstart)…(2)
このように、補正傾斜値決定部504は、ブロックデータの最大値102(式(2)におけるXmax)及び補正開始レベル201(式(2)におけるXstart)に基づき、補正傾斜値202(式(2)におけるK1)を算出する。
【0037】
次に図4を参照して、補正開始レベル決定部503で決定される補正開始レベル201と補正傾斜値決定部504で決定される補正傾斜値202との関係について説明する。図4には、3種類の階調補正特性の例が示されている。図4に示す3種類の階調補正特性では、ブロックデータの最大値はいずれも150である。また、これらの階調補正特性は、それぞれ3種類の補正開始レベルに対応したものである。図4(a)には、補正開始レベルが100であるときの階調補正特性が示されている。この場合、補正傾斜値決定部504で決定された補正傾斜値はKaである。図4(b)には、補正開始レベルが80であるときの階調補正特性が示されている。この場合、補正傾斜値決定部504で決定された補正傾斜値はKbである。図4(c)には、補正開始レベルが60であるときの階調補正特性が示されている。この場合、補正傾斜値決定部504で決定された補正傾斜値はKcである。図4から明らかなように、補正傾斜値決定部504で決定される補正開始レベルの変化に伴って、階調補正される入力値の範囲が変化すると共に、補正傾斜値も変化する。より具体的には、ブロックデータの最大値が一定の場合、補正開始レベルが低いほど、補正傾斜値は大きくなる。この例では、Ka<Kb<Kcが成立する。
【0038】
階調補正実行部505は、このように算出された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に従って、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号に対して階調補正を行う。例えば、図3に示された階調補正特性を用いると、入力された画像信号のXstartからXmaxまでの階調が、YstartからYmaxまでの階調に圧縮される。
【0039】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る階調補正装置の効果について説明する。図5には、ブロックデータの最大値がいずれも150であり、分布が小さい入力値に偏っている画像(図5(a))、分布がほぼ左右対称である画像(図5(b))、及び、分布が大きい入力値に偏っている画像(図5(c))の度数分布の例が示されている。図6には、図5に示す度数分布に対応した、3種類の階調補正特性が太線で示されている。これら3つの階調補正特性における補正開始レベルは、それぞれ100(図6(a))、80(図6(b))、及び60(図6(c))である。また、図6(a)及び(c)には、補正開始レベルが80である場合の階調補正特性が細線で示されている。
【0040】
従来の階調補正装置は、入力された画像に対して補正開始レベルを適応的に制御していないので、ブロックデータの最大値が同じであれば、同じ補正傾斜値を用いて階調補正を行う。例えば、補正開始レベルが80に設定されている場合は、図5(a)、(b)、及び(c)のいずれの分布を持つ画像が入力されても、従来の階調補正装置は、図6(b)に示される階調補正特性を用いて階調補正を行う。
【0041】
一方、本実施形態に係る階調補正装置では、図5(a)に示すように分布が小さい入力値に偏っている画像が入力されたときは、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベルを高い値(この例では100)に決定し、階調補正実行部505は、図6(a)に太線で示される階調補正特性を用いて階調補正を行う。図5(a)に示す度数分布によれば、ブロックデータが80〜100である画像の部分(図5(a)の斜線部)は、主要な被写体の一部を構成している。本実施形態に係る階調補正装置は、入力された画像の階調のうち80〜100の部分を、図6(a)に示すY1の範囲の階調に圧縮する。これに対して従来の階調補正装置は、入力された画像の階調のうち80〜100の部分を、図6(a)に示すY2の範囲の階調に圧縮する。このように本実施形態に係る階調補正装置は、従来の階調補正装置よりも主要な被写体の一部に対して、より多くの階調を割り当てる。
【0042】
また、本実施形態に係る階調補正装置では、図5(c)のように分布が大きい入力値に偏っている画像が入力されたときは、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベルを低い値(この例では60)に決定し、階調補正実行部505は、図6(c)に太線で示される階調補正特性を用いて階調補正を行う。図5(c)示す度数分布によればブロックデータが80〜150である画像の部分(図5(c)の斜線部)は、主要な被写体の一部を形成している。本実施形態に係る階調補正装置は、入力された画像の階調のうち80〜150の部分を、図6(c)に示すY3の範囲の階調に圧縮する。これに対して従来の階調補正装置は、入力された画像のうち80〜150の部分を、図6(c)に示すY4の範囲の階調に圧縮する。このように本実施形態に係る階調補正装置は、従来の階調補正装置よりも主要な被写体の一部に多くの階調を割り当てる。さらに、入力値が60〜150である主要な被写体の全体に対して、均一に階調を割り当てる。
【0043】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置は、入力された画像ブロックデータについて最大値と歪度とを算出し、算出した値に基づいて補正開始レベル及び補正傾斜値を決定し、決定した値に従って階調補正を行う。これにより、入力された画像信号に対して適応的に階調補正特性を制御し、主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止した階調補正を行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、補正開始レベルは60〜100の範囲の値を取り得るとし、歪度がほぼ0のときは、上記範囲の中心の値である80を所定の補正開始レベルLとして決定することとした。これに代えて、補正開始レベルの範囲は、60〜100より広くても又は狭くてもよいし、所定の補正開始レベルLは、上記範囲内で任意に設定されてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、階調補正実行部における階調補正特性が、決定された補正傾斜値を傾きとする直線で表されることとした。これに代えて、階調補正実行部における階調補正特性が、補正開始レベル及び補正傾斜値に基づいて決定される他の特性、例えば曲線で表される特性であってもよい。
【0046】
また、本実施形態では、階調補正装置5は、デジタルプロセス回路4でガンマ補正処理された画像信号に対して階調補正を行うこととしたが、これに代えて、ガンマ補正処理されていない画像信号に対して階調補正を行い、階調補正後の画像信号にガンマ補正処理を施してもよい。
【0047】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図7に示す階調補正装置6は、比較的簡単に計算できる統計特性値を組み合わせることにより、ブロックデータの分布の偏りを示す値を算出し、算出した値に基づいて補正開始レベルを決定することを特徴とする。このため、階調補正装置6は、第1の実施形態に係る階調補正装置5と比較して、統計特性値算出部502を統計特性値算出部512に置換し、補正開始レベル決定部503を補正開始レベル決定部513に置換した構成を有している。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0048】
階調補正装置6は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部512、補正開始レベル決定部513、補正傾斜値決定部504、及び階調補正実行部505を備える。統計特性値算出部512は、ブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータについて平均値と中央値とを算出し、算出した平均値から中央値を引いた差をブロックデータの分布の偏りを示す値111(以下「分布傾向値」という)として出力する。統計特性値算出部512は、さらにブロックデータの最大値102を算出する。補正開始レベル決定部513は、統計特性値算出部512によって算出された分布傾向値111に基づいて補正開始レベル201を決定する。
【0049】
次に、図8を参照して、分布傾向値111と度数分布の偏りとの関係について説明する。図8は、図2に示す度数分布に、ブロックデータの平均値M1と、ブロックデータの中央値M2と、ブロックデータの最大値及び最小値の平均値M3との関係を示す模式図である。中央値とはデータを大きさの順に並べた時にちょうど中央に位置する値で、データ数が奇数(2k−1;kは任意の正の整数)の場合はk番目に大きい(または小さい)値が中央値になる。また、データ数が偶数(2k)の場合はk番目に大きい値と(k+1)番目に大きい値との平均値が中央値となる。
【0050】
図8(a)に示すように分布が小さい入力値に偏っている画像信号では、平均値M2は中央値M1より大きな値になる。このため平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同様に正の値になる。一方、図8(c)に示すように分布が大きい入力値に偏っている画像信号では、平均値M2は中央値M1より小さな値になる。このため平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同様に負の値になる。さらに、図8(b)に示すように分布がほぼ左右対称である画像信号では、平均値M2と中央値M1とはほぼ等しくなるため、平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同様にほぼ0になる。このように、平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同じように、分布の偏りに応じて変化する。統計特性値算出部512は、ブロックデータの平均値M2から中央値M1を差し引いた差(M2−M1)を分布傾向値111として出力する。
【0051】
補正開始レベル決定部513は、統計特性値算出部512によって算出された分布傾向値111に基づいて、補正開始レベル201を決定する。より具体的には、分布傾向値111がほぼ0であるときは、補正開始レベル201は、所定の補正開始レベル(以下「レベルL」という)に決定される。ここでレベルLは、例えば、補正開始レベルとして取り得る範囲の中心の値である。分布傾向値111が正の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより高い値に決定される。また、分布傾向値111が負の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより低い値に決定される。また、分布傾向値111の絶対値が大きいほど、補正開始レベル201は、レベルLから離れた値に決定される。決定された補正開始レベル201は、補正傾斜値決定部504及び階調補正実行部505に対して出力される。
【0052】
第1の実施形態では、度数分布の偏りを示す値として、歪度を用いることとした。これに代えて、本実施形態では、比較的簡単に算出できる平均値及び中央値を組み合わせることによりブロックデータの分布の偏りを示す値を算出することとした。従って本実施形態に係る階調補正装置によれば、比較的小さい回路規模の統計特性値算出部で度数分布の偏りを示す値を算出することができる。これにより、回路規模を大幅に増大することなく、入力された画像信号に対して適応的に階調補正特性を制御し、主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止した階調補正を行うことができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、統計特性値算出部512は、ブロックデータの平均値M2及び中央値M1を算出し、両者の差を分布の偏りを示す値として出力することとした。これに代えて、統計特性値算出部512はブロックデータの最大値及び最小値の平均値M3から平均値M2を引いた差(M3−M2)、又は、最大値及び最小値の平均値M3から中央値M1を引いた差(M3−M1)などを出力することとしてもよい。図8に示すように、これら2つの差も歪度と同じように分布の偏りに応じて変化するので、これらの差を用いた場合にも、本実施形態に係る階調補正装置と同様の効果を奏する。また、上記の例に限らず、統計特性値算出部512は、ブロックデータから比較的簡単に算出される他の統計特性値を組み合わせることにより、分布の偏りを示す値を算出してもよい。
【0054】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図9に示す階調補正装置7は、第1の実施形態に係る階調補正装置5に、直前のフレームに用いた階調補正特性を変更するか否かを判断し、階調補正特性を変更する場合は、補正開始レベル及び補正傾斜値の変更幅を制限する機能を追加したものである。このため、階調補正装置7は、階調補正装置5と比較して、補正量変更制限部506をさらに備えている。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0055】
階調補正装置7は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、補正量変更制限部506、及び階調補正実行部505を備える。補正量変更制限部506は、階調補正特性の変更履歴として、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を変更したか否かとを記憶している。また、補正量変更制限部506は、新たな補正開始レベル201及び補正傾斜値202が決定されると、記憶している階調補正特性の変更履歴に基づいて、後述するように、階調補正特性を変更するか否かを判断する。さらに、補正量変更制限部506は、階調補正特性を変更するときは、変更後の階調補正特性を大幅に変更することを防止するために、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。補正量変更制限部506は、このような処理によって決定した補正開始レベル301及び補正傾斜値302を階調補正実行部505へ出力する。
【0056】
次に、本実施形態に係る階調補正装置7の動作を説明する。補正量変更制限部506は、上述したように直前のフレームについての階調補正特性と直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を変更したか否かとを記憶している。補正量変更制限部506は、このうち後者の情報に基づいて、現在の補正動作状態が変更状態か安定状態かを判断する。具体的には、補正量変更制限部506は、直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を一度でも変更した場合は変更状態と判断し、直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を一度も変更しなかった場合は安定状態と判断する。
【0057】
補正量変更制限部506は、補正動作状態が安定状態であるときは、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、今回のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値とを比較し、それぞれの変更幅が所定の範囲内にあるか否かを判断する。2つの値の変更幅がどちらも所定の範囲内にある場合には、補正量変更制限部506は、階調補正特性を変更しない。すなわち補正量変更制限部506は、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値を出力し続ける。一方、2つの値の少なくとも一方が所定の範囲を超えている場合には、補正量変更制限部506は、補正動作状態を安定状態から変更状態に移行させ、以下のように階調補正特性を変更する。
【0058】
補正量変更制限部506は、補正動作状態が変更状態であると判断したときは、階調補正特性を大幅に変更することを防止するために、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。すなわち、補正量変更制限部506は、入力された補正開始レベル201が直前のフレームについての補正開始レベルから所定値以上離れているときは、直前のフレームについての補正開始レベルに当該所定値を加えた値(あるいは引いた値)を補正開始レベル301として出力する。補正傾斜値についても同様である。補正量変更制限部506は、クリップ処理を行って得られた補正開始レベル301及び補正傾斜値302を階調補正実行部505へ出力する。これとともに、補正量変更制限部506は、今回のフレームについての階調補正特性の変更履歴を追加する。階調補正実行部505は、補正量変更制限部506から出力された補正開始レベル301及び補正傾斜値302に基づいて、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号に対して階調補正を行う。
【0059】
次に、本実施形態に係る階調補正装置の効果を説明する。例えば、同じ被写体が続けて撮像されている場合には、ブロックデータはフレーム毎にほとんど変化しない。この場合、補正開始レベル及び補正傾斜値が所定数のフレームで変更されなければ、補正量変更制限部506は、補正動作状態が安定状態であると判断し、今回のフレームに対する補正開始レベル及び補正傾斜値として、直前のフレームに用いた値を変更せずに出力する。従って、画像の変化が少ない場合には、階調補正装置は、階調補正特性を変化させずに階調補正を行う。
【0060】
次に、被写体が移動したり、撮像装置を動かした場合は、今回のフレームと直前のフレームとの間でブロックデータが大幅に変化する。今回のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値の少なくとも一方が直前のフレームについての値から所定の変更幅を超えて変化した場合、補正量変更制限部506は、補正動作状態を変更状態へ移行させ、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。つまり、補正量変更制限部506は、補正開始レベル及び補正傾斜値の急激な変更を避け、段階的に階調補正特性を変更する。また、補正動作状態が変更状態のときは、直前のフレームに用いた階調補正特性からの変更幅がわずかでも、補正開始レベル及び補正傾斜値を変更する。これにより、階調補正特性は、入力された画像信号に追随して最適な特性に変更される。
【0061】
また、本実施形態に係る階調補正装置は、被写体が有効画像領域の境界線付近に位置する場合に顕著な効果を発揮する。図10は、白抜きで示された有効画像領域と斜線で示された有効画像領域外の境界線上に、一人の人物が位置する画像を表したものである。このような画像では、被写体のわずかな動きによってもブロックデータが変化する。本実施形態に係る階調補正装置は、階調補正特性の変更を制限することによって、明るさなどが頻繁に変化する不自然な画像を出力することを防止することができる。
【0062】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置は、主要な被写体が有効画像領域に入らない場合や、有効画像領域内で移動する場合など、ブロックデータの変化が少ないときには、一定の階調補正特性に従って階調補正を行う。これにより、画面全体の明るさなどが頻繁に変化しない自然な画像を出力することができる。また、有効画像領域外にあった被写体が有効画像領域内に移動する場合など、ブロックデータが急激に変化するときは、本実施形態に係る階調補正装置は、なめらかに段階的に階調補正特性を変更し、自然な階調補正を行うことができる。
【0063】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図11に示す階調補正装置8は、第3の実施形態に係る階調補正装置7において、所定回数だけ続けて、補正開始レベル又は補正傾斜値を増加又は減少させる画像が入力されたときに、初めて階調補正特性を変更することとしたものである。このため、階調補正装置8は、階調補正装置7と比較して、補正量変更制限部506を補正量変更制限部516に置換した構成を有している。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0064】
階調補正装置8は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、補正量変更制限部516、及び階調補正実行部505を備える。補正量変更制限部516は、階調補正特性の変更履歴として、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、後述する2つのカウント値とを記憶している。補正量変更制限部516は、新たな補正開始レベル201及び補正傾斜値202が決定されると、記憶している補正開始レベル及び補正傾斜値に基づいて後述するように、階調補正特性を変更するか否かを判断する。また、補正量変更制限部516は、第3の実施形態に係る補正量変更制限部506と同様に、補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。補正量変更制限部516は、このような処理によって決定した補正開始レベル311及び補正傾斜値312を階調補正実行部505へ出力する。
【0065】
次に、本実施形態に係る階調補正装置8の動作を説明する。補正量変更制限部516は、上述したように直前のフレームについての階調補正特性と2つのカウント値とを記憶している。補正量変更制限部516は、新たな補正開始レベル201及び補正傾斜値202が入力されると、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、今回のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値との大小関係をそれぞれ比較する。補正量変更制限部516が記憶している2つのカウント値は、補正開始レベル及び補正傾斜値それぞれについて、上記大小関係を比較した結果が同じままで連続している回数であり、補正量変更制限部516は、上記比較した結果に応じて、カウント値を更新する。2つのカウント値がいずれも所定値より小さいとき、すなわち所定回数だけ連続して直前のフレームと今回のフレームとの補正開始レベル及び補正傾斜値の大小関係が変化しない場合は、補正量変更制限部516は、記憶している補正開始レベル及び補正傾斜値を階調補正実行部505へ出力する。
【0066】
一方、2つのカウント値のいずれかが所定値以上になったときは、補正量変更制限部516は、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を施し、クリップ後の補正開始レベル311及び補正傾斜値312を階調補正実行部505へ出力する。階調補正実行部505は、補正量変更制限部516から出力された補正開始レベル311及び補正傾斜値312に基づいて、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号に対して階調補正を行う。
【0067】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置は、所定回数だけ続けて、補正開始レベル又は補正傾斜値を増加又は減少させる画像が入力されたときに、初めて階調補正特性を変更する。これにより、例えば、補正開始レベル及び補正傾斜値が1フレーム毎に増加と減少とを繰り返すような画像が入力された場合でも、本実施形態に係る階調補正装置は、階調補正特性を変化させない。これにより、階調補正により画像の明るさなどが頻繁に変化することを防ぎ、自然な階調補正を行うことができる。
【0068】
(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図12に示す階調補正装置9は、第3の実施形態に係る階調補正装置7において、入力された画像を複数の分割方法で分割して、各分割方法について各ブロックを仮に代表するようなデータ(以下「仮ブロックデータ」という)を検出し、検出した仮ブロックデータに基づき、ブロックデータを算出することを特徴とする。このため、階調補正装置9は、階調補正装置7と比較して、ブロックデータ検出部501をブロックデータ検出部521に置換した構成を有している。本実施形態の構成要素のうち、第1又は第3の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0069】
階調補正装置9は、ブロックデータ検出部521、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、補正量変更制限部506、及び階調補正実行部505を備える。ブロックデータ検出部521は、仮ブロックデータ検出部522と、ブロックデータ算出部523とを含む。仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界を複数の位置に移動させながら、入力された1つのフレームに含まれる画像信号を、複数の分割方法で分割し、各分割方法について仮ブロックデータを検出する。より詳細には、仮ブロックデータ検出部522は、画像信号を後述するように、4とおりの分割方法で複数のブロックに分割し、各分割方法における仮ブロックデータを検出する。ブロックデータ算出部523は、仮ブロックデータ検出部522で4とおりの各分割方法で検出された仮ブロックデータに基づいて、各ブロックのブロックデータを算出し、その値を当該ブロックのブロックデータとして統計特性値算出部502へ出力する。
【0070】
次に、本実施形態に係る階調補正装置9の動作を説明する。まず、図13を参照して、仮ブロックデータ検出部522の動作を説明する。図13には、被写体である人物が中央に撮像された画像に対して、4とおりの位置にブロックの境界線を設定した例が示されている。図13(a)、(b)、(c)、及び(d)に実線で示した位置を、それぞれ第1の分割位置、第2の分割位置、第3の分割位置、及び第4の分割位置として、図13(b)、(c)、及び(d)に破線で示した位置は、第1の分割位置である。第2の分割位置は、第1の分割位置よりも右に半ブロック離れた位置にある。第3の分割位置は、第1の分割位置よりも下に半ブロック離れた位置にある。第4の分割位置は、第1の分割位置よりも右と下とにそれぞれ半ブロック離れた位置にある。このように、仮ブロックデータ検出部522は、上記のように4とおりの位置にブロック境界線を移動させながら、入力された1つのフレームに含まれる画像信号を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出する。
【0071】
次に、図14を参照して、仮ブロックデータ検出部522及び、ブロックデータ算出部523の動作をより具体的に説明する。図14は、ブロックデータの算出方法を説明するための図である。図14において実線で囲まれた矩形領域は、1つのブロックを表している。図14(a)、(b)、(c)、及び(d)にはそれぞれ第1の分割位置、第2の分割位置、第3の分割位置、及び第4の分割位置にブロックの位置を設定した場合の1つのブロックが、実線で示されている。図14には、画像を、1つのブロックの縦横半分の大きさに分割した画像領域A〜Iが示されている。ここでは説明を容易にするため、1つのブロックの検出値をそのブロックに含まれる上記の画像領域の和(例えば(A+B+D+E))で表すこととする。
【0072】
仮ブロックデータ検出部522は、まず、入力された画像を、第1の分割位置に設定したブロックの境界線で複数のブロックに分割し、図14(a)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(A+B+D+E)を検出する。次に、仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界線を第1の分割位置から右に半ブロック離れた第2の分割位置に移動させて、上記入力された画像をブロックに分割し、図14(b)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(B+C+E+F)を検出する。さらに、仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界線を第1の分割位置から下に半ブロック離れた第3の分割位置に移動させて、上記入力された画像をブロックに分割し、図14(c)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(D+E+G+H)を検出する。さらに、仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界線を第1の分割位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の分割位置に移動させて、上記入力された画像をブロックに分割し、図14(d)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(E+F+H+I)を検出する。
【0073】
ブロックデータ算出部523は、仮ブロックデータ検出部522で検出された各ブロックの仮ブロックデータから、各ブロックについて4とおりの分割位置の仮ブロックデータの平均値((A+2B+C+2D+4E+2F+G+2H+I)÷4)を算出する。ブロックデータ算出部523は、この値を図14に示された画像領域Eを中心とした分割位置におけるブロックのブロックデータとして、統計特性値算出部502へ出力する。なお、この画像データは、図14に示された画像領域Eの画像データを空間的に平滑化した結果と同じである。
【0074】
次に、図15を参照して、本実施形態に係る階調補正装置9の効果を具体的に説明する。図15には、低輝度の背景を高輝度の円形の被写体が右から左へ移動している画像が入力されたときの各フレームにおける、仮ブロックデータ検出部522で検出された被写体周辺の仮ブロックデータが示されている。図15(a)〜(d)の各図は、入力された画像の各フレームにおける被写体の位置を示した図であり、上の図から下の図へ向かって、被写体が左へ移動している過程の各フレームを時間の経過順に示している。これらの図には、第1の分割位置におけるブロックの境界線が細線で示されている。また、図15(a)〜(d)の各図の右側には、図15(a)に示したP、Q、R、及びSの位置の各ブロックについて、第1から第4の各分割位置における仮ブロックデータが、それぞれ示されている。被写体とブロックとの位置関係に対する仮ブロックデータの変化を表すために、被写体及び各分割位置におけるブロックの境界線(実線)を示し、各ブロックの中央に仮ブロックデータを示している。また、第2〜第4の分割位置においては、第1の分割位置におけるブロックの境界線(破線)を同時に示している。これら第1の分割位置におけるブロックの境界線(破線)は、図15(a)〜(d)に示された第1の分割位置におけるブロックの境界線(細線)と同一である。ここでは説明を容易にするため、被写体全体を含んでいるブロックのブロックデータを160、被写体の半分を含んでいるブロックのブロックデータを80、被写体の4分の1を含んでいるブロックのブロックデータを40、及び被写体を全く含んでいないブロックのブロックデータを0とする。
【0075】
実施形態1ないし4に係る階調補正装置では、ブロックデータ検出部501は、1つのフレームを1つの分割方法で分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各ブロックのブロックデータを検出する。このため、図15に示した画像が入力された場合、図15に示された第1の分割位置における各ブロックの仮ブロックデータが、そのままブロックデータとして検出される。この場合、ブロックデータの最大値は、被写体の位置の変化に従って、それぞれ図15(a)〜(d)に示されたフレームの順に80、160、80、及び160と変化する。つまり、ブロックデータの最大値は、被写体の位置の変化に伴って80から160の間で変化する。実施形態1ないし4に係る階調補正装置は、このように変化するブロックデータの最大値に基づいて補正傾斜値を決定するため、画像中の被写体の位置の変化に伴って補正傾斜値が変化し、階調補正によって画像の明るさが不自然に変化してしまう。
【0076】
一方、本実施形態に係る階調補正装置では、仮ブロックデータ検出部522が、図15に示された4とおりの分割位置で各ブロックのブロックデータを検出し、ブロックデータ算出部523は、各ブロックについて、4とおりの各分割位置におけるブロックデータの平均値を算出する。図15に示した画像が入力された場合、図15(a)〜(d)に示された各フレームが入力された場合、ブロックデータ算出部523で算出されるブロックP、Q、R、及びSのブロックデータ及びブロックデータの最大値は、以下のとおりである。
【0077】
図15(a)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは0、ブロックQは90、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。図15(b)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは30、ブロックQは90、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。図15(c)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは90、ブロックQは30、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。図15(d)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは90、ブロックQは0、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。
【0078】
つまり、本実施形態に係る階調補正装置によれば、図15に示された画像が入力された場合、ブロックデータ算出部523によって算出されたブロックデータの最大値は、図15(a)〜(d)に示されたいずれのフレームにおいても90となる。本実施形態に係る階調補正装置によれば、被写体とブロックの位置関係の変化に伴ってブロックデータの最大値が変化しないため、被写体の位置の変化によって階調補正特性が変化しない。
【0079】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置では、ブロックデータ検出部521は、被写体に対してさまざまな境界線で分割された仮ブロックデータに基づいて各ブロックのブロックデータを算出し、このブロックデータを統計特性値算出部へ出力する。このためブロックと被写体との位置関係の違いによる仮ブロックデータの差異を平滑化することができる。また、別の視点から述べれば、本実施形態に係る階調補正装置は、縦横共に一辺の長さがブロックの半分である領域(例えば図13における領域E)を代表する画像データを検出する場合と同様の効果を得ることができる。つまり、実効的に画像データを検出する領域のサイズより大きなブロックを代表する画像データで動作可能なため、検出すべきブロックの数が削減され、ブロックデータ検出回路の回路規模を大幅に削減できる。また、1フレームに含まれるブロック数が削減されると、ブロックデータ検出部からデータを転送する処理速度が遅くても所定の時間内で処理可能になる。これにより、処理能力の比較的小さな回路を用いることができるので、消費電力削減及びコスト削減などの重要な効果が得られる。
【0080】
なお、本実施形態では、仮ブロックデータ検出部522は、4とおりの分割方法で、それぞれ仮ブロックデータを検出することとした。これに代えて、仮ブロックデータ検出部522は任意の数の分割方法で、仮ブロックデータを検出してもよい。例えば、第1の分割位置に対して方向と距離を変えた位置を追加して分割方法の数を増やしてもよいし、又は方向を横方向に限定するなどして分割方法の数を減らしてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、ブロックデータ算出部523は、第1の分割位置における各ブロックのブロックデータを、そのブロックに対して、同じ位置、右に半ブロック離れた位置、下に半ブロック離れた位置、及び右と下とに半ブロックずつ離れた位置の仮ブロックデータを4とおりの各分割方法の仮ブロックデータから選択し、その平均値として算出した。そして、算出したブロックデータを第1の分割方法における各ブロックを代表するブロックデータとして、統計特性値算出部502へ出力することとした。これに代えて、ブロックデータ算出部523は、第1〜第4の分割方法における各ブロックのブロックデータを、そのブロックに対して、同じ位置、右に半ブロック離れた位置、下に半ブロック離れた位置、及び右と下とに半ブロックずつ離れた位置の仮ブロックデータを4とおりの各分割方法の仮ブロックデータから選択し、その平均値として算出する。そして、第1の分割位置における各ブロックを代表するブロックデータとして、そのブロックの第1〜第4の分割位置について上記算出した4つのブロックデータを、統計特性値算出部502へ出力することとしてもよい。なお、この場合、統計特性値算出部502は、ブロックの4倍の個数のブロックデータに基づいてブロックデータの最大値及び所定の統計特性値を算出する。
【0082】
また、第1ないし第5の実施形態に係る階調補正装置内の全部又は一部の構成要素は、所定のプログラムを実行するマイクロコンピュータによって実現されてもよいし、専用のロジック回路で実現されてもよい。
【0083】
また、第1ないし第5の実施形態では、ブロックデータ検出部は、各ブロックに含まれる画像信号から算出した輝度信号の平均値をブロックデータとすることとしたが、これに限らず、例えば各色信号(例えばRGB信号)の最大値である信号など、他の画像信号をブロックデータとして用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置で検出されるブロックデータの度数分布図の例である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置に含まれる補正傾斜値決定部の動作を説明するための階調補正特性図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置の階調補正特性図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置の効果を説明するための度数分布図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置の効果を説明するための階調補正特性図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る階調補正装置の作用を説明するための度数分布図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る階調補正装置入力される画像の例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置のブロック分割位置の例を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置のブロックデータ検出部の動作を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置の作用を説明する図である。
【図16】従来の階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の階調補正装置で検出されるブロックデータの度数分布図の例である。
【符号の説明】
1…撮像素子
2…アナログプロセス回路
3…A/D変換回路
4…デジタルプロセス回路
5、6、7、8、9、11…階調補正装置
101…ブロックデータの歪度
102…ブロックデータの最大値
111…ブロックデータの分布傾向値
201、211、301、311…補正開始レベル
202、212、302、312…補正傾斜値
501、521…ブロックデータ検出部
502、512…統計特性値算出部
503、513…補正開始レベル決定部
504…補正傾斜値決定部
505…階調補正実行部
506、516…補正量変更制限部
508…最大値検出部
509…補正開始レベル記憶部
522…仮ブロックデータ検出部
523…ブロックデータ算出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された画像の階調の一部をより少ない階調に圧縮する階調補正装置に関し、より特定的には、ビデオカメラ、VTR一体型カメラなどの撮像装置に内蔵して使用される階調補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラなどの撮像装置は、撮像した画像信号に対して、画像のコントラスト、被写体の明るさ、画像信号の階調等を補正する処理を行っている。画像信号の階調を補正する方法として、従来から、以下に示すニー補正が知られている。一般に、所定の出力範囲を超えた入力画像信号は、出力クリップ処理により出力の最大値で出力されるため、階調を失い、画面等では白く塗りつぶしたように表示される。このような画像品質の低下を防止するために、階調を残しつつ、画像信号を所定の出力範囲内に収める必要がある。ニー補正は、入力された画像に含まれる画像信号の最大値を検出し、検出された最大値が所定の出力範囲に収まるように、入力された画像信号の階調の一部をより少ない階調に圧縮する方法の1つである。また、従来の階調補正装置は、入力画像信号のヒストグラムデータの最大値を検出し、ヒストグラムデータの最大値に応じた階調補正特性を算出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図16は、従来の階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図16において、撮像素子1は、例えばCCDであり、受光した映像を電気信号に変換する。撮像素子1は、例えば1秒間に30フレームの画像信号を出力する。アナログプロセス回路2は、撮像素子1から受け取った画像信号に対して、相関二重サンプリング処理や、ホワイトバランス調整用のゲイン調整処理などを行う。A/D変換回路3は、アナログプロセス回路2の出力信号をデジタル信号に変換し、デジタルプロセス回路4は、キズ補正処理やガンマ補正処理などを行い、階調補正装置11へ画像信号を出力する。
【0004】
ブロックデータ検出部501は、入力された1つのフレームに含まれる画像信号の全部又は一部を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各ブロックを代表する画像データ(以下「ブロックデータ」という)を検出する。ブロックデータとしては、例えば、各ブロックに含まれる各色信号から算出される輝度信号の平均値などを使用する。最大値検出部508は、1つのフレームに含まれるブロックについて、ブロックデータの最大値102を検出する。補正開始レベル記憶部509は、使用者の手動操作によって予め設定された補正開始レベル211を記憶する。補正傾斜値決定部504は、補正開始レベル記憶部509に記憶された補正開始レベル211及び最大値検出部508によって検出されたブロックデータの最大値102に基づいて、入力画像信号の最大値が所定の出力範囲に収まるように補正傾斜値212を決定する。階調補正実行部505は、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号のうち値が補正開始レベル211以上である画像信号に対して、補正傾斜値212に従って階調補正を行う。このように階調補正された画像信号は、典型的には、録画装置に対して出力され、記録媒体に記録される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−261078号公報(第27段落〜第41段落、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の階調補正装置は、入力された画像信号に対して適応的に補正開始レベルを制御していないため、使用者によって設定された補正開始レベルが入力された画像信号に対して不適切な場合は、主要な被写体を必要以上に階調圧縮してしまう。図17を参照して、従来の階調補正装置のこの問題点について具体的に説明する。図17には、画像信号の度数分布の例が示されている。図17(a)は、画像の大部分を占める主要な被写体の画像信号が0〜100の入力値に偏っており、最大値が150である画像信号の度数分布図である。一方、図17(b)は、主要な被写体の画像信号が60〜150の入力値に偏っており、最大値が150である画像信号の度数分布図である。
【0007】
補正開始レベルが使用者によって100に設定されているときに、上記2つの画像がそれぞれ入力された場合について、階調補正装置11から出力される画像信号について比較する。図17(a)に示された分布を持つ画像信号が入力されたときには、入力値が0〜100である主要な被写体の画像信号は補正されず、入力値が100以上の画像信号(斜線部)のみが階調圧縮される。この場合、階調圧縮される画像信号は、画像全体に対してわずかであるため、階調補正による画像品質の劣化が少ない。一方、図17(b)に示された分布を持つ画像信号が入力されたときには、入力値が100〜150である主要な被写体の多くの部分(斜線部)が階調圧縮される。この場合、画像の多くの部分を占める画像信号が階調圧縮され、階調補正によって画像の品質が大幅に劣化してしまう。
【0008】
また、階調補正特性を自動的に制御しながら動画を撮像する場合において、1フレーム毎に画像信号に対して忠実に階調補正特性を変更すると、画像の明るさが急激に変化したり、画像の明るさが連続的に変化したりするなど、不自然な画像になってしまう場合がある。例えば、被写体の明るさが急激に変化したときに、この変化に対応して瞬時に階調補正特性を大幅に変更すると、画像の明るさが1つのフレームと次のフレームとの間で急激に変化し、不連続なフレームをつなげたような不自然な画像になる。また、被写体の明るさが連続的に変化すると、画像全体の明るさ等が変化し続ける不自然な画像になる。
【0009】
また、従来の階調補正装置は、1つのフレームを複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画素値を平均したブロックデータに基づいて階調補正特性を決定するため、被写体とブロックとの位置関係によって、ブロックデータが必要以上に変化してしまう場合がある。例えば、高輝度の被写体と低輝度の背景とを含む画像について考える。被写体がブロックの境界線に存在し、2つのブロックに分割されてブロックの一部しか占めない場合は、1つのブロックに含まれる高輝度部分の割合が少なくなる。このため、同じ被写体が1つのブロックに含まれる場合と比べて、ブロックデータが小さな値になる。このとき、被写体を含むブロックのブロックデータが画像全体のブロックデータの最大値102として検出されると、被写体の位置の変化によってブロックデータの最大値が変化し、これに伴い階調補正特性が変化することにより、補正された画像の明るさ等が変化する。
【0010】
つまり、同一の被写体と背景とを含む画像を撮像しても、画像での被写体の位置の変化に伴い、明るさが変化する不自然な画像となってしまう。この問題は、ブロックのサイズを被写体に対して十分小さくし、被写体がどのように分割されても少なくとも1つのブロック全体を占めるようにできるならば、解決できる。しかし、ブロックデータの個数を増加させると、ブロックデータ検出部501の回路規模が大幅に増大し、ブロックデータ検出の動作速度が低下するなどの問題を生じる。
【0011】
それゆえに、本発明は、主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止し、撮像状況に応じた自然な階調補正を行える階調補正装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、入力された画像の階調の一部をより少ない階調に圧縮する階調補正装置であって、
入力された画像を複数のブロックに分割し、各ブロックを代表するブロックデータを検出するブロックデータ検出手段と、
ブロックデータ検出手段で検出されたブロックデータに基づき、画像のフレームごとに、ブロックデータの最大値及び所定の統計特性値を算出する統計特性値算出手段と、
統計特性値算出手段で算出された統計特性値に基づいて、補正対象となる階調の範囲を定める補正開始レベルを決定する補正開始レベル決定手段と、
補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと、統計特性値算出手段で算出されたブロックデータの最大値とに基づき、当該最大値が所定の出力値に階調補正されるように、階調補正を行う際の補正傾斜値を決定する補正傾斜値決定手段と、
補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値とに基づく階調補正特性を用いて、入力された画像の階調を補正する階調補正実行手段とを備える。
このような第1の発明によれば、階調補正装置は、入力された画像に対して適応的に、補正開始レベル及び補正傾斜値を決定することにより、撮像状況に応じた階調補正を行うことができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、ブロックデータ検出手段は、各ブロックに含まれる画像信号に基づき、各ブロックを代表するブロックデータを検出することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、統計特性値算出手段は、統計特性値として、ブロックデータの分布の偏りを示す値を算出することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、統計特性値算出手段は、統計特性値として、ブロックデータの歪度を算出することを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第3の発明において、統計特性値算出手段は、統計特性値として、ブロックデータの中央値、ブロックデータの平均値、及びブロックデータの最大値と最小値との平均値のいずれか2つの値の差を算出することを特徴とする。
このような第3ないし第5の発明によれば、階調補正装置は、入力された1つのフレームに含まれる画像信号の分布の偏りに基づいて補正開始レベルを決定する。これにより、画像に含まれる主要な被写体の多くの部分に対する必要以上の階調圧縮を防止し、画像品質の大幅な劣化を防止することができる。
【0017】
第6の発明は、第1の発明において、階調補正実行手段は、入力された画像の階調のうち、補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベル以上の階調に対して、補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値を用いて補正を行うことを特徴とする。
このような第6の発明によれば、入力された画像に対して適応的に、補正開始レベル及び補正傾斜値を決定し、補正開始レベル以上の階調を補正傾斜値に従って階調補正を行うことができる。
【0018】
第7の発明は、第1の発明において、統計特性値算出手段は、値が所定の範囲内にあるブロックデータを選択し、選択したブロックデータについて統計特性値を算出することを特徴とする。
このような第7の発明によれば、値が所定の範囲内のブロックデータに基づいて統計特性値が算出され、算出された統計特性値に基づいて補正開始レベルがさらに決定される。これにより、補正開始レベルの決定に用いられるブロックデータの範囲を任意に制限できる。
【0019】
第8の発明は、第1の発明において、入力された画像に対して設定された有効画像領域に含まれるブロックのブロックデータを選択し、選択したブロックデータの最大値及び統計特性値を算出することを特徴とする。
このような第8の発明によれば、階調補正装置は、画像中の任意に設定された領域に含まれる画像信号に基づいて補正開始レベル及び補正傾斜値を決定する。これにより、設定された領域以外の画像の変化による階調補正特性の変化を防止し、画像中の設定された領域内に位置する被写体に対して適切な階調補正特性を決定することができる。
【0020】
第9の発明は、第1の発明において、階調補正装置は、補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと、補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値とに基づいて階調補正特性を変更するか否かを判断し、当該判断に従って、前回と同じ補正開始レベル及び補正傾斜値、又は前回から変更した補正開始レベル及び補正傾斜値のいずれかを出力する補正量変更制限手段をさらに備え、
階調補正実行手段は、補正量変更制限手段から出力された補正開始レベル及び補正傾斜値に従って、入力された画像の階調を補正することを特徴とする。
このような第9の発明によれば、階調補正装置は、直前の画像に用いた階調補正特性の変更、及び変更幅について、制限を設けることにより、階調補正特性の頻繁な及び急激な変化を防止し、自然な階調補正を行うことができる。
【0021】
第10の発明は、第9の発明において、補正量変更制限手段は、直前に所定回数だけ連続して階調補正特性を変更しないと判断しており、かつ、補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値と、前回出力した補正開始レベル及び補正傾斜値との差が、所定の範囲内にある場合には、階調補正特性を変更しないと判断し、その他の場合には、階調補正特性を変更すると判断することを特徴とする。
このような第10の発明によれば、階調補正装置は、変化の少ない画像が続けて入力された場合は、画像が大きく変化するまでは、階調補正特性を一定に保つ。これにより、変化が少ない画像が入力されたときに、階調補正により明るさ等が必要以上に変化することを防止する。
【0022】
第11の発明は、第9の発明において、補正量変更制限手段は、補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値と、前回出力した補正開始レベル及び補正傾斜値とをそれぞれ比較し、所定回数だけ連続して値の大小関係が変化しない場合には、階調補正特性を変更すると判断し、その他の場合には、階調補正特性を変更しないと判断することを特徴とする。
このような第11の発明によれば、階調補正装置は、補正開始レベル及び補正傾斜値を、増加又は減少のどちらかに変更させる画像が、一定回数以上連続して入力されなければ、階調補正特性を変更しない。これにより、入力された画像が所定のフレーム数以上同じ傾向に変化した場合のみ階調補正特性を変更し、少なくとも所定のフレーム数は一定の階調補正特性が用いられるので、階調補正特性の頻繁な及び急激な変化を防止し、自然な階調補正を実現することができる。
【0023】
第12の発明は、第9の発明において、補正量変更制限手段は、階調補正特性を変更すると判断したときは、補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値とに基づいて、1回あたりの変更量を所定値以下に制限した補正開始レベルと補正傾斜値とを出力することを特徴とする。
このような第12の発明によれば、フレーム毎に変更可能な補正開始レベル及び補正傾斜値の変更幅は、前回用いられた補正開始レベル及び補正傾斜値から所定の範囲に制限される。これにより、フレーム毎に階調補正特性が大幅に変化して画像の明るさ等が急激に変化することを防止し、階調補正特性が滑らかに変化する自然な階調補正を行うことができる。
【0024】
第13の発明は、第1の発明において、ブロックデータ検出手段は、
ブロックの境界線を複数の位置に移動させながら、入力された画像を複数の分割方法でブロックに分割し、各分割方法について各ブロックを仮に代表する仮ブロックデータを検出する仮ブロックデータ検出手段と、
複数の分割方法のうち、1の分割方法についての各ブロックのブロックデータを、仮ブロックデータ検出手段で検出された複数の仮ブロックデータに基づき算出するブロックデータ算出手段とを含む。
このような第13の発明によれば、階調補正装置は、被写体に対してブロックの境界線の位置を変えた複数の分割方法における仮ブロックデータを検出し、各ブロックについて所定の位置関係にある複数の仮ブロックデータの平均値をブロックデータとする。これにより、被写体とブロックとの位置関係の変化によるブロックデータの変化を抑制し、階調補正による画像の明るさなどの必要以上な変化を防止することができる。
【0025】
第14の発明は、第13の発明において、仮ブロックデータ検出手段は、ブロックの境界線を第1の位置、第1の位置から右に半ブロック離れた第2の位置、第1の位置から下に半ブロック離れた第3の位置、及び第1の位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の位置に移動させながら、4とおりの分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出し、
ブロックデータ算出手段は、ブロックデータを、仮ブロックデータ検出手段によって検出された4とおりの分割方法についての仮ブロックデータから、当該ブロックに対応したデータを1つずつ選択した上で、選択した4つのデータの平均値を求めることにより算出することを特徴とする。
このような第14の発明によれば、階調補正装置は、各ブロックについてブロックの境界線の位置を変えた4とおりの分割方法で仮ブロックデータを検出し、それらの平均値であるブロックデータに基づいて階調補正特性を制御している。これにより、被写体とブロックとの位置関係の変化によるブロックデータの変化を抑制し、階調補正による画像の明るさなどの必要以上な変化を防止することができる。
【0026】
第15の発明は、第13の発明において、仮ブロックデータ検出手段は、ブロックの境界線を第1の位置、第1の位置から右に半ブロック離れた第2の位置、第1の位置から下に半ブロック離れた第3の位置、及び第1の位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の位置に移動させながら、4とおりの分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出し、
ブロックデータ算出手段は、ブロックデータを、各ブロックあたり4つずつ、仮ブロックデータ検出手段によって検出された4とおりの分割方法についての仮ブロックデータから、当該ブロックに対応した仮ブロックデータを1つずつ選択した上で、選択した4つのデータの平均値を求めることにより算出することを特徴とする。
このような第15の発明によれば、階調補正装置は、ブロックの境界線の位置を変えたさまざまな分割位置で検出した仮ブロックデータを利用して、その画像に含まれるブロックの数より多い画像データを算出できる。これにより、その画像についてより詳細なブロックデータに基づいて、被写体とブロックとの位置関係の変化によるブロックデータの変化を抑制し、階調補正による画像の明るさなどの必要以上な変化を防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図1において、撮像素子1は、例えばCCDであり、受光した映像を電気信号に変換する。撮像素子1は、例えば1秒間に30フレームの画像信号を出力する。アナログプロセス回路2は、撮像素子1から受け取った画像信号に対して、相関二重サンプリング処理や、ホワイトバランス調整用のゲイン調整処理などを行う。A/D変換回路3は、アナログプロセス回路2の出力信号をデジタル信号に変換し、デジタルプロセス回路4は、キズ補正処理やガンマ補正処理などを行い、階調補正装置5へ画像信号を出力する。
【0028】
階調補正装置5は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、及び階調補正実行部505を備える。ブロックデータ検出部501は、入力された1つのフレームに含まれる画像信号の全部又は一部を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各ブロックを代表する画像データであるブロックデータを検出する。統計特性値算出部502は、ブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータに基づいて、画像のフレームごとにブロックデータの分布の偏りを示す歪度101とブロックデータの最大値102とを算出する。補正開始レベル決定部503は、統計特性値算出部502で算出された歪度101に基づいて、補正開始レベル201を決定する。補正傾斜値決定部504は、補正開始レベル決定部503で決定された補正開始レベル201、及び統計特性値算出部502で算出されたブロックデータの最大値102に基づいて、入力値の最大値が所定の出力範囲に収まるように補正傾斜値202を決定する。階調補正実行部505は、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号のうち値が補正開始レベル201以上である画像信号に対して、補正傾斜値202に従って階調補正を行う。このように階調補正された画像信号は、典型的には、録画装置に対して出力され、記録媒体に記録される。
【0029】
次に、階調補正装置5の動作を説明する。ブロックデータ検出部501は、デジタルプロセス回路4から画像信号として各色信号を受け取ると、1つのフレームの有効画像領域を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいてブロックデータを検出する。有効画像領域とは、ブロックデータが検出される画像内の全部又は一部の領域であり、例えば画像の中央部、あるいは画像の下半分などに設定される。ブロックデータは、例えば、各ブロックに含まれる画像信号の輝度の平均値である。
【0030】
統計特性値算出部502は、ブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータに、所定の処理を施したブロックデータについて歪度101を算出する。より具体的には、画像内での各ブロックの位置に応じて各ブロックデータの度数に所定の重み付け係数を掛け、さらに、値が所定の範囲内のブロックデータを選択する。統計特性値算出部502は、このような処理を施したブロックデータについて、(1)式を用いて歪度101を算出する。(1)式において、SKは歪度、Xiは各ブロックのブロックデータ、XmはXiの平均値、N はXiのブロックデータの個数である。
SK=[Σ(Xi−Xm)3/N]/[√(Σ(Xi−Xm)2/N)]3 …(1)
【0031】
図2を参照して歪度について説明する。歪度は、分布の偏りの方向と程度を表す統計特性値である。図2には、ブロックデータの度数分布の例が示されている。図2(a)は、分布が小さい入力値に偏っている画像の度数分布の例、図2(b)は、分布がほぼ左右対称である画像の度数分布の例、図2(c)は、分布が大きい入力値に偏っている画像の度数分布の例を示している。歪度は、分布が図2(a)に示すように小さい入力値に偏っている場合には正の値になり、逆に、分布が図2(c)に示すように大きい入力値に偏っている場合には負の値となり、分布が偏っている程度が大きいほど、その絶対値が大きくなる。また、図2(b)に示すように分布がほぼ左右対称である場合には、歪度はほぼ0になる。
【0032】
統計特性値算出部502は、さらにブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータの最大値102を算出する。統計特性値算出部502は、このように求めた歪度101を補正開始レベル決定部503へ出力し、最大値102を補正傾斜値決定部504へ出力する。
【0033】
補正開始レベル決定部503は、統計特性値算出部502によって算出された歪度101に基づいて、補正開始レベル201を決定する。より具体的には、歪度101がほぼ0であるときは、補正開始レベル201は、所定の補正開始レベル(以下「レベルL」という)に決定される。ここでレベルLは、例えば、補正開始レベルとして取り得る範囲の中心の値である。歪度101が正の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより高い値に決定される。また、歪度101が負の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより低い値に決定される。また、歪度101の絶対値が大きいほど、補正開始レベル201は、レベルLから離れた値に決定される。決定された補正開始レベル201は、補正傾斜値決定部504及び階調補正実行部505へ出力される。
【0034】
図2を参照して、補正開始レベルとして60から100までの値を出力する補正開始レベル決定部503の動作を、より具体的に説明する。図2(b)に示すように分布がほぼ左右対称である画像信号が入力された場合、統計特性値算出部502で算出される歪度101は、ほぼ0になる。この場合、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベル201を取り得る範囲の中心の値である80に決定する。図2(a)に示すように分布が小さい入力値に偏っている画像が入力された場合、統計特性値算出部502で算出される歪度101は正の値になる。この場合、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベル201を80〜100の範囲で歪度101の絶対値が大きいほど高い値に決定する。図2(c)に示すように分布が大きい入力値に偏っている画像が入力された場合、統計特性値算出部502で算出される歪度101は負の値になる。この場合、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベル201を60〜80の範囲で歪度101の絶対値が大きいほど低い値に決定する。
【0035】
補正傾斜値決定部504は、補正開始レベル決定部503で決定された補正開始レベル201と、統計特性値算出部502で算出されたブロックデータの最大値102とに基づいて、補正傾斜値202を決定する。具体的には、補正傾斜値決定部504は、最大値102が所定の出力範囲に入るように、補正開始レベル以上の入力信号に対する補正傾斜値202を決定する。
【0036】
図3を参照して、補正傾斜値決定部504の動作について、より具体的に説明する。図3に示された階調補正特性は、階調補正される前の画像信号(入力信号)と階調補正された後の画像信号(出力信号)との関係を示している。図3の横軸は、階調補正装置に入力される画像信号を示しており、縦軸は、階調補正装置から出力される階調補正された画像信号を示している。Xmaxは、統計特性値算出部502で算出されたブロックデータの最大値102を示し、Xstartは、補正開始レベル決定部503で決定された補正開始レベル201を表している。また、Ymaxは、所定の出力の上限を示している。入力値が0からXstartまでの範囲にある場合、入力画像信号は階調補正されない。この場合の階調補正特性は、傾きK0の直線で表される。Ystartは、K0とXstartとによって決定される。入力値がXstartからXmaxまでの範囲にある場合、入力画像信号は、入力の最大値が出力の最大値となるように決定された階調補正特性に従って階調補正される。この場合の階調補正特性は下記の式(2)で求められる傾きK1の直線で表される。
K1=(Ymax−Ystart)/(Xmax−Xstart)…(2)
このように、補正傾斜値決定部504は、ブロックデータの最大値102(式(2)におけるXmax)及び補正開始レベル201(式(2)におけるXstart)に基づき、補正傾斜値202(式(2)におけるK1)を算出する。
【0037】
次に図4を参照して、補正開始レベル決定部503で決定される補正開始レベル201と補正傾斜値決定部504で決定される補正傾斜値202との関係について説明する。図4には、3種類の階調補正特性の例が示されている。図4に示す3種類の階調補正特性では、ブロックデータの最大値はいずれも150である。また、これらの階調補正特性は、それぞれ3種類の補正開始レベルに対応したものである。図4(a)には、補正開始レベルが100であるときの階調補正特性が示されている。この場合、補正傾斜値決定部504で決定された補正傾斜値はKaである。図4(b)には、補正開始レベルが80であるときの階調補正特性が示されている。この場合、補正傾斜値決定部504で決定された補正傾斜値はKbである。図4(c)には、補正開始レベルが60であるときの階調補正特性が示されている。この場合、補正傾斜値決定部504で決定された補正傾斜値はKcである。図4から明らかなように、補正傾斜値決定部504で決定される補正開始レベルの変化に伴って、階調補正される入力値の範囲が変化すると共に、補正傾斜値も変化する。より具体的には、ブロックデータの最大値が一定の場合、補正開始レベルが低いほど、補正傾斜値は大きくなる。この例では、Ka<Kb<Kcが成立する。
【0038】
階調補正実行部505は、このように算出された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に従って、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号に対して階調補正を行う。例えば、図3に示された階調補正特性を用いると、入力された画像信号のXstartからXmaxまでの階調が、YstartからYmaxまでの階調に圧縮される。
【0039】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る階調補正装置の効果について説明する。図5には、ブロックデータの最大値がいずれも150であり、分布が小さい入力値に偏っている画像(図5(a))、分布がほぼ左右対称である画像(図5(b))、及び、分布が大きい入力値に偏っている画像(図5(c))の度数分布の例が示されている。図6には、図5に示す度数分布に対応した、3種類の階調補正特性が太線で示されている。これら3つの階調補正特性における補正開始レベルは、それぞれ100(図6(a))、80(図6(b))、及び60(図6(c))である。また、図6(a)及び(c)には、補正開始レベルが80である場合の階調補正特性が細線で示されている。
【0040】
従来の階調補正装置は、入力された画像に対して補正開始レベルを適応的に制御していないので、ブロックデータの最大値が同じであれば、同じ補正傾斜値を用いて階調補正を行う。例えば、補正開始レベルが80に設定されている場合は、図5(a)、(b)、及び(c)のいずれの分布を持つ画像が入力されても、従来の階調補正装置は、図6(b)に示される階調補正特性を用いて階調補正を行う。
【0041】
一方、本実施形態に係る階調補正装置では、図5(a)に示すように分布が小さい入力値に偏っている画像が入力されたときは、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベルを高い値(この例では100)に決定し、階調補正実行部505は、図6(a)に太線で示される階調補正特性を用いて階調補正を行う。図5(a)に示す度数分布によれば、ブロックデータが80〜100である画像の部分(図5(a)の斜線部)は、主要な被写体の一部を構成している。本実施形態に係る階調補正装置は、入力された画像の階調のうち80〜100の部分を、図6(a)に示すY1の範囲の階調に圧縮する。これに対して従来の階調補正装置は、入力された画像の階調のうち80〜100の部分を、図6(a)に示すY2の範囲の階調に圧縮する。このように本実施形態に係る階調補正装置は、従来の階調補正装置よりも主要な被写体の一部に対して、より多くの階調を割り当てる。
【0042】
また、本実施形態に係る階調補正装置では、図5(c)のように分布が大きい入力値に偏っている画像が入力されたときは、補正開始レベル決定部503は、補正開始レベルを低い値(この例では60)に決定し、階調補正実行部505は、図6(c)に太線で示される階調補正特性を用いて階調補正を行う。図5(c)示す度数分布によればブロックデータが80〜150である画像の部分(図5(c)の斜線部)は、主要な被写体の一部を形成している。本実施形態に係る階調補正装置は、入力された画像の階調のうち80〜150の部分を、図6(c)に示すY3の範囲の階調に圧縮する。これに対して従来の階調補正装置は、入力された画像のうち80〜150の部分を、図6(c)に示すY4の範囲の階調に圧縮する。このように本実施形態に係る階調補正装置は、従来の階調補正装置よりも主要な被写体の一部に多くの階調を割り当てる。さらに、入力値が60〜150である主要な被写体の全体に対して、均一に階調を割り当てる。
【0043】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置は、入力された画像ブロックデータについて最大値と歪度とを算出し、算出した値に基づいて補正開始レベル及び補正傾斜値を決定し、決定した値に従って階調補正を行う。これにより、入力された画像信号に対して適応的に階調補正特性を制御し、主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止した階調補正を行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、補正開始レベルは60〜100の範囲の値を取り得るとし、歪度がほぼ0のときは、上記範囲の中心の値である80を所定の補正開始レベルLとして決定することとした。これに代えて、補正開始レベルの範囲は、60〜100より広くても又は狭くてもよいし、所定の補正開始レベルLは、上記範囲内で任意に設定されてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、階調補正実行部における階調補正特性が、決定された補正傾斜値を傾きとする直線で表されることとした。これに代えて、階調補正実行部における階調補正特性が、補正開始レベル及び補正傾斜値に基づいて決定される他の特性、例えば曲線で表される特性であってもよい。
【0046】
また、本実施形態では、階調補正装置5は、デジタルプロセス回路4でガンマ補正処理された画像信号に対して階調補正を行うこととしたが、これに代えて、ガンマ補正処理されていない画像信号に対して階調補正を行い、階調補正後の画像信号にガンマ補正処理を施してもよい。
【0047】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図7に示す階調補正装置6は、比較的簡単に計算できる統計特性値を組み合わせることにより、ブロックデータの分布の偏りを示す値を算出し、算出した値に基づいて補正開始レベルを決定することを特徴とする。このため、階調補正装置6は、第1の実施形態に係る階調補正装置5と比較して、統計特性値算出部502を統計特性値算出部512に置換し、補正開始レベル決定部503を補正開始レベル決定部513に置換した構成を有している。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0048】
階調補正装置6は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部512、補正開始レベル決定部513、補正傾斜値決定部504、及び階調補正実行部505を備える。統計特性値算出部512は、ブロックデータ検出部501で検出されたブロックデータについて平均値と中央値とを算出し、算出した平均値から中央値を引いた差をブロックデータの分布の偏りを示す値111(以下「分布傾向値」という)として出力する。統計特性値算出部512は、さらにブロックデータの最大値102を算出する。補正開始レベル決定部513は、統計特性値算出部512によって算出された分布傾向値111に基づいて補正開始レベル201を決定する。
【0049】
次に、図8を参照して、分布傾向値111と度数分布の偏りとの関係について説明する。図8は、図2に示す度数分布に、ブロックデータの平均値M1と、ブロックデータの中央値M2と、ブロックデータの最大値及び最小値の平均値M3との関係を示す模式図である。中央値とはデータを大きさの順に並べた時にちょうど中央に位置する値で、データ数が奇数(2k−1;kは任意の正の整数)の場合はk番目に大きい(または小さい)値が中央値になる。また、データ数が偶数(2k)の場合はk番目に大きい値と(k+1)番目に大きい値との平均値が中央値となる。
【0050】
図8(a)に示すように分布が小さい入力値に偏っている画像信号では、平均値M2は中央値M1より大きな値になる。このため平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同様に正の値になる。一方、図8(c)に示すように分布が大きい入力値に偏っている画像信号では、平均値M2は中央値M1より小さな値になる。このため平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同様に負の値になる。さらに、図8(b)に示すように分布がほぼ左右対称である画像信号では、平均値M2と中央値M1とはほぼ等しくなるため、平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同様にほぼ0になる。このように、平均値M2から中央値M1を引いた差(M2−M1)は、歪度と同じように、分布の偏りに応じて変化する。統計特性値算出部512は、ブロックデータの平均値M2から中央値M1を差し引いた差(M2−M1)を分布傾向値111として出力する。
【0051】
補正開始レベル決定部513は、統計特性値算出部512によって算出された分布傾向値111に基づいて、補正開始レベル201を決定する。より具体的には、分布傾向値111がほぼ0であるときは、補正開始レベル201は、所定の補正開始レベル(以下「レベルL」という)に決定される。ここでレベルLは、例えば、補正開始レベルとして取り得る範囲の中心の値である。分布傾向値111が正の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより高い値に決定される。また、分布傾向値111が負の値であるときは、補正開始レベル201は、レベルLより低い値に決定される。また、分布傾向値111の絶対値が大きいほど、補正開始レベル201は、レベルLから離れた値に決定される。決定された補正開始レベル201は、補正傾斜値決定部504及び階調補正実行部505に対して出力される。
【0052】
第1の実施形態では、度数分布の偏りを示す値として、歪度を用いることとした。これに代えて、本実施形態では、比較的簡単に算出できる平均値及び中央値を組み合わせることによりブロックデータの分布の偏りを示す値を算出することとした。従って本実施形態に係る階調補正装置によれば、比較的小さい回路規模の統計特性値算出部で度数分布の偏りを示す値を算出することができる。これにより、回路規模を大幅に増大することなく、入力された画像信号に対して適応的に階調補正特性を制御し、主要な被写体に対する必要以上の階調圧縮を防止した階調補正を行うことができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、統計特性値算出部512は、ブロックデータの平均値M2及び中央値M1を算出し、両者の差を分布の偏りを示す値として出力することとした。これに代えて、統計特性値算出部512はブロックデータの最大値及び最小値の平均値M3から平均値M2を引いた差(M3−M2)、又は、最大値及び最小値の平均値M3から中央値M1を引いた差(M3−M1)などを出力することとしてもよい。図8に示すように、これら2つの差も歪度と同じように分布の偏りに応じて変化するので、これらの差を用いた場合にも、本実施形態に係る階調補正装置と同様の効果を奏する。また、上記の例に限らず、統計特性値算出部512は、ブロックデータから比較的簡単に算出される他の統計特性値を組み合わせることにより、分布の偏りを示す値を算出してもよい。
【0054】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図9に示す階調補正装置7は、第1の実施形態に係る階調補正装置5に、直前のフレームに用いた階調補正特性を変更するか否かを判断し、階調補正特性を変更する場合は、補正開始レベル及び補正傾斜値の変更幅を制限する機能を追加したものである。このため、階調補正装置7は、階調補正装置5と比較して、補正量変更制限部506をさらに備えている。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0055】
階調補正装置7は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、補正量変更制限部506、及び階調補正実行部505を備える。補正量変更制限部506は、階調補正特性の変更履歴として、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を変更したか否かとを記憶している。また、補正量変更制限部506は、新たな補正開始レベル201及び補正傾斜値202が決定されると、記憶している階調補正特性の変更履歴に基づいて、後述するように、階調補正特性を変更するか否かを判断する。さらに、補正量変更制限部506は、階調補正特性を変更するときは、変更後の階調補正特性を大幅に変更することを防止するために、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。補正量変更制限部506は、このような処理によって決定した補正開始レベル301及び補正傾斜値302を階調補正実行部505へ出力する。
【0056】
次に、本実施形態に係る階調補正装置7の動作を説明する。補正量変更制限部506は、上述したように直前のフレームについての階調補正特性と直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を変更したか否かとを記憶している。補正量変更制限部506は、このうち後者の情報に基づいて、現在の補正動作状態が変更状態か安定状態かを判断する。具体的には、補正量変更制限部506は、直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を一度でも変更した場合は変更状態と判断し、直前の所定数のフレームに対して階調補正特性を一度も変更しなかった場合は安定状態と判断する。
【0057】
補正量変更制限部506は、補正動作状態が安定状態であるときは、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、今回のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値とを比較し、それぞれの変更幅が所定の範囲内にあるか否かを判断する。2つの値の変更幅がどちらも所定の範囲内にある場合には、補正量変更制限部506は、階調補正特性を変更しない。すなわち補正量変更制限部506は、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値を出力し続ける。一方、2つの値の少なくとも一方が所定の範囲を超えている場合には、補正量変更制限部506は、補正動作状態を安定状態から変更状態に移行させ、以下のように階調補正特性を変更する。
【0058】
補正量変更制限部506は、補正動作状態が変更状態であると判断したときは、階調補正特性を大幅に変更することを防止するために、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。すなわち、補正量変更制限部506は、入力された補正開始レベル201が直前のフレームについての補正開始レベルから所定値以上離れているときは、直前のフレームについての補正開始レベルに当該所定値を加えた値(あるいは引いた値)を補正開始レベル301として出力する。補正傾斜値についても同様である。補正量変更制限部506は、クリップ処理を行って得られた補正開始レベル301及び補正傾斜値302を階調補正実行部505へ出力する。これとともに、補正量変更制限部506は、今回のフレームについての階調補正特性の変更履歴を追加する。階調補正実行部505は、補正量変更制限部506から出力された補正開始レベル301及び補正傾斜値302に基づいて、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号に対して階調補正を行う。
【0059】
次に、本実施形態に係る階調補正装置の効果を説明する。例えば、同じ被写体が続けて撮像されている場合には、ブロックデータはフレーム毎にほとんど変化しない。この場合、補正開始レベル及び補正傾斜値が所定数のフレームで変更されなければ、補正量変更制限部506は、補正動作状態が安定状態であると判断し、今回のフレームに対する補正開始レベル及び補正傾斜値として、直前のフレームに用いた値を変更せずに出力する。従って、画像の変化が少ない場合には、階調補正装置は、階調補正特性を変化させずに階調補正を行う。
【0060】
次に、被写体が移動したり、撮像装置を動かした場合は、今回のフレームと直前のフレームとの間でブロックデータが大幅に変化する。今回のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値の少なくとも一方が直前のフレームについての値から所定の変更幅を超えて変化した場合、補正量変更制限部506は、補正動作状態を変更状態へ移行させ、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。つまり、補正量変更制限部506は、補正開始レベル及び補正傾斜値の急激な変更を避け、段階的に階調補正特性を変更する。また、補正動作状態が変更状態のときは、直前のフレームに用いた階調補正特性からの変更幅がわずかでも、補正開始レベル及び補正傾斜値を変更する。これにより、階調補正特性は、入力された画像信号に追随して最適な特性に変更される。
【0061】
また、本実施形態に係る階調補正装置は、被写体が有効画像領域の境界線付近に位置する場合に顕著な効果を発揮する。図10は、白抜きで示された有効画像領域と斜線で示された有効画像領域外の境界線上に、一人の人物が位置する画像を表したものである。このような画像では、被写体のわずかな動きによってもブロックデータが変化する。本実施形態に係る階調補正装置は、階調補正特性の変更を制限することによって、明るさなどが頻繁に変化する不自然な画像を出力することを防止することができる。
【0062】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置は、主要な被写体が有効画像領域に入らない場合や、有効画像領域内で移動する場合など、ブロックデータの変化が少ないときには、一定の階調補正特性に従って階調補正を行う。これにより、画面全体の明るさなどが頻繁に変化しない自然な画像を出力することができる。また、有効画像領域外にあった被写体が有効画像領域内に移動する場合など、ブロックデータが急激に変化するときは、本実施形態に係る階調補正装置は、なめらかに段階的に階調補正特性を変更し、自然な階調補正を行うことができる。
【0063】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図11に示す階調補正装置8は、第3の実施形態に係る階調補正装置7において、所定回数だけ続けて、補正開始レベル又は補正傾斜値を増加又は減少させる画像が入力されたときに、初めて階調補正特性を変更することとしたものである。このため、階調補正装置8は、階調補正装置7と比較して、補正量変更制限部506を補正量変更制限部516に置換した構成を有している。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0064】
階調補正装置8は、ブロックデータ検出部501、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、補正量変更制限部516、及び階調補正実行部505を備える。補正量変更制限部516は、階調補正特性の変更履歴として、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、後述する2つのカウント値とを記憶している。補正量変更制限部516は、新たな補正開始レベル201及び補正傾斜値202が決定されると、記憶している補正開始レベル及び補正傾斜値に基づいて後述するように、階調補正特性を変更するか否かを判断する。また、補正量変更制限部516は、第3の実施形態に係る補正量変更制限部506と同様に、補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を行う。補正量変更制限部516は、このような処理によって決定した補正開始レベル311及び補正傾斜値312を階調補正実行部505へ出力する。
【0065】
次に、本実施形態に係る階調補正装置8の動作を説明する。補正量変更制限部516は、上述したように直前のフレームについての階調補正特性と2つのカウント値とを記憶している。補正量変更制限部516は、新たな補正開始レベル201及び補正傾斜値202が入力されると、直前のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値と、今回のフレームについての補正開始レベル及び補正傾斜値との大小関係をそれぞれ比較する。補正量変更制限部516が記憶している2つのカウント値は、補正開始レベル及び補正傾斜値それぞれについて、上記大小関係を比較した結果が同じままで連続している回数であり、補正量変更制限部516は、上記比較した結果に応じて、カウント値を更新する。2つのカウント値がいずれも所定値より小さいとき、すなわち所定回数だけ連続して直前のフレームと今回のフレームとの補正開始レベル及び補正傾斜値の大小関係が変化しない場合は、補正量変更制限部516は、記憶している補正開始レベル及び補正傾斜値を階調補正実行部505へ出力する。
【0066】
一方、2つのカウント値のいずれかが所定値以上になったときは、補正量変更制限部516は、入力された補正開始レベル201及び補正傾斜値202に対してクリップ処理を施し、クリップ後の補正開始レベル311及び補正傾斜値312を階調補正実行部505へ出力する。階調補正実行部505は、補正量変更制限部516から出力された補正開始レベル311及び補正傾斜値312に基づいて、デジタルプロセス回路4から出力された画像信号に対して階調補正を行う。
【0067】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置は、所定回数だけ続けて、補正開始レベル又は補正傾斜値を増加又は減少させる画像が入力されたときに、初めて階調補正特性を変更する。これにより、例えば、補正開始レベル及び補正傾斜値が1フレーム毎に増加と減少とを繰り返すような画像が入力された場合でも、本実施形態に係る階調補正装置は、階調補正特性を変化させない。これにより、階調補正により画像の明るさなどが頻繁に変化することを防ぎ、自然な階調補正を行うことができる。
【0068】
(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。図12に示す階調補正装置9は、第3の実施形態に係る階調補正装置7において、入力された画像を複数の分割方法で分割して、各分割方法について各ブロックを仮に代表するようなデータ(以下「仮ブロックデータ」という)を検出し、検出した仮ブロックデータに基づき、ブロックデータを算出することを特徴とする。このため、階調補正装置9は、階調補正装置7と比較して、ブロックデータ検出部501をブロックデータ検出部521に置換した構成を有している。本実施形態の構成要素のうち、第1又は第3の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0069】
階調補正装置9は、ブロックデータ検出部521、統計特性値算出部502、補正開始レベル決定部503、補正傾斜値決定部504、補正量変更制限部506、及び階調補正実行部505を備える。ブロックデータ検出部521は、仮ブロックデータ検出部522と、ブロックデータ算出部523とを含む。仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界を複数の位置に移動させながら、入力された1つのフレームに含まれる画像信号を、複数の分割方法で分割し、各分割方法について仮ブロックデータを検出する。より詳細には、仮ブロックデータ検出部522は、画像信号を後述するように、4とおりの分割方法で複数のブロックに分割し、各分割方法における仮ブロックデータを検出する。ブロックデータ算出部523は、仮ブロックデータ検出部522で4とおりの各分割方法で検出された仮ブロックデータに基づいて、各ブロックのブロックデータを算出し、その値を当該ブロックのブロックデータとして統計特性値算出部502へ出力する。
【0070】
次に、本実施形態に係る階調補正装置9の動作を説明する。まず、図13を参照して、仮ブロックデータ検出部522の動作を説明する。図13には、被写体である人物が中央に撮像された画像に対して、4とおりの位置にブロックの境界線を設定した例が示されている。図13(a)、(b)、(c)、及び(d)に実線で示した位置を、それぞれ第1の分割位置、第2の分割位置、第3の分割位置、及び第4の分割位置として、図13(b)、(c)、及び(d)に破線で示した位置は、第1の分割位置である。第2の分割位置は、第1の分割位置よりも右に半ブロック離れた位置にある。第3の分割位置は、第1の分割位置よりも下に半ブロック離れた位置にある。第4の分割位置は、第1の分割位置よりも右と下とにそれぞれ半ブロック離れた位置にある。このように、仮ブロックデータ検出部522は、上記のように4とおりの位置にブロック境界線を移動させながら、入力された1つのフレームに含まれる画像信号を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出する。
【0071】
次に、図14を参照して、仮ブロックデータ検出部522及び、ブロックデータ算出部523の動作をより具体的に説明する。図14は、ブロックデータの算出方法を説明するための図である。図14において実線で囲まれた矩形領域は、1つのブロックを表している。図14(a)、(b)、(c)、及び(d)にはそれぞれ第1の分割位置、第2の分割位置、第3の分割位置、及び第4の分割位置にブロックの位置を設定した場合の1つのブロックが、実線で示されている。図14には、画像を、1つのブロックの縦横半分の大きさに分割した画像領域A〜Iが示されている。ここでは説明を容易にするため、1つのブロックの検出値をそのブロックに含まれる上記の画像領域の和(例えば(A+B+D+E))で表すこととする。
【0072】
仮ブロックデータ検出部522は、まず、入力された画像を、第1の分割位置に設定したブロックの境界線で複数のブロックに分割し、図14(a)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(A+B+D+E)を検出する。次に、仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界線を第1の分割位置から右に半ブロック離れた第2の分割位置に移動させて、上記入力された画像をブロックに分割し、図14(b)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(B+C+E+F)を検出する。さらに、仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界線を第1の分割位置から下に半ブロック離れた第3の分割位置に移動させて、上記入力された画像をブロックに分割し、図14(c)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(D+E+G+H)を検出する。さらに、仮ブロックデータ検出部522は、ブロックの境界線を第1の分割位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の分割位置に移動させて、上記入力された画像をブロックに分割し、図14(d)に示されたブロックについて仮ブロックデータ(E+F+H+I)を検出する。
【0073】
ブロックデータ算出部523は、仮ブロックデータ検出部522で検出された各ブロックの仮ブロックデータから、各ブロックについて4とおりの分割位置の仮ブロックデータの平均値((A+2B+C+2D+4E+2F+G+2H+I)÷4)を算出する。ブロックデータ算出部523は、この値を図14に示された画像領域Eを中心とした分割位置におけるブロックのブロックデータとして、統計特性値算出部502へ出力する。なお、この画像データは、図14に示された画像領域Eの画像データを空間的に平滑化した結果と同じである。
【0074】
次に、図15を参照して、本実施形態に係る階調補正装置9の効果を具体的に説明する。図15には、低輝度の背景を高輝度の円形の被写体が右から左へ移動している画像が入力されたときの各フレームにおける、仮ブロックデータ検出部522で検出された被写体周辺の仮ブロックデータが示されている。図15(a)〜(d)の各図は、入力された画像の各フレームにおける被写体の位置を示した図であり、上の図から下の図へ向かって、被写体が左へ移動している過程の各フレームを時間の経過順に示している。これらの図には、第1の分割位置におけるブロックの境界線が細線で示されている。また、図15(a)〜(d)の各図の右側には、図15(a)に示したP、Q、R、及びSの位置の各ブロックについて、第1から第4の各分割位置における仮ブロックデータが、それぞれ示されている。被写体とブロックとの位置関係に対する仮ブロックデータの変化を表すために、被写体及び各分割位置におけるブロックの境界線(実線)を示し、各ブロックの中央に仮ブロックデータを示している。また、第2〜第4の分割位置においては、第1の分割位置におけるブロックの境界線(破線)を同時に示している。これら第1の分割位置におけるブロックの境界線(破線)は、図15(a)〜(d)に示された第1の分割位置におけるブロックの境界線(細線)と同一である。ここでは説明を容易にするため、被写体全体を含んでいるブロックのブロックデータを160、被写体の半分を含んでいるブロックのブロックデータを80、被写体の4分の1を含んでいるブロックのブロックデータを40、及び被写体を全く含んでいないブロックのブロックデータを0とする。
【0075】
実施形態1ないし4に係る階調補正装置では、ブロックデータ検出部501は、1つのフレームを1つの分割方法で分割し、各ブロックに含まれる画像信号に基づいて、各ブロックのブロックデータを検出する。このため、図15に示した画像が入力された場合、図15に示された第1の分割位置における各ブロックの仮ブロックデータが、そのままブロックデータとして検出される。この場合、ブロックデータの最大値は、被写体の位置の変化に従って、それぞれ図15(a)〜(d)に示されたフレームの順に80、160、80、及び160と変化する。つまり、ブロックデータの最大値は、被写体の位置の変化に伴って80から160の間で変化する。実施形態1ないし4に係る階調補正装置は、このように変化するブロックデータの最大値に基づいて補正傾斜値を決定するため、画像中の被写体の位置の変化に伴って補正傾斜値が変化し、階調補正によって画像の明るさが不自然に変化してしまう。
【0076】
一方、本実施形態に係る階調補正装置では、仮ブロックデータ検出部522が、図15に示された4とおりの分割位置で各ブロックのブロックデータを検出し、ブロックデータ算出部523は、各ブロックについて、4とおりの各分割位置におけるブロックデータの平均値を算出する。図15に示した画像が入力された場合、図15(a)〜(d)に示された各フレームが入力された場合、ブロックデータ算出部523で算出されるブロックP、Q、R、及びSのブロックデータ及びブロックデータの最大値は、以下のとおりである。
【0077】
図15(a)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは0、ブロックQは90、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。図15(b)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは30、ブロックQは90、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。図15(c)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは90、ブロックQは30、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。図15(d)に示されたフレームのブロックデータは、ブロックPは90、ブロックQは0、ブロックRは0、ブロックSは0と算出され、ブロックデータの最大値は90である。
【0078】
つまり、本実施形態に係る階調補正装置によれば、図15に示された画像が入力された場合、ブロックデータ算出部523によって算出されたブロックデータの最大値は、図15(a)〜(d)に示されたいずれのフレームにおいても90となる。本実施形態に係る階調補正装置によれば、被写体とブロックの位置関係の変化に伴ってブロックデータの最大値が変化しないため、被写体の位置の変化によって階調補正特性が変化しない。
【0079】
以上に示すように、本実施形態に係る階調補正装置では、ブロックデータ検出部521は、被写体に対してさまざまな境界線で分割された仮ブロックデータに基づいて各ブロックのブロックデータを算出し、このブロックデータを統計特性値算出部へ出力する。このためブロックと被写体との位置関係の違いによる仮ブロックデータの差異を平滑化することができる。また、別の視点から述べれば、本実施形態に係る階調補正装置は、縦横共に一辺の長さがブロックの半分である領域(例えば図13における領域E)を代表する画像データを検出する場合と同様の効果を得ることができる。つまり、実効的に画像データを検出する領域のサイズより大きなブロックを代表する画像データで動作可能なため、検出すべきブロックの数が削減され、ブロックデータ検出回路の回路規模を大幅に削減できる。また、1フレームに含まれるブロック数が削減されると、ブロックデータ検出部からデータを転送する処理速度が遅くても所定の時間内で処理可能になる。これにより、処理能力の比較的小さな回路を用いることができるので、消費電力削減及びコスト削減などの重要な効果が得られる。
【0080】
なお、本実施形態では、仮ブロックデータ検出部522は、4とおりの分割方法で、それぞれ仮ブロックデータを検出することとした。これに代えて、仮ブロックデータ検出部522は任意の数の分割方法で、仮ブロックデータを検出してもよい。例えば、第1の分割位置に対して方向と距離を変えた位置を追加して分割方法の数を増やしてもよいし、又は方向を横方向に限定するなどして分割方法の数を減らしてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、ブロックデータ算出部523は、第1の分割位置における各ブロックのブロックデータを、そのブロックに対して、同じ位置、右に半ブロック離れた位置、下に半ブロック離れた位置、及び右と下とに半ブロックずつ離れた位置の仮ブロックデータを4とおりの各分割方法の仮ブロックデータから選択し、その平均値として算出した。そして、算出したブロックデータを第1の分割方法における各ブロックを代表するブロックデータとして、統計特性値算出部502へ出力することとした。これに代えて、ブロックデータ算出部523は、第1〜第4の分割方法における各ブロックのブロックデータを、そのブロックに対して、同じ位置、右に半ブロック離れた位置、下に半ブロック離れた位置、及び右と下とに半ブロックずつ離れた位置の仮ブロックデータを4とおりの各分割方法の仮ブロックデータから選択し、その平均値として算出する。そして、第1の分割位置における各ブロックを代表するブロックデータとして、そのブロックの第1〜第4の分割位置について上記算出した4つのブロックデータを、統計特性値算出部502へ出力することとしてもよい。なお、この場合、統計特性値算出部502は、ブロックの4倍の個数のブロックデータに基づいてブロックデータの最大値及び所定の統計特性値を算出する。
【0082】
また、第1ないし第5の実施形態に係る階調補正装置内の全部又は一部の構成要素は、所定のプログラムを実行するマイクロコンピュータによって実現されてもよいし、専用のロジック回路で実現されてもよい。
【0083】
また、第1ないし第5の実施形態では、ブロックデータ検出部は、各ブロックに含まれる画像信号から算出した輝度信号の平均値をブロックデータとすることとしたが、これに限らず、例えば各色信号(例えばRGB信号)の最大値である信号など、他の画像信号をブロックデータとして用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置で検出されるブロックデータの度数分布図の例である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置に含まれる補正傾斜値決定部の動作を説明するための階調補正特性図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置の階調補正特性図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置の効果を説明するための度数分布図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る階調補正装置の効果を説明するための階調補正特性図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る階調補正装置の作用を説明するための度数分布図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る階調補正装置入力される画像の例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置のブロック分割位置の例を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置のブロックデータ検出部の動作を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る階調補正装置の作用を説明する図である。
【図16】従来の階調補正装置を内蔵する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の階調補正装置で検出されるブロックデータの度数分布図の例である。
【符号の説明】
1…撮像素子
2…アナログプロセス回路
3…A/D変換回路
4…デジタルプロセス回路
5、6、7、8、9、11…階調補正装置
101…ブロックデータの歪度
102…ブロックデータの最大値
111…ブロックデータの分布傾向値
201、211、301、311…補正開始レベル
202、212、302、312…補正傾斜値
501、521…ブロックデータ検出部
502、512…統計特性値算出部
503、513…補正開始レベル決定部
504…補正傾斜値決定部
505…階調補正実行部
506、516…補正量変更制限部
508…最大値検出部
509…補正開始レベル記憶部
522…仮ブロックデータ検出部
523…ブロックデータ算出部
Claims (15)
- 入力された画像の階調の一部をより少ない階調に圧縮する階調補正装置であって、
入力された画像を複数のブロックに分割し、各ブロックを代表するブロックデータを検出するブロックデータ検出手段と、
前記ブロックデータ検出手段で検出されたブロックデータに基づき、画像のフレームごとに、ブロックデータの最大値及び所定の統計特性値を算出する統計特性値算出手段と、
前記統計特性値算出手段で算出された統計特性値に基づいて、補正対象となる階調の範囲を定める補正開始レベルを決定する補正開始レベル決定手段と、
前記補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと、前記統計特性値算出手段で算出されたブロックデータの最大値とに基づき、当該最大値が所定の出力値に階調補正されるように、階調補正を行う際の補正傾斜値を決定する補正傾斜値決定手段と、
前記補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと前記補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値とに基づく階調補正特性を用いて、前記入力された画像の階調を補正する階調補正実行手段とを備える、階調補正装置。 - 前記ブロックデータ検出手段は、各ブロックに含まれる画像信号に基づき、各ブロックを代表するブロックデータを検出することを特徴とする、請求項1に記載の階調補正装置。
- 前記統計特性値算出手段は、前記統計特性値として、ブロックデータの分布の偏りを示す値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の階調補正装置。
- 前記統計特性値算出手段は、前記統計特性値として、ブロックデータの歪度を算出することを特徴とする、請求項3に記載の階調補正装置。
- 前記統計特性値算出手段は、前記統計特性値として、ブロックデータの中央値、ブロックデータの平均値、及びブロックデータの最大値と最小値との平均値のいずれか2つの値の差を算出することを特徴とする、請求項3に記載の階調補正装置。
- 前記階調補正実行手段は、前記入力された画像の階調のうち、前記補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベル以上の階調に対して、前記補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値を用いて補正を行うことを特徴とする、請求項1に記載の階調補正装置。
- 前記統計特性値算出手段は、値が所定の範囲内にあるブロックデータを選択し、選択したブロックデータについて前記統計特性値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の階調補正装置。
- 前記入力された画像に対して設定された有効画像領域に含まれるブロックのブロックデータを選択し、選択したブロックデータの最大値及び前記統計特性値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の階調補正装置。
- 前記階調補正装置は、前記補正開始レベル決定手段で決定された補正開始レベルと、前記補正傾斜値決定手段で決定された補正傾斜値とに基づいて階調補正特性を変更するか否かを判断し、当該判断に従って、前回と同じ補正開始レベル及び補正傾斜値、又は前回から変更した補正開始レベル及び補正傾斜値のいずれかを出力する補正量変更制限手段をさらに備え、
前記階調補正実行手段は、前記補正量変更制限手段から出力された前記補正開始レベル及び補正傾斜値に従って、前記入力された画像の階調を補正することを特徴とする、請求項1に記載の階調補正装置。 - 前記補正量変更制限手段は、直前に所定回数だけ連続して階調補正特性を変更しないと判断しており、かつ、前記補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び前記補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値と、前回出力した補正開始レベル及び補正傾斜値との差が、所定の範囲内にある場合には、階調補正特性を変更しないと判断し、その他の場合には、階調補正特性を変更すると判断することを特徴とする、請求項9に記載の階調補正装置。
- 前記補正量変更制限手段は、前記補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び前記補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値と、前回出力した補正開始レベル及び補正傾斜値とをそれぞれ比較し、所定回数だけ連続して値の大小関係が変化しない場合には、階調補正特性を変更すると判断し、その他の場合には、階調補正特性を変更しないと判断することを特徴とする、請求項9に記載の階調補正装置。
- 前記補正量変更制限手段は、階調補正特性を変更すると判断したときは、前記補正開始レベル決定手段によって決定された補正開始レベル及び前記補正傾斜値決定手段によって決定された補正傾斜値とに基づいて、1回あたりの変更量を所定値以下に制限した補正開始レベルと補正傾斜値とを出力することを特徴とする、請求項9に記載の階調補正装置。
- 前記ブロックデータ検出手段は、
ブロックの境界線を複数の位置に移動させながら、前記入力された画像を複数の分割方法でブロックに分割し、各分割方法について各ブロックを仮に代表する仮ブロックデータを検出する仮ブロックデータ検出手段と、
前記複数の分割方法のうち、1の分割方法についての各ブロックのブロックデータを、前記仮ブロックデータ検出手段で検出された複数の仮ブロックデータに基づき算出するブロックデータ算出手段とを含む、請求項1に記載の階調補正装置。 - 前記仮ブロックデータ検出手段は、ブロックの境界線を第1の位置、前記第1の位置から右に半ブロック離れた第2の位置、前記第1の位置から下に半ブロック離れた第3の位置、及び前記第1の位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の位置に移動させながら、4とおりの分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出し、
前記ブロックデータ算出手段は、ブロックデータを、前記仮ブロックデータ検出手段によって検出された4とおりの分割方法についての仮ブロックデータから、当該ブロックに対応したデータを1つずつ選択した上で、選択した4つのデータの平均値を求めることにより算出することを特徴とする、請求項13に記載の階調補正装置。 - 前記仮ブロックデータ検出手段は、ブロックの境界線を第1の位置、前記第1の位置から右に半ブロック離れた第2の位置、前記第1の位置から下に半ブロック離れた第3の位置、及び前記第1の位置から右と下とにそれぞれ半ブロック離れた第4の位置に移動させながら、4とおりの分割方法について各ブロックの仮ブロックデータを検出し、
前記ブロックデータ算出手段は、ブロックデータを、各ブロックあたり4つずつ、前記仮ブロックデータ検出手段によって検出された4とおりの分割方法についての仮ブロックデータから、当該ブロックに対応したデータを1つずつ選択した上で、選択した4つのデータの平均値を求めることにより算出することを特徴とする、請求項13に記載の階調補正装置。
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