JP2004112047A - 情報挿入を行う通信方法および通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】Webサーバ上のコンテンツに対するリンクを設定しなくても広告情報を挿入することができる通信方法および通信装置を提供する。
【解決手段】通信振り分け装置1が、第1の通信端末2から第2の通信端末5宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末3宛てに転送し、通信パケットを受信した第3の通信端末3が、第1の通信端末2へ、第2とは異なる通信端末4から情報を入手するべく指示パケットを送信し、第1の通信端末2は、指示パケットに基づいて、第2とは異なる通信端末4から情報を入手し、第3の通信端末3、第2とは異なる通信端末4または通信振り分け装置1は、第1の通信端末2が、第2とは異なる通信端末4から情報の入手開始または終了を監視した結果に基づいて、通信振り分け装置1が、通信パケットを、第2の通信端末に転送するように設定を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】通信振り分け装置1が、第1の通信端末2から第2の通信端末5宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末3宛てに転送し、通信パケットを受信した第3の通信端末3が、第1の通信端末2へ、第2とは異なる通信端末4から情報を入手するべく指示パケットを送信し、第1の通信端末2は、指示パケットに基づいて、第2とは異なる通信端末4から情報を入手し、第3の通信端末3、第2とは異なる通信端末4または通信振り分け装置1は、第1の通信端末2が、第2とは異なる通信端末4から情報の入手開始または終了を監視した結果に基づいて、通信振り分け装置1が、通信パケットを、第2の通信端末に転送するように設定を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報挿入を行う通信方法および通信装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、パケット通信を行う通信網において、ある特定の条件を満たしたパケットが通信振り分け装置に到着したことをトリガにしてパケット振り分けを行う技術に関する。
【0003】
また、本発明は、本来の通信先の端末の代理として働くと共に、本来の応答に加えて任意の情報を付与可能な通信端末の技術に関する。
【0004】
【従来の技術】
従来の技術を用いたインタネット上の広告は、Webサーバ上にコンテンツと広告が配置され、コンテンツにアクセスしたユーザにコンテンツと同時に広告を見せるといった方法であった。このため、広告を流すためには、Webサーバの管理者やコンテンツ保有者に、広告に対してリンクを張るように設定変更を要請する必要があった。また、広告を効率的に流すために、複数のWebサイトに対して広告を載せる必要があり、サイトごとに個別に設定の変更を行う必要があった。また、広告はWebサイトからリンクが張られるために、WebサーバやWebコンテンツの保有者は広告収入が得られるが、ネットワーク提供者には広告を流す方法がなく、広告収入が得られないという問題があった。
【0005】
ネットワーク提供者が広告を配布する従来の技術として、プロキシを用いる方法がある。この従来の技術は、ユーザはプロキシサーバに対してWebアクセス要求を行い、プロキシサーバはオリジンサーバの代わりにコンテンツまたは広告を転送する。本方法では、プロキシサーバがユーザの要求とは異なる内容のコンテンツを転送するために、広告を挿入するタイミングによっては、ユーザによる連続的なWebコンテンツ閲覧を阻害することとなってしまう。また、一般的にプロキシサーバで処理可能なコンテンツには制限があり、動的なコンテンツやユーザからの情報入力を必要とするようなコンテンツについては正確に表示できないという問題があった。このため、プロキシを用いた従来の技術を用いる場合には、ネットワークへの接続時の最初のWebアクセス要求に対してのみ、ユーザの要求とは異なる内容のコンテンツを転送し、ネットワーク情報時のポータルサイトとして運用する方法が取られていた。すなわち、ネットワーク接続中に随時広告を配布することができないという問題があった。
【0006】
尚、特許出願時において、先行技術文献に該当する文献の存在を知り得ていない。特許電子図書館を用いて、平成5年以降出願前日までの出願公開公報と平成6年以降の特許公報とについて全文検索を行ったところ、従来の技術内容を記載した文献を探し出すことはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の技術を用いた場合に、Webサーバ上のコンテンツから広告にリンクを張らなければ広告を配布できないという問題を解決し、Webサーバ上のコンテンツからのリンクを設定しなくても広告を配布可能とする通信方法及び通信装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明によれば、Webサーバからのリンクを設定しなくても広告の配布が可能となるため、ネットワーク提供者が広告を配布することを可能とする。
【0009】
さらに、本発明によれば、上記のような従来の技術を用いた場合に、ユーザの要求とは異なる内容を転送するために、ユーザの連続的なWeb閲覧を中断してしまうといった問題を解決し、ユーザの連続的なWeb閲覧中であっても随時広告の配布を可能とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信方法によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との間の通信経路上に、通信振り分け装置を有し、
通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送する第1のステップと、
第3の通信端末が、通信パケットを受信した際に、第1の通信端末へ、第2とは異なる通信端末から情報を入手するべく指示パケットを送信する第2のステップと、
第1の通信端末は、指示パケットに基づいて、第2とは異なる通信端末から情報を入手する第3のステップと、
第3の通信端末、第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、第1の通信端末による第2とは異なる通信端末からの情報の入手開始または終了を監視し、その監視結果に基づき、通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第2の通信端末に転送するように設定を変更する第4のステップと
を有することを特徴とする。これは、リダイレクトし、広告情報を入手させたのりリダイレクトをやめる方法である。
【0011】
また、本発明の通信方法によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との通信経路上に、通信振り分け装置を有し、
通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送する第1のステップと、
第3の通信端末は、通信パケットを受信した際に、第1の通信端末へ、第2とは異なる通信端末から情報を入手するべく指示パケットを送信する第2のステップと、
第1の通信端末は、指示パケットに基づいて、第2とは異なる通信端末から情報を入手する第3のステップと、
第3の通信端末、第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、指示パケットを監視し、指示パケットの送信が終了したならば、通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第2の通信端末に転送するように設定を変更する第4のステップと
を有することを特徴とする。これは、リダイレクトし、広告情報の入手を確認せずにリダイレクトをやめる簡易な方法である。
【0012】
本発明によれば、ユーザからのWebアクセス要求を特定のサーバに転送し、特定サーバから広告を転送するかまたは特定サーバへのアクセスを要求するように指示するとともに、オリジンサーバへ再度アクセス要求を行うようにユーザへ指示する。これに伴い発生する、オリジンサーバへの再度のアクセス要求は、オリジンサーバに転送することにより、ユーザのWebアクセスを中断せずに広告を配布することが可能となる。
【0013】
本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第2のステップについて、指示パケットは、第2とは異なる通信端末から情報を定期的に入手するような指示であり、
第4のステップについて、第3の通信端末、第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、第1の通信端末が、第2とは異なる通信端末から定期的に情報を入手しているかどうかを監視し、
定期的に入手しているならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第2の通信端末に転送するように設定され、
定期的に入手していないならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第3の通信端末に転送するように設定されることも好ましい。これは、定期的に情報サーバから情報を取得させる方法である。
【0014】
これにより、特定サーバへのアクセス要求を定期的に行うように指示するので、定期的に広告を配布することが可能となる。
【0015】
また、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第3の通信端末に転送するように設定されている場合、
第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットのうち、あらかじめ定められた特定の内容を含む通信パケットを第3の通信端末に転送し、
特定の内容を含まない通信パケットは、第3の通信端末に転送しない
ことも好ましい。これは、リダイレクトを特定のプロトコルのみで行う方法である。
【0016】
特定プロトコルのみを振り分けすることにより、例えばHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)を用いたWebアクセス時にのみ広告を挿入し、POP(ポストオフィスプロトコル)やSMTP(シンプルメール転送プロトコル)を用いた電子メール通信時には広告を挿入しないといった、サービスを特定して広告を配布することが可能となり、広告の表現手段に柔軟性を提供可能となるとともに、ユーザの通信を阻害せずに情報挿入を行うことが可能となる。また、特定プロトコルのみを振り分けすることにより、例えばSSL(セキュアソケットレイヤ)やCookieを用いた一連のWebアクセスの邪魔をすることなく、特定の広告情報をクライアントに送り届けることができる。
【0017】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、第2のステップについて、指示パケットは、第2とは異なる通信端末および第2の通信端末の両方から情報を入手するような指示であることも好ましい。これは、情報入手命令と同時に主信号も入手させる方法である。
【0018】
特定サーバとオリジンサーバの両方から情報を入手するように指示することにより、ユーザによる端末の操作が本発明を適用しない場合と同一となり、本発明を適用しない場合と同一の使用感を達成しながら、ネットワークで広告を付与して配信することが可能となる。
【0019】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第1の通信端末は、第3の通信端末または第2とは異なる通信端末より入手した情報に基づき、第2の通信端末との通信を行う条件を決定し、第3の通信端末または第2とは異なる通信端末へ通知する第5のステップと、
第3の通信端末または第2とは異なる通信端末は、受信した通知に従って通信振り分け装置における、第2の通信端末と第1の通信端末との通信条件を設定する第6のステップと、
第2の通信端末と第1の通信端末は、設定された通信条件に従って通信を行う第7のステップとを有することも好ましい。これは、情報入手命令を転送するか否かは、ユーザの指示による方法である。
【0020】
特定サーバからユーザへ広告入手するよう指示があった場合に、ユーザは指示に従うか、従わないかを判断し、従わない場合は本発明を適用しない場合と同一の通信となる。この判断機構を設けることにより、例えば料金体系が異なるサービスのクラス分けが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との間で、認証が必要な通信方法を使用して通信を行う場合、
通信振り分け装置は、認証が終了し、認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態かどうかを監視し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態であるならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態でないならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送しないことも好ましい。これは、主信号に認証が必要な方法である。
【0022】
振り分け対象となるクライアントとサーバ間の通信に認証が必要な場合、認証状態を監視し、セッションに特有のIDを特定サーバまたは通信振り分け装置に記録することにより、認証が終了していないユーザに対する通信を禁止し、また、認証されていないクライアントが、特定サーバに不正なアクセスを行うことを禁止することができる。また、必要な経路へある特定の情報を挿入すること、または認証が必要な経路からある特定の情報を抽出することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との間で、認証が必要な通信方法を使用して通信を行う場合、
通信振り分け装置は、認証が終了し、認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態かどうかを監視し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態でないならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
第3の通信端末または第2とは異なる通信端末より入手した情報に基づき、第2の通信端末との間で通信を行うための認証に必要な情報を入手し、
第1の通信端末は、認証に必要な情報を用いて第2の通信端末との通信を確立することも好ましい。これは、ワンタイムパスワードを用いた方法である。
【0024】
振り分け対象となるクライアントとサーバ間の通信に認証が必要な場合、認証を行う前に認証を行うためのキーを入手するための振り分けを行うことにより、情報をみたユーザのみが認証許可されることになり、広告認知度を上げることが可能となる。
【0025】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、第2とは異なる通信端末は、第3の通信端末であってもよい。
【0026】
本発明の通信振り分け装置によれば、
第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
第1の通信端末に対する第3の通信端末からの指示の終了または、第1の通信端末による第2とは異なる通信端末から情報の入手開始または終了を監視し、その監視結果に基づき、通信振り分け装置の設定を、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第2の通信端末に転送するように変更することを特徴とする。
【0027】
本発明の通信振り分け装置に指示を出す装置(指示サーバ)によれば、
通信振り分け装置による、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送することに基づいて、
第1の通信端末に対する第3の通信端末からの指示の終了または、第1の通信端末による第2とは異なる通信端末から情報の入手開始または終了を監視し、
その監視結果に基づき、通信振り分け装置の設定を、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第2の通信端末に転送するように変更することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施例]
本発明の実施例として、Layer2にEthernet(登録商標)またはIEEE802.3を用いた通信に、本発明の通信装置および通信方法を適用した例を示す。なお、データリンク層のプロトコルは、前記プロトコルに限定せず、ATMやFR等のプロトコルでも構わない。
【0030】
図1は、本発明によるシステム構成図である。
【0031】
図1によれば、通信振り分け装置1は、複数のクライアント端末2と、各種インタネットサーバと、特定サーバとに接続されている。インターネットサーバが提供するサービスとしては、Web、DNS(ドメイン名サービス)、DHCP(ダイナミックホストコンフィグレーションプロトコル)、電子メール、VoIP(ボイスオーバIP)等がある。図1によれば、Webサーバ5と、DHCPサーバ6と、DNSサーバ7とが接続されている。また、本発明によって提供される特定サーバには、指示サーバ3及び情報挿入サーバ4がある。
【0032】
以下では、指示サーバ3と情報挿入サーバ4とを個別に実現するものとして説明を行うが、以下の説明から明らかなように、指示サーバ3と情報挿入サーバ4は同一のハードウエアで実現してもよい。この場合、ポート3とポート4は物理的に同一のポートとなる。
【0033】
第1の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2が、インタネット8上のWebサーバ5にアクセスする場合に、Webコンテンツと広告等の情報を挿入する通信方法を説明する。
【0034】
図2は、第1の実施例のシーケンス図である。
【0035】
(S201)ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCP(トランスミッションコントロールプロトコル)セッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、初期状態において、パケットのポート2への転送は禁止しており、そのパケットは、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送される。
【0036】
(S202)指示サーバ3は、そのパケットを受信し、Webサーバ5に代わって、クライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0037】
(S203)クライアント端末2は、TCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。
【0038】
(S204)指示サーバ3は、このWebコンテンツの要求に対して、情報挿入サーバ4へWebコンテンツを要求する指示を含んだ、Webコンテンツを返信する。
【0039】
(S205)指示サーバ3は、TCPセッションを切断する。
【0040】
(S206)クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツを受信し、その内容にしたがって、情報挿入サーバ4からコンテンツを入手するために、情報挿入サーバ4にTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4へのTCPセッション確立のパケットを、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。
【0041】
(S207)情報挿入サーバ4は、TCPセッション確立応答のパケットをクライアント端末2へ送信し、クライアント端末2は、広告配信をする情報挿入サーバ4とTCPセッションを確立する。
【0042】
(S208、S209)TCPセッションの確立後、クライアント端末2は、このTCPセッションを利用して、情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手する。
【0043】
(S210)さらに、指示サーバ3または通信振り分け装置1は、クライアント端末2が情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手したかどうかの監視を行う。コンテンツの入手を確認した通信振り分け装置1または指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を、ポート2の先に存在するWebサーバ5への通信は、ポート2へ転送するように変更を行う。
【0044】
(S211)変更後においては、クライアント端末2は、ポート2の先に存在するWebサーバ5へアクセスすることが可能となる。
【0045】
また、前述した説明は、クライアント端末2が1台の場合について説明を行ったが、クライアント端末2が複数の場合であっても、通信振り分け装置1の設定を、クライアント端末2のIPアドレス毎に行い、前述の説明の通信方法を行うことで、それぞれのクライアント端末2に情報挿入サーバ4から情報を配信した後にWebサーバ5へアクセスすることが可能となる。以後、特に説明は行わないが、いずれの実施例においても、クライアント端末2毎に通信振り分け装置1の設定および通信状態の監視を行うことで、クライアント端末2が複数ある場合についても、本発明の通信方法が可能となる。
【0046】
以上のような通信方法を用いることにより、Webサーバ5上のコンテンツからリンクを設定しなくとも、広告等の情報を挿入することが可能となる。
【0047】
[第2の実施例]
第2の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2が、インタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合に、Webコンテンツと広告等の情報コンテンツを同時に入手する通信方法を説明する。
【0048】
図3は、第2の実施例におけるシーケンス図である。
【0049】
(S301)ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、初期状態において、パケットのポート2への転送は禁止しており、そのパケットは、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送される。
【0050】
(S302)指示サーバ3は、そのパケットを受信し、Webサーバ5に代わって、クライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0051】
(S303)クライアント端末2は、TCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。
【0052】
(S304)ここで、クライアント端末2は、利用者の必要とするWebコンテンツを表示する第1のブラウザ21とは別に、広告情報等のWebコンテンツを表示する第2のブラウザ22が作成される。そして、指示サーバ3は、第2のブラウザ22に対しては、情報挿入サーバ4へWebコンテンツを要求する指示を含むWebコンテンツを返信する。また、Webコンテンツの要求に基づく第1のブラウザ21に対しては、再度要求を行う指示を含んだWebコンテンツを返信する。
【0053】
(S305)指示サーバ3は、TCPセッションを切断する。
【0054】
その後、TCPセッションの切断を検出した通信振り分け装置1または指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を、ポート2の先に存在するWebサーバ5への通信はポート2へ転送するように変更を行う。
【0055】
(S306)クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツの内容に従って、第2のブラウザ22について情報挿入サーバ4へTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、TCPセッション確立のパケットを、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。
【0056】
(S307)それと共に、クライアント端末2は、第1のブラウザ21について再度Webサーバ5からコンテンツを入手するべく、ポート2の先に存在するWebサーバ5へTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、変更された設定に従って、Webサーバ5へのTCPセッション確立のパケットをポート2へ転送する。
【0057】
(S308)情報挿入サーバ4は、TCPセッション確立応答のパケットをクライアント端末2へ送信し、TCPセッションを確立する。
【0058】
(S309)また、Webサーバ5も、TCPセッション確立応答のパケットをクライアント端末2へ送信し、TCPセッションを確立する。
【0059】
(S310)これにより、クライアント端末2は、Webサーバ5と情報挿入サーバ4とから同時に、Webコンテンツを入手することが可能となる。
【0060】
このような通信方法により、Webサーバ5のコンテンツにリンクを設定しなくとも、広告配信をする情報挿入サーバ4によって広告情報を挿入することが可能となる。また、ユーザの視点では、Webサーバ5へのアクセスに対して、広告等の情報と同時に目的のコンテンツがブラウザ上で表示されるために、再度Webサーバ5へアクセスしなおすなどの余分な操作が不要となる。
【0061】
[第3の実施例]
第1及び第2の実施例では、Webコンテンツアクセスに関する通信シーケンスのみを説明したが、インタネット上を流れる通信はそれだけではない。第3の実施例では、Webアクセスに関する通信パケットのみを第1または第2の実施例と同様とし、他の通信パケットについてはそのような通信をさせないことにより、特定のプロトコル以外の通信を阻害することなく情報を挿入することが可能である。第3の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2がインタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合に、Webコンテンツと広告等の情報コンテンツを同時に入手し、それ以外の通信をインタネット上のサーバと行う通信方法を説明する。
【0062】
以下では、インタネット上のサーバとして、DHCPサーバ6及びDNSサーバ7を例にとり説明する。
【0063】
クライアント端末2は、起動時にブロードキャストを用いて、DHCPサーバ6へIPアドレスを要求する。この問い合わせパケットをポート1で受信した通信振り分け装置1は、そのパケットをポート2へ転送する。このとき、問い合わせパケットがブロードキャストパケットまたはマルチキャストパケットである場合には、ポート2、3及び4の全てに転送してもよいが、ここでは説明を単純にするために、DHCPサーバ6はポート2の先のネットワークにのみ存在するとして説明を行う。
【0064】
DHCPサーバ6は、問い合わせパケットを受信したならば、その返答として、IPアドレスをクライアント端末に割り付けるパケットを送信する。通信振り分け装置1は、そのIPアドレスをクライアント端末2に割り付けるパケットをポート2で受信し、そのパケットをポート1へ転送する。このような動作により、クライアント端末2に、IPアドレスが割り当てられる。
【0065】
以上、説明を行なったように、DHCPサーバ6からのパケットに関しては、ポート1およびポート2によって透過的にパケットを転送する。
【0066】
次に、クライアント端末2が、インタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合について説明を行う。
【0067】
前述したように、IPアドレスを取消したクライアント端末2で動作するブラウザにおいて、URL(Uniform Resource Locator)を用いてアクセス先のWebページが指定されたとする。この場合、クライアント端末2は、URLで指定されたサーバのIPアドレスを知る必要があり、このために、DNSサーバ7に対してDNS要求パケットを送信する。通信振り分け装置1は、DNSに関連したパケットについても、ポート1およびポート2によって通過的にパケットを転送する動作を行う。この動作により、クライアント端末2は、ポート2の先に接続されたネットワーク上のDNSサーバ7から、そのURLのIPアドレスを取得することが可能となる。当然、この取得したIPアドレスは、ポート2の先に接続されたWebサーバ5のIPアドレスである。
【0068】
さらに、前述した動作により、URLのIPアドレスを取得したクライアント端末2は、そのIPアドレスを持つWebサーバ5からコンテンツを取得するために、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCPセッション確立のパケットを送信する。
【0069】
以下、第2の実施例で説明した動作と同じ動作を行うことにより、情報挿入に関連したプロトコルに関しては、通信振り分け装置1において通信の振り分けを行い、それ以外のプロトコル例えばDHCPやDNSに関しては、振り分けを行わないことにより、特定のプロトコル以外の通信を阻害することなく情報を挿入することが可能である。
【0070】
[第4の実施例]
第1から第3の実施例では、初めのWebアクセスについて、情報を挿入する例を説明したが、第4の実施例では、その後のWebアクセスに対して適宜情報を挿入する通信方法を説明する。第4の実施例では、通信はすべてHTTPなどのWebアクセスに関係した通信である場合について説明を行うが、第3の実施例で説明したように、他のプロトコルを用いた通信については、ポート1,2の間を通過的に転送してもよい。
【0071】
まず、初期状態における、Webアクセスにおいては、例えば第2の実施例で説明した通信方法と同様の通信方法で、広告等の情報を情報挿入サーバ4から転送する。この時、情報挿入サーバ4から転送する情報は、定期的に情報挿入サーバ4にアクセスする命令が含まれている。これにより、クライアント端末2は、ユーザの明示的な操作なしに定期的に情報挿入サーバ4にアクセスし、新たな情報を入手することが可能となる。
【0072】
さらに、情報挿入サーバ4は、クライアント端末2から定期的にアクセスがあるかどうかを監視する。定期的にアクセスがある場合には、通常に通信が行われているとして、通信振り分け装置1の設定の変更はしない。すなわち、通信振り分け装置1の設定は、クライアント端末2とWebサーバ5との間の通信はポート1,2の間で転送を行い、クライアント端末2と情報挿入サーバ4との間の通信はポート1,4の間で転送を行う。
【0073】
これに対し、定期的にアクセスがない場合においては、通信に何らかの異常が発生したとして、情報挿入サーバ4は、指示サーバ3へ向かって通信振り分け装置1の設定変更が必要であることを通知する。この通知を受け取った指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を初期状態に変更する。通信振り分け装置1の初期状態の設定では、クライアント端末2からWebサーバ5への通信パケットを指示サーバ3へ転送し、クライアント端末2から情報挿入サーバ4への通信パケットは、情報挿入サーバ4へ転送する。この動作により、クライアント端末2から再度Webサーバ5へのアクセスがあった場合には、第2の実施例で説明した動作を行うことにより、情報を再度挿入することが可能である。また、再度挿入した情報に定期的に情報挿入サーバ4にアクセスする命令が含まれていることにより、クライアント端末2は、再び定期的に情報挿入サーバ4から情報を入手することが可能となる。
【0074】
また、第4の実施例では、情報挿入サーバ4がクライアント端末2から定期的にアクセスがあるかどうかを監視したが、この監視は通信振り分け装置1が行っても良い。この場合においては、通信振り分け装置1が、クライアント端末から情報挿入サーバ4に対して定期的にアクセスがないと判断した場合には、通信振り分け装置1が指示サーバ3に対して、通信振り分け装置1の設定変更が必要であることを通知してもよいし、通信振り分け装置1自身が自動的に設定を変更してもよい。
【0075】
[実施例5]
第1から第4の実施例では、自動的に情報挿入サーバ4からクライアント端末2が情報を入手する例を説明したが、第5の実施例では、クライアント端末2からの指示によりインタネット上のWebサーバ5等との通信条件を決定する通信方法について説明を行う。
【0076】
第5の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2がインタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合に、情報挿入サーバ4または指示サーバ3が情報を挿入することにより、Webサーバ5との通信条件を決定する通信方法を説明する。
【0077】
まず、ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、初期状態ではパケットのポート2への転送を禁止しており、そのパケットは、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送される。指示サーバ3は、TCPセッション確立のパケットを受信し、Webサーバ5に代わって、クライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0078】
次に、クライアント端末2は、TCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。指示サーバ3は、このWebコンテンツの要求に対して、情報挿入サーバ4へWebコンテンツを要求する指示を含んだWebコンテンツを返信し、TCPセッションを切断する。
【0079】
クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツを受信し、その内容にしたがって、情報挿入サーバ4からコンテンツを入手するために、情報挿入サーバ4にTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4へのTCPセッション確立のパケットを、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。この動作により、クライアント端末2は、情報挿入サーバ4とTCPセッションを確立する。TCPセッションの確立後、クライアント端末2は、このTCPセッションを利用して、情報挿入サーバ4からWebサーバ5へアクセスするための条件の決定を求める内容を含んだWebコンテンツを入手する。
【0080】
そのWebコンテンツを入手したクライアント端末2は、情報挿入サーバ4が提示した条件にしたがって、Webサーバ5へアクセスするための条件を決定し、その決定した条件を情報挿入サーバ4または指示サーバ3へ報告する。その報告が情報挿入サーバ4に対してなされた場合には、情報挿入サーバ4は指示サーバ3に決定された条件を報告し、その決定された条件を受信した指示サーバ3は、条件にしたがって通信振り分け装置1の転送条件を変更する。
【0081】
例えば、決定された条件としては、以下のようなものがある。
【0082】
・ポート1で受信した、クライアント端末2が送信元のTCPの宛先ポート80のパケットを、指定した時間の間だけ、ポート2へ転送する。
・ポート1で受信した、クライアント端末2が送信元の全てのパケットを、指定した数またはbyte数だけ、ポート2へ転送する。
・ポート1で受信した、クライアント端末2が送信元の全てのリアルタイム通信パケットを、高い優先度をつけて、ポート2に転送する。
【0083】
また、第5の実施例の場合、クライアント端末2と情報挿入サーバ4との間において認証を行い、認証が成功した場合にのみ、通信振り分け装置1の転送条件を変更することも可能である。さらに、ポート1に複数のクライアント端末2が接続されている場合においては、クライアント端末2間の直接通信の許可・不許可または、特定の認証が成功したクライアント端末2をグループ化し、そのグループ内でのみ直接通信が可能となるように、通信振り分け装置1のポート1内での折り返し転送条件を設定することも可能である。また、特定の認証が成功したクライアント端末2をグループ化し、そのグループのみマルチキャストを用いたネットワーク側からの情報配信を許可し、そうでないクライアント端末にはネットワーク側からのマルチキャストパケットを遮蔽するように通信振り分け装置1を設定することも可能である。
【0084】
通信振り分け装置1は、前述したように変更された設定にしたがって、パケットの転送を行う。
【0085】
ここでは、情報挿入サーバ4とクライアント端末2との間で、通信の条件を決定したが、前述の説明で明らかなように、情報挿入サーバ4を用いずに、指示サーバ3が直接クライアント端末2との間で通信の条件を決定し、通信振り分け装置1の設定を変更することも可能である。
【0086】
[第6の実施例]
これまで説明した第1から第5の実施例では、下位レイヤの認証が必要であるかどうかについては、本発明の通信方法とは無関係に通信を行う方法の実施例を示した。
【0087】
第6の実施例では、クライアント端末がネットワークに接続するために、認証が必要なプロトコルを用い、その認証が成功した後に、第1から第5の実施例で説明した通信方法が適用される例を示す。
【0088】
ここでは、PPP(ポイントト−トゥ−ポイント プロトコル)およびPPPoE(PPPオーバイーサネット)プロトコルを用いた通信センションに本発明の通信振り分け装置および通信方法を適用した例を示す。
【0089】
図4は、第6の実施例におけるシステム構成図である。
【0090】
図4によれば、図1と比較して、アクセスサーバ9が備えられている。PPPoEクライアント端末2とアクセスサーバ9との間でPPP/PPPoEプロトコルを用いて通信セッションの認証が行われる。そして、アクセスサーバ9は、セッションID(識別子)をセッションに対して付与する。PPPoEクライアント端末2は、認証されたセッションを通じて、アクセスサーバ9の反対側に配置されたネットワーク8と通信することが可能となる。
【0091】
まず、セッションの確立が行われていない初期状態での動作の説明を行う。
【0092】
初期状態においては、本発明の通信振り分け装置1は、ポート1とポート2の間でパケットを転送するブリッジとして動作する。この際、ポート3および4へパケットを転送することはない。またポート3または4に入力されたパケットをポート1、ポート2に転送することはない。
【0093】
また、PPPoEクライアントがPPP/PPPoEセッションの確立シーケンスを開始した場合について説明を行う。
【0094】
第6の実施例における通信振り分け装置1は、ポート1またはポート2から入力されたパケットのPPPoEヘッダ上にある2オクテットのコードフィールドを読み取る。PPPoEプロトコルにおいては、まずディスカバリステージにより、PPPoEセッションIDがアクセスサーバからクライアントに通知される。この通知を行うパケットはPADSと呼ばれ、前述のコードフィールドが0x65である。第6の実施例では、前述のコードフィールドが0x65の場合に、PPPoEヘッダ中に記載されているPPPoEセッションIDをPPPoEクライアントのMACアドレスと合わせて本発明の通信振り分け装置1で記憶する。また、読み取られたコードフィールドが0x00であればPPPoEのディスカバリステージが終了し、PPPセッションステージ上でPPPプロトコルのやり取りが開始されている。この状態でPPPoEヘッダ上にある2オクテットのPPPoEセッションIDを読み取り、本発明の通信振り分け装置1で記憶しても良い。いずれにせよ、PPPoEセッションIDの学習はクライアント側から送信される通信パケットでもアクセスサーバ9側から送信される通信パケットでも良いが、ここではセキュリティを考慮しアクセスサーバ9側から送信される通信パケット内に記載されているPPPoEセッションIDをPPPoEクライアントのMACアドレスと合わせて記憶する。
【0095】
第6の実施例では、セッションIDをPPPoEプロトコルを用いて記憶したが、さらにセキュリティを向上させるために、PPPセッションステージを用いる例を示す。
【0096】
PPPoEにおいてディスカバリステージが終了するとPPPステージに移行する。PPPステージにおいては、まずCHAP(チャレンジ・ハンドシェーク認証プロトコル)やPAP(パスワード認証プロトコル)などが用いられて認証が行われる。さらに、一般的にはPPPの上位レイヤとしてIPを使用しており、この場合にはIPCP(IP制御プロトコル)を用いてIPアドレスをアクセスサーバから提供することが一般に行われる。ここで、この一連のPPPステージの終了時に、アクセスサーバ側から送信される通信パケット内に記載されているPPPoEセッションIDをPPPoEクライアントのMACアドレスと合わせて記憶する。
【0097】
このような動作を行うことにより、CHAP,PAPなどの認証が正常に終了した通信セッションに対してのみPPPoEセッションIDを本発明の通信振り分け装置1が記憶することとなり、セキュリティが向上する。またさらに、IPCPにおいてアクセスサーバ9から提供されたIPアドレスをも通信振り分け装置1で学習することにより、PPPoEセッションIDとIPアドレスとMACアドレスが一致したパケットにのみ所定の動作をすることができ、セキュリティがさらに向上する。
【0098】
ここまでは、すべての確立した通信セッションに対して、事後的にPPPoEセッションIDを学習する例を示したが、あらかじめ設定された特定の通信セッションにのみPPPoEセッションIDを学習する例を示す。
【0099】
この例では、本発明の通信振り分け装置1にあらかじめPPPoEクライアントのMACアドレスが設定されており、特定のMACアドレス宛てにアクセスサーバ側から送信される通信パケットに対してのみ第6の実施例と同じ方法でPPPoEセッションIDを記憶する。このような動作をすることにより、許可されたMACアドレスを有するPPPoEクライアント以外のPPPoEクライアントがアクセスサーバ9と確立した通信セッションに対しては、PPPoEセッションIDを学習することなく、特定のクライアントにのみPPPoEセッションIDを学習することが可能である。
【0100】
前述の例ではPPPoEセッションIDをMACアドレスと合わせて記憶する方法を説明したが、ここでは、PPPoEセッションIDを他のものと関連づけて記憶する方法を説明する。ここでは、PPPoEクライアントとアクセスサーバ間がIEEE802.1Qに規定されたVLAN(仮想LAN)で接続されている場合について説明を行う。
【0101】
PPPoEクライアントとアクセスサーバ9間がIEEE802.1Qに規定されたVLANで接続されている場合には、PPPoEクライアントとアクセスサーバ間でやり取りされる通信パケットにはVLANタグとしてVLAN毎に一意にあらかじめ設定されたVLAN IDが記載される。このため前述の方法と同様の方法でPPPoEセッションIDを記憶する際に、PPPoEクライアントのMACアドレスおよびVLAN IDと合わせて記憶する。前述のように、IPCPでアクセスサーバ9から提供されるIPアドレスとも合わせて記憶してもよい。このような動作により、MACアドレス、VLAN ID、PPPoEセッションIDおよびIPアドレスのすべてが一致したパケットにのみ所定の動作をすることができ、セキュリティがさらに向上する。また、VLANを使用する場合には、VLAN毎にPPPoEセッションIDの記憶、非記憶を設定することにより、特定のVLANに所属するPPPoEクライアント端末のPPPoEセッションIDのみを記憶することが可能となる。
【0102】
以上、本発明の通信振り分け装置1によるPPPoEセッションIDの記憶方法について説明した。次に記憶したPPPoEセッションIDを持つ通信セッションから特定の通信パケットを抽出し、認証を用いない通信方式に変換して指示サーバ3へ転送する方法について説明を行う。
【0103】
第6の実施例では、認証を用いない通信方式として、イーサネット(登録商標)上のIP通信を使用した例を示す。
【0104】
まず、ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、認証が終了したPPPセッションを用いて、TCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、記憶したPPPoEセッションIDを有する通信パケットを監視している。初期状態では、通信振り分け装置1により、パケットのポート2への転送は禁止されている。
【0105】
図5は、PPP/PPPoEパケットをIPパケットに変換するパケット図である。
【0106】
IPパケット部分は、記憶したPPPoEセッションIDを有する。通信振り分け装置1は、図5に示す動作にしたがってIPパケット部分を取り出す。さらに、あらかじめ設定されるかもしくはARP(アドレス解決プロトコル)で入手したMACアドレスを宛先としたMACヘッダを付与し、FCS(フレームチェックシーケンス)を再計算してイーサネットフレームを構築する。さらにこのイーサネットフレームをポート3またはポート4から出力する。
【0107】
この例では、イーサネットヘッダに記載される宛先MACアドレスを、PPPoEクライアント、アクセスサーバ9間で行われる通信パケットの宛先MACアドレスから変更した。この変更は、通常のサーバ等は自MACアドレスを宛先MACアドレスに持つイーサネットフレームしか受信しないために行うものであり、変更後の宛先MACアドレスは指示サーバ3のアドレスまたは指示サーバ3と通信振り分け装置1の間に配置されたルータのアドレスとする。MACアドレスの決定には通常のARPを使用する。そのパケットは、通信振り分け装置1によりポート3の先に接続されている指示サーバ3に転送される。
【0108】
以上のような動作を行うことにより、認証が終了し、さらに、あらかじめ設定により許可されたMACアドレスを有するPPPoEクライアントまたは、あらかじめ設定により許可されたVLANに属するPPPoEクライアントからの通信パケットで、特定の条件を満たす通信パケットは、アクセスサーバ9を経由することなく、通常のIPパケットとしてポート3およびポート4に転送可能である。
【0109】
次に、認証を用いない通信方法を行うポート3または4から受信した通信パケットを認証が終了した通信セッションへ転送する方法について説明する。この実施例においても、前述の実施例と同様に、認証を用いない通信方式として、イーサネット(登録商標)上でのIP通信を使用した例を示す。
【0110】
すでにPPP/PPPoEプロトコルによってPPPoEクライアントおよびアクセスサーバ間で認証が終了したセッションが確立しており、本発明の通信振り分け装置により前述の例で説明した手順によってPPPoEセッションIDがPPPoEクライアントのMACアドレス、IPアドレスとともに記憶されている。
【0111】
図6は、IPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換するパケット図である。
【0112】
IP通信を行うポート3または4に通常のIPパケットが入力された場合、本発明の通信振り分け装置1は、入力された通信パケットのヘッダより宛先アドレスを読み取り、通常の動作により、次に転送すべき装置を決定する。通常の動作に従い決定した次に転送すべき装置のアドレスが、本発明の通信振り分け装置1に記憶されているアドレスの一つと一致した場合は、図6に示す動作に従ってPPP/PPPoEセッションに転送する。
【0113】
すなわち、まず、入力されたイーサネットフレームよりIPパケット部分を抽出する。さらに、このIPパケットに対し、該当するIPアドレスと合わせて学習したPPPoEセッションIDを持つPPPヘッダを構築し付与する。さらに、該当するIPアドレスと合わせて学習したPPPoEクライアントのMACアドレスを宛先アドレスとしたMACヘッダを付与し、再計算したFCSを付与してポート1から出力する。
【0114】
以上のように、認証が必要なPPP/PPPoEパケットとIPパケットの変換を行うことにより、指示サーバ3は、そのパケットを受信し、Webサーバ5に代わってクライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0115】
次に、クライアント端末2は、PPPセッションおよびTCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、IPパケットに変換し、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。指示サーバ3は、このWebコンテンツの要求に対して、情報挿入サーバ4へ、Webコンテンツを要求する指示を含んだWebコンテンツを返信し、TCPセッションを切断する。この通信に際して、通信振り分け装置1は、ポート3から入力したIPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換してポート1に転送し、ポート1から入力したPPP/PPPoEパケットをIP化してポート3に転送することにより、クライアント端末2と指示サーバ3との通信が可能となる。
【0116】
クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツを受信し、その内容にしたがって、情報挿入サーバ4からコンテンツを入手するために、情報挿入サーバ4にPPP/PPPoEセッションを通じてTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4へのTCPセッション確立のパケットをIPパケットに変換し、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。また、通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4から送信されたIPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換し、ポート1へ転送する。この動作により、クライアント端末2は、情報挿入サーバ4とTCPセッションを確立する。TCPセッションの確立後、クライアント端末2は、このTCPセッションを利用して、情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手する。
【0117】
さらに、指示サーバ3または通信振り分け装置1は、クライアント端末2が情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手したかどうかの監視を行い、コンテンツの入手を確認した通信振り分け装置1または指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を、ポート2の先に存在するWebサーバ5への通信はポート2へ転送するように変更を行う。
【0118】
変更後においては、クライアント端末2は、ポート2の先に存在するWebサーバ5へアクセスすることが可能となる。
【0119】
また、前述した説明は、クライアント端末2が1台の場合について説明を行ったが、クライアント端末2が複数の場合であっても、通信振り分け装置1の設定を、クライアント端末2のIPアドレス毎に行い、前述した説明の通信方法を行うことで、それぞれのクライアント端末2に情報挿入サーバ4から情報を配信した後に、Webサーバ5へアクセス可能とすることが可能となる。以後、特に説明は行わないが、いずれの実施例においても、クライアント端末2毎に通信振り分け装置1の設定および通信状態の監視を行うことで、クライアント端末2が複数ある場合についても、本発明の通信方法が可能となる。
【0120】
以上のような通信方法を用いることにより、認証が必要な通信を行う場合においても、Webサーバ5上のコンテンツからリンクを設定しなくとも、広告等の情報を挿入することが可能となる。
【0121】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、あらかじめ設定した条件を満たす通信パケットを契機に、L2の転送形態を変更することにより、クライアント・サーバ間の通信に任意の情報を適宜付与したり、複数クライアント端末を動的にグルービングすることが可能となる。
【0122】
本発明によれば、Webサーバ上のコンテンツから広告にリンクを張らなければ広告を配布できないという問題を解決し、Webサーバ上のコンテンツからのリンクを設定しなくても広告情報の配布を可能とする。
【0123】
また、本発明によれば、Webサーバからのリンクを設定しなくても広告の配布が可能となるため、ネットワーク提供者が広告を配布することを可能とする。
【0124】
さらに、本発明によれば、従来の技術を用いた場合に、ユーザの要求とは異なる内容を転送するために、ユーザの連続的なWeb閲覧を中断してしまうといった問題を解決し、ユーザの連続的なWeb閲覧中であっても随時広告の配布を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステム構成図である。
【図2】第1の実施例のシーケンス図である。
【図3】第2の実施例におけるシーケンス図である。
【図4】第6の実施例におけるシステム構成図である。
【図5】PPP/PPPoEパケットをIPパケットに変換するパケット図である。
【図6】IPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換するパケット図である。
【符号の説明】
1 通信振り分け装置
2 クライアント端末
21 第1のブラウザ
22 第2のブラウザ
3 指示サーバ
4 情報挿入サーバ
5 Webサーバ
6 DHCPサーバ
7 DNSサーバ
8 ネットワーク
9 アクセスサーバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報挿入を行う通信方法および通信装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、パケット通信を行う通信網において、ある特定の条件を満たしたパケットが通信振り分け装置に到着したことをトリガにしてパケット振り分けを行う技術に関する。
【0003】
また、本発明は、本来の通信先の端末の代理として働くと共に、本来の応答に加えて任意の情報を付与可能な通信端末の技術に関する。
【0004】
【従来の技術】
従来の技術を用いたインタネット上の広告は、Webサーバ上にコンテンツと広告が配置され、コンテンツにアクセスしたユーザにコンテンツと同時に広告を見せるといった方法であった。このため、広告を流すためには、Webサーバの管理者やコンテンツ保有者に、広告に対してリンクを張るように設定変更を要請する必要があった。また、広告を効率的に流すために、複数のWebサイトに対して広告を載せる必要があり、サイトごとに個別に設定の変更を行う必要があった。また、広告はWebサイトからリンクが張られるために、WebサーバやWebコンテンツの保有者は広告収入が得られるが、ネットワーク提供者には広告を流す方法がなく、広告収入が得られないという問題があった。
【0005】
ネットワーク提供者が広告を配布する従来の技術として、プロキシを用いる方法がある。この従来の技術は、ユーザはプロキシサーバに対してWebアクセス要求を行い、プロキシサーバはオリジンサーバの代わりにコンテンツまたは広告を転送する。本方法では、プロキシサーバがユーザの要求とは異なる内容のコンテンツを転送するために、広告を挿入するタイミングによっては、ユーザによる連続的なWebコンテンツ閲覧を阻害することとなってしまう。また、一般的にプロキシサーバで処理可能なコンテンツには制限があり、動的なコンテンツやユーザからの情報入力を必要とするようなコンテンツについては正確に表示できないという問題があった。このため、プロキシを用いた従来の技術を用いる場合には、ネットワークへの接続時の最初のWebアクセス要求に対してのみ、ユーザの要求とは異なる内容のコンテンツを転送し、ネットワーク情報時のポータルサイトとして運用する方法が取られていた。すなわち、ネットワーク接続中に随時広告を配布することができないという問題があった。
【0006】
尚、特許出願時において、先行技術文献に該当する文献の存在を知り得ていない。特許電子図書館を用いて、平成5年以降出願前日までの出願公開公報と平成6年以降の特許公報とについて全文検索を行ったところ、従来の技術内容を記載した文献を探し出すことはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の技術を用いた場合に、Webサーバ上のコンテンツから広告にリンクを張らなければ広告を配布できないという問題を解決し、Webサーバ上のコンテンツからのリンクを設定しなくても広告を配布可能とする通信方法及び通信装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明によれば、Webサーバからのリンクを設定しなくても広告の配布が可能となるため、ネットワーク提供者が広告を配布することを可能とする。
【0009】
さらに、本発明によれば、上記のような従来の技術を用いた場合に、ユーザの要求とは異なる内容を転送するために、ユーザの連続的なWeb閲覧を中断してしまうといった問題を解決し、ユーザの連続的なWeb閲覧中であっても随時広告の配布を可能とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信方法によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との間の通信経路上に、通信振り分け装置を有し、
通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送する第1のステップと、
第3の通信端末が、通信パケットを受信した際に、第1の通信端末へ、第2とは異なる通信端末から情報を入手するべく指示パケットを送信する第2のステップと、
第1の通信端末は、指示パケットに基づいて、第2とは異なる通信端末から情報を入手する第3のステップと、
第3の通信端末、第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、第1の通信端末による第2とは異なる通信端末からの情報の入手開始または終了を監視し、その監視結果に基づき、通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第2の通信端末に転送するように設定を変更する第4のステップと
を有することを特徴とする。これは、リダイレクトし、広告情報を入手させたのりリダイレクトをやめる方法である。
【0011】
また、本発明の通信方法によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との通信経路上に、通信振り分け装置を有し、
通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送する第1のステップと、
第3の通信端末は、通信パケットを受信した際に、第1の通信端末へ、第2とは異なる通信端末から情報を入手するべく指示パケットを送信する第2のステップと、
第1の通信端末は、指示パケットに基づいて、第2とは異なる通信端末から情報を入手する第3のステップと、
第3の通信端末、第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、指示パケットを監視し、指示パケットの送信が終了したならば、通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第2の通信端末に転送するように設定を変更する第4のステップと
を有することを特徴とする。これは、リダイレクトし、広告情報の入手を確認せずにリダイレクトをやめる簡易な方法である。
【0012】
本発明によれば、ユーザからのWebアクセス要求を特定のサーバに転送し、特定サーバから広告を転送するかまたは特定サーバへのアクセスを要求するように指示するとともに、オリジンサーバへ再度アクセス要求を行うようにユーザへ指示する。これに伴い発生する、オリジンサーバへの再度のアクセス要求は、オリジンサーバに転送することにより、ユーザのWebアクセスを中断せずに広告を配布することが可能となる。
【0013】
本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第2のステップについて、指示パケットは、第2とは異なる通信端末から情報を定期的に入手するような指示であり、
第4のステップについて、第3の通信端末、第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、第1の通信端末が、第2とは異なる通信端末から定期的に情報を入手しているかどうかを監視し、
定期的に入手しているならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第2の通信端末に転送するように設定され、
定期的に入手していないならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第3の通信端末に転送するように設定されることも好ましい。これは、定期的に情報サーバから情報を取得させる方法である。
【0014】
これにより、特定サーバへのアクセス要求を定期的に行うように指示するので、定期的に広告を配布することが可能となる。
【0015】
また、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
通信振り分け装置が、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを第3の通信端末に転送するように設定されている場合、
第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットのうち、あらかじめ定められた特定の内容を含む通信パケットを第3の通信端末に転送し、
特定の内容を含まない通信パケットは、第3の通信端末に転送しない
ことも好ましい。これは、リダイレクトを特定のプロトコルのみで行う方法である。
【0016】
特定プロトコルのみを振り分けすることにより、例えばHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)を用いたWebアクセス時にのみ広告を挿入し、POP(ポストオフィスプロトコル)やSMTP(シンプルメール転送プロトコル)を用いた電子メール通信時には広告を挿入しないといった、サービスを特定して広告を配布することが可能となり、広告の表現手段に柔軟性を提供可能となるとともに、ユーザの通信を阻害せずに情報挿入を行うことが可能となる。また、特定プロトコルのみを振り分けすることにより、例えばSSL(セキュアソケットレイヤ)やCookieを用いた一連のWebアクセスの邪魔をすることなく、特定の広告情報をクライアントに送り届けることができる。
【0017】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、第2のステップについて、指示パケットは、第2とは異なる通信端末および第2の通信端末の両方から情報を入手するような指示であることも好ましい。これは、情報入手命令と同時に主信号も入手させる方法である。
【0018】
特定サーバとオリジンサーバの両方から情報を入手するように指示することにより、ユーザによる端末の操作が本発明を適用しない場合と同一となり、本発明を適用しない場合と同一の使用感を達成しながら、ネットワークで広告を付与して配信することが可能となる。
【0019】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第1の通信端末は、第3の通信端末または第2とは異なる通信端末より入手した情報に基づき、第2の通信端末との通信を行う条件を決定し、第3の通信端末または第2とは異なる通信端末へ通知する第5のステップと、
第3の通信端末または第2とは異なる通信端末は、受信した通知に従って通信振り分け装置における、第2の通信端末と第1の通信端末との通信条件を設定する第6のステップと、
第2の通信端末と第1の通信端末は、設定された通信条件に従って通信を行う第7のステップとを有することも好ましい。これは、情報入手命令を転送するか否かは、ユーザの指示による方法である。
【0020】
特定サーバからユーザへ広告入手するよう指示があった場合に、ユーザは指示に従うか、従わないかを判断し、従わない場合は本発明を適用しない場合と同一の通信となる。この判断機構を設けることにより、例えば料金体系が異なるサービスのクラス分けが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との間で、認証が必要な通信方法を使用して通信を行う場合、
通信振り分け装置は、認証が終了し、認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態かどうかを監視し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態であるならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態でないならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送しないことも好ましい。これは、主信号に認証が必要な方法である。
【0022】
振り分け対象となるクライアントとサーバ間の通信に認証が必要な場合、認証状態を監視し、セッションに特有のIDを特定サーバまたは通信振り分け装置に記録することにより、認証が終了していないユーザに対する通信を禁止し、また、認証されていないクライアントが、特定サーバに不正なアクセスを行うことを禁止することができる。また、必要な経路へある特定の情報を挿入すること、または認証が必要な経路からある特定の情報を抽出することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、
第1の通信端末と第2の通信端末との間で、認証が必要な通信方法を使用して通信を行う場合、
通信振り分け装置は、認証が終了し、認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態かどうかを監視し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態でないならば、通信振り分け装置は、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
第3の通信端末または第2とは異なる通信端末より入手した情報に基づき、第2の通信端末との間で通信を行うための認証に必要な情報を入手し、
第1の通信端末は、認証に必要な情報を用いて第2の通信端末との通信を確立することも好ましい。これは、ワンタイムパスワードを用いた方法である。
【0024】
振り分け対象となるクライアントとサーバ間の通信に認証が必要な場合、認証を行う前に認証を行うためのキーを入手するための振り分けを行うことにより、情報をみたユーザのみが認証許可されることになり、広告認知度を上げることが可能となる。
【0025】
さらに、本発明の通信方法の他の実施形態によれば、第2とは異なる通信端末は、第3の通信端末であってもよい。
【0026】
本発明の通信振り分け装置によれば、
第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
第1の通信端末に対する第3の通信端末からの指示の終了または、第1の通信端末による第2とは異なる通信端末から情報の入手開始または終了を監視し、その監視結果に基づき、通信振り分け装置の設定を、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第2の通信端末に転送するように変更することを特徴とする。
【0027】
本発明の通信振り分け装置に指示を出す装置(指示サーバ)によれば、
通信振り分け装置による、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送することに基づいて、
第1の通信端末に対する第3の通信端末からの指示の終了または、第1の通信端末による第2とは異なる通信端末から情報の入手開始または終了を監視し、
その監視結果に基づき、通信振り分け装置の設定を、第1の通信端末から第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第2の通信端末に転送するように変更することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施例]
本発明の実施例として、Layer2にEthernet(登録商標)またはIEEE802.3を用いた通信に、本発明の通信装置および通信方法を適用した例を示す。なお、データリンク層のプロトコルは、前記プロトコルに限定せず、ATMやFR等のプロトコルでも構わない。
【0030】
図1は、本発明によるシステム構成図である。
【0031】
図1によれば、通信振り分け装置1は、複数のクライアント端末2と、各種インタネットサーバと、特定サーバとに接続されている。インターネットサーバが提供するサービスとしては、Web、DNS(ドメイン名サービス)、DHCP(ダイナミックホストコンフィグレーションプロトコル)、電子メール、VoIP(ボイスオーバIP)等がある。図1によれば、Webサーバ5と、DHCPサーバ6と、DNSサーバ7とが接続されている。また、本発明によって提供される特定サーバには、指示サーバ3及び情報挿入サーバ4がある。
【0032】
以下では、指示サーバ3と情報挿入サーバ4とを個別に実現するものとして説明を行うが、以下の説明から明らかなように、指示サーバ3と情報挿入サーバ4は同一のハードウエアで実現してもよい。この場合、ポート3とポート4は物理的に同一のポートとなる。
【0033】
第1の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2が、インタネット8上のWebサーバ5にアクセスする場合に、Webコンテンツと広告等の情報を挿入する通信方法を説明する。
【0034】
図2は、第1の実施例のシーケンス図である。
【0035】
(S201)ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCP(トランスミッションコントロールプロトコル)セッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、初期状態において、パケットのポート2への転送は禁止しており、そのパケットは、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送される。
【0036】
(S202)指示サーバ3は、そのパケットを受信し、Webサーバ5に代わって、クライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0037】
(S203)クライアント端末2は、TCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。
【0038】
(S204)指示サーバ3は、このWebコンテンツの要求に対して、情報挿入サーバ4へWebコンテンツを要求する指示を含んだ、Webコンテンツを返信する。
【0039】
(S205)指示サーバ3は、TCPセッションを切断する。
【0040】
(S206)クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツを受信し、その内容にしたがって、情報挿入サーバ4からコンテンツを入手するために、情報挿入サーバ4にTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4へのTCPセッション確立のパケットを、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。
【0041】
(S207)情報挿入サーバ4は、TCPセッション確立応答のパケットをクライアント端末2へ送信し、クライアント端末2は、広告配信をする情報挿入サーバ4とTCPセッションを確立する。
【0042】
(S208、S209)TCPセッションの確立後、クライアント端末2は、このTCPセッションを利用して、情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手する。
【0043】
(S210)さらに、指示サーバ3または通信振り分け装置1は、クライアント端末2が情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手したかどうかの監視を行う。コンテンツの入手を確認した通信振り分け装置1または指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を、ポート2の先に存在するWebサーバ5への通信は、ポート2へ転送するように変更を行う。
【0044】
(S211)変更後においては、クライアント端末2は、ポート2の先に存在するWebサーバ5へアクセスすることが可能となる。
【0045】
また、前述した説明は、クライアント端末2が1台の場合について説明を行ったが、クライアント端末2が複数の場合であっても、通信振り分け装置1の設定を、クライアント端末2のIPアドレス毎に行い、前述の説明の通信方法を行うことで、それぞれのクライアント端末2に情報挿入サーバ4から情報を配信した後にWebサーバ5へアクセスすることが可能となる。以後、特に説明は行わないが、いずれの実施例においても、クライアント端末2毎に通信振り分け装置1の設定および通信状態の監視を行うことで、クライアント端末2が複数ある場合についても、本発明の通信方法が可能となる。
【0046】
以上のような通信方法を用いることにより、Webサーバ5上のコンテンツからリンクを設定しなくとも、広告等の情報を挿入することが可能となる。
【0047】
[第2の実施例]
第2の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2が、インタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合に、Webコンテンツと広告等の情報コンテンツを同時に入手する通信方法を説明する。
【0048】
図3は、第2の実施例におけるシーケンス図である。
【0049】
(S301)ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、初期状態において、パケットのポート2への転送は禁止しており、そのパケットは、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送される。
【0050】
(S302)指示サーバ3は、そのパケットを受信し、Webサーバ5に代わって、クライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0051】
(S303)クライアント端末2は、TCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。
【0052】
(S304)ここで、クライアント端末2は、利用者の必要とするWebコンテンツを表示する第1のブラウザ21とは別に、広告情報等のWebコンテンツを表示する第2のブラウザ22が作成される。そして、指示サーバ3は、第2のブラウザ22に対しては、情報挿入サーバ4へWebコンテンツを要求する指示を含むWebコンテンツを返信する。また、Webコンテンツの要求に基づく第1のブラウザ21に対しては、再度要求を行う指示を含んだWebコンテンツを返信する。
【0053】
(S305)指示サーバ3は、TCPセッションを切断する。
【0054】
その後、TCPセッションの切断を検出した通信振り分け装置1または指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を、ポート2の先に存在するWebサーバ5への通信はポート2へ転送するように変更を行う。
【0055】
(S306)クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツの内容に従って、第2のブラウザ22について情報挿入サーバ4へTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、TCPセッション確立のパケットを、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。
【0056】
(S307)それと共に、クライアント端末2は、第1のブラウザ21について再度Webサーバ5からコンテンツを入手するべく、ポート2の先に存在するWebサーバ5へTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、変更された設定に従って、Webサーバ5へのTCPセッション確立のパケットをポート2へ転送する。
【0057】
(S308)情報挿入サーバ4は、TCPセッション確立応答のパケットをクライアント端末2へ送信し、TCPセッションを確立する。
【0058】
(S309)また、Webサーバ5も、TCPセッション確立応答のパケットをクライアント端末2へ送信し、TCPセッションを確立する。
【0059】
(S310)これにより、クライアント端末2は、Webサーバ5と情報挿入サーバ4とから同時に、Webコンテンツを入手することが可能となる。
【0060】
このような通信方法により、Webサーバ5のコンテンツにリンクを設定しなくとも、広告配信をする情報挿入サーバ4によって広告情報を挿入することが可能となる。また、ユーザの視点では、Webサーバ5へのアクセスに対して、広告等の情報と同時に目的のコンテンツがブラウザ上で表示されるために、再度Webサーバ5へアクセスしなおすなどの余分な操作が不要となる。
【0061】
[第3の実施例]
第1及び第2の実施例では、Webコンテンツアクセスに関する通信シーケンスのみを説明したが、インタネット上を流れる通信はそれだけではない。第3の実施例では、Webアクセスに関する通信パケットのみを第1または第2の実施例と同様とし、他の通信パケットについてはそのような通信をさせないことにより、特定のプロトコル以外の通信を阻害することなく情報を挿入することが可能である。第3の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2がインタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合に、Webコンテンツと広告等の情報コンテンツを同時に入手し、それ以外の通信をインタネット上のサーバと行う通信方法を説明する。
【0062】
以下では、インタネット上のサーバとして、DHCPサーバ6及びDNSサーバ7を例にとり説明する。
【0063】
クライアント端末2は、起動時にブロードキャストを用いて、DHCPサーバ6へIPアドレスを要求する。この問い合わせパケットをポート1で受信した通信振り分け装置1は、そのパケットをポート2へ転送する。このとき、問い合わせパケットがブロードキャストパケットまたはマルチキャストパケットである場合には、ポート2、3及び4の全てに転送してもよいが、ここでは説明を単純にするために、DHCPサーバ6はポート2の先のネットワークにのみ存在するとして説明を行う。
【0064】
DHCPサーバ6は、問い合わせパケットを受信したならば、その返答として、IPアドレスをクライアント端末に割り付けるパケットを送信する。通信振り分け装置1は、そのIPアドレスをクライアント端末2に割り付けるパケットをポート2で受信し、そのパケットをポート1へ転送する。このような動作により、クライアント端末2に、IPアドレスが割り当てられる。
【0065】
以上、説明を行なったように、DHCPサーバ6からのパケットに関しては、ポート1およびポート2によって透過的にパケットを転送する。
【0066】
次に、クライアント端末2が、インタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合について説明を行う。
【0067】
前述したように、IPアドレスを取消したクライアント端末2で動作するブラウザにおいて、URL(Uniform Resource Locator)を用いてアクセス先のWebページが指定されたとする。この場合、クライアント端末2は、URLで指定されたサーバのIPアドレスを知る必要があり、このために、DNSサーバ7に対してDNS要求パケットを送信する。通信振り分け装置1は、DNSに関連したパケットについても、ポート1およびポート2によって通過的にパケットを転送する動作を行う。この動作により、クライアント端末2は、ポート2の先に接続されたネットワーク上のDNSサーバ7から、そのURLのIPアドレスを取得することが可能となる。当然、この取得したIPアドレスは、ポート2の先に接続されたWebサーバ5のIPアドレスである。
【0068】
さらに、前述した動作により、URLのIPアドレスを取得したクライアント端末2は、そのIPアドレスを持つWebサーバ5からコンテンツを取得するために、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCPセッション確立のパケットを送信する。
【0069】
以下、第2の実施例で説明した動作と同じ動作を行うことにより、情報挿入に関連したプロトコルに関しては、通信振り分け装置1において通信の振り分けを行い、それ以外のプロトコル例えばDHCPやDNSに関しては、振り分けを行わないことにより、特定のプロトコル以外の通信を阻害することなく情報を挿入することが可能である。
【0070】
[第4の実施例]
第1から第3の実施例では、初めのWebアクセスについて、情報を挿入する例を説明したが、第4の実施例では、その後のWebアクセスに対して適宜情報を挿入する通信方法を説明する。第4の実施例では、通信はすべてHTTPなどのWebアクセスに関係した通信である場合について説明を行うが、第3の実施例で説明したように、他のプロトコルを用いた通信については、ポート1,2の間を通過的に転送してもよい。
【0071】
まず、初期状態における、Webアクセスにおいては、例えば第2の実施例で説明した通信方法と同様の通信方法で、広告等の情報を情報挿入サーバ4から転送する。この時、情報挿入サーバ4から転送する情報は、定期的に情報挿入サーバ4にアクセスする命令が含まれている。これにより、クライアント端末2は、ユーザの明示的な操作なしに定期的に情報挿入サーバ4にアクセスし、新たな情報を入手することが可能となる。
【0072】
さらに、情報挿入サーバ4は、クライアント端末2から定期的にアクセスがあるかどうかを監視する。定期的にアクセスがある場合には、通常に通信が行われているとして、通信振り分け装置1の設定の変更はしない。すなわち、通信振り分け装置1の設定は、クライアント端末2とWebサーバ5との間の通信はポート1,2の間で転送を行い、クライアント端末2と情報挿入サーバ4との間の通信はポート1,4の間で転送を行う。
【0073】
これに対し、定期的にアクセスがない場合においては、通信に何らかの異常が発生したとして、情報挿入サーバ4は、指示サーバ3へ向かって通信振り分け装置1の設定変更が必要であることを通知する。この通知を受け取った指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を初期状態に変更する。通信振り分け装置1の初期状態の設定では、クライアント端末2からWebサーバ5への通信パケットを指示サーバ3へ転送し、クライアント端末2から情報挿入サーバ4への通信パケットは、情報挿入サーバ4へ転送する。この動作により、クライアント端末2から再度Webサーバ5へのアクセスがあった場合には、第2の実施例で説明した動作を行うことにより、情報を再度挿入することが可能である。また、再度挿入した情報に定期的に情報挿入サーバ4にアクセスする命令が含まれていることにより、クライアント端末2は、再び定期的に情報挿入サーバ4から情報を入手することが可能となる。
【0074】
また、第4の実施例では、情報挿入サーバ4がクライアント端末2から定期的にアクセスがあるかどうかを監視したが、この監視は通信振り分け装置1が行っても良い。この場合においては、通信振り分け装置1が、クライアント端末から情報挿入サーバ4に対して定期的にアクセスがないと判断した場合には、通信振り分け装置1が指示サーバ3に対して、通信振り分け装置1の設定変更が必要であることを通知してもよいし、通信振り分け装置1自身が自動的に設定を変更してもよい。
【0075】
[実施例5]
第1から第4の実施例では、自動的に情報挿入サーバ4からクライアント端末2が情報を入手する例を説明したが、第5の実施例では、クライアント端末2からの指示によりインタネット上のWebサーバ5等との通信条件を決定する通信方法について説明を行う。
【0076】
第5の実施例では、ポート1に接続されたクライアント端末2がインタネット上のWebサーバ5にアクセスする場合に、情報挿入サーバ4または指示サーバ3が情報を挿入することにより、Webサーバ5との通信条件を決定する通信方法を説明する。
【0077】
まず、ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、TCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、初期状態ではパケットのポート2への転送を禁止しており、そのパケットは、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送される。指示サーバ3は、TCPセッション確立のパケットを受信し、Webサーバ5に代わって、クライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0078】
次に、クライアント端末2は、TCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。指示サーバ3は、このWebコンテンツの要求に対して、情報挿入サーバ4へWebコンテンツを要求する指示を含んだWebコンテンツを返信し、TCPセッションを切断する。
【0079】
クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツを受信し、その内容にしたがって、情報挿入サーバ4からコンテンツを入手するために、情報挿入サーバ4にTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4へのTCPセッション確立のパケットを、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。この動作により、クライアント端末2は、情報挿入サーバ4とTCPセッションを確立する。TCPセッションの確立後、クライアント端末2は、このTCPセッションを利用して、情報挿入サーバ4からWebサーバ5へアクセスするための条件の決定を求める内容を含んだWebコンテンツを入手する。
【0080】
そのWebコンテンツを入手したクライアント端末2は、情報挿入サーバ4が提示した条件にしたがって、Webサーバ5へアクセスするための条件を決定し、その決定した条件を情報挿入サーバ4または指示サーバ3へ報告する。その報告が情報挿入サーバ4に対してなされた場合には、情報挿入サーバ4は指示サーバ3に決定された条件を報告し、その決定された条件を受信した指示サーバ3は、条件にしたがって通信振り分け装置1の転送条件を変更する。
【0081】
例えば、決定された条件としては、以下のようなものがある。
【0082】
・ポート1で受信した、クライアント端末2が送信元のTCPの宛先ポート80のパケットを、指定した時間の間だけ、ポート2へ転送する。
・ポート1で受信した、クライアント端末2が送信元の全てのパケットを、指定した数またはbyte数だけ、ポート2へ転送する。
・ポート1で受信した、クライアント端末2が送信元の全てのリアルタイム通信パケットを、高い優先度をつけて、ポート2に転送する。
【0083】
また、第5の実施例の場合、クライアント端末2と情報挿入サーバ4との間において認証を行い、認証が成功した場合にのみ、通信振り分け装置1の転送条件を変更することも可能である。さらに、ポート1に複数のクライアント端末2が接続されている場合においては、クライアント端末2間の直接通信の許可・不許可または、特定の認証が成功したクライアント端末2をグループ化し、そのグループ内でのみ直接通信が可能となるように、通信振り分け装置1のポート1内での折り返し転送条件を設定することも可能である。また、特定の認証が成功したクライアント端末2をグループ化し、そのグループのみマルチキャストを用いたネットワーク側からの情報配信を許可し、そうでないクライアント端末にはネットワーク側からのマルチキャストパケットを遮蔽するように通信振り分け装置1を設定することも可能である。
【0084】
通信振り分け装置1は、前述したように変更された設定にしたがって、パケットの転送を行う。
【0085】
ここでは、情報挿入サーバ4とクライアント端末2との間で、通信の条件を決定したが、前述の説明で明らかなように、情報挿入サーバ4を用いずに、指示サーバ3が直接クライアント端末2との間で通信の条件を決定し、通信振り分け装置1の設定を変更することも可能である。
【0086】
[第6の実施例]
これまで説明した第1から第5の実施例では、下位レイヤの認証が必要であるかどうかについては、本発明の通信方法とは無関係に通信を行う方法の実施例を示した。
【0087】
第6の実施例では、クライアント端末がネットワークに接続するために、認証が必要なプロトコルを用い、その認証が成功した後に、第1から第5の実施例で説明した通信方法が適用される例を示す。
【0088】
ここでは、PPP(ポイントト−トゥ−ポイント プロトコル)およびPPPoE(PPPオーバイーサネット)プロトコルを用いた通信センションに本発明の通信振り分け装置および通信方法を適用した例を示す。
【0089】
図4は、第6の実施例におけるシステム構成図である。
【0090】
図4によれば、図1と比較して、アクセスサーバ9が備えられている。PPPoEクライアント端末2とアクセスサーバ9との間でPPP/PPPoEプロトコルを用いて通信セッションの認証が行われる。そして、アクセスサーバ9は、セッションID(識別子)をセッションに対して付与する。PPPoEクライアント端末2は、認証されたセッションを通じて、アクセスサーバ9の反対側に配置されたネットワーク8と通信することが可能となる。
【0091】
まず、セッションの確立が行われていない初期状態での動作の説明を行う。
【0092】
初期状態においては、本発明の通信振り分け装置1は、ポート1とポート2の間でパケットを転送するブリッジとして動作する。この際、ポート3および4へパケットを転送することはない。またポート3または4に入力されたパケットをポート1、ポート2に転送することはない。
【0093】
また、PPPoEクライアントがPPP/PPPoEセッションの確立シーケンスを開始した場合について説明を行う。
【0094】
第6の実施例における通信振り分け装置1は、ポート1またはポート2から入力されたパケットのPPPoEヘッダ上にある2オクテットのコードフィールドを読み取る。PPPoEプロトコルにおいては、まずディスカバリステージにより、PPPoEセッションIDがアクセスサーバからクライアントに通知される。この通知を行うパケットはPADSと呼ばれ、前述のコードフィールドが0x65である。第6の実施例では、前述のコードフィールドが0x65の場合に、PPPoEヘッダ中に記載されているPPPoEセッションIDをPPPoEクライアントのMACアドレスと合わせて本発明の通信振り分け装置1で記憶する。また、読み取られたコードフィールドが0x00であればPPPoEのディスカバリステージが終了し、PPPセッションステージ上でPPPプロトコルのやり取りが開始されている。この状態でPPPoEヘッダ上にある2オクテットのPPPoEセッションIDを読み取り、本発明の通信振り分け装置1で記憶しても良い。いずれにせよ、PPPoEセッションIDの学習はクライアント側から送信される通信パケットでもアクセスサーバ9側から送信される通信パケットでも良いが、ここではセキュリティを考慮しアクセスサーバ9側から送信される通信パケット内に記載されているPPPoEセッションIDをPPPoEクライアントのMACアドレスと合わせて記憶する。
【0095】
第6の実施例では、セッションIDをPPPoEプロトコルを用いて記憶したが、さらにセキュリティを向上させるために、PPPセッションステージを用いる例を示す。
【0096】
PPPoEにおいてディスカバリステージが終了するとPPPステージに移行する。PPPステージにおいては、まずCHAP(チャレンジ・ハンドシェーク認証プロトコル)やPAP(パスワード認証プロトコル)などが用いられて認証が行われる。さらに、一般的にはPPPの上位レイヤとしてIPを使用しており、この場合にはIPCP(IP制御プロトコル)を用いてIPアドレスをアクセスサーバから提供することが一般に行われる。ここで、この一連のPPPステージの終了時に、アクセスサーバ側から送信される通信パケット内に記載されているPPPoEセッションIDをPPPoEクライアントのMACアドレスと合わせて記憶する。
【0097】
このような動作を行うことにより、CHAP,PAPなどの認証が正常に終了した通信セッションに対してのみPPPoEセッションIDを本発明の通信振り分け装置1が記憶することとなり、セキュリティが向上する。またさらに、IPCPにおいてアクセスサーバ9から提供されたIPアドレスをも通信振り分け装置1で学習することにより、PPPoEセッションIDとIPアドレスとMACアドレスが一致したパケットにのみ所定の動作をすることができ、セキュリティがさらに向上する。
【0098】
ここまでは、すべての確立した通信セッションに対して、事後的にPPPoEセッションIDを学習する例を示したが、あらかじめ設定された特定の通信セッションにのみPPPoEセッションIDを学習する例を示す。
【0099】
この例では、本発明の通信振り分け装置1にあらかじめPPPoEクライアントのMACアドレスが設定されており、特定のMACアドレス宛てにアクセスサーバ側から送信される通信パケットに対してのみ第6の実施例と同じ方法でPPPoEセッションIDを記憶する。このような動作をすることにより、許可されたMACアドレスを有するPPPoEクライアント以外のPPPoEクライアントがアクセスサーバ9と確立した通信セッションに対しては、PPPoEセッションIDを学習することなく、特定のクライアントにのみPPPoEセッションIDを学習することが可能である。
【0100】
前述の例ではPPPoEセッションIDをMACアドレスと合わせて記憶する方法を説明したが、ここでは、PPPoEセッションIDを他のものと関連づけて記憶する方法を説明する。ここでは、PPPoEクライアントとアクセスサーバ間がIEEE802.1Qに規定されたVLAN(仮想LAN)で接続されている場合について説明を行う。
【0101】
PPPoEクライアントとアクセスサーバ9間がIEEE802.1Qに規定されたVLANで接続されている場合には、PPPoEクライアントとアクセスサーバ間でやり取りされる通信パケットにはVLANタグとしてVLAN毎に一意にあらかじめ設定されたVLAN IDが記載される。このため前述の方法と同様の方法でPPPoEセッションIDを記憶する際に、PPPoEクライアントのMACアドレスおよびVLAN IDと合わせて記憶する。前述のように、IPCPでアクセスサーバ9から提供されるIPアドレスとも合わせて記憶してもよい。このような動作により、MACアドレス、VLAN ID、PPPoEセッションIDおよびIPアドレスのすべてが一致したパケットにのみ所定の動作をすることができ、セキュリティがさらに向上する。また、VLANを使用する場合には、VLAN毎にPPPoEセッションIDの記憶、非記憶を設定することにより、特定のVLANに所属するPPPoEクライアント端末のPPPoEセッションIDのみを記憶することが可能となる。
【0102】
以上、本発明の通信振り分け装置1によるPPPoEセッションIDの記憶方法について説明した。次に記憶したPPPoEセッションIDを持つ通信セッションから特定の通信パケットを抽出し、認証を用いない通信方式に変換して指示サーバ3へ転送する方法について説明を行う。
【0103】
第6の実施例では、認証を用いない通信方式として、イーサネット(登録商標)上のIP通信を使用した例を示す。
【0104】
まず、ポート1に接続されたクライアント端末2が、ポート2の先に存在するWebサーバ5へ、認証が終了したPPPセッションを用いて、TCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、記憶したPPPoEセッションIDを有する通信パケットを監視している。初期状態では、通信振り分け装置1により、パケットのポート2への転送は禁止されている。
【0105】
図5は、PPP/PPPoEパケットをIPパケットに変換するパケット図である。
【0106】
IPパケット部分は、記憶したPPPoEセッションIDを有する。通信振り分け装置1は、図5に示す動作にしたがってIPパケット部分を取り出す。さらに、あらかじめ設定されるかもしくはARP(アドレス解決プロトコル)で入手したMACアドレスを宛先としたMACヘッダを付与し、FCS(フレームチェックシーケンス)を再計算してイーサネットフレームを構築する。さらにこのイーサネットフレームをポート3またはポート4から出力する。
【0107】
この例では、イーサネットヘッダに記載される宛先MACアドレスを、PPPoEクライアント、アクセスサーバ9間で行われる通信パケットの宛先MACアドレスから変更した。この変更は、通常のサーバ等は自MACアドレスを宛先MACアドレスに持つイーサネットフレームしか受信しないために行うものであり、変更後の宛先MACアドレスは指示サーバ3のアドレスまたは指示サーバ3と通信振り分け装置1の間に配置されたルータのアドレスとする。MACアドレスの決定には通常のARPを使用する。そのパケットは、通信振り分け装置1によりポート3の先に接続されている指示サーバ3に転送される。
【0108】
以上のような動作を行うことにより、認証が終了し、さらに、あらかじめ設定により許可されたMACアドレスを有するPPPoEクライアントまたは、あらかじめ設定により許可されたVLANに属するPPPoEクライアントからの通信パケットで、特定の条件を満たす通信パケットは、アクセスサーバ9を経由することなく、通常のIPパケットとしてポート3およびポート4に転送可能である。
【0109】
次に、認証を用いない通信方法を行うポート3または4から受信した通信パケットを認証が終了した通信セッションへ転送する方法について説明する。この実施例においても、前述の実施例と同様に、認証を用いない通信方式として、イーサネット(登録商標)上でのIP通信を使用した例を示す。
【0110】
すでにPPP/PPPoEプロトコルによってPPPoEクライアントおよびアクセスサーバ間で認証が終了したセッションが確立しており、本発明の通信振り分け装置により前述の例で説明した手順によってPPPoEセッションIDがPPPoEクライアントのMACアドレス、IPアドレスとともに記憶されている。
【0111】
図6は、IPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換するパケット図である。
【0112】
IP通信を行うポート3または4に通常のIPパケットが入力された場合、本発明の通信振り分け装置1は、入力された通信パケットのヘッダより宛先アドレスを読み取り、通常の動作により、次に転送すべき装置を決定する。通常の動作に従い決定した次に転送すべき装置のアドレスが、本発明の通信振り分け装置1に記憶されているアドレスの一つと一致した場合は、図6に示す動作に従ってPPP/PPPoEセッションに転送する。
【0113】
すなわち、まず、入力されたイーサネットフレームよりIPパケット部分を抽出する。さらに、このIPパケットに対し、該当するIPアドレスと合わせて学習したPPPoEセッションIDを持つPPPヘッダを構築し付与する。さらに、該当するIPアドレスと合わせて学習したPPPoEクライアントのMACアドレスを宛先アドレスとしたMACヘッダを付与し、再計算したFCSを付与してポート1から出力する。
【0114】
以上のように、認証が必要なPPP/PPPoEパケットとIPパケットの変換を行うことにより、指示サーバ3は、そのパケットを受信し、Webサーバ5に代わってクライアント端末2との間にTCPセッションを確立する。
【0115】
次に、クライアント端末2は、PPPセッションおよびTCPセッションを通して、Webコンテンツの要求を送信する。このパケットについても通信振り分け装置1は、IPパケットに変換し、ポート3の先に接続されている指示サーバ3へ転送する。指示サーバ3は、このWebコンテンツの要求に対して、情報挿入サーバ4へ、Webコンテンツを要求する指示を含んだWebコンテンツを返信し、TCPセッションを切断する。この通信に際して、通信振り分け装置1は、ポート3から入力したIPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換してポート1に転送し、ポート1から入力したPPP/PPPoEパケットをIP化してポート3に転送することにより、クライアント端末2と指示サーバ3との通信が可能となる。
【0116】
クライアント端末2は、返信されたWebコンテンツを受信し、その内容にしたがって、情報挿入サーバ4からコンテンツを入手するために、情報挿入サーバ4にPPP/PPPoEセッションを通じてTCPセッション確立のパケットを送信する。通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4へのTCPセッション確立のパケットをIPパケットに変換し、情報挿入サーバ4が接続されているポート4へ転送する。また、通信振り分け装置1は、情報挿入サーバ4から送信されたIPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換し、ポート1へ転送する。この動作により、クライアント端末2は、情報挿入サーバ4とTCPセッションを確立する。TCPセッションの確立後、クライアント端末2は、このTCPセッションを利用して、情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手する。
【0117】
さらに、指示サーバ3または通信振り分け装置1は、クライアント端末2が情報挿入サーバ4からWebコンテンツを入手したかどうかの監視を行い、コンテンツの入手を確認した通信振り分け装置1または指示サーバ3は、通信振り分け装置1の設定を、ポート2の先に存在するWebサーバ5への通信はポート2へ転送するように変更を行う。
【0118】
変更後においては、クライアント端末2は、ポート2の先に存在するWebサーバ5へアクセスすることが可能となる。
【0119】
また、前述した説明は、クライアント端末2が1台の場合について説明を行ったが、クライアント端末2が複数の場合であっても、通信振り分け装置1の設定を、クライアント端末2のIPアドレス毎に行い、前述した説明の通信方法を行うことで、それぞれのクライアント端末2に情報挿入サーバ4から情報を配信した後に、Webサーバ5へアクセス可能とすることが可能となる。以後、特に説明は行わないが、いずれの実施例においても、クライアント端末2毎に通信振り分け装置1の設定および通信状態の監視を行うことで、クライアント端末2が複数ある場合についても、本発明の通信方法が可能となる。
【0120】
以上のような通信方法を用いることにより、認証が必要な通信を行う場合においても、Webサーバ5上のコンテンツからリンクを設定しなくとも、広告等の情報を挿入することが可能となる。
【0121】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、あらかじめ設定した条件を満たす通信パケットを契機に、L2の転送形態を変更することにより、クライアント・サーバ間の通信に任意の情報を適宜付与したり、複数クライアント端末を動的にグルービングすることが可能となる。
【0122】
本発明によれば、Webサーバ上のコンテンツから広告にリンクを張らなければ広告を配布できないという問題を解決し、Webサーバ上のコンテンツからのリンクを設定しなくても広告情報の配布を可能とする。
【0123】
また、本発明によれば、Webサーバからのリンクを設定しなくても広告の配布が可能となるため、ネットワーク提供者が広告を配布することを可能とする。
【0124】
さらに、本発明によれば、従来の技術を用いた場合に、ユーザの要求とは異なる内容を転送するために、ユーザの連続的なWeb閲覧を中断してしまうといった問題を解決し、ユーザの連続的なWeb閲覧中であっても随時広告の配布を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステム構成図である。
【図2】第1の実施例のシーケンス図である。
【図3】第2の実施例におけるシーケンス図である。
【図4】第6の実施例におけるシステム構成図である。
【図5】PPP/PPPoEパケットをIPパケットに変換するパケット図である。
【図6】IPパケットをPPP/PPPoEパケットに変換するパケット図である。
【符号の説明】
1 通信振り分け装置
2 クライアント端末
21 第1のブラウザ
22 第2のブラウザ
3 指示サーバ
4 情報挿入サーバ
5 Webサーバ
6 DHCPサーバ
7 DNSサーバ
8 ネットワーク
9 アクセスサーバ
Claims (11)
- 第1の通信端末が通信ネットワークを経由して第2の通信端末と通信を行う通信方法であって、
前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の通信経路上に、通信振り分け装置を有し、
前記通信振り分け装置が、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送する第1のステップと、
前記第3の通信端末が、前記通信パケットを受信した際に、前記第1の通信端末へ、前記第2とは異なる通信端末から情報を入手するべく指示パケットを送信する第2のステップと、
前記第1の通信端末は、前記指示パケットに基づいて、前記第2とは異なる通信端末から情報を入手する第3のステップと、
前記第3の通信端末、前記第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、前記第1の通信端末による前記第2とは異なる通信端末からの情報の入手開始または終了を監視し、その監視結果に基づき、前記通信振り分け装置が、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを前記第2の通信端末に転送するように設定を変更する第4のステップと
を有することを特徴とする通信方法。 - 第1の通信端末が通信ネットワークを経由して第2の通信端末と通信を行う通信方法であって、
前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との通信経路上に、通信振り分け装置を有し、
前記通信振り分け装置は、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送する第1のステップと、前記第3の通信端末は、前記通信パケットを受信した際に、前記第1の通信端末へ、前記第2とは異なる通信端末から情報を入手するべく指示パケットを送信する第2のステップと、
前記第1の通信端末は、前記指示パケットに基づいて、前記第2とは異なる通信端末から情報を入手する第3のステップと、
前記第3の通信端末、前記第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、前記指示パケットを監視し、前記指示パケットの送信が終了したならば、前記通信振り分け装置が、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを前記第2の通信端末に転送するように設定を変更する第4のステップと
を有することを特徴とする通信方法。 - 前記第2のステップについて、前記指示パケットは、前記第2とは異なる通信端末から情報を定期的に入手するような指示であり、
前記第4のステップについて、前記第3の通信端末、前記第2とは異なる通信端末または通信振り分け装置は、前記第1の通信端末が、前記第2とは異なる通信端末から定期的に情報を入手しているかどうかを監視し、
定期的に入手しているならば、前記通信振り分け装置は、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを前記第2の通信端末に転送するように設定され、
定期的に入手していないならば、前記通信振り分け装置は、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを前記第3の通信端末に転送するように設定される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信方法。 - 前記通信振り分け装置が、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを前記第3の通信端末に転送するように設定されている場合、
前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットのうち、あらかじめ定められた特定の内容を含む通信パケットを前記第3の通信端末に転送し、
前記特定の内容を含まない通信パケットは、前記第3の通信端末に転送しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信方法。 - 前記第2のステップについて、前記指示パケットは、前記第2とは異なる通信端末および前記第2の通信端末の両方から情報を入手するような指示であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信方法。
- 前記第1の通信端末は、前記第3の通信端末または前記第2とは異なる通信端末より入手した情報に基づき、前記第2の通信端末との通信を行う条件を決定し、前記第3の通信端末または前記第2とは異なる通信端末へ通知する第5のステップと、
前記第3の通信端末または前記第2とは異なる通信端末は、受信した前記通知に従って前記通信振り分け装置における、前記第2の通信端末と前記第1の通信端末との通信条件を設定する第6のステップと、
前記第2の通信端末と前記第1の通信端末は、前記設定された通信条件に従って通信を行う第7のステップと
を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信方法。 - 前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間で、認証が必要な通信方法を使用して通信を行う場合、
前記通信振り分け装置は、前記認証が終了し、認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態かどうかを監視し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態であるならば、前記通信振り分け装置は、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、前記第3の通信端末宛てに転送し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態でないならば、前記通信振り分け装置は、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、前記第3の通信端末宛てに転送しない
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信方法。 - 前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間で、認証が必要な通信方法を使用して通信を行う場合、
前記通信振り分け装置は、前記認証が終了し、認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態かどうかを監視し、
認証が必要な通信方法を使用して通信を行うことができる状態でないならば、前記通信振り分け装置は、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、前記第3の通信端末宛てに転送し、
前記第3の通信端末または前記第2とは異なる通信端末より入手した前記情報に基づき、第2の通信端末との間で通信を行うための認証に必要な情報を入手し、
前記第1の通信端末は、前記認証に必要な情報を用いて前記第2の通信端末との通信を確立する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信方法。 - 前記第2とは異なる通信端末は、前記第3の通信端末であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信方法。
- 前記第1の通信端末と、前記第2の通信端末との通信経路上に配置される通信振り分け装置であって、
前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送し、
前記第1の通信端末に対する前記第3の通信端末からの指示の終了または、前記第1の通信端末による前記第2とは異なる通信端末から情報の入手開始または終了を監視し、その監視結果に基づき、前記通信振り分け装置の設定を、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、前記第2の通信端末に転送するように変更する
ことを特徴とする通信振り分け装置。 - 第1の通信端末と、第2の通信端末との通信経路上に配置される通信振り分け装置に指示を出す装置であって、
前記通信振り分け装置による、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、第3の通信端末宛てに転送することに基づいて、
前記第1の通信端末に対する前記第3の通信端末からの指示の終了または、前記第1の通信端末による前記第2とは異なる通信端末から情報の入手開始または終了を監視し、
その監視結果に基づき、前記通信振り分け装置の設定を、前記第1の通信端末から前記第2の通信端末宛てに送信された通信パケットを、前記第2の通信端末に転送するように変更する
ことを特徴とする通信振り分け装置に指示を出す装置。
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JP2002268344A JP2004112047A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 情報挿入を行う通信方法および通信装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007116348A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Nippon Telegraph & Telephone East Corp | PPPoEブリッジ装置及びPPPoEセッション切断方法 |
JP2009239786A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Saxa Inc | 中継装置 |
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2002
- 2002-09-13 JP JP2002268344A patent/JP2004112047A/ja not_active Withdrawn
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