JP2004111270A - ブラックマトリクス用分散液組成物および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】CRTのような画像表示装置において、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率を改善する。
【解決手段】本発明の画像表示装置は、光吸収層が、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含む。酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体は、長径が50〜500nmの針状粒子であることが望ましい。針状粒子とすることで、光吸収層の剥落をなくし、表示欠陥を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の画像表示装置は、光吸収層が、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含む。酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体は、長径が50〜500nmの針状粒子であることが望ましい。針状粒子とすることで、光吸収層の剥落をなくし、表示欠陥を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示面のブラックマトリクス形成に用いられる分散液組成物に関する。また、陰極線管(CRT)やプラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)のような画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にカラー陰極線管のような画像表示装置において、ガラス基板(パネル)の内面に、青(B)、緑(G)、赤(R)の各色の蛍光体層がドット状やストライプ状に配列されて形成されている。これらの蛍光体層に電子ビームが衝突し蛍光体が各色に発光することにより、画像表示がなされている。
【0003】
このような表示面では、蛍光体以外からの光を吸収し画像コントラストを向上させるために、隣接する画素となる蛍光体ドットまたは蛍光体ストライプ間に、ブラックマトリクスとして光吸収層(黒色層)が設けられる。
【0004】
ブラックマトリクスの特性は、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率で表され、それらの値はいずれも小さいほど良いとされる。すなわち、拡散反射率が小さいほど、光吸収層による外光の拡散反射が抑制され、光吸収効果が大きくなる。また、鏡面反射率が小さいほど、光吸収層の表面での反射が少なく、蛍光灯のような背景光の表示面への写りこみが防止される。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
なお、光吸収層の拡散反射は、パネルの外面側から入射した光に対して、パネルと光吸収層との界面で全方向にほぼ等しく反射する状態を示し、鏡面反射は、パネルと光吸収層との界面で反射の法則に従って正反射する状態を示す。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第99/52122号パンフレット(第5頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ブラックマトリクスとして黒鉛を主成分とする光吸収層を有する表示面では、拡散反射率および鏡面反射率が大きいという問題があった。
【0008】
例えば、70%の光透過率を有するガラスパネルに、黒鉛の分散液をスピンコートにより塗布してブラックマトリクスを形成し、さらにその上にスピンコートにより蛍光体層を形成して表示面を作製した。そして、この表示面の拡散反射率および鏡面反射率を測定したところ、拡散反射率が3.9%、鏡面反射率が3.2%となり、かなり大きな値を示した。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、光吸収層とガラスパネルとの界面の拡散反射性および鏡面反射性が改善された表示面が得られるブラックマトリクス用分散液組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、画像コントラストが高いうえに背景光の表示面への写りこみがなく、信頼性の高い表示面が得られる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラックマトリクス用分散液組成物は、光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のブラックマトリクス用分散液組成物において、酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体が、針状の粒子であることができる。そして、この針状の粒子の長径が50〜500nmであることができる。また、酸化マンガンが、二酸化マンガン(MnO2)であることができる。
【0013】
本発明の画像表示装置は、透光性のパネルと、前記パネルの内面にブラックマトリクスとして設けられた光吸収層と、前記光吸収層に対して前記パネルと反対の背面側に配置された蛍光体層を備えた画像表示装置であり、前記光吸収層が、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の画像表示装置において、酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体が、針状の粒子であることができる。そして、この針状の粒子の長径が50〜500nmであることができる。また、酸化マンガンが、二酸化マンガン(MnO2)であることができる。
【0015】
本発明のブラックマトリクス用分散液組成物によれば、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率が低減され、ブラックマトリクスとしての特性が向上された表示面を得ることができる。また、本発明の画像表示装置によれば、高コントラストで背景光の表示面への写りこみがなく、かつ欠陥が生じにくく信頼性の高い画像表示を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本発明の第1の実施形態はブラックマトリクス用分散液組成物であり、このブラックマトリクス用分散液組成物は、光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含有する。
【0018】
分散液中の酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体の平均粒径が500nmを越えると、形成される光吸収層の鏡面反射率が大きくなり好ましくない。また、平均粒径が10nm未満では、光吸収層の光透過率が大幅に上昇して遮光性が悪くなるため、好ましくない。
【0019】
酸化マンガンとしては、二酸化マンガン(MnO2)、三酸化二マンガン(Mn2O3)、四酸化三マンガン(Mn3O4)、七酸化二マンガン(Mn2O7)などを使用することができる。特に、二酸化マンガンの使用が望ましい。
【0020】
このような酸化マンガンと酸化第二鉄(Fe2O3)との固溶体としては、マンガンの含有率が15重量%以上のものを使用することができ、特にマンガンの含有率が15〜70重量%の範囲のものを使用することが望ましい。マンガンの含有率が15重量%未満の固溶体では、陰極線管等のブラックマトリクスとして、十分な遮光性を有する光吸収層を形成することが難しい。
【0021】
酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体は、針状の粒子であることが望ましい。また、針状粒子の長径が50〜500nmであることが望ましい。なお、針状粒子の平均粒径rは、以下の式で求められるものとする。(但し、aを長径、bを短径とする。)
r=(a+b)/2
【0022】
同じ平均粒径rを有する球状粒子と針状粒子のそれぞれから構成されるブラックマトリクス(光吸収層)を比較すると、針状粒子から成る光吸収層の表面には、球状粒子から成る光吸収層に比べてはるかに大きな凹凸が多数存在するため、表面からの光の乱反射量が多くなるが、鏡面反射率の値はより小さくなる。
【0023】
また、針状粒子は、粒形が均一に揃った球状粒子に比べて、粒子間の距離が近い部分が存在するため、粒子相互の結びつきがより強固になるうえに、粒子の形状により粒子相互の絡みが大きくなる。したがって、球状粒子から成る光吸収層においては、製造工程で光吸収層のガラス基板からの剥落、いわゆるダグ剥れが起こるおそれがあるが、針状粒子により光吸収層が形成された表示面においては、粒子の剥落が生じることがなく表示欠陥が生じにくい。
【0024】
第1の実施形態において、分散液組成物中には、前記した酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を溶媒に均一に分散させるとともに、二次凝集を防止するために、分散剤が配合される。
【0025】
分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの誘導体の重合体または共重合体である水性アクリル樹脂、水性アクリル樹脂のナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩、ポリカルボン酸またはリグニンスルフォン酸もしくはビスフェノールスルフォン酸のナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種が使用される。
【0026】
また、溶媒としては、水が単独で使用されるか、または水にそれと相溶性のある有機溶剤を混合した混合溶媒が使用される。ここで、水と相溶性のある有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールのようなグリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシドのような極性溶剤等を使用することができる。
【0027】
そして、前記した酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体の含有量は、分散液全体に対して0.5〜60重量%の割合とすることが望ましく、より好ましくは5〜35重量%の割合とする。酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体の含有割合が、分散液全体の0.5重量%未満では、陰極線管などの表示装置のブラックマトリクスとして、十分な遮光性を有する光吸収層を形成することが難しく、反対に60重量%を越えると、分散液の粘度が高くなりすぎ、パネルに均一に塗布することが困難になる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態であるカラー陰極線管について、図面に基づいて説明する。
【0029】
このカラー陰極線管は、図1に示すように、ガラスパネル1とファンネル2およびネック3から成る外囲器を有している。パネル1の内面には、蛍光体スクリーン4が設けられ、さらにその内側に、蛍光体スクリーン4に対向してシャドウマスク5が配置されている。一方、外囲器のネック3内には電子ビーム6を放出する電子銃7が配設されている。また、ファンネル2の内側には、電子銃7から放出される電子ビーム6を外部磁界から遮蔽するインナーシールド8が配置され、ファンネル2の外側には、発生する磁界で電子ビーム6を偏向させる偏向装置9が配置されている。
【0030】
蛍光体スクリーン4は、図2に拡大して示すように、ドット状またはストライプ状に形成された光吸収層10と、この光吸収層10の所定形状(例えば円形ドット状)のホールに規則的に配列・形成された青、緑、赤の各色の蛍光体層11とから構成され、光吸収層10は、主成分である光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含有している。平均粒径が前記範囲にある酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体としては、例えば、長径が50〜500nmの範囲にあるMnO2またはMnO2・Fe2O3の針状粒子が挙げられる。
【0031】
色純度を上げるために、蛍光体層11とガラスパネル1との間に、蛍光体層11の発光色に対応した光学フィルターを介在させても良い。なお、図において、11Bは青色の蛍光体層、11Gは緑色の蛍光体層、11Rは赤色の蛍光体層をそれぞれ示している。
【0032】
このような第2の実施形態のカラー陰極線管では、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率が低く、ブラックマトリクスとして良好な特性を有するうえに、製造工程で光吸収層の剥落が生じにくいので、高コントラストで表示面への背景光の写りこみが少なく、かつ欠陥が生じにくい。
【0033】
なお、以上に実施形態ではカラー陰極線管について説明したが、本発明の画像表示装置は、カラー陰極線管に限定されず、フィールドエミッションディスプレイ(FED)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等に適用することができる。
【0034】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】
実施例1,2
二酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体(MnO2・Fe2O3)の球状粒子(平均粒子径300nm)と、MnO2・Fe2O3の針状粒子(粒子長径50〜500nm)を使用し、以下の組成で分散液A,Bをそれぞれ調製した。
【0036】
[分散液Aの組成]
MnO2・Fe2O3の球状粒子 ………………15wt%
分散剤(水性アクリル樹脂のナトリウム塩またはアンモニウム塩)
……………… 1.5wt%
水 ………………83.5wt%
【0037】
[分散液Bの組成]
MnO2・Fe2O3の針状粒子 ………………15wt%
分散剤(水性アクリル樹脂のナトリウム塩またはアンモニウム塩)
……………… 1.5wt%
水 ………………83.5wt%
【0038】
次いで、これらの分散液A,Bを使用し、光透過率が70%の17インチCDT用ガラスパネル(各100枚)の内面に、ブラックマトリクスとして光吸収層を形成した。光吸収層の形成は、以下に示すようにして行った。
【0039】
まず、ガラスパネル内面にスピンコート法によりフォトレジストを塗布・乾燥し、シャドウマスクを介して露光し、現像して、ドット状のレジストパターンを形成した後、その上に、分散液A,Bをスピンコート法により塗布・乾燥して結着させ、次いで過酸化水素水のようなレジスト分解液を塗布することにより、レジストとその上の光吸収物質の層を溶解し剥離した。
【0040】
また、比較例として、従来から使用されている黒鉛(グラファイト)と分散剤(カルボキシメチルセルロース)との組み合わせで調製された分散液Cを使用し、ガラスパネル(100枚)に実施例1,2と同様にして光吸収層を形成した。
【0041】
こうして光吸収層が形成された各100枚のガラスパネルについて、光吸収層の剥落いわゆるダグ剥れの発生数とその他の不良の発生数を調べ、良品数および歩留まりを求めた。
【0042】
次に、実施例1,2および比較例において、分散液A,BおよびCを用いてそれぞれブラックマトリクスが形成された17インチCDT用ガラスパネルの上に、ドット状の青色蛍光体層、緑色蛍光体層および赤色蛍光体層からなる蛍光体スクリーンを形成した。
【0043】
青色蛍光体層のパターンの形成は、青色蛍光体(ZnS:Αg,Al)を含むスラリーをスピンコート法により塗布・乾燥して、青色蛍光体層を形成した後、シャドウマスクを通して露光後現像し、未硬化部分を洗浄除去することにより行った。次いで、青色蛍光体層のパターンと同様にして、緑色蛍光体(ZnS:Cu,Αl)を含むスラリーを用いて緑色蛍光体層のパターンを形成した。さらに、赤色蛍光体(Y2O2S:Eu)を含むスラリーを用いて赤蛍光体層のパターンを形成した。その後、常法によりカラー陰極線管を完成した。
【0044】
こうして得られたカラー陰極線管において、光吸収層の拡散反射率Rr(%)と鏡面反射率Rm(%)をガラスパネル側からそれぞれ測定した。
【0045】
拡散反射率および鏡面反射率の測定は、それぞれ以下に示す方法で行った。すなわち、拡散反射率の測定では、カラー陰極線管を、ガラスパネルの外面を上向きにして暗室内に配置し、パネル中心に立てた法線lに対して、45度の角度から蛍光灯の光を照射した。そして、前記法線l上に設置された輝度計により、白色拡散板(反射率99.9%)に対する反射輝度を測定し、絶対反射率に換算して拡散反射率を求めた。
【0046】
また、鏡面反射率の測定では、同様にガラスパネルの外面を上向きにしてカラー陰極線管を暗室内に配置し、パネル中心に立てた法線lに対して45度の角度から蛍光灯の光を照射し、照射と反対側で法線lに対して45度の角度をなすように設置された輝度計により、白色拡散板に対する反射輝度を測定した。そして、絶対反射率に換算して反射率を求めた。
【0047】
拡散反射率及び鏡面反射率の測定結果を、前記した良品数および歩留まりとともに、表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1から、MnO2・Fe2O3の球状粒子を含む分散液Aを用いてブラックマトリクスを形成した実施例1のカラー陰極線管においては、黒鉛を含む分散液Cを用いてブラックマトリクス形成を行った比較例のカラー陰極線管に比べて、ダグ剥れによる歩留まりの低下は見られるものの、ブラックマトリクスの拡散反射率および鏡面反射率の値がいずれも低下し、表示面の反射性の点で大幅に改善されていることがわかる。
【0050】
MnO2・Fe2O3の針状粒子を含む分散液Bが使用された実施例2のカラー陰極線管では、ブラックマトリクスの拡散反射率が1.1%、鏡面反射率が0.75%となり、比較例で得られたカラー陰極線管に比べて、拡散反射率の値が約25%鏡面反射率の値が約75%低減され、表示面の反射性の点で大幅に改善されている。そして、実施例1で得られたカラー陰極線管と比べても、鏡面反射率で約40%改善されていることが分かる。また、実施例2で得られたカラー陰極線管では、ダグ剥れが全く発生せず、比較例のカラー陰極線管に比べて歩留まりが1%向上している。
【0051】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明のブラックマトリクス用分散液組成物によれば、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率が低減され、ブラックマトリクスとしての特性が向上された表示面を得ることができる。また、本発明の画像表示装置によれば、高コントラストで背景光の表示面への写りこみがなく、かつ欠陥が生じにくく信頼性の高い画像表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施形態であるカラー陰極線管の概略構成を示す断面図。
【図2】第2の実施形態において、蛍光体スクリーンの構造を示す断面図。
【符号の説明】
1………ガラスパネル、4………蛍光体スクリーン、5………シャドウマスク、7………電子銃、10………光吸収層、11………蛍光体層
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示面のブラックマトリクス形成に用いられる分散液組成物に関する。また、陰極線管(CRT)やプラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)のような画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にカラー陰極線管のような画像表示装置において、ガラス基板(パネル)の内面に、青(B)、緑(G)、赤(R)の各色の蛍光体層がドット状やストライプ状に配列されて形成されている。これらの蛍光体層に電子ビームが衝突し蛍光体が各色に発光することにより、画像表示がなされている。
【0003】
このような表示面では、蛍光体以外からの光を吸収し画像コントラストを向上させるために、隣接する画素となる蛍光体ドットまたは蛍光体ストライプ間に、ブラックマトリクスとして光吸収層(黒色層)が設けられる。
【0004】
ブラックマトリクスの特性は、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率で表され、それらの値はいずれも小さいほど良いとされる。すなわち、拡散反射率が小さいほど、光吸収層による外光の拡散反射が抑制され、光吸収効果が大きくなる。また、鏡面反射率が小さいほど、光吸収層の表面での反射が少なく、蛍光灯のような背景光の表示面への写りこみが防止される。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
なお、光吸収層の拡散反射は、パネルの外面側から入射した光に対して、パネルと光吸収層との界面で全方向にほぼ等しく反射する状態を示し、鏡面反射は、パネルと光吸収層との界面で反射の法則に従って正反射する状態を示す。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第99/52122号パンフレット(第5頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ブラックマトリクスとして黒鉛を主成分とする光吸収層を有する表示面では、拡散反射率および鏡面反射率が大きいという問題があった。
【0008】
例えば、70%の光透過率を有するガラスパネルに、黒鉛の分散液をスピンコートにより塗布してブラックマトリクスを形成し、さらにその上にスピンコートにより蛍光体層を形成して表示面を作製した。そして、この表示面の拡散反射率および鏡面反射率を測定したところ、拡散反射率が3.9%、鏡面反射率が3.2%となり、かなり大きな値を示した。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、光吸収層とガラスパネルとの界面の拡散反射性および鏡面反射性が改善された表示面が得られるブラックマトリクス用分散液組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、画像コントラストが高いうえに背景光の表示面への写りこみがなく、信頼性の高い表示面が得られる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラックマトリクス用分散液組成物は、光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のブラックマトリクス用分散液組成物において、酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体が、針状の粒子であることができる。そして、この針状の粒子の長径が50〜500nmであることができる。また、酸化マンガンが、二酸化マンガン(MnO2)であることができる。
【0013】
本発明の画像表示装置は、透光性のパネルと、前記パネルの内面にブラックマトリクスとして設けられた光吸収層と、前記光吸収層に対して前記パネルと反対の背面側に配置された蛍光体層を備えた画像表示装置であり、前記光吸収層が、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の画像表示装置において、酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体が、針状の粒子であることができる。そして、この針状の粒子の長径が50〜500nmであることができる。また、酸化マンガンが、二酸化マンガン(MnO2)であることができる。
【0015】
本発明のブラックマトリクス用分散液組成物によれば、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率が低減され、ブラックマトリクスとしての特性が向上された表示面を得ることができる。また、本発明の画像表示装置によれば、高コントラストで背景光の表示面への写りこみがなく、かつ欠陥が生じにくく信頼性の高い画像表示を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本発明の第1の実施形態はブラックマトリクス用分散液組成物であり、このブラックマトリクス用分散液組成物は、光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含有する。
【0018】
分散液中の酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体の平均粒径が500nmを越えると、形成される光吸収層の鏡面反射率が大きくなり好ましくない。また、平均粒径が10nm未満では、光吸収層の光透過率が大幅に上昇して遮光性が悪くなるため、好ましくない。
【0019】
酸化マンガンとしては、二酸化マンガン(MnO2)、三酸化二マンガン(Mn2O3)、四酸化三マンガン(Mn3O4)、七酸化二マンガン(Mn2O7)などを使用することができる。特に、二酸化マンガンの使用が望ましい。
【0020】
このような酸化マンガンと酸化第二鉄(Fe2O3)との固溶体としては、マンガンの含有率が15重量%以上のものを使用することができ、特にマンガンの含有率が15〜70重量%の範囲のものを使用することが望ましい。マンガンの含有率が15重量%未満の固溶体では、陰極線管等のブラックマトリクスとして、十分な遮光性を有する光吸収層を形成することが難しい。
【0021】
酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体は、針状の粒子であることが望ましい。また、針状粒子の長径が50〜500nmであることが望ましい。なお、針状粒子の平均粒径rは、以下の式で求められるものとする。(但し、aを長径、bを短径とする。)
r=(a+b)/2
【0022】
同じ平均粒径rを有する球状粒子と針状粒子のそれぞれから構成されるブラックマトリクス(光吸収層)を比較すると、針状粒子から成る光吸収層の表面には、球状粒子から成る光吸収層に比べてはるかに大きな凹凸が多数存在するため、表面からの光の乱反射量が多くなるが、鏡面反射率の値はより小さくなる。
【0023】
また、針状粒子は、粒形が均一に揃った球状粒子に比べて、粒子間の距離が近い部分が存在するため、粒子相互の結びつきがより強固になるうえに、粒子の形状により粒子相互の絡みが大きくなる。したがって、球状粒子から成る光吸収層においては、製造工程で光吸収層のガラス基板からの剥落、いわゆるダグ剥れが起こるおそれがあるが、針状粒子により光吸収層が形成された表示面においては、粒子の剥落が生じることがなく表示欠陥が生じにくい。
【0024】
第1の実施形態において、分散液組成物中には、前記した酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を溶媒に均一に分散させるとともに、二次凝集を防止するために、分散剤が配合される。
【0025】
分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの誘導体の重合体または共重合体である水性アクリル樹脂、水性アクリル樹脂のナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩、ポリカルボン酸またはリグニンスルフォン酸もしくはビスフェノールスルフォン酸のナトリウム塩、アンモニウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種が使用される。
【0026】
また、溶媒としては、水が単独で使用されるか、または水にそれと相溶性のある有機溶剤を混合した混合溶媒が使用される。ここで、水と相溶性のある有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールのようなグリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシドのような極性溶剤等を使用することができる。
【0027】
そして、前記した酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体の含有量は、分散液全体に対して0.5〜60重量%の割合とすることが望ましく、より好ましくは5〜35重量%の割合とする。酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体の含有割合が、分散液全体の0.5重量%未満では、陰極線管などの表示装置のブラックマトリクスとして、十分な遮光性を有する光吸収層を形成することが難しく、反対に60重量%を越えると、分散液の粘度が高くなりすぎ、パネルに均一に塗布することが困難になる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態であるカラー陰極線管について、図面に基づいて説明する。
【0029】
このカラー陰極線管は、図1に示すように、ガラスパネル1とファンネル2およびネック3から成る外囲器を有している。パネル1の内面には、蛍光体スクリーン4が設けられ、さらにその内側に、蛍光体スクリーン4に対向してシャドウマスク5が配置されている。一方、外囲器のネック3内には電子ビーム6を放出する電子銃7が配設されている。また、ファンネル2の内側には、電子銃7から放出される電子ビーム6を外部磁界から遮蔽するインナーシールド8が配置され、ファンネル2の外側には、発生する磁界で電子ビーム6を偏向させる偏向装置9が配置されている。
【0030】
蛍光体スクリーン4は、図2に拡大して示すように、ドット状またはストライプ状に形成された光吸収層10と、この光吸収層10の所定形状(例えば円形ドット状)のホールに規則的に配列・形成された青、緑、赤の各色の蛍光体層11とから構成され、光吸収層10は、主成分である光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含有している。平均粒径が前記範囲にある酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体としては、例えば、長径が50〜500nmの範囲にあるMnO2またはMnO2・Fe2O3の針状粒子が挙げられる。
【0031】
色純度を上げるために、蛍光体層11とガラスパネル1との間に、蛍光体層11の発光色に対応した光学フィルターを介在させても良い。なお、図において、11Bは青色の蛍光体層、11Gは緑色の蛍光体層、11Rは赤色の蛍光体層をそれぞれ示している。
【0032】
このような第2の実施形態のカラー陰極線管では、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率が低く、ブラックマトリクスとして良好な特性を有するうえに、製造工程で光吸収層の剥落が生じにくいので、高コントラストで表示面への背景光の写りこみが少なく、かつ欠陥が生じにくい。
【0033】
なお、以上に実施形態ではカラー陰極線管について説明したが、本発明の画像表示装置は、カラー陰極線管に限定されず、フィールドエミッションディスプレイ(FED)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等に適用することができる。
【0034】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】
実施例1,2
二酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体(MnO2・Fe2O3)の球状粒子(平均粒子径300nm)と、MnO2・Fe2O3の針状粒子(粒子長径50〜500nm)を使用し、以下の組成で分散液A,Bをそれぞれ調製した。
【0036】
[分散液Aの組成]
MnO2・Fe2O3の球状粒子 ………………15wt%
分散剤(水性アクリル樹脂のナトリウム塩またはアンモニウム塩)
……………… 1.5wt%
水 ………………83.5wt%
【0037】
[分散液Bの組成]
MnO2・Fe2O3の針状粒子 ………………15wt%
分散剤(水性アクリル樹脂のナトリウム塩またはアンモニウム塩)
……………… 1.5wt%
水 ………………83.5wt%
【0038】
次いで、これらの分散液A,Bを使用し、光透過率が70%の17インチCDT用ガラスパネル(各100枚)の内面に、ブラックマトリクスとして光吸収層を形成した。光吸収層の形成は、以下に示すようにして行った。
【0039】
まず、ガラスパネル内面にスピンコート法によりフォトレジストを塗布・乾燥し、シャドウマスクを介して露光し、現像して、ドット状のレジストパターンを形成した後、その上に、分散液A,Bをスピンコート法により塗布・乾燥して結着させ、次いで過酸化水素水のようなレジスト分解液を塗布することにより、レジストとその上の光吸収物質の層を溶解し剥離した。
【0040】
また、比較例として、従来から使用されている黒鉛(グラファイト)と分散剤(カルボキシメチルセルロース)との組み合わせで調製された分散液Cを使用し、ガラスパネル(100枚)に実施例1,2と同様にして光吸収層を形成した。
【0041】
こうして光吸収層が形成された各100枚のガラスパネルについて、光吸収層の剥落いわゆるダグ剥れの発生数とその他の不良の発生数を調べ、良品数および歩留まりを求めた。
【0042】
次に、実施例1,2および比較例において、分散液A,BおよびCを用いてそれぞれブラックマトリクスが形成された17インチCDT用ガラスパネルの上に、ドット状の青色蛍光体層、緑色蛍光体層および赤色蛍光体層からなる蛍光体スクリーンを形成した。
【0043】
青色蛍光体層のパターンの形成は、青色蛍光体(ZnS:Αg,Al)を含むスラリーをスピンコート法により塗布・乾燥して、青色蛍光体層を形成した後、シャドウマスクを通して露光後現像し、未硬化部分を洗浄除去することにより行った。次いで、青色蛍光体層のパターンと同様にして、緑色蛍光体(ZnS:Cu,Αl)を含むスラリーを用いて緑色蛍光体層のパターンを形成した。さらに、赤色蛍光体(Y2O2S:Eu)を含むスラリーを用いて赤蛍光体層のパターンを形成した。その後、常法によりカラー陰極線管を完成した。
【0044】
こうして得られたカラー陰極線管において、光吸収層の拡散反射率Rr(%)と鏡面反射率Rm(%)をガラスパネル側からそれぞれ測定した。
【0045】
拡散反射率および鏡面反射率の測定は、それぞれ以下に示す方法で行った。すなわち、拡散反射率の測定では、カラー陰極線管を、ガラスパネルの外面を上向きにして暗室内に配置し、パネル中心に立てた法線lに対して、45度の角度から蛍光灯の光を照射した。そして、前記法線l上に設置された輝度計により、白色拡散板(反射率99.9%)に対する反射輝度を測定し、絶対反射率に換算して拡散反射率を求めた。
【0046】
また、鏡面反射率の測定では、同様にガラスパネルの外面を上向きにしてカラー陰極線管を暗室内に配置し、パネル中心に立てた法線lに対して45度の角度から蛍光灯の光を照射し、照射と反対側で法線lに対して45度の角度をなすように設置された輝度計により、白色拡散板に対する反射輝度を測定した。そして、絶対反射率に換算して反射率を求めた。
【0047】
拡散反射率及び鏡面反射率の測定結果を、前記した良品数および歩留まりとともに、表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1から、MnO2・Fe2O3の球状粒子を含む分散液Aを用いてブラックマトリクスを形成した実施例1のカラー陰極線管においては、黒鉛を含む分散液Cを用いてブラックマトリクス形成を行った比較例のカラー陰極線管に比べて、ダグ剥れによる歩留まりの低下は見られるものの、ブラックマトリクスの拡散反射率および鏡面反射率の値がいずれも低下し、表示面の反射性の点で大幅に改善されていることがわかる。
【0050】
MnO2・Fe2O3の針状粒子を含む分散液Bが使用された実施例2のカラー陰極線管では、ブラックマトリクスの拡散反射率が1.1%、鏡面反射率が0.75%となり、比較例で得られたカラー陰極線管に比べて、拡散反射率の値が約25%鏡面反射率の値が約75%低減され、表示面の反射性の点で大幅に改善されている。そして、実施例1で得られたカラー陰極線管と比べても、鏡面反射率で約40%改善されていることが分かる。また、実施例2で得られたカラー陰極線管では、ダグ剥れが全く発生せず、比較例のカラー陰極線管に比べて歩留まりが1%向上している。
【0051】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明のブラックマトリクス用分散液組成物によれば、光吸収層の拡散反射率および鏡面反射率が低減され、ブラックマトリクスとしての特性が向上された表示面を得ることができる。また、本発明の画像表示装置によれば、高コントラストで背景光の表示面への写りこみがなく、かつ欠陥が生じにくく信頼性の高い画像表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施形態であるカラー陰極線管の概略構成を示す断面図。
【図2】第2の実施形態において、蛍光体スクリーンの構造を示す断面図。
【符号の説明】
1………ガラスパネル、4………蛍光体スクリーン、5………シャドウマスク、7………電子銃、10………光吸収層、11………蛍光体層
Claims (8)
- 光吸収物質として、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含むことを特徴とするブラックマトリクス用分散液組成物。
- 前記酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体が、針状の粒子であることを特徴とする請求項1記載のブラックマトリクス用分散液組成物。
- 前記針状の粒子の長径が50〜500nmであることを特徴とする請求項2記載のブラックマトリクス用分散液組成物。
- 前記酸化マンガンが、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のブラックマトリクス用分散液組成物。
- 透光性のパネルと、前記パネルの内面にブラックマトリクスとして設けられた光吸収層と、前記光吸収層に対して前記パネルと反対の背面側に配置された蛍光体層を備えた画像表示装置であり、
前記光吸収層が、平均粒径が10〜500nmの酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体を含むことを特徴とする画像表示装置。 - 前記酸化マンガンまたは酸化マンガンと酸化第二鉄との固溶体が、針状の粒子であることを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。
- 前記針状の粒子の長径が50〜500nmであることを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
- 前記酸化マンガンが、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の画像表示装置。
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