JP2004110826A - サッカーチーム分析システム及びサッカーチーム分析・利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各サッカーチームの戦力を論理的、かつ客観的に分析する手段、及び簡易に利用する手段を提供する。
【解決手段】 サッカーチームに関する既存データベースから収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを記憶する記憶手段5と、相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを相関分析演算により定性的に関連付けるとともに、関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイ別の線形和演算による各サッカーチームの定性的な戦力格付けを行う演算処理手段6と、演算処理手段6にて演算した各サッカーチームの定性的な戦力格付け指標を通信回線2を介して利用者端末10が利用可能なサーバー端末4と、を含むことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 サッカーチームに関する既存データベースから収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを記憶する記憶手段5と、相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを相関分析演算により定性的に関連付けるとともに、関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイ別の線形和演算による各サッカーチームの定性的な戦力格付けを行う演算処理手段6と、演算処理手段6にて演算した各サッカーチームの定性的な戦力格付け指標を通信回線2を介して利用者端末10が利用可能なサーバー端末4と、を含むことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、サッカーチーム分析システム及びサッカーチーム分析・利用方法に関するものである。
世界のサッカー人口は、約2億4000万人と言われている。このことは「地球上の25人に1人はサッカープレーヤー」とされるデータから算出されるものであり、かつ2002年にはFIFA(フィファ)ワールドカップが日本及び韓国と協同で開催され大盛況の中に幕を閉じたことからも、サッカーは今や世界中で親しまれている国民的スポーツであることは間違いない。
その一方で、スポーツ振興くじに関する関心は高く、簡単に例示しただけでも、イタリア,フランス,シンガポール,スイス,イギリス,ドイツ,スペイン,スウェーデン,オーストリア,オランダ,アルゼンチン,ブラジル,韓国と行った諸国において販売がなされている。我が国においては、TOTO(スポーツ振興くじ:通称サッカーくじ)の名前で知られている。2001年のJリーグ開幕からその歴史をスタートさせたが、2002年には早くもルールの改正がなされ、引き分けの「0」の数を増やすことで、賞金のアップ化が図られた。それ故にTOTOの賞金は一気にアップしたこともあって、その関心度は現在増長の一途を辿っている。
TOTOには「予想」と「高配当」という2つの魅力がある。つまり、自分で各チームのデータを集め、予想できることとギャンブル性の高さである。我が国においては前記した通り2002年度からTOTOの制度が改正となったが、その魅力は以前と何ら変わることはない。それどころかますますファンを惹きつけ、購入者数も増加の一途をたどっているのである。勿論その理由として1等として高額配当が連続して出現するなど、昨年より理由として「高配当」が出やすくなったことが挙げられる。
即ち「0」に延長戦突入が含まれたことで「0」の出現率はそれまでとは比較にならないほど上昇し、その分予想はさらに難解となり、これが高配当の続出につながった訳である。予想が難しくなった上に、高配当を狙うには波乱の予想も加えなければならない。その波乱も考慮すると、さらにダブルやトリプル予想のマルチ購入が多くなり、当然のように購入金額が高くなるというジレンマに陥る傾向があった。
而して自分が予想したチームが優勝する等サッカーに多大な興味を持たせることができるだけでなく、TOTOとの関連にあっては、その予想の的中にあって利用者に増々多大な興味を抱かせることができるのである。
そのため確率の高い予想、言い換えれば、少ない購入金額で高額の配当が得られないかと誰もが考えている。
そこで近時は、図7、図8に示すような新聞紙上や、インターネットのWEB画面上での予想が流行っている。
即ち、一般の人がTOTOの購入にあたって重要なチェック項目を挙げてみると、第一に過去の対戦成績(A)、即ち対戦チームとの過去対戦成績から通算何勝何敗,得失点数から判断をして、どちらのチームに分があるかどうかを判定し予想する。第二に今期の成績(B)から判断するもので、当然今季の成績が不調なら敗れる確率が高いと判断できる。第三に予想者の予想(C)コメントを参考程度に判断材料とする。
さらに、第四は投票率(D)で、要するに多数決的な考えであり、第五に故障選手が復帰したとか、出場停止解除等とか、或いはその他有力な選手の復帰などの選手情報(E)で、特に高い得点率を誇る選手が復帰した場合においては、やはり勝つ確率がそれだけ高くなると言えるのである。第六にホーム(本拠地)かアウェイ(敵地)かの情報(F)が挙げられ、普段慣れたホームでの試合は当然有利と予想できる。さらに第七に好みのチームか否か、所謂ひいき目で決めてしまうなどが挙げられるが、いずれにおいても一応新聞や雑誌、インターネット等諸媒体を参考にはするものの、結局はほとんどが予想者の勘に頼る外ないのが実情である。
特許文献1には、サッカーゲーム等のスポーツ対戦情報を画面上に表示し、ユーザー毎にプレイデータをカスタマイズしてチーム戦力指標として表示するようらしたスポーツ対戦情報表示システムが開示されている。しかし、この特許文献1のシステムの場合も、結局のところ個々のユーザー毎の勘に依存するところが大であった。
特開2003−30568号
解決しようとする問題点は、各サッカーチームの戦力を論理的、かつ客観的に分析する手段、及び簡易に利用する手段が存在しない点である。
本発明は、サッカーチームに関する既存データベースから収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを記憶する記憶手段と、相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを相関分析演算により定性的に関連付けるとともに、関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイ別の線形和演算による各サッカーチームの定性的な戦力格付けを行う演算処理手段と、演算処理手段にて演算した各サッカーチームの定性的な戦力格付け指標を通信回線を介して利用者端末が利用可能なサーバー端末と、を含むことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、サッカーチームに関する既存データベースから収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを基に、これらを用いて各データ項目についてデータ形式変換を施し、同じデータ形式に変換し同じモデル構成の中で扱えるようにし、併せて格付け指標から各チームの定性的戦力格付け指標を算出するようにしたことから、各サッカーチームの実力が論理的、かつ高い確率で分かるシステムが構築される。
また、利用者が携帯電話等の利用者端末を通じて、数分程度の短時間でサッカーチームの戦力を評価するシステムの基礎技術を構築でき、しかも一般の人に理解可能な簡便なモデルで評価可能であり、かつ、僅かな操作入力情報に基づいて評価が可能で、更にモデルが背後で用いるデータ項目の意味も一般の人にわかりやすい、定性的傾向を表すことができる。
サッカーチームに関する既存データベースから収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを記憶する記憶手段と、相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを相関分析演算により定性的に関連付けるとともに、関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイ別の線形和演算による各サッカーチームの定性的な戦力格付けを行う演算処理手段と、演算処理手段にて演算した各サッカーチームの定性的な戦力格付け指標を通信回線を介して利用者端末が利用可能なサーバー端末と、を含み、前記関連データ項目としては、シーズンコード(SEASON CD),試合日(GAME DATE),試合開始時間(GAME ST TIME),観衆数(SPECTATORS),グランド状態コード(GROUND COND CD),グランド表面コード(GROUND SURFACE CD),天候コード(WEATHER CD),風コード(WIND CD),キックオフチームコード(KICK OFF TEAM CD)の少なくとも1つ乃至は複数個若しくは全部から選定するようにしたものである。
なお本発明にはその他に優れた発明の目的、特徴、作用効果を有するがこれらは以下の実施例の説明で明らかにすることになる。
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。最初に、本発明の実施例の詳細説明の前段階として、サッカー振興くじTOTOについて簡単に説明しておくと、TOTOを購入する際には図3に示すような指定のシートを使用する。購入者は希望の適宜個所にマークをすることで予想を行い、これを然るべき販売所の窓口で提出することで、くじを購入する事ができるのである。
予想の内容について説明する前に、簡単に我が国のJリーグの概要から説明すると、JリーグにはJ1とJ2と二つのリーグ存在し、それぞれJ1には16チーム、J2には12チームが所属している。J1の方が格上(一部リーグ)で、これはJ1の年間15位・16位がJ2の年間1位・2位と入れ替わる。J1はチームごとに年間30節(試合)、J2はチームごとに年間44節(試合)あり、この内一部の例外はあるものの、基本的にはTOTOの対象になるのはJ1全節とJ2の44節の内の30節である。
Jリーグの試合は一日13試合行われるが、その試合に於いて、どちらが勝つか、あるいは延長突入かを予想するのがTOTOである。図3に示したシートにはそれぞれ「1」・「0」・「2」の表記がなされており、それぞれ「1=ホ-ムチームの90分勝ち」・「0=その他」・「2=ホームチームの90分負け」を意味する。ちなみにこの場合ホームチームは左側に、アウェイチームは右側に表記してある。
その他の「0」について詳述すると、J1では90分で勝負がつかず、延長に突入した時点で「0」となる。その場合、延長戦で勝負がつこうと引き分けになろうとTOTOには関係ない。J2の場合は延長戦がないので、90分で勝負がつかない、つまり引き分けの場合が「0」となる。
このようにして購入者は13試合いずれにおいても「1」・「0」・「2」の1つを予想してマークする。これで1口と勘定され、13試合全て当てれば1等、13試合中12試合当てれば(1試合はずれ)2等、13試合中11試合当てれば(2試合はずれ)3等となるのである。そして当たった試合が10試合以下のときは、残念ながらTOTOは外れとなる
TOTOのシートには大きく2種類に分けられる。図3で示したものは所謂「シングル」と呼ばれるシートで、他に図4で示すような「マルチ」と呼ばれるシートがある。
さらに、それぞれに「開催回の指定」があるものと無いものがあり、「開催回の指定」があるものはその回限りしか使えない。図示したものはいずれも後者のものであり、その回に開催される13試合が表記してあり大変便利であるが、使用しなかった場合、その回が終わればその後は使用できないので注意が必要である。一方、「開催回の指定」が無いものはどの回でも使えるが、その都度13試合の順番を調べる必要が生じる。
ここで言う「シングル」とは通常の投票の仕方で、1つのシートで10口(1000円分)まで投票できるものである。ただし、1つのシート内で全く同じ予想を複数口投票することはできないので注意が必要である。もし同じ予想を2口以上投票したい場合は、その口数分シートが必要となる。
また、「シングル」のシートでは「ランダムチャンス」・「ランダム1000」が使える。「ランダムチャンス」とは、購入者が予想していく上で、「この試合は予想しにくい」と感じた際に、各口の下にある「ランダムチャンス」をマークすることで、予想しなかった試合をコンピューターが代わりに予想してくれるものである。ただし、1試合以上は購入者が予想してマークする必要がある。
「ランダム1000」は「シングル」のシートの左下に設けられているもので、これをマークすると10口分をコンピューターが予想してくれるものである。ただし、一番左の1口目投票欄に1試合以上10試合以下で、購入者が予想をマークする必要がある。
一方「マルチ」について説明すると、今仮令えば13試合予想した時に、全ての試合を仮に「1(即ちホームの勝ち)」を予想するとする。しかし、1試合目は「1」・「0」、2試合目は「1」・「0」・「2」とで迷い、その他の11試合は「1」で確信がある場合に用いるものである。即ち1試合目で「1」・「0」の両方をマークし、2試合目で「1」・「0」・「2」全てをマークし、その他を全て「1」をマークすることで、1試合目は「1」でも「0」でもあたりで、2試合目は必ず当たる。
このようにして2つマークすることを「ダブル」、3つマークすることを「トリプル」といい、当然口数もこれに応じて加算されていくのである。
このようにして利用者は事前に予想を立てた上でTOTOを購入することになるのであるが、これに際して本実施例では、各サッカーチームの実力が論理的、かつ高い確率で分かるシステムを構築するものであって、しかもそれは一般の人がWEB画面や携帯電話等の携帯端末画面を通じて、数分程度の短時間でサッカーチームの戦力を評価するシステムの基礎技術を構築するものである。
この際の留意点は、一般の利用者に理解可能な簡便なモデルで評価可能であること、僅かな操作入力情報に基づいて評価が可能であること、モデルが背後で用いるデータ項目の意味も一般の人に分かりやすいこと、少なくとも定性的傾向を表すものであることが肝要となるのである。
(実施例1)
以下本実施例を具体的に説明をする。本実施例において、得点の定量的評価ではなく定性的強さを格付けするモデルとしては以下の3つの可能性が重要である。即ち、スタメン予想操作入力から定性的強さを格付けするモデル、戦術操作入力から定性的強さを格付けするモデル、既存データであるマクロ統計データから定性的強さを格付けするモデルである。
以下本実施例を具体的に説明をする。本実施例において、得点の定量的評価ではなく定性的強さを格付けするモデルとしては以下の3つの可能性が重要である。即ち、スタメン予想操作入力から定性的強さを格付けするモデル、戦術操作入力から定性的強さを格付けするモデル、既存データであるマクロ統計データから定性的強さを格付けするモデルである。
ただし、これらの中には技術的な実現可能性が低いものも含まれている。これは各チームが各試合で如何なる戦術を採用したかのデータが現状得られないこと、またボールを持たない選手の動きまでを含めた戦術の把握が困難なためである。例えば株式会社日刊スポーツ新聞社が発行する「日刊スポーツ」の選手毎の試合データ、アソパーソン ドット シーエスブイ(AsoPerson.csv)を用いれば大まかな解析が可能であると思われるが、現状のデータでは選手毎の試合事例数が少な過ぎ統計処理が難しい。
そこで本実施例では、日刊スポーツの各サッカーチームに関する試合データ、アソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)を用いたマクロ統計データを基に各チームの定性的強さを格付けするモデル(マクロ統計チーム格付けモデル)を構築し、それに基づくモデル利用方法の検討を行った。
日刊スポーツのサッカーチーム毎のデータとしては、他にアソチーム ドット シーエスブイ(AsoTeam.csv)があるが、この内容は実質的にアソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)の一部となっている。そこでここでは内容がより豊富なアソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)を用いた。
また種々のデータから、試合時のグランド状況や天候などが試合結果に際だった影響を与えるとは言えないことが分かった。ただ各サッカーチームはホームグランドで戦う場合と、アウェイグランドで戦う場合とでは、その戦績に違いが出ることは判明した。そこで、各チームについてこのホームグランドとアウェイグランドの2つの場合に分けたモデルを構築する。
また、アソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)に含まれるデータ項目の中で、各チームの定性的強さを最も直接的に反映するのは、チームが勝ったか負けたか或いは引き分けかを表す勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT CD)である。そこで、これを直接的参考指標とし、この指標と他のデータ項目とを定性的に関連付けるモデルを構築することとする。
関連付けを行う他の関連データ項目としては、前述の通り用いる意味が一般の利用者に解りやすく、僅かな情報入力操作で済み、理解可能な簡便なモデルと構成するものでなくてはならない。
またアソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)内に、多くの試合について各種データが蓄積されていなければならない。このような観点から、シーズンコード(SEASON CD)、試合日(GAME DATE)、試合開始時間(GAME ST TIME)、観衆数(SPECTATORS)、グランド状態コード(GROUND COND CD)、グランド表面コード(GROUND SURFACE CD)、天候コード(WEATHER CD)、風コード(WIND CD)、キックオフチームコード(KICK OFF TEAM CD)を、関連付けを行う関連データ項目として選択した。
加えて上記した勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT−CD)及びそれと関連付けを行う他の関連データ項目にあって、実際の物理的数値ではなく、分類や,程度を表す記号や,順序値を取り、各データ項目を一元的に綜合して定性的強さを評価するモデルを構築し、これらの値を同じデータ形式に変換し同じモデル構成の中で扱えるようにし、併せて格付け指標から各チームの定性的戦力格付け指標を算出する際にデータの規格化を行うようにした。
以下に本実施例1のサッカーチーム分析システムに具体的に詳述する。このサッカーチーム分析システムは、図1に示すように、サーバー側コンピュータシステム1と、インターネット等を利用するための通信回線2と、利用者端末10とを含んで構成している。
前記サーバー側コンピュータシステム1は、サッカーチームに関する分析処理を行う分析処理装置3と、分析処理装置3に対してLAN等で接続されるとともに前記通信回線2に接続したWEBプラウザ機能を有するサーバー端末4を有している。
前記利用者端末10は、携帯電話会社の無線処理システム11を介して前記通信回線2に接続される携帯端末12と、前記通信回線2に接続される利用者コンピュータ13とを含んでいる。
前記分析処理装置3は、図2に示すように、サッカーチームに関する既存データベース(アソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv))から収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目を記憶する記憶手段5と、詳細は後述する相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶手段5に記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを読み込んで相関分析演算により定性的に関連付けるとともに、関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイ別の線形和演算による各サッカーチームの定性的な戦力格付けを行うCPU、メモリ、演算部等を含む演算処理手段6と、キーボード等の入力部7と、液晶ディスプレイ等の表示部8と、前記サーバー端末4との交信を行うインターフェース9とを有している。
サーバー端末4は、演算処理手段6にて演算処理しい生成した各サッカーチームの定性的な戦力格付け指標をWEB画面に表示し、通信回線2を介して利用者端末10の携帯端末12又は前記利用者コンピュータ13が利用可能な構成としている。
前記参考指標としての勝敗結果コードに関連付けを行う他の関連データ項目としては、詳細は後述するシーズンコード(SEASON CD),試合日(GAME DATE),試合開始時間(GAME ST TIME),観衆数(SPECTATORS),グランド状態コード(GROUND COND CD),グランド表面コード(GROUND SURFACE CD),天候コード(WEATHER CD),風コード(WIND CD),キックオフチームコード(KICK OFF TEAM CD)の少なくとも1つ乃至は複数個若しくは全部から選定するものである。
次に、本実施例1のサッカーチーム分析システムによるサッカーチーム分析処理について説明する。
まず、サッカーチームに関する既存データベース(アソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv))から各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの他の関連データ項目、又は、前記入力手段からオペレータにて入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目が収集され、前記記憶手段5に記憶される。
演算処理手段6は、相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶手段5に記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、前記各関連データ項目とを読み込んで、まず規格化演算を行う。
下記表1は、勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT CD)及び前記各関連データ項目について、データ形式変換を施した一例を示すものであるが、これらの変換により、全て物理量又は程度を表す順序値となる。
また、元来物理量又は程度であるものでも、一般にサッカープレーに対して有利に働くであろう条件をより1に近い大きい順序値に、不利に働くであろう条件をより−1に近い小さい順序値に変換する。そして値域が全て−1から1の範囲に収まるように規格化する。
この場合、これらの物理量や順序値の値域はまちまちであるが、重要なのは順序の向きであり、この場合においては値域の違いについては、後に述べる相関係数解析を行う際に正規化されることから、今は問題視する必要は無い。
以上のようにして数値に変換した勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT CD)と、各データ項目との関連を評価するために、演算処理手段6は、勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT CD)と各データ項目の間の相関分析演算を行う。
すなわち、あるサッカーチームがホームかアウェイのいずれか一方である場合のデータだけを、アソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)から取り出す。その試合事例数をn、その中のi番目の試合事例の勝敗結果コード、リザルト−シーディー(RESULT CD)の変換値をxi、それ以外の表1中のあるデータ項目の変換値をyiとする。(i=1,2・・・,n)この時、xiとyiの相関係数rxyは数1で計算することができる。
また、偏差積和Sxyは,平方和Sxx、Syyは数2となる。
この場合、変換値xiとyiに全く関連がない場合には相関係数rxyの値が0となり、完全に従属な明確な線形関数関係がある場合には相関係数rxyは1となる。真の相関係数rxyの値が0である場合でも、統計的な雑音や揺らぎ誤差によって相関係数rxyの値は完全に0にはならず、相関係数rxyから導かれる以下の量txyは自由度n−2のt−分布をすることが知られている。即ち、txyは、下記数3に示す式の演算により求められ、また自由度n−2のt−分布t(n−2,txy)は、Bをベータ関数とした場合においては、下記数4に示すようになる。
n−2が10を超える程度の自由度では、これはほぼ標準正規分布、即ち、数5で十分に近似されることが知られている。
従って、勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT CD)の変換値と、それ以外の表1中のある各データ項目の変換値との間で、数1を用いて計算される相関係数rxyが、十分0から離れた有意な相関を表すか否かは、上記数3で計算される解に比べて相関係数rxyがどの程度大きいかによって格付けされる。
相関係数自体は定量的な計算によって得られるが、通常は統計的な雑音や揺らぎ誤差によって値がばらつくので、通常は定性的な意味しか持たない。従って、相関係数rxyが自身の不確定性を表す標準偏差巾に比べてどれだけ大きいかによって、おおよそのxiとyiの関連と程度を格付けする自然な方法は、以下のように巾毎の区間で相関係数rxyを格付けする規則を導入することである。これにより、xiとyiの関連におけるデータ項目yi、格付け値Ryが得られる。数7は0から±3まで7段階において相関係数rxyと格付け値Ryの相関を示したものである。
この場合において、3δrxyを大きく超えたり、あるいは−3δrxyを大きく下回る相関係数は極めて稀にしか出現しないことが、各種実験を通じて判明しており、実施段階においては格付けのモデルの中ではこれら両端の閾値を超える相関係数は全て同じ格付けとするとよい。
以上のようにして各サッカーチームのホーム、アウェイそれぞれについて、勝敗結果コード、即ちリザルト−シーディー(RESULT CD)に対して、表1に示された他のデータ項目であるシーズンコード(SEASON CD)、試合日(GAME DATE)、試合開始時間(GAME ST TIME)、観衆数(SPECTATORS)、グランド状態コード(GROUND COND CD)、グランド表面コード(GROUND SURFACE CD)、天候コード(WEATHER CD)、風コード(WIND CD)、キックオフチームコード(KICK OFF TEAM CD)がどの程度関連があるか、それぞれのデータ項目yiについて格付けが得られる。
これからチームの定性的強さの格付け値TRを計算する方法としては、システムのオペレータ入力又は他の情報源を基に各データ項目yiに関して表1に示した変換値の中から選んで指定し、それを最大最小区間が〔1,−1〕になるように規格化してIyiとし、これとRyiとの線形和を取り、数8に示すように格付け値TRを得る方法が考えられる。格付け値TRが大きいほどそのチームの強さの格付けが高いことになる。
このようにして、得られた各サッカーチームの格付け値TRは、前記サーバー側コンピュータシステム1のWEBプラウザ機能を有するサーバー端末4に保持される。利用者は、利用者端末10の携帯端末12から無線処理システム11、通信回線2を介してサーバー端末4に接続することにより各サッカーチームの格付け値TRを容易に取得できる。また、利用者は、利用者コンピュータ13を使用し、通信回線2を介してサーバー端末4に接続することにより各サッカーチームの格付け値TRを容易に取得できる。
(実施例2)
次にマクロ統計チーム格付けモデルの適用結果について説明する。まず上述したモデリング手法を、日刊スポーツのアソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)データに適用するためのプラグラムを作成した。この場合の使用言語はC言語であり、ここではMicrosoft Visual C++→6.0環境下でのコンパイル及び実行を確認している。
次にマクロ統計チーム格付けモデルの適用結果について説明する。まず上述したモデリング手法を、日刊スポーツのアソゲーム ドット シーエスブイ(AsoGame.csv)データに適用するためのプラグラムを作成した。この場合の使用言語はC言語であり、ここではMicrosoft Visual C++→6.0環境下でのコンパイル及び実行を確認している。
以下に、アウェイチーム:J01(鹿島)を一例とした前記プラグラムの実行結果を示す。ちなみにこの場合の相関係数期待誤差は0.218218となっている。
1.RESULT CDとSEASON CDの相関係数:0.492237 有利性評価格付け:2
(シーズン前半の方がどちらかといえば有利といえる。)
2.RESULT CDとGAME DATEの相関係数:0.079968 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
3.RESULT CDとGAME ST TIMEの相関係数:−0.140346 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
4.RESULT CDとSPECTATORSの相関係数:0.212982 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
5.RESULT CDとGROUND COND CDの相関係数:−0.116413 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
6.RESULT CDとGROUND SURFACE CDの相関係数:−0.342416 有利性評価格付け:−1
(グランド表面状態の悪い方が僅かに有利。)
7.RESULT CDとWEATHER CDの相関係数:−0.187676 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
8.RESULT CDとWIND CDの相関係数:0.345674 有利性評価格付け:1
(風の弱い方が僅かに有利。)
9.RESULT CDとKICK OFF TEAM CDの相関係数:0.166581 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
となる。
1.RESULT CDとSEASON CDの相関係数:0.492237 有利性評価格付け:2
(シーズン前半の方がどちらかといえば有利といえる。)
2.RESULT CDとGAME DATEの相関係数:0.079968 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
3.RESULT CDとGAME ST TIMEの相関係数:−0.140346 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
4.RESULT CDとSPECTATORSの相関係数:0.212982 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
5.RESULT CDとGROUND COND CDの相関係数:−0.116413 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
6.RESULT CDとGROUND SURFACE CDの相関係数:−0.342416 有利性評価格付け:−1
(グランド表面状態の悪い方が僅かに有利。)
7.RESULT CDとWEATHER CDの相関係数:−0.187676 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
8.RESULT CDとWIND CDの相関係数:0.345674 有利性評価格付け:1
(風の弱い方が僅かに有利。)
9.RESULT CDとKICK OFF TEAM CDの相関係数:0.166581 有利性評価格付け:0
(どちらともいえない。)
となる。
これらの結果から、アウェイチーム:J01(鹿島)に関して、RESULT CDとSEASON CDの関係について、シーズン前半の方がどちらかといえば有利という結果を得ている。また、RESULT CDとSEASON CDの関係について、グランド表面状態の悪い方が僅かに有利、RESULT CDとWIND CDの関係について、風の弱い方が僅かに有利との格付け結果を得ている。他のデータ項目との関連では特に傾向は見られなかった。
以上の結果を例にアウェイチーム:J01(鹿島)に関し、実際の評価値をオペレータや他の情報源からの入力を基に、全体としての格付け値を算出してみる。各データ項目の中で、試合スケジュールが決まれば自明であるものにシーズンコードSEASON CD、試合日GAME DATE、試合開始時間GAME ST TIMEがある。これはシステムが自動的に設定可能な項目である。
今、仮にシーズンが前半Iy1=1、試合日が7月の夏場Iy2=1、試合開始時間が夜間Iy3=−1である。次に観衆数SPECTATORSは競技場の定員や過去の平均入場者数を提示し、ユーザーに多いIy4=1、普通Iy4=0、少ないIy4=−1の3段階程度で予想してもらいそれを入力値とする。ここでは例えば多いIy4=1と予想したとする。次のグランド状態コードGROUND SURFACE CD、グランド表面コードGROUND SURFACE CD、天候コード(WEATHER CD、風コードWIND CDは、気象庁の天気予報などからある程度自動的に入力値を決められるかも知れないが、天気予報は参考情報又はデフォルト入力として示し、オペレータ又はユーザーに入力してもらってもいい。
ここでは例えばグランド状態コードGROUND SURFACE CDは全面良Iy5=1、グランド表面コードGROUND SURFACE CDは水含み1を最大値2で規格化してIy6=1/2=0.5、天候コードWEATHER1 CDは晴れ2を最大値2で規格化してIy7=1、風コードWIND CDは無風1.5を最大値1.5で規格化してIy8=1と入力したとする。最後にキックオフチームコードKICK OFF TEAM CDであるが、これは実質予想不可能なのでモデルから省略してもいいし、敢えて含めてオペレータ又はユーザーに入力させてもいい。ここでは例えば指定したチームがキックオフチームになると予想しIy9=1と入力する。
以上の入力データと先の各データ項目の格付けRyj(j=1,2,・・・,9)から、前記数8に当てはめると、下記数9により格付け値−0.5が得られる。
従って、J01(鹿島)は、アウェイにおいて強さの格付けとしてはある程度ポジティブであることが分かる。
次に、ホームチーム:J05(横浜)の各データ項目の格付けモデル実行結果を説明する(この場合の相関係数期待誤差は、0.223607)。
1.RESULT CDとSEASON CDの相関係数:−0.346688 有利性評価得点:−1
(シーズン後半の方が僅かに有利と考えられる。)
2.RESULT CDとGAME DATEの相関係数:0.169930 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
3.RESULT CDとGAME ST TIMEの相関係数:0.102844 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
4.RESULT CDとSPECTATORSの相関係数:−0.600730 有利性評価得点:−2
(観客の少ない方がどちらかといえば有利。)
5.RESULT CDとGROUND COND CDの相関係数:−0.042114 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
6.RESULT CDとGROUND SURFACE CDの相関係数:−0.290525 有利性評価得点:−1
(グランド表面状態の悪い方が僅かに有利。)
7.RESULT CDとWEATHER1 CDの相関係数:−0.161894 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
8.RESULT CDとWIND CDの相関係数:0.230441 有利性評価得点:1
(風の弱い方が僅かに有利。)
9.RESULT CDとKICK OFF TEAM CDの相関係数:−0.311376 有利性評価得点:−1
(相手チームがキックオフの方が僅かに有利。)
以上より、上記と全く同じ条件の入力値を入れて数8を計算すると、数10となる。
1.RESULT CDとSEASON CDの相関係数:−0.346688 有利性評価得点:−1
(シーズン後半の方が僅かに有利と考えられる。)
2.RESULT CDとGAME DATEの相関係数:0.169930 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
3.RESULT CDとGAME ST TIMEの相関係数:0.102844 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
4.RESULT CDとSPECTATORSの相関係数:−0.600730 有利性評価得点:−2
(観客の少ない方がどちらかといえば有利。)
5.RESULT CDとGROUND COND CDの相関係数:−0.042114 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
6.RESULT CDとGROUND SURFACE CDの相関係数:−0.290525 有利性評価得点:−1
(グランド表面状態の悪い方が僅かに有利。)
7.RESULT CDとWEATHER1 CDの相関係数:−0.161894 有利性評価得点:0
(どちらともいえない。)
8.RESULT CDとWIND CDの相関係数:0.230441 有利性評価得点:1
(風の弱い方が僅かに有利。)
9.RESULT CDとKICK OFF TEAM CDの相関係数:−0.311376 有利性評価得点:−1
(相手チームがキックオフの方が僅かに有利。)
以上より、上記と全く同じ条件の入力値を入れて数8を計算すると、数10となる。
従って指定した条件下では、J01(鹿島)がアウェイで、J05(横浜)がホームで試合をすれば、格付けはJ01(鹿島)が勝利することになる。ただし、これはあくまで定性的な格付けスコアリングによる結果である。経済分野における金融機関や国債の格付けと同様、あくまで定性的な知見に基づく評価結果であり、実際の勝敗確率や可能性と関連付けられるものではないことに気をつけなければならない。
(実施例3)
次に全チームのホーム、アウェイのマクロ統計チーム格付けモデリング結果を示す。表2に各データ項目の格付け値の意味を示す。また、表3に全サッカーチームのホーム、アウェイの各データ項目毎の格付け値を示す。
次に全チームのホーム、アウェイのマクロ統計チーム格付けモデリング結果を示す。表2に各データ項目の格付け値の意味を示す。また、表3に全サッカーチームのホーム、アウェイの各データ項目毎の格付け値を示す。
これらデータによれば、各チーム、ホーム/アウェイによって、かなり格付けにばらつきがあることが分かる。ただし、AsoGame.csvファイル内のデータ数が各チーム、ホーム/アウェイにとも各々数試合から20数試合しかないため、統計的な精度不十分でばらついている可能性がある。より安定して信頼性の高い格付け値を得るためには、最低この3倍程度のデータ数が必要である。このようにして勝敗結果コード、即ちRESULT CDと他のデータ項目の間の相関係数とその標準偏差幅など、大まかな傾向を表す定性的な計算値が算出され、それを基に決めたデータ項目の格付け値やそれらを総合したチーム全体の格付け値を定性評価として算出は、実際の勝敗確率や可能性と関連付けられるものではない定性評価であることである。
表4、表5は、ファイル及びデータ項目、データ物理名、属性、項目内容からなるテーブル名のリストとそのコード定義である。
試合情報を示すファイルはPKの有無で大きく2分される。またここではデータ項目の一例として、年度,試合種別コード,シーズンコード,ホームチームコード,アウェイチームコード,試合日,勝敗結果コード,ハーフ状況コード,試合終了時間,試合時間,グランド表面コード,天候コード1,天候コード2,天候コード3,ホームチーム得点,アウェイチーム得点,事象発生順番号MAX,事象番号MAX,速報情報連番MAX,サスペンド時事象発生順番号MAX,サスペンド時速報情報連番MAX,審判・主審,審判・主審2,キックオフチームコード,PK戦先攻チームコード,日刊MVP選手コード,マンオブザマッチチームコード,マンオブザマッチ選手コード,後半終了時間,再延長後半終了時間,決定戦後半終了時間,決定戦延長後半終了時間,決定戦再延長前半終了時間,試合開始日時・日本時間,気温,湿度,更新時刻が記載されているが、何もこれに限った訳ではなく、必要に応じて適宜増やすことができるものとする。
(実施例4)
次に実施例1で得られたデータをもとにxとyの関連を調べるための散布図を作る。xとyの関連の様子を調べるには散布図を描いてみるのが最も基本的であり重要なことである。図5に示したものはその一例であるが、基本的に得られる散布図の態様にはさまざまなパターンを有するものである。
次に実施例1で得られたデータをもとにxとyの関連を調べるための散布図を作る。xとyの関連の様子を調べるには散布図を描いてみるのが最も基本的であり重要なことである。図5に示したものはその一例であるが、基本的に得られる散布図の態様にはさまざまなパターンを有するものである。
図5に示した散布図の内、a〜eについては、aやbの場合は、xが増加すればyも増加する傾向を示しており、xとyには正の相関関係があり、またdやeの場合は、xが増加すればyが減少する傾向を示しており、負の相関関係があり、加えてcの場合においては無相関を示している。この場合aの場合の方がbより、eの場合の方がdより相関関係が強い事を示している。従ってこのことから、相関分析ではxとyとの“直接的な関係”を問題視される事が分かる。これらについては後述する相関分析の手法へそのまま進むこととなる。
一方、図5のf〜jについて考えてみると、fとgにおいては異常値が存在している事が分かる。これらの値を含めて解析していくと、本来は相関関係があるにもかかわらず関係はないという結果が得られたり、その逆のことが起こり得たりする。異常値が見いだされた時は、その原因をしっかりと調べることが何より先決である。
またh〜jについては層別の必要性を示唆している。hでは、全体として見ると無相関のように見えるが、図5h〜jに示すようにAとBとに層別すればそれぞれの層内で正の相関がある。iやjについても全体としての結果と各層A,B内での結果が異なっていることは明らかであろう。
以上のことより、散布図を描くことは、データに異常値がないかどうか調べる、層別の必要性がないかどうか調べる、相関のだいたいの程度をつかんでおく、などの目的を持つ、きわめて大切な作業と言える。
次に、相関係数rについてさらに説明する。xとyの相関の程度を定量的に示すためには、n組のデータ(x1、y1)、・・・、(x2、y2)より相関係数r(correlation coefficient)を下記数11で計算する。また偏差積和sxy、xについての平方和sxx及びyについての平方和syyは、各々下記数12、数13、数14で計算する。
また、数11で計算される相関係数rは数15の関係を満たし、1に近いほど正の相関が強く、−1に近いほど負の相関が強いことを意味する。そして、r≒0のときは無相関を意味する。
図6は曲げ強さ(y)をy軸、特殊成分の含有量(x)をx軸とした散布図の参考例であるが、以上説明したことより、この散布図からはとくに異常値は見あたらず、層別の必要性もなさそうである。また、xとyについては正の相関がありそうである。また、相関係数rについては、数16を用いることで計算することができる。
続いて母相関係数に関する検定と推定について説明すると、上述した相関係数rはデータから計算されるものであることから統計量である。統計的推測はそもそも統計量を通してデータのとられた母集団の様子を知るために行うものであり、そのことから考えて、相関分析においても母集団を明確にし、何についても検定・推定の作業を行なう必要がある。
母相関係数では相関分析を行なうデータについては、xはN(μx、σx2)に従い、yはN(μy,σy2)に従うと考え、さらに母集団におけるxとyの関連度合いを表す母教として数17に示す母相関係数ρを考える。
数17の分子は所謂共分散と呼ばれるものであり、それをxとyの標準偏差で割って標準化したものがρである。ρもγと同様に、下記数18を満たし、ρが1に近ければ母集団としてxとyの正の相関が強く、−1に近ければ負の相関が強く、0に近づければ相関の弱いことを意味する。
相関分析は、統計量γに基づいて母相関係数ρについての検定や推定を行なうものである。この時の統計量γの分布は何らかの分布を持つ、そして、xとyの分布および関連の度合いρを上記のように規定したから、それらにより統計量γの分布が定まる。統計量γの分布は母相関係数ρやデータの組数nにより異なり、下記数19、数20の変換式が成立することが知られている。
この場合留意したいことが2点あり、一つは数20のlnは自然対数を表すと言うこと、もうひとつは数20に示されたγの変換を"z変換"と呼ぶことである。また数19の変換式を用いてγについて解くと、下記数21が得られる。これにより、ρ=0の場合、自由度φ=n−2のγの分布の両側100ρ%γ点(φ、P)は自由度φ=n−2のt分布の両側100ρ%点t(φ、P)より、数22として求めることができる。
次に母相関係数ρに関して行われる検定では、母相関係数ρに関して行われる検定はたいていの場合、帰無仮説をH0 :ρ=0、対立仮説をH1 :ρ≠0とする無相関の検定である。無相関の検定手順を上で述べたρ=0の場合のγの分布を利用して順立てて説明すると、
1.手順1 帰無仮説 H0:ρ=0
対立仮説 H1 :ρ≠0
を設定する。
2.手順2 有意水準aを定める(ふつうは0.05、または0.01)。
3.手順3 棄却域を定める。
R: γ ≧γ(φ、P)
4.手順4 n組のデータ(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )をとって相関係数を求める(φ=n−2)。
5.手順5 γの値が手順3で定めた棄却域であれば有意と判定し、相関があるとみなす。
となるのである。
1.手順1 帰無仮説 H0:ρ=0
対立仮説 H1 :ρ≠0
を設定する。
2.手順2 有意水準aを定める(ふつうは0.05、または0.01)。
3.手順3 棄却域を定める。
R: γ ≧γ(φ、P)
4.手順4 n組のデータ(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )をとって相関係数を求める(φ=n−2)。
5.手順5 γの値が手順3で定めた棄却域であれば有意と判定し、相関があるとみなす。
となるのである。
本発明は、サッカーチームの分析に適用する他、例えば野球チーム、ラクビーチーム等の戦力分析にも適用できる。
1 サーバー側コンピュータシステム
2 通信回線
3 分析処理装置
4 サーバー端末
5 記憶手段
6 演算処理手段
7 入力部
8 表示部
9 インターフェース
10 利用者端末
11 無線処理システム
12 携帯端末
13 利用者コンピュータ
2 通信回線
3 分析処理装置
4 サーバー端末
5 記憶手段
6 演算処理手段
7 入力部
8 表示部
9 インターフェース
10 利用者端末
11 無線処理システム
12 携帯端末
13 利用者コンピュータ
Claims (8)
- サッカーチームに関する既存データベースから収集される各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを記憶する記憶手段と、
相関分析演算、線形和演算、規格化演算に必要な数式を保持し、記憶した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを相関分析演算により定性的に関連付けるとともに、関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイ別の線形和演算による各サッカーチームの定性的な戦力格付けを行う演算処理手段と、
演算処理手段にて演算した各サッカーチームの定性的な戦力格付け指標を通信回線を介して利用者端末が利用可能なサーバー端末と、
を含むことを特徴とするサッカーチーム分析システム。 - 前記関連付けを行う関連データ項目は、シーズンコード(SEASON CD),試合日(GAME DATE),試合開始時間(GAME ST TIME),観衆数(SPECTATORS),グランド状態コード(GROUND COND CD),グランド表面コード(GROUND SURFACE CD),天候コード(WEATHER CD),風コード(WIND CD),キックオフチームコード(KICK OFF TEAM CD)の少なくとも1つ乃至は複数個若しくは全部から選定されることを特徴とする請求項1記載のサッカーチーム分析システム。
- 前記勝敗結果指標及びそれと関連付けを行う他の関連データ項目は、実際の物理的数値ではなく、分類や,程度を表す記号や,順序値を取り、各データ項目を一元的に綜合して定性的強さを評価するモデルを構築し、これらの値を同じデータ形式に変換し同じモデル構成の中で扱えるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のサッカーチーム分析システム。
- 前記関連付け指標から各チームの定性的な戦力格付け指標を算出する際に、データの規格化を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサッカーチーム分析システム。
- サッカーチームに関する既存データベースから各サッカーチームについてホームとアウェイに分けた定性的強さを反映する参考指標としての勝敗結果コード及び既存データベースからの又は入力処理される各サッカーチームの他の関連データ項目とを収集し記憶する課程と、
収集した参考指標としての勝敗結果コードと、他の関連データ項目とを相関分析により定性的に関連付ける過程と、
関連付けした関連付け指標を基に各サッカーチームのホームとアウェイとに分けた線形和演算による定性的な戦力格付けを行う課程と、
得られた定性的な戦力格付け指標を通信回線を介して利用者端末に利用可能とする課程と、
を含むことを特徴とするサッカーチーム分析・利用方法。 - 前記関連付けを行う関連データ項目は、シーズンコード(SEASON CD),試合日(GAME DATE),試合開始時間(GAME ST TIME),観衆数(SPECTATORS),グランド状態コード(GROUND COND CD),グランド表面コード(GROUND SURFACE CD),天候コード(WEATHER CD),風コード(WIND CD),キックオフチームコード(KICK OFF TEAM CD)の少なくとも1つ乃至は複数個若しくは全部から選定されることを特徴とする請求項5記載のサッカーチーム分析・利用方法。
- 前記勝敗結果指標及びそれと関連付けを行う他の関連データ項目は、実際の物理的数値ではなく、分類や,程度を表す記号や,順序値を取り、各データ項目を一元的に綜合して定性的強さを評価するモデルを構築し、これらの値を同じデータ形式に変換し同じモデル構成の中で扱えるようにしたことを特徴とする請求項5又は6記載のサッカーチーム分析・利用方法。
- 前記関連付け指標から各チームの定性的な戦力格付け指標を算出する際に、データの規格化を行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のサッカーチーム分析・利用方法。
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